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章別会話

預け合う背中

預け合う背中

オープニング

[エーデルガルト]
はあ…
どうにか撒いたかしら。▼
[ベレス]
3人とも、怪我がないようで良かった。
それにしてもあの軍勢は、いったい…▼
[ディミトリ]
賊…のようには見えなかったな。
奴らの装備を見るに、俺たちの知る
どの軍のものとも違うようだったが。▼
[エーデルガルト]
ええ、それにこの辺りの景色…
どうやらここはガルグ=マクの
森の中ではなさそうね。▼
[ベレス]
見覚えのない敵、見覚えのない森…
何が起こったんだろう。▼
[エーデルガルト]
事態を把握するためにも、
話の通じる相手を探さなければね。
だけど、それよりも…▼
[ディミトリ]
ああ…
それよりも、だ…▼
おいクロード、どこへ行く。▼
[クロード]
おわ、気づかれたか!
さっさとずらかろうと思ったんだが…▼
[ディミトリ]
お前というやつは…
…この状況、いつかも見た気がするな。▼
[エーデルガルト]
クロード。
何度も同じ手が通用すると思っているの?▼
[クロード]
わかってるわかってる。
だが、ここに留まってたって
そう都合よく誰か来てくれるなんて…▼
[シャロン]
…おーい!!
大丈夫ですかー!?▼
[エーデルガルト]
来たわね。▼
[ディミトリ]
…来たな。▼
[クロード]
あっはっは!
これも天の配剤、
日頃の行いの良さの賜物だな、先生。▼

C

[クロード]
…なるほど?
要は、あんたらが俺たちを「英雄」として
ここに呼びつけたってことか。▼
[ディミトリ]
そして、先程我々を襲った軍勢こそが
我々の戦うべき敵…
異界から現れた侵略者だ、と。▼
[エーデルガルト]
荒唐無稽な話だけれど、
状況的には信じるしかなさそうね…。▼
[シャロン]
この辺りの敵は、
わたしたちでぱぱっと片づけます!
皆さんは早くお城に…▼
[エーデルガルト]
相手もそう簡単に
私たちを逃がすつもりはないようよ。▼
[アンナ]

…足音よ。それもかなりの数ね。
私たちを探しているみたい。▼
[アルフォンス]
! まずいな…
僕たちだけで、
さばき切れるかどうか…▼
[クロード]
…まあ、俺らも戦うしかないか。
こんなわけのわからない世界に
屍をさらすのは勘弁願いたいからな。▼
[ディミトリ]
ああ、同感だ。
幸運なことに、手元には武器もある。
ここは皆で手を携え、切り抜けるとしよう。▼
[エーデルガルト]
貴方たちと意見が合うとはね。
一人も欠けず、生きて戻るわよ!▼
[アンナ]
あなたたち、
召喚されたばかりでそんな…
だ、大丈夫なの!?▼
[ベレス]
心配はいらないよ。
彼らは強いから。▼
もちろん、
貴方たちの力も頼りにさせてもらう。
一緒に戦おう!▼

B

[ベレス]
敵は「英雄」や特務機関を
余程警戒しているんだろう。
多くの兵を動員して、私たちを捜している。▼
[エーデルガルト]
交戦は控えて離脱したいところだけれど
あの数が相手となると、
簡単にはいかないでしょうね。▼
[ディミトリ]
やはり、包囲を切り崩すより他ないか。
打てる手はだいぶ限られてくるが…▼
[ベレス]
けれど……手段を選ばなければ
いくらでもやりようはある。▼
[ディミトリ]
…………▼
[エーデルガルト]
…………▼
[クロード]
…おっと、3人とも
どうしてそこで一斉に俺を見るんだ?▼
[エーデルガルト]
適材適所、と言うでしょう?
今度はどんな趣味の悪い奇策を
思いついてくれるのかしら、クロード。▼
[クロード]
人聞きが悪いなあ。
俺はいつだって、平和的に
物事を解決したいだけなんだが…▼
まあ、策がないわけじゃない。
皇女様と王子様はもちろん、
特務機関の皆様がたにも手伝ってもらうぜ。▼
[シャロン]
もちろん!
このシャロンにお任せくださいっ!▼
[クロード]
で、作戦の要は先生の指揮だ。
俺が思いつきでどんどん口に出すから、
上手いことまとめて指示にしてくれよ?▼
[アンナ]
…なんだか、作戦会議っていうより
戦術の講義風景でも見てるみたいね。▼
[ディミトリ]
あながち間違いでもありませんよ。
私たちは、士官学校の
教師と生徒なのですから。▼
[アルフォンス]
士官学校の教師と、生徒…か。▼

A

[シャロン]
すごかったです!
あの時の連携といったら、
流石は英雄! って感じでしたよ!▼
[エーデルガルト]
大げさよ。そもそも、
私たちが背中を預け合って戦う機会なんて
本来ないはずだったのだから。▼
[クロード]
それぞれ面倒なものを背負ってるもんでね。
しがらみのない世界ってのは、
なかなか気楽でいいもんだ。▼
[ディミトリ]
…だが、そんな俺たちが
一つとなれていた、と言うなら、
それはきっと、先生のおかげなのだろうな。▼
[シャロン]
そういうの、素敵ですね!
英雄さんたちが一つにまとまれば、
怖いものなし! ちょっと羨ましいです。▼
[エーデルガルト]
あら? 私の目には、貴方たちや英雄と
エクラも、
同じような関係に見えるけれど。▼
[アルフォンス]
えっ?▼
[クロード]
いろんな生い立ちの生徒をまとめるのも
いろんな異界の英雄たちをまとめるのも
似たようなもんだと、俺は思うぜ。▼
[アルフォンス]
確かに、そうかもしれないね。▼
エクラが
導いてくれたからこそ…▼
僕たちは多くの英雄たちと出会い、
背中を預け合う関係になれた。▼
[ディミトリ]
俺たちも、折角こうして巡り会ったんだ。
仲間として、協力は惜しまない。▼
[ベレス]
最後まで、共に戦おう。
これからも、よろしく頼むよ。▼

傭兵上がりの教師 ベレス

C

[シャロン]
あの、ベレスさんって教師なんですよね。▼
それも、"十傑"って呼ばれる英雄の
子孫たちの先生だって聞いたんですけど。▼
[ベレス]
確かに教師だけど…
そんな大それたものではないよ。▼
[シャロン]
この地に呼ばれた英雄さんたちは、
ベレスさんを慕っているように
見えますけど…▼
[ベレス]
だったら嬉しいね。
立派で教えることも少ない、
自慢の生徒たちだよ。▼
[シャロン]
ふふっ! 生徒の皆さんは、
自慢の先生だって言ってましたよ。
少し変わってるけど、って。▼
[ベレス]
元々自分は傭兵で、ずっと父に従って、
あちこちの戦場や野山を転戦してきた。▼
だから世の常識には疎いし、
貴族の子弟から見ると、ずれている
ところがあるみたいなんだ。▼
[シャロン]
傭兵から教師に…
不思議な巡り合わせですね!▼
[ベレス]
ああ。
この先、どんな未来が待っているかは
見当もつかないけどね。▼
[シャロン]
そうだ!
わたしも先生って呼んじゃおうかな。
そしていろいろと教えてください!▼
[ベレス]
呼ぶのは構わない。
でも、何を教えれば……?▼
[シャロン]
ええと…普段は何を教えてるんですか?
まず、そこから教えてほしいなと…。▼
[ベレス]
何を教えているかを教える?
…いいよ、付き合おう、シャロン。▼

B

[シャロン]
ベレスさんって、戦ってる時と、
普段とで、顔つきが違いますよね。▼
[ベレス]
そうかな?▼
[シャロン]
そうですよ!
戦闘中は、何ていうか…
傭兵って感じの顔で。▼
普段、特に生徒の皆さんと一緒の時は、
まさに先生って感じの顔、してますよ?▼
[ベレス]
それは嬉しいな。▼
[シャロン]
嬉しい?▼
[ベレス]
昔から表情が乏しいと、
周囲からは言われていたからね。▼
あまり感情を表に出す性質では
なかったんだ。▼
もちろん父や傭兵団の仲間は、
わかってくれていたけれど。▼
[シャロン]
わたしにもわかりますよ!
今は…▼
ずばり、お腹が空いてきたって顔ですね!▼
[ベレス]
…お腹が空いたのか?
それなら、話の続きは
食事をしながらにしよう。▼
[シャロン]
正解かどうか教えてくださいよ、先生!▼
[ベレス]
…………▼
[シャロン]
あっ!
待ってくださーい!▼

A

[シャロン]
先生!
この戦術については理解できました!▼
それでですね、こっちの陣形なんですけど、
敵に弓兵が多い場合は…▼
[ベレス]
…………▼
[シャロン]
どうかしましたか?▼
[ベレス]
いや、すっかり生徒の一人みたいだと
思ってね。▼
君にはアンナ隊長という立派な
上官がいるだろう?
彼女に悪い気がするな。▼
[シャロン]
ええ!?
そんなこと、気にしなくて大丈夫ですよ!▼
アンナ隊長は隊長で、
ベレス先生は先生です!
全然、違うじゃないですかー!▼
[ベレス]
そ、そうかな…▼
[シャロン]
そうですよ!
でも、気になるんだったら先生も
やめましょう!▼
[ベレス]
やめると、どうなるんだ?▼
[シャロン]
えーと、お友達になれたら嬉しいなって…▼
[ベレス]
すでに友達だと思っていたけれど。
いや…戦友、かな?
戦場で共に戦った仲間だ。▼
[シャロン]
違ーう!
お友達と戦友じゃ、全然違うんですよ、
ベレスさん!▼
[ベレス]
そうなのか…すまない。
しかし、そうすると自分には
友達がいたことがないような…▼
[シャロン]
えええー!?
さらっととんでもない告白じゃないですか!
ど、どうしましょう…▼

S

[シャロン]
ベレスさん!▼
[ベレス]
そんなに息せき切ってどうした、シャロン?▼
[シャロン]
ベレスさんに言いたいことがありまして。▼
その…わたしたちはお友達だと思います!
だから、ベレスさんには友達がいますよ!▼
[ベレス]
…………▼
[シャロン]
…………▼
[ベレス]
ふふ…ありがとう、シャロン。
その通りだね。▼
実は、あの後、考えてみたんだよ。
友達とは何だろうって。▼
[シャロン]
友達とは、何か…。▼
[ベレス]
仲間、戦友、同志…
あるいは、教師と生徒…。▼
いろいろな関係性があるけれど、
そうやってひとくくりにできないものも
いっぱいある。▼
その温かい何かが、自分にとっては友情で…
だとすれば、それは確かにここにあるんだ。▼
[シャロン]
…そうです!
わたしにだって、感じられますよ。
二人の間にある、温かな絆が。▼
[ベレス]
だから、シャロン。
これからもずっと友達でいてほしい。
心からそう思うよ。▼
[シャロン]
もちろんです!
わたしだって願ってますからね!▼

野望の寵児 クロード

C

[クロード]
よう、エクラ。
さては美味そうな匂いに
つられて現れたな?▼
こっちの世界に来てから、
珍しいキノコを見つけたんでね。
そこの鍋で煮込んでたところだ。▼
美味そうでも、つまみ食いはすんなよ?
そのキノコ、俺がいた世界にもある
希少種なんだが…▼
食ったら最後、たちまち顔は蒼ざめ、
全身から湯気を発して、三日三晩は
高熱と吐き気と腹痛に苦しむことになる。▼
なんでそんなもんを煮込んでるのかって?
もちろん、キノコの毒を抽出するためだ。▼
それを敵兵の飯にでもこっそり混ぜれば、
戦わずして相手の戦力を削れる、だろ?▼
毒を使った計略を卑怯と言う奴もいるが、
戦争ってのは、勝たなきゃ仲間が死ぬんだ。
卑怯の何のと言ってる場合かってね。▼
それに、もしこれを食っちまっても
三日で元気になるんだから、
殺し合うより、よほど平和的だろ?▼
…俺は、こう見えて慎重な男でね。
一つの戦いに勝つために、
予め何通りもの手札を用意するんだ。▼
このキノコの毒だって手札の一つさ。
ま、敵兵の飯にこいつを混ぜる手段が
今のところ見つからないが…▼

B

[クロード]
この前のキノコの毒だけどさ、
俺がちょっと目を離した隙に
つまみ食いしちまった奴がいてなあ…▼
すぐに見つけて、吐き出させたから
事なきを得たんだが、先生にバレて
説教を食らっちまったよ。▼
あ、説教されたのは、
毒を作ってたからじゃなくて、
作ってる途中で目を離したからだけどな。▼
あの先生は、俺が何か怪しいことをしてても
大概は見逃してくれるんだが、
仲間に迷惑がかかるようなことは例外でね。▼
…そういえば、お前って
どこか雰囲気がウチの先生と似てるよな。▼
用兵の才はもちろんだが、
仲間を大切にするところとか、
それでいて感情が読みづらいとことか…▼
なあ、エクラ、
お前って、本当は何者なんだ?▼
…ああ、いや、別に答えなくていい。
興味本位で詮索するのは俺の悪い癖でね。
いつも後で反省することになるんだ。▼
……と、わかっちゃいるんだが
得体の知れないもんを見ちまうと
どうしても好奇心を抑えられなくてね。▼
おっと、本人を目の前にして
得体の知れないってのも良くないよな。
すまなかった。反省、反省…▼

A

[クロード]
よう、エクラ。
こんな時間まで見回りか?▼
一人で大丈夫かよ。
お前、腕っぷしはそうでもないって
聞いてるぜ?▼
人にはそれぞれ役割分担ってのがある。
お前はお前の領分で力を尽くせばいい。▼
ちなみに俺も、
俺の領分で力を尽くしているところだ。
…これを見てくれ。▼
例のキノコの毒だが、
試行錯誤の結果、粉末にすることに
成功したんだ!▼
これなら敵兵の飯に混ぜるまでもない。
敵陣の中で撒き散らせば、
勝手に吸い込んじまうだろうからな。▼
どうやって撒き散らすかは
まだ思案中だが…。
…あ、お前! 今、笑わなかったか?▼
俺は冗談でやってるんじゃないんだぜ?
勝つための手札を増やすべく、
日々努力してるってわけだ。▼
いや、まあ…
半ば趣味みたいなもんだってのは
否定しないが…▼
…ん? 急に腹の具合が…!
まずい、頭も痛くなってきた…。▼
キノコの毒を少し
吸い込んじまったかもしれん…▼
わ、悪いな…今日のところは
これで失礼させてもら…ううっ…▼

S

[クロード]
やれやれ…
この間はさんざんな目に遭ったぜ。
自業自得と言えばそれまでだが…▼
三日三晩、吐き気と頭痛は想定どおり。
しかも全身から湯気出っぱなし…
完治までは戦力外になること確実だ。▼
ま、身を削った甲斐あって、
毒の効果は十分すぎるほど実証できたよ。▼
しかし難点にも気づいちまった。
原料となるキノコが希少すぎて、
大量生産できないんだよな…。▼
ごめんな、エクラ。
お前の助けになるかと思ったんだが
当分はお預けだ。▼
…あれ、その残念そうな顔。
もしかして期待してたのか?▼
大丈夫、手札なら他にいくらでもある。
ご要望あらば、状況に応じた最善の一手を
ビシっとご提案させてもらうぜ。▼
…あ、誤解しないでほしいんだが、
別にお前に恩を売って見返りを得ようとか
そういう打算的な考えはないからな?▼
不謹慎かもしれないが、
この世界に来てから、お前と一緒に戦うのが
楽しくて仕方ないんだよ。▼
で、戦う以上は、神頼みなんざ論外だ。
あらゆる手を尽くして、勝つべくして勝つ!
それが俺の流儀で…▼
…そうだ! 急に閃いたぜ。
原料が少ないってんなら、原料自体を
自分で作ればいいんじゃないか?▼
よし、まずはキノコ栽培について
調べないとな…忙しくなってきたぞ。
期待して待っててくれ!▼

黒鷲を継ぐ者 エーデルガルト

C

[エーデルガルト]
アンナ殿、少しいいかしら?▼
[アンナ]
もちろんよ、何でも聞いてちょうだい。▼
[エーデルガルト]
この前の異界の軍勢との戦闘だけれど、
敵軍の一部の動きに気になるものがあって。▼
戦場の地形と軍勢の動きを
簡単にまとめてみたの。
貴方にも意見をもらえたら嬉しいわ。▼
[アンナ]
ありがとう!
頼りになるわねー。▼
…………▼
うーん、この資料の完成度…
あなた、本当に学校の生徒なの?▼
[エーデルガルト]
ええ。
といっても、おかしなことではないわ。▼
私たちが属するガルグ=マクの士官学校は、
生徒の大半が貴族の子弟…
卒業と同時に爵位を継ぐ者もいるの。▼
領主ともなれば、自領の安寧のために租税を
正しく集め、正しく使わねばならない。
賊が出れば騎士団を率いて討伐もする。▼
若いうちから教養を身に着けなければ
やっていけないから、そういった教育を
受ける者も必然と多くなるわ。▼
[アンナ]
へえ…
思ったよりだいぶ厳しいところみたいね。
それこそ軍隊に近いような。▼
[エーデルガルト]
ふふっ、そうかもしれないわね。▼

B

[アンナ]
あなたたちが所属する士官学校は、
3つの国の人々が交ざって
学んでいるのよね?▼
[エーデルガルト]
ええ、そうね。
私たちが元いたところは
フォドラという地なのだけれど…▼
アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、
レスター諸侯同盟という3つの勢力によって
治められているの。▼
私は帝国、ディミトリは王国、
クロードは同盟領の出身で…▼
それぞれの学級を代表して、
級長という皆をまとめる役割を
持っているのよ。▼
[アンナ]
なるほど…それにしても
ずいぶんと仲が良いのね、3つの国は。
そうじゃなきゃ一緒に学べないわよね?▼
[エーデルガルト]
表向きはね。
同盟が王国から分離したのが300年ほど
前で、以来フォドラは平和を保ってきたわ。▼
ただ、現状に不満を持つ者も多いし、
私も今の形が最上と思っているわけでは
ないの…▼
[アンナ]
いろいろ事情がありそうねえ。▼
まあ、国がいくつもあれば、
表面上は仲良くても、内心では……
っていうのはわかるわ。▼
[エーデルガルト]
こちらの世界には、国どころか
異界がいくつもあるものね。
想像を絶する大変さがありそう…▼
[アンナ]
そうなのよ…
わかってくれる!?▼

A

[アンナ]
…それじゃ、こういう命令にしたら?
指揮系統に何かあった場合でも
柔軟に対応できそうじゃない?▼
[エーデルガルト]
アンナ殿、流石ね。
後は…状況に合わせた計略を複数、
あらかじめ準備しておくべきかしら。▼
[アンナ]
それ、いいわね。
次に異界の軍勢が襲ってきたら、
実践してみましょ!▼
[エーデルガルト]
ええ。
お願いするわ。▼
[アンナ]
…それにしても、まだ学んでいる身で
これだけの知識があるなんて、
余程の教育を受けてきてるのねえ。▼
[エーデルガルト]
生徒とはいっても、
私は次代のアドラステア皇帝。
アルフォンス殿と、立場は変わらないのよ。▼
学校に入る以前から、
様々な研鑽を積んできているもの。▼
[アンナ]
そういえばそうだったわね…。
教師と生徒っていう印象が強すぎて、
すこーんと抜け落ちてたわ。▼
[エーデルガルト]
ふふ…そういう扱いも悪くはないわね。
この世界にアドラステアはない。
ならば私も、ただの生徒の一人。▼
[アンナ]
異界の英雄の一人、っていうのも
忘れちゃ困るわよ? ふふふ!▼

S

[アンナ]
あれ? あなたが読んでいる本…▼
[エーデルガルト]
これはアルフォンス殿から借りたものよ。
こちらの世界の歴史に興味があって。▼
異界との交流があるからでしょうね、
フォドラとはまるで違っているの。
国の成り立ちも、発展の仕方も。▼
そのままフォドラには適用できないけれど、
いろいろと勉強になるわ。▼
[アンナ]
あなたって、いつ見ても
勉強とか訓練ばかりしている気がするわね。
息抜きに何かしたりしないの?▼
趣味とか、好きなものとか…。▼
[エーデルガルト]
ええと…息抜きはしているわよ。
一人でいる時にだけ。▼
[アンナ]
一人でいる時にだけ?
誰かに見られたくないような趣味なの?▼
あ、無理には聞かないけど。▼
[エーデルガルト]
見られたくはないけれど、
そんな大層なことでもないわ。▼
私は美しい風景を眺めるのと、
ごろごろするのが好きなの。
だから一人でこっそり自然の中でごろごろ…▼
[アンナ]
ごろごろ…
…ふふっ!▼
[エーデルガルト]
ほら、似合わないわよね?
皇位継承者として、他人にそういうところは
見せられないから…▼
[アンナ]
ううん、似合わないなんてことないわ!
それにこの世界では、あなたは一人の生徒、
なんでしょ?▼
他人の目なんて気にせず、
一緒にごろごろしましょ!▼
[エーデルガルト]
…仕方ないわね。
少しだけよ。▼

青獅子の守護者 ディミトリ

C

[アルフォンス]
ディミトリ王子。
ここでの生活には、もう慣れましたか?▼
[ディミトリ]
お気遣いありがとうございます。
おかげさまで、これといった不自由もなく。▼
強いて言えば、異界の王や勇士と交誼を
結べるこの環境では、時間がいくらあっても
足りない、ということくらいでしょうか。▼
[アルフォンス]
それは僕も、時々感じます。
彼らからは学ぶことが多いですからね。▼
[ディミトリ]
ああ…それとアルフォンス王子。
一つ、よろしいでしょうか。▼
[アルフォンス]
…何でしょう?▼
[ディミトリ]
私に対して
そのように丁寧な物言いは無用です。▼
今の私は、この国の将の一人。
そのような接し方をされると、
正直こう…落ち着かないもので。▼
[アルフォンス]
…君が、そう言うなら。▼
ではどうか君も、
僕には気安く接してもらえないだろうか。▼
僕はこの国の王子であると同時に
君たちと共に戦う特務機関の一人でもある。
僕も君も、立場はそう変わらないはずだよ。▼
[ディミトリ]
…………▼
…わかった。▼
そこまで言ってくれるのなら、
固辞するのも悪いよな。
ではありがたく、そうさせてもらおう。▼

B

[アルフォンス]
敵軍はこの位置に布陣している。
とすると、相対する僕たちにとって
最も有利な戦場は…▼
[ディミトリ]
ああ…やはり、その砦だな。
そこに布陣すれば
確実に敵を殲滅できるだろう。▼
…だが間違いなく、
近郊の街を巻き込んだ大規模な戦闘になる。▼
少数を切り捨て、多数を救う…
合理的な判断ではあるが
本当にお前は、それでいいのか?▼
[アルフォンス]
…………▼
…この機を逃せば、
街の人々よりも多くの民が
命を落とすことになる。▼
この国の王子として、
僕は民を守らなければいけない。▼
…………
けれど…僕は…▼
[ディミトリ]
…アルフォンス。▼
選べない、というのなら
もう少し一緒に足掻いてみないか。▼
[アルフォンス]
…えっ?▼
[ディミトリ]
お前は一人で戦っているわけじゃない。
他の道が見つからないのなら、
周りの力に頼ってみればいい。▼
軍議に先立って、作戦について
皆に意見を乞うてきた。▼
知恵者はもちろん、
普段は軍議に顔を出さないような者にもな。▼
彼らの知恵を借りつつ、
俺なりに、いくつか策をまとめてみた。
…どうするかはお前次第だ。▼
[アルフォンス]
ディミトリ…▼
[ディミトリ]
俺はな、どこの国の民だろうと
罪なき者の血が流れるのは容認できない。▼
大義の名のもとに切り捨てられる者など、
本当なら…どこにもいてはならないんだ。▼

A

[アルフォンス]
ありがとう、ディミトリ。
先日の作戦、君のおかげで
無駄な犠牲を出さずに済んだ。▼
[ディミトリ]
…ああ、あの一件か。▼
事が上手く運んだというなら、
お前はただ胸を張っていればいい。
選んだのはお前なのだから。▼
[アルフォンス]
…僕はずっと、迷っていたんだ。▼
少数の犠牲に気を取られて
多数を危険に晒すのは間違っている…▼
けれど、だからと言って本当に
民を切り捨ててもいいのか、と。▼
[ディミトリ]
アルフォンス。
これは俺の私見ではあるが…▼
正しさの定義など、曖昧なものだ。
真に「過たない」王を戴きたいなら
玉座には、法典でも座らせておけばいい。▼
…非情に徹さねばならない局面はある。
だが、そこで産み落とされる犠牲を
認めてしまうのは、ただの思考の放棄だ。▼
愚か者の謗りを受けようとも、
最後まで足掻き、より良い道を探す…▼
人が人を治めるのは、
そのためなんじゃないかな。▼
[アルフォンス]
…最後までより良い道を探す、か。▼
できるなら僕も、そう在りたいな。
…そんな王になりたい。▼
[ディミトリ]
…はは。
似た者同士だな、俺たちは。▼

S

[アルフォンス]
ディミトリ。
君の戦い方は、どこか危うく見える。▼
まるで、自分の命を
何とも思っていないかのような…▼
[ディミトリ]
危うい…
…そう見えるのか。▼
…俺は元々、戦うことが好きなんだ。
戦場で槍を振るっている時だけは、
余計なことを考えずにいられる。▼
筆よりも先に武器を握らされて
育ったようなものだしな。▼
[アルフォンス]
君は王子なのに、かい?▼
[ディミトリ]
俺が王子だから、だ。▼
英雄の血を引く家の人間は、
紋章の力で王国を侵略から守り、
貴族としての特権を得た。▼
[アルフォンス]
紋章…確かフォドラでは
限られた血統に伝わる
特別な力のことを指すんだったね。▼
[ディミトリ]
ああ。
ファーガスの王家に生まれついた俺には、
己の槍で、己の国と民を守る責務がある。▼
[アルフォンス]
…でも、それなら余計に
そんな戦い方はやめるべきだと思う。
君の命は、君一人のものじゃない。▼
[ディミトリ]
…そう、だな。
俺は、まだ死ねない。▼
元より、俺の命は俺のものではない。
…好きに散らす権利もない。▼
[アルフォンス]
…え?▼
[ディミトリ]
ああ…いや。
気にかけてくれて、ありがとう。
お前は優しいな、アルフォンス。▼
[アルフォンス]
優しい、というか…
…似た者同士、だからかな。
君のことは、何だか放っておけなくて。▼
[ディミトリ]
…そうか。▼
ならば共に戦い、
共に生きよう、アルフォンス。▼
互いの、果たすべき使命のために。▼

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Last-modified: 2020-09-24 (木) 18:51:16
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