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章別会話
譲れぬ想いと共に†
譲れぬ想いと共に†
オープニング†
- [アンナ]
- あなたたちが所属する
ヴァイス・ブレイヴの説明は以上よ。▼
- [カムイ]
- 要するに異界から精鋭が集められた
バカ強い傭兵部隊ってわけか。▼
- [アンナ]
- まあ、当たらずとも
遠からずって感じかしら。▼
でも、うちは軍隊でも傭兵部隊でもなく
アスク王国の平和のための特務機関。▼
それぞれの意思で
力を貸してくれるとうれしいわ。▼
- [エスト]
- 姉さまたちも参加しているのなら
私も頑張って力を貸すよ!▼
- [アトラス]
- 困ってる連中を
見て見ぬふりはできねえだろ。
なあ、神官さま?▼
- [セリカ]
- ……。▼
- [アトラス]
- ん? どうかしたのか?▼
- [セリカ]
- いえ、なんでもないの。▼
アンナ隊長…
私もアスク王国の平和のため
力添えさせてもらうわ。▼
- [カムイ]
- ま、俺はもらえるもんもらえりゃ
雇い主は誰だっていいからな。
よろしく頼むぜ。▼
- [アンナ]
- みんな、ありがとう。
頼りにしてるわよ。▼
あ、それとセリカ王女…
ひとつお願いがあるの。▼
- [セリカ]
- お願い? なにかしら?▼
- [アンナ]
- ほかの異界から来た
アルムやセリカ王女にも
お願いしているんだけど…▼
アスク王国では洞窟や祠で
木箱とか壺を見かけても
むやみに壊さないでね?▼
- [セリカ]
- え、ええ。心得ておくわ。▼
- [アンナ]
- バレンシア大陸から来た
ほかの英雄は木箱や壺を前にしても
普通に振る舞っているのに…▼
どうしてあなたとアルムだけは
目の色を変えて壊しちゃうのかしら?▼
- [セリカ]
- ごめんなさい、ついクセで
衝動的に身体が動いてしまうの。▼
- [アトラス]
- ……▼
(暗転)
- [アトラス]
- ん? 神官さまの姿が見えねえが…▼
- [カムイ]
- ああ、城のまわりを
散歩してくるとか言ってたぞ。▼
- [アトラス]
- …そうか。▼
- [エスト]
- セリカってソフィア王国の
王女さまだったんだね。
みんなは知ってたの?▼
- [カムイ]
- なんとなく…。
只者ではない気配はしてたけどな。▼
俺がドラゴンゾンビが苦手なことを
まるっと忘れてる、うっかり者の
神官さまだと思ってたが…▼
- [エスト]
- まさか王女様だった…って感じ?
言われてみれば気品もあるしね!▼
- [アトラス]
- 神官さまは立派な人だ。
あの人がいなけりゃ
弟たちも助からなかった。▼
王女さまと言われても
別に不思議じゃねえ。▼
- [カムイ]
- でもよ、さっきの神官さま。
なんか様子が変じゃなかったか?▼
- [エスト]
- 木箱や壺を壊すなと
釘を刺されていた話?▼
- [カムイ]
- いや、そうじゃなくてな。
アンナ隊長の話を聞いていたとき
なにか考え込んでいなかったか?▼
- [アトラス]
- ……▼
- [セリカ]
- ……▼
- [アトラス]
- 探したぜ、神官さま。
散歩にしては、ちょっと時間が
かかりすぎると思ってさ。▼
- [セリカ]
- アトラス、心配かけたかしら。
ごめんなさい。▼
考え事をしながら歩いてたら
お散歩が長くなってしまって…▼
- [アトラス]
- 神官さま…
なにか悩んでることが
あるんじゃないのかい?▼
俺は難しいことはよくわかんねえが
アンナ隊長の話を聞いてたときも
様子が変だったからさ。▼
- [セリカ]
- アトラスも聞いたでしょう?
ヴァイス・ブレイヴには
偉大な英雄が集っているって。▼
- [アトラス]
- アカネイア大陸の英雄王や
あのリゲル帝国の英雄も
力を貸してるんだってな。▼
- [セリカ]
- ヴァイス・ブレイヴに集う強大な力。
彼らはその力を振るい
アスクの民を助けているわ。▼
でも、きっとアスクの民は
こう感じていると思うの。▼
力こそが世界を救うのだと。
力があれば、世界から
争いをなくすことができるのだと。▼
- [アトラス]
- ……▼
- [セリカ]
- 戦いよりも、話し合いで解決できるなら
それが一番の望ましい道なはずよ。▼
- [アトラス]
- だけどよ、アンナ隊長の話だと
アスク王国を取り巻く敵に
話し合いは通じなさそうだったな。▼
- [セリカ]
- 私はかつて神への祈り
平和を願う思いを信じ
バレンシアを救おうとしたわ。▼
そしてアルムは力を信じ
私とは違うやり方で
バレンシアの人々のために戦った。▼
そして力だけでは、
想いだけでは世界は救えない。▼
強い想いと形にする力の両方があって
はじめて平和を築けると
私たちは思い至ったの。▼
- [アトラス]
- 力と想い、どっちが欠けても
ダメってことか。▼
- [セリカ]
- だけど、今のヴァイス・ブレイヴは
力に寄りすぎているのではないかと
私は感じたの。▼
- [アトラス]
- まあ、腕っ節の強さは分かりやすい。
英雄としての力を示すにはな。▼
- [セリカ]
- 私たちがアスクの民に伝えるべきは
力を礼賛することだけではないわ。▼
平和を願う想いこそ一番大切なもの。
それを伝えられるといいのだけど…▼
- [カムイ]
- 戦って力を示す以外にも
平和を愛する想いを伝えたい、か…▼
- [アトラス]
- ああ、神官さまは
そのことを思い悩んでいたらしい。▼
- [エスト]
- 強大な力を目の当たりにしたアスクの民が
力こそ最高だって思っちゃう気持ち
わからなくもないよね。▼
- [カムイ]
- ま、俺は傭兵だからな。
戦うこと以外で、アスク王国に
貢献できるとは思えねえ。▼
けどな、どうせ戦うんだったら
他国を攻め滅ぼすよりも…▼
誰かの平和な日常を守るために
剣を振るうほうがずっといい。▼
- [アトラス]
- それもまた、神官さまがいう
平和を願う想いってやつじゃないのか?▼
- [エスト]
- 私もね、自分は戦うこと以外で
みんなの役に立てないのかなーって
考えたことがあったの。▼
だから、騎士団を退団して
お店をはじめたんだ。▼
アスク王国でも、戦うこと以外で
平和のために貢献できたらいいんだけど。▼
- [アトラス]
- 平和ってのは
築くのは長く時間がかかるけどよ。
壊れるのは一瞬だ。▼
村が襲われて
弟たちがさらわれちまったとき
俺はそう感じたぜ。▼
- [エスト]
- だからこそ
平和を守る覚悟と大切にする想いが
みんなの心に必要なんだね。▼
きっとセリカはそのことを
ヴァイス・ブレイヴのみんなに
伝えてほしいんだよ。▼
- [カムイ]
- 言わんとしていることはわかるが
正直、俺はそのことを
アスクの民に伝えられる自信がない。▼
- [アトラス]
- …俺もだ。
弟相手に話すのとはわけが違う。▼
- [カムイ]
- けどな、その想いを伝えようと頑張る
神官さまの手伝いはできるかもしれない。▼
- [エスト]
- うん、それならば私にも
力になれることがあるかも!▼
- [アトラス]
- 俺たちには、俺たちなりに
できることをやるしかねえってことか。▼
- [セリカ]
- ありがとう、みんなも
考えてくれたのね。▼
戦って力を示すこと以外にも
平和を願い、形にしていくすべは
きっとあると思うの。▼
- [アトラス]
- なんでも力で押し通す世界が
正しくねえってのは俺にもわかる。▼
- [カムイ]
- なら、力のないやつはどうするんだ?
って話になるからな。▼
- [エスト]
- 大事なのは、みんなで支えあって
平和を守っていくことなんだよね。▼
- [セリカ]
- ヴァイス・ブレイヴに集う英雄たちは
ただ、強いだけではなく…▼
支え合うことの素晴らしさを
知っていると私は信じたい。▼
- [エスト]
- パオラ姉さまとカチュア姉さまが
参加されているんだし
信用できると私は思うな!▼
- [カムイ]
- ああ。義理堅いバルボさんも
ヴァイス・ブレイヴを
買っているみたいだしな。▼
- [セリカ]
- アスク王国をめぐる戦いは
まだ終わりが見えないわ。
でも、きっといつか平和は戻る。▼
そのときこそ、勝ち取った平和を尊び
守っていこうという想いが
アスクの民に必要となるでしょう。▼
- [アトラス]
- 平和が戻ったあとこそ
やらなくちゃいけねえことが
いっぱいあるってわけか。▼
- [セリカ]
- すべてが終わったとき
私たちは元いた世界に
戻れるらしいけど…▼
私はそのときが来ても
しばらくこの世界に留まろうと思うの。▼
戦いが終わったときだからこそ
アスクの民に伝えるべき言葉が
たくさんあると思うから…▼
- [エスト]
- それなら私も付き合おうかな?▼
- [カムイ]
- そいつは金次第…と言いたいが
神官さまには恩義があるからな。
俺も付き合うぜ。▼
- [アトラス]
- なんにせよ、まずはこの世界から
敵を叩き出すのが先決だな。▼
俺にもできることがあれば
なんでも言ってくれ。神官さま。▼
- [セリカ]
- みんな、ありがとう…
平和を願う想いは
きっとアスク王国の未来を拓くはず。▼
そのことを伝えていきましょう。
手を携えて!▼
流れ者の傭兵 カムイ†
- [カムイ]
- …それにしても、異界中から
これだけの英雄が集まっているんだ。
顔と名前を覚えるだけでも大変だろう?▼
- [門番]
- 似たような名前の英雄もいるので
覚えるのはなかなか大変ですね!▼
同じ英雄でも召喚された時期によって
呼び名が変わる方もいらっしゃいますし。▼
- [カムイ]
- 名前といえば、あんたのことを
誰もが「門番」って呼んでいるようだが
俺はあんたの名を知らなかったな…▼
- [門番]
- おっと。
西の街道を見回りしていた
皆さんが戻られたようですね。▼
- [ジスト]
- ジスト傭兵団、戻ったぜ。
全員無事、異常なしだ。▼
- [ディーク]
- 同じくディーク傭兵団も異常なしだ。
早くひとっ風呂浴びたいぜ。▼
- [門番]
- 見回りの任務、お疲れ様でした!▼
- [カムイ]
- ご苦労だったな。無事でなによりだ。▼
- [ジスト]
- おっ、カムイもいたのか。
そのなりは訓練帰りってとこか。
アスク王国にはもう慣れたかい?▼
- [カムイ]
- 俺は元々流れ者だからな。
新しい土地に馴染むのには得意なんでね。▼
- [ディーク]
- 決まった雇い主を持たない傭兵にとっちゃ
そいつは欠かせない技能だな。▼
- [ジスト]
- カムイ、あんたが
アスク王国に召喚されてくる前に
よくバルボから話は聞いていたよ。▼
レオのほかにもう一人
信の置ける手練がいるってな。▼
- [カムイ]
- 報酬の分の働きをこなしてた…
それだけの話さ。▼
- [ディーク]
- そいつをきっちりこなせる傭兵を
一流っていうんじゃないか?▼
- [ジスト]
- なあ、今度酒でもどうだ?
バルボやレオも交えて
傭兵同士、積もる話もあるだろ。▼
- [カムイ]
- …ああ。楽しみにしてるぜ。▼
- [ディーク]
- じゃあ、またな。▼
- [カムイ]
- ……▼
- [門番]
- カムイさん、すごいじゃないですか!
異界を代表する傭兵団を率いる
英雄からも評価されるなんて。▼
一流は一流を知るってやつですかねぇ。▼
- [カムイ]
- ……▼
- [門番]
- あれ、カムイさん?
どうかしました?▼
- [カムイ]
- いや、なんでもない。
まだ日が落ちるまで時間もあるな…
森で剣でも振ってくるか。▼
- [門番]
- 了解です!
お気をつけて!▼
- [バルボ]
- カムイ、次の任務が決まったぞ。
グレイル傭兵団と組んで秘宝砦の警備だ。▼
- [カムイ]
- 秘宝砦…
行ったことはないですが
結構な激戦地らしいですね。▼
- [レオ]
- せっかくアタシたち3人が揃ったんだし
いいところ見せちゃいましょ!▼
- [バルボ]
- 出発は1週間後だ。
旅に必要なものがあれば
アンナ隊長に申告しておけ。▼
- [カムイ]
- 了解です。▼
- [バルボ]
- しかし、ヴァイス・ブレイヴは
優秀な特務機関だな。▼
一騎当千の英雄たちの実力を引き出し
見事に使いこなしている。▼
まとめ上げているアルフォンス王子や
アンナ隊長も只者ではないな。▼
- [レオ]
- ヴァイス・ブレイヴには
兄貴ほどじゃないけど
いい男もたくさんいるしね~。▼
なにより、英雄たちの個性を
尊重してくれるところが素敵よね。▼
- [カムイ]
- たしかにここは
ずいぶんと自由な空気を感じるな。▼
- [レオ]
- 神官さまと旅をしたときも楽しかったけど
ここはすっごく居心地がいいわね。▼
- [カムイ]
- 居心地がいい、か。▼
- [レオ]
- なによ、カムイ。
しけた顔しちゃって。
なにか不満でもあるわけ?▼
- [カムイ]
- 不満なんてねえよ。
でも不満がないのが不満だってやつも
なかにはいるかもしれねえな。▼
- [レオ]
- なによそれ?
意味わかんないわね。▼
- [カムイ]
- ……▼
(暗転)
- [カムイ]
- 荷物は…これで全部か。▼
まあ、着の身着のまま
召喚されてきたからな。
荷物なんてないようなもんか。▼
ヴァイス・ブレイヴ…
短い間だったが世話になったな。▼
- [門番]
- おや…カムイさん?
夜も遅いのにお出かけですか?▼
- [カムイ]
- あんた、こんな時間まで働いているのか?▼
- [門番]
- さすがに寝ずの番は無理ですので
もうすぐ交代するであります。▼
- [カムイ]
- 短い間だったけど世話になったな。
あんたから聞いたアスク王国の話…
面白かったよ。▼
- [門番]
- ……?▼
世話になったとはどういう…
ここから出て行かれるので?▼
- [カムイ]
- バルボさんと神官さまとは
長い付き合いになっちまったが
俺はずっと流れ者の身でね。▼
そろそろどこかに
流れようと思っていたのさ。▼
ここは知らない場所だが
傭兵の働き口くらいあるだろうしな。▼
- [門番]
- そ、そうでありますか…
ヴァイス・ブレイヴになにかご不満でも?▼
- [カムイ]
- 不満どころか、その逆。
居心地がよすぎるのさ。▼
もちろん、戦うのは大変だが
最高の仲間がいて、うまい酒も飲める。▼
誰だって思うだろうよ。
ここでずっと戦っていたいってな。▼
- [門番]
- ……▼
- [カムイ]
- 言いたいことはわかるぜ。
でも、俺はなにかに縛られて
生きるのは苦手でね。▼
魂がひとところに縛られる前に
流れることにしたってわけだ。▼
- [門番]
- なるほど…
そういう生き方もあるのですね。▼
- [カムイ]
- あんたはここ…
門の前から動けないまま
退屈しないのか?▼
- [門番]
- 私の仕事は門を守ること。
どこにも行けません。▼
ですが、ヴァイス・ブレイヴの皆さんが
見聞きしたものを私に話してくれます。▼
身体はここから動けませんが
心でいろいろな場所を
旅しているようなものですね。▼
- [カムイ]
- なるほどな…
それじゃあ達者でな。▼
- [門番]
- はい! お気をつけて!
いつでも戻ってきてくださいね!▼
- [ブレーダッディス(姿無し)]
- ワン! ワンワン!▼
- [門番]
- おや、どうしましたブレーダッディス。
ごはんの時間にはまだ早いですよ?▼
- [カムイ]
- よう。今日も異常なしかい?▼
- [門番]
- あれっ!? カムイさん!
戻ってきてくれたのですね!▼
というか、ずいぶん早いお帰りで。
まだ3日も経ってませんよ?▼
- [カムイ]
- バルボさんや神官さまに黙って
出かけちまったのが気になってね。▼
神官さまたちに受けた恩義を
まだ返しちゃいねえような気がしてな。
傭兵として不義理ってやつだ。▼
- [門番]
- な、なるほど…▼
- [カムイ]
- それにな、なにかに縛られるのがダメ…
そんな考えに自分自身が縛られているって
気付いちまったのさ。▼
流れなきゃいけないって信条に
そもそも縛られる必要なんてねえんだよ。▼
- [門番]
- 自分で自分に枷をかけていた…
ということでしょうか。▼
- [カムイ]
- そんなところだ。
で、戻りたくなったから戻ってきた。
それだけの話さ。▼
- [門番]
- それじゃあ、ヴァイス・ブレイヴで
またご一緒できるのですね!
お帰りなさい、カムイさん!▼
- [カムイ]
- これからもよろしく頼むぜ。
しかし、不思議なもんだな
ヴァイス・ブレイヴってやつは…▼
流れ続けて生きてきたやつと
ひとところに居続けるやつが
一緒にやっていけるなんてな。▼
それだけ懐の深い場所ってことか…。▼
- [門番]
- ん? なにかおっしゃいましたか?▼
- [カムイ]
- いや、なんでもねえよ。
バルボさんが言ってた任務の準備もあるし
ジストたちとの飲みの約束もあったな。▼
ま、退屈せずに済みそうだ。
アスク王国って場所はな!▼
バレンシアの希望 セリカ†
- [セリカ]
- ミラさまがこの世界に…
アスク王国にいらっしゃるのですか?▼
- [メイ]
- はいっ。時折、姿を見せられて
私たちにお力を貸してくださるんです。▼
- [フィヨルム]
- この地には、英雄だけではなく
異界の神々も召喚されているのですよ。▼
- [メイ]
- ミラさまだけではありません。
ドーマさまも、正しき力を振るって
アスクの民を助けてくれているとか!▼
- [セリカ]
- バレンシアを創生した
二柱の神がこの地になんて驚きね。▼
私がアスク王国に召喚されたのは
ミラさまのお導きが
あったのかもしれないわね。▼
ミラさまやドーマさまが
人間たちに力を貸してくれている。
それはとても心強いことなのだけど…▼
- [メイ]
- ……? セリカさま、
なにか気になることでも?
- [セリカ]
- さきほど、フィヨルム王女は
アスク王国には異界の神々も
召喚されていると言いました…▼
- [フィヨルム]
- は、はい。
たしかにそうお伝えしました。▼
- [セリカ]
- 大地母神の力やほかの神々の
威光を受けているにもかかわらず…▼
未だアスク王国は戦乱から
逃れることができていないのね?▼
- [フィヨルム]
- そのとおりです…▼
時に私たちは
神に等しい力をもった存在と
鉾を交えなければなりませんでした。▼
- [セリカ]
- 神の御力をもってしても
平和を取り戻すのは難しいのね。▼
私たちが向き合い、挑むべき戦いが
いかに困難なものであるのか
使命の重さを実感するわね…▼
- [メイ]
- あっ、フィヨルム王女。
セリカさまを見かけませんでした?▼
- [フィヨルム]
- セリカ王女ですか?
中庭で祈りをささげられているようですが。▼
- [メイ]
- なるほど、中庭ですかー。
ありがとうございました!▼
- [フィヨルム]
- ……。
私もご一緒してもよろしいでしょうか?▼
セリカ王女は近頃
なにか悩まれていたようですので
私もなにか、力になれたらと…▼
- [メイ]
- ありがとうございます!
フィヨルム王女はお優しいですね!▼
セリカさまは敬虔なミラさまの信徒。
祈りの時間が増えるということは
それだけ悩みがあるのかもしれません。▼
- [フィヨルム]
- ……▼
(暗転)
- [セリカ]
- はぁぁぁっ!
エンジェル! サンダー!▼
- [メイ]
- …祈ってないなぁ。
むしろ何だか荒ぶってるような…▼
- [フィヨルム]
- ま、魔道の練習を
なさっているのでしょうか。▼
- [セリカ]
- あら、メイにフィヨルム王女。▼
- [メイ]
- セリカさまのことが気がかりで
様子を見に来てしまいました。
でも、なんだか大丈夫そうですね!▼
- [セリカ]
- いろいろ悩んでいたら
考えがまとまらなくなっちゃって…▼
こういうときは
身体を動かすほうがいいと思って
魔道の練習をしていたのよ。▼
- [フィヨルム]
- やっぱり、なにかお悩みだったのですね。▼
- [セリカ]
- 私は今まで、ミラさまの神官騎士として
信仰を支えにして戦ってきたわ。▼
だけど、そのミラさまですら
成し得ていないアスク王国の平和を
私が勝ち取ることができるのか…▼
そう考えているうちに
なんだか心が重くなってしまって。▼
- [フィヨルム]
- 使命の重さを案じられていたのですね。▼
- [メイ]
- セリカさまの悩みわかる気がするな。
私たち、神さまのようなすごい力を
持っているわけじゃないかのに…▼
神さまでも難しいことをやるなんて
「無理~!」って思っちゃう。▼
- [フィヨルム]
- ……。
たしかに神々はその偉大な力で
何度も私たちを助けてくれました…▼
しかし、私たちが考えるほど
万能ではないのかもしれませんよ。▼
- [セリカ]
- ……▼
- [フィヨルム]
- 神々も人と同じように悩み
時には神同士で争いながら
困難を乗り越えたのではないでしょうか。▼
- [セリカ]
- 悩み争いながら
困難を乗り越える…▼
- [ミラ(姿無し)]
- 『ナーガは知っていたのです』▼
『永遠ともいえる長い歳月の果てに
我ら竜族に持つものがなんであるか…』▼
『それは、すべての竜族が避けられぬ狂気。
滅びゆくさだめ…』▼
- [セリカ]
- …ミラさま…▼
- [ミラ(姿無し)]
- 『私は兄を愛していました。
兄と同じように人を愛していました』▼
『どこで道をあやまったのか
もう思い出せない…』▼
- [セリカ]
- 神も時として思い悩む。
万能ではないがゆえに…▼
- [フィヨルム]
- ……▼
- [フィヨルム]
- セリカ王女、
私の話をしてもよろしいでしょうか?▼
- [セリカ]
- もちろんよ。
神々についての話なのでしょう?▼
- [フィヨルム]
- はい。私は氷神ニフル…
私たちの国を作った神の代理として
敵対する神と戦ったことがありました。▼
ですが、
敵対する炎神ムスペルも同様に
代理を立ててきたのです。▼
剣をまじえた相手は
互いに一度はわかり合えたはずだった
ムスペル王国のレーギャルン王女でした…▼
- [セリカ]
- 親しい人間同士が運命に翻弄されて
敵味方に分かれてしまった、と。▼
- [メイ]
- あ、あの…セリカさま…▼
- [セリカ]
- いいのよ。フィヨルム王女
続けてもらえるかしら。▼
- [フィヨルム]
- それは、どちらかが必ず死ぬ戦いでした。
相手を殺すか、自分が殺されるまで
終わることのない…▼
- [セリカ]
- なんてひどい…
フィヨルム王女も悩まれたのでしょう?▼
- [フィヨルム]
- はい。でも私は…
レーギャルン王女を信じました。▼
私たちの間に芽生えた絆は
必ず困難を乗り越えられる。
絶望を希望に変えられるはずだと。▼
その結果、私たちはさだめを覆し
共に生き残ることができたのです。▼
- [セリカ]
- 一人では超えられなかったはずの困難を
力を合わせ、絆を繋ぐことで乗り越える。▼
- [メイ]
- セリカさまとアルムさま、
二人と同じ…ですよね!▼
- [フィヨルム]
- 人間は時に
神の予想を超える未来を
呼び込むことができる。▼
私はあの戦いで知ったのです。▼
- [セリカ]
- 人の可能性…
そうよ、私はミラさまに
託されていたじゃない…▼
バレンシアの未来を
人々が歩んでいく明日を!▼
- [セリカ]
- 私とアルムの目の前で
ミラさまは天に昇られたの。
そのとき、こうおっしゃってたわ。▼
人がすでに神の手を離れ
自らの力で歩いていると知った、と。▼
- [メイ]
- 人間の強さを
ミラさまにも認めて頂けたんですね。▼
- [セリカ]
- フィヨルム王女の言うとおり
人には神々が持ち得ぬ可能性がある。▼
ミラさまは、そのことを私たちに
お示しになっていたのかもしれないわね。▼
- [フィヨルム]
- はい、私もそう感じます。▼
- [セリカ]
- それにね、ミラさまは私たちに
バレンシアの命運を握る
ファルシオンを託されるとき…▼
たしかに「あなたたちに託します」と
おっしゃったのよ。▼
あなたたちという言葉が指し示すのは
私とアルムだけじゃない。▼
バレンシアに生きるすべての人々に
向けられていた気がするの。▼
- [フィヨルム]
- 特別な力を持った英雄だけが
未来を変えるのではない…▼
- [メイ]
- ひとり一人の人間が力を合わせることで
未来が変わるということですか?▼
- [セリカ]
- そのとおりよ。
アスク王国の平和を勝ち取ることは
神ですら難しいかもしれない。▼
だからといって到底無理だなんて
諦める必要なんてないわ。▼
だって、私たちには多くの仲間がいる。
心を重ね、想いをつなぎ
共に支え合える仲間たちがね。▼
- [メイ]
- セリカさま…▼
- [セリカ]
- 神々のような強大な力がなくても
私たちは、互いを信じあえる絆がある。
携える手と手がある。▼
人間だからこそ
できることがきっとあるはずなの。▼
フィヨルム王女、ありがとう。
あなたの話が背中を押してくれました。▼
- [フィヨルム]
- よかった…
お役に立てたのなら幸いです。▼
- [セリカ]
- そしてメイも…
心配してくれてありがとう。▼
あなたはずっと私の大事な友人。
これからも支え合って
前に進んでいきましょう。▼
- [メイ]
- はい、セリカさま!
どこまでもお供しちゃいますよ。▼
- [セリカ]
- ミラさまの信頼に
私は必ず応えてみせる。▼
人の可能性を、絆を信じて…
私はこれからも歩みを止めない。▼
森の剛腕 アトラス†
- [アンナ(覚醒)]
- 木材が1000本となると…
かなりの量になるわね。▼
- [エキドナ]
- 無理を承知で頼んでいるんだ。
なんとかならないかい?▼
こうしている間にも戦火で
焼け出されている人たちが
増え続けているんだ。▼
- [アンナ(覚醒)]
- 新しい家を建てるためには
資材が必要だものね…▼
わかったわ!
心当たりもあることだし
なんとかしてみましょう!▼
- [エキドナ]
- アンナ隊長にも頼んでいるんだけど
向こうも手一杯らしくてね。▼
アンナ商会のツテで
用意できるのなら助かるよ。
それじゃ、頼んだよ!▼
(暗転)
- [バアトル]
- なるほどな…。
それで我々「斧の会」の
手を借りたいと!▼
- [アンナ(覚醒)]
- え、ええ、頼めるかしら?
木材が1000本ほど
早急に必要なんだけど…▼
最近、腕のいい木こりが
「斧の会」に加わったって
話を聞いたのよね。▼
- [アトラス]
- そいつはたぶん俺のことだな。▼
- [アンナ(覚醒)]
- えーと、あなたはたしか
バレンシアから来た
アトラス…だったかしら。▼
- [アトラス]
- 俺は戦士として戦っていたが
元々は木こりをやって
弟たちを食わせていたんだ。▼
むしろ、こっちが本業だ。
バアトル、この仕事受けようぜ。▼
- [バアトル]
- うむ! アスクの民のために
斧を振るうが我らの使命よ!▼
「斧の会」に任せておけば
木材の1000本など朝飯前よ!
ガハハ!▼
- [アンナ(覚醒)]
- えーと、張り切るのはいいけど
依頼されたのは1000本だから…
じゃあ、お願いね。▼
- [バアトル]
- …というわけだ!
家を失ったアスクの民のために
我らで木材を用意することになった!▼
- [ハロルド]
- 困っている人々の支えになるのが
ヒーローの仕事でもある。
頑張ろうじゃないか!▼
- [オーシン]
- 要するに、木を切り倒せば
いいってことか?▼
- [ゴンザレス]
- おれ、木は、ひっこぬけるけど
斧で…木、切ったこと…ない。▼
- [ローロー]
- ウキキ。オレ、斧で人斬るのは得意。
でも木を切る訓練、してない。▼
- [ダロス]
- おいらなんて元は漁師だからなぁ。
木こりなんてしたことないんだよ。▼
- [アトラス]
- 俺が教えてやるよ。
戦場で振るう斧と木こりが振るう斧は
似ているようで全然違う。▼
「斧の会」の連中は腕っ節も強いし
きっと一流の木こりになれるぜ。▼
- [バーツ]
- おれも木こりの経験がある。
教えるのを手伝おう。▼
- [ダロス]
- じゃあ、せっかくだし
教えてもらおうかな…▼
- [ローロー]
- ウキキ!ローローたち
今日から、木こり!▼
(暗転)
- [アトラス]
- いいか? ただがむしゃらに斧を
叩きつければいいってもんじゃねえ。▼
木を倒す角度を頭に入れて
考えながら斧を入れていくんだ!▼
- [ゴンザレス]
- おれ、考えるの苦手…
でも、頑張る。▼
- [ダロス]
- よっせいっ!
木って意外と硬いんだな…▼
- [アトラス]
- 腕の力で斧を振るんじゃねえ!
身体全体を使って斧を振るんだ!▼
- [ローロー]
- ウキっ! キキっ!
わかってきた!▼
- [アトラス]
- よーし! いいじゃねえか!
この調子でどんどん切り出すぜ!▼
- [リベラ]
- みなさん、お疲れ様です。
冷たい紅茶をお持ちしました。
休憩してはいかがですか?▼
- [オーシン]
- おおっ、助かるぜ!▼
- [バーツ]
- では、ここらで休憩とするか。
集中力が切れると危険な目にあうのは
戦場も木こりも同じだからな。▼
- [ゴンザレス]
- おれ、今日も頑張ってる。
りっぱな木こり、なれるか?▼
- [アトラス]
- ああ、もちろん。
あんたは根が真面目だからな。▼
言い付けもしっかり守るし
地味な作業もコツコツとこなす。
いい木こりになれるぜ。▼
- [ゴンザレス]
- う、うれしい。
はじめて、こんなに褒められた…▼
- [ローロー]
- ウキ! オレはどうだ!
木を殺すの、うまくなったか?▼
- [アトラス]
- …あんたはもうちっとばかし
落ち着いたほうがいいな。▼
それに、木は殺すんじゃねえ。
木を切るってのは
自然の恵みを受け取ることだ。▼
- [ローロー]
- ウキキっ! 恵みか!
わからないけどわかった!
- [ドルカス]
- 木に向き合い
無心に斧を振っていると
なぜか心が穏やかになるな。▼
- [ハロルド]
- うむ!
戦場で斧を振るう感覚とは
また違った手応えがある。▼
倒れてくる木に何度か
潰されそうになってしまったがな!
ハハッ!▼
- [バアトル]
- しかし、さすがわしが見込んだ
「斧の会」の者たちよ…▼
この短期間でこれほどまで
優秀な木こりに育つとはな!
ガハハッ!▼
- [ダロス]
- おいらは戦いが終わったら
また漁師に戻ろうかと
思ってたけど…▼
木こりも悪くないなって
思いはじめたよ。▼
- [アトラス]
- 斧で誰かを傷つけるよりも
なにかを生み出し、人の役に立てるなら
そっちのほうがずっといいさ。▼
- [ドルカス]
- 傷つけるのではなく
なにかを生み出す、か。▼
おれの斧も家族の前では
そうあってほしいものだ。▼
- [アトラス]
- さてと、もうひと頑張りだ。
アスクの民もきっと
俺たちの木材を待ってるぜ!▼
- [アンナ(覚醒)]
- 998、999、1000…
よし! 木材1000本
たしかに受け取ったわ!▼
- [アトラス]
- 数は足りてたみてえだな。
そいつはよかった。▼
- [エキドナ]
- 思ったより早く調達ができて助かったよ。
これで焼け出された人たちの
家を建てられそうだ。▼
- [アトラス]
- 「斧の会」の奴らが
頑張ってくれたからな。▼
はじめて木を切るって
メンバーも少なくなかったけどよ。
今では全員が一流の木こりだ。▼
- [エキドナ]
- そうか、アトラス…
あんたが指導してくれたんだね。
いい腕しているようじゃないか。▼
- [バアトル]
- 今は、みなが木を切る喜びに
目覚めたといっても過言ではないな!
ガハハっ!▼
- [アンナ]
- ちょ、ちょっといい!?
バアトルはいるかしら!▼
- [バアトル]
- むっ、アンナ隊長。
わしになにか用か?▼
- [アンナ]
- 「斧の会」のメンバーが今も
考えなしに木を切り倒すものだから
近くの山が禿げ上がりつつあるのよ!▼
- [バアトル]
- な、なんじゃと!?▼
(暗転)
- [ダロス]
- よっせいっ! はっ!
なんだか、木を切るのが
楽しくなってきちゃったぞ!▼
- [ローロー]
- バッサイ! バッサイ!
ローローたち、恵み受け取る。▼^
- [ゴンザレス]
- お、おれ、頑張る。
木、いっぱい切れば
みんな、喜んでくれる…▼
- [ロス]
- よーし! 倒れるぞー!▼
(暗転)
- [アトラス]
- ぬかったぜ…。
木こりとして肝心なことを
あいつらに伝えてなかった。▼
- [アンナ(覚醒)]
- 肝心なこと? それって…▼
- [アトラス]
- 木はむやみやたらに
切り倒しちゃいけねえ。▼
俺たち木こりが自然とともに
生きなくちゃなんねえってことさ。▼
- [エキドナ]
- なるほどね…。
野山から木がなくなっちまったら
荒地が残るだけだからね。▼
- [アトラス]
- こうしちゃいられねえ。
バアトル、すぐ止めに行こうぜ!▼
- [バアトル]
- うむ! 急ぐとするか!▼
- [アトラス]
- ここがバレンシアでも
アスク王国でも変わらねえ。▼
野山から恵みをもらうだけじゃなく
育てていくことも大切…
それが木こりってやつだからな!▼
天真爛漫な末っ子 エスト†
- [エスト]
- うーん…
どう見ても、ただの石には
見えないんだけどなぁ…。▼
- [ピアニー]
- こんにちは!
今日もいい天気ね。▼
- [エスト]
- わわっ!? せ、背中に羽!?▼
も、もしかして本物の妖精さん?
絵本に出てくるような…▼
- [ピアニー]
- 驚くってことは
召喚されたばかりの英雄さんね。▼
私、ピアニー。
夢の国アルフから来た妖精なの。▼
- [エスト]
- 私はマケドニアの…じゃなくて
今はアリティアでお店をやっている
エストっていうの。よろしくね。▼
- [ピアニー]
- うん、よろしくね!
ところで
さっき見ていた石は?▼
- [エスト]
- これのこと?
私のお店で売っていたお守りなの。▼
なんでも3000年も
竜が抱いたまま眠っていた石で
願いごとをなんでも叶えてくれるんだって!▼
- [ピアニー]
- 3000年も眠っていたの!?
すごい、そんなに眠ってたら
きっといろんな夢を見られるわ。▼
- [エスト]
- それでね。カチュア姉さまに見せたら
「そんなことあるわけないじゃない」って
笑われちゃって…▼
でも、私にはただの石には見えないの。▼
- [ピアニー]
- ね、そのお守り
よく見せてくれない?▼
- [エスト]
- どうぞどうぞ!
売り物だから、気に入ったら
お買い上げしてもらっていいよ!▼
- [ピアニー]
- なんだか不思議な形…
マムクートのみんなが持ってる
竜石とも違うみたい。▼
……▼
- [エスト]
- ん? どうかした?
そんなにしげしげと見つめて。▼
- [ピアニー]
- エスト、このお守りから
不思議な力を感じる気がする…▼
- [エスト]
- ええっ!?
ほ、ほんとに!?▼
- [ピアニー]
- ううん。気のせいじゃない。
ちゃんと調べたほうがいいかもしれないよ。▼
このお守り、しばらくの間
預かってもいいかな?▼
- [エスト]
- ただの石じゃないと思っていたし
私も正体が知りたいな。▼
- [ピアニー]
- うん。物知りの英雄さんに聞けば
なにかわかるかも!▼
- [ピアニー]
- エスト! ここにいたのね。▼
- [エスト]
- こんにちは、ピアニー。
姉さまたちと訓練していたの。▼
それよりどうしたの?
そんなに慌てて。▼
まさか預けていたお守りが
本物だった~とか?▼
- [ピアニー]
- そうそう!
そのまさかかもしれないの。▼
- [エスト]
- ええーっ!?▼
(暗転)
- [マリク]
- このお守り、特殊な魔道が
施されているようには見えないけど
不思議なことに微量の魔力を感じるね。▼
(暗転)
- [パント]
- 竜が3000年抱いて寝ていたかどうか
証明するすべはないが…▼
この石が強大な魔力を帯びた存在に
長い間密着していた可能性は高いね。▼
それで微量に魔力が染み込んだ…
そう考えるとしっくりくるね。▼
(暗転)
- [ピアニー]
- ほかにもニイメおばあちゃんやカナスさん、
ノールさんにも話を聞いてみたけど
やっぱり、ただの石じゃないって。▼
- [エスト]
- ……▼
- [ピアニー]
- ど、どうしたの、エスト?
固まっちゃってるけど。▼
- [エスト]
- はっ! い、いや、そのね…
ちょっと頭が追いつかなくて!▼
- [ピアニー]
- エストはこう言ってたよね?
願いごとをなんでも叶えてくれるって。▼
- [エスト]
- う、うん。
そのはずなんだけど…▼
- [ピアニー]
- 実はね、
このお守りを預かっている間
私にも幸運が続いたの。▼
いつもは誰かに幸せの夢を見せる私が
とっても幸せな夢を見られたし…▼
それに食堂でね、大好きな果物が
久しぶりに出てきたの!▼
- [エスト]
- 幸運が続いたってこと?
本当だとしたら、すごいことだよね!▼
- [???]
- 願いごとをなんでも叶えてくれるとはね…▼
- [バルタザール]
- 面白え、そいつが本物かどうか
おれが確かめてやるよ!▼
- [バルタザール]
- よう! エスト、ピアニー!▼
- [エスト]
- あっ、バルタザールさん。▼
- [ピアニー]
- どうだった?
お守り、効果あったの?▼
- [バルタザール]
- 結論から言うとだな…
こいつは多分、本物だ!▼
- [エスト]
- そ、そうなんだ…。
本当に願いごとを叶えちゃう
お守りだったんだ!▼
- [バルタザール]
- ただし、願いごとならなんでも
敵うってわけではないみたいだぜ。▼
- [エスト]
- ……?▼
- [バルタザール]
- お守りを忍ばせて賭け事をしたんだが
少額の勝負ならほぼ勝てるけどよ…
高額となると、からっきしなんだよ。▼
- [ピアニー]
- それってお守りの魔力が小さいから
小さい幸運しか呼び込まないってこと?▼
- [バルタザール]
- それでもこのお守りに
不思議な力があるのは間違いないぜ。▼
まあ、おれは自分のツキで勝ちたいからな。
お守りなしで頑張ることにするさ。▼
- [ヒルダ]
- 調子に乗って大勝負に出て
スッカラカンになった人が
言うことじゃないよねー。▼
- [バルタザール]
- うわっ、ヒルダ。いたのかよ!?▼
- [ヒルダ]
- さっさと訓練に行くわよ、バル兄!
エストさん、ピアニーさん
お騒がせしましたー。▼
- [バルタザール]
- ま、待て! あとひと勝負!
次は絶対に勝てる気がするんだ!▼
(暗転)
- [エスト]
- 本物だったんだ、このお守り。▼
- [ピアニー]
- うん、幸運を呼び込むなんて
すごいわ!▼
- [エスト]
- ……▼
海賊にさらわれた私が無事でいられたり
ピアニーとお友達になれたのも
このお守りの効果だったのかも?▼
- [ピアニー]
- ふふっ、もしかすると
そうかもしれないわ。▼
- [カチュア]
- まさか、あのお守りが
そんなにすごいものだったなんて…▼
- [エスト]
- 私もびっくりだよ!
本当に魔力があっただなんて。▼
- [ピアニー]
- ヴァイス・ブレイヴでも
話題になっているみたい。▼
- [エスト]
- う、うん。そうみたいだね…▼
- [ピアニー]
- あれ?
向こうから小走りで
誰かがやってくるけど…▼
- [オリヴァー]
- ここにおったか、エストとやら。
おぬしが例のまろやかなる
お守りの所持者じゃな。▼
- [エスト]
- ええと、なにかご用でしょうか?▼
- [オリヴァー]
- 私はベグニオン帝国の元老院が一角
美の庇護者、
タナス公爵オリヴァーである!▼
- [エスト]
- オリヴァーさん、はじめまして。▼
- [オリヴァー]
- 儚き願いのみを叶えるという慎ましさ
なかなかに美しい…▼
ぜひ、この美の庇護者たる私に
そのお守りを譲ってほしいのじゃ!▼
- [エスト]
- ええと、あのお守りはもう
私の手元にはないんです…▼
- [カチュア]
- え? そうなの?▼
- [オリヴァー]
- むぅっ!?
もしや先客がいたと申すか!?▼
- [エスト]
- 誰かに売っちゃったとか
そうじゃないんです…▼
お城に白いフクロウが
止まっている木がありますよね?
お守りはあそこにお供えしました。▼
- [オリヴァー]
- お供えじゃと?
それはなにゆえ…▼
- [エスト]
- あのお守りが叶えてくれるのは
小さな願いごと…▼
小さな願いでも積み重ねていけば
大きな幸せになるかもしれない。▼
それを誰かがひとり占めするんじゃなくて
ヴァイス・ブレイヴのみんなで
叶えられたらって思って。▼
- [カチュア]
- エスト…▼
- [オリヴァー]
- ふむ、そういうことなら私も
美しく引き下がろうではないか。▼
ほかの美しき者たちも
幸運を享受できるかもしれぬ。▼
- [ピアニー]
- よかった。エストの考え
わかってもらえたみたい。▼
- [エスト]
- 英雄のみんなや
エクラさんにも
幸運があるといいよね。▼
- [カチュア]
- さしずめ、優しい妹を持てた私は
幸せを感じているわよ。▼
- [エスト]
- カチュア姉さま!
姉さまたちの妹で
私も幸せだよ~!▼
- [ピアニー]
- 小さな幸せでもないよりずっといい。
あのお守りがたくさんの
幸せを運んでくれるといいね。▼
- [エスト]
- うん! ささやかな幸せでも
みんなの笑顔に繋がるとうれしいな!▼
コメント†
Last-modified: 2023-12-30 (土) 19:34:34