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章別会話

決意を力に変えて

決意を力に変えて

オープニング

[ユキムラ]
ここが飛空城ですか…
想像以上に広いところですね。▼
皆さん、
はぐれることのないよう
まとまって行動しましょう。▼
[モズメ]
そ、そうやね。
大空に浮かぶ飛空城は
いわば空の孤島や。▼
せっかく探検に来たのに
迷子にでもなってしもたらえらいことやで!▼
[アクア]
ええ。私たちにとっては未知の空間…
どんな異変が起こるかわからないわ。
どんな怪異が潜んでいるのかも…▼
[ツクヨミ]
かっ、かか、怪異!?
おかしなことを言うでないわ!
怪異などいてたまるか!▼
[ユキムラ]
ですが、飛空城には多くの謎が
残されたままなのだそうですよ?▼
[モズメ]
あたいも飛空城の噂は聞いたわ。
詳しい理由はわからんらしいけど
いろんな作物もよう育つんやて。▼
なんでも英雄に力をくれる
神竜の花まで栽培できるらしいで。
よっぽど豊かでええ土なんやろなあ。▼
[ツクヨミ]
そんな得体の知れぬ場所だったとは…。▼
ええい、ユキムラが
飛空城を探検したいなどと
アンナ隊長に進言したばっかりに…。▼
なにが悲しくて、かように面妖な場所を
うろつかねばならぬのだ!▼
[ユキムラ]
不明な点の多い飛空城は
現時点で活用方法が限られています。▼
ですが、もし移動だけでも自由に
制御できるようになったらどうでしょう?▼
きっとアスク王国はこの先の戦いを
より優位に進められるはず…
そうは思いませんか?▼
[アクア]
飛空城を自由に操れるなんて
そんなことができるのかしら。▼
[モズメ]
なあ、ユキムラさんの持ってる地図…
アンナ隊長から預かった言うてたよね。▼
わからんことだらけの場所やのに
信頼できるものなんやろか…?▼
[ユキムラ]
ここまでの記述に間違いは
見当たりませんでしたよ。
ですが、こちらの扉は例外のようです。▼
[ツクヨミ]
ふむ。ただの扉のようだが
こいつがどうかしたのか?▼
[アクア]
ちょっと見せてもらえるかしら。
なるほど…
この扉、地図に載っていないわね。▼

C

[モズメ]
ほんまや。あたいたちがいる場所に
扉なんてないはずやけどな。▼
[アクア]
おかしなこともあるのね。
地図を作った人間が
見落としてしまったのかしら。▼
それとも、以前はここに
扉などなかったのかしら…▼
[ツクヨミ]
き、気味の悪いことを言うでないわ!▼
[ユキムラ]
どちらにせよ
未知の扉というわけですね。
さて、どうしたものでしょうか…▼
[ツクヨミ]
…おい、なにを悩んでおる。
こんな怪しい扉など
無視するに決まっておろう。▼
[ユキムラ]
絡繰師である私にとって
この浮遊城はとても興味深い存在です。▼
なぜ空を飛ぶことができるのか
なにを動力としているのか
その仕組みをぜひとも知りたい…▼
ですが、
アスク王国の皆様にとっても
不明な点ばかりと聞きました。▼
[モズメ]
特務機関はようわからんものの上に
温泉や音楽堂を作っとるんやなあ。
ごっつい性格しとるで。▼
[ユキムラ]
そして今、私たちの前には
地図に存在しない不思議な扉があります。▼
もしかすると扉の向こうに
解明されない飛空城の秘密が
あるかもしれないのです!▼
[ツクヨミ]
ならん! この先になにがあるのか
わからぬ以上、私は反対だぞ!▼
怪しげなものにやたらと
首を突っ込みたがるでないわ!▼
[モズメ]
ふふっ…、
おっかない化け物や幽霊が
待ち構えとったら怖いもんな?▼
[ツクヨミ]
なっ!? そ、そんなものを
怖がっているわけでは断じてないぞ!▼
余計なものに首を突っ込んで
災いを招くのは
愚か者の所業だと言うのだ!▼
[アクア]
…ちょっと待って。
扉の向こうからなにか気配を感じるわ。▼
[ツクヨミ]
け、気配!? ほれ見たことか。
魔物でも徘徊しておるのかもしれんぞ?▼
[アクア]
大丈夫、敵意は感じないわ。
なにかしら、この不思議な感覚は…▼
[ユキムラ]
実際に目にしなくてはわかりませんね。
やはり、扉を開けて進んでみましょう。▼
[モズメ]
そうやね。
わからんまま帰ってしもたら
探検に来た意味が無いもんな!▼
[アクア]
どうする、ツクヨミ。
あなた一人で待っている?▼
[ツクヨミ]
くっ…! 仕方ない、
私もついていってやるとしよう。
かっ、感謝することだな…!▼

B

[ツクヨミ]
扉をくぐってみたはよいが…
ずいぶんと妙な通路ではないか。▼
べ、別に怖いわけではないぞ!
周囲がよくわからぬのは
危険だと思ったまでだ!▼
[ユキムラ]
外からの光がまったく
届いていないようです。
警戒しつつ進みましょう。▼
[アクア]
やっぱり不思議な気配を感じるわ。
なんなのかしら…▼
[ツクヨミ]
た、確かに何者かが潜むというよりは
空間全体が奇妙というか…
ええい、なんなのだこれは!▼
[モズメ]
ほんまや。あたいにもわかるわ。
前へ進むにつれ、気配が強うなっとる。▼
けったいやなあ…
ユキムラさん、引き返したほうが
ええんと違う?▼
…!? 気を付けてください!
前方に大きな炎が!!▼
[モズメ]
ど、どういうこっちゃ!?
あかん、後ろにも炎や!
火の手に囲まれてしもた!!▼
[ツクヨミ]
気をつけろ!
炎の向こうに大勢の兵士が見える!▼
敵兵か!?
皆、戦いの用意をするのだ!!▼
[アクア]
待って。なにか様子が変よ。▼
[ツクヨミ]
ど、どういうことだ?
兵士が同士討ちをはじめたぞ。
仲間割れをしているのか?▼
[ユキムラ]
ふたつの勢力にわかれて
争っているようですね。
私たちに気づいていないようです。▼
[モズメ]
な、なんや? よう見たら
兵士たちの身体が透けとるやんか!
ここに住むオバケなんやろか?▼
[ツクヨミ]
お、おおお、落ち着け!
ここは冷静にだな…▼
[アクア]
あなた以外は
わりと落ち着いているけど。▼
[ツクヨミ]
み、見ろ!
兵士たちがゆっくりと消えていく…。
幻でも見せられていたのか?▼
[ユキムラ]
幻というわりには
やけに鮮明に見えた気がしますね。▼
[アクア]
もしかすると私たちが見たのは
過去の出来事じゃないかしら。▼
私たちは飛空城の記憶に
触れたのかもしれないわ。▼
[モズメ]
人と同じように
この城が思い出を持っとるって…
そないなことが…。▼
いや、空飛ぶ不思議な城やもんな。
あたいたちの常識では
計らんほうがええな。▼
[ツクヨミ]
記憶…ふ、ふん。そうであったか。
私の術で薙ぎ払おうと思ったのだがな。
消えてしまったのでは仕方ない。▼
さて、このような不気味な場所は
早々に退散するとしようか。
うむ、そうだ。そうしよう。▼
[モズメ]
あれっ? ツクヨミさんの後ろ…
誰か立ってへんか?▼
[ツクヨミ]
ふん、驚かそうと思ってもそうはいかぬぞ。
こんな場所に我ら以外がいるはずは…。▼
[???]
……▼
[ツクヨミ]
ひぃぃぃぃっ!?
だ、誰かいるぅぅう!?▼

A

[ドラジェ]
ちょっと、なんなのよ!
人の顔を見て叫び声を上げるなんて
ずいぶん失礼じゃないの!▼
[ツクヨミ]
な、なにを言うか!
いきなり現れおって。
失礼なのはお前のほうであろう!▼
だいたい、こんなところに一人
なにをしておったのだ!▼
[ドラジェ]
それはおろかな質問ね。▼
神出鬼没、正体不明のトレジャーハンター
天才探検家ドラジェ様がやることと言ったら
お宝探ししかないでしょ!▼
[モズメ]
飛空城を探検しとったんなら
あたいたちと同じやね。▼
[ドラジェ]
アスク王国が誇る空飛ぶお城。
探求心がうずかないほうが
おかしいわよね?▼
[ユキムラ]
その気持ちはよくわかります。▼
[ドラジェ]
それで飛空城のことを
あれこれ調べ回ってたんだけど…▼
どう考えてもアスク王国の技術で
このお城を作るのは難しいのよね。▼
あたしの見立てだと、この城には
異界の技術が使われていると思うの。▼
[ユキムラ]
たしかにアスク王国には
異界からさまざまなものが
集まってくると聞きます。▼
飛空城が異界の技術で
浮かんでいる可能性…▼
それがわかっただけでも
足を運んだ甲斐がありましたね。▼
[ドラジェ]
足を運んだって…
あなたたちはどうやって
この通路に入ったのかしら?▼
あたしが通った扉は
外からしっかりと鍵がかかってて
なんとか解錠して入ったんだけど。▼
[ツクヨミ]
私たちは地図にない扉を見つけ
そこからこの通路に入ったのだ。▼
[モズメ]
その通りや。この通路の反対側に
もうひとつ入り口があってなあ。▼
[ドラジェ]
通路の反対側?
って、あなたたちの後ろは
行き止まりじゃない。▼
[アクア]
どういうこと?
私たちが歩いてきた通路が
消えているわね。▼
[モズメ]
どういうこっちゃ?
いつのまにか壁になっとる!?▼
あたいたち、ほんまに怪異と
出会ってしもたんかなあ。▼
[ツクヨミ]
な、なな…!?▼
[ユキムラ]
私たちが見た、城の記憶らしき幻影も
怪異かもしれませんねぇ。▼
[ツクヨミ]
そっ、そそそそ…。▼
[アクア]
サクラに聞かせる怪談が
またひとつ増えたようね…▼
[ツクヨミ]
そ、そんなバカなこと…
あってたまるかー!!!▼
私は信じぬ!!
信じぬぞーーーーっ!!!▼

烈風城の呪い師 ツクヨミ

C

[オロチ]
おお、誰かと思えば
ツクヨミではないか!▼
[ツクヨミ]
むっ、オロチか。
異界で知っている顔に会うのは
なんだか奇妙なものだな。▼
[オロチ]
ふっふっふ。
そうか、そなたも
アスク王国に召喚されたのじゃな。▼
[ツクヨミ]
ああ。ここアスク王国では
長く外敵との戦闘が
続いていると聞く。▼
まあ、これからは私が手を貸すのだ。
いかな敵であれ
怖れる必要はなくなるだろうがな。▼
[オロチ]
ほう…あいかわらずツクヨミは
呪いの腕に自信があるようじゃな。▼
[ツクヨミ]
当然であろう。まっさきに私を
召喚すればよかったのだ。▼
[オロチ]
たしかに呪い師のそなたの腕は
薬草の知識や調合の技量も含めて
わらわも認めるところ。▼
じゃが、アスク王国には
わらわや暗夜王国のニュクス以外にも
異界から来た呪術師たちがおる。▼
どうじゃ、彼らに会ってみぬか?
交わることで学べるものもあろう。▼
[ツクヨミ]
ふん。
私は呪い師として高みに達している。
今さら他人から学ぶことなどないわ。▼
[オロチ]
そうか…。
よい機会だと思ったのじゃが
残念じゃのう。▼
[ツクヨミ]
…まあ、自分がいかに
優秀な呪い師であるか、
それを今一度確認するために…▼
異界の呪術師に会ってみるのも
面白いかもしれんな。▼
[オロチ]
ふっふっふ、そうこなくてはな。
きっかけなどなんでもよい。▼
そなたがどんな人物に会い、
何を思うか楽しみじゃ。▼

B

[サーリャ]
……▼
[ツクヨミ]
ペレジアなる異国の呪術師
サーリャはこの辺りにいると聞いたが
あれがそうか?▼
[サーリャ]
ふふ…ふふふふ…
ああルフレ…▼
[ツクヨミ]
お前が呪術師のサーリャか?
物陰でなにをしておるのだ。▼
[サーリャ]
貴方、誰…?
せっかくいいところだったのに
話しかけないでちょうだい……▼
[ツクヨミ]
なっ!?
いきなり喧嘩腰だな…▼
しかし、呪いかなにかの
邪魔をしたのであれば謝ろう。▼
[サーリャ]
そう…。
まあ、どうでもいいわ…。
ふふ…うふふ…。▼
[ツクヨミ]
さっきから何を熱心に見ておるのだ。
向こうに誰かおるのか?▼
…なるほど、わかったぞ。
あやつを呪おうというのだな?
それで身を隠しておったのか。▼
[サーリャ]
…何を言ってるの?
ルフレは私の想い人よ…ふふっ…▼
気になって気になって仕方がないの。
だからこうして後をつけてるの…▼
[ツクヨミ]
うん? 呪うわけではないのか?
ならばなぜコソコソと隠れておる。
堂々としておればよかろう。▼
[サーリャ]
こうして物陰に隠れて見るのが
いいんじゃない…ふふ……▼
お子様の貴方には
理解できないでしょうね…
さっさとお家に帰りなさい。▼
[ツクヨミ]
なっ、なにを言うか!
私はもう立派な大人だ!
子ども扱いしおって!▼
[サーリャ]
うふふ…ふふ……
ルフレ…今日も素敵よ……!▼
[ツクヨミ]
お、おい!
聞いておるのか!▼
[サーリャ]
…貴方、うるさいわね。
これ以上邪魔するというのなら
全力で…呪い殺すわよ…?▼
[ツクヨミ]
ひっ!? わ、わかった。
今日のところは引き上げよう。▼
な、なんという圧だ。
あやつ、本気で呪うつもりだったのか?
なんとも面妖な呪術師よ…▼

A

[ツクヨミ]
あのサーリャとかいう呪術師…
私を子ども扱いするとは
なんと失礼な!▼
挙句には、呪い殺すなどと
いったいなにを考えておるのだ。▼
む、あの呪術師も
ペレジアから来たと聞くが…
だ、大丈夫であろうな?▼
(暗転)
[ヘンリー]
ん? 何か僕に用かな?
呪ってほしい人でもいるの~?▼
[ツクヨミ]
お前が呪術師のヘンリーか。
年は…私とさほど変わらんようだな。▼
かような物騒な用ではない。
ペレジアの呪いについて
話を聞きたいのだ。▼
[ヘンリー]
もしかしてツクヨミも呪術師なの?
なになに? なんの話が聞きたいの?
なんでも教えちゃうよ~。▼
[ツクヨミ]
ふむ。サーリャとは違って
ずいぶん気さくな性格のようだ。▼
ペレジアの呪術師は
変わり者ばかりではないのかと
心配してしまったぞ。▼
[ヘンリー]
安心していいよ~。
僕は普通の呪術師だからね~。▼
そうだ! 僕、ツクヨミの
呪いの腕を見たいな~。▼
[ツクヨミ]
ほう、私の術に興味があるのか。
よかろう。どのような
術が見たいか言ってみよ。▼
[ヘンリー]
そうだね~。それじゃあ
最初にここを通った人を
呪い殺すのはどうかな?▼
[ツクヨミ]
うむ。お安いご用…なわけあるか!
味方を殺してなんとする!?▼
[ヘンリー]
あれ~? ああ、そっか~。
味方の戦力を減らしちゃうのは
よくないよね~。▼
それじゃあ、死なない程度に
呪ってみるのはどうかな?
悶え苦しむ感じで~。▼
[ツクヨミ]
な、なにを言うておるのだ!
ダメに決まっておる!▼
[ヘンリー]
簡単すぎる? じゃあ
ヴァイス・ブレイヴ全員を呪うのはどう?
僕も協力するよ~。▼
[ツクヨミ]
いかんと言っておるだろ!
そもそも呪いが簡単とか難しいとか
そういう話ではない!▼
もっとこう、なんというか
人としてやっていいことと
悪いことがあるというかだな…▼
[ヘンリー]
そうなの? よくわかんないけど
ツクヨミはヴァイス・ブレイヴの
みんなを呪いたくはないんだね?▼
[ツクヨミ]
そう! そういうことだ!
私の呪いの腕前が見たいなら
戦場で見せてやる!▼
よいな!? 戦場でだからな?
くれぐれも味方を呪うでないぞ?▼
きょ、今日のところは失礼する。
さらばだ!▼
[ヘンリー]
あれ~? もう帰っちゃうの?
ツクヨミの呪い、見たかったな~。▼

S

[ツクヨミ]
つ、疲れた…。
いったいなんなのだ
ペレジアの呪術師たちは!?▼
もしかして…
白夜王国や暗夜王国以外の呪術師は
あのような変わり者ばかりなのか?▼
[オロチ]
ん? どうしたのじゃ、ツクヨミ。
顔色が優れぬようじゃの?▼
[ツクヨミ]
そ、そんなことはない。
私はいたって元気だぞ。▼
[オロチ]
ならいいのじゃが。
それで異界の呪術師には
会ってみたのか?▼
[ツクヨミ]
う、うむ。
ペレジアから来たという
呪術師たちに会ってきたぞ。▼
はじめて出会う類の
呪術師ではあったが…▼
彼らに会うことで、私が呪い師として
いかに高みに達しているのかを
あらためて確かめることができた。▼
[オロチ]
ふむ。そなたが高みに
達しているかどうかはともかく
何か得るものはあったのかえ?▼
[ツクヨミ]
私が風の部族の里を出たのは
世界の広さを知るためだった。▼
彼らに出会ったことで
あらためて世界は広いのだと
考えさせられたのは事実だ。▼
[オロチ]
ふっふっふ、それはなによりじゃ。
これから先もアスク王国には
新たな呪術師がやってくるじゃろうな。▼
どんな呪術師に出会えるか…
今から楽しみで仕方がないのう!▼
[ツクヨミ]
ひっ!?
サーリャやヘンリーのような
呪術師はもうこりごりだ!▼
いかん! いかんぞ、オロチ!
私がいれば十分! 呪い師はもう
ヴァイス・ブレイヴに必要ない!▼
[オロチ]
そうか? 戦力が多いに
越したことはないと思うがのう…▼
[ツクヨミ]
そ、そんなことはない!
私がこの腕でなんとかしてみせよう!▼
これ以上、異界から
変わり者を集めないでくれーっ!!▼

白夜王国の軍師 ユキムラ

C

[ユキムラ]
…以上が、私が提案する
この戦の策となります。▼
[アウグスト]
ふむ。騎馬隊の機動力を使い
敵軍をおびき寄せるのは悪くない。▼
[ユリシーズ]
被害を最小限に抑える作戦か。
実に素晴らしいですぞ。
さすがは白夜王国を支えた軍師よ!▼
[イナ]
私もこの作戦に賛成です。
ですが、騎馬隊には少しだけ
負担をかけてしまいますね…。▼
[アウグスト]
しかし、ユキムラ殿も言ったとおり
この作戦に必要なのは行軍の速さ。
騎馬隊以外に考えられますまい。▼
[ユリシーズ]
どうやら、
勝ち筋は見えてきたようですな。
急ぎ、全軍に作戦を通達せねば。▼
[イナ]
指揮は立案者である
ユキムラ殿に執っていただくのは
いかがでしょう。▼
[アウグスト]
それがよいでしょうな。
本陣は我々にお任せあれ。▼
[ユキムラ]
承知しました。
それでは私は騎馬隊とともに
前線へと参りましょう。▼
(暗転)
[ユキムラ]
…これは驚きました。
まさかこれほど順調に
作戦が進むとは。▼
名だたる英雄が集う
ヴァイス・ブレイヴなればこそですね。▼
特に騎馬隊の活躍には
目を見張るものが…。▼
むっ!? あ、あれは!
なんでしょうか…
まさか…鉄でできた馬!?▼
[レギン]
ふう、今ので最後みたい。
これでだいたいの敵兵は
作戦どおり誘い込めたはずなの!▼
[ユキムラ]
こ、これは…やはり!
絡繰仕掛けの鉄の馬!▼
[レギン]
わわっ!?
いきなりなんなの!?▼
[ユキムラ]
目を見張るほどの速さ…。
白夜王国には、これほど早く走れる
絡繰はありません!▼
ほう、ほうほう!
外装は堅牢であるのに
内部は細かな部品が大量に…。▼
[レギン]
えーと、最近召喚された
ユキムラさん…だったっけ?▼
私のグリンブルスティが
そんなに珍しいの?▼
[ユキムラ]
はっ!? あなたは確か
ニザヴェリル王国のレギン王女!?
これはとんだご無礼を…!▼

B

[ユキムラ]
実は私、日ごろより
絡繰人形を作っておりまして。▼
[レギン]
手に持ってるのがそうなのね。
すっごく可愛いの!▼
[ユキムラ]
これは小型版ですが
私が作る絡繰には
騎乗して戦えるものもあるのです。▼
[レギン]
絡繰に乗って戦えるって
グリンブルスティと同じなのね。▼
[ユキムラ]
この絡繰仕掛けの騎馬は
グリンブルスティというのですね。▼
鎧としての強度を保ちながらも
高い機動力も有する…
素晴らしい完成度です!▼
[レギン]
ありがとうなの!
これはね、ニザヴェリルで
作られたものなの。▼
[ユキムラ]
ニザヴェリル…レギン王女の祖国ですか。
これほどのものを作り上げるとは
相当な技術があるようですね。▼
[レギン]
ニザヴェリルは魔道科学によって
文明を発展させてきたの。▼
グリンブルスティも
魔道科学の技術で作られたのよ。▼
[ユキムラ]
魔道科学…はじめて耳にします。
なるほど、独自の文明によって
国力を豊かにしてきたのですね。▼
ああ…話をお伺いするほどに
興味は募るばかりです!▼
[レギン]
私もニザヴェリルや魔道科学に
興味を持ってもらえてうれしいの!▼
[ユキムラ]
よければ、城に戻ったあと
あらためてグリンブルスティを
拝見させてもらえないでしょうか?▼
[レギン]
もちろんいいの!
あなたの作戦のおかげで
今回の戦いは勝てたから、お礼なの!▼

A

[ユキムラ]
これがグリンブルスティですか…。
なんと!? このような仕組みに!
魔道の力を動力源の補助にするとは…。▼
魔道と科学を結びつけるとは
こういうことなのですね!▼
[レギン]
なにか発見があればいいけど。
どうかな、少しは役に立ちそう?▼
[ユキムラ]
もちろんですとも。発見の連続です!
調べるほどに、斬新な技術に
驚かされるばかりですよ!▼
自分の絡繰に
どのように応用すべきか。
考えるだけでも胸が躍ります!▼
[レギン]
うふふ、よかった!
参考になれば、私もうれしいの!▼
[ユキムラ]
ありがとうございます。レギン王女。
さっそくこの知見を元に
絡繰の改良に取り掛かります!▼
(暗転)
[ユキムラ]
うーむ…あそこは…
いや…しかし、そうなると…。▼
[レギン]
ど、どうしたの、ユキムラさん?
ものすごく難しい顔をしてるけど…。▼
[ユキムラ]
これはレギン王女!
気がつかず大変失礼しました。▼
実は絡繰の改良に行き詰まり
悩んでおりまして…。▼
[レギン]
なんだか大変そうなの。
助言できればいいんだけど
私も専門的なことは分からないし。▼
魔道科学に明るい
エイトリがいればいいんだろうけど…。▼
[ユキムラ]
ありがとうございます。
お気持ちだけで十分ですよ。▼
ところで、研究を進めるうちに
ひとつ疑問が浮かびまして…。▼
ニザヴェリルではどうして
魔道科学が発達したのでしょうか?▼
[レギン]
ユキムラさんは…
ニザヴェリルが小人の国って
呼ばれているのを知ってる?▼
[ユキムラ]
ええ、存じております。
ニザヴェリルの民はみな
小柄であると聞き及びました。▼
[レギン]
かつてニザヴェリルは
巨人の国ヨトゥンに支配されていて…▼
力で劣るニザヴェリルの民は
ヨトゥンへの対抗手段として
魔道科学を発展させてきたの。▼
[ユキムラ]
なんと、そのような歴史が…。▼
[レギン]
悲しいことだけど…
もしヨトゥンとの戦いがなかったら
魔道科学は発展していなかったと思うの。▼
[ユキムラ]
戦が技術を発展させた…
というわけですか。▼
私も戦のために
絡繰を使っている身。
耳が痛い話ではあります。▼
[レギン]
でもね…。
グリンブルスティに乗ってるときって
とっても気持ちがいいの。▼
風を切って走ると
グリンブルスティがあって
本当によかったと思うの。▼
[ユキムラ]
そうですね。戦以外に
この素晴らしい技術を活かせれば
どんなによいものか。▼
……。▼

S

[ユキムラ]
おはようございます、レギン王女。▼
[レギン]
あっ、ユキムラさん!
今日は晴れ晴れとした顔でよかったの。▼
こないだはこーんな感じで
眉間にしわがよってたから!▼
それと、もうお昼を過ぎてるから
おはようは間違いなの。▼
[ユキムラ]
なんと、もうそんな時間でしたか。
昼夜を問わず、絡繰の改良を
していたもので…ははは…。▼
[レギン]
えっ? 寝てないってこと!?
無理しちゃダメなの!▼
[ユキムラ]
ご心配おかけして申し訳ありません。
ですが、その甲斐あって
絡繰改良の妙案が浮かびました。▼
呪いの力を、絡繰に
組み込んでみようと思うのです。▼
[レギン]
まじない…?
私には馴染みのない力なの。▼
[ユキムラ]
白夜王国では、炎や雷を操る
呪いの力が発展しております。
それを絡繰に利用しようかと。▼
[レギン]
すごいの!
まるで魔道科学みたいなの!▼
[ユキムラ]
グリンブルスティや
レギン王女から伺ったお話から
着想を得たものですよ。▼
ふたつの力を組み合わせることで
さらなる相乗効果が期待できるでしょう。▼
[レギン]
ふふっ、私の話が
役に立ってよかったの!▼
[ユキムラ]
レギン王女の言うとおり
魔道科学は戦争によって
発展を遂げたのかもしれません。▼
ですが私は、
この絡繰を白夜王国の
平和のために活用してみせます。▼
[レギン]
うん、とてもいい考えだと思うの!▼
ニザヴェリルの技術や文化が
白夜王国に伝わることも素敵だし…。▼
なにより平和に役立つなら
私もうれしいの!▼
[ユキムラ]
異界の文明が交流して
新たな発展を遂げていく。▼
これこそがアスク王国が
開かれし国と呼ばれるゆえん…。▼
ニザヴェリルだけでなく
さまざまな異界の技術や文化を
白夜王国の平和に役立てたいものです。▼

響く絆のうた アクア

C

[アクア]
ラーラーラ~…
ユーラリ ユールレリ…▼
ふう…
今日はこんなところかしら。▼
[リアーネ]
……! ……!!▼
[アクア]
あら…、こんなに人気のないところで
拍手をもらえるなんて。
あなたは?▼
[リアーネ]
うた…すてき…!▼
わた、し…
リアーネ、です…▼
[アクア]
あなたはたしか…
テリウス大陸から来た
鷺の民の王女。▼
[リアーネ]
アクア…
知って…ます…。
びゃくや…の…うた…ひめ?▼
[アクア]
私のことを知ってたの?
ええ、そうよ。私はアクア。
よろしくね、リアーネ。▼
[リアーネ]
よろ、く、です…。
アクア…。
すてきな、うた、でした。▼
かなしい、けど…やさしい…
おだやか…でも、つよい…
ふしぎな、うた…▼
ごめ、なさい…。
うまく、いえ、なくて…▼
[アクア]
いいえ、大丈夫よ。
すごくほめてくれているのは
伝わってきたから。▼
[リアーネ]
すご、い、うた…。
わたし…むね、あつい…です!▼
もっと…ききたい…
い、い…ですか…?▼
[アクア]
ええ、もちろんよ。
じゃあ、次は…。▼
(暗転)
[ドロテア]
……。
白夜王国の歌姫か。▼
あの子、なかなか
いい歌を歌うわね。▼

B

[アクア]
ラーラーラ~。
ユーラリ ユールレリ…▼
……。
そこにいるのは誰?
リアーネ?▼
[ドロテア]
本当に素敵な歌ね。
心からの拍手を送らせてもらうわ。▼
[アクア]
あなたはドロテア…
だったかしら?▼
聞いたことがあるわ。
フォドラから来た歌姫。▼
[ドロテア]
正しくは元、歌姫よ。
私はドロテア=アールノルト。
よろしくね。▼
今の歌、すごかったわね。
私、鳥肌立っちゃった。▼
鷺の民のお姫様がほれ込むのも
納得の、素晴らしい歌声ね。▼
[アクア]
鷺の民…
リアーネがほめてくれたことを
どうして知っているの?▼
[ドロテア]
あら、ごめんなさい。
あなたたちが話しているのを
偶然見かけちゃったの。▼
[アクア]
そういうことだったのね。
観客が二人もいただなんて。▼
[ドロテア]
黙って立ち去ってごめんなさい。
ところで、ひとつ聞いてもいい?▼
[アクア]
なにかしら?▼
[ドロテア]
アクアちゃん、って
呼んでもいいかしら?▼
[アクア]
…好きにすればいいわ。▼
[ドロテア]
ふふっ…。
ありがとう、アクアちゃん!
あなたの歌声、とても素敵だったわ。▼
きっとその歌声は
ヴァイス・ブレイヴにとっても
大きな支えになると思うの。▼
[アクア]
……▼
[ドロテア]
戦う前にあなたの歌を聴かせれば
ヴァイス・ブレイヴみんなの
士気が上がるのは間違いないわ。▼
[アクア]
期待を裏切るようで
申し訳ないけれど…。▼
私は歌うとき
心に大切な人を思い浮かべるの。
たった一人の大切な人…。▼
[ドロテア]
大切な…人?▼
[アクア]
私は一人の人間を想い
その人のために
心を込めて歌っているの。▼
大勢の人のために歌えば…
私の歌はきっと
別のものになってしまうわ。▼
だからあなたの期待には
応えられないと思うの。▼

A

[ドロテア]
そう。残念ね。▼
[アクア]
ガッカリさせちゃって
ごめんなさい。▼
[ドロテア]
いいのよ。気にしないで。
なるほどね。一人のための歌か。▼
だから、強い想いが歌に乗って
聴く人の心を震わせるんでしょうね。
なんだかアクアちゃんがうらやましいわ。▼
[アクア]
私がうらやましい…?▼
[ドロテア]
私は今までそんなふうに
歌ったことがないもの。
大切な人だっていなかったし。▼
[アクア]
……▼
[ドロテア]
私ね、子どもの頃
ひどい環境で育ったの。
歌劇団に入る前は酷いものだったわ。▼
家族もなければ財産もない。
フォドラで価値あるものとされる
紋章だってないんだから。▼
路地裏で一人
なんとか日々を食いつなぐ
暮らしをしてたのよ。▼
[アクア]
今のあなたは華があるし
そんなふうには見えないわ。▼
[ドロテア]
そうかもしれないわね。
悲惨な生活から逃れたい一心で
私は外見と歌声を磨いたの。▼
歌姫として成功すれば
お金持ちの貴族に気に入られて
玉の輿に乗るのも夢じゃない。▼
私にとっての歌は
生き抜く手段だったのよ。▼
だからかしら…
誰か一人のために歌うアクアちゃんが
うらやましく感じたのは。▼
[アクア]
……▼

S

[アクア]
あなたは…
歌が好きなのね。▼
[ドロテア]
えっ?▼
[アクア]
誰かのために歌うことを
うらやましいと感じるのは
あなたも歌が好きだからよ。▼
お金や地位のためだけなら
誰かのために歌う歌に…
心は動かないはずよ。▼
[ドロテア]
そう…なのかしら。▼
[アクア]
私がカムイを想って歌うように
あなたも大切な人のために
歌ってきたんじゃないかしら?▼
[ドロテア]
私の大切な人?
思い当たる節はないんだけど。▼
[アクア]
それは…
未来のあなた自身だと思うの。▼
[ドロテア]
……!▼
[アクア]
あなたは…
未来の自分を想って
歌い続けていたのかもしれないわ。▼
未来で待っているはずの
あなたがなりたいあなたへ
歌声を届けていたのかも。▼
[ドロテア]
未来の…自分ね。▼
ふふっ、なるほどね。
そういう考え方もあるかもね。▼
私って昔の自分も今の自分も
あまり好きじゃないの。▼
[アクア]
……▼
[ドロテア]
でも、いつかは自分のことが
好きになれたらいいなって
そう思ってる…。▼
そういう意味では
未来の自分を好きになりたいから
歌い続けてきたのかもしれないわ…。▼
[アクア]
よければ、あなたの歌を
聴かせてもらえないかしら?▼
[ドロテア]
うふふ、お安いご用よ!
でも、せっかくだから
一緒に歌わない?▼
[アクア]
いいわよ。
一緒に歌える歌が
あるといいのだけど。▼
[ドロテア]
アスク王国に伝わる…
炎の紋章の歌は知ってる?▼
[アクア]
ええ…。
アスク王国に来て
最初に覚えた歌。▼
じゃあ、二人の歌声を重ねましょう。
大切な人を想いながら。▼

悲劇にさす光明 モズメ

C

[モズメ]
ほんまに広いお城やなあ…。
いろんな部屋があって目が回りそう。
全部覚えられる自信がないわ。▼
[フィヨルム]
ふふ、最初はみなさん
そうおっしゃいます。ですが
すぐに慣れると思いますよ。▼
[モズメ]
けど、ええんやろか。
村人のあたいが王女さんに
城を案内してもらうなんて。▼
[フィヨルム]
大丈夫ですよ。モズメさんは
ヴァイス・ブレイヴの一員。
私の仲間なのですから。▼
私のことも王女ではなく
仲間の一人として
接してもらえるとうれしいです。▼
[モズメ]
は、はぁ…。
フィヨルム王女は気さくやなあ。
あれ? 前から歩いてくるのは?▼
[リュール]
こんにちは、フィヨルム王女。▼
[フィヨルム]
こんにちは、リュールさん。▼
[リュール]
そちらの方は
はじめてお見かけしましたが、
新しく召喚された英雄ですか?▼
[フィヨルム]
こちらは白夜王国から来た
モズメさんです。▼
[モズメ]
モ、モズメです!
よろしくたのんます!▼
[リュール]
はじめまして、私はリュール。
エレオス大陸を守護する神竜です。▼
[モズメ]
ひえぇ、神竜様!?
あのっ、その…。▼
[リュール]
……?
どうかしました?▼
[モズメ]
あ、あの…いや…
偉い人と話すのは
慣れてへんから…。▼
[リュール]
そうかしこまらないでください。▼
アスク王国にいる私たちは
対等な仲間です。
どうか気楽に接してください。▼
[モズメ]
ほ、ほんまに?▼
[リュール]
もちろんです。
おっと、軍議の時間ですね。
私はこれで。▼
ぜひまた、ゆっくり話をさせてください。
これからもよろしくお願いします。▼
[モズメ]
こ、こちらこそ…よろしく…。▼
ふう…。えらいキラキラして
気品のある方やったなぁ…。
めちゃくちゃ緊張してもうたわ。▼
[フィヨルム]
リュールさんはエレオス大陸で
多くの民に信奉されている神竜様ですが
とっても気さくな方なのですよ。▼
[モズメ]
慕われるのもわかるわ~。
見るからに優しそうやったもん。▼
でも、フィヨルム王女。
あたい、不安になってきたわ…。▼
しがない村人のあたいが
立派な英雄に混じって
うまくやっていけるんやろか?▼
[フィヨルム]
大丈夫ですよ。
ここには平民の方も多いですし
戦いが得意ではない方もいらっしゃいます。▼
それでもみなさんが
それぞれの特技を活かして
のびのびとご活躍されています。▼
[モズメ]
そうなん?
あたいができることなんて
畑いじりくらいやけど…。▼
[フィヨルム]
農業が得意でしたら
その能力を活かしてみては?▼
城には農地もありますし
モズメさんさえよければ。▼
[モズメ]
え、ほんまに!?
あたい、やってみたい!▼
[フィヨルム]
では、私からアンナ隊長に
農地の使用許可を取っておきますね。▼
[モズメ]
アスク王国でも畑仕事が
できるやなんて…
腕が鳴るで!▼

B

[フィヨルム]
こんにちは、モズメさん。
畑のほうはいかがですか?▼
[モズメ]
フィヨルム王女!
おかげさんで畑も
ええ感じに仕上がってきたわ。▼
[フィヨルム]
もうこんなに苗を植えたなんて!
いろんな苗がありますけど
どれも葉の色がよい気がします。▼
[モズメ]
それはこの土地のおかげや。
アスク王国は土がええんよ。▼
触ってみるだけでわかるで。
適度に柔らかくて水持ちもええ。
それでいて水はけも文句なしや。▼
これだけええ土があれば
いろんなもんが作れる。
夢が広がるで!▼
[フィヨルム]
ふふっ、収穫が楽しみですね。
きっと英雄のみなさんも
喜んでくれると思いますよ。▼
[モズメ]
まあ、そうやね…。▼
[フィヨルム]
……。
モズメさん?
なにか気になることでも?▼
[モズメ]
畑の仕上がりは文句なしや。
けどな…。▼
畑を耕しているだけで
ヴァイス・ブレイヴに
あたいは馴染めるんやろか。▼
戦闘の加勢もするにはするけど
やってることは村にいた頃と同じや。▼
これでほんとうにええんかな?
せっかくあたいを呼んでくれた
召喚師さんに申し訳ないわ。▼
[ネフェニー]
そんなことは…ないと思う。▼
[モズメ]
ん?▼
[フィヨルム]
あっ、ネフェニーさん。
あなたもモズメさんの畑を
見にいらしたのですか?▼
[ネフェニー]
…は、はい。アスク王国で
こんないい畑は見たことがないので…
思わず声をかけて…しまって。▼
[モズメ]
ホンマに!? ネフェニーさん!
この畑のよさがわかるんか?▼
[ネフェニー]
あたしもテリウス大陸じゃ
土をいじっとったけぇ…。▼
つ、土をいじってたから…
この畑に…どれだけの工夫が
こらされているか…よくわかります。▼
この畑は間違いなく…
この国で一番…です。
誇ってよいと…思います…。▼
[フィヨルム]
すごいじゃないですか、モズメさん!
わかる方にはわかるのですね!▼
[モズメ]
ほ、ほんま?
うれしいなあ…。▼
[ネフェニー]
この畑、ほかの異界の人にも…
参考になると…思います…。▼
[モズメ]
そない言われると自信出るで!
頑張ってみようって気になるなあ。
ありがとな、ネフェニーさん!▼

A

[アクア]
ふう、厳しい戦いだったけど、
どうにか無事に生き残れたわね…。▼
[ツクヨミ]
まったくだ。まさかこんなに時間が
かかるとは思わなかったぞ。▼
[ユキムラ]
敵もここが正念場と考えて
力を入れてきたのでしょう。▼
[アクア]
早く城に帰って身体を洗いたいわ。▼
[モズメ]
……。▼
[ツクヨミ]
どうしたのだ、モズメ。
浮かない顔をして。▼
[モズメ]
城に作った畑が心配でなあ…。
長いこと空けてしもうたし
荒れ放題になっとるかもしれん。▼
[アクア]
留守の間、
誰かに世話を頼まなかったの?▼
[モズメ]
頼んでへん。
戦いがこないに長引くとは
思わへんかったし…。▼
[ツクヨミ]
うむ。軍師のユキムラですら
予見できない激戦だったからな。▼
[ユキムラ]
面目ありません…。▼
[モズメ]
あたいが変な意地を張ったのが
悪かったんや。▼
あたいの畑やから
あたいだけで世話せなあかんと
思ってもうて…。▼
誰かに一声かけてとけばよかったわ…。
ほんまにあたいのあほっ!
あほあほあほーっ!▼
[アクア]
モズメ、悔やむのはあとにして
まずは城に帰りましょう。▼
まだ畑がダメになったと
決まったわけじゃないわ。▼
[ユキムラ]
そうですよ。急いで戻れば
なんとかなるかもしれません。▼
[モズメ]
そうやね……。▼
(暗転)
[モズメ]
はぁっ、はぁっ!
ほったらかしにしてごめんな。
あたいの可愛い畑…。▼
待っててや。
すぐに水をあげて、雑草を抜いて
肥料をあげるからな!▼
…んんん?
な、なんやこれ?
どういうこっちゃ?▼
あたいの畑…
なんでこんなにきれいに
手入れされとるん?▼
[ネフェニー]
…おかえりなさい。▼
[モズメ]
わぁっ! びっくりした!
な、なんで、ネフェニーさんが
ここにおるんや…▼

S

[モズメ]
もしかしてネフェニーさんが
あたいの畑を…?▼
[ネフェニー]
モズメさんがいない間、
少しだけ手入れをさせてもらったんじゃ。▼
勝手なことするのは
悪いと思うたけど…。▼
立派な畑がダメになるのは
もったいないけえ。▼
[モズメ]
そんなことあらへん!
こんなにきれいに世話してくれて
ほんまにほんまにありがとな!▼
[ネフェニー]
あたしだけじゃないんよ。▼
ドニさんやサイゾウさん…
ほかにもたくさんの人たちが
手伝ってくれたんよ。▼
フィヨルム王女も、
慣れないながらも
畑仕事手伝ってくれて…。▼
[モズメ]
ほんまに!?
あたいの畑のために
そんな大勢の人が…。▼
[ネフェニー]
うん。みんなも
モズメさんがこの畑を
大事にしているのを知っとるから…。▼
[モズメ]
あたいの畑、みんなが
世話をしてくれてたなんて…。▼
うっ…ううっ…▼
[ネフェニー]
モズメさん…?
泣いとるの?▼
[モズメ]
つい、うれしゅうてな!
あたい、アスク王国に召喚されてから
ずっと自信がなくて…。▼
畑いじりしかできへん村娘が
立派な英雄さんたちと馴染めるんかなって。▼
みんな対等な仲間やって
言うてくれてるけど、あたいは
自信がもてへんかった…。▼
[ネフェニー]
……▼
[モズメ]
けど、みんなが
あたいの畑をこないに大事に
してくれたのを知って…。▼
ほんまに仲間として
認められてるってわかったんや…。▼
[ネフェニー]
この畑を通じて…
モズメさんと仲間になれて
あたしはうれしいんよ。▼
それにモズメさんの頑張る姿は
みんなに伝わって
士気を高めてると思うよ。▼
[モズメ]
なあ、ネフェニーさん。
これからもたまに畑の世話を
手伝ってもらってもええかな?▼
[ネフェニー]
もちろん。
いつでも遠慮なく、
あたしらは仲間じゃけえ。▼
[モズメ]
ネフェニーさん…
これからもっと仲良くなれそうやね。▼
あたいもあたいらしく
ほかの英雄さんと仲良くせんとな!
ほな、これからも頑張るで!▼

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Last-modified: 2024-04-21 (日) 07:16:36
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