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章別会話
無明の闇にさす光†
無明の闇にさす光†
オープニング†
- [???]
- …んっ…んんっ…▼
みんな…どこにいるの?
ここはくらくて…こわいよ…▼
だ、だめ! 火竜も氷竜も…!
そっちにはみんなが
すんでる町が…!▼
あ、ああっ! ど、どうして
チキのからだ…
いうことを…きかないの…!▼
くぅっ、ううっ! ダメ!
このまま、けものになったら…
わたしも…みんなを…!▼
そんなのイヤ、やめて…
助けて、おじいちゃま…
おにいちゃん…!▼
(暗転)
- [チキ]
- チキ…けものになんて…
なりたくないよ…!▼
はぁ、はぁ、はぁっ……
…もう…朝……
さ、さっきのは…ゆめ…?▼
しばらく…みなくなったと
思ってたのに…▼
アスク王国にきてから…
こわいゆめ…
なんども…みちゃった…▼
やだよ…ゆめが本当になったら…
わたし、わたし……▼
(暗転)
- [ハーディン]
- なるほど。召喚師殿は任務で出払って
しばらく城を開ける、と。▼
- [アルフォンス]
- 数日後には戻ると思いますが
エクラに
急ぎの用でも?▼
- [ハーディン]
- 急ぎと言えばそうかもしれぬな。
私と時を同じくしてこの地に呼ばれた
ニーナ姫とエリス王女。▼
彼女たちのことで
召喚師殿に相談があるのだ。▼
- [アルフォンス]
- 二人について
なにか懸念がおありでも?▼
- [ハーディン]
- アルフォンス王子なら
理解されていると思うが…▼
ニーナ姫はアカネイア王家唯一の生き残り。
エリス王女は勇者アンリの血を引く
アリティア王家の第一王女。▼
彼女たちは国の象徴ではあるが
過酷な戦いに臨める英雄ではない。▼
- [アルフォンス]
- もしや、エクラに
相談したい内容というのは…▼
- [ハーディン]
- ニーナ姫とエリス王女。
彼女たちを元の世界に
戻してはもらえないだろうか。▼
- [チキ]
- ニーナさまもエリスさまも
はやくはやく!
あの丘をこえたら村が見えるって!▼
- [エリス]
- チキ、前を見て歩かないと
危ないですよ?▼
- [ピアニー]
- ふふっ。そんなに急がなくても
村は逃げないよ?▼
- [チキ]
- だって待ちきれないんだもん。
アスク王国のみんな、とっても優しいから
はやく村の人たちともお話したいの!▼
チキ、竜にへんしんして
おそらを飛んで行こうかな!▼
- [ニーナ]
- チキ、私たちのお役目は
村に遊びにいくことではなく
お薬を届けることなのです。▼
まずはそのお役目を
しっかりと果たしましょう。▼
- [チキ]
- はーい!▼
(暗転)
- [エリス]
- ニーナ姫、運んできた薬は
すべて渡し終えたようです。▼
- [ニーナ]
- ありがとうございます、エリス王女。
見ましたか? 皆の喜ぶ顔…
一日かけて歩いた甲斐がありましたね。▼
- [エリス]
- はい。私にはマルスやマリクのように
戦う力はありませんが…▼
アスク王国の人々を支えるために
労を惜しまぬつもりです。▼
- [ニーナ]
- 私も同じです、エリス王女。
この世界で、私の肩書きなど
なんの意味も持ちません。▼
一人の人間として
自分になにができるのか…
そのことを考えていければと。▼
- [エリス]
- この世界に住む人々は夢でも幻でもなく
自分たちと同じく平和な明日を望んでいる。▼
ここがアリティアであろうと
アスク王国であろうと、
その想いは守っていきたいと思います。▼
- [ニーナ]
- 平和とは、失われたときに
その価値が痛いほどにわかります。▼
アスク王国の人々には…
アカネイアの民と同じ苦しみを
味わってほしくありません。▼
(暗転)
- [ピアニー]
- ニーナ姫、エリス王女!
村長さんが宿を用意してくれたって!
お世話になる?▼
- [エリス]
- そうですね…
今から城に引き返しても
夜もふけてしまいますし。▼
- [ニーナ]
- では、お言葉に甘えましょうか。
ピアニーも道案内、ご苦労様でした。▼
妖精に先導されて歩くのは
なかなか新鮮な体験でしたよ。▼
- [ピアニー]
- きゃっ、嬉しい。
私も楽しかったわ、
お姫様に囲まれて旅するなんて!▼
- [エリス]
- お姫様…なるほど。
チキも神竜族の王の娘。
れっきとした姫君でしたね。▼
- [ニーナ]
- そう言えば、先ほどから
チキの姿が見えませんが?▼
- [ピアニー]
- えっと、さっきまで
村の子どもたちと
楽しそうに遊んで…▼
- [エリス]
- ……!?
ニーナ姫、ピアニー!
村の向こうに火の手が!▼
- [ニーナ]
- あの火はまさか…!▼
- [ピアニー]
- 私、見てくるわ!▼
- [エリス]
- 村の皆さんを避難させないと…▼
- [チキ]
- ニーナさま、エリスさま!▼
- [エリス]
- チキ、無事でしたか!▼
- [チキ]
- あのね、さっき村のひとに聞いたの。
武器をもったこわいひとたちが
村のそとにいっぱいいるって!▼
- [ニーナ]
- やはりあの火は
意図的につけられたもの…▼
- [ピアニー]
- たいへん!
村を囲んでるのは悪そうな人たちよ!
狙いはニーナ姫とエリス王女…?▼
- [エリス]
- もしかして、村に来る途中から
あとをつけられていたのでしょうか?▼
- [ピアニー]
- ここは私とチキでなんとかするわ、
ニーナ姫たちは村の人たちと
一緒に隠れてて!▼
- [チキ]
- う、うん。チキが竜になれば
あんなてき、すぐにやっつけ…▼
やっつけ…ちゃう…
ぅぅっ…
う、ううっ…あ、ああっ…。▼
- [エリス]
- チキ、どうしました?
顔色が悪いようですが…▼
- [チキ]
- あかい…
ほのおが…もえてる…
みんな…もえて…▼
火竜があばれてるみたいに…
ぜんぶ…はいに…
けものみたい…に…▼
- [ニーナ]
- チキ、どうしたのですか?
こんなに震えて…▼
- [チキ]
- あ、ああっ…やだよ…チキ
けものになんて…なりたくない…▼
- [ピアニー]
- けもの?
チキ、どういうこと?▼
- [チキ]
- ゆめを…みたの…
こわいゆめ、くらやみで…ひとり…
けものになったわたしが、みんなを…▼
- [エリス]
- 怖い夢…もしかして
そのせいで変身できないのですか?▼
- [チキ]
- たたかわなきゃ…みんな、死んじゃう…
でも…たたかったら…わたし…
けものに…あ、あ、ああっ…▼
- [ピアニー]
- もしかして…
夢の国の影響を受けてるのかも?▼
- [ニーナ]
- 夢の…国?▼
- [ピアニー]
- アスク王国は
夢の国アルフとも
つながりの深い場所なの。▼
そして、夢の国アルフは
悪夢の国スヴァルトアルフと表裏一体…▼
- [エリス]
- では、チキは
その悪い夢の影響を…?▼
- [ニーナ]
- チキ! 怯えることはありません。▼
- [チキ]
- ああ…ニーナさま…。
ぎゅっとされると、あたたかい…▼
- [ニーナ]
- 大丈夫。あなたは
けものになんてなりません。▼
あなたのことを思う人々が
きっとあなたの魂を支えてくれます。▼
- [エリス]
- その通りです。こわがる必要はありません。
もうチキは一人ではないのです。▼
重ねたての温かさを感じてみて。
それがあなたの心を
繋ぎ止めてくれるから。▼
- [チキ]
- エリスさまの手。
マルスおにいちゃんと…いっしょ…。
ぽかぽか…あたたかい…。▼
- [ピアニー]
- チキ、悪い夢に負けちゃダメだよ。
一緒に幸せな夢を見よう?
あなたの大切な人の笑顔を思い出して!▼
- [チキ]
- いっしょに…みんな…
うん、そうだよ…みんなでいっしょに…▼
わたし、もう…
くらい部屋にひとりじゃない…▼
いまのわたしのまわりには
たくさんのともだちがいる…
たいせつな、ひとたちが…▼
いままで、みんなが…
チキをまもってくれた。
くらやみから、連れだしてくれた。▼
だからこんどは
チキがみんなを
守ってみせるよ…!▼
- [チキ]
- うー! たいせつな人たちを
傷つけるわるいひとは
チキがゆるさないんだから!▼
チキが怒ったら
どんな竜もかなわないんだからね!▼
- [ニーナ]
- チキが神竜の姿に!▼
- [エリス]
- 私たちの村の人々を
守ってくれています…▼
- [ピアニー]
- チキ、私もいっしょに。
さ、ニーナ姫とエリス王女は
村の人たちと安全なところに。▼
- [エリス]
- ええ…! ニーナ姫、こちらに!▼
- [ニーナ]
- 待って、エリス王女!
裏門のほうからも盗賊が!▼
- [レギン]
- 危ないの!
みんなに手出しはさせないの!▼
- [ピアニー]
- レギン王女! どうしてここに!?▼
- [ハーディン]
- 無辜の民に仇なす賊ども…
この草原の狼が相手になろう!▼
- [ニーナ]
- ハーディン殿!
来てくれたのですね!▼
- [ハーディン]
- 無事ですかニーナ姫、エリス王女!
賊が村に向かったとの知らせがあり
急ぎ駆けつけた次第。▼
- [レギン]
- 狼騎士団のみんなは
風みたいに速いから
私が先導したの!▼
- [ウルフ]
- ハーディン様に続け!
賊ごときに遅れをとる
我ら狼騎士団ではないぞ!▼
村に入り込んだ賊を蹴散らしつつ
皆の安全を確保するのだ!▼
(暗転)
- [ザガロ]
- ハーディン様、賊は一人残らず
村から叩き出しました。▼
- [ロシェ]
- 村人もすべて無事とのことです!▼
- [ハーディン]
- よし。だが警戒を怠るな。▼
- [ニーナ]
- ハーディン殿、助かりました。
危ないところを救ってくださり…▼
- [ハーディン]
- ニーナ姫、ご無事でなによりです。▼
- [エリス]
- あら? そういえばチキはどこに?▼
- [ピアニー]
- あそこ。ビラクさんに
おんぶされたまま寝ています。▼
- [チキ]
- すーすー…▼
- [エリス]
- ふふっ、寝顔は愛らしい
幼子にしか見えませんね。▼
- [ピアニー]
- チキが悪夢に囚われたまま
竜に変身できなかったら
大変なことになってたかも。▼
ニーナ姫とエリス王女が
チキの心に寄り添ってくれたおかげね、
きっと!▼
- [ハーディン]
- ニーナ姫とエリス王女が?▼
(暗転)
- [ハーディン]
- ……
そうか、なるほどな。
わかった気がする。▼
アスク王国を救うためには
戦う力だけではだめなのだ。▼
- [ニーナ]
- ハーディン殿?▼
- [ハーディン]
- 実は、ニーナ姫とエリス王女を
元の世界に戻してもらえぬか
召喚師殿に直談判するつもりだったのです。▼
戦う力を持たぬ二人は
この世界は過酷と考えたがゆえに。▼
- [エリス]
- ……▼
- [ハーディン]
- ですが、考えを改めました。▼
戦う力だけではなく、人を想う力。
それもまたアスク王国を
救うために必要なのでしょう。▼
- [ピアニー]
- うんうん、私もそう思うわ。
だから、二人はアスク王国に
呼ばれたんじゃないかしら?▼
- [ニーナ]
- 私たちも…アスクの人々の支えに
力になれるのですね?▼
- [エリス]
- 戦う力と人を想う力…
その両輪が揃ってこそ
世界は救われるのかもしれませんね。▼
- [ハーディン]
- ならば、私のやるべきことはひとつ。▼
この世界に留まっている間
あなた方を必ず守り抜きます。
狼騎士団の誇りにかけて。▼
- [ニーナ]
- ハーディン殿…
私たちも微力ながら
この世界のために力添えをいたします。▼
- [チキ]
- むにゃ…。
みんな…いっしょだよ…▼
もう、こわいゆめは…
みない…から…▼
ゆらめく神竜の血 チキ†
- [チキ]
- おじいちゃま!
バヌトゥのおじいちゃま!▼
- [バヌトゥ]
- おお、チキ。よく来た!
元気でなによりじゃ。
どうじゃ、アスク王国は?▼
- [チキ]
- まだ来たばかりだけど、
この国のひとたちはみんな
チキにやさしくしてくれるよ。▼
- [バヌトゥ]
- おお、それはよかったのぅ。▼
- [チキ]
- ……▼
- [バヌトゥ]
- ん? どうしたチキ。
なにか心配事でもあるのかの。▼
- [チキ]
- アンナたいちょうが言ってたの。▼
アスク王国で知ってるひとにあっても
それはチキがいた世界とは
違う世界のひとかもしれないって。▼
- [バヌトゥ]
- ふむ。▼
- [チキ]
- おじいちゃまは
チキと同じ世界から来た
おじいちゃまじゃないの?▼
- [バヌトゥ]
- そうじゃな。
わしはチキと同じ世界から来た
バヌトゥではないかもしれんのう。▼
だが、どの世界のわしだろうと
チキを大切に思うことに
変わりはないのじゃよ。▼
- [チキ]
- それって…
どんな世界のおじいちゃまも
チキにやさしいってこと?▼
- [バヌトゥ]
- ほっほ、そのとおりじゃ。▼
- [チキ]
- よかったぁ! だったらチキ
アスク王国でもがんばれそう!▼
- [バヌトゥ]
- わしと一緒に城下町に行ってみるかの?
アスク王国がどんな国か
自分で見てみるのがよかろう。▼
- [チキ]
- お城の外の町?
うん、いっしょにいく!▼
- [バヌトゥ]
- ここには
チキのような竜人の子もおる、
皆も誘って出掛けるとするかの。▼
- [ノノ]
- ここ! このお店にとっても
美味しいりんごがあるんだよ。▼
- [チキ]
- りんご…!
チキ、りんごだいすき!▼
- [ノノ]
- じゃあ、お友達になった記念に
ノノが買ってあげるね!▼
- [チキ]
- ホント!? やったー!▼
- [バヌトゥ]
- これこれ、チキや。
そんなにはしゃいだら
みんなびっくりしてしまうぞ。▼
- [チキ]
- えへへ。りんご楽しみー!▼
- [ミルラ]
- チキとノノ。すっかり
仲良くなったみたいですね。▼
- [バヌトゥ]
- チキは自分と似た年頃の子と
話したことがなかったからの。
よっぽどうれしいのじゃろう。▼
- [ミルラ]
- その気持ち、わかります…▼
- [バヌトゥ]
- チキは氷竜神殿に封印され
永い間、眠り続けていたのじゃ。▼
チキの力の暴走を恐れた
神竜王ナーガ様のご遺志でな。▼
時折、悪夢でうなされるチキを
わしはずっと見守っていたのじゃ…▼
- [ミルラ]
- …辛い時間を過ごされたのですね。▼
- [バヌトゥ]
- 不憫に思ったわしは
チキを神殿から連れ出した。▼
じゃが、それがチキの運命を大きく変え
戦乱に巻き込むことになろうとは…▼
- [チキ]
- おじいちゃま!
ノノがりんごをかってくれたよ!▼
お店のひともおまけしてくれたから
ミルラもいっしょに食べよ!▼
- [ミルラ]
- おいしそう…
ありがとう、チキ。▼
- [チキ]
- おじいちゃま。
チキ、アスク王国が好き!▼
みんなとってもやさしくて
すてきな国だね!▼
- [バヌトゥ]
- そうじゃな。ここはいい国じゃ。▼
- [チキ]
- でも…
こんなにいい国なのに
どうして敵とたたかってるの?▼
- [バヌトゥ]
- ふむ。チキはアスク王国が
戦いに巻き込まれる理由を
知りたいのじゃな。▼
- [チキ]
- うん。こんなにいい国なのに
どうしてみんな戦ってるの?▼
- [バヌトゥ]
- では、まずこの国の
成り立ちからじゃ。▼
アスク王国はいにしえの時代、
神竜アスクによって
生まれた国じゃと言われておる。▼
- [チキ]
- いにしえ…
いーっぱいいーっぱい
昔ってことだね。▼
- [バヌトゥ]
- そうじゃ。神竜アスクは
この国をいろいろな異界から人が訪れる
開かれた国にしたそうじゃ。▼
- [チキ]
- ひらかれた国?▼
- [ノノ]
- アスク王国にはね。
たくさんの異界とつながってる
異界の扉というのがあるの。▼
その扉をつかっていろいろな異界を
行ったり来たりできるんだって。▼
- [ミルラ]
- だけど、そのせいで
いろんな敵がやってきてしまう。▼
私たちヴァイス・ブレイヴは
さまざまな異界からやってくる敵と
アスク王国を守るために戦ってるんです。▼
- [チキ]
- いろんなひとに来てほしくて
扉をつくったのに
怖いひとたちが来ちゃったの?▼
- [バヌトゥ]
- そうじゃな。異界は無数にあり
アスク王国も終わりのない危機に
さらされ続けているのじゃ。▼
- [チキ]
- うーん、チキはおもうんだけど
その扉はしめられないの?▼
- [ノノ]
- 異界の扉を…?▼
- [チキ]
- 扉をしっかりしめて
怖いひとが来られないようにするの。▼
そうすればアスク王国のひとたちは
もう戦わなくてもいいはずだよ。▼
- [バヌトゥ]
- ……▼
- [バヌトゥ]
- 扉を閉め、世界を閉ざしてしまえば
敵は来なくなるか…
チキの言うとおりじゃ。▼
だが、神竜アスクは
それを望んでいなかったのじゃよ。▼
アスク王国の人々が健やかに
暮らせているのは…▼
異界の人々を受け入れ
交流を深めながら
歴史を重ねてきたからなのじゃ。▼
- [チキ]
- 異界のひとたちと
仲良くしてきたから
いい国になったってこと?▼
- [バヌトゥ]
- チキも氷竜神殿で眠っている間
怖い敵と戦わずに済んだはずじゃ。▼
しかし、外の世界に出た後…
ずっと眠っていればよかったと
後悔しているわけではなかろう?▼
- [チキ]
- うん。チキは神殿から出たから
マルスおにいちゃんやシーダおねえちゃんと
仲良くなれたんだよ。▼
- [バヌトゥ]
- 神殿の外にはたくさんの危険がある。
じゃが、外に出たからこそ
チキは新しい未来を得られたんじゃ。▼
- [チキ]
- そっか。もしチキがこわがって
そとに出なかったら…。▼
こうしてノノたちと
仲良くなることもなかったんだね。▼
- [ミルラ]
- 外の世界を受け入れることは
とても勇気がいることです。▼
でも、その勇気の先には
得られるものもあると思います。▼
神竜アスクはそう信じてアスク王国を
開かれた国にしたのかもしれませんね。▼
- [チキ]
- おじいちゃま!
チキにもこの国のために
できることはあるかな?▼
アスク王国と異界のひとたちが
仲良くなれるお手伝いがしたいの!▼
- [バヌトゥ]
- もちろんじゃ。
その力があるからこそ
チキはここに呼ばれたのじゃよ。▼
- [ノノ]
- 怖い敵が来たら、
ノノたちとみんなで
やっつければいいんだよ!▼
- [ミルラ]
- チキが外の世界に出たことで
私たちは仲間になれました。
その奇跡を大切にしましょう。▼
- [チキ]
- うん! アスク王国のひとたちには
これから先もすてきな出会いを
してほしいな!▼
その出会いを守るために
チキ、がんばるよ!
みんなといっしょにね!▼
ラストプリンセス ニーナ†
- [ニーナ]
- あの、アンナ隊長。
お伺いしたいことがあるのですが…▼
- [アンナ]
- あら? ニーナ姫。
私にわかることなら
なんでも聞いてちょうだい。▼
- [ニーナ]
- グルニアの黒騎士…
カミュをご存じありませんか?▼
神槍グラディウスを携えた
アカネイア大陸の騎士です。▼
- [アンナ]
- カミュ? 彼ならもう
アスク王国に召喚されているわよ。▼
- [ニーナ]
- ……!?▼
- [アンナ]
- でも、今日は城にいないわね。▼
ヴァイス・ブレイヴには
城の外に出て修行を続けてたり
単独行動を好む英雄も少なくないのよ。▼
カミュもその一人といったところかしら。
それに、この世界にいるカミュが
あなたの知る人物であるとは限らないの。▼
ニーナ姫と出会うまえに召喚された
カミュの可能性もあるしね。▼
- [ニーナ]
- そうですか…
アンナ隊長、ありがとうございます。▼
(暗転)
- [ニーナ]
- ……▼
…私が今、生き長らえているのは…
カミュが私を匿い、
オレルアンに逃がしてくれたから…▼
…でもカミュは祖国アカネイアとの戦いで
功を挙げたグルニアの騎士…
私の大切な家族を処刑したグルニアの…▼
…もしここで再会できたとしても、
なにを話したらいいのか…▼
- [ダグ]
- んー? なんかカワイイ
お姫様がいるじゃん!▼
- [ニーナ]
- ……!?▼
- [ダグ]
- あたしのこと、デカいと思った?
んでも、あたしからすれば
みんなが小さいっていうかー。▼
- [ニーナ]
- 私はアカネイアのニーナと言います。
あなたもヴァイス・ブレイヴに
所属されているのですか?▼
- [ダグ]
- ちょっと違うかなー。あたしはダグ。
巨人の国ヨトゥンの王女なんだ。▼
知り合いの様子を見にこっそり
アスク王国に来たんだけど…▼
この国じゃ目立ちすぎて
全然こっそりじゃなかったって話。
なんかウケるよね!▼
- [ニーナ]
- た、確かに人目を引くお姿ですね…
よろしくお願いします、ダグ王女。▼
- [ダグ]
- いいよいいよ。
気軽にダグちゃんって呼んで。
こちらこそヨロシクねー。▼
- [ダグ]
- ところでニーナ姫は
誰かを探してたわけ?▼
- [ニーナ]
- は、はい。探しているといえば
探しているような…▼
アスク王国に来たばかりで
城の中も外もその…不慣れで。▼
- [ダグ]
- あたしもこの城のことは
あんまよくわかんないけど
よかったら手伝おうか?▼
あたしデカいし目もいいから
人探しはチョー得意だよ!▼
- [ニーナ]
- ダグ王女、
ありがたいお言葉ですが…▼
- [ダグ]
- ダグちゃん。▼
- [ニーナ]
- ……。
ダ、ダグちゃんも
お忙しいのでは…?▼
- [ダグ]
- あたしのことは大丈夫!▼
ここで会ったのもなにかの縁だし。▼
- [ニーナ]
- それでは、お言葉に甘えて…
グルニアの黒騎士
カミュという英雄を探していました。▼
- [ダグ]
- 黒騎士っていうくらいだから
黒づくめの鎧を着ているのかな。▼
もしかして漆黒の鎧姿で
いかつい兜をかぶった英雄?▼
- [ニーナ]
- 兜はかぶっていなかったかと…▼
- [ダグ]
- 全身漆黒の鎧を着て
デカい剣を振り回している英雄なら
見覚えあるんだけどなー。▼
ほかになんか特徴ないのー?
びっくりするほどカッコいいとか
脚が長いとか声がいいとか。▼
- [ニーナ]
- よ、容姿は…その…
それなりに整ったというか
いえ、かなり整っているかと…▼
- [ダグ]
- あれー?
顔真っ赤じゃん。
ニーナ姫カワイイ!▼
もしかしてカミュって人は
ニーナ姫の恋人?▼
- [ニーナ]
- そ、そのような関係ではありません!
家族の仇の一人…ではありますが
私の命の恩人でもあるのです。▼
- [ダグ]
- ……▼
- [ニーナ]
- 今、私が生き長らえているのは
カミュの言葉があったから…▼
- [ダグ]
- 仇なのに恩人とか
なんかフクザツみたいだねー。▼
- [ダグ]
- そっか…
アカネイアって国の王族は
もうニーナ姫だけなんだ。▼
- [ニーナ]
- …一度は家族のあとを追い
私も命を絶とうとしました。
そんな私にカミュは言ったのです。▼
『王族としての責任を
投げ出すおつもりか』と…▼
- [ダグ]
- カミュのその言葉で
ニーナ姫は思いとどまったんだ?▼
- [ニーナ]
- その日から何度も何度も考えました。
王族としての責任とはなにか。
私が生きる意味はなんなのかと。▼
- [ダグ]
- 聞いてもいい?
その答えって出たわけ?▼
- [ニーナ]
- いえ、まだはっきりとは。▼
ですが、私の命が続く限り
そのすべてを祖国に捧げ、再建に尽力する。
それが王族の責務ではないかと…▼
- [ダグ]
- セキムねえ…▼
でもさ、そんなものに
縛られて生きるなんて
なーんか窮屈じゃない?▼
- [ニーナ]
- えっ?▼
- [ダグ]
- あたしもさ、流れ的に女王として
国を預かる身分にはなるんだけど。▼
だからって身も心も国に捧げるのは
ちょっと違うかなって思うんだ。▼
- [ニーナ]
- ……。▼
- [ダグ]
- あたし、難しいことは苦手だけど
民が苦しんだり悲しむことだけは
絶対にやりたくないんだ。▼
そのうえで、あたしは
あたしらしさを捨てずに
国を盛り上げていきたい。▼
それが国の未来を託してくれた
姉ちゃんの遺志だと思うんだよねー。▼
- [ニーナ]
- ダグ…ちゃんも戦争で
ご家族を亡くされたのですか?▼
- [ダグ]
- そ。あたしをかばってね。
今、あたしがここにいるのは
姉ちゃんのおかげだよ。▼
ニーナ姫がカミュって人の
言葉のおかげで生き長らえたように…▼
あたしは、姉ちゃんが
命を賭けてかばってくれたおかげで
今も自分の足で歩けてる。▼
- [ニーナ]
- 強いですね、ダグちゃんは。
悲しみに押し潰されることなく
前を向いているように感じます。▼
でも、私は強い人間ではありません。
自分の命、そのすべてを使わなければ
祖国の再建は叶わないと思うのです。▼
- [ダグ]
- ……▼
- [ダグ]
- ニーナ姫、ちょっといい?
かたぐるまー!▼
- [ニーナ]
- きゃあぁぁぁっ!
ダ、ダグちゃん、なにを!?▼
- [ダグ]
- 軽いね、ニーナ姫!
そこからなにが見える?
- [ニーナ]
- え?そ、その…
城の外に広がる町や
まわりを囲む山々が見えます。▼
- [ダグ]
- 誰かの肩を借りれば
ずっと遠くまで見渡せる。▼
それは景色だけじゃなく
未来も同じだと思うよー。▼
- [ニーナ]
- 未来も…遠くまで見渡せる。▼
- [ダグ]
- よっと。いきなりごめんね。▼
でもさ、ニーナ姫も
一人で背負い込むんじゃなく
誰かの力を借りたほうが絶対いいって。▼
自分の命を全部使うとか言わずにさ。
いろんな人から少しずつ
助けてもらおーよ。▼
- [ニーナ]
- ……。▼
ありがとう、ダグちゃん。
でも、こういう励ましははじめてなので
ちょっととまどっています…▼
- [ダグ]
- つーかさ、全部ほっぽり出して
カミュって人と一緒に
逃げちゃうのもいいんじゃない?▼
- [ニーナ]
- えっ!?▼
- [ダグ]
- 王女の生き方はひとつかもしれないけど
一人の人間としての生き方なら
いくらでもあるっしょ。▼
- [ニーナ]
- そ、そのようなことはできません!
あの方だって応じるわけがありません!▼
- [ダグ]
- はは、照れたお姫様もカワイイね!
肩の力も抜けたみたいだし
もう少しだけ楽に生きてみたら?▼
- [ニーナ]
- …ダグちゃん、感謝します。
いろいろと気を遣っていただいて。▼
王族として果たすべき責任。
それが自己満足で終わっては
みなに顔向けできません。▼
民がなにを望んでいるのか
アカネイアがどうあるべきかを見据え
できることを考えてみようと思います。
- [ダグ]
- 困ったら誰かの力を借りて、ね?▼
- [ニーナ]
- …あの方と言葉を交わすのは
自分が歩むべき道を見定めてからでも
遅くはないと思います。▼
- [ダグ]
- じゃ、人探しは一時中止か。
早く見つかるといいね
ニーナ姫が歩む道ってやつ。▼
- [ニーナ]
- はい。私がアスク王国に呼ばれたのは
その道を見つけるためかもしれません。▼
…お父様、お母様…
私の命、アカネイアのために
必ずや活かしてみせます…▼
…そして、強くありたいと思います。
無明の闇でもまっすぐに歩けるように…▼
アリティアの王女 エリス†
- [マルス]
- 姉上!▼
- [マリク]
- エリス様…。▼
- [エリス]
- まあ、マルスにマリク。
出迎えに来てくれたのですか?▼
- [マルス]
- エクラから
話を聞き、驚きました。▼
- [エリス]
- 驚いているのは私もですよ。
このような異界に足を踏み入れるのは
はじめてなので、とまどっています。▼
- [マリク]
- 無理もありません。
この地で異界について学びましたが、
それでも、今も驚きの連続です。▼
- [マルス]
- アカネイア大陸の外に広がる世界と
そこに生きる英雄たち。▼
ぼくは彼らと交流を重ねるうちに
さらに成長できた気がします。▼
- [エリス]
- それはよかった。
…けれどマルス
無理はしていないかしら?▼
あなたは一生懸命になると
まわりが見えなくなりますから。▼
- [マルス]
- 大丈夫ですよ、姉上。
この世界には頼れる仲間たちもいます。▼
- [エリス]
- そう…あなたの隣には
マリクもいてくれますものね。▼
- [マリク]
- はい! お任せください、エリス様。
一命に代えても
マルス様をお支えします!▼
- [エリス]
- ふふっ、そう構えなくても
二人が信頼しあっていることは
ちゃんと知っていますよ。▼
マルスこそ、あまり無茶を言って
マリクを困らせないようにね。▼
- [マルス]
- こ、心得ていますよ、姉上。▼
(暗転)
- [フィヨルム]
- マルス王子とエリス王女は
とても仲がよろしいのですね。
お互いの思いやりが伝わってきます。▼
- [シャロン]
- 以前、冬祭りのときに
別の異界からきょうだい揃って
召喚に応じられましたが…▼
そのときも二人がとても
仲良しだったことを覚えています!▼
でも、伝説の英雄王であっても
お姉さんの前ではすっかり
弟さんの顔になっちゃってますね!▼
- [フィヨルム]
- 本当に。エリス王女の愛情が
そうさせてしまうのでしょうね。▼
- [ラファエル]
- もぐっ、むぐっ!
うん! うめえ!▼
アスク王国のいいところは
飯が美味えってところだなぁ!▼
この肉なんて最高だっ!
いくらだって食べられるぞお!▼
- [エリス]
- 差し出がましいことを
申し上げるようですが…▼
こちらのお野菜も一緒に
召し上がってはいかがでしょう?▼
- [ラファエル]
- 野菜? まあ野菜も
美味えことは美味えけど…▼
オデは肉が食えれば
それで満足なんだよなあ。▼
- [エリス]
- 万全の体調で戦場に立つためには
お野菜も大切ですから。▼
それにお野菜には
お肉料理の味を引き立てる
役目もあるのですよ。▼
- [ラファエル]
- そうなのかあ?
まあ王女様がそこまで言うのなら
一緒に食ってみるよ。▼
はむ、もぐっ…。
むむむむっ!?▼
野菜と一緒に食ったら
肉がますます
美味くなった気がするぞおお!▼
- [エリス]
- こちらの根菜もどうぞ。
それぞれに違った味わいがあり
栄養も詰まっているそうです。▼
- [ラファエル]
- もぐっ、むしゃっ!
うんめえええ!▼
肉と一緒に食う野菜は
こんなに美味かったのか!▼
オデ、今まで損してたぞ。
王女様に感謝にねえとな!▼
(暗転)
- [エリス]
- あの…少しお時間を
よろしいでしょうか?▼
- [ヘルビンディ]
- あん?
なんだてめーは?▼
- [エリス]
- も、申し訳ありません。
外套の後ろ…穴が空いているようですので
私でよければ繕いましょうか?▼
- [ヘルビンディ]
- あ?
んなクソこまけーこと
どうだって…▼
- [エリス]
- いえ、この穴から大切な外套が
破れてしまうかもしれません。
お時間は取らせません。▼
- [ヘルビンディ]
- …てめー、マルス王子の姉貴だろ?
王女様が裁縫なんて出来んのかよ。▼
- [エリス]
- はい、終わりましたよ。▼
- [ヘルビンディ]
- クソはええ!?▼
- [エリス]
- たまたま生地と似た色の
縫い糸を持ち合わせておりました。▼
- [ヘルビンディ]
- お、おう…。
い、一応礼を言っとくぜ。▼
(暗転)
- [ファ]
- すぅ…すぅぅ…。
むにゃ…。▼
- [エリス]
- …いい子ですね。
連日の戦いに疲れたのでしょうね。
ぐっすり休んでください。▼
- [ンン]
- す、すごいです…。
いつも寝付けなくてグズるファが
一瞬で眠ってしまったのです。▼
- [ソフィーヤ]
- エリス王女の子守唄…
とても優しく心に響きました。▼
- [エリス]
- ふふっ、この子守唄は
マルスがまだ小さかった頃に
歌ってあげたこともあるのですよ。▼
- [ンン]
- なるほど。
伝説の英雄王はこの子守唄で
眠りについて…ぐぅ…すぅ…▼
- [ソフィーヤ]
- ンンもつられて眠ってしまったようです。
それだけエリス王女の子守唄で
心が穏やかになったのでしょうね。▼
- [アンナ]
- 気のせいかなあ…
気のせいじゃない気もするなあ。▼
- [アルフォンス]
- どうしました、アンナ隊長。
なにか気になることでも?▼
- [アンナ]
- 気になるというか
悪いことじゃないんだけれど。▼
近頃、ヴァイス・ブレイヴの空気が
柔らかくなった気がするのよねえ。▼
- [アルフォンス]
- 柔らかく…ですか?▼
- [アンナ]
- そう。やる気に満ちていながら
それでいてどこか優しいのよ!
みんなの雰囲気が!▼
- [アルフォンス]
- 言われてみれば、英雄たちの表情も
明るくなった感じがしますね。▼
- [アンナ]
- どうしたのかしら。
お城の食事がとりわけ
豪勢になったわけでもないのに。▼
- [フィヨルム]
- それは…エリス王女が
召喚されたからかもしれませんよ?▼
- [シーダ]
- わたしもエリス様の評判を
いろんな方から耳にしています。▼
- [アンナ]
- フィヨルム王女にシーダ王女じゃない。
エリス王女の話、もうちょっと
詳しく聞かせてくれる?▼
- [シーダ]
- …アスク王国に来る前から、
わたしはエリス様に可愛がっていただき
あの方の優しさと聡明さに憧れていました。▼
あの方はアスク王国でも、
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちと
優しさを持って触れ合っているはずです。▼
- [アルフォンス]
- エリス王女の優しさが
ヴァイス・ブレイヴのみんなに
いい影響を与えているということか。▼
そういえばシャロンも言っていたよ。
『エリス王女はわたしたちの
お姉さんみたいな存在ですね!』って。▼
- [フィヨルム]
- お姉さんみたいな存在…
その気持ち、わかります。▼
私もエリス王女を見ていると
スリーズ姉様を思い出すのです。▼
きょうだいを優しく包んでくれた
温かい笑顔…今もスリーズ姉様の笑顔は
私の支えとなってくれるのです。▼
- [アンナ]
- エリス王女がみんなの
士気向上に繋がるなんて
考えもしなかったわ。▼
- [アルフォンス]
- もしかすると
エクラは
それを見越して…▼
エリス王女をアスク王国に
召喚したのかもしれない。▼
- [エリス]
- アスク王国に来てみたものの
私の振る舞いのせいで
かえって迷惑をかけているのかも…▼
- [マルス]
- どうなさいました、姉上。
浮かない表情ですが心配事でも?▼
- [エリス]
- マルス、それにマリクも。
心配事ではありませんがちょっと…▼
- [マリク]
- なにかお悩みがあるのでしたら
ぼくたちが力になります、エリス様。▼
- [エリス]
- ヴァイス・ブレイヴのみなさんは
それぞれ異界に名前を残す
立派な英雄ばかり。▼
にもかかわらず
私は頼まれもしないのに
つい世話を焼いてしまうのです。▼
- [マリク]
- 世話を焼くこと自体は
なにも問題はないのでは?▼
- [エリス]
- いえ、弟のマルスや
気心の知れたマリクやシーダと
接するのとはわけが違います。▼
もしかして、いらぬお節介で
ご迷惑をおかけしているのではと…▼
- [マリク]
- そんなことはありませんよ!▼
- [マルス]
- マリクの言うとおりです。
姉上はそのままでいいと思います。▼
- [エリス]
- え…?▼
- [マルス]
- ぼくは感じるのです。
いまやヴァイス・ブレイヴのみんなが
姉上を本当の姉のように思い…▼
姉上の励ましを胸に
戦いに臨んでいることを。▼
- [マリク]
- エリス様の優しさは
みなの支えになっているはずです。
迷惑なんて思うはずがありませんよ。▼
- [エリス]
- 二人とも…▼
- [マリク]
- エリス様。
それからもみなに寄り添い
支えてもらえますでしょうか。▼
ぼくやマルス様の背中を
押してくださったときのように。▼
- [エリス]
- ええ。戦う力のない私が
それで役に立てるのなら喜んで。▼
- [マルス]
- 姉上はそうして
笑っておられるのが一番です。▼
- [エリス]
- ふふ、アスク王国に来て
たくさんの弟や妹ができたみたいで
本当はうれしかったのです。▼
この国は素敵な人たちばかり。
みなさんの背中を支えられるように
これからもお世話しますね。▼
草原の狼 ハーディン†
- [ウルフ]
- ハーディン様。
我ら【狼騎士団】
ここに馳せ参じました。▼
- [ハーディン]
- ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。
まさかお前たちと異界の地において
くつわを並べて戦えるとはな。▼
- [ビラク]
- ハーディン様!
なんという運命の巡り合わせか。▼
- [ザガロ]
- またハーディン様と
戦場を駆けることができるとは…▼
- [ロシェ]
- 我ら【狼騎士団】
アスク王国においても
主命を胸に戦い抜く所存です!▼
- [ハーディン]
- 皆の忠義、ありがたく受け取ろう。▼
どのような敵が待ち受けようとも
私は自らの正義を信じ
風とともに駆け抜けるのみ。▼
- [ウルフ]
- はっ、我らの覚悟も
すでに固まっております。
この命、ハーディン様とともに!▼
- [ハーディン]
- アンナ隊長から話は聞いている。▼
お前たちは、私の時代よりも先…
未来のオレルアンより
召喚されたそうだな。▼
- [ザガロ]
- はい。不思議なものですね。
異界の召喚術というものは。▼
- [ハーディン]
- 未来のオレルアンはどうなるのか。
アカネイアの行く末、そして
ドルーア帝国は…▼
聞きたいことはいくらでもあるが
今、私がすべきことは
未来を知ることではない。▼
- [ビラク]
- ハーディン様…▼
- [ハーディン]
- だが、ひとつだけわかったことがある。
お前たち、良い顔になったな。
数々の苦難がそうさせたのだろう。▼
草原の狼と呼ぶにふさわしい精強さを
ひしひしと感じるぞ。▼
- [ロシェ]
- ハーディン様!
もったいなきお言葉…▼
- [ハーディン]
- 戦場でのお前たちの働き
大いに期待させてもらうぞ。▼
- [ウルフ]
- はっ! 命に代えましても!▼
(暗転)
- [ビラク]
- 覇気にあふれた瞳。
自信に満ちた言葉。
そして…▼
- [ロシェ]
- ぼくたちを気遣う
大地のような優しさ。▼
間違いない。ぼくたちが憧れ
背中を追い続けたハーディン様だ…▼
- [ザガロ]
- よかったな、ウルフ。
またハーディン様とともに
戦うことができて。▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ビラク]
- ウルフ、どうかしたのか?▼
- [ウルフ]
- 知ってのとおり、ハーディン様は
ドルーア帝国との戦いのあと
アカネイア国王としての道を歩まれる。▼
それは同時に、ハーディン様が
闇に囚われる未来でもある…▼
- [ロシェ]
- …そうだね。
とても辛い未来だ。▼
- [ザガロ]
- もしや、ウルフが危惧しているのは?▼
- [ウルフ]
- そうだ。もしハーディン様が
ご自身の未来を知ってしまったら…▼
- [ザガロ]
- お心を乱してしまうかもしれない…
そう心配しているのか。▼
- [ロシェ]
- ……▼
- [ウルフ]
- アスク王国にいれば
ハーディン様は遅かれ早かれ
ご自身の運命を知ることになる。▼
- [ロシェ]
- 未来のご自身に会わなくても
ハーディン様のお耳に入るよね。▼
- [ビラク]
- それを承知で、どうして
エクラは
ハーディン様を召喚されたのだ?▼
- [ザガロ]
- その真意を
聞きたいところではあるな。▼
- [ウルフ]
- ……▼
(暗転)
- [シャロン]
- あ、【狼騎士団】の皆さん。
これから訓練ですか?▼
- [ロシェ]
- エクラを
探しているんだ。
ちょっと聞きたいことがあって。▼
- [シャロン]
- エクラさんですか?
秘宝砦に向かっているはずですよ。▼
- [ザガロ]
- つまり城にはいないと?▼
- [シャロン]
- はい。代わりに
私が答えられることでしたら
お教えしますけど?▼
- [ビラク]
- 話はハーディン様のことだ。▼
えくらは
どうして自らの運命を知らぬ
ハーディン様を召喚されたのか。▼
- [ウルフ]
- シャロン王女ならご存じだと思うが
俺たちは召喚されたハーディン様よりも
未来のオレルアンからやってきた。▼
それゆえ、アカネイア国王になった
ハーディン様が闇の力に囚われ…▼
お心変わりをされる未来を
俺たちは知っている。▼
- [シャロン]
- そ、そのようですね。
私もアスク王国の大図書館で
ハーディンさんのことを知りました。▼
- [ロシェ]
- すでにアスク王国には
闇の力に囚われてしまった
ハーディン様も召喚されている。▼
もし二人のハーディン様が
出会うことがあれば…▼
- [ビラク]
- ハーディン様は
ご自身の望まぬ未来を知ってしまう。▼
それを承知でなぜ
エクラは
ハーディン様を召喚されたのだ!▼
- [シャロン]
- そ、そうですよね。
みなさん心配ですよね…▼
あ、でも、聞いたことがあります。
召喚される方々はみんな、
アスク王国を救うために必要な英雄だって。▼
なので、これもきっと
意味のあることだと思いますよ。▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ロシェ]
- エクラには
会えなかったけど…▼
シャロン王女から
興味深い話を聞けたね。▼
- [ビラク]
- 召喚される英雄は皆、
アスク王国を救うために必要…▼
だとすると、未来をご存知ない
ハーディン様が召喚されたのも…▼
- [ザガロ]
- アスク王国を守るための戦いに
必要な存在だということか。▼
- [ロシェ]
- ぼくは正直、昔のハーディン様と
一緒に戦えるのがうれしいよ。▼
ぼくたちが憧れ、ともに歩みたいと願った
あの頃のハーディン様にまた会えるなんて。▼
- [ウルフ]
- だが、どの時代のハーディン様であっても
俺たちが命を捧げる存在に変わりはない。▼
- [ザガロ]
- 聡いハーディン様のことだ。
いずれ自らの行く末を
知ってしまわれるのではないか。▼
- [ビラク]
- いっそ我らから申し上げるべきか。
いや、それこそ無用な進言だな…▼
我らがハーディン様の
お心を乱すべきではない。▼
- [ハーディン]
- 皆、ここにいたのか。▼
- [ウルフ]
- ハーディン様!?
本日の訓練は終わりましたが
なにゆえ馬具を…?▼
- [ハーディン]
- なに、アスク王国の風を
感じてみたいと思ってな。▼
- [ロシェ]
- 風…ですか?▼
- [ハーディン]
- まだこの土地に不慣れでな。
どのような風が吹いているのか
肌で感じておきたいのだ。▼
- [ビラク]
- ハーディン様!▼
- [ザガロ]
- 我らもお供してよろしいでしょうか?▼
- [ハーディン]
- もちろんだ。この地においては
お前たちに一日の長がある。
先導してくれるか?▼
- [ウルフ]
- はっ、お任せを!
ザガロ、ビラク、ロシェ
急ぎ出立の準備だ!▼
- [ハーディン]
- よい風だ…
オレルアンの草原に吹く
風と似ているな。▼
- [ビラク]
- はい、おれもそう思っていました!▼
- [ハーディン]
- 私はまだアスク王国を知り得てはいない。
だが、このような心地よい風が吹く国が
邪悪であろうはずがない。▼
ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。
お前たちが私を案じてくれていることは
この身にひしと感じている。▼
- [ウルフ]
- ハーディン様…▼
- [ハーディン]
- お前たちと見知らぬ大地を駆ける…
まるで一夜の夢のようだな。▼
しかし、この身に感じる風は
現実だと私の魂に訴えている。▼
ゆえに案ずるな。
すべてを受け入れる覚悟は出来ている。▼
私がこの世界でなにを知ろうとも
自らの信じる正義の炎は揺るがない。▼
- [ウルフ]
- ……!▼
- [ハーディン]
- 正義の炎が放つ熱。
それこそが私を動かす力。▼
私はその熱に従い
アスク王国でも正しき道を歩むのみ。▼
- [ウルフ]
- ……。
…ハーディン様はすでに
ご自身の行く末を…▼
- [ビラク]
- …それでもなお、
前に進もうと……▼
- [ザガロ]
- …その魂の強さ…
我々が憧れ、命を捧げたお方…▼
- [ロシェ]
- ぼくたちの目の前にいる
ハーディン様なら…▼
- [ハーディン]
- どうした、皆?▼
- [ウルフ]
- いえ。ハーディン様の魂の強さ…
感服致しました。▼
- [ハーディン]
- 雑音や幻影には惑わされぬ。
風に耳を傾け、私は前に進もう。▼
草原の狼たちよ。
この私に続くがいい。▼
我らの道を阻むすべてのものを
正義の剣で打ち倒して進むのだ。▼
- [ウルフ]
- 仰せのままに!▼
- [ザガロ]
- この命、ハーディン様とともに。▼
- [ビラク]
- 【狼騎士団】の誇りにかけて!▼
- [ロシェ]
- ぼくたちを信じてくれる
民のためにも!▼
- [ハーディン]
- ゆくぞ。この風の先に
世界を照らす光があると信じて。▼
コメント†
Last-modified: 2023-12-30 (土) 19:38:02