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章別会話

未来紡ぎし魂たち

未来紡ぎし魂たち

オープニング

[チキ]
クロム、ここは私が支えるわ。
あなたは右翼の援護に回って。▼
[クロム]
わかった。
敵の数が多いか…しかし!▼
この一撃で、運命を変える!▼
[セリス]
援護、感謝します。▼
[クロム]
大丈夫か、セリス皇子。
少ない手勢でよく支えてくれた。▼
[セリス]
クロム王のおかげで
戦いの潮目が変わりました。
これなら一気に押し切れます!▼

(暗転)
[チキ]
敵はあらかた
押し返せたみたいね。▼
[クロム]
油断はまだ早い。
残存兵が潜んでいないか
周囲を確認しないとな。▼
[チキ]
クロム、ずいぶん注意深くなったのね。
王として物事を広く
見られるようになったのかしら。▼
[クロム]
フレデリクやルフレの
影響かもしれんな…▼
[セリス]
西の丘にもかなりの数の敵が
集まっていたようですが…▼
[ベレス]
西の丘に陣取っていた勢力は
潰しておいたよ。▼
[セリス]
ベレスさん! ご無事でしたか。▼
[チキ]
西の丘…
あれだけの数を
あなた一人で…?▼
[ベレス]
いえ、一人じゃない。
ガルグ=マクの生徒たちにも
手伝ってもらったの。▼
[クロム]
それにしても、少ない手勢で
確固たる成果を挙げるとは。▼
アンナ隊長から聞いたとおり
【灰色の悪魔】の名前は
伊達ではないな。▼
[ベレス]
自分で名乗ったわけじゃないけれど…▼
どうせならセリス皇子のように
【光の公子】みたいな
華やかな名前がよかったかな。▼
[セリス]
わ、私も自分で
名乗ったわけではないのですが…▼
[クロム]
なんにせよ見事な戦いぶりだった。▼
[チキ]
ここにいる皆が力を合わせれば
アスクの地に平和が戻る日も
そう遠くないかもしれないわ。▼
[クロム]
ああ。こうして稀代の英雄たちと
肩を並べて戦えること
俺はうれしく思う。▼
[セリス]
稀代の英雄…▼
[ベレス]
セリス皇子、どうかした?▼
[セリス]
い、いえ!
そうですね、力を合わせて
平和のため尽力しなければ…▼
[ベレス]
……▼

C

[クロム]
はっ…せいっ!▼
これが「天空」だ。基本の型は
イーリス聖王国に伝わる剣術だが
自分なりに改良を加えてきた。▼
[セリス]
なるほど…。
戦いで磨かれていった
剣技なのですね。▼
[チキ]
改良を加えた、ね。▼
クロムは堅苦しいのが苦手だから
決まった型よりも、我流のほうが
戦いやすかったのかもしれないわね。▼
[クロム]
否定はしない。▼
[ベレス]
ちょっとごめん。
セリス皇子はいるかな。▼
[セリス]
ベレスさん?
私になにかご用でしょうか。▼
[ベレス]
少し、君のことが気になってね。▼
[セリス]
私の…こと?▼
[ベレス]
先生と呼ばれて過ごした
時間のおかげか…▼
生徒たちの表情の細かい変化に
気づくようになってね。▼
先日の戦いで君が見せた表情が
少し気になったの。▼
[セリス]
す、すみません!
心配をおかけしたみたいで。
ですが、たいしたことでは…▼
[クロム]
悩みがあるのなら
俺も相談に乗るぞ?▼
[セリス]
……▼
クロム王は稀代の英雄たちと
肩を並べて戦えることをうれしく思う、と
おっしゃっていました。▼
[クロム]
ああ、確かに言ったな。▼
[セリス]
でも、私は自分が英雄と
呼ばれることに実感がなくて…▼
そもそも自分は戦いがなければ
人々を率いるような存在では
なかったのです。▼
[ベレス]
……▼
[セリス]
虐げられる人々のために
自分にもできることはないだろうか。▼
英雄になろうとしてではなく
ただ、父の背中を追うようにして
行動してきただけなのです。▼
[クロム]
それは、俺も変わらない。
自分が英雄と呼ばれる存在になるとは
想像もつかなかった。▼
そもそもイーリス聖王国が
戦いに巻き込まれなければ
聖王になることもなかったはずだ。▼
自警団の団長として
姉さん…前聖王を支えて
一生を終えたはずなんだ。▼
[ベレス]
自分も戦いが起きなければ
ガルグ=マクの一教師として
日々を重ねていたはずだよ。▼
英雄なんて呼ばれる日が来るなんて
夢にも思わなかった。▼

B

[チキ]
もし戦いのない世の中だったら…
英雄たちは
別の運命を歩んでいたはずね。▼
私も氷竜神殿で
眠り続けていたかもしれない。▼
[クロム]
戦いを肯定するつもりはないが、
戦いをきっかけにつながる絆もあった。▼
[セリス]
自分たちがアスク王国に集ったのも
戦いが導いた縁なのでしょうか。▼
[ベレス]
時のよすがが紡いだ出会い。
英雄として歩みはじめた
その日から…▼
自分たちが出会うことは
運命付けられていたのかもしれないね。▼
[クロム]
なんとも不思議な縁だな。▼
[チキ]
私たちは幾多の戦いをくぐり抜け
こうしてアスク王国で縁を繋いだ。▼
同じ、平和を目指す者同士
絆をつなげたことはとても喜ばしいわ。
だけど…▼
私たちがここにたどり着くまでに
犠牲になった多くの命の存在を
忘れてはいけない。▼
[セリス]
そう…ですね。▼
私がここにいるのは
自分一人の力ではない…。
多くの支えがあったからこそです。▼
[ベレス]
その通りだよ。
自分も多くの想いに支えられ
命をつなぐことができたのだから。▼
こうして今、皆と話せているのも…
皆の尽力のおかげだよ。▼
[セリス]
私の中には聖戦士が活躍した時代から
受け継ぎ、磨かれ、未来へと
手渡されてきた力があります。▼
その力を次の世代に伝えるために
私は英雄として生きる義務を
担ったのかもしれません。▼
[クロム]
その力は、希望と言い換えることが
できるかもしれないな。▼
[セリス]
はい。受け継ぐべきは
争うための力ではなく
きっと未来を創るための力。▼
皆さんとの出会いもまた
未来を創るための力の一環だと
私は…そう感じています。▼

A

[クロム]
たしかに俺は、稀代の英雄たちと
肩を並べて戦うことができて
うれしい…と言った。▼
だが、それは
英雄としての誇りではない。▼
ともに未来を築く仲間たちと
出会えたことに感謝しているんだ。▼
[チキ]
私たちが成すべきことは
英雄として歴史に名を刻み
人々に讃えられることではない。▼
これから先、英雄を必要としない
平和な時代を作ることよ。▼
戦いは多くの命、未来を奪い
世界に悲しみを広げた。▼
[ベレス]
そして、その悲しみは…
アスク王国に広がりつつある。▼
[クロム]
神に等しい力がない限り
自分たちが辿ってきた過去は
変えることはできない。▼
だが…未来と運命は
まだ俺たちの手で変えられる。▼
[セリス]
父、シグルドが命をかけて
私たちの未来を拓こうとしたように…▼
今度は私たちが
未来を紡ぐ番なのですね。▼
[チキ]
私が数千年のときを重ねてきたのも
大いなる意思によるものかもしれないわね。▼
[ベレス]
たとえ神の意志があろうとなかろうと
自分たちはこうしてアスクの地に立ち
仲間とともに前を向いている。▼
[クロム]
この世界の未来は
まだ決まってはいない。▼
絆をつなぎ、未来を紡ぐ。
俺たちはそのために
この地に集まったと信じたい。▼
[セリス]
私も担います。
英雄として…生きる運命を。▼
[ベレス]
セリス皇子、いい顔になったね。
表情から、迷いが消えている。▼
お茶にでも誘って
進路を相談しようかと思ったけど
もうその必要はないみたいだね。▼
[セリス]
し、心配かけてすみませんでした。
ベレスさん!▼
[クロム]
俺たちは、自ら望んて
英雄になったわけではない。▼
しかし、英雄として生きることで
人々の道を拓くことができるのなら
幾多の想いを背負い、前に進む。▼
[チキ]
ええ。人々の未来を…
世界の明日を紡いでいくために。▼

覚醒せし正義 クロム

C

[クロム]
……▼
[フレデリク]
なんという…
なんという気高いお姿。▼
たとえ異界のクロム様であっても
栄達なされたお姿を拝聴でき
このフレデリクは果報者です!▼
[クロム]
だから、大げさと言っているだろう。
俺はただ、姉さんが遺してくれた
未来への道筋を引き継いだだけだ。▼
聖王の肩書きこそ戴いているが
中身はお前が知っている
クロムとそう変わらん。▼
[フラヴィア]
そうかい? 私は感じるよ。
あんたの王の器が
輝きはじめているのをさ。▼
[バジーリオ]
王としての度量。
人の上に立つものとして
多くの命を預かる責任…▼
そいつはちゃんと育っているんだよ。
お前さんの目を見りゃわかるぜ。▼
[リズ]
うんうん!
お兄ちゃんはわたしの自慢だよ!▼
[フレデリク]
この高みへ至るまでに
クロム様はさぞや多くの困難を
乗り越えられたのでしょう。▼
[クロム]
ああ。ここまでの道のりは
平坦なものではなかった。▼
だが、俺が聖王に即位したのは
決して俺自身の力ではない。▼
支えてくれた仲間たち、
俺を信じてくれたイーリスの民。▼
彼らの想いがあったからこそ、
邪竜ギムレーを滅ぼし、
戦いを終わらせることができた。▼
[フレデリク]
クロム様…▼
[バジーリオ]
確かに、聖王になっても
いい意味で中身はそのままだな。▼
[フラヴィア]
驕ることなくひたむきだ。
真っ直ぐなところは
変わっちゃいないね。▼
[リズ]
お兄ちゃんのままでいてくれて
わたしもうれしいな!▼

(暗転)
[ルキナ]
絶望を跳ね除け
希望をつかんだ異界のお父様。▼
未来への希望はつながっている。
お父様の存在が、それを証明している。▼
あきらめるのはまだ早い。
私たちの世界にも
必ず希望はあるはず…▼

B

[アズール]
ね、聞いた?
新しくやってきたクロム様。▼
ギムレーを打ち倒した
異界から来たんだって。▼
[ウード]
まさか…
この大いなる邂逅が指し示すのは
宵闇の果てに光なす未来との…▼
[ルキナ]
お父様がまとう
聖王の鎧には見覚えがあります。▼
けれど、
私たちの世界のお父様は
志半ばにして…▼
[ブレディ]
俺の母さんも、大切な人たちも…▼
[デジェル]
だけど、新たに召喚されたクロム様は
ギムレーに打ち勝ち、生き残った。▼
[セレナ]
それはつまり…
絶望に支配されていない世界の存在が
許されているということね。▼
[ノワール]
私たちの世界にも…
まだ希望が残っているってこと?▼
[シンシア]
きっとそうだよ!
クロム様の存在が
なによりの証拠じゃないかな!▼
[ンン]
だとすれば
私たちが元の世界に戻っても
希望をもって戦いに挑めるのです。▼
[ルキナ]
この世界で出会ったお父様が
私たちの…希望に…▼
[シンシア]
よかったぁ!
じゃあ、あたしたちの頑張りは
無駄じゃなかったんだね!▼
[シャンブレー]
だ、だけど、もし…
もしもの話だけど。▼
これが、ギムレーが仕組んだ
罠だとしたら?▼
[ブレディ]
あん? なんだよ罠って?▼
ギムレーに勝つことができた
未来が存在してるってのは
喜ばしい話じゃねえか。▼
[ジェローム]
わからないのか。
シャンブレーは
それこそが罠だと言っているのだ。▼
[ルキナ]
……▼

A

[アズール]
僕たちが希望を持つことが…
ギムレーの罠だってこと?▼
[シャンブレー]
うまく言えないけどさ…
あの姿のクロム様を見て
俺たちは安心したよな?▼
俺たちの未来もなんとかなるんだ。
俺たちの努力はきっと
報われるはずだって。▼
[ジェローム]
実際に戦ってもいないうちから
「今の私たちは勝てるはずだ」という
油断を植え付けられている…▼
[ンン]
油断というよりも
願望なのですが…▼
[ジェローム]
甘い未来をちらつかせ
成し得てもいない栄光に
私たちを酔わせる…▼
そこに生じた隙こそを
ギムレーは見逃さないだろう。▼
[ブレディ]
おいおい、いくらギムレーでも
そこまでやるか?▼
[ノワール]
で、でも、ギムレーは
予想を上回る悪辣な策略で
世界に絶望をもたらしてきた…▼
[ジェローム]
その通りだ。
奴ならやりかねない。▼
[セレナ]
怪しい可能性があるものは
全部疑ってかかったほうが
いいってこと?▼
[デジェル]
そうね…。ギムレーには
正々堂々という言葉が通用しないことを
忘れてはいけないわ。▼
[ルキナ]
でも…私は…
聖王の鎧をまとう
お父様を信じたい。▼
罠などではなく、私たちに
希望を運んできてくれる存在だと…
信じたいのです。▼
[クロム]
その通りだ、ルキナ。▼
[ルキナ]
……!? お父様!▼
[クロム]
俺はエクラの呼び声に
己の意思で応え
この世界にやってきた。▼
アスク王国とイーリスの未来を担う
お前たちに、希望を伝えるためにな。▼

S

[クロム]
俺の世界では
邪竜ギムレーは完全に消滅した。▼
ルフレが…あいつが、
自分の命を犠牲にして…
世界を救ってくれたんだ。▼
[ルキナ]
……!▼
[クロム]
だから、
俺は自分の意思で召喚に応じ
自身の意思で戦っている。▼
[シャンブレー]
じゃ、じゃあ、本当に
罠なんかじゃなかったんだ。
よかった、絶滅の危惧は遠のいた…▼
[ジェローム]
クロム様。あなたの存在を
罠と疑った不敬をお詫びいたします。▼
[クロム]
いや、
それくらいの注意深さがなければ
あの邪竜を倒せはしない。▼
戦うための力、時の運
そしてなにより
困難に屈しない強い意思。▼
そのすべてが揃っていないと
未来は拓けないと
覚えておいてほしい。▼
[ルキナ]
お父様たちはそのすべてを
手にしたことで
運命を変えることができたのですね。▼
[ンン]
私たちにもできるのでしょうか…▼
[セレナ]
できるのか、じゃなくて
やるしかないのよ。▼
[シンシア]
あたしはできると思うよ!
クロム様の立派な姿を見てると
なんだか力が湧いてくる!▼
[デジェル]
気を引き締めましょう。
私たちの戦いはこれからだから。▼
[ノワール]
悲しみのない明日を作るために…▼
[ブレディ]
ああ、やってやるぜ! 上等だ!▼
[クロム]
みなが油断せずに
これからの戦いに臨んでくれるだけでも
俺がこの世界に来た意味があった。▼
俺が手にした平和な世界を
今度はお前たち自身の手で
勝ち取ってほしい。▼
[ルキナ]
はい、必ず…!
私たちもお父様の異界に
続いてみせます!▼
[クロム]
俺たちが歩んで来た道は
決して平坦なものではなかった。▼
しかしこの道は
確実に未来に続いている。▼
その先を作っていくのは
ルキナ、お前たちだ。▼
運命に屈するな。運命を変えろ。
お前たちならそれができると
俺は信じているぞ!▼

神竜の目覚め チキ

C

[マルス]
ここを突破すれば
勝機は見える!
あと一息、みんな頑張ろう!▼
[チキ]
後ろは任せて。
私が支えるわ。▼
[ノノ]
ノノたちも頑張る!
ンンもお腹ペコペコだと思うけど
遅れずについてこー!▼
[ンン]
お腹が空いているのは
いつものことなのです。▼
お母さんも気を抜かずに
しっかり戦ってください。▼
[マルス]
……?
なにか様子が変だ。
みんな、警戒を!▼
この気配は…
しまった、伏兵か!?▼
[チキ]
危ない! お兄ちゃん!▼

(画面が光る)
[マルス]
助かったよ。
ありがとう、チキ。▼
[チキ]
大丈夫そうね。無事でよかった。▼
[マルス]
よし、態勢を立て直して
進軍再開だ。▼
[チキ]
ええ。
日が暮れる前に…
終わらせてしまいましょう。▼
[ノノ]
じーっ。▼
[ンン]
じーっ。▼
[チキ]
ンンにノノ…
なにかしら…その目は。▼
[ノノ]
お兄ちゃん?▼
[ンン]
確かに、チキさんがマルス王のことを
お兄ちゃんと言ってたです。
しっかりと聞いたのです。▼
[チキ]
……▼
[ノノ]
チキのほうが年上なのに
どうしてお兄ちゃんって呼んだの?▼
[チキ]
…寝ぼけていたのかも
しれないわね。▼
[ンン]
嘘なのです!
チキさんは寝ぼけてなんて
いなかったはずなのです!▼
[チキ]
今は戦いの最中。
そんなことを気にする
余裕はないはずよ。▼
さあ、私たちもマルスに
続きましょう。▼
[ンン]
……▼
どうしてチキさんは
マルス王のことを
お兄ちゃんと呼んだのでしょう。▼
うーん、気になるのです…▼

B

[チキ]
それで…
今日はなんの用かしら。▼
[ンン]
こないだ、チキさんはどうして
マルス王をお兄ちゃんと呼んだのか。
理由が知りたいのです。▼
[チキ]
……。
まだ忘れていなかったのね。▼
[ンン]
お母さんは忘れちゃってるかもですが
私は気になって
しかたがなかったのです!▼
[チキ]
だから、あれは…▼
[ンン]
寝ぼけていたというのは
ナシでお願いするのです!▼
[チキ]
……▼
そうね、数千年ぶりに
元気なマルスの姿を見て
少し調子が狂っただけ。▼
そんなところよ。理由なんて。▼
[ンン]
数千年ぶり…▼
私はまだ生まれて間もないので
数千年という時間が
想像がつかないのです。▼
永き時を生きてるチキさんにとって
数千年というのは
どれだけの意味があるのですか。▼
[チキ]
私たちマムクートは
人間と比べものにならないほどの
永き時を生き続ける。▼
数千年という時間も
マムクートの一生にとっては
ほんのわずかかもしれない。▼
[ンン]
……▼
[チキ]
だけど、人間たちにとって
数千年という時間は…▼
世界が何度も変わってしまうほどの
時間だと思うわ。▼
人間たちと関わりを持ってしまった
私にとっても…
それは決して短い時間ではない。▼
[ンン]
つまり、チキさんにとっても
数千年という時間は長かった…
ということですか?▼
[チキ]
そうね。
そういうことになるわ。▼
[ンン]
チキさんっ!▼
[チキ]
ど、どうしたの?
いきなり私の手を握って…▼
[ンン]
私、ようやく理解できたのです!▼
以前、チキさんが私に
話してくれたことは…
本当だったのですっ!▼

A

[ンン]
前に、チキさんは
私に話してくれたのです。▼
自分たちは長寿な一族ゆえ
人間たちと一緒に過ごす過程で
多くの別れを経験することになる、と。▼
[チキ]
そうね、覚えているわ。
そんな話をしたことがあったわね。▼
[ンン]
その話を聞いて…
私は寂しく思ったのです。▼
でもチキさんは
こうも言っていました。
残るのは別れの悲しさだけじゃない。▼
出会えた人々との
素晴らしい思い出は生き続けて
心の支えになってくれる…と。▼
[チキ]
……▼
[ンン]
その話を聞いたとき…
私にはよくわからなかったのです。▼
永き時間を経ても
思い出が自分を支えてくれるのか。▼
大切な人たちとの思い出は
本当に自分の中から消えないのか。
そのことが不安だったのです。▼
[チキ]
あなたは、若いからこそ
これから先に広がっている未来に
不安を感じていたのね。▼
[ンン]
ですが、チキさんがマルス王のことを
マルスお兄ちゃんと呼んだことで
わかりました。▼
マルス王と一緒に
チキさんが過ごした日々のことは
ずっと残っているのですね。▼
[チキ]
そうね、その通りよ。▼
幼かった私がマルスたちと
一緒に過ごしたあの日々は…。▼
私の中で宝石のように輝いて
今も息づいているわ。▼
[ンン]
チキさん…。▼
どんなに時が経とうとも
大切な人との出会いと思い出は
決して色褪せない。▼
あのとき、チキさんが
私に伝えたかったのは
そういうことだったのですね。▼
[チキ]
ンン、確かに私たちは
永き時を生きる一族よ。▼
だからといって
無駄に過ごしていい時間などないわ。▼
そのときその瞬間を一生懸命に生きて
人々との出会いを胸に刻み
ともに未来へと歩んでいく。▼
一日一日を、大切に生きなさい。
その積み重ねこそが、あなたに
大切な思い出を残していくのだから。▼
[ンン]
はい!▼

S

[マルス]
チキ、先日の戦いでは
助けられたね。▼
[チキ]
無事でなによりよ。
ケガ人が出なくてよかった。▼
[マルス]
でも、なんだか不思議だ。
昔はチキと話すとき
目線が下に向いていたんだけど…▼
[チキ]
長い時が経ったんだもの。
背だって伸びるわ。▼
[マルス]
うれしかったよ。
まだ、僕のことを
お兄ちゃんと呼んでくれて。▼
[チキ]
あ、あれはその…っ!▼
…あなたまで
その話を覚えているなんて。▼
[マルス]
クロムやルキナたちからも聞いたよ。
君は数千年後の世界でも
人間に力を貸してくれたんだね。▼
僕たちが守ろうとした世界を
時を超えて守ってくれてありがとう。▼
[チキ]
私は、ただ幼い日に感じた
温かい光を守りたかっただけ。▼
あなたたちと過ごした
あの日々があったから…▼
私は道を見失うことなく
永い時を
過ごせたのかもしれないわ。▼
[マルス]
僕たちと過ごした時間は
チキには一瞬だったかもしれない。▼
だけど、僕たちの平和への想いは
チキが未来へと連れていってくれた。▼
ありがとう、チキ。
僕は君と過ごせた時間を
とても誇りに思うよ。▼
[チキ]
礼をいうのは私のほうよ。▼
…私にとってあなたはいつまでも
お兄ちゃんかもしれないわ。▼
[マルス]
え…? なにか言ったかい?▼
[チキ]
ふふっ…なんでもないわ。▼

父の志を追って セリス

C

[セリス]
せいっ! はっ!▼
この聖剣ティルフィングを
輝かせるためには…
まだまだ修練が足りない! はあっ!▼
[フィヨルム]
……▼
[セリス]

フィヨルム王女…
私になにか御用ですか?▼
[フィヨルム]
す、すみません。▼
朝からずっと熱のこもった
訓練を続けられていたご様子でしたので
つい心配になって…▼
[セリス]
お気遣いありがとうございます。
ですが、まだまだ足りないのです。▼
[フィヨルム]
足りない…とは?▼
[セリス]
アスク王国に召喚された
偉大な英雄の方々…▼
クロム王、ベレスさん、チキ様…
皆さんに比べると
私は経験も技量も未熟。▼
[フィヨルム]
そんな。私から見れば
セリス皇子も輝かしい英雄です。▼
[セリス]
そう言っていただけると
励みになります。▼
[フィヨルム]
……▼
[セリス]
フィヨルム王女、
どうかなさいました?▼
[フィヨルム]
し、失礼しました。
セリス皇子の装束は…お父上
シグルド公のものと似ている気がします。▼
[セリス]
その通りです、フィヨルム王女。▼
父は亡くなったとき
グランベルに対する反逆者の
汚名を着せられていました。▼
ですが、シアルフィの民は父を信じ
私に未来を託してくれたのです。▼
この装束を私に届けてくれたこと。
それが…なによりの証拠だと思います。▼
[フィヨルム]
とても大切な装束なのですね。▼
[セリス]
ええ。この装束は私にとって
特別な重さを持っているのです…▼

B

[フィヨルム]
セリス皇子!
今日も訓練、お疲れ様です。▼
[セリス]
ごきげんよう、フィヨルム王女。▼
[シャナン]
今日はフィヨルム王女だけではない。
私も一緒だ。▼
[セリス]
シャナン!▼
アスク王国でも
武勇を響かせていると
アンナ隊長から伺いました。▼
あなたとともに
戦えるのなら、こんなに
心強いことはありません。▼
[シャナン]
私はすべきことをしているだけだ。
イザークの民のために
剣を振るっていたときと同じようにな。▼
[フィヨルム]
シャナン王子はセリス皇子の
剣の師匠…なのですよね?▼
[セリス]
教えを受けたのは
剣だけではありません。▼
人としての生き方
私が担うべき責任の重さ…
あらゆることを教えてくれました。▼
シャナンは幼い私を導き、守り
育て上げてくれた恩人なのです。▼
[シャナン]
シグルド公とディアドラ様の
ご恩に報いたい…
私はそう、あり続けたまでだ。▼
…ところでセリス。
その装束、ようやく袖を通す
決心をしたのだな。▼
[セリス]
…はい。▼
[フィヨルム]
あ、あの…もしよろしければ
お父上の装束に袖を通された理由を
お聞かせいただけないでしょうか?▼
[セリス]
…わかりました。
私自身の決意を振り返る意味も込めて
お話ししましょう。▼

A

[セリス]
私にとって、父が遺した
この装束をまとうということは
大変重い意味がありました。▼
生きていた頃の父を知る
グランベル領下の民に
この姿を見せることは…▼
私が父の遺志を継ぎ、聖戦士として
同じ未来へと歩きはじめた決意を
示すことに…ほかありません。▼
[シャナン]
……▼
[セリス]
父は多くの民に愛され
信頼されていました。▼
ですが、果たして私に
父の遺志を継ぐだけの器があるのか。▼
そして、父に恥じない
生き方ができているのか?▼
そのことが、私に…
この装束に袖を通すことを
ためらわせていたのです。▼
[フィヨルム]
ですが今、その装束に
袖を通されたということは…▼
セリス皇子が
お父上のご遺志を継ぐ覚悟ができた…
ということでしょうか?▼
[セリス]
そう…ですね。▼
手探りながらも、自分の中に
以前にはなかった感情が
生まれたのだと思います。▼
今の自分は父の遺志とともに
歩んでいるのだという、覚悟が。▼
[フィヨルム]
セリス皇子も
すでにご存知かと思いますが…▼
アスク王国には、生前のお父上
シグルド公もいらっしゃいます。▼
まだお会いになっていないのでしたら、
一度、言葉を交わしてみては
いかがでしょうか?▼
[セリス]
…父と言葉を交わして
そのうえで私の歩むべき道を
示してほしいという気持ちはあります。▼
ですが、民は私になにを望み
私はなにをすべきなのか。▼
それを自分自身で見極めなければ
意味がないと思うのです。▼
[シャナン]
なるほどな。それが
おまえの英雄としてのあり方か。▼
[セリス]
アスク王国での戦いがすべて終わり
平和になったそのときこそ…
私は父上、母上と言葉を交わしてみたい。▼
そのときが来るのを信じて
私は前に進もうと思います。▼

S

[シグルド]
…そうか。
セリスがそのようなことを。▼
[シャナン]
アスク王国に平和が訪れたときに
シグルド様、ディアドラ様と
言葉を交わしたい、と。▼
[シグルド]
わが子の成長を喜ばぬ親はいない。
シャナン、感謝する。
セリスを立派に導き、育ててくれたな。▼
[シャナン]
いえ、私はきっかけを作ったまで。▼
今のセリスは自らの足で立ち
聖戦士の血とともに
未来に向けて歩んでいます。▼
シグルド様の想いは光を伴い
受け継がれているのですから。▼
[シグルド]
私たちがユグドラルの地を
駆け抜けた時間は…
ほんの一瞬だったかもしれない。▼
しかし、想いは潰えることなく
未来へと引き継がれていく。▼
[シャナン]
はい。自分も同じ気持ちです。▼
[シグルド]
成長したわが子と言葉を
交わせるその日が来るまで
私も全力で駆け抜けよう。▼
このアスクの地に
平和を取り戻すために。▼

(暗転)
[セリス]
せいっ! はぁぁっ!▼
父上、母上…
そして大切な人たち。▼
見ていてください。
私は期待に応えてみせます。▼
形だけでなく
中身も伴う人間になれるように。▼
ティルフィングを振るうに
ふさわしい、英雄になれるように。▼
私は、光とともに歩んでいきます。
この装束に…誓って!▼

覇天顕照 ベレス

C

[ベレス]
……。▼
[ソティス]
なんじゃなんじゃ。
その不満そうな顔は。▼
実体を得たわしと
こうして対面できたというのに
感動が足りないのではないか?▼
[ベレス]
感動以前に…その。
いろいろと戸惑うことが多くて。▼
[ソティス]
ふふん、さすがのおぬしも
見ず知らずの異界に飛ばされては
不安を覚えるというものじゃな。▼
[ベレス]
いや、それは別に。
もともと傭兵としてあちこち回っていたし
ここも戦場のひとつと思えば。▼
[ソティス]
雑な割り切り方じゃのう。
なら、なにが不満なんじゃ?▼
[ベレス]
ひとつは…この地にも
ガルグ=マクの生徒たちが
召喚されていること。▼
彼らはまだ成長の途中だから
心身に負担をかけずに
戦えているのか心配だよ。▼
[ソティス]
ふむ…かつて教鞭を揮った者としては
当然の心配じゃな。▼
安心せい。今のところ
犠牲者は出ておらんようじゃ。▼
[ベレス]
それはよかった。▼
次はその…
この装束のことなんだけど。▼
[ソティス]
む? せっかくわしとお揃いの
装束を用意してやったというのに
なんぞ不服があるのか?▼
[ベレス]
もう少し、胸のあたりの布地を
増やせなかったのだろうか。▼
[ソティス]
わしは普通に着こなせておる!
おぬしが装束に
体型を合わせるといいのじゃ!▼
[ベレス]
無茶を言うね…。
そして…これが一番
戸惑っていることなのだけど。▼
どうしてアスク王国にいるソティスは
実体を持っているの?▼
[ソティス]
ふむ。
フォドラでは、最初におぬしと
まみえたのは夢と現の狭間じゃったな。▼
[ベレス]
そのあとはいつもすぐ側にいて
心に直接語りかけてきていたね。▼
[ソティス]
確かに、わしはすでに滅びを迎えた存在。
ここにいるようでいて
おらぬのかもしれぬ。▼
わしもどうしてこの世界で
実体を得ることができたのか
わからぬのじゃ。▼
[ベレス]
……▼
[ソティス]
もしかすると、わしは夢を見ているだけ。
おぬしは、その夢に巻き込まれて
いるのかもしれぬぞ。▼
[ベレス]
神祖が見る夢か。
ところで【はじまりのもの】たる神祖が
そう簡単に姿を見せて大丈夫なの?▼
[ソティス]
別に騒ぎにはなっておらぬし
殊更に気にする必要もなかろう?▼
わしの本性を感じているものも
おるようじゃが…。
ま、今は問題なかろう。▼
[ベレス]
……▼

B

[ベレス]
……▼

(暗転)
[ソティス]
『もしかすると、わしは夢を見ているだけ。
おぬしは、その夢に巻き込まれて
いるのかもしれぬぞ』▼

(暗転)
[ベレス]
神祖が見る夢…▼
もし、それが本当だとしたら
このアスク王国も
ソティスが作り出した夢…▼
[ルピナス]
むにゃむにゃ…んんん?
なんだか
難しい顔をされてますねぇ…。▼
[ベレス]
……!?
その羽は…妖精?▼
[ルピナス]
あなたはえっとぉ…
最近やってきた
ベレス先生ですねぇ。▼
わたしは夢の国アルフから来た
ルピナスと言います。
よろしくぅ…。▼
[ベレス]
ヴァイス・ブレイヴには
妖精の英雄もいるんだね。
よろしく、ルピナス。▼
[ルピナス]
あれぇ? 先生が着ている
その装束、見覚えがあるような…▼
お城でときどき見かける
不思議な力を持った女の子の
服に似ているような…▼
[ベレス]
…なるほどね。▼
ソティスは神祖ではなく
不思議な力を持った
子どもと思われているのか…▼
[ルピナス]

ベレス先生。
なにかお悩みですかぁ…?▼
わたしでよければ
お話を聞きますよぉ。▼
[ベレス]
悩みというか、その…▼
今まで心の中にいたものが
目に見える存在になって
正直、戸惑っているんだ。▼
[ルピナス]
心の中にいたものが
実際に見えるように?▼
ふむー、ふむふむ…。
それはきっと戸惑いますよねぇ…。▼
[ベレス]
要領を得ない説明ですまないね。▼
[ルピナス]
詳しいことはわかりませんが
お話してくれて、ありがとうございますぅ。▼
[ベレス]
……▼

A

[ルピナス]
目に見えるものだけが…
世界のすべてではありませんよねぇ…。▼
[ベレス]
……▼
[ルピナス]
心の中にあるいろいろな気持ち。
思いやりや勇気に好奇心…
そういうものって目に見えませんよねぇ…。▼
でも、目に見えない気持ちは
ときには行動を伴って
現実のものになることもある…▼
ベレス先生が目にしたのは
そういったものなのかも…?▼
[ベレス]
目に見えるものだけが
世界のすべてではない、とは?▼
[ルピナス]
え~とぉ、人間が寝ているときに見る夢も
そのひとつではないでしょうか?▼
目で見たことではなくても
夢の内容は覚えていますよねぇ?▼
[ベレス]
では、もしもの話だけど…▼
この世界自体が
誰かが見ている夢だとしたら
それを証明する手立てがあるのだろうか。▼
[ルピナス]
わたしたちが生きるこの世界が
誰かの見ている夢…?▼
もしこの世界が
誰かが見ている夢にしてもぉ…▼
わたしはスヤスヤ眠って
みんなに温かい夢を見せるだけ。
やることは同じですぅ…▼
[ベレス]
……▼
[ルピナス]
もちろん、ベレス先生も
目の前に困っている生徒さんがいたら
手をさし延べますよねぇ?▼
現実の世界ならもちろん
ここが夢の世界でも…。▼
[ベレス]
それはそうだね。▼
[ルピナス]
難しいことはわかりませんけど
それでいいと思いますぅ…。▼
[ベレス]
……。
ここが夢の世界であろうと
なかろうと…か。▼

S

[ソティス]
むにゃむにゃ…
大乱闘に参加するのじゃ~。▼
[ベレス]
……▼
[ソティス]
むぅ…なんじゃおぬし
そこにおったのか。▼
また小難しい顔をしおって
装束への苦情は受け付けぬぞ?▼
[ベレス]
そうじゃないよ。
考えていることがあって。▼
ソティスは一度…
自分の存在を世界につなぎとめるため
消滅した。▼
その時点で自分は
君を感じられなくなった。
繋がりはすべてを失ったと思っていたんだ。▼
[ソティス]
…そんなこともあったのう。▼
[ベレス]
だけど、今のソティスは肉体を持ち
意思を持って行動している。▼
自分と共にある神ではなく
一人の英雄として
アスクの地に立っている。▼
経緯はどうあれ、この状況を
受け入れようと思う。▼
[ソティス]
それがいいじゃろう。
昔から言うではないか。
下手の考え休むに似たり、とな。▼
[ベレス]
前にソティスは言ったよね。
この世界は…
自分が見ている夢ではないか、と。▼
[ソティス]
……▼
[ベレス]
それならそれでいいかなって。
けれど、夢だろうと何だろうと
自分が成すべきことは見えている。▼
目の前に、平和を望む人々と
前に進もうとする生徒がいるなら
それを支えるだけだって。▼
[ソティス]
この世界にわしらがたどり着いたのも
運命が紡いだ、よすがのひとつ。▼
わしが実体を伴っておぬしの前にいるのも
何らかの意味があるのじゃろう。▼
[ベレス]
もしかするとソティスが実体を持つことで
この世界でも新しい絆が
つながっていくのかもしれない。▼
[ソティス]
それはそうじゃな!
このようにかわいらしいわしを
世界は放っておくまいよ!▼
[ベレス]
……▼
[ソティス]
むっ! おぬし今、目をそらしたな!?
不敵じゃぞ! 不敬の極みじゃぞ!▼
[ベレス]
自分も、この世界に召喚された
意味を見つけてみようと思う。
目に映らない希望を形にできるように。▼
[ソティス]
おーいっ! おぬし一人で
いい感じにまとめるでない!
だいたい、おぬしはいつも……▼

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Last-modified: 2023-10-18 (水) 19:09:01
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