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章別会話
雪解けの叡智†
雪解けの叡智†
オープニング†
- [アイビー]
- 皆、油断しないで…
ここはエレオス大陸ではない異邦の地。
慢心は死を意味するわよ。▼
- [オルテンシア]
- わかっているわ、お姉様。
祖国イルシオンのためにも、
こんなところで負けられないもの!▼
- [ロサード]
- かわいいオレ達の初陣は
かわいーい勝利で飾らないとね!
臣下として、がんばっちゃうよ!▼
- [カゲツ]
- うむうむ! 用心堅固に越したことなし!
じゃが、この先に強者がいると思うと、
気が逸ってしまうのう。▼
- [アイビー]
- 駄目よ。カゲツ。
もしも単騎で飛び出したら、
絶対に許さないから…▼
- [カゲツ]
- も、勿論じゃアイビー様!
敵の布陣もわからぬうちに、
そのような無謀はせぬ!▼
- [オルテンシア]
- 布陣かあ…確かに、
今のままだと下手に動けないわね。▼
お姉様。偵察の許可をお願い。
ロサードを連れて、
敵の動向を探ってくるわ。▼
- [アイビー]
- …そうね。
頼めるかしら…オルテンシア、ロサード。
けれど、くれぐれも気を付けて。▼
- [オルテンシア]
- わかったわ!
行きましょ、ロサード!▼
- [ロサード]
- 承知したよ、オルテンシア!▼
- [アイビー]
- 私たちは目立たないように
ここで待っていましょう。▼
…どうしたのよ、カゲツ?▼
- [カゲツ]
- 亥の方角に、気配じゃ。
それも、かなりの……▼
- [アイビー]
- 手練れなの?▼
- [カゲツ]
- そのようじゃ。
鯉口切って問題ないか?
それとも逃げるかのう?▼
余としては、敵前逃亡は
お勧めしないところじゃが…▼
- [アイビー]
- はあ…
やむを得ないわね。▼
いいわ…応戦しましょう。
行くわよ、カゲツ。▼
- [カゲツ]
- 合点承知!
速戦即決じゃ!▼
- [アイビー]
- ふう…
全員片付いたようね。
よくやったわ、カゲツ。▼
…カゲツ?
いないわ…▼
さっきの戦闘ではぐれたのかしら。
合流すべきだけれど、
ここを離れるわけには…▼
- [リン]
- 良かったら、
私が探してきましょうか?▼
- [アイビー]
- !! 貴方は…▼
紋章士…いえ、
エレブ大陸の英雄。
キアラン候公女のリンね。▼
- [リン]
- 光栄だわ。
私のことをよくご存じなのね。▼
リュールに頼まれて、
あなたたちに加勢に来たの。▼
- [アイビー]
- 神竜様が…▼
- [リン]
- ここからは力になるわ。
アイビー王女。▼
- [アイビー]
- ! あ、あの…待って。▼
良かったら、王女は無しで…
名前だけで呼んでくれないかしら。▼
- [リン]
- え? でも…▼
- [アイビー]
- 貴方が紋章士リンとは違うと、
弁えているつもりだわ。
けれど、我がイルシオンに託されて…▼
お父様が大切にしていた紋章士と
同じ逸話を持つ存在たる貴方に、
敬称で呼ばれるのは気が引けるの。▼
- [リン]
- 私、そっちの世界ではそんなに
大切にされていたの?▼
- [アイビー]
- 大切どころではないわ。
我が国の国宝だった。
私たちの心の拠り所だったのよ。▼
国王であったお父様も、
貴方を本当に大切にしていた。▼
私や神竜様にも力を貸してくれて、
いつも突破する風穴を開けてくれた。
みんな…あなたが大好きだったの。▼
- [リン]
- …いち公女である私が、
違う世界では国宝扱いされている上に
そんなに感謝されているだなんて。▼
なんだかくすぐったい気分!
教えてくれてありがとう。
アイビー!▼
- [アイビー]
- リン…
こちらこそありがとう。▼
- [リン]
- ! 草を踏む音…
誰かこちらに向かってくるわ。▼
- [アイビー]
- カゲツ?
いえ、違うわね。
僅かに殺気を感じるもの。▼
- [リン]
- 敵なら応戦しましょ!
後ろは頼んだわ、アイビー!▼
- [アイビー]
- ええ、任せて…!▼
…………
貴方の体温が伝わってくる…▼
リン、私はこの背中を、
必ず守ると誓うわ。▼
- [カゲツ]
- アイビー様ーっ!
はぐれてすまなかったのじゃ!▼
- [アイビー]
- …カゲツ。
次からは気をつけなさい。▼
- [リン]
- この人がアイビーの家臣?
初めまして、カゲツ。▼
- [カゲツ]
- なぬ! も、紋章士リン殿!
…ではなかった。▼
余は先程、きちんと名を聞いたのじゃ。
そなたは、リンディス殿じゃな!▼
- [リン]
- あら、その名前。
誰から聞いたの?▼
- [カゲツ]
- 混戦状態になっていたところ
助太刀してくれた、
赤と緑の強者から聞いたのじゃ!▼
- [リン]
- ! それって…▼
- [ケント]
- リンディス様!
ご無事で何よりです。▼
- [セイン]
- 合流が遅れてしまいました!
麗しきお二人をお待たせし、
心よりお詫び申し上げます!▼
- [リン]
- やっぱり、ケント、セイン!
あなたたちも来てくれたのね。▼
紹介するわ、アイビー。
この二人は私の仲間。
元の世界で共に戦った大切な人たちよ。▼
- [アイビー]
- ケントに、セインね…よろしく。▼
リンにも、信頼できる臣下がいたのね。
あなたのことをまた一つ、
知ることができて嬉しいわ…▼
- [カゲツ]
- リン「にも」信頼できる臣下…?
アイビー様にとっては、
余とゼルコバがそうだという意味か?▼
- [アイビー]
- …さあ、どうかしらね。▼
- [ケント]
- リンディス様、アイビー様。ご報告が。
少し離れたところに伏兵が
いるようなのです。▼
- [リン]
- 伏兵? なら待っているよりも、
こちらから仕掛けたほうが早いかしら。▼
- [カゲツ]
- 今こそリンディス殿の見せ場ではないか?
遠距離からの連続攻撃…
「流星群」じゃ!▼
- [リン]
- な、なにそれ!?
紋章士の私、そんなことできたの!?▼
- [カゲツ]
- そうじゃ! 余たちの世界では、
このように叫ぶと紋章士の力を
借りることができたのじゃ。▼
「エムブレム・エンゲージ!」▼
- [セイン]
- リンディス様のお力を借りられるだと?
それは叫ばずにはいられない。
な、ケント!▼
- [ケント]
- 異界の鬨の声ということか?
ならば、ここは従おう。▼
- [セイン]
- エムブレム!▼
- [ケント]
- エンゲージ!▼
- [リン]
- へえ!
なんだか楽しそうじゃない。▼
ね、アイビー!
私たちもエンゲージしましょ!▼
- [アイビー]
- ふふ、貴方がそう言うと、
この地でも…
本当にできそうな気がするわね。▼
- [オルテンシア]
- お姉様ーっ!
お待たせ!▼
- [アイビー]
- オルテンシア…!
無事で安心したわ。敵の動向は?▼
- [オルテンシア]
- それが、あたしたちで
全部倒せちゃったのよね。▼
- [アイビー]
- ロサードと二人だけで?▼
- [ロサード]
- いえ、ご覧くださいアイビー様。
戦場の様子を絵にして来たのですが、
味方の援軍がこんなに合流して!▼
- [アイビー]
- こ、これは…花嫁のリンに、
お祭り衣装のリン? 他にも沢山…
色んな姿のリンが戦っているわ。▼
- [ロサード]
- 彼女たちが力を貸してくれたんです。
どのお洋服も最高にかわいかったですよ。
オレは今から、彼女たちに御礼を言いに。▼
- [アイビー]
- 頼むわね、ロサード。
私からのお礼も、
彼女たちに伝えておいて頂戴。▼
- [ロサード]
- 承知しました!▼
- [アイビー]
- あの絵の光景…
もしもお父様が見たら、
どれだけ驚かれるかしら。▼
- [リン]
- さっきアイビーが言っていた、
私を大切にしてくれた方ね?
いつかお会いしたいわ。▼
- [アイビー]
- そうできたら素敵だけれど、
私のお父様は…もう…▼
- [リン]
- ! そうだったの…
ごめんなさい。▼
でもねアイビー。
ここなら、もしかしたら…▼
- [オルテンシア]
- 会えるかもしれないんでしょ?
お父様…ハイアシンス王に。▼
- [アイビー]
- オルテンシア。▼
- [オルテンシア]
- あれだけ色んな可能性の英雄を
見せられたんだもん。
それぐらい察するわ。▼
- [リン]
- もしお父上が来られたら、嬉しい?▼
- [オルテンシア]
- …………▼
嬉しいわ。
あたしずっと、昔のお父様を
取り戻したかったんだもの。▼
抱きついて、たくさん甘えて、
助けられなかったことを
ごめんなさいって謝って…▼
そのあとはもう二度と、
お話なんてしない。▼
- [アイビー]
- オルテンシア…▼
- [オルテンシア]
- だって違うもの。
本当のお父様は死んじゃった。
似てるだけの別人なんかと笑ってたら…▼
あの時亡くなった、あのお父様が
かわいそうだわ!▼
- [アイビー]
- …そうね。▼
でも、私はもう一度、
貴方とお父様と、
みんなで過ごしたいわ。▼
- [オルテンシア]
- どうして?▼
- [アイビー]
- ここに来たお父様はきっと…
心細いから。▼
お父様は邪竜に魅入られて、
独りで死んでしまわれた。
だから…今度は傍にいたい。▼
寂しさを私たちが救って差し上げたいの。
たとえ違う存在でも。▼
- [オルテンシア]
- そう。お姉様は、そうなのね。
あたしは…今はそう思えないけど…
考えておくわ。▼
- [アイビー]
- ありがとう…オルテンシア。
それから、これだけは言わせて。▼
お父様がここに来られたとしても、
来られなかったとしても…
私はずっとそばにいるから。▼
- [オルテンシア]
- …お姉様。▼
- [リン]
- んもう、お二人とも!
私のことをお忘れ?▼
今まで一緒にいた紋章士とは
違うかもしれないけど、
私だって傍にいるわ。▼
- [アイビー]
- ふふ。そうね、リンも一緒よ。
…紋章士の貴方も、
似た言葉をかけてくれたわね。▼
- [リン]
- あら、そうなの?
どちらの私も、あなたたちのことを
大切に思っているってことよ。▼
- [オルテンシア]
- …ありがとう、お姉様。リン。▼
ま、気長に待ちましょ。
可愛いあたしたち3人が出迎えれば、
どんなお父様も、嬉しいはずよね。▼
おにぎり侍 カゲツ†
- [カゲツ]
- ふんふんふーん。
今日も良い汗をかいた!▼
いやー、アスク王国は良いところじゃのう!
彼方を見ても此方を見ても。
一騎当千の強者たちが切磋琢磨しておる!▼
一人での鍛錬も良いが、
余もここいらで
誰かと一戦交えたいところじゃな。▼
- [ナバール]
- …………▼
- [カゲツ]
- む!?
なんじゃ、あの英雄は!?
紅き衣に黒き髪、そして只ならぬ風格!▼
ぬぬぬ…
このような強者を素通りできぬ。▼
そこの者!
一戦、御相手願おう!!
はあっ!!▼
- [ナバール]
- むっ!?▼
- [カゲツ]
- ほう、受けたか!
やはり余の目に狂いはなかった!▼
- [ナバール]
- なんだ、貴様は…!?▼
- [カゲツ]
- 余はイルシオン王城兵のカゲツ!
そなた、名は?▼
- [ナバール]
- いきなり斬りかかって来る輩に、
名乗る名などない…!▼
- [カゲツ]
- 至極正論。
それもそうじゃな!▼
ではこういうのはどうじゃ?
この手合わせ、余が勝利をおさめれば
貴殿の名をお聞かせ願いたい!▼
- [ナバール]
- 手合わせを受ける前提で
話を進めるな。▼
…だが、太刀筋は気に入った。
一戦ぐらいなら、
相手をしてやっても構わん。▼
- [カゲツ]
- やったー! 感謝感激じゃ!
絶対に勝利し、其方の名を
聞いてみせるぞ!▼
では、参る!▼
- [カゲツ]
- はー! 気分爽快じゃ!
ナバールはとっても強かったのう!
それに良い人じゃった!▼
手合わせでは悔しくも
敗北を喫してしまったが…
余の腕を認めて、名を教えてくれるとは。▼
さすが余の友…いや、親友じゃ!▼
いつ会えるかはわからぬが、
次こそは勝利してみせるぞ!▼
ふんっ! はっ!▼
- [ロンクー]
- …うっ!?▼
- [カゲツ]
- す、すまぬ! 素振りをしたら、
ぶつかってしもうた!▼
- [ロンクー]
- …………▼
- [カゲツ]
- な、なんじゃあ、この者は!
ナバールに負けず劣らずの
強者の風格を漂わせておる!▼
余はカゲツと申す者。
其方、名は?▼
- [ロンクー]
- …ロンクーだ。▼
- [カゲツ]
- ロンクー!
良き名じゃのう!▼
このような出会いとなり平身低頭じゃが、
これも何かの縁。
どうか余と、手合わせをしてくれぬか?▼
- [ロンクー]
- 断る。▼
- [カゲツ]
- そこを何とか!▼
- [ロンクー]
- 断る。▼
- [カゲツ]
- むむ…
これは無理めな雰囲気じゃな。▼
ならば「でーと」ならどうじゃ?
余は、そなたと話がしたい!▼
- [ロンクー]
- でーと…とは何だ。▼
- [カゲツ]
- 逢引のことじゃ!
ふたりきりで会話をしたり、
食事をしたりして仲を深めるのじゃ。▼
元来は男女の逢瀬のことを称するようじゃが、
ま、そのような堅苦しいことは…▼
- [ロンクー]
- 男女の逢瀬だと?
お前…実は女なのか?▼
- [カゲツ]
- へ?▼
- [ロンクー]
- そうなのだな?
俺としたことが、見誤ったようだ。▼
- [カゲツ]
- いや、余は女では…▼
- [ロンクー]
- すまない、昔色々あってな。
俺は女が苦手なんだ…
これにて失礼する。▼
- [カゲツ]
- ま、待ってくれ!
ロンクー!!▼
……なんと。誤解された上に、
振られてしまったようじゃ。▼
ロンクーは、照れ屋なのか?
折角の出会いじゃったのに、
孤影悄然じゃ…▼
- [???]
- へえ…寂しいのか?
デートなら俺がしてやってもイイぜ。▼
- [カゲツ]
- だ、誰じゃ!?▼
- [カゲツ]
- いきなり現れおって、
そなたは誰じゃ?▼
- [ゼロ]
- 別に怪しいモノじゃない。
俺はゼロ。
暗夜王国の王城兵だ…▼
デートがシたいんだろ?
お望みなら俺が付き合ってやるよ、
カゲツ。▼
- [カゲツ]
- 何故、余の名を?▼
- [ゼロ]
- さっきロンクーに名乗っていたろ。
その時に、読んだんだよ。
あんたの薄紅色の唇をな…▼
- [カゲツ]
- なんと!
読唇術の使い手だったとは。▼
- [ゼロ]
- 唇だけじゃない。指先の動きから、
そのイヤらしい視線まで
すべて見させてもらった…▼
- [カゲツ]
- 余、そんな厭らしい目をしておったか?▼
- [ゼロ]
- それで、デートの件だが。
俺は今ちょうど時間がある。
お望み通り、カゲツを悦ばせてやれるぜ…?▼
- [カゲツ]
- おお! ゼロは余と、
でーとしてくれるということか?
それで声をかけてくれたのじゃな。▼
うむ。
ちょっと変わった御仁じゃが、
なかなかの手練れのようであるし。▼
ここで親睦を深め、ゆくゆくは
手合わせするのも悪くない!▼
- [ゼロ]
- 手合わせのほうがお望みなのか?
なら、そちらを先にシてもいい。▼
- [カゲツ]
- 本当か!▼
- [ゼロ]
- 俺としても、そっちのほうが好都合だ。
まどろっこしいことは抜きにして、
身体と身体でぶつかり合おうぜ…?▼
…さあ、早く刀を抜けよ。
ちゃんと抵抗してくれないと、
俺のこの太い矢が、あんたを貫いちまう…▼
- [カゲツ]
- な、な、なんじゃ!?
めっちゃ顔が近い!
いかん! いかんいかん!▼
このままでは「きっす」をしてしまうぞ!▼
- [ゼロ]
- イイじゃないか…俺は気にしないぜ。▼
- [カゲツ]
- 余が気にするーっ!!▼
よいか、ゼロ!
きっすはもっと仲良くなってからじゃ!
自分を大切にせい!▼
手合わせの申し出、嬉しかったのじゃが…
余はこれにて失礼する!!▼
わーん、アイビー様ーっ!!▼
- [ゼロ]
- ふっ。少し揶揄いすぎたか。
お姫様のもとに逃げるとは、
可愛いねえ。▼
俺も王子様の元に戻るとするか。
振られてぽっかり空いた穴を…
慰めてもらわないとな?▼
- [カゲツ]
- わーーん!
ゼロは変なのじゃ!
あやつ、ゼルコバぐらい意味深なのじゃ!▼
迅速果敢にアイビー様の元に戻り、
怪しき英雄がいると
注意喚起をせねば…!▼
…おぶっ!!?▼
- [セテス]
- …………▼
- [カゲツ]
- す、すまぬ!
ぶつかってしまった!▼
- [セテス]
- 元気が良くて何よりだな。
…エレオス大陸の英雄、
イルシオン王城兵カゲツ。▼
- [カゲツ]
- そなたも読唇術が使えるのか?!▼
- [セテス]
- 特務機関に来た英雄の名は
すべて把握している。▼
私はセテス。
フォドラの地より召喚に応じた。
セイロス聖教会の大司教補佐だ。▼
- [カゲツ]
- 大司教補佐…
なんだか怖い人じゃの。
怒った時のアイビー様のようじゃ。▼
- [セテス]
- 何か言ったか?▼
- [カゲツ]
- な、なにも!▼
ぶつかって悪かったのじゃ、セテス。
怪我もないようじゃし、余はこれで…▼
- [セテス]
- 待て。
今から茶会をする。君も来なさい。▼
- [カゲツ]
- 茶会!?
なぜ余と?▼
- [セテス]
- 言葉を交わし、感じるものがあった。
君は我が茶会に相応しいようだ。
安心しろ。二人きりではない。▼
今日はユグドラル大陸のレヴィン、
バレンシア大陸のセーバー、
エレブ大陸のパントもいる。▼
- [カゲツ]
- はあ…錚々たる面子で
有難い申し出なのじゃが、
余は茶会よりも手合わせのほうが。▼
- [セテス]
- 茶を飲み、親睦を深めれば
手合わせも容易に申し込めると思うが?▼
- [カゲツ]
- む。▼
- [セテス]
- 毎度待ち伏せをして口説き落とし、
手合わせまで漕ぎつけるよりは
はるかに効率的だと思わないか。▼
- [カゲツ]
- むむむ…
セテスの言うことは一理ある。▼
余はここに来てから連日連夜、
英雄たちに手合わせを申し込んだが、
大抵は断固拒否の有様じゃ…▼
ええい、背に腹は代えられぬ!
茶会の申し出、受けよう!▼
- [セテス]
- 決まりだな。▼
そうそう…ナバール、ロンクー、ゼロ。
彼らも、私の茶会の飲み仲間だ。▼
- [カゲツ]
- なんと!?
並んで茶をしている姿が
微塵も想像できぬが!?▼
そうか…ゼロはともかく…
ナバールとロンクーとは再会し、
手合わせ願いたいものじゃのう。▼
だが、セテス。余はそなたとも
一戦交えたい!▼
- [セテス]
- では、私が首を縦に振るまで
興味深い話でも聞かせてくれ。▼
- [カゲツ]
- 任せるのじゃ!
話を聞かせるばかりでなく、
そなたの好みの茶も淹れてみせよう!▼
- [セテス]
- ふっ…
楽しみにしている。
歓迎しよう、新たな同胞よ。▼
愛らしい雪華 オルテンシア†
- [オルテンシア]
- いつも可愛いあたしだけど、
アスクに来て思うことがあるの。▼
…妹。妹が欲しいわ。▼
姉としての包容力、年上の余裕。
そういったものが身につけば、
あたしは更に完璧な王女になれるはず!▼
そうと決まれば妹探しよ。
だれか妹になってくれそうな英雄は…▼
- [アネット]
- ふん、ふん、ふ~ん♪▼
- [オルテンシア]
- いたわ!▼
あたしより絶妙に年下な感じ、
めでたくなる愛くるしさ、
そして何より、なんとなく髪型が似てる!▼
…コホン。
失礼、そこのあなた。▼
- [アネット]
- へっ、なになに?▼
- [オルテンシア]
- あたしはエレオス大陸の英雄、
イルシオン王国第二王女オルテンシア。
あなたのお名前は?▼
- [アネット]
- あ、あたしはアネット。
アネット=ファンティーヌ=ドミニクよ。▼
- [オルテンシア]
- アネット! 可愛い名前ね!▼
その恰好は、制服かしら。
あたしも戦が始まるまでは
学園にいたから、親近感があるわ。▼
ねえ、アネット。よかったら、
あたしの妹になってくれない?▼
- [アネット]
- い、妹!?▼
- [オルテンシア]
- 仮のね。一緒にお茶会をしたり、
お買い物に行ったり、時にはその…
お姉様って呼んでくれると嬉しいんだけど。▼
- [アネット]
- は、はあ…なるほど。
うまくできるかわからないけど、
王女様の頼みなら、断るわけには…▼
わかったわ。あたし、頑張る!▼
- [オルテンシア]
- やったわ! ありがとう!▼
- [アネット]
- で、でもどうしよう。
あたし、ちょっとおっちょこちょいだし。
信じられない失敗をしちゃうかも…▼
- [オルテンシア]
- そんなに頑張りすぎなくても、
気楽に妹してくれればいいのよ。▼
- [アネット]
- そういうわけには!▼
気を抜いてうっかりお鍋を爆発させたり、
お茶の時にお皿を割ったりしたら
せっかくできたお姉さんに呆れられちゃう!▼
ううっ…!!▼
- [オルテンシア]
- あ、あら?
初手から妹は、ちょっと強引すぎたかしら。
別に無理をさせたいわけじゃないのよね。▼
ねえアネット。
良かったらまずは、お友達から始めない?▼
- [アネット]
- そ、それなら、喜んで!
気軽に、アンって呼んでね!▼
- [オルテンシア]
- この前はアンに気を遣わせてしまって
悪かったわ…でも、お友達にはなれたし、
出だしは上々よね!▼
さて、次の妹候補は…▼
きゃっ!?▼
- [ファ]
- あ…ごめんなさい。
ちょうちょをおいかけてたら、
ぶつかっちゃった…▼
- [オルテンシア]
- か…
かわいーーーい!
何この可愛い子は!▼
- [ファ]
- ファはね、ファっていうの。▼
- [オルテンシア]
- ファ? 名前まで可愛いわ。
あたしはオルテンシアよ。
よろしくね。▼
- [ファ]
- オルテンシア…
あなたも、可愛いなまえ!▼
- [オルテンシア]
- きゅーん!▼
そうよね、妹ってこれぐらい小さくても
構わないのよね。髪もピンク色だし、
姉妹といっても違和感がないわ。▼
ねえ、ファ。
あたしと姉妹になる気はない?▼
- [ファ]
- しまい…? いいよ!▼
- [オルテンシア]
- やったわ!
ありがとう!▼
- [ファ]
- じゃあ、ファがおねえさんだね。▼
- [オルテンシア]
- ん…?
ファはあたしの妹でしょ?
だってこんなに小さいし…▼
- [ファ]
- んとね、ファは神竜族だよ。
なんびゃくねんも生きてるの。▼
- [オルテンシア]
- あっ。▼
- [ファ]
- だからね、オルテンシアがいもうと。
ファがおねえさん!▼
- [オルテンシア]
- な…なるほどなるほど!
竜族の可能性を失念していたわ。
その理屈だと仰るとおりね。▼
しかも神竜族って、
リュール様の親戚みたいなものってこと?
無礼を働いてしまってごめんなさい!▼
- [ファ]
- いいよ。
オルテンシアはファのいもうとだもん。
無礼じゃないよ。▼
よしよし。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。▼
- [オルテンシア]
- こ、この愛らしい見た目で…
この包容力。
負けたわ…完全に…▼
お父様…あたしは今日…
新しいお姉様ができました…▼
- [オルテンシア]
- たくさん英雄がいるのに、
なかなか見つからないものね。
妹になってくれる英雄…▼
- [エリーゼ]
- わあ! 見て見てサクラ!
この英雄さんの髪形、
とっても可愛いっ!▼
- [サクラ]
- 本当です…! エリーゼさんと同じく、
髪を染めて巻いておられますね。
並ぶとまるで姉妹のようです。▼
- [オルテンシア]
- え?▼
- [エリーゼ]
- あっ、いきなりごめんなさい。
その髪型、あんまり可愛くてつい。
あたし、暗夜王国のエリーゼ!▼
- [サクラ]
- 私は白夜王国のサクラです。
あなたは、最近来られたばかりの
英雄さんですか?▼
- [オルテンシア]
- え、ええ。
イルシオン王国の第二王女、
オルテンシアよ。▼
- [エリーゼ]
- あなた王女なんだ!
あたしたちもそうなの!
仲良くなれると嬉しいな!▼
- [オルテンシア]
- …なんということ。
妹候補が向こうから来たわ。
しかも二人とも、すっごく可愛い…!▼
あの、念のための確認なんだけど。
二人は竜族ではないわよね?
例えば何百年も生きていたり…▼
- [サクラ]
- ?
はい。竜の血を継いではいるのですが
長生きでもなく、竜化もしません。▼
- [オルテンシア]
- じゃあ! エリーゼ王女、サクラ王女!
二人が良ければ、しばらくの間、
あたしの妹になってくれない?▼
- [エリーゼ]
- ごっこ遊びってこと?
いいよ、面白そうー! じゃあ…
オルテンシアおねえちゃん、だね!▼
- [サクラ]
- わ、私も僭越ながら…
オルテンシア姉様。▼
- [オルテンシア]
- ああ…………!▼
これよ! これだわ!
ありがとう、二人とも。
ついにあたしも、姉と呼ばれる女性に…!▼
- [エリーゼ]
- …!
待って。
敵の気配がする。▼
- [オルテンシア]
- ええっ!?▼
- [サクラ]
- 最近、特務機関を探る斥候が
紛れていたとの情報がありましたね。
下がってください、姉様!▼
- [オルテンシア]
- だ、ダメよ!
あたしが姉なんだから前に…▼
- [エリーゼ]
- ううん! あたしたち、
英雄としては先に来てるんだもん。▼
後から来たみんなのこと、
しっかり守ってあげなきゃ。
だから…任せて!▼
- [サクラ]
- 私も、頼りないかもしれませんが、
人より少しは戦えるつもりです!
さ、後ろに!▼
- [オルテンシア]
- かっ……こいい……▼
- [エリーゼ]
- 行くよ、サクラ!▼
- [サクラ]
- はい、エリーゼさん!▼
- [オルテンシア]
- こ、これは…
新参者が気軽に、
妹とは呼べないわね…▼
エリーゼ先輩、サクラ先輩…
次から、そうお呼びしましょ…▼
- [オルテンシア]
- あーん、困ったわ。
妹探しが完全に難航しているわ。
これからどうしたものかしら。▼
- [セリーヌ]
- オルテンシア王女。
ごきげんよう。▼
- [オルテンシア]
- セリーヌ王女。▼
くっ…いつ見ても可愛いわね。
あたしに何か用?▼
- [セリーヌ]
- 妹になりそうな英雄を
探していると聞いたのだけれど、
首尾は如何かしらと思って。▼
- [オルテンシア]
- 何よそれ。
わざわざ見に来たっていうの?▼
ふふん…聞いて驚きなさい。
なんと!
友達と姉と先輩ができたわ!▼
- [セリーヌ]
- ふふ。色んな方と親睦を深められていて、
素晴らしいわ。
けれど…妹は見つかっていないようね。▼
では、わたしはどうかしら。▼
- [オルテンシア]
- セ、セリーヌ王女が妹?
だめよ。若干年上じゃない。▼
- [セリーヌ]
- 年上かどうかは、
姉妹関係に於いて重要ではないわ。▼
例えば仮に…アルフレッドお兄様と
オルテンシア王女がご婚姻なされたら、
あなたはわたしの義姉になるのだもの。▼
- [オルテンシア]
- すんごい例えを出してくるわね!?▼
理屈はそうだけど、却下。
並ぶとどう見てもあたしが妹だもん。▼
- [セリーヌ]
- なら仕方がないわね。
わたしもオルテンシア王女に倣って、
妹を探しに行きましょう。▼
- [オルテンシア]
- え?
セリーヌ王女が、妹を…?▼
- [セリーヌ]
- わたしも姉妹に憧れがあって。
本当ならオルテンシア王女みたいな
可愛い妹が欲しいのだけれど…▼
姉になりたがっている方に、
無理強いはできないわ。▼
- [オルテンシア]
- ふ、ふうん…
ちなみにセリーヌ王女は
妹と何をしたいとかあるわけ?▼
- [セリーヌ]
- 二人で美味しい紅茶を頂くのは勿論ね。
紅茶に合う焼き菓子を
一緒に手作りするのにも憧れるわ。▼
それから…そうね。
些細なことで勝負をしたり、
仲良くほっぺたをぷにぷにしたり。▼
- [オルテンシア]
- …それって、エレオスにいた頃
あたしとしていたことじゃない。
別の子と同じことしようっていうの?▼
- [セリーヌ]
- オルテンシア王女と
姉妹になれないのなら、やむを得ないわ。▼
- [オルテンシア]
- …………▼
…いいわよ。▼
- [セリーヌ]
- え?▼
- [オルテンシア]
- 妹になってもいいって言ってるの!
ただし、ちょっとの間だけよ!▼
だから…セリーヌ王女が
他の子とぷにぷに選手権なんかしたら、
許さないんだからーっ!▼
- [セリーヌ]
- うふふ。オルテンシア王女が
そう言ってくださるなら、
他の方とはしないわ。▼
- [オルテンシア]
- そ、そう? ならいいけど…▼
- [セリーヌ]
- では暫くの間、わたしたちは姉妹ね。
今のうちに、姉と呼んでみてほしいわ。
だめかしら?▼
- [オルテンシア]
- う、うう……▼
セリーヌ…おねえさま。▼
- [セリーヌ]
- ありがとう、
オルテンシア。▼
それじゃあ、姉妹のお茶会に参りましょうか。
今日は特別な、
薔薇の香りの茶葉を用意したの。▼
- [オルテンシア]
- 本当? 楽しみだわ!▼
……って、
結局、妹は見つからなかったじゃない。▼
んもう! いつか絶対、
素敵なお姉様になるんだからーっ!▼
描き出す可憐 ロサード†
- [ロサード]
- 空の色は明るい青色…
風の雰囲気は桃色…
花は黄色と橙…っと。▼
…よし、こんなものかな。
かわいい風景画、記念すべき百枚目!
でっきあーがりー!▼
- [シャロン]
- わあー! 素敵ですっ!▼
- [ロサード]
- えっ!?
シャ、シャロン王女!?▼
- [シャロン]
- 驚かせてすみません。
あまりに綺麗な絵だったので、
思わず大きな声が出てしまいましたっ。▼
あなたはエレオス大陸の英雄、
ロサードさんですよね!▼
- [ロサード]
- は、はい。
まさか来たばかりでシャロン王女に
覚えていただいているとは、光栄ですー。▼
- [シャロン]
- この前も絵を描いているところを
お見かけして、気になっていたんです。▼
…あの、ロサードさん。
さっき記念すべき百枚目だと仰ってましたが
来てからもう、そんなに描いたんですか?▼
- [ロサード]
- オレ、絵を描くのが速いんです。
故郷の村は、景色は美しいのですが、
山間部にあるせいか天気が変わりやすくて…▼
ゆっくり描いていると雨が降ってきたり雲が
かかったりして風景が変わってしまうので、
早く描くのが得意になったんですよー。▼
- [シャロン]
- ふむふむ。
景色が変わらないうちに素早く描くことで、
図らずも訓練になったと。▼
- [ロサード]
- その点、拠点に近いこの辺りは
すぐには天気が変わらないし、
落ち着いて絵が描けますねー。▼
オレ、来てまだ日が浅いですけど、
お気に入りの場所が多いんです。
アスクはかわいい場所が多くて大好きです!▼
- [シャロン]
- わあ、褒めていただけて嬉しいです!
王族として祖国を気に入って貰える以上に
嬉しいことはありませんから!▼
良かったら他の絵ももっと
見せていただけませんか?▼
- [ロサード]
- もちろんですー!▼
代わりにと言っては何ですが、
シャロン王女の好きな場所があれば
教えてくれませんか?▼
アスク王国のかわいい風景、
もっともっと絵にしたいんですー!▼
- [シャロン]
- お安い御用です!
では今度、シャロンの爆裂おすすめ
劇的絶景スポットにお連れしますね!▼
- [シャロン]
- 着きました!
ここがシャロンの爆裂おすすめ
劇的絶景スポットです、ロサードさん!▼
- [ロサード]
- わあ、きれい…
湖の周りに花畑が広がってる。
雲間から光が差して、キラキラしてて…▼
すっごくかわいい場所ー!
お城の裏に、こんな場所があったなんて!▼
ありがとうございます、シャロン王女!▼
- [シャロン]
- 喜んでいただけて良かったです。
ここは私もお気に入りの場所で、
小さいころからよく遊びに来ているんです。▼
- [ロサード]
- 少し、故郷を思い出す景色ですー。
この前、山間部にあると言いましたけど、
村は湖にも近くて。▼
幻想的な風景を有する所以か、
『妖精の村』と呼ばれていたんですよ。▼
- [シャロン]
- 妖精…▼
えっと、実はロサードさんも妖精だったり?▼
- [ロサード]
- まさか。
そりゃあ飛び抜けてかわいいオレですけど、
さすがに普通の人間ですよー!▼
- [シャロン]
- そうですよね。
妖精の村…素敵な名前です。▼
- [ロサード]
- シャロン王女は、
妖精がお好きなんですかー?▼
- [シャロン]
- はい、すごく!▼
- [ロサード]
- じゃあいつか、オレの村に案内したいです。
その名の通り、妖精を見たっていう伝承が
残っているほど綺麗な場所なので!▼
では早速、ここでも絵を描かせて
もらっちゃいますねー!▼
- [シャロン]
- どんな絵になるのか楽しみですっ!
- (暗転)
- [ロサード]
- でーきたっ!▼
- [シャロン]
- ひゃああ…やっぱりすごいです!
景色を切り取ったみたいに精巧な絵。
あれ? これは…わたしですか?▼
- [ロサード]
- そうです。
花畑で遊んでいらっしゃるシャロン王女が
かわいかったので、描いちゃいましたー。▼
- [シャロン]
- こんなに素敵に描いていただいて
なんだか恐縮です。
ロサードさんは人物画もお上手ですね。▼
- [ロサード]
- 自分で言うのも何ですが、
肖像画描きには向いているかもしれません。▼
人より速く描けるおかげで、
モデルになる方のじっとしてる時間が
少なくて済みますしー。▼
- [シャロン]
- 確かに…▼
…………▼
あの、ロサードさん。
あなたに、肖像画をお願いしたいです。▼
- [ロサード]
- 勿論、いいですけど…
急に真剣になって、どうしたんです?
誰の肖像画なんですかー?▼
- [シャロン]
- それは…▼
- [ロサード]
- お兄様ーっ!▼
- [アルフォンス]
- シャロン、どうしたんだい?▼
- [シャロン]
- お兄様に会わせたい方がいて。
じゃーん、エレオス大陸の英雄、
ロサードさんです!▼
- [ロサード]
- お会いできて光栄です、
アルフォンス王子。▼
あのー、シャロン王女。
もしかして肖像画にしたい方って…▼
- [シャロン]
- はい! ロサードさんには、
わたしとお兄様、二人一緒の肖像画を
描いていただきたいんですっ!▼
- [ロサード]
- お二人一緒のですか?
そ、それは想像していませんでしたー。▼
- [アルフォンス]
- どうして急に?
肖像画なら、もうあるだろう?▼
- [シャロン]
- お兄様と二人のは無いじゃないですか!
以前は個別で描いてもらった上に、
結構前のものですよ。▼
顔の印象だって変わっているはずです。
お兄様はともかく、わたしは以前より
大人っぽく魅力的になったことですし…▼
- [アルフォンス]
- では二人ではなく、シャロンだけ
描いて貰ったらいいのでは…▼
- [シャロン]
- ち、違うんです!
二人がいいんです!▼
- [ロサード]
- …シャロン王女?▼
- [シャロン]
- 本当はずっと欲しかったんですけど
肖像画はすごく時間がかかるし、
お兄様はお忙しいので、諦めていたんです。▼
でもロサードさんなら、
短時間で仕上げてくださいます。▼
それに…
この機会を逃したら、
二人の肖像画なんて、もう…▼
- [ロサード]
- 成程、そういうことですか…▼
オレとしては、かわいいお二人の
肖像画を描けるなら、
是非ともお受けしたいですー。▼
シャロン王女の仰る通り、
お時間は取らせません。
如何ですか、アルフォンス王子。▼
- [アルフォンス]
- まあ…すぐにできるのなら、
反対する理由も特にないね。▼
シャロンのお願いに
付き合わせてしまって悪いけれど、
よろしく頼むよ、ロサード。▼
- [ロサード]
- 承りましたー!▼
- [アルフォンス]
- 対価は如何ほど必要かな。
肖像画を依頼するのに
無料でというわけにはいかないからね。▼
- [シャロン]
- そ、そうでしたっ!
すみません、ロサードさん!
是非言い値を仰ってください!▼
- [ロサード]
- お気持ちは嬉しいですけど、
絵は趣味のようなものなのでー。
そのお金で、防具でも充実させてください。▼
- [アルフォンス]
- …?▼
- [ロサード]
- では早速制作に取り掛かります!
そこに座ってください、お二人ともー!▼
- [アルフォンス]
- ええっ、今すぐにかい!?▼
- [シャロン]
- はい、善は急げですから!▼
あっ! 前髪…!
前髪だけ、直させてください!!▼
- [ロサード]
- 肖像画、出来上がりましたー!
もう動いて平気ですよ。
アルフォンス王子、シャロン王女。▼
- [シャロン]
- ありがとうございます。
さすがの速さです、ロサードさん!▼
- [アルフォンス]
- …え? 本当に…?
座ってから数刻も経っていないけれど、
もう描き上げたというのかい?▼
それとも僕はいつの間にか
眠ってしまっていたのか…?▼
- [シャロン]
- 驚きすぎです、お兄様。
ロサードさんは本当に描くのが
速いんですってば!▼
- [ロサード]
- 勿論、着彩までばっちりですよー。
どうぞ、ご覧ください。▼
- [シャロン]
- わあ…! 見てくださいお兄様!
素敵な笑顔のわたしたちですっ!▼
- [アルフォンス]
- こんなに美しく仕上げるとは。
アスクの宮廷画家たちが戦慄するよ。▼
- [ロサード]
- 気に入っていただけて良かったですー。▼
でも、申し訳ありません。
本当は、最後の仕上げがまだなんです。▼
- [シャロン]
- ごめんなさい!
わたしが急かしたせいで…!▼
- [ロサード]
- 違うんです。
完成に至るまでのもう一筆は、
戦が終わったときに入れたいと思っていて。▼
…シャロン王女、肖像画を頼まれたのは、
いつ戦場で倒れても悔いがないように…
ですよね?▼
- [シャロン]
- …………▼
はい、そうです。▼
- [アルフォンス]
- シャロン? 何故そんなことを…▼
- [シャロン]
- …この戦いも、随分長くなってきました。
流石にわたしも理解してきたんです。
お別れする時は選べないって。▼
誰がいついなくなるか、わからない。
もしわたしが死ぬのか…お兄様がどこかに
行ってしまわれるのが今日だったなら?▼
わたしはきっと後悔します。
あの時、あの表情を…一緒にいた時間を、
何かに残しておけばよかった、って。▼
- [アルフォンス]
- それで、二人の肖像画を?▼
- [シャロン]
- はい。悔いが残らないように、
どうしても欲しかったんです。
ロサードさんには、見抜かれていましたね。▼
- [ロサード]
- はい。だから完成させませんでした。
例えばここで肖像画ができてしまうと
ギリギリ大丈夫そうな負傷でも、▼
「悔いはないからいいや…ガクッ」
ってなってしまう可能性、ありませんか?
オレ、そのための絵にはしたくありません。▼
なので仕上げは戦のあとに
まあ正直ほんのちょっと変わるだけですけど、
生きて戻る理由にはなりますよねー?▼
- [シャロン]
- ふふっ。
そうですね、私の魅力が未完のまま
終わるのは惜しいですから。▼
- [ロサード]
- なら、良かったですー。▼
- [アルフォンス]
- ありがとう、ロサード。
シャロンの想いを叶えてくれて。▼
僕も、この絵を
遺影にようにするつもりはない。▼
平和になったときに何度も目にして、
今を懐かしく振り返るための絵にしたいと
そう思っているよ。▼
- [ロサード]
- ありがとうございます。▼
- [アルフォンス]
- では、行こうか。
絵の完成を見届けるため、
今日の戦も、無事に戻るとしよう。▼
- [シャロン]
- はいっ! お兄様!▼
- [ロサード]
- オレも頑張っちゃおうかなー。
かわいいお二人の肖像画、
完成できる日を楽しみにしていますね。▼
吹き渡る雪 アイビー†
- [アイビー]
- 神竜様…
この地でも貴方と共にいられて、
とても嬉しいわ。▼
- [リュール]
- 私も嬉しいですよ、アイビー。
エレオス大陸の仲間たちが
続々と召喚されて心強いです。▼
- [アイビー]
- もっと早く召喚されていれば、
神竜様と二人きりでいられたかも
しれないのに…惜しいわね…▼
- [リュール]
- 二人きり、ですか?▼
- [アイビー]
- いえ…何でもないの。
忘れて頂戴。▼
- [リュール]
- …? わかりました。▼
召喚されたばかりで、
アスク王国にはまだ不慣れでしょう。▼
不安なことがあれば、
遠慮なく私を頼ってくださいね。▼
- [アイビー]
- ありがとう。
貴方がいれば私は、
不安に思うことなど何も…▼
…いえ、待って。
ひとつ不可解なことが…▼
- [リュール]
- 何かあったのですか?▼
- [アイビー]
- 夜中の兵舎で…
見てしまったの。
恐ろしい、怪物のようなものを。▼
- [リュール]
- 怪物!?
まさか、異形兵がこの地にも?▼
- [アイビー]
- 異形兵ではなかったわ。
動きが怪しくて気味の悪い、
影のような…▼
でも、英雄に危害を加えるようなら
今頃大騒ぎになっているはずだし、
きっと見間違えたのだわ。▼
- [リュール]
- ですが、万が一ということも…▼
- [アイビー]
- 不確かなことを言ってしまって、
申し訳なかったわね。
失礼するわ、神竜様…▼
- [リュール]
- あ、アイビー!
…行ってしまいました。▼
アイビーはああ言っていましたが、
不安はないに越したことはありません。
ここは私が神竜として…▼
夜中にこっそり、見回りをしてみましょう!▼
- [リュール]
- ふあーあ…
夜も深くなってきました。
見回りを始めて、数刻経つでしょうか。▼
アイビーのいる兵舎の外を
くまなく確認していますが、
特に変わったことはありませんね。▼
- [ヘクトル]
- おう、リュール。
お疲れさん!▼
- [リリーナ]
- こんばんは、リュールさん。▼
- [リュール]
- ヘクトル、リリーナ。
こんな時間に、戦の帰りですか?▼
- [ヘクトル]
- ああ。今日の相手は手強くて、
少し手こずってしまってな。
でも最後はしっかり決めてきたぞ!▼
- [リリーナ]
- リュールさんは、
なにをしているのですか?▼
- [リュール]
- 実は、アイビーから…
このあたりで怪物を見たと聞いて。
見回りをしているんです。▼
- [ヘクトル]
- 怪物だと!?▼
- [リュール]
- 見間違いかもしれませんが、
念のため。▼
- [ヘクトル]
- それは大変だ。俺たちも手伝おう。▼
- [リュール]
- でもお二人とも、
戦でお疲れなのでは…▼
- [ヘクトル]
- 敵がいるかもしれないところに、
仲間を一人で置いていけない。
怪物が来たら、俺たちが追い払ってやる!▼
- [リリーナ]
- わたしもがんばります。
かいぶつなんて、おどかしてやります。
えっと…こんなかんじでしょうか。▼
がおーっ!!▼
- [リュール]
- きゃっ…!
あはは、すごい迫力ですね。
リリーナ……▼
- [アイビー]
- きゃーーーーーっ!!▼
- [リュール]
- へ!?▼
- [アイビー]
- 大変…!
神竜様が…化け猫と…
マントのお化けに襲われているわ…!▼
- [リュール]
- アイビー!!▼
あ! いえ、違うんです!
二人は収穫祭の仮装で…
お化けではありません!▼
- [アイビー]
- 待っていて神竜様。
今、皆を呼んでくるわ!▼
みんな…っ!
大変なの! 神竜様が…
お化けに襲われているの!▼
起きて! すぐ起きて頂戴ーっ!!▼
- [ヘクトル]
- あー…これはもう、
止められない感じだな。▼
- [リュール]
- 真夜中の兵舎に、
次々と明かりが……▼
申し開きは、全員が起きてからに
なりそうですね…▼
- [アイビー]
- ごめんなさい…神竜様…みんな…!
仲間をお化けと間違えたうえに、
夜中に全員を叩き起こすだなんて…!▼
- [アルフレッド]
- ははは! いいさ!▼
何かの催しかと思ったよ!▼
- [ディアマンド]
- 敵襲でなくてよかったが、
アイビー王女が大声を出しながら
走り回っていたのには驚いたぞ。▼
- [アイビー]
- 恥ずかしくて顔から火が出そう…
私を一思いに
送還して頂戴……▼
- [リュール]
- アイビー、駄目です!
送還用の門に向かうのは禁止ですよ。▼
私も、ごめんなさい。
勝手に見回りをして、
迷惑をかけてしまいましたね。▼
- [アイビー]
- 神竜様は悪くないわ。
私が思わせぶりなことを言って
立ち去ってしまったせいよ。▼
それに、こんなに可愛らしい
貴方たちをお化けと間違えたことも
とても申し訳ないの…▼
ごめんなさい、ヘクトル、リリーナ。▼
- [リリーナ]
- だいじょうぶです、アイビーさん。
ぜんぜんきにしてないです。
みんなも、おこっていませんよ。▼
- [ヘクトル]
- おう! リンやエリウッドも、
夜中に起こされるぐらい
屁でもないって言ってたしな!▼
- [アイビー]
- …ほ、本当に…?▼
私が見た怪物のような影も、
きっと英雄の仮装だったのだわ。▼
私…すごく人見知りで…
ここに来てから、
碌に皆の顔を見ていなかったの。▼
仮装した英雄がいるということ、
認識できていれば良かったのに。
駄目ね、私…▼
- [リュール]
- アイビー…▼
- [ヘクトル]
- うーん、それじゃあ交流も兼ねて
歓迎パーティーでもするか!▼
アイビーの元いた世界、
イルシオン王国の英雄たちも
来てくれたことだしな!▼
- [リリーナ]
- みんなをあつめて、
たのしみましょう!▼
- [リュール]
- それは良い考えですね!
どうです、アイビー?▼
- [アイビー]
- そ、そうね…
皆と交流できるいい機会だわ。▼
ありがとう、ヘクトル、リリーナ。
喜んでお誘いをお受けします。▼
- [ヘクトル]
- じゃ、決まりだな!
次の満月の晩になったら
みんな集まってくれ!▼
- [アイビー]
- 緊張するけれど…
楽しみだわ。▼
- [リュール]
- 宴は楽しめていますか。
アイビー。▼
- [アイビー]
- ええ、神竜様。
おかげで、
色々な英雄たちと話せたわ。▼
この宴がなければ、
同じ戦場にでも出ない限り
皆の顔さえ知らなかったかもしれない…▼
ヘクトルとリリーナには改めて、
感謝をしなければいけないわね。▼
- [ミスティラ]
- 本当によかったよー!
あたし、この格好で来ちゃって、
怖がられないか心配だったけど…▼
宴で顔合わせできたから、
びっくりさせずに済んだし!▼
- [スタルーク]
- 僕も、いつも薄暗い場所にいますので…
偶然鉢合わせていたら
アイビー王女を驚かせたでしょう。▼
- [アイビー]
- そ、そう…
いま会えて、良かったわ。▼
ここでは皆仲間とはいえ、
見た目に迫力のある英雄もいるから、
早く慣れないといけないわね…▼
先程見かけた英雄は凄かったわ。
顔色が悪くて、ずぶ濡れで…
まるで死の淵から蘇ったような…▼
- [リュール]
- ずぶ濡れの英雄?
そんな方、いたでしょうか。▼
- [ミスティラ]
- 知らないなあ。
特務機関の英雄たちの顔は、
ひと通り覚えたはずなんだけど。▼
- [スタルーク]
- 精神的にはいつも
濡れ雑巾ではありますが、
僕じゃないですよ。▼
- [アイビー]
- 誰にも心当たりがないの…?▼
- [ミスティラ]
- じゃあじゃあ、
それって本物の~、
お化けだったりして~!!▼
- [アイビー]
- ほ、ほんものの…
お化…け…!?▼
待って!
じゃあ今そこを歩いているのは!?▼
- [リュール]
- あ!
ずぶ濡れの英雄です!▼
- [アイビー]
- しっかり見えているわ。これって、
私たち…お化けを見ているということ?▼
やだ、目が合った…!
こっちに歩いてくるわ!▼
きゃあああああーーーっ!▼
…あ、あら?
貴方は…▼
- [アイビー(夏)]
- やっと会えたわね…
いつもの姿の私。▼
- [アイビー]
- わ、私?
ずいぶん薄着で…それに、
どうしてそんなにずぶ濡れなの?▼
- [アイビー(夏)]
- 今日の宴に神竜様が来ると聞いて、
興奮を鎮めるために
ひと泳ぎしていたのよ…▼
けれど、拭くものを忘れてしまって
取りに来たの。おかげですっかり
体が冷えてしまったわ。▼
- [アイビー]
- そ、そうだったの…
脅かさないで頂戴。▼
- [アイビー(夏)]
- 貴方が驚きすぎなのよ…▼
そうそう、この前貴方が
怪物だと触れ回った影…
あれも私だから。▼
- [アイビー]
- えっ…!▼
- [リュール]
- 影の正体は、
水着のアイビーだったんですね!▼
- [アイビー(夏)]
- 同じ姿の英雄を見たくて
貴方の兵舎まで行ったのよ。
でも、もし出会ったら驚くでしょうし…▼
黒い布を被って行くことにしたの。
結果的に、神竜様まで巻き込んだ
騒動になるとは思わなかったけれど。▼
- [アイビー]
- そうだったの…ごめんなさい。
私とは知らず、動きが怪しくて
気味が悪いと言ってしまったわ…▼
- [アイビー(夏)]
- …………▼
- [アイビー]
- もしまた新しい私が来たときは…
なるべく明るいところで
陽気に声をかけることにするわね。▼
- [アイビー(夏)]
- …それが賢明だわ。▼
さて、私も宴を楽しもうかしら。
勿論、神竜様と一緒に。▼
- [アイビー]
- ちょっと。
神竜様は私と一緒よ…▼
- [リュール]
- あはは…
アイビー同士で喧嘩しないでください。▼
後でもう一人ぐらい、
私を連れて来ますから。▼
コメント
- カゲツ編全員子安で草 -- 甲府神戸
- エンゲージの紋章士ヘクトルはちゃんと○○王子や○○王女って言ってくるのに、ヒーローズだと呼び捨てしてる。アイビーに対して。 --
Last-modified: 2024-07-05 (金) 18:29:22