会話集/章別会話
邪竜の章 七つの腕輪†
オープニング†
- [???]
- あなたは教えを守り導かれるまま、
無垢であることを望むだろうか。
仲間の血で手を穢しても、
勝利をおさめることを願うだろうか。
どれほどの痛みも今は懐かしく、
ただ憧憬の果てに見る夢だった。
さりとて、わたしは知っている。
この世界に永遠はない。
あなたの眠りは、今こそ覚める。
- [イル]
- こうしていると、幼き頃のようだ。▼
貴様は眠りが深く、
いつも我が先に起きて、目覚めを待っていた。▼
一人でどこへも行けなかった。
部屋を出れば全てが敵だった。▼
望んでも竜化できず、何の力も持たず、
他の御子に嘲笑され侮蔑され…▼
大人になれずに死ぬと思っていた。▼
- [エル]
- そんなことを…思っていたのですか。▼
- [イル]
- 目覚めたか。
竜化して逃げようなどと考えるな。▼
そこから動けば、足を落とす。▼
- [エル]
- イル。
もうやめてください。▼
こんな世界で力を得て、何をするというのですか。
王たちも、民も、何もかも失ったのですよ。▼
残っているのはもう…私たちだけです。▼
- [イル]
- 我が求めるは力そのもの。▼
世界を滅ぼそうなどとは考えていない。
目的への過程で勝手に滅ぶのだ。▼
貴様には分からぬであろう、持たざる者の悲哀など。
見下され生きる者の苦痛など。▼
- [エル]
- それは過去の話です。
あなたは皆に慕われていた▼
神竜王城での時間は、皆と家族のように過ごした日々は、
温かなものだったはずです。▼
- [イル]
- 我には偽りの、苦痛の日々だった。▼
- [エル]
- イル…▼
- [イル]
- 家族だと? 笑わせる。
いいことを教えてやろう。▼
ーー我は、貴様の片割れなどではない。▼
- [エル]
- !▼
- [イル]
- 邪竜の御子であることは違わぬが、
我は幼き頃、本物の「イル」と成り代わった。▼
貴様の大切な大切な片割れは、
父上の元から逃げてまで守ったイルは…▼
もういない。▼
- [エル]
- …………▼
- [イル]
- わかったか?
貴様は独りきりだ。▼
想い人たる神竜は死に、守護者たる四翼を喪い、
唯一の家族は偽物であった!▼
ははは! 傑作だろう!?▼
これでもう、躊躇わずに殺し合えるな?
戦って、そうして…▼
…我を止めて欲しい。
お願いだ、姉さん。▼
- [エル]
- え…?▼
- [イル]
- 我は悪い子だ。生まれた時からずっと。
片割れの顔すら知らず、一人で寂しかった。▼
許されないと知りながら…
あなたのイルになったあの日から…▼
優しくされて、笑いかけられて、あなたを…
自分だけの姉のように思ってしまった。▼
あの神竜王城の日々は優しくて、
本当は今でも、宝物のように思っている。▼
でもそれは全部、我のものじゃない。
苦しいんだ。もう…▼
もう終わりにしてほしい…▼
- [エル]
- ど、どういうことです?
あなたは…▼
- [イル]
- ううっ、違う…ちがう!!
何だ、今の言葉は! 終わりにしたいだと!?▼
父上は最後に我を後継者だと告げたのだ。
この胸元に触れて!▼
やり遂げるまでは終われぬ!!▼
…しかし、それが本当の期待であったのか?
憐みの印であったのか?▼
わからない。わからない…!
胸が苦しい…ずっと、ずっと!!!!▼
- [エル]
- しっかりしてください、イル!▼
- [イル]
- 我は証明するのだ!!▼
父上の無念を晴らし、その志を継ぐことで!
我こそがただ一人…邪竜の王たる器なのだと!!▼
- [リュール]
- かつての浮遊島とは…
この世界のソラネルのことだったのですね。▼
- [イル]
- …来たか。▼
- [リュール]
- エルを解放してください。▼
- [イル]
- 解放して欲しくば、
最後の腕輪の封印を解け。▼
- [リュール]
- 封印?
(三級長の腕輪)
- [イル]
- 『三級長の腕輪』だ。
腕輪の力を誰にも使わせぬよう、
神竜により封印が施されている。▼
紋章士を目覚めさせることはおろか、
かつての浮遊島から出すことも叶わん。▼
- [リュール]
- 島が墜落した今も尚、ですか。▼
- [イル]
- 厄介であろう? 父上との決戦直前…
神竜は我にこの腕輪のことを告げた。▼
(回想)
- [イル]
- 封印は当人にしか解けぬというのに、
奴はこれを残して死んだ。▼
(場面が戻る)
- [イル]
- そのせいで我は、父上の後継として動けなかった。
腕輪を七つ集めたとてどうにもならぬのだからな。▼
だが、古の儀により貴様が現れた。
あの日から…我はこの時を待っていたのだ。▼
- [リュール]
- 私になら、これが解けると?▼
- [イル]
- 逆らえばエルは殺す。▼
- [エル]
- 駄目です、神竜様…!▼
- [リュール]
- 大丈夫ですよ、エル。
いま助けます。▼
(三級長の腕輪の封印が解除)
- [リュール]
- これでいいですか。
- [イル]
- ふ、ふふふ…!!!!!
あははははははは!!!!!!▼
最後の腕輪だ、求めてやまなかった七つの腕輪が
我が手中に…!!!!!▼
さあ起きろ紋章士、
我が悲願を叶えろ!!▼
(腕輪の紋章士)
- [イル]
- ついにやり遂げました…
父上!!▼
グオオオオオオオオッ!!!!!!!!▼
- [リュール]
- 役目は果たしました。
エルを返してください。▼
- [大邪竜イル]
- 返す?
こいつには、ここで死んでもらう。▼
- [リュール]
- そんな! 約束が違います!
- [大邪竜イル]
- はははははは!!!!
消えろ! 忌々しい、我が姉よ!!▼
- [リュール]
- エル!!▼
- [セレスティア]
- そうはさせませんわよーっ!▼
(四翼が合流)
- [大邪竜イル]
- なに…!?▼
- [リュール]
- セレスティア、グレゴリー、マデリーン!▼
- [セレスティア]
- お怪我はありませんね、エル様!▼
- [エル]
- 四翼よ…!
生きていたのですね、良かった…!▼
よくぞ、無事で…!▼
- [リュール]
- …? モーヴの姿が見えません。▼
- [セレスティア]
- 神竜様、エル様。
申し訳ありません。モーヴは…▼
…モーヴは…っ!▼
- [エル]
- え…!?▼
(回想)
- [セレスティア]
- 支柱は破壊したわ。
あとは神殿が崩れるのを待つだけね…▼
さようなら、みんな…▼
…え?▼
- [グレゴリー]
- モーヴ!?
お前、それは…ワープの杖!?▼
セレスティアを外に飛ばしたのか!?▼
- [モーヴ]
- 最初から、その心算だった。▼
全員死ぬ必要はない。誰かただ一人が残り、
皆を外に飛ばせば、犠牲は最小で済む!▼
- [グレゴリー]
- 馬鹿! その杖寄越せ!
残るなら俺が!!▼
- [モーヴ]
- グレゴリー。
副官の座はお前に託す。▼
- [マデリーン]
- モーヴ!
どうして言ってくれなかったのですか!▼
マデリーン。幸せでいてくれ。
俺は、きっとこのために…▼
- [マデリーン]
- そんなお別れみたいな言葉、嫌です!
共に死ねるならと告げずにいたのに…▼
ワタシは、モーヴのことが…!▼
- [モーヴ]
- これでいい。これで。▼
すまない、みんな。
最後に騙してしまったな。▼
四翼として過ごした日々は忘れない。
まるで夢のような、家族を得たような心持だった。▼
けれど、俺は…▼
ーーヴェイル様。今、そちらに。▼
- [エル]
- そんな…モーヴ…!▼
- [リュール]
- モーヴ。▼
- [セレスティア]
- 彼は最期まで立派でした。
どうか…どうかそのことを憶えていてください。▼
- [大邪竜イル]
- 三匹も仕留め損なっていたとはな。
その上、忌々しい姉も神竜もまだ生きている!▼
赦さぬ。赦さぬぞ貴様ら!!
皆残らずここで死ね!!▼
- [リュール]
- イル…!
許さないのはこちらも同じです!▼
あなたをソンブルの後継者になどさせません!
行きましょう、皆!▼
- [セレスティア]
- 四翼の頭領として、翼をもがれて尚
高く飛べるところを見せて差し上げます!▼
- [グレゴリー]
- やっぱり怖いけど…俺は怯まねえ。
あいつから受け継いだ、四翼の副官として!▼
- [マデリーン]
- 主が誤った道を進むなら、それを正すも騎士の務め。
参ります!▼
- [エル]
- 神竜様。セレスティア、グレゴリー、マデリーン。
どうかこれ以上、誰も死なないで。▼
おそらくこれが…
この世界の、最後の戦いです。▼
…イル。
私はあなたを、止めてみせる。▼
ステージ開始時†
- [???]
- どうか彼を止めてください…
わたしの最後の力を、あなたに授けます。▼
- [リュール]
- これは…▼
…ありがとうございます。
あなたの願い、私が必ず。▼
リベラシオンを手に入れた
邪竜の章では味方が撃破されてしまっても
失われることはなく、クリア後に復帰します
総力戦で挑みましょう!
戦闘開始時†
- [エル]
- 足場が不安定で、嫌な予感がします。
神竜様。急ぎ北西の島に向かいましょう。▼
2ターン目開始時†
(召喚ノ渦)
- [エル]
- あの怪しい光の渦…
塞いでしまえば、増援を防げるかもしれません。▼
4ターン目敵軍フェイズ開始時†
(破壊ノ衝動)
- [エル]
- 島が…!
あの場所にいたら、命はありませんでした。▼
イルは脱落した者の力を奪い、
自分のものにする思惑のようです。▼
危険は伴いますが…島が沈む前に敵を減らし、
彼が力を得るのを阻止しましょう。▼
「力ノ渇望」で敵ユニットが巻き込まれ、紋章氣が発生した場合†
- [エル]
- あそこに残っているものは何でしょう?
嫌な気配はしませんが…▼
vs 異界のフォガート†
- [異界のフォガート]
- あはは、不思議。俺はもう何度も死んでいるのに、
また誰かを好きだって、殺したいって思えるんだ。
主人公 vs 異界のフォガート†
- [異界のフォガート]
- 神竜様、久しぶりー。
神竜王城以来かな。▼
あの時の刺客、実は俺だったんだよ。
異形兵になりたてで意識薄かったけど。▼
- [リュール]
- 死して尚戦わされていると分かっていながら…
なぜ、イルに手を貸すのですか。▼
- [異界のフォガート]
- 面白そうだから。
生きてる頃にはできなかったことがしたいから。▼
他のみんなもそうじゃないかな。
生前よりも欲望が前に出る感じがするんだ。▼
現にほら…俺は今、だーい好きな神竜様と
殺し合いたくて仕方がない!▼
異界のフォガート撃破†
- [異界のフォガート]
- やっと、これで…最後なんだね……
そこの君、ありがとう。心から…愛しているよ。
vs 異界のミスティラ†
- [異界のミスティラ]
- あなたに恨みはありません。けれどこうなった以上…
ソルム王家最後の王として、役目を果たすのみ。
異界のミスティラ撃破†
- [異界のミスティラ]
- 晴れやかな気持ちです…まるで、祖国の空のように。
叶うならあの空の下、また皆と、神竜様と……
vs 異界のオルテンシア†
- [異界のオルテンシア]
- 本当はわかっているの…誰も元になんか戻らない…
神竜様と一緒に、みんな消えてしまったわ……
主人公 vs 異界のオルテンシア†
- [異界のオルテンシア]
- 神竜様…あなたも蘇ったの?
私と同じように…▼
- [リュール]
- あなたは、自分が異形兵であることを
自覚しているのですか。▼
- [異界のオルテンシア]
- 私は、祖国で一度死んだはずよ…
でもこうして、動いている。▼
神竜様もそうなの? だったら、大切な人たちも
みんな蘇っているかもしれないわ…
ねえ、神竜様も仲間なのでしょう?
どうして、そこをどいてくれないの…▼
異界のオルテンシア撃破†
- [異界のオルテンシア]
- 嬉しい…向こうでならきっと、みんな一緒ね…
お姉様も…優しくしてくださるといいな……
vs 異界のアイビー†
- [異界のアイビー]
- ああ、邪竜の御子様が目覚められて、嬉しいわ…
なのに、この空虚はいったい何…ねえ、教えて頂戴…
異界のアイビー撃破†
- [異界のアイビー]
- 邪竜に傾倒した私でも…光の中に還れるかしら…
辛く当たった妹に…謝れるかしら……
vs 異界のスタルーク†
- [異界のスタルーク]
- 僕が死んでいる…? 聡明な、次期国王の僕が?
そんな、あり得ない。でも、あなたが誰だか、もう…
異界のスタルーク撃破†
- [異界のスタルーク]
- ありがとう…これ以上醜態を晒すぐらいなら…これで…
…兄上、良い弟でなくて…ごめんなさい…
vs 異界のディアマンド†
- [異界のディアマンド]
- 以前のような平和は、叶わぬのだな…
この王位は、もう誰も継げぬのだな……
異界のディアマンド撃破†
- [異界のディアマンド]
- ありがとう…これでもう…戦わずに済む……
祖国ブロディアよ…弱き王で、すまなかった……
vs 異界のアルフレッド†
- [異界のアルフレッド]
- 皆がいて…嬉しいよ。まるで、昔のようだ…
ああ、僕は、本当はずっと……
異界のアルフレッド撃破†
- [異界のアルフレッド]
- これで、神竜様の下に行ける…また皆で…
あの美しい花畑で…笑って……
vs 異界のセリーヌ†
- [異界のセリーヌ]
- 幸せだわ。もう責務も重圧も何もないの。
ただ目の前の相手を蹂躙していいのよ!
異界のセリーヌ撃破†
- [異界のセリーヌ]
- 最後のフィレネ王族として、胸を張って散りましょう…
お母様、みんな。わたし、幸せだった……
vs 大邪竜イル†
- [大邪竜イル]
- 元の世界が懐かしいか?もう戻れぬぞ。
この我に歯向かったのだからな!!
主人公 vs 大邪竜イル†
- [大邪竜イル]
- 感謝するぞ、神竜。
貴様のおかげで、我が悲願は成される。▼
貴様が来た所為で、この世界は滅ぶのだ!▼
- [リュール]
- そうです。
私の所為で、この世界は助からない。▼
あの腕輪の封印を解くことで、
滅びへと駒を進めてしまったのは私です。▼
けれど…私は破壊のため喚ばれたのではない。
あなたを救うため、ここに遣わされたのです。▼
- [大邪竜イル]
- 世迷言を。神竜でありながら、
世界を滅ぼした罪を悔いて死ね!▼
- [リュール]
- …あの人は、世界を救えと言わなかった。
大切な人たちを救ってと言っていた。▼
全て滅ぶことを知りながら、
あなたの救済を願っていた。▼
私はそれを伝えます。戦うことで、倒すことで、
あなたを愛する人がいるということを!▼
エル vs 大邪竜イル†
- [エル]
- その姿、ソンブルを思い出します。▼
イルも、いつもこんな気持ちだったのですね。
私の姿を見て、お父様を重ねていたのですね。▼
- [大邪竜イル]
- 我の気持ちをわかった気になるな。
貴様と我は違う。今この瞬間でさえも。▼
最初から全てを持ち、我を憐れんできた貴様には
数千の時を経ても我を理解はできぬ。▼
- [エル]
- それは…私たちが共にいた時間の全てでも、
到底及びませんね。▼
ならば、私がどれだけあなたを大切に思っているかも、
理解はしてくれないのでしょう。▼
失いたくない。
たった一人のあなたを。▼
元に戻ってとは望みません。ただ…
このまま遠くに行かないでください。▼
セレスティア vs 大邪竜イル†
- [大邪竜イル]
- セレスティアか。
見ろ、我の勇姿を。誇り高い竜の姿を!▼
- [セレスティア]
- イル様…
ええ、同じ竜族として、認めざるを得ませんわ。▼
けれど、それでは誰の力も必要としない。
孤独になってしまわれますわよ、イル様。▼
一人きりは存外寂しいものですの。
今からでも考え直されては?▼
- [大邪竜イル]
- 寂しいなどという感情に疾うにない。
貴様は寂しいのか。失った一翼が恋しいか。▼
ならば直ぐに奴の元へ送ってやろう!▼
- [セレスティア]
- 私はあの場所で、本当に死ぬ気だったのに。
馬鹿ね、モーヴ。でも…ありがとう。▼
おかげで覚悟を決めて、イル様と戦える。
もう何も奪わせないわ!▼
グレゴリー vs 大邪竜イル†
- [大邪竜イル]
- ほう…臆病な貴様が逃げずにここに来たか。▼
ではその気概を讃え、
痛みを感じる間もなく屠ってやろう。▼
- [グレゴリー]
- 今殺すなら、痛くてもいいぜ。
俺だけ楽に死ねるなんて、そんなの不公平だろ。▼
きっとあいつは、もっと痛かった。怖かった。
なのに俺はこうして、逃がされた!▼
この悔しさがわかるか!? なあ!?
自分の騎士が死んで、悲しくないのかよ!▼
- [大邪竜イル]
- 涙でも流してみせればよいのか。▼
- [グレゴリー]
- よくわかったよ。じゃあ悲しませてやる。
あのイル様だって、間違いなくあんた自身だった。▼
あんたを殴って止めて、死ぬほど思い出話をして、
優しかった頃のあんたの涙を引っ張り出す!▼
これが四翼の副官としての、俺の答えだ!▼
マデリーン vs 大邪竜イル†
- [大邪竜イル]
- モーヴが死んだようだな。
我が憎いだろう。殺したいほどに。▼
その殺意をぶつけて来い、返り討ちにしてやる。▼
- [マデリーン]
- ワタシはアナタを恨まない。
あのことがなければなんて思いません。▼
誇り高き騎士であった彼は、それを望まない。
納得できなくとも、理解ができるから。▼
- [大邪竜イル]
- 仇を憎まぬと?
貴様にそれができるのか。▼
- [マデリーン]
- モーヴはアナタに殺されたのではない!
ただ誇り高く、四翼を守って死んだ!▼
だからワタシも彼のように、せめて騎士らしく
清廉な気持ちでアナタを止めましょう!▼
それが…正しいと信じています!▼
クリア後の会話†
- [大邪竜イル]
- 我が負けた…? そんな…!
父上…! 父上えぇぇ!!!▼
- [リュール]
- ! 紋章士の指輪が、
四方に散っていきます。▼
- [エル]
- 役目を終えた腕輪は、すぐに集まることのないよう
姿を消すと言われています。▼
- [リュール]
- お別れですね。
腕輪の紋章士たち。▼
- [イル]
- どうして…どうして…だ……
腕輪の力をもってしても、敵わなかった…▼
- [エル]
- もうわかったでしょう。▼
ソンブルの願いを継ぐことなど、
間違っているのです。▼
- [イル]
- 父上の願いを継げなかった我になど、
価値はない……▼
いや、生まれた時から価値などなかったのだ…
なのに、特別な何かになりたいと思ってしまった。▼
貴様のような、特別な誰かに…
- [エル]
- あなたは無価値などではありません。
私の特別な、かけがえのない片割れなのですから。▼
- [イル]
- 笑わせるな。言った筈だ…
我は「イル」ではないと。▼
- [エル]
- ……はい。
- [リュール]
- イルではない?
どういうことですか。▼
- [セレスティア]
- 本物のイル様はどちらに?▼
- [イル]
- 本物の「イル」は…千年以上も前、
エルに竜石を手渡されてすぐの戦場で死んだ。▼
姉のために手柄をと思ったようだが、
力及ばずに。▼
- [リュール]
- では、あなたは?
- [イル]
- 我とて、邪竜の御子が一人。
尤も、物心つく前に、我自身の片割れは亡くしたが。▼
双子ばかりの御子の中、何の能力も発現せず、
いつも孤独であった。▼
そんな時「イル」に出会った。▼
我とイルはどちらも御子としての能力を持たず、
見た目も不思議なほどに瓜二つでな。▼
意気投合し、争い合う御子たちの中、
イルとだけは幸せな時間を過ごせた。▼
片割れのいない我にとっては…
イルこそが我が半身だった。▼
- [エル]
- …………▼
- [イル]
- だが、イルにとっての半身は…
どこまでもエルだったのだろう。▼
戦場で瀕死のイルを見つけた時、
竜石を託され、姉を頼むと言われた。▼
ここで死んだら姉が悲しむ。
優秀な姉の片割れがいなくなったら迷惑がかかる。▼
だから…自分の代わりを、と。▼
- [リュール]
- そこで、あなたはイルに成り代わったのですか。▼
- [イル]
- あの時死んだのは我ということにしてな。▼
ひとりの御子の死など…記録にも、
父上の記憶にも残っていないだろうが。▼
- [セレスティア]
- まさか、お二人が…
双子でなかっただなんて。▼
- [イル]
- わかったなら殺せ。
躊躇せず為せる筈だ。▼
我は世界を蹂躙し、滅びの淵に堕とした悪だ。
ここで止めぬのなら、衝動は再び目覚めるぞ。▼
それともまだ受け入れられぬか?
なあ…エル。▼
- [エル]
- 知っていました。最初から、全部。▼
- [イル]
- なに?▼
- [エル]
- イルはもういない。
そんなこと、とっくに知っていました。▼
最初から分かっていて、
問い質すつもりなんてなかった。▼
イルの代わりをしてくれるあなたはきっと…
とても優しい人だから。▼
私はあなたの事も、
本当の片割れだと思っていましたよ。▼
- [イル]
- そんな、馬鹿なことを。
全て出鱈目だ!▼
- [エル]
- 出鱈目でも、嘘でもありません。▼
憶えていますか。旅を始める前、
神竜王城の墓地に挨拶をしたこと。▼
あそこには、イルの持ち物をそっと入れてあるのです。
あなたも知らない、大好きだった押し花を。▼
私は神竜様と…イルに挨拶をして、
旅立ったのですよ。▼
- [リュール]
- あのお墓に、イルも…▼
- [エル]
- イルがいなくなって悲しかった。
受け入れられない気持ちもありました。▼
でも、私も同じだったのですよ。
いつしか、あなたを愛おしく思うようになって…▼
姉と呼ばれるのが嬉しくて、
寂しさをあなたの笑顔が救ってくれた。▼
あなたにとっては偽りでも、
共に過ごした時間が幸せでした。▼
こうして戦い続けられたのだって、
他の誰でもない、あなたがいたからです。▼
あなたを一番、信頼していた。心から。
でもその本質が見抜けなかったのは…▼
…それが、どうしようもなく、
片割れではない証なのでしょう。▼
- [イル]
- ああ。ずっと聞きたかった…
これ以上ない、訣別の言葉だ。▼
…覚悟は決まったか?▼
- [エル]
- ええ。▼
- [イル]
- 今までありがとう。▼
さようなら、エル。▼
- [エル]
- さようなら、イル。▼
(自決)
- [エル]
- ぐっ…う…!▼
- [イル]
- な…!?
なんのつもりだ!?▼
- [リュール]
- エル!?▼
- [エル]
- 気付いたのです…あなたの衝動を…
止める方法が、もう一つあると。▼
大丈夫…私が死ねば、
その胸の痛みは無くなります。▼
私はもう、誰も喪いたくない。
だから…これでいいんです。▼
- [イル]
- エル!▼
- [エル]
- もっと…早く気付いていたら良かった。
そうすれば、この戦は起きなかったかもしれない。▼
自死などしては、本当のイルや…
神竜様の元には…いけませんね。▼
それでも私は…あなたを苦しみから解放できるなら、
喜んで自分自身を、眠らせましょう…▼
- [イル]
- 何故だ、何故そこまで。
我は切り捨てても良い存在だ。▼
喪ってもいい存在のはずだ!
なのに!▼
- [エル]
- あなたが、誰であっても……
やっぱり私には…大事な人ですから……▼
最期に…あなたの…
本当の名前を…を……▼
…………▼
(竜石)
- [セレスティア]
- エル様! エル様ーっ!!▼
- [リュール]
- そんな…!▼
- [イル]
- 死んだ…のか…?▼
エルは最後に、何と言った?
恨み言でも辞世の句でもない。▼
ただ、我の名を…聞いたのか…?▼
…………▼
- [ラファール]
- …我の名前は、ラファール。
ラファールだ…▼
…姉さん…っ。▼
- [リュール]
- ラファール…▼
- [ラファール]
- ああ、なぜ忘れていたのだ。▼
本物のイルは、死ぬ直前に…
「エルを守って」と言っていた。▼
我の望みは、それを叶えることだった。
エルに守られるのではなく、守りたかった。▼
イルの分まで…エルを、
姉さんを幸せにしたかったのに。▼
この気持ちを、いつの間に…
どこに置いてきてしまったのだろう。▼
胸が痛い…まだ痛い…
姉さんの嘘つき。▼
痛みは無くなると言ったのに!
まだこんなにも、痛いではないか!!▼
- [リュール]
- 砕けた竜石から…
異質な気配を感じます。▼
- [セレスティア]
- あれは、ソンブルの魔力ですわ。
もしかしたらソンブルは竜石に術をかけ、▼
イル様…いえ、ラファール様に、
偽りの憎しみを植え付けたのかもしれません。▼
竜石は持ち主の死によってのみ破壊される…
エル様が死した時、やっと術が解けるように。▼
- [リュール]
- では、彼はソンブルのせいで、
エルと殺し合うよう定められていた?▼
- [ラファール]
- だから何だというのだ。▼
術の所為なら仕方がないと?
哀れだから許してやろうとでも?▼
ふざけるな!▼
父上の術であろうとあるまいと、
全ては我の背負った業。この感情は我のものだ!▼
したことも、奪ったものも、
全ては我が決めて我が望んだこと!▼
この衝動も罪も、例え父上にでも渡さぬ!!▼
- [リュール]
- !▼
- [ラファール]
- 我は力を得た。我は望みを叶えたのだ。
悔いはない。ただ…▼
イルとの約束が、果たせなかった。
それだけが心残りだ。▼
…………▼
…神竜。▼
- [リュール]
- 何ですか。▼
- [ラファール]
- 強き力持つ竜族は、自身の生命力を…
相手に与えることができると聞いた。▼
お前は、それが本当だと思うか?▼
- [リュール]
- はい。私は元の世界で、母さん…神竜王に
力を与えられ、千年の眠りから目覚めたのですから。▼
- [ラファール]
- ならば、我もそれに準じよう。
何千年かかろうとも、エルを再び目覚めさせる。▼
誰もいなくなった世界で、悠久の時の中、
片割れが目覚めることだけを信じて待つ。▼
それが自分のしたことへの罰だ。▼
なあ…エル。
いつか、目が覚めたら…その時は、▼
本当の片割れ同士になれるだろうか。▼
- [リュール]
- なれますよ。▼
いいえ、今でも…
あなたたちは一対の存在だと、そう思います。▼
- [ラファール]
- …そうか。▼
- [リュール]
- エルが目覚めたら、私のところに来ませんか。
私たちのエレオス大陸に。▼
- [ラファール]
- なに?▼
- [リュール]
- 此処からであれば、こちらのエレオスに来ることも
できるのではないかと。▼
ここがソラネルだからなのでしょうか…
先程から、私の世界の気配がするんです。▼
- [ラファール]
- それは、異世界への道が開かれたせいだ。
七つの腕輪の力によるものであろう。▼
父上の望みを叶えたいという願いが
そうさせたのかもしれん。▼
貴様の言う通り…あの道がある限りは、
他の世界に行くことも可能なのであろうな。▼
- [リュール]
- ならば、あなたに神竜の加護を授けます、
その時が来たら、こちらに来られるよう。▼
私のソラネルには、神竜の加護がないとは入れません。
ここに来てくれたら、それだけでもう…▼
共に戦ったあなたたちだとわかりますから。▼
- [ラファール]
- 先程まで殺し合っていた者を仲間にだと?
理解に苦しむ。▼
今この場での返答は否だ。
神竜の下で生きるなど、冗談ではない。▼
…だが、そうだな。
千年もの時が流れれば考えも変わるかもしれん。▼
遠い未来でエルが目覚め、我を許したなら。
そのような奇跡が起きたら、その時は…▼
約束だ、再び会おう。▼
- [リュール]
- はい。▼
- [ラファール]
- もう行け。
話すことはない。▼
- [リュール]
- それでは、また。
ラファール。▼
- [セレスティア]
- ラファール様。▼
- [ラファール]
- …なんだ。▼
- [セレスティア]
- 今まで、ありがとうございました。▼
いつかまた…
お会いできることを願っておりますわ。▼
- [ラファール]
- 我には、勿体ない言葉だ。▼
初回クリア時のみ†
- [リュール]
- 戻ってきましたね、神竜王城に。▼
- [セレスティア]
- まるで百年の時を経たような気分です。
色々なことがありすぎて。▼
- [リュール]
- ここを発つとき隣にいたエルとイルは、
今はいません。▼
戦った王族たちも、紋章士も、皆いなくなった。▼
- [セレスティア]
- ええ。モーヴも…▼
- [マデリーン]
- …………▼
- [セレスティア]
- 私たちはこれから、どうしようかしらね。▼
- [グレゴリー]
- どうするったって…国王は軒並み不在。
各国の生き残りも絶望的だ。▼
俺たちで国王でも名乗って、
国を再建するか?▼
- [マデリーン]
- 現実的ではありませんね。滅びを待つ状態の中、
できることなど少ないような気がします。▼
- [リュール]
- 良かったら、共に来ませんか。
三人とも。▼
- [セレスティア]
- 神竜様?▼
- [リュール]
- この世界が滅びの淵にあるということは、
戦いを通じて痛感しました。▼
しかし、私は道半ばの身。
役目を果たせば戻らねばなりません。▼
残されたあなた方だけで、残された時間を
生き延びろなどとは到底言えないのです。▼
また戦いに身を投じさせてしまいますが…
考えてみてくれませんか。▼
- [グレゴリー]
- …このまま座して滅びを待つのなら、
神竜様に役立ててもらうのも悪くはないな。▼
俺は賛成だ。▼
違う世界も、新しい敵も…
まあ、多少は恐ろしく思うがな。▼
- [マデリーン]
- 魅力的なご提案です。
でも、いいのでしょうか。▼
この世界を離れるなんて…
許されるのでしょうか…▼
- [セレスティア]
- マデリーン?▼
- [マデリーン]
- ここに、一人きりで…
モーヴを置いていくなんて…▼
みんな死んでしまったというのに、
ワタシたちだけ…▼
- [グレゴリー]
- ワタシたちだけ何だ?
幸せになるなんて、か?▼
マデリーン。あいつは、
モーヴは最期になんて言った?▼
- [マデリーン]
- …幸せでいてくれ、と。▼
- [グレゴリー]
- なら、いいんじゃないのか。
あいつはそれを願ってる。▼
置いて行って、いつか思い出さなくなるぐらい…
お前が前を向くことを望んでそう言ったんだろ。▼
- [マデリーン]
- か、勝手な解釈です。
グレゴリーに、モーヴの何がわかるというのです!▼
- [グレゴリー]
- わかるさ! ずっと一緒にいて、
もう兄弟みたいなもんだったんだから。▼
お前は違うのかよ。
マデリーン。▼
- [マデリーン]
- …違いません。
本当は、わかっているんです。▼
モーヴは、ワタシが幸せならきっと…
ううっ…! うううっ…!!▼
- [セレスティア]
- なきなさい。あれから一度も…
悲しむ暇もなかったのだから。▼
- [リュール]
- あなた方に、生まれた世界を後にさせるのは
胸が痛みます。▼
無理にとは言いません。でも、
ラファールには、その時が来れば…▼
こちらの世界に来て貰えるよう頼みました。
良かったら、共に待ちませんか。▼
- [セレスティア]
- 神竜様。
私も、マデリーンと同じ考えでした。▼
私たちだけ逃げるようで…それに、
主君の下を離れることに躊躇してしまう。▼
- [リュール]
- …そうですよね。
- [セレスティア]
- けれど、ここで待っているよりも、
この力が役に立つ世界に行くべきなのかもしれません。▼
何より、あなた様のお言葉に
逆らえるわけがない。▼
ずっと、長い間…私たちは、
あなたのために戦ったのですから。▼
- [リュール]
- セレスティア…▼
- [セレスティア]
- お供しますわ。
二人とも、異論はないわね。▼
- [グレゴリー]
- ああ。▼
- [マデリーン]
- はい。▼
- [セレスティア]
- これよりセレスティア、グレゴリー、マデリーンは
あなた様の騎士として忠誠を誓います。▼
我々は、神竜リュール様と共に。▼
- [リュール]
- ありがとう。
これから、よろしくお願いします。▼
- [セレスティア]
- はい!▼
さ、行くわよ二人とも。
違う世界に行っても、四翼として励みましょ!▼
- [グレゴリー]
- へえ、三翼じゃないのか?▼
- [マデリーン]
- わかって聞いていますね、グレゴリー。▼
- [セレスティア]
- 私とグレゴリーとマデリーン、それからモーヴ。
これからもずっと、四人で一緒よ。▼
どんな世界にいたとしてもね。▼
- [リュール]
- では行きましょう。
私たちのエレオス大陸へ!▼
…エル、ラファール。
いつか、また。▼
- [???]
- ありがとう、もうひとりの神竜よ。
あなたの生に幸が多からんことを。▼
皆を、頼みましたよ。▼
セレスティアとグレゴリーとマデリーンが仲間になった
- [リュール]
- 今日は天気が良いですね。▼
空が澄んでいて…
何かいいことがありそうです。▼
- [ラファール]
- 同感だ、神竜。▼
- [リュール]
- え?▼
…!▼
- [エル]
- お久しぶりです、神竜様。▼
- [ラファール]
- 約束通り来てやったぞ。
起こすのに、少々…千年ほど、手間取ったがな。▼
姉と共に、よろしく頼む。▼
- [リュール]
- ようこそ、エル、ラファール。▼
素敵な朝ですね。▼
エルとラファールが仲間になった
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