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章別会話
神竜の血脈†
神竜の血脈†
オープニング†
- [ガトー]
- ここにいたか、メディウスよ。▼
- [メディウス]
- ガトーか…何用だ?▼
- [ガトー]
- ナーガ様からお話がある。
そなたを探していたのだ。▼
ふむ…ラーマン神殿を
見ていたのか。▼
- [メディウス]
- ……▼
- [ガトー]
- 理性を失い、暴れ狂う地竜たちを
ドルーアの地中深く封じられたのは
神竜王の強大な力があってこそ。▼
- [メディウス]
- この神殿に
【五聖玉の盾】が祀られている限り
封じられし地竜たちは二度と目覚めまい。▼
- [ガトー]
- 先の地竜たちとの戦い…
地竜族であるそなたには
辛い選択を強いてしまったな。▼
- [メディウス]
- 私は人の姿に身をやつした。
地竜族で…私だけがな。▼
しかし、裏切り者と蔑まれようと
同胞の眠りを守り続けよう。
それが、最後の地竜としての務めだ…▼
- (暗転)
- [ナーガ]
- 二人とも、
よく来てくれました。▼
- [ガトー]
- あらたまって我らをお呼びになるとは
どのようなお話でしょうか?▼
- [ナーガ]
- はじまりがあれば、終わりがある。
竜族は永き時を生きる存在ですが
私たちとて例外ではありません。▼
私の命の灯が消えぬうちに
あなたたちに
伝えねばならぬことがあります。▼
- [メディウス]
- これからはじまる人の時代。
生き残った竜族は人を見守り導く…
その話ではないのか?▼
- [ナーガ]
- 話は、あの子のこと…
我が娘、チキについてです。▼
あの子の持つ力は
あまりにも強大です。▼
私が知る限り、神竜族においても
あれほど強大な力をもって
生まれた者はいないはず。▼
- [メディウス]
- …力の片鱗は私も感じる。
あの小さな身体に
底知れぬ力が宿っている…▼
- [ナーガ]
- 理性により律せられた力は
世界を繫栄に導きます。しかし…▼
無秩序な力は…
混沌と破滅を産み落とします。▼
- [ガトー]
- 道を誤れば
世界を滅することにもなる、と…▼
- [ナーガ]
- チキはまだ幼い。
悪意ある者に利用されぬよう
成長を見守らねばなりません。▼
しかし、私に残された時間は
あとわずか…▼
あなたたち二人に
世界の行く末だけではなく
あの子のことも託したいのです。▼
- [チェイニー]
- ガトーとメディウスに
チキのことを頼んだんだってね。▼
- [ナーガ]
- チェイニー…
あなたにもお願いしたかったのですが…▼
気の赴くままに居場所を変える
あなたを見つけるのは、砂漠の中から
針を見つけるようなものですから。▼
- [チェイニー]
- まあね。さっきの話は
ガトーから聞いたんだけど…。▼
こーんな感じで眉間にシワを寄せて
悩んでる様子だったよ。▼
ガトーは真面目だからなあ。
ナーガに話を聞く前からチキのこと
気にしてたみたいだぜ。▼
- [ナーガ]
- 無理もありません。
あの子が持つ力は
見過ごせるものではありませんから。▼
- [チェイニー]
- たしかにチキの力はすごいけどさ…
その力がどう使われるかまでは
ちょっと心配しすぎじゃない?▼
- [ナーガ]
- もし、チキが
悪しき心を持った者に利用されれば…
人を滅ぼす未来さえあり得ます。▼
- [チェイニー]
- ふーん、まあそういうこともあるか…?
未来がどうなるかわかればいいんだけど…
なんて、あはは!▼
- [ナーガ]
- ……▼
- [チェイニー]
- えっ? なにその顔?
もしかして未来も…わかるの?▼
- [ナーガ]
- はっきりとしたことは言えないのですが
私にはあるのです。
未来の記憶の…断片が。▼
- [チェイニー]
- ええっ!?▼
- [ナーガ]
- チキを取り巻く多くの人々…
時代を超えて歩いていくチキの姿。
そして、幾多の戦乱の炎。▼
- [ナーガ]
- それが記憶として
ナーガにあるって…?▼
- (暗転)
- [チェイニー]
- …ってことがあってさ。
不思議だよな、未来の記憶があるって。▼
予知とはまた違うらしいけど
考えてもぜんぜんわからないや。▼
- [ガトー]
- 未来の記憶か、ふむ…。
問題はナーガ様はどこで
その記憶を得たのか。▼
もしくは、その記憶を得るための
手段がいずこかにあるのか…。
実に興味深い。▼
- [チェイニー]
- でしょ?
ガトーならそう言うと思ったよ。▼
- [ガトー]
- 神竜王に宿る未来の記憶の正体…
なんとしてでも解明せねばならん。
しばし時間をもらうぞ、チェイニー。▼
- [ナーガ]
- 私が持つ未来の記憶の断片…
その正体を突き止めたそうですね。▼
- [ガトー]
- はい。受け止め方次第では
未来に大きく影響を及ぼしましょう。▼
- [チェイニー]
- さっすがガトー。
もう解明しちゃったんだ。▼
- [メディウス]
- 世界の行く末にも
影響を及ぼす未来の記憶とは
いったいなんなのだ?▼
- [チキ]
- みんながそろうなんて、
とってもめずらしいね!
ねえねえっ、なにしてあそぶ!?▼
- [チェイニー]
- わわっ、チキ! そんなにしがみつくな!
これから大事な話をするんだからさ。
ちゃんと聞かないとだめだぞ。▼
- [チキ]
- ええーっ? せっかく
にぎやかでたのしいのに…。▼
- [ナーガ]
- チキ…あなたにも関係のある
大切な話なのです。▼
- [チキ]
- わかった。おはなしして。▼
- [ガトー]
- うむ。
未来の知識を得るためには
時を超えねばならない。▼
意識であれ肉体であれ
時を超えて未来に向かう手段は
そう容易くはない。▼
- [チェイニー]
- さすがの神竜族も
時を自在に操るのは難しいもんなあ。▼
- [ガトー]
- しかし、未来の記憶を得るための
手段はほかにもある。▼
未来に生きる者との交流…
さすれば我らは
未来を知ることができるのだ。▼
- [メディウス]
- それが…可能だと?▼
- [ガトー]
- この大陸とは違う異界…
そこは、あらゆる地とあらゆる時を超え、
英雄が集うという。▼
- [チェイニー]
- 場所だけでなく時間を超えるって…
それって未来に生きる者にも
会えるってこと? すごいな!▼
その場所には
俺たちも行けるものなのかい?▼
- [ガトー]
- 異界より
英雄たちを呼ぶ
召喚師なる存在…▼
その者の呼びかけに応えれば
我らもその地に向かうことができよう。▼
- [チェイニー]
- そいつは面白そうじゃないか!
さっそく俺たちのことを伝えて
召喚してもらおうよ!▼
- [チキ]
- わーい! おでかけだね!
チキもおでかけしたーいっ!▼
- [メディウス]
- 私は反対だ。
あまりにも得体が知れぬ…
その異界も召喚師とやらもだ。▼
- [ナーガ]
- メディウスの心配はもっともです。
ですが…それによって
新たな可能性も生まれるかもしれません。▼
- [メディウス]
- 異界の地で
よりよき未来を
見通せる可能性がある…▼
ならば、おもむく価値も
あるということか。▼
- [チェイニー]
- そうそう! ここで人間たちの
小競り合いを眺めてるより
そっちのほうがよっぽど楽しいって!▼
- [ナーガ]
- 彼の地にて竜族の行く末を
そして、この子の未来を見出しましょう。▼
- [チキ]
- やったー!
みんなでおでかけだねっ!▼
- [シャロン]
- エクラさん!
今回はどんな英雄さんを
召喚されるのですか?▼
ああっ、やっぱりいいです!
前もって聞いちゃうと
楽しみが減っちゃいますからね!▼
- [アンナ]
- もうシャロンったら。
今からすぐ会えるじゃないの。▼
- [シャロン]
- それはわかっていますけど
やっぱり気になっちゃうんですよ!
ああー、緊張してきました!▼
- [アルフォンス]
- ははっ、シャロンらしいよ。▼
たしかに、新しい出会いに
心が躍る気持ちはわかる。▼
光が集まりはじめた…
そろそろだね。▼
- (白く光る)
- [シャロン]
- ドキドキしますね!
どんな英雄さんたちが
いらっしゃるんでしょうか…。▼
あっ! 見えました!
新しい英雄さんたちです!▼
- [チキ]
- わーいっ!
チキがいちばんのりだよーっ!▼
- [チェイニー]
- あっ! 待てってばチキ!
さすがに少しは警戒しろよな!▼
- [アンナ]
- ちょっと、なになに!?
元気いっぱいの英雄が来たわね…!▼
- [メディウス]
- 踏みしめる大地の感触。
見上げた先に広がる大空…。▼
- [ガトー]
- なるほど。我らの世界と
そう違わぬようだな。▼
- [アルフォンス]
- ようこそアスク王国へ。
僕はアスク王国の王子、
アルフォンスといいます。▼
この国はかつてない危機に
見舞われております。▼
偉大なる異界の英雄たちよ。
その力…僕たちに
お貸し願えないでしょうか。▼
- [ナーガ]
- もちろんです。私たちはそのために
この地に呼ばれたのでしょう。▼
アルフォンス王子、そして召喚師よ。
私たちのこの地に導いていただき
うれしく思います。▼
私は…神竜王ナーガ。▼
- [シャロン]
- アカネイア大陸を見守り続けられた
神竜族の王、ナーガ様ですね?▼
王女のシャロンです!
ナーガ様のご威光は
このアスク王国にも届いてますよ!▼
- [ガトー]
- ひとつ尋ねたい。
この地に、我らのほかにも
我らの世界の者はいるか?▼
- [シャロン]
- はい、もちろんです!
たくさんいらっしゃいますよ!▼
- [チキ]
- わああーっ、たっくさんだって!
すっごい、すっごい!▼
- [ナーガ]
- この気配…アスク王国には、
私たち以外にも竜族がいるのですね。▼
- [メディウス]
- 我々とは異なる時代から
来ているのか?▼
- [チキ]
- ねえねえ!
チキ、みんなとあそべるかな!?
おともだち、できるかな!?▼
- [ナーガ]
- ええ。きっとチキにも
おともだちができるはずです。▼
あなたを…正しい道へと
導いてくれる者にも
出会えるでしょう。▼
- [チキ]
- やったあ!
うふふっ…うれしいな!
うれしいなっ!▼
- [チェイニー]
- ガトー、よかったじゃん。
どうやらこの選択は
間違ってなかったらしい。▼
- [ガトー]
- 結論を出すのはまだ早い。
この世界について
もっと見識を深める必要もある。▼
- [ナーガ]
- ですがガトー、私は確信しています。
未来の記憶が囁いているのです…▼
アスク王国での出会いは
私たち竜族に…▼
チキにきっと…
よき未来をもたらすことでしょう。▼
神竜王の使徒 ガトー†
- [ガトー]
- ふう…。
ようやく一息つけそうだな。
この地に集う英雄たちは実に優秀だ。▼
貪欲に知識を学び取ろうとする
勤勉な姿勢は見上げたもの。
だがしかし…ううむ。▼
- [リシテア]
- あっ!
見つけましたよ、ガトー様。
こんなところにいらしたんですね。▼
- [ガトー]
- リシテアか。
よく私の居場所がわかったな。▼
- [リシテア]
- すごく探しましたよ。気がついたら
お姿が見えないので驚きました。▼
勝手にお帰りになられては困ります。
まだまだ、お伺いしたいことは
山ほどあるのですから!▼
- [ガトー]
- う、うむ…。
しかし、そなたの疑問には
もう十分に答えたのではないか?▼
- [リシテア]
- なにをおっしゃられます。
悠久の時を過ごされたガトー様は
まさに知識の宝庫。▼
ひとつの答えを賜れば
そこから十の疑問が浮かびます。▼
おかげで聞きたいことは
増えていく一方なのです!▼
- [ガトー]
- ふむ、そうか…。
しかし、一度に詰め込みすぎても
実にならぬのではないか?▼
- [リシテア]
- なにを悠長なことを…
時間などいくらあっても足りません!
さあ早く、お話の続きを!▼
- [セテス]
- 落ち着け、リシテア。
ガトー殿が困惑されている。▼
- [リシテア]
- えっ?
あっ、セテス様!▼
- [セテス]
- そう急いては理解も進まない。
少し時間を置いてみてはどうかな。▼
せっかく教示いただいた知識。
自分で解釈し、精査することで
見えるものもあるだろう。▼
- [リシテア]
- そ、そうかもしれませんね…。
すみませんでした、ガトー様。▼
- [ガトー]
- 学ぼうという姿勢を示す者に
私は門を閉ざしたりはしない。
日をあらためて、また来るとよい。▼
- [ガトー]
- いや、助かった。
あの子には朝から
質問攻めにあっていてな。▼
- [セテス]
- なんと…。
うちの生徒がご迷惑をお掛けしました。▼
- [ガトー]
- 気になされるな。
おぼろげながらも理解しておるよ。
焦る理由があるのであろう。▼
そなたこそ、ただの人ではないようだ。
並外れた気配を感じるが…
いったい何者なのだ?▼
- [セテス]
- 私も貴方と同じく
竜に化身する力を失った
人ならざる者…。▼
永き時を生きてきましたが
現在はセイロス教の大司教補佐として
人に道を示す立場にあります。▼
- (暗転)
- [ガトー]
- なるほどな。
それがフォドラという地の成り立ちか。▼
そなたも長き時間をかけて
人に寄り添い、導いてきたのだな?▼
- [セテス]
- 時代に応じて変化し進化していく…。
人は本当に興味深い存在。▼
彼らを間近で見守り続けていますが
まだまだ底が知れません。▼
- [ガトー]
- ふむ。私たちは
人に知識を授ける立場ではあるものの
彼らから学ぶことも多い。▼
- [セテス]
- 学ぶといえば…
ガトー殿に紹介したい英雄がおります。▼
人の身でありながら
私たちと同様に
永き時を生き抜いた者。▼
そして、人々に教えを授け続け
【大賢者】と称えられております。▼
- [ガトー]
- 人理の枠を超え
教えを授け続ける【大賢者】か。
ぜひ一度、会ってみたいものだ。▼
- [ガトー]
- 【大賢者】アトスは城住まいではなく
この森の奥で庵を結んでおるのか。▼
- [セテス]
- アスク王国でも
新しく見出した謎に向き合い
真理を解き明かそうとしているのでしょう。▼
そして、こんな森にいれば
英雄たちの質問攻めにあうことも
少ないでしょう。▼
- [ガトー]
- そうかもしれんな。▼
- (暗転)
- [アトス]
- 竜の姿を捨て、人に寄り添い
アカネイア大陸の伝説となった
偉大なる叡智、ガトー。▼
まさかお目通りが叶うとは…
長生きはするものだ。▼
- [ガトー]
- こちらこそエレブ大陸に
その名を響かせた【大賢者】と
言葉を交わせるとは。▼
- [セテス]
- アトス殿はこの世の
あらゆる謎を解き明かし
人間を超えた存在となられた御仁。▼
永き時を生き
積み重ねられたその知識は
まさに形なき至宝です。▼
- [アトス]
- ふむ、宝…か。
だからこそどう活かすか
どう使うかに熟慮が必要だ。▼
わしにとっての知識とは
世の理を解き明かすためのもの。▼
しかし、日々を生きる民にとっては
生活を豊かにする一助となり
温かな食卓をもたらしてくれる。▼
どちらのほうがより宝を活かせるか。
答えは明白だ。▼
- [セテス]
- それがアトス殿が人々に
教えを授ける理由ですか?▼
- [アトス]
- 知識を独占するなどもってのほか。
広め、必要とされる場で活かしてこそ
知識は輝くものだ。▼
- [ガトー]
- 人に知識を与えて導き
共存していく…。▼
私がアカネイア大陸で
目指すべき未来も
そうあるべきかもしれぬ。▼
- [アトス]
- 叶うものであれば
これからも多くの者たちに
知識を授け続けたいが…。▼
- [ガトー]
- 命あるもの、いつかは終わりを迎える。
その理から何人たりとも
逃れることはできぬ、か。▼
- [アトス]
- ほどなくして知識を追い求めた
わしの旅は終わるであろう。▼
だからこそ、ひとつでも多くの
知識を若き世代に伝えたい。▼
わしがアスク王国に召喚された意味は
そこにあると考えておるよ。▼
- [ガトー]
- ふむ…。
まさに【大賢者】の名に
ふさわしい生き様。▼
私は忘れぬぞ。
異界で出会った
類稀なる英明の光を。▼
- [エルレーン]
- おおっ、いらっしゃったぞ。
間違いない、たしかにガトー様だ!▼
- [マリク]
- ガトー様、アスク王国では
はじめまして…ですね。▼
ぼくはマリク。
こちらはエルレーンと申します。▼
恐れ入りますが、少しお時間を
いただけないでしょうか…?▼
- [ガトー]
- それは構わぬが…
そなたらも魔道を修めているようだな?▼
- [マリク]
- はい、その通りです。▼
未熟ではありますが
エルレーンとともに日々
魔道の研鑽を積んでおります。▼
- [ガトー]
- そうか。切磋琢磨できる友は
自分を育てるために有意義な存在。
今後も大切にするとよいぞ。▼
- [エルレーン]
- マリクとは…
道を違えたこともありましたが
今は同じ道を進んでおります。▼
- [マリク]
- 人がよりよき方向に進めるように
魔道の力を活かしたい…。▼
そのために、ぼくたちは
ガトー様の教えを学んでいるのです。▼
- [ガトー]
- なに? 私の教えを…。▼
- [エルレーン]
- 我々が学んでいるのは魔道都市カダインの
ガトー様が築かれたカダイン学院。▼
多くの魔道士が
そこで学び、己を高め
知識と向き合っています。▼
- [ガトー]
- そうか。
私はいずれ魔道の学院を築き
そこで人に教えを授けるのだな?▼
- [エルレーン]
- ガトー様の教えは
人々に救いを与えております。
そのお礼を申し上げたく。▼
- [マリク]
- ぼくたちより、ずっと前の時代から
ガトー様の教えは人々を
導いてくださっているのです!▼
- [ガトー]
- 人と竜は能力も違えば
生きる時間もあまりにも違う。▼
それでも、知識は時を超え
どこまでも生き続けていく。▼
私が得た知識が
今、私の前にいる若者に
受け継がれているように、な。▼
- [マリク]
- ぼくたちが得た知識は
また次の世代に受け継がれ
いつまでも輝きを放つでしょう。▼
- [ガトー]
- 竜に比べると
人の一生は短いかもしれぬ。
だが、培われていく知識は永遠。▼
人が知識を正しく積み上げ
夜を照らせる光となるよう
私も尽力していこう。▼
人に寄り添い、知識を授け続けた
異界の賢人たちにならってな。▼
最後の神竜王 ナーガ†
- [ナーガ]
- アスク王国の特務機関…
ヴァイス・ブレイヴの隊長
アンナ、と言いましたね。▼
不思議…ですね。
はじめて会ったはずなのに
ずっと前からあなたを知っていたみたい…▼
- [アンナ]
- 私の一族は、さまざまな異界に
存在すると聞きました。▼
ナーガ様もアカネイア大陸にいる
一族に出会われているのかも?▼
- [ナーガ]
- そうかも…しれませんね。
過去に出会ったのか
未来に出会うのかはわかりませんが…▼
そう、話は変わりますが
あなたに聞きたいことがあります。▼
- [アンナ]
- ほかならぬ神竜王の
頼みでしたらなんなりと。▼
- [ナーガ]
- かつて私は、アカネイア大陸に
一振りの剣を残しました。▼
私の牙を削って作ったその剣は
名をファルシオンといいます。▼
- [アンナ]
- ファルシオン…
強大な竜をも制す伝説の神剣。▼
武器を扱う商人の間で
その名を知らぬ者はいません。▼
- [ナーガ]
- ヴァイス・ブレイヴには
ファルシオンを携えた
英雄がいると聞きました。▼
私は知りたいのです。
自分の死後、ファルシオンが
どのような運命を辿ったのかを…。▼
- [アンナ]
- なるほど…
では会いに行きましょう。▼
ヴァイス・ブレイヴにいる
ファルシオンを継いだ英雄たちに!▼
- [マルス]
- はじめまして、ナーガ様。
アリティアの王子、マルスと申します。▼
人を救っていただいた
伝説の神竜王に
お会いできてとても光栄です。▼
- [ナーガ]
- はじめまして、マルス。
ああ…あなたが携えているのは
紛れもなくファルシオン…▼
- [アンナ]
- マルス王子…
あなたの持つファルシオンについて
話を聞かせてもらえるかしら?▼
- [マルス]
- はい、ナーガ様がお隠れになったあと
ファルシオンはラーマン神殿で
大切に保管されていたそうです。▼
ですが、やがて時が流れ
ラーマン神殿は荒らされてしまった。▼
やがて、人が竜族を
迫害しはじめたことで…▼
竜と人の間に
戦いが起きてしまった…
ぼくはそう聞いています。▼
- [ナーガ]
- …………▼
- [マルス]
- 圧倒的な力を持つ竜族の前に
人はなすすべなく敗れていきました…▼
そんな中、人を哀れんだガトー様は
アンリという若者に
ファルシオンを託したのです。▼
ファルシオンの力を借りて
再び地竜を封印したアンリこそ、
ぼくたちアリティア王国の祖です。▼
- [ナーガ]
- 竜と人が戦った…
私が後を託したメディウスは…▼
- [マルス]
- ……▼
- [ナーガ]
- 私が人と竜の共存を願ったばかりに
彼につらい思いをさせたようですね…
そしてマルス…あなたにも…▼
- [アンナ]
- ナーガ様、マルス王子の話は
あくまでも可能性のひとつ。▼
ナーガ様がいらした世界が
マルス王子のお話しした歴史と
同じ未来をたどるとは限りません。▼
- [マルス]
- ぼくのいた世界では
人間と竜族は争い、
互いに血を流しました…▼
でも、ぼくは人間と竜族はわかり合い
共存できると考えています。▼
- [ナーガ]
- ええ、その考えは私も変わりません。▼
- [マルス]
- ぼくはファルシオンを預かる身として
ナーガ様が望んだ争いのない世界を
作っていきたいと思います。▼
建国の祖、アンリから代々
受け継がれたこの剣に誓って。▼
- [ナーガ]
- マルス王子…。
その誓いが実を結ぶよう
私も祈りましょう。▼
- [アンナ]
- …という話が
ここに来る前にあったわけ。▼
- [クロム]
- なるほど…。
それで俺に
そのあとの話を聞きにきたと。▼
俺でよければお話ししよう。
我がイーリス聖王国と
ファルシオンにまつわる伝承を。▼
- [ナーガ]
- ええ、お願いできますか。▼
- [クロム]
- 俺は姉さんほど歴史に詳しくないので
詳細は覚えていないが…。▼
伝承によれば
英雄王の時代から約千年後…▼
ギムレーと呼ばれる邪竜が
人々を絶望に陥れた…▼
だが、英雄王の血を引く者が
ファルシオンを振るい、
苦難の末、ギムレーを討った。▼
ギムレーを倒した英雄こそ
イーリス聖王国の初代聖王…
つまり、俺の先祖というわけだ。▼
- [ナーガ]
- クロム、あなたのファルシオンを
近くで見せてもらってもよいですか?▼
- [クロム]
- ああ、もちろん。▼
- [アンナ]
- ふーん…。よく見ると
握り手や鍔はマルス王子が持つ
ファルシオンとは違うのね。▼
- [ナーガ]
- ですが、刀身は…
たしかに私の牙です。▼
- [クロム]
- 神竜王の牙から作られた刀身は
数千年たっても刃こぼれひとつしなかった。▼
しかし、刀身以外は時とともに傷み
その都度、補修されていったらしい。▼
俺もこの剣に込められた
神竜王の意志を継ぎ
平和のために戦いたいと…▼
- [ウード]
- 失礼!!
話は聞かせてもらいましたよ!▼
- [アンナ]
- だ、誰かと思えばウードじゃない。
なにか急用でも?▼
- [ウード]
- かつて世界に希望を残した
光輝なる神竜王、ナーガよ!
絶望の昏き闇より生まれし宿命の戦士…
このウードが言上奉りたい!▼
- [ナーガ]
- 絶望…闇…宿命…?
こちらの方はいったい…▼
- [クロム]
- あー…、俺の甥にあたるウードだ。
彼もまたイーリス聖王国
王家の血を引く者なんだが…▼
よくわからんがあなたに
言いたいことがあるらしい。▼
- [ウード]
- 説明が雑! まあともかくですね…
俺の話を聞いてください!▼
ファルシオンは長い歴史の中で
刀身以外を幾度となく取り換え
姿を変えてきました。▼
そこでですね、大変恐れ多いことながら
思い切って、剣の名も時代に合わせて
変えてみる…というのはいかがでしょうか?▼
- [ナーガ]
- 名を…変える?▼
- [ウード]
- その威容にふさわしい荘厳なる名…
たとえば【牙竜剣ナーガブレード】とか!▼
- [ナーガ]
- ……。▼
- [アンナ]
- ちょっと! ナーガ様が困ってるじゃない!
どうすんのよ、この空気!?▼
- [ウード]
- や、やっぱりだめですか…
【牙竜剣ナーガブレード】…
かなり尖っててイケてるのに…▼
- [ナーガ]
- アンナ…感謝します。▼
おかげで私が遺したファルシオンが
未来へ受け継がれていったことが
わかりました。▼
- [アンナ]
- それはよかった!
案内した甲斐がありました。▼
- [ナーガ]
- ですが、悲しくもあります…▼
ファルシオンが必要とされる…
それは、人と竜の戦いが
続いているということ…▼
- [アンナ]
- たしかに…そうですね。
武器なんて、使われないのが
一番良いに決まってますから。▼
- [ナーガ]
- ファルシオンが無用となる、
人と竜が共存できる平和な時代は、
いつかくるでしょうか…▼
- [アンナ]
- それは…▼
- [チキ(覚醒)]
- …来るわ、絶対に。▼
- [ナーガ]
- あなたは…!?
その瞳と髪の色…もしかして…。▼
- [チキ(覚醒)]
- 私はその日が来るまで
人間を見守っていくつもりよ。▼
- [ナーガ]
- …チキ…。
ああ、チキなのね…。▼
- [チキ(覚醒)]
- 私を愛してくれた人たちや
あなたが私に託した想いに応えるために…。▼
命が続く限り、私は人に寄り添い
ともに歩んでいくわ。▼
- [ナーガ]
- ありがとう…
あなたには私たちが遺した希望が
しっかりと生きているのですね。▼
このアスク王国の地で
未来の可能性を知れたこと…
私はそれがなにより、うれしいのです。▼
神竜族、最後の子 チキ†
- [チキ]
- うふふっ…ここは
おともだちがいっぱいいて
たのしいなー!▼
きょうはなにしてあそぼっかな。
あっ! だけど…
きをつけなくっちゃ。▼
きのうはおしろのかべを
こわしちゃったからね。
しっぱいしっぱい!▼
- [ミルラ]
- チキ、ここにいたんですね。▼
- [ンン]
- 探しましたよ。
ちょっと目を離すと
すぐにいなくなってしまうんですから。▼
- [チキ]
- わあっ、ミルラとンンだーっ!
きょうはなにしてあそぶ?▼
- [ミルラ]
- いきなり遊びのお話ですか?
そうではなくて…▼
今日は城下町に行こうと思って
お誘いに来たんです。▼
- [ンン]
- チキは人の世界を知る必要があるのです。
なので、社会勉強をするですよ。▼
- [チキ]
- じょうかまち?
しゃかいべんきょう?▼
- [ミルラ]
- はい。
チキ、お勉強は嫌ですか?
少し町を見て回るだけですから…。▼
- [チキ]
- わーいっ! じょうかまちで
しゃかいべんきょーっ!
よくわかんないけど、たのしそう!▼
- [ミルラ]
- 意外と喜んでますね…▼
- [ンン]
- お気に召したのなら、なによりなのです。
さっそく出発するですよ!▼
- [チキ]
- やったー!
おでかけ、おでかけーっ!▼
- [チキ]
- わあーっ、すごいすごい!
ひとがいっぱいいるよ!?▼
- [ミルラ]
- ふふっ…。チキは
町ははじめてなんですね?▼
- [チキ]
- ねえねえ、あれなに!?
おいしそうな、においがしてる!▼
- [ンン]
- 露店にはおいしい食べ物が
たくさん並んでいるのです。▼
- [チキ]
- あれ、ぜんぶたべてもいいの?▼
- [ミルラ]
- か、勝手に食べちゃダメですよ。
お金というものを払わないと…。▼
- [チキ]
- おかね?
そんなのもってないよ?
たべちゃダメなの?▼
えっ!?
おばあちゃん、これくれるの?
あまいにおいがするおかしだ!▼
- [ンン]
- よかったですね、チキ。▼
アスク王国のために頑張っている
ヴァイス・ブレイヴに
お礼がしたいそうです。▼
これはお金を払わずに
受け取ってもいいのですよ。▼
- [チキ]
- わーい、ありがとーっ!
はむっ、もぐっ!
あまくてふかふかでおいしー!▼
- [ンン]
- よかったのです。
それでチキ、町に来た感想は…。▼
- [チキ]
- なになに?
このくだものもたべてもいいの?
やったあっ!▼
もぐっ…うん!
ぷるぷるでおいしー!▼
- [ンン]
- 食べることに夢中で
話を聞いていないのです。▼
- [ミルラ]
- なんだかいろんな人から
食べ物をもらってますね…。▼
- [ンン]
- ふふ、あんなに喜んでくれるなら
きっとおすそ分けのひとつも
してみたくなるのですよ。▼
- (白く光る)
- [チキ]
- えっ? なに?
いま、さけびごえが
きこえたような…。▼
ひったくりってなんだろ?
たべもののなまえかな?▼
- [ミルラ]
- 大変です…!
ひったくりは人の物を
勝手に取る悪い人です!▼
- [チキ]
- ひとのものをかってにとったら
とられたひとは…
とってもかなしいよね?▼
- [ンン]
- そのとおりなのです。
悲しまない人はいないのです。▼
- [チキ]
- なんでそんなわるいことをするの?
それににげちゃったら
あやまることもできないのに!▼
わるいひと…
はやくつかまえなくっちゃ!▼
- [ミルラ]
- あっ! 待って、チキ!
追いかけていっちゃいました!▼
- [ンン]
- 私たちも
あとを追いかけるですよ!▼
- (暗転)
- [チキ]
- まてーっ! ダメだよー!
ひとのものをかってにとるのは
いけないんだよ!▼
- [ンン]
- チキこそ待つのですよ!▼
- [ミルラ]
- 人が多くて
ひったくりを見失いそう…!▼
- [チキ]
- ひったくりのひと、
あしがはやくて
ぜんぜんおいつけないよーっ!▼
- [ンン]
- あのひったくり、わざと
人混みに紛れようとしてる…。
きっと常習犯なのですよ!▼
- [チキ]
- いつもひったくりを
やってるってこと?▼
そんなのダメ!
ぜったいにつかまえなくっちゃ!▼
- [ミルラ]
- でも、私たちの足では
追いつくのは難しいかも…。▼
- [チキ]
- チキたちのあし…?
そっか! もっとおおきければ
ひったくりにおいつけそう!▼
だったら、りゅうに
へんしんしちゃえばいいんだ!▼
- (白く光る)
- [ミルラ]
- ええっ!?
チキ、こんな町の中で
竜になっちゃダメです…!▼
- [チキ]
- ううー! がおー!▼
- [ンン]
- チキー、ダメなのですー!
人間の姿に戻るのですよー!▼
- [ミルラ]
- 町の中ではむやみに
変身しちゃいけません…!▼
- [チキ]
- あっ、そうだった!
きのうもおしろのかべをこわして
おこられちゃったんだ!▼
- (暗転)
- [ンン]
- 危なかったです…
なんとかチキを
元の姿に戻せたのです。▼
- [ミルラ]
- チキが大暴れする前に
なんとかなってよかった…。
チキ、落ち着きましたか?▼
- [チキ]
- う、うん…だいじょうぶ…。▼
あのね…りゅうになれば
ひったくりをすぐに
つかまえられるとおもったの。▼
- [ンン]
- チキ、気持ちはわかるのですが
人がたくさんいる場所で
竜になるのは危ないことなのです。▼
竜に驚いて怪我をしてしまう人も
いるかもしれないのですよ?▼
- [チキ]
- ごめんなさい…。
チキ、めいわくかけちゃった…。▼
- [ミルラ]
- チキ…
そう落ち込むことはありませんよ。
あれを見てください。▼
- [チキ]
- わ、わわっ!? まちのひとが…
チキをほめてくれてるの?▼
あーっ! ひったくりのひと
つかまってるー! なんで?▼
- [ンン]
- チキの変身に驚いて
転んでしまったようですね。
そこを町の人たちが捕まえたのです。▼
- [チキ]
- そ、そうだったんだ…。
でもよかった!
わるいひとがつかまって!▼
- [ンン]
- 後先考えずに変身するのは
好ましくありませんが…
今回はいい結果になったのです。▼
- [ミルラ]
- チキのお手柄ですね。▼
- [チキ]
- えへへ…うれしいな!
みんながうれしいと
チキもうれしくなっちゃう!▼
- [ミルラ]
- それでどうでしょう。
人がたくさん暮らす世界には
馴染めそう…ですか?▼
- [チキ]
- にんげんはいいひとも
わるいひともいるんだね?▼
- [ンン]
- 残念ながら、すべての人が
善良というわけではないのです。▼
- [チキ]
- だけど、チキにおかしとか
くだものをくれたひとたちは
とってもニコニコしてたんだよ!▼
チキはみんなのえがおがすき!
だから、もーっとみんながわらえるよう
がんばろうっておもっちゃった!▼
- [ンン]
- 笑顔のために頑張る、ですか。
それはとっても素敵な理由なのです。▼
- [ミルラ]
- チキが頑張るというのなら
私たちも応援します。▼
- [チキ]
- このせかいでもっといーっぱい
ともだちがふえるといいな!▼
そしてみんなで
いーっぱいわらうの!▼
地竜族の生き残り メディウス†
- [メディウス]
- アスク王国に来てしばらく経つが
なんとも奇妙な世界だ。▼
人も竜もそれ以外の種族も力を合わせ
平和のために戦っているとは…。▼
神竜王ナーガが目指す世界は
このような場所なのかもしれんな。▼
しかし、人の身になったとはいえ
人であふれる騒々しい場所には
いまだに慣れぬものだ…▼
む!?▼
この威圧感…
森の奥から感じる気配…
これは竜のものか?▼
それも、
神竜族に比肩する強大な力。
いったい何者だ?▼
- (暗転)
- [メディウス]
- 気配を感じたのは
この辺りのはずだが…▼
むう! これは…▼
- [ハイドラ]
- …何者だ?
貴様…人では…ないな?▼
その身体に宿す…強大な力…
貴様も竜か…?▼
- [メディウス]
- 私は地竜族のメディウス。
まさか、このような場所で
同族に会えるとは思わなかったぞ。▼
- [ハイドラ]
- メディウスと言ったか…
命が惜しければ
この場から消え失せろ…。▼
- [メディウス]
- むうっ…
この竜は…もしや…▼
- [メディウス]
- …正気を…理性を失っているのか?▼
- [ハイドラ]
- …聞こえなかったのか?
今の我は機嫌が悪い。
早く…立ち去れ…。▼
それともこの場で…
八つ裂きにされたいか?▼
- [メディウス]
- 異界の竜よ。
なぜそのように荒ぶっておるのだ?▼
- [ハイドラ]
- 今、我に渦巻くは…人への怒り。
全てを破壊し尽くさんとする衝動よ!▼
忌々しい召喚師の枷…
その枷さえ外せれば…
我はアスク王国の人どもを…。▼
いや、アスク王国に繋がる
全ての異界の人どもをことごとく
根絶やしにしてやるものを!▼
- [メディウス]
- …なぜ、そこまで人を憎む?▼
- [ハイドラ]
- 我が名は神祖竜ハイドラ…
知恵を司る竜…▼
かつては人に寄り添い、人を導き
我が築いた透魔王国で
ともに繁栄のときを過ごしていた…。▼
だが、長き時間を経て我から少しずつ
知恵と理性が失われていった…。▼
その隙間を埋めるように
広がったのは…獣の…衝動…▼
- [メディウス]
- …年月を経た竜が理性を失う…
…同じだ…私たちと…▼
- [ハイドラ]
- それでも我は獣の衝動に抗い、
人を愛し続けた!
人と共に…歩もうとしたのだ!▼
だが、人どもは違った!
我を恐れ、刃を向けた!
それまでの恩をすべて忘れてな!▼
- [メディウス]
- …………▼
- [ハイドラ]
- 人はいくら情をかけても…
平気で裏切る愚かで狡猾な種族…▼
滅ぼすより…ほかはない!
かように…愚かな…存在は…
滅ぼす! 殺しつくしてやるっ!▼
- [メディウス]
- なんという苛烈な怒り。
それほどまでに人が憎いのか…▼
- [ハイドラ]
- 人は…愚かだ!
根絶やしに…するしかない!▼
メディウスとやら…
貴様はそうは思わぬのか!▼
- [メディウス]
- …………▼
- [ハイドラ]
- 貴様も…竜族ならば…
わかるであろう。▼
人の狡猾さ…身勝手さ…
そして欲深さを!▼
人に…世界は過ぎたるもの。
滅ぼすより…ほかはない!▼
- [メディウス]
- …いいや、私はそうは思わぬ。▼
- [ハイドラ]
- なにっ!?▼
- [メディウス]
- 私たちの世界の竜族を束ねる
神竜王ナーガは、
人間との共存を望んだ。▼
- [ハイドラ]
- 共存…だと?
バカな! 寝言を…!▼
- [メディウス]
- たしかに人は竜族に比べれば力も劣り、
愚かな者もいる。▼
共存は困難な道のりだが
ナーガはそれでもなお
人と共に歩む道を選んだのだ。▼
- [ハイドラ]
- 無駄な…ことを!▼
- [メディウス]
- 私はナーガの理想に応える覚悟を決めた。
竜と人が共存できる世界の礎となるため、
この身を捧げると…▼
- [ハイドラ]
- 寝言を…言うな!
許せぬ、許せぬ許せぬ…!
竜でありながら…人の肩を持つか!▼
- [メディウス]
- !
まさか召喚師の枷を破り
害をなそうというのか!▼
- [リリス]
- メディウス様、こちらへ!▼
- [メディウス]
- 貴様は?
いや、話はあとにしよう。
まずはこの場を離れるべきだな。▼
- [リリス]
- はぁ、はぁ…。
ここまで逃げれば大丈夫でしょう。
お怪我はありませんか?▼
- [メディウス]
- 貴様は何者だ?
その身にまとう力からすると
私と同じ竜族のようだが…。▼
- [リリス]
- リリスと申します。▼
私もメディウス様と同じように
人と竜が共存できる世界を作りたい。
そう、思っているのです。▼
決して夢物語ではありません。
アスク王国に来てみて
その理想は実現できると感じています。▼
- [メディウス]
- ふむ。よい目をしているな。
その決意が揺るぎなきものであると
私にも伝わってくる。▼
たしかにハイドラが言うとおり
人は欲深く、愚かな一面もある。
竜族に比べれば、一人一人の力も弱い。▼
だが、弱いからこそ
身を寄せ合い、力を合わせ
団結することを知っている。▼
ナーガはそこに
人の可能性を見出したのであろう。▼
- [リリス]
- 寄り添い、互いを思いやること。
それは人が持つ一番の輝き…。▼
- [メディウス]
- 人はこれからも数を増やし
文明を発展させていくことだろう。▼
だが、人が欲に溺れることなく
他者を尊重し、手を携えることを
忘れなければ…。▼
竜と人は互いを対等に
認め合える日がいずれやってこよう。▼
その日が来るまで…
私はナーガとの約束を
守り続けようと思う。▼
- [リリス]
- はい!
私にもお手伝いできることがあれば
遠慮なくお申し付けください。▼
- [メディウス]
- 幸いなことに竜族の寿命は長い。
生きていればナーガが思い描いた景色を
この目で見ることも夢ではあるまい…。▼
ナーガの理想を叶えるため
私もこの身をもって
困難に立ち向かおうぞ。▼
コメント
Last-modified: 2025-04-16 (水) 20:55:19