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章別会話
紅き一族の陰謀†
紅き一族の陰謀†
オープニング†
- [アンナ]
- ……▼
- [レイラ]
- ……▼
調査をはじめて1週間…
今日も目立った動きはなし…か。▼
- [ニルス]
- あれ…? レイラさん
こんなところでなにをやってるの?
もしかして…かくれんぼかなにか?▼
- [レイラ]
- ……!
しーっ、静かにっ!▼
今は仕事中…
そう、諜報活動中なの。▼
- [ニルス]
- ちょうほう…かつどう?▼
- [フィオーラ]
- なにか動きはあった?
こっちはなにも、有用な情報は
手に入らなかったわ。▼
- [ラス]
- こちらも同じだ。
めぼしい手がかりは得られなかった。▼
ただ、やはりエレブ大陸以外…
いや、いくつもの異なる世界で
よく似た人物は目撃されている。▼
- [レイラ]
- ヘクトル様の言うとおり…か。
今のところ怪しい動きはないけど…▼
やはり、なにか裏がありそうな
予感がするわね…▼
- [ニルス]
- え、えっと、レイラさん…
アンナ隊長を見張ってたみたいだけど
いったいなにを調べているの?▼
- [レイラ]
- ……
ニルス、ここだけの話よ。▼
私たちはね、ある筋から依頼されて
アンナ隊長の…正体を探っているの。▼
- [ニルス]
- え!?
アンナ隊長の正体…?
そ、それって…!?▼
- [レイラ]
- アンナ隊長の素性を探る…?
それはいったい…
どういう意味でしょうか?▼
- [ヘクトル]
- 俺はアスク王国に来てから
幾度となくアンナ隊長とともに戦ったし
その人柄にも信頼を寄せている。▼
ただ…
アンナ隊長の素性に関しては
腑に落ちない点が色々あってな。▼
- [レイラ]
- 腑に落ちない点とは…?▼
- [ヘクトル]
- 俺はこの世界に来る前…
エレブ大陸の港町で
彼女にそっくりな人物に会ってる。▼
もちろん、アンナ隊長じゃない。
だが、他人の空似というには
あまりにも似過ぎていた。▼
- [レイラ]
- それは…奇妙な話ですね。▼
- [ヘクトル]
- マシューの調査によると
彼女は、アンナ商会という
商人ギルドに所属してるそうだ。▼
アンナ商会は
多くの異界にも存在し
活動を続けているらしい…▼
別の世界が存在する…なんて
以前の俺たちからすれば、おとぎ話だ。
少なくとも、【竜の門】を知るまではな。▼
俺はアンナ商会はどういう存在で
どんな目的で活動しているのか…
どうにも気になってな。▼
- [レイラ]
- なるほど…
それは確かに気になりますね。▼
- [ヘクトル]
- 仲間を疑うようなことはしたくない。
しかし同時に、大切な仲間だからこそ
疑惑は取り除いておきたい。▼
マシューには城外に調査に出てもらっている。
レイラはアンナ隊長の近辺を探って
気付いたことがあれば俺に教えてくれ。▼
- [レイラ]
- わかりました、調査を開始します。
ただ、この世界に来て日も浅いので
協力者の手を借りるかもしれません。▼
(暗転)
- [フィオーラ]
- アンナ隊長の素性を探る…?
確かに調査任務は
何度も経験がありますが…▼
- [レイラ]
- ええ。
謝礼はこのくらいでどう?▼
- [フィオーラ]
- わかりました。
仲間を疑うようで気は進みませんが…
引き受ける以上は全力を尽くします。▼
(暗転)
- [レイラ]
- …というわけで
草原の民として鍛えた
あなたの目と耳を当てにしたいの。▼
- [ラス]
- …すまないが興味がない。
ほかを当たってくれ。▼
- [レイラ]
- ラス、あなたは生まれたときに
「すべてを暗い赤が焼き尽くすであろう」と
まじない師に告げられたそうね?▼
- [ラス]
- …ああ、そうだ。
俺はその災いを防がねばならない。▼
- [レイラ]
- そういえば、アンナ隊長の髪って
燃えるような赤い色よね?▼
もしもの話だけど、アンナ商会が
あらゆる異界で、死の商人として
争いの種を撒いているとしたら?▼
- [ラス]
- …………▼
(暗転)
- [ニルス]
- なるほど…
そんなことがあったんだね。▼
ぼくは人間にいい感情を持ってなかったけど
レイラさんやヘクトルさまたちは
いい人だよ…ぼくも力になれるかな?▼
- [レイラ]
- 協力してくれるなら大歓迎よ。
助かるわ…!▼
- [ニルス]
- じゃあ、ぼくも力を貸すよ。▼
アンナ隊長のことも信じているから…
なにもないのが一番だけどね。▼
- [レイラ]
- 私たちとは
大きく異なる世界から来た英雄…
イツキやツバサにも話を聞いてみたわ。▼
もといた世界で
アンナ隊長によく似た人を
見なかったか…って。▼
そしたら、コンビニ?…という店に
よく似た人物がいたそうよ。
髪型も一緒だったらしいわ。▼
- [ニルス]
- エーデルガルトさんのいた世界でも
アンナ隊長に似た人物が
修道院の店番をやってたって。▼
- [レイラ]
- やっぱり、このふたつの世界でも
商業活動に関わっているわね…▼
うん、間違いなくアンナ商会の
一派だと見ていいんじゃないかしら。▼
- [フィオーラ]
- これは、イーリス王国出身の方々に
聞いた話ですが…▼
「行商人と思っていたら、無数の武器を
背負って戦いを挑んできた」
という噂話もあるようですね。▼
- [ラス]
- 白夜王国、暗夜王国の出身者からは
異界に繋がる門の番人が
アンナ隊長によく似た人物だったと聞いた。▼
- [レイラ]
- つまり…
異界のアンナ隊長がやっているのは
商業活動だけじゃない、ってこと…?▼
- [ニルス]
- うーん、なんだか
情報を集めれば集めるほど
謎は深まっていくよね。▼
- [ラス]
- しかし、ここ一週間…
アンナ隊長を見張っているが
行動に怪しいところは見受けられない。▼
- [フィオーラ]
- それどころか商売抜きで
特務機関に誠心誠意
尽くしているようにも見えますね。▼
- [ニルス]
- う、うん…
ぼくもアンナ隊長たちが
悪いことを企んでいるようには見えないよ。▼
- [ラス]
- もう、回りくどいことをせず
本人に問い質してみるのはどうだ。▼
- [フィオーラ]
- 私も賛成です。
こそこそと嗅ぎ回るよりも
正面から当たってみるのがよいかと。▼
- [ニルス]
- うん、そうだね…
アンナ隊長に直接聞いてみよう。
それが真実に迫る近道な気がする。▼
- [レイラ]
- ……▼
- [アンナ]
- え!? アンナ商会が
あらゆる異界で戦争を利用して
富を得ているって…?▼
そんなことするわけないじゃない!
私たちは戦争を終わらせるために
協力しているの!▼
- [ニルス]
- なんだ、やっぱりそうだったんだ!
よかった、アンナ隊長が悪い人じゃなくて…▼
- [アンナ]
- 異界にいる私たちは別人だけど
みんな同じ使命を得るの。▼
英雄を助け…平和に貢献せよ、ってね。
アンナ商会はその手段のひとつよ。▼
- [レイラ]
- なるほど…だからアンナ隊長は
異界でもさまざまな形で
英雄たちに関わってきたと…▼
- [アンナ]
- そう。私もアスク王国の商家に生まれて
物心ついたころに、アンナ商会の
一員だって告げられたのよ。▼
- [ラス]
- では、アンナ隊長が
事あるごとに蓄財をしようとするのも
すべて英雄を助けるために…?▼
- [アンナ]
- も、もも…もちろんよ!▼
- [フィオーラ]
- アンナ隊長…心なしか
目が泳いでいるように見えますが?▼
- [レイラ]
- それと、もうひとつ…
見た目がそっくりなのは
なにか理由が…?▼
- [アンナ]
- それは私も不思議なのよね…▼
異界によっては何人も
姉妹がいる場合もあるらしいけど…
なぜか全員、顔が似ているそうよ。▼
- [ニルス]
- ともあれ、アンナ商会は
悪い組織じゃなかったんだ。
疑ってごめんなさい、アンナ隊長。▼
- [レイラ]
- いろいろと調べて悪かったわね。
これからもアンナ隊長と
アンナ商会を信頼させてもらうわ。▼
- [アンナ]
- ええ、こちらこそ。
これからもよろしく頼むわね!▼
- [レイラ]
- でも…ヘクトル様に聞いた話だと
港町にいたアンナさんには
ジェイクという恋人がいたらしいけど…▼
その人物とアンナ隊長は
もちろん別人なのよね?▼
- [アンナ]
- もちろん別人よ!
わ、私に恋人なんていないわよ…
むしろ、絶賛募集中なんだから!▼
草原の若き狼 ラス†
- [ラス]
- ……▼
- [アルフォンス]
- おや? あの後ろ姿は…
こんな時間にラスは
どこへ行くんだろう…▼
最近、向こうの森には
荒ぶった獣が出るそうだし
念のため、報せておかないと。▼
(暗転)
- [アルフォンス]
- おかしいな…ラスはこっちに
歩いていったはずだけど。▼
ん? 湖畔に灯火が。
あれは…焚き火か。▼
ああ、やっぱり…
ここにいたんだね、ラス。▼
- [ラス]
- アルフォンス王子…▼
- [アルフォンス]
- 聞いてもいいかな?
君はここでなにを?▼
- [ラス]
- ……▼
時折、こうして城を出て
一人で自分と向き合っている。▼
俺にとっては…必要な時間だ。▼
- [アルフォンス]
- なるほど…邪魔して悪かったね。
それでは僕は城に戻るよ。
おやすみ、ラス。▼
- [ラス]
- ああ…▼
- [アルフォンス]
- ラス、先日は
邪魔をして悪かったね。▼
- [ラス]
- 謝る必要はない…
別に、邪魔ではなかった。▼
アルフォンス王子が
現れたのも空の導きだろう。▼
- [アルフォンス]
- ……
ラスは時々、城を出て
一人になると言っていたね。▼
この城でなにか足りないものや
不自由していることがあるのかな?
だったら遠慮せずに言ってほしい。▼
- [ラス]
- ……
逆だ、アルフォンス王子。▼
- [アルフォンス]
- 逆…というと?▼
- [ラス]
- この城にはあらゆるものがあり
すべてが満たされている。▼
強固な城壁、高い天井
夜通し照らされる灯り…
そして、柔らかなベッド。▼
しかし、満たされているがゆえ
見えなくなっているものもある。▼
- [アルフォンス]
- 見えなくなっているもの…
それはどういうことかな?▼
- [ラス]
- 知りたければ、今夜
あの湖畔に来るがいい。▼
導きがあれば…
アルフォンス王子も
見ることができるはずだ。▼
- [アルフォンス]
- ……
満たされているがゆえに
見えないもの…▼
- [アルフォンス]
- ラス、君の言うとおり
同じ場所に来てみたけれど…
ここでいったいなにが?▼
澄んだ湖に、微かな野鳥の声。
特別変わったものがあるように
見えないけれど…▼
- [ラス]
- ……
アルフォンス王子…
空を見上げてみるんだ。▼
- [アルフォンス]
- ……!
星が…無数に…
あんなにたくさん…▼
- [ラス]
- 城は雨風をしのぎ
敵の攻撃にも備えられる。
あらゆるものも揃っている。▼
しかし、煌々と明るい場所では
頭上にある星の輝きが
ここまではっきりと見えないだろう。▼
- [アルフォンス]
- 綺麗だ。
空にはこんなにも
星々が輝いていたんだね。▼
ラスが僕に見せたかったのは
この光景だったのか…▼
- [ラス]
- 俺たちクトラ族は…
大地に根付き、風とともに生き
星に感謝を捧げて生きてきた。▼
その生き方はサカの草原でも
アスク王国でも、変わりはしない。▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [ラス]
- アルフォンス王子
あなたが最後に星空を見上げたのは
いつだったか、覚えているか?▼
- [アルフォンス]
- 僕が最後に星空を見上げたのは…
……▼
- [アルフォンス]
- ラスがなぜ僕に
星を見せてくれたのか…
わかったような気がするよ。▼
- [ラス]
- ……▼
- [アルフォンス]
- アスク王国には
絶え間なく危機が押し寄せている。▼
戦いに次ぐ戦いで
緊張の日々を生きる僕は▼
星空を見上げる余裕すら…
失っていたんだ。▼
- [ラス]
- 今のアスク王国が
大変な状況にあることは
わかっている。▼
特務機関の中心人物たる
アルフォンス王子の双肩に
どれほどの負担がかかっているかもな。▼
- [アルフォンス]
- 確かに、目の前の問題をひとつずつ
解決していくことは大切だ。▼
でも、それに目を奪われていては
遠くに輝く大切なものが
見えなくなってしまう…▼
- [ラス]
- ……▼
- [アルフォンス]
- ラスに、夜空の星に教えられたよ。
どんなに大変なときでも
心に余裕を持つことの大切さをね。▼
- [ラス]
- たとえ、自分の目の前が
暗闇で占められていても…
頭上に光が見えることもある。▼
自分にとっての輝きを
見失わなければ…
人は迷わず歩いていけるものだ。▼
- [アルフォンス]
- そうだね…僕もそう思うよ。▼
- [ラス]
- アルフォンス王子…
あなたは自分に必要なものを
素直に学び取る才がある。▼
その前向きさは天が与えた資質だ。
大切にするといい。▼
- [アルフォンス]
- ありがとう、ラス。
これからも学ばせてくれ。▼
- [ラス]
- アスク王国、そしてアルフォンス王子にも
母なる大地の恵みがあらんことを。▼
俺は、光に向かって歩いていく
あなたを支えよう。
空と大地に誓って。▼
牙の巣に潜む花 レイラ†
- [レイラ]
- ひさしぶりね、マシュー。
元気にしてた?▼
- [マシュー]
- レイラ…▼
…ああ、元気も元気さ。
この世界でも若様が無茶なさるんで
お付きの役目も楽じゃない。▼
ここで…
お前と再会できるとはな。▼
- [レイラ]
- ふふっ、もっと喜んでいいのよ。▼
- [マシュー]
- まあ、うれしいのは確かだが…
喜んでばかりもいられないぜ。▼
レイラも特務機関の連中から
聞かされただろ?
アスク王国の現状を。▼
- [レイラ]
- ええ。危機また危機の連続…
よく今まで持ちこたえられたものね。▼
- [マシュー]
- 少しでも気を抜けば
アスク王国はすぐさま戦火に焼かれて
灰になっちまうだろう。▼
- [レイラ]
- そして真っ先に泣くのは
この地で暮らす罪なき民…ね。▼
- [マシュー]
- ああ、そういうことだ。
どうやらこの世界でも、
おれたち密偵の出番はあるらしい。▼
本当は…おれたちみたいのが
いらない世の中が一番だけどな。▼
- [レイラ]
- そうね。でも…
呼ばれたからにはキッチリと
任務はこなしてみせるわ。▼
一人じゃ大変だったでしょ?
これからは私もしっかりと支えるから。▼
- [マシュー]
- ああ、頼らせてもらうさ。
……▼
- [スズカゼ]
- そう、その調子で慎重に足を降ろして
音を消しながら先に進む。
それが…忍び足です。▼
- [マシュー]
- お、おお!
確かに足音が消えるな。
こりゃあいい、任務に使えそうだ!▼
- [レイラ]
- マシュー、なにをやってるの?
そちらは…?▼
- [マシュー]
- ああ、紹介するよ。
白夜王国の忍び、スズカゼだ。▼
- [スズカゼ]
- はじめまして、スズカゼと申します。
オスティア候に仕えるレイラさんですね。
お話は伺っております。▼
- [レイラ]
- スズカゼ、はじめまして。
でも…珍しいわね。▼
仲間だろうと友人だろうと
馴れ合うべきじゃないって
マシューは言ってたじゃない。▼
その割にはスズカゼと
ずいぶん親しく見えるけど…▼
- [マシュー]
- はは、スズカゼたち忍びは
おれたちが知らない技を
色々持ってるからな。▼
仕事に役立つんじゃないかと思って
教えてもらってたのさ。
なあ、スズカゼ…って、いない!?▼
- [スズカゼ]
- そちらはただの木…
私はここです。
これは、変わり身の術といいます。▼
- [レイラ]
- すごいわね…
ねえ、スズカゼ。私にも
忍びの技を教えてもらえる?▼
- [スズカゼ]
- 私の仲間にカゲロウという
女性の忍び…くの一がおります。▼
同じ女性同士、彼女から
習うのがいいかもしれませんね。
私が伝えておきましょう。▼
- [レイラ]
- ありがとう、助かるわ…!▼
いろいろな英雄に教えを乞える…
アスク王国って強くなるのに
うってつけの場所ね。▼
- [マシュー]
- ……▼
- [レイラ]
- マシュー、どうかした?
なにか考えごと?▼
- [マシュー]
- あ、いや…別に。▼
レイラの言うとおりだな。
英雄同士で技を伝え合えば
もっと強くなれるかもな、うん。▼
- [レイラ]
- マシュー、この間から…
なんだか様子が変よ?▼
- [マシュー]
- おれが変? どこがだよ。
おれはいつもどおりだぜ。▼
- [レイラ]
- 私の目を…ごまかせると思ってる?▼
- [マシュー]
- ……▼
- [レイラ]
- 当ててあげましょうか?
大方、「この世界に来てまで
私に密偵をやらせたくない」とか…▼
「できれば密偵はやめてほしい」…
そんなふうに思ってるんでしょ?▼
私が忍びの技を教えてほしいと言って
あなたがいい顔をしなかったのも
きっとそのせい…なんでしょ?▼
- [マシュー]
- ああ、そのとおりだよ。▼
密偵はいつも死と隣り合わせ。
最前線で戦う英雄たちとは
違う種類の危険がつきまとう。▼
ましてや、このアスク王国は
おれたちがいた世界とは
危険の種類が違いすぎる…▼
- [レイラ]
- 危険なのは…わかるわ。
だけど…▼
- [マシュー]
- おれがスズカゼに学んでいたのも
レイラ、お前を危険な任務に
送り込みたくないからだ。▼
危ない仕事はおれがやる。
だからお前は…ヘクトル様の
近くについていてくれ。▼
- [レイラ]
- ……!▼
マシュー、あなた…
それ本気で言ってるの?▼
- [マシュー]
- ああ、本気だ。だから…▼
- [レイラ]
- 見損なわないで…!▼
あなただけを危ない目にあわせて
私だけ安全なところにいるなんて…▼
私がそんな…
そんな卑怯な真似ができると
あなたは思っているの!?▼
- [マシュー]
- ……▼
はは、そうだよな…
レイラならそう言うよな。▼
- [レイラ]
- え? マシュー…
あなた、なぜ笑ってるの?▼
- [マシュー]
- さっきのは冗談だよ。冗談!
どうだ、おれの芝居も
ずいぶんうまくなっただろ?▼
この演技力ならどこに潜入しても
簡単に身元がバレることはないさ。▼
- [レイラ]
- じゃ、じゃあ…
さっきまでのマシューの言葉は
本当に芝居だったってこと?▼
- [マシュー]
- 密偵はいかにして相手を欺けるか。
それはレイラだって
よくわかっているだろ?▼
- [レイラ]
- もうっ、マシューったら。
冗談を言うにしても
時と場所を選びなさいって話よ!▼
- [マシュー]
- おれは自分の力を
よくわきまえているからさ…▼
自分一人で密偵の仕事を
完璧にこなせるとは思っちゃいない。
仲間の協力が必要だ。▼
だから…これからもよろしくな。
頼りにしてるぜ、レイラ。▼
- [レイラ]
- ええ。頼ってもらって構わないわ。
そのために、私はこの世界に
呼ばれたんですもの。▼
- [マシュー]
- けどな…お前に危ない目に
あってほしくないのは本心だ。▼
- [レイラ]
- それも芝居じゃないでしょうね…?▼
- [マシュー]
- おっと、若様の用事を思い出した。
じゃ、おれはこれで…!▼
- [レイラ]
- あっ、ちょっとマシュー…
もうっ、演技力だけじゃなく
逃げ足も成長してるじゃない!▼
……▼
危ない目にあってほしくないのは
私も一緒よ。あなただけを
危険な目にはあわせないわ。▼
そのために、私はここにいるの。
二人で必ず生き残りましょう。
約束だからね、マシュー…▼
晴朗なる笛の音 ニルス†
- [ニルス]
- ニニアン…!
よかった、元気そうで…!▼
- [ニニアン]
- ニルス、ふふ…
少しだけ、大きくなった?▼
- [ニルス]
- い、いや…ぼくたちは
永い時間を生きているんだし
そんなに簡単に外見は変わらないよ。▼
- [ニニアン]
- 見かけの話じゃないの。
前より頼り甲斐を
感じるようになったような…▼
- [シャロン]
- ニニアンさんもニルスさんも
とっても仲のいい姉弟なんですね!▼
- [ニルス]
- ぼくと姉さんは
エレブ大陸の戦いに加わらないよう
元々は別の世界で暮らしていたんだ。▼
でも、エレブ大陸では
姉さんと一緒に芸を見せながら
ずっと旅をしていたんだよ。▼
- [シャロン]
- ニニアンさんの踊りは
そのときに培われたものなのですね。▼
- [ニニアン]
- はい…▼
ニルス、ここにいる人たちは
シャロン王女も特務機関の人たちも
温かい人たちばかりなの。▼
- [ニルス]
- うん、ぼくにもわかるよ。
この国は…とても温かいね。▼
- [ニニアン]
- この国の人たちのために…
わたしは力になりたいと思うの。▼
- [ニルス]
- ニニアンがそう考えるなら
ぼくも喜んで力を貸すよ…!▼
- [ニニアン]
- ありがとう、ニルス。
わたしたちはこれからもずっと一緒ね。▼
- [ニルス]
- う、うん。
ずっと…ずっと一緒だよ。▼
……▼
- [シャロン]
- あっ、ニルスさん。
今日も訓練、お疲れさまでした!▼
ニルスさんの音色に
わたしも癒やされちゃいましたよ~!▼
- [ニルス]
- あの、シャロン王女…▼
アスク王国が平和になったら
ぼくたちは…元の世界に戻るのかな?▼
- [シャロン]
- えーと…どうなんでしょう?
確か、お兄様のお話によると…▼
色んな文献では
大きく二つの説があって、その一つは
元の世界に戻るという説だったような…▼
- [ニルス]
- …元の世界に…▼
- [シャロン]
- ……?
なにか気がかりなことでも?▼
- [ニルス]
- い、いや、別に…
教えてくれてありがとう。▼
(暗転)
- [ニニアン]
- あら、ニルス…どうしたの?
思い詰めたような顔をして…▼
- [ニルス]
- ニニアン…
お願いがあるんだ。▼
もし、アスク王国が平和になって
元の世界に戻ったら…▼
絶対に、人間たちの戦いに
加わっちゃいけない。▼
- [ニニアン]
- え…?
それはどういう意味?▼
- [ニルス]
- エリウッドさまには悪いけど…
どこか遠くに逃げて
静かに暮らしてほしいんだ。▼
それがニニアンのためなんだ…
お願い…だから…▼
- [ニニアン]
- …ニルス…▼
- [ニニアン]
- 戦いに加わってはいけないって
どうして、そんなことを…?▼
- [ニルス]
- ……▼
- [ニニアン]
- ニルス…あなたのいた世界では…
わたしはもう…▼
- [ニルス]
- ぼくのいた世界じゃ
間に合わなかったけど…▼
今、目の前にいるニニアンなら
まだ間に合うはずなんだ…!▼
だから、同じような運命を
辿らせるわけにはいかないよ…!▼
- [ニニアン]
- ……▼
あなたがわたしとは違う世界の
ニルスだとしても…
優しいところは同じなのね。▼
あなたのような
優しい弟がいて、嬉しい。▼
- [ニルス]
- ぼくは、すべての世界のニニアンに
幸せに、なってもらいたいんだ…
だから…▼
- [ニニアン]
- ありがとう、ニルス。
でもわたしは…エリウッド様のおそばを
離れることはないでしょう。▼
- [ニルス]
- どうして…!?
そうしたら、またニニアンは…!▼
- [ニニアン]
- ニルスも知っているとおり…
わたしは自分の身に起こる危険を
少し前に察知できる…▼
それでも…わたしが戦いの場に
身を置いていたということは…
なにか必ず理由があるはず…▼
- [ニルス]
- ……▼
- [ニニアン]
- たとえどのような運命を辿ろうとも
わたしは自分が信じる道を…▼
ニルス…あなたの世界にいたわたしも
そう思っていたんじゃないかしら…▼
- [ニルス]
- ……▼
- [ニルス]
- それはどういう…こと?▼
- [ロイ]
- 信じるんだ。自分たちが選んだ道を。
そして、まわりにいる仲間たちを。▼
そうすればきっと…
道は拓けると思うから。▼
- [ニルス]
- ……▼
その目の輝き…
エリウッドさまにそっくりだね。
力強くて…真っ直ぐだ。▼
- [ロイ]
- そ、そうかな?
もしそうだとすればうれしいな。▼
- [ニルス]
- わかったよ。
きみの言葉を信じてみる。
その目は…嘘を言っていない目だ。▼
- [シャロン]
- よかったですね、ニルスさん!
未来にはきっと希望がありますよ!▼
- [ニルス]
- ありがとう、シャロン王女…▼
ぼくは…ぼくが信じた道を行ってみるよ。▼
きっと、ぼくの世界にいたニニアンも…
そう決めていたはずなんだ。▼
- [シャロン]
- ニルスさん…!
元気が出てきたみたいですね!▼
- [ニルス]
- まずは目の前にある
成すべきことをやらなきゃね。
すべてはそれからだ。▼
- [ロイ]
- そうだね。ともに手を携えて
一緒に頑張ろう。▼
- [ニルス]
- ニニアン…ぼくたちが決めた道を
ぼくは最後まで信じてみるよ…
立ち止まる…ことなく!▼
穢れなき白翼 フィオーラ†
- [フィオーラ]
- あの、フィヨルム王女
少しよろしいですか?▼
- [フィヨルム]
- ええ、構いませんよ。
なにかご用でしょうか。▼
- [フィオーラ]
- その…
大変申し上げにくいのですが…▼
フィヨルム王女が召されている
その服…少々裾が短いのでは
ないでしょうか?▼
- [フィヨルム]
- えっ!? そ、そうでしょうか?
今まで気にしたことは
なかったのですが…▼
- [フィオーラ]
- 気にし過ぎと
思われるかもしれませんが
私、少々不安なのです。▼
- [フィヨルム]
- ええと、不安…とは?▼
- [フィオーラ]
- ヴァイス・ブレイヴの…
その…みなさんの風紀が
乱れているのではないかと。▼
- [フィヨルム]
- ?▼
- [フィオーラ]
- 踊り子の方々は仕方がないとしても
なかには際どい装束をお召しになっている
英雄もお見受けします…▼
一部の王族の方々などはその…
少々胸元を見せ過ぎでは?▼
- [フィヨルム]
- ……▼
- [フィオーラ]
- このままでは妹たちに
悪い影響が出ないかと…
私は心配しているのです…▼
あ…すみませんフィヨルム王女
お忙しいところ呼び止めてしまい…
それでは、失礼します。▼
- [フィヨルム]
- ……▼
フィオーラさん…
真面目な方なんですね。▼
でも、この服…
そんなに短いでしょうか?
うーん…▼
- [フィオーラ]
- フィヨルム王女
少しよろしいですか?▼
- [フィヨルム]
- あ、フィオーラさん…
きょ、今日はなんでしょうか?▼
- [フィオーラ]
- フィヨルム王女…
ヴァイス・ブレイヴの現状を
どう思われますか?▼
その、人間関係について…です。▼
- [フィヨルム]
- そ、そうですね…
みなさん、お互いに信頼し合って
関係も良好なのではないでしょうか。▼
- [フィオーラ]
- 確かに…
英雄同士で信頼関係を
築くのは良いことです。▼
しかし…信頼関係の域を越えて
男女があまりに親しくなりすぎるのは
考えものではないでしょうか!▼
- [フィヨルム]
- フィ、フィオーラさん
顔が近いです…▼
- [フィオーラ]
- 失礼しました…
つい熱くなってしまい。▼
もし、色恋に溺れて使命を
疎かにするようなことがあれば
それは大きな悲劇を招きます…!▼
- [フィヨルム]
- そ、そう…かもしれませんね。▼
- [フィオーラ]
- なかには、女性を見ると
誰かれ構わずに声をかけるような方も
見受けられます。▼
- [フィヨルム]
- な、なるほど…
そう言われると、たしかに
何人かお名前が思い浮かびます…▼
- [フィオーラ]
- ヴァイス・ブレイヴには
もっと厳しい規律が必要だと思うのです。▼
部隊内で男女がみだりに
近付くことを禁止する決まりなどが!▼
ああ…考えれば考えるほど
一刻の猶予もない気がしてきました…▼
私とフィヨルム王女で
ヴァイス・ブレイヴの風紀を守る活動を
はじめてはいかがでしょうか…!▼
- [フィヨルム]
- え? 私も…ですか!?▼
- [フィヨルム]
- あの、フィオーラさん…
風紀を守る活動といっても
具体的になにをすれば…▼
- [フィオーラ]
- 簡単なことです。必要以上に
親しくしている男女を見かけたら
警笛を吹いて注意を促しましょう!▼
ほ、ほらっ!
さっそく発見しましたよ…!▼
- [シグレ]
- アスク王国にも
いろいろな美術品があって
実に興味深いですね…▼
- [リベラ]
- ええ。イーリス聖王国のものとは
趣向が違うものばかりで
勉強になります。▼
- [フィオーラ]
- 白昼堂々、あんなに親しそうに。
いけません…!▼
- [???]
- 待って! 邪魔をしないで!▼
- [フィヨルム]
- ええっ!?
置いてある樽がしゃべった…!?▼
- [???]
- 今、いい感じに尊さが
満ちあふれているところなの。
邪魔は許さないわ!▼
- [フィオーラ]
- ですが、男女が必要以上に
親しくしては風紀が乱れます。
見過ごすわけにはいきません!▼
- [フィヨルム]
- 樽の中身を気にされたほうが…▼
- [???]
- 男女の風紀? ナニを言ってるの?
あれは男同士の友情を
温めているところなのよ。▼
- [フィヨルム]
- そ、そうでした!
シグレさんの隣にいるリベラさんは
れっきとした男性です!▼
- [フィオーラ]
- なるほど。
それなら問題ありませんね。▼
…って、そういう問題でもありません!
要は、必要以上に親しくしすぎることが
問題なのです!▼
- [フィヨルム]
- フィオーラさん…
シグレさんたち、行っちゃいましたよ。
それに樽の人も…▼
- [フィオーラ]
- これがヴァイス・ブレイヴ…
なんて無秩序で自由な…▼
しかし、めげはしません…
次に行きましょう、フィヨルム王女!▼
- [フィヨルム]
- 城の中を見てまわりましたが
結局、警笛は一度も
吹けませんでしたね。▼
- [フィオーラ]
- 男女の仲と思って笛を吹こうとしたら
親子だったり兄妹だったり…▼
- [フィヨルム]
- そ、そうですね。
英雄のみなさんはいろいろな世界
いろいろな時代から来ていますし…▼
それぞれに関係を
ひと目で見抜くのは難しいですよね。▼
- [フィオーラ]
- ですが、このままでは…▼
- [フィヨルム]
- あ、あの、フィオーラさん
人が人を好きになるのは
自然なことだと思いますし…▼
それを風紀の乱れと
決めつけなくてもよいのでは…
ないでしょうか。▼
- [フィオーラ]
- ……▼
- [フィヨルム]
- 人が人を想うことで
強い力を発揮できることもあります。▼
そうです…例えば
パントさんとルイーズさんの
お二人のように。▼
- [フィオーラ]
- なるほど、そうですね…。
そうかもしれませんね。▼
私は表面的な関係性ばかり気にして
人と人とのつながり…絆の力を
軽んじていたのかもしれません。▼
- [フィヨルム]
- フィオーラさん…!▼
- [フィオーラ]
- ありがとうございます、フィヨルム王女。
私は規律を重んじるばかりで
視野が狭くなっていたようです…▼
そういえば、フィヨルム王女。
さきほど想いの力について
熱弁されていましたが…▼
それは、ご自分の身に
照らし合わせていたのでしょうか?▼
もしかして今、気になる方でも
いらっしゃる…とか?▼
- [フィヨルム]
- い、いえ…い、い、一般論です!
私にはその…そういうのは
まだ早いといいますか…▼
と、とにかく、
これで一件落着ですね、
これからも一緒にがんばりましょう!▼
コメント†
Last-modified: 2021-09-13 (月) 17:53:31