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章別会話
未来照らす光明†
未来照らす光明†
オープニング†
- [オージェ]
- ボールスさん
こちらにいらしたのですか。▼
- [ボールス]
- おお、オージェも来たのか。
城から見る
アスクの城下町は圧巻だな。▼
- [オージェ]
- ここからの眺め、おれも好きです。
城下町もですが、このアスク城も
ずいぶんと大きいですよね。▼
- [ボールス]
- 荘厳な謁見の間をはじめ
訓練場や大食堂、広い厩舎…
圧倒されるとはこのことだ。▼
数多の英雄が集う地とは聞いたが
このアスク王国は
異界が交わる場所にふさわしいな。▼
- [オージェ]
- 偉大な英雄たちに負けぬよう
おれも研鑽を積んで
強くなるつもりです。▼
- [ボールス]
- ふふっ、その意気だ。
私も負けてはいられんな。▼
- [オージェ]
- まずは城内を散策して
要所を把握しておこうと思います。▼
- [ボールス]
- うむ。我らオスティア重騎士団の
真髄は鉄壁の守りにあり。▼
重要な場所を覚えておくのは
初歩の初歩だ。私も付き合おう。▼
- (暗転)
- [オージェ]
- それにしても広いお城ですね。▼
- [ボールス]
- ただ広いだけではない。
攻めにくく守りやすい造り。
実に見事だ。▼
む…?
あそこにいらっしゃるのは
リリーナ様とエルフィンどの。▼
- [リリーナ]
- あら、ボールスとオージェじゃない。
二人でお城の探索かしら?▼
- [ボールス]
- ええ、そんなところです。
いざというときに迷子にでもなったら
リリーナ様をお守りできませんからな。▼
- [リリーナ]
- ありがとう、ボールス。
わたしもあまり心配されないように
もっと魔道の腕を磨かなくっちゃ!▼
- [ボールス]
- はは、頼もしい限りですな。▼
- [エルフィン]
- 私はリリーナ様が新たに手にされた
魔道書を拝見しておりました。▼
この魔道書が特筆すべきものであることは
吟遊詩人の私にさえ理解できます。▼
魔道に秀でたリリーナ様なら
この書の真髄を引き出せることでしょう。▼
- [オージェ]
- 私もそう思います。
努力家のリリーナ様なら、必ず。▼
- [リリーナ]
- どうかしら。努力はしているけど
実を結ぶかどうかはまた別の話よ。▼
実際に戦場に出る前に
どこかで力を試せればいいんだけど…。▼
- [ボールス]
- それでは訓練場はいかがでしょう。
設備も整っておりましたので…。▼
- [リリーナ]
- そうだわ! わたしたちで
模擬戦をするのはどうかしら?▼
- [ボールス]
- ……!?
も、模擬戦?
リリーナ様と…ですか?▼
- [リリーナ]
- ええ、そうよ。▼
- [オージェ]
- そっ、そんな! 無理ですよ!
お守りする立場にある我々が
リリーナ様と戦うだなんて!?▼
- [リリーナ]
- 大丈夫よ、模擬戦なんだから。▼
- [ボールス]
- …と言われましても
万が一、リリーナ様に
おケガをさせるようなことがあれば…。▼
- [リリーナ]
- だからといって手加減されたら
模擬戦の意味はないわ。
本気で戦ってほしいの。▼
- [ボールス]
- うーむ。エルフィンどのは
どのようにお考えか?▼
- [エルフィン]
- 私はリリーナ様に賛成です。▼
ヴァイス・ブレイヴには優秀な
癒し手もたくさんいると聞きます。
万が一のときは助力を願いましょう。▼
- [リリーナ]
- ふふっ、リキア同盟軍が誇る
軍師様のお墨付きも出たことだし
さっそく準備に取り掛かりましょう!▼
- [エルフィン]
- 模擬戦にあたり
こちらの修練の塔を使えるよう
手配しておきました。▼
勝利条件は
互いの陣営に立てた旗を折るか
相手を降参させるかのいずれかです。▼
陣営の組分けはリリーナ様と私。
そして、ボールスさんとオージェさんの
二組に分かれておこなうこととします。▼
- [オージェ]
- ちょ、ちょっと待ってくださいよ!
オスティア重騎士団のおれたちが揃って
リリーナ様と戦うのですか?▼
- [エルフィン]
- ええ、そういうことになりますね。
同じ重騎士団に所属するあなた方には
これまでに培ってきた連携もあるでしょう?▼
- [オージェ]
- それはまあ、そうですけど…。▼
- [ボールス]
- こうなっては仕方あるまい。
我々の練度を試す機会でもある。
覚悟を決めようではないか。▼
- [リリーナ]
- じゃあ、さっそくお互いの陣地に戻って
作戦を立てましょう。▼
- (暗転)
- [リリーナ]
- オージェはまだ新人だけど、
ボールスはオスティア重騎士団として
数々の功績を上げてきた強者。▼
この戦い、そう簡単には勝てないわ。
下手な小細工をせずに
持てる力のすべてを使わないと…。▼
- [エルフィン]
- リリーナ様は搦め手よりも
真っ向勝負を望まれているご様子。▼
模擬戦をご提案なされたことと
なにか関係がおありでしょうか?▼
- [リリーナ]
- そうね…簡単に言えば
今の自分にどれだけの力があるのか
それを知りたいという気持ちかしら。▼
アスク王国には
エレブ大陸から召喚された
英雄がたくさんいるわよね?▼
- [エルフィン]
- はい。存じております。▼
私たちが生きていた時代のみならず
遥かな過去から召喚された
大英雄も名を連ねていると…。▼
- [リリーナ]
- わたし…この国で
亡くなられたお父様や、若き日の
エリウッドおじさまとお会いしたの。▼
それで思ったの。
成長したわたしの姿を
お二人にお見せしたいって。▼
- [エルフィン]
- そうでしたか。ひとり立ちされた
リリーナ様をご覧になれば
さぞお喜びになられることでしょう。▼
- [リリーナ]
- だから、自分がどれだけ
成長したか知りたくて
模擬戦を提案したんだけど…▼
ボールスとオージェは
あまり乗り気じゃなかったみたい。▼
- [エルフィン]
- ならばまず、ボールスさんとオージェさんに
成長なされたリリーナ様のお力を
お見せすることにいたしましょう。▼
彼らなら、きっと心得ているはずです。
リリーナ様のため、自分たちが
どう振る舞うべきかということを。▼
- [オージェ]
- まさかリリーナ様と
戦うことになるなんて…。
おケガをさせないか心配です。▼
- [ボールス]
- どうだろうな。向こうには
軍師のエルフィンどのがいる。▼
ケガの心配が必要なのは
我らかもしれんぞ?▼
- [オージェ]
- リリーナ様の魔道の
実力も十分存じています。
一筋縄ではいかないでしょう。▼
ですが、もしおれの剣で
リリーナ様に傷を負わせでもしたら…
そう考えると不安で仕方なくって。▼
- [ボールス]
- オージェ、きみは負けたときも
リリーナ様の身を案じていたゆえ
本気を出せなかったと言うつもりか?▼
- [オージェ]
- そ、それは…。▼
- [ボールス]
- 我々が手を抜いたところで
なにが得られるというのだ。▼
互いに全力を尽くすからこそ
リリーナ様のさらなる
成長に繋がるはずだろう。▼
- [オージェ]
- そう…ですよね。リリーナ様が
おれたちになにを望まれているのか
ちゃんと考えていませんでした…。▼
- [ボールス]
- これも家臣の務めだ。
気合を入れろ、オージェ!▼
- [オージェ]
- はいっ!!
リリーナ様のために
全力で剣を振るいます!▼
- (白く光る)
- [ボールス]
- 来た! 模擬戦開始の合図だ。
我らオスティア重騎士団を相手に
正面切っての攻めはあるまい。▼
まずは守りを固めて様子を窺う。
いつも通りにフォローを頼むぞ!▼
- [オージェ]
- ま、任せてください!▼
- [ボールス]
- リリーナ様の魔道に加えて
エルフィンどのの策か…
さあ、どう出てくる?▼
- [オージェ]
- ボールスさん!?
あの青い鳥はエルフィンさんの…。▼
- [エルフィン]
- 今です、リリーナ様。▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- 真っ向勝負で行くわよ!
やあっ!!▼
- (白く光る)
- [ボールス]
- なっ!?
まさか正面から
攻めて来られたというのか?▼
- [リリーナ]
- えいっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- 業火よ、燃え盛れ!
それっ!!▼
- (白く光る)
- [ボールス]
- くっ! 守りを得意とする我々が
こうも押し込まれるとは…。▼
だが! ここをしのげば
一気に敵陣まで攻め込める!
踏ん張りどころだぞ、オージェ!▼
- [オージェ]
- はい! リリーナ様の本気が伝わりました。
ならばこちらも、遠慮はしません!
はぁぁっ!▼
- [エルフィン]
- 剣に迷いがなくなった…
リリーナ様、ご注意を!▼
- [リリーナ]
- ええ! ここで引いたら
お父様やエリウッドおじさまに
成長したわたしを見せられない!▼
今まで学んできたすべてを
ぶつけるつもりでいきます!▼
- [ボールス]
- むうっ!? この気迫!
あのリリーナ様がこれほどまでに!▼
- [オージェ]
- ダ、ダメだ! 後手に回ってばかりで
リリーナ様の魔道に対処できない!!▼
- [エルフィン]
- 連携にわずかなほころびが…
好機です、リリーナ様!▼
- [リリーナ]
- 任せて! そこっ!▼
- (白く光る)
- [ボールス]
- ぬ…!? し、しまった…!▼
- [リリーナ]
- 折った! 旗を折ったわ!
わたしたちの勝ちよ!!▼
- [エルフィン]
- お見事です、リリーナ様。▼
- [リリーナ]
- ありがとう、エルフィン。
あなたが補佐してくれたおかげね。▼
- [ボールス]
- いやはや…これは完敗ですな。▼
- [リリーナ]
- ボールスとオージェもありがとう。
戦ってくれてうれしかったわ!▼
- [オージェ]
- リリーナ様の身を案じておきながら
この体たらく…不甲斐ない限りです。▼
- [エルフィン]
- そんなことはありませんよ。▼
守りに秀でるあなた方が
正面からの攻めはない、と
考えるのは当然なこと。▼
我々はその考えを逆手に取って
正面攻撃をかけたのです。▼
奇襲とも言える攻撃でも
二人はしのぎ切ろうとした。
さすがの一言です。▼
- [リリーナ]
- ええ、その通りだわ。
こちらの奇襲が成功したのに
攻めあぐねてしまったもの。▼
さすがはオスティアが誇る重騎士団ね。
見事な連携だったわ。▼
- [ボールス]
- ありがたいお言葉…
このボールス、今後も精進して参ります。▼
- [オージェ]
- わ、私も同様でございます!
この剣、オスティア重騎士団の…
リリーナ様の名に恥じぬよう…。▼
- [リリーナ]
- ふふっ!
そんなに畏まらないでって
いつも言ってるでしょ?▼
- [ボールス]
- はっはっは、オージェ!
いつも以上にガチガチではないか!▼
- [エルフィン]
- 堅牢な守りで知られるオスティア重騎士団。
リリーナ様のご成長とともに
その結束がより固まりましたね。▼
私もこの世界で学んだことを活かし
成長していきたいものです。▼
- [リリーナ]
- ともに強くなりましょう。
アスク王国やリキア同盟の未来を照らす
光明になれるように!▼
オスティアの新人 オージェ†
- [オージェ]
- はあ…、アスク王国での戦い、
想像していたよりも厳しいな。▼
名だたる英雄が揃っていても
戦いが終わらない理由が
わかった気がする。▼
今は少しでも経験を積んで
早くヴァイス・ブレイヴの
力にならなくては…。▼
- [???]
- きゃあっ!▼
- [オージェ]
- あれは…!? 危ないっ!!▼
- (白く光る)
- [オージェ]
- 大丈夫だったかい?
敵は追い払ったから安心して!▼
- [ユルグ]
- う、うん…ありがとう。
はー、びっくりしたー!▼
- [オージェ]
- ヴァイス・ブレイヴには
きみのような歳の子もいるんだね。
ずっと一人でいたのかい?▼
- [ユルグ]
- ううん、違うよ。
さっきまで姉様と一緒だったんだけど…
あっ、フィヨルム姉様!▼
- [フィヨルム]
- やっと見つけた、ユルグ!
離れないでと言ったでしょう?▼
- [ユルグ]
- 仕方ないよー。
敵があちこちにいるんだもん。▼
それにね、この人が
助けてくれたから大丈夫だよ!▼
- [フィヨルム]
- そうだったのですね!
妹を守ってくださり
ありがとうございました。▼
- [オージェ]
- たいしたことはしていませんよ。
おれは、たまたま近くの
敵を追い払っただけですから。▼
- [フィヨルム]
- ユルグ、あなたの役目は後方支援。
深追いしてはダメだと言いましたよね?▼
- [ユルグ]
- わたしは大丈夫だって!
フィヨルム姉様こそ
無理しちゃダメだよ。▼
あ! 肩のところ、少しケガしてるよ。
はい、これ。すごく利く傷薬。
ミドリコちゃんからもらったんだ!▼
- [フィヨルム]
- ありがとう、ユルグ。
使わせてもらいますね。▼
- [オージェ]
- お互いを思いやる、よい姉妹ですね。▼
- [フィヨルム]
- すみません、お恥ずかしいところを…。▼
それじゃあユルグ。
お互いに無茶しないこと。
それでいいですね?▼
- [ユルグ]
- はいっ、姉様!▼
- [フィヨルム]
- オージェさん!
先日は妹を助けてくださり
本当にありがとうございました。▼
- [オージェ]
- こ、これはフィヨルム王女!▼
おれ…わ、私のほうこそ
ニフル王国の王女とは知らず
とんだご無礼をいたしました!▼
- [フィヨルム]
- そんなに畏まらないでください。
同じヴァイス・ブレイヴの
仲間ではありませんか。▼
- [オージェ]
- そう言っていただけますと…
ご配慮に感謝いたします。▼
- [フィヨルム]
- 感謝するのは私たちのほうです。
あなたはユルグの命の恩人です。▼
妹の身になにかあったらと思うと…
考えるだけでも恐ろしいことです。▼
- [オージェ]
- そう…ですね。そのお気持ちは
私にも痛いほどわかります。▼
- [フィヨルム]
- もしかして、オージェさんにも
ごきょうだいがいらっしゃるのですか?▼
- [オージェ]
- ええ。故郷の村で
弟たちが暮らしています。▼
- [フィヨルム]
- 故郷の村…
たしかオージェさんはエレブ大陸の
オスティア領からいらしたのですよね?▼
- [オージェ]
- はい。故郷は片田舎にある
小さな…貧しい村です。▼
私がまだ小さい頃には
弟のほかに妹もいたのですが…
……。▼
- [フィヨルム]
- すみません…。
妹さんのことで
お辛いことがあったのですね…。▼
- [オージェ]
- いえ、辛い思いをしたのは
私ではありません。▼
きっと妹のほうが…
私の何倍も辛かったと思います。▼
- [フィヨルム]
- ……▼
- [フィヨルム]
- あの…もしよろしければ
なにがあったのか…
伺ってもよろしいでしょうか?▼
- [オージェ]
- ……。▼
この場にいらっしゃるのが
フィヨルム王女だけでよかった。▼
これからお話しすることは
ユルグ王女にお聞かせするのは
酷だと思いますので…。▼
- [フィヨルム]
- ……。▼
- [オージェ]
- 先ほどもお話ししたとおり
私の故郷はとても貧しい村でした。▼
飢えと隣り合わせで
日々食べるだけでも大変で…。▼
それでもまだ
男に生まれれば働き手として
村に残しておくことができました。▼
ですが、女の子となると
そういうわけにもいかず…。▼
- [フィヨルム]
- ……。▼
- [オージェ]
- それは我が家でも
例外ではありませんでした。▼
妹と別れた日のことは
今でもよく覚えています。▼
ある日、両親は妹を
村から離れた遠い町に連れていき
そこに置き去りにしたのです…。▼
- [フィヨルム]
- ……!?▼
- [オージェ]
- 両親のせめてもの心遣いか
妹はいい服を着ていました。▼
これまで着たこともない…
華やかで、愛らしい服を。▼
これから自分の身に
なにが起こるかもわからず
うれしそうにしていた妹の顔は…。▼
今でも私の記憶に
しっかりと焼きついています。
それが妹を見た最後になりました。▼
- [フィヨルム]
- そんな…ことが…。▼
- [オージェ]
- あの日以来、妹とは離ればなれ。
どこでなにをしているのかも
今はわかりません。▼
妹がいなくなってから
両親がすすり泣く声を
何度も聞きました。▼
きっと両親の心にも
とてつもなく大きな悲しみが
残ったのでしょう。▼
- [フィヨルム]
- 苦渋の決断という言葉では
済ますことができない
深い悲しみを…感じます。▼
- [オージェ]
- 私がこうして命を繋げたのは
妹を犠牲にした…結果です。▼
あの日、最後に見た
妹の笑顔を思い出すたびに…
今も私はやりきれない気持ちになるのです。▼
- [フィヨルム]
- こんにちは、オージェさん。▼
- [ユルグ]
- こんにちはーっ!▼
- [オージェ]
- フィヨルム王女にユルグ王女…
お揃いでいったい?▼
- [ユルグ]
- あのね、あのね。
元気出してね、オージェさん。▼
- [オージェ]
- えっ? あ、あの…
もしかしてフィヨルム王女…。▼
- [フィヨルム]
- はい。先日お伺いしたお話…
ユルグに話しました。▼
- [オージェ]
- そ、そうでしたか…。▼
- [フィヨルム]
- 私たちはニフルの王族として
何不自由のない生活を送ってきました。▼
ですが、ニフル王国にも
私たちの目の届かぬところで
辛い思いをした民がいたと思うのです。▼
- [オージェ]
- ……。▼
- [フィヨルム]
- オージェさんの話は
耳を塞ぎたくなるようなものでした。▼
ですが、民の生活を預かる者として
耳を塞いではいけない…
そう思いました。▼
- [オージェ]
- フィヨルム王女…。▼
- [ユルグ]
- 私もおおきくなったら
兄様や姉様のお手伝いをするから!▼
そのときにかなしい思いをする人が
いなくなるように
いっしょうけんめいがんばるから!▼
- [オージェ]
- ユルグ王女まで…。▼
私は家族を飢えさせたくない一心で
傭兵になり、剣を握りました。▼
ですが、戦わずとも
平和な世の中で皆が飢えずに暮らせるなら
それ以上、望むことはありません。▼
- [フィヨルム]
- はい。私が目指すのも
アスク王国が目指しているのも
そんな世の中だと思います。▼
- [ユルグ]
- オージェさんにやくそくするよ!
ニフル王国をりっぱな国にするからね!▼
- [オージェ]
- お二人ならきっとよい国を
お造りになられることでしょう。▼
不思議ですね…異界の王族の方々が
離れ離れになった私の妹のことを
心に留め置いてくださるなんて。▼
- [フィヨルム]
- オージェさんが聞かせてくれたお話
絶対に忘れません。▼
- [オージェ]
- 今の私には妹がどこかで
幸せに暮らしていることを
祈るしかできませんが…。▼
悲しみのない世の中が作れるのなら
私の剣も役立ってほしい…
そう、思うのです。▼
真実を見る者 エルフィン†
- [エルフィン]
- ふむ、このあたりにはまだ
敵の気配が残っていますね…。▼
とはいえ、その数はわずか。
クレインの後続部隊が到着すれば
我が軍の勝利は動かないでしょう。▼
- (赤く光る)
- [エルフィン]
- …っ…!?
こんなときに…目が…
あの時の毒の…後遺症が…▼
- [???]
- いたぞ! こっちだ!▼
- [エルフィン]
- しまった!
敵に気づかれ…▼
- [ヨシュア]
- 見つけたぜ、盗賊の残党。
ノコノコ出てきやがって…、せいっ!▼
- (白く光る)
- [エルフィン]
- 敵が…倒れた?
この声は…友軍でしょうか…▼
- [ヨシュア]
- よう、そこのあんた!
危ないところだったな。▼
おっと、足元がふらついてるぜ。
もしかして…目が見えないのか?▼
- [エルフィン]
- い、いえ、大丈夫です。
少しずつですが…
見えるようになってきましたから。▼
危ないところを助けていただき
ありがとうございました。▼
- [ヨシュア]
- その青い鳥…。
この前、召喚された軍師さんだな。▼
俺はヨシュアだ。
マギ・ヴァル大陸から来た
しがない傭兵さ。▼
今はヴァイス・ブレイヴに
雇われている身だ。▼
- [エルフィン]
- 私はエルフィン。
エレブ大陸出身の吟遊詩人です。
レジスタンスに参加しておりました。▼
- [ヨシュア]
- レジスタンスの吟遊詩人…ねえ。
まぁいいや。▼
それより目を怪我したのか?
杖使いを呼ぶかい?▼
- [エルフィン]
- たいしたことはありません。
これは杖では癒せない持病の発作です。
少し休めば楽になります。▼
- [クレイン]
- ミルディン王子!
ご無事でしたか!?▼
- [ヨシュア]
- ん? ミルディン? 王子?▼
- [エルフィン]
- ……。▼
- [クレイン]
- い、いえ、エルフィン。
ご無事でしたか。▼
- [ヨシュア]
- …ま、なにか事情があるらしいな。
聞かなかったことにするさ。▼
- [エルフィン]
- ……。▼
- [ヨシュア]
- よう、エルフィン。
また会ったな。▼
- [エルフィン]
- ごきげんよう、ヨシュアさん。▼
その…先日の件については、
くれぐれも内密にお願いします。▼
- [ヨシュア]
- 承知した。
こう見えても口は堅いんだぜ。▼
だが、聞いていいか?
あんた、なぜ身分を偽ってる?
よければ教えてくれないか?▼
- [エルフィン]
- ……。
あなたは命の恩人。
事情をお話ししましょう。▼
- (暗転)
- [ヨシュア]
- 王宮内に反逆者、か…。▼
- [エルフィン]
- はい。暗殺されかけた私は
忠臣の計らいで死んだように見せかけ
大陸の西にある西方三島へと逃れました。▼
- [ヨシュア]
- あのとき言ってた持病っていうのは
もしかして暗殺事件の後遺症なのか?▼
- [エルフィン]
- ご推察のとおりです。
私の目は事件で受けた毒が原因で
ときどき光を失ってしまうのです…。▼
- [ヨシュア]
- 命が助かったのは幸いだが
そいつはなんとも難儀だな。▼
でも、どうして王子様が
レジスタンスに参加したんだ?
命を狙った奴らへの復讐か?▼
- [エルフィン]
- いえ…私は潜伏先の
西方三島でその地を支配する
エトルリア総督府の腐敗を目にしたのです。▼
民に圧政を強い、私腹を肥やす貴族たち。
エトルリア王宮にいた頃の私は
そうした現実を知りませんでした。▼
- [ヨシュア]
- なるほどな。
それでレジスタンスに参加した、と。▼
ははは、なかなか痛快な話じゃないか。
王子様が身分を隠して世直しとはな!▼
まるで吟遊詩人の歌に出てきそうな話だぜ。
まあ、本人は命懸けかもしれんが…。▼
- [エルフィン]
- ところでヨシュアさん。
私もひとつ質問してもいいですか?▼
- [ヨシュア]
- そいつは俺と賭け事をして勝ったら、と
いつもなら言うところだが…▼
今日は特別になんでも答えてやるぜ。
興味深い話を聞かせてもらった礼だ。▼
- [エルフィン]
- もしかしたらあなたも…
私と同じような
境遇なのではないですか?▼
- [ヨシュア]
- いきなり踏み込んできたねえ。
そう思った理由を
聞かせてくれるかい、軍師様。▼
- [エルフィン]
- 私は長い間、王宮で暮らしてきました。▼
ですから、わかるのです。
そこに出入りする人間が放つ
独特の雰囲気が…。▼
- [ヨシュア]
- いつから気づいていた?▼
- [エルフィン]
- 最初に挨拶したときからです。
あなたもあのとき、私の肩書きに
違和感を覚えていたでしょう?▼
しがない傭兵と名乗ったあなたに
私も違和感があった。
…そういうことです。▼
- [ヨシュア]
- ははは、なるほどな。
似た者同士、お互い最初から
なんとなく気づいていたわけか。▼
- [ヨシュア]
- マギ・ヴァル大陸にある砂漠の国
ジャハナ王国…
俺はその第一王子だ。▼
- [エルフィン]
- 大陸の東にある大国ですね?▼
- [ヨシュア]
- おっ、さすが軍師様だ。
異界の地理にも詳しいのか?▼
- [エルフィン]
- エクラ様のように
あらゆる異界に
精通しているわけではありません。▼
ヴァイス・ブレイヴに貢献するために
最低限の知識を
頭に入れているだけですよ。▼
- [ヨシュア]
- 俺は王宮の窮屈な生活が
性に合わなくてな。▼
ジャハナを出て
大陸放浪の旅に出たんだ。
誰にも行き先を告げずにな。▼
- [エルフィン]
- それは…王宮は
大変な騒ぎになったでしょう?▼
- [ヨシュア]
- …かもしれないが
俺ならやりかねんと
思われてたかもしれないな。▼
それから俺は一介の傭兵として
マギ・ヴァル大陸を転々としたのさ。▼
- [エルフィン]
- 怖くはなかったのですか?
外の世界が…。▼
- [ヨシュア]
- 窮屈な毎日から逃げたい…
怖さよりもその想いが
強かったんだろうな。▼
あの頃はまさか異界を越えて
こんな地まで来るなんて
夢にも思わなかったが…。▼
- [エルフィン]
- 後悔は…していないのですか?
王子という身分を捨てたことを。▼
- [ヨシュア]
- …わからない。だけど、今はただ
俺の剣を必要とする人たちのために
戦えればそれでいいのさ。▼
- [エルフィン]
- なるほど…。▼
- [ヨシュア]
- 似た者同士…と言ってしまったが
俺は自分勝手な理由で故郷を捨てた身だ。
比べるのもおこがましいな。▼
- [エルフィン]
- そんなことはありませんよ。
なりゆきで国を出た私と違って
あなたは自分で決断したわけですから。▼
その意思の力は
素晴らしいと思います。▼
- [ヨシュア]
- いや、俺はただわがままで
向こう見ずなガキだっただけさ。▼
あんたみたいに
祖国と民のために命がけで
戦っているわけじゃない。▼
- [エルフィン]
- ……。▼
- [ヨシュア]
- 王宮にいた頃の俺は
王族の自覚なんて
これっぽっちもなくて…▼
母上の苦労を想像することすら
出来なかったんだ。▼
…とまあ、湿っぽい話は
このくらいにしておくか。▼
明日からまた戦場だ。
お互い戦果を挙げられるように
頑張ろうぜ。▼
- [エルフィン]
- はい。また戦場で
ご一緒できるといいですね。▼
- [エルフィン]
- ヨシュアさん、無事でしたか。▼
- [ヨシュア]
- よう、エルフィン。
今日の戦いは厳しかったからな。
例の持病は大丈夫だったか?▼
- [エルフィン]
- はい。最近は運がいいことに
発作の回数が減りました。▼
- [ヨシュア]
- ツキが向いてきてるってヤツか。
そいつはいい。▼
しかし、不運ってヤツは
そこかしこで手招きしてるもんだ。
気を抜かないようにな。▼
- [エルフィン]
- はい、心に留めておきます。▼
私にはエレブ大陸に戻って
祖国を正すという使命があります。
それまで倒れるわけにはいきません。▼
- [ヨシュア]
- はっはっは! その意気だ。
運ってヤツは最後まであきらめない
人間にしか味方しないからな。▼
アスク王国にいる間
力になれそうなことがあったら
なんでも言ってくれ。▼
- [エルフィン]
- ありがとうございます。
頼りにしていますよ。▼
- [ヨシュア]
- そういえば…
面白い噂があるんだがな。▼
どうやらヴァイス・ブレイヴには
俺たちと似たような境遇…。▼
身分を偽って旅している王子様が
ほかにもいるって話だ。▼
- [エルフィン]
- それは気になりますね。
いったいどんな人なのでしょう…。▼
- (暗転)
- [エルフィン]
- ~~~♪▼
- [レヴィン]
- おや…?
麗しい音色に釣られてきてみれば…▼
謎めいた美青年が
一人で竪琴を奏でる姿は
なかなか絵になるな。▼
絶世の美女なら
なおさらよかったんだが。▼
- [エルフィン]
- あなたは…?▼
- [レヴィン]
- 俺の名はレヴィン。
ユグドラル大陸からきた
ただの旅人…吟遊詩人さ。▼
- [エルフィン]
- 旅人…ですか。
なるほど…。▼
- [レヴィン]
- どうした?
なにか変なこと言ったか?▼
- [エルフィン]
- いえいえ、失礼しました。
知人の噂話を思い出しておりました。▼
私はエレブ大陸から来たエルフィン。
あなたと「同じ」吟遊詩人です。
これからもどうぞよろしく…。▼
麗炎の盟主 リリーナ†
- [ロイ]
- リリーナ!
きみもアスク王国に
来てくれたんだね。▼
- [リリーナ]
- ロイ…!
あなたもアスク王国にいたのね。
会えてうれしいわ!▼
- [ロイ]
- きみが召喚されたと聞いて
すぐに顔を見せたかったんだけど
今、戦場から戻ったところなんだ。▼
- [リリーナ]
- 気にしないで、そんなこと。
そっか、忙しくしているのね。▼
- [ロイ]
- うん、特務機関の一員として
アスク王国のために戦っているんだ。▼
- [リリーナ]
- アンナ隊長から話を聞いたわ。▼
この世界では
異界から召喚された英雄たちが
力を合わせて戦っているのよね?▼
偉大な英雄たちも
大勢いると聞いたけど…。▼
- [ロイ]
- リリーナなら大丈夫だよ。
きっとヴァイス・ブレイヴを
支えてくれるはずだ。▼
ここにはリキア同盟の
仲間もたくさんいるし
ぼくもリリーナと一緒に戦うよ!▼
- [リリーナ]
- ロイが一緒なら心強いわ。
この国に暮らす人たちのため
わたしもできる限り協力するわね。▼
- [ロイ]
- ありがとう。期待しているよ!▼
- (暗転)
- [リリーナ]
- わたしの新しい力…
この魔道書の力を引き出せれば
きっとロイの助けになるはず。▼
早く使いこなして
アスク王国の役に立たなくっちゃ!▼
- [リリーナ]
- やっ!
はぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- 敵の数が多い!
でも、負けるわけには…
はぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- …ふう、なんとかしのげたわ。▼
でも、わたしはまだ
この魔道書の力を
使いこなしていない。▼
魔道書から感じる力…
その断片を使っているだけに
過ぎないような…。▼
この書を使いこなすためには
どうすればいいのかしら。▼
- [???]
- 危ないっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- きゃあっ!?▼
- [セシリア]
- なにをぼうっとしているの!?
敵に囲まれているわよ!▼
- [リリーナ]
- あっ…! セシリアさん?▼
- [セシリア]
- このまま敵を一掃するわ。
リリーナ、戦えるわね?▼
- [リリーナ]
- は、はい! いけます!
問題ありません。▼
- (暗転)
- [リリーナ]
- はぁっ、はぁっ…
やっと静かになりましたね。▼
- [セシリア]
- 今のが最後の一人だったようね。
ケガはしていない?▼
- [リリーナ]
- 心配をかけて申し訳ありません…
セシリアさんのおかげで助かりました。▼
- [セシリア]
- 戦場で考え事をするのは危険だわ。
あなたらしくもない。▼
- [リリーナ]
- すみません…
おっしゃるとおりです。▼
この魔道書の力を
どうやって引き出せばいいのか。
そのことを考えていて…。▼
- [セシリア]
- これは…素晴らしい魔道書ね。
自在に使いこなすには
それなりの修練が必要みたいだけど。▼
でも、リリーナ。
あなたの魔道はすでに
かなりの高みに達しているわ。▼
魔道書の力を十分に
引き出せているとは思うけど…。▼
- [リリーナ]
- でも、まだ足りないんです。
もっともっと修行を積まないと…▼
- [リリーナ]
- もっと集中して…
やあっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- これじゃダメ…もっと熱く…
たあっ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- はあ…はあっ…!
ぜんぜん…足りない。▼
- [セシリア]
- リリーナ!?
まだ訓練場にいたの?
まさか朝からずっと…▼
- [リリーナ]
- セシリア…さん…?
…あっ…!▼
- [セシリア]
- 根を詰めすぎよ。
足元がフラフラじゃない!
ほら、少し休んで…。▼
- [リリーナ]
- すみません…
魔道書の力を
少しでも早く引き出したくて…。▼
- [セシリア]
- リリーナ、修行に励むことは大切よ。
でも、身体を壊してしまっては
元も子もないでしょう?▼
- [リリーナ]
- この魔道書…
わたしが扱うには
荷が重すぎるのかもしれません。▼
- [セシリア]
- ……。▼
- [リリーナ]
- ヴァイス・ブレイヴには
優秀な魔道士がたくさんいます。▼
わたしに使いこなせないなら…
ほかの魔道士に
譲ったほうがいいのでしょうか?▼
- [セシリア]
- あなたが望むのであれば…
それでもいいのかもしれない。▼
だけど、この魔道書が理由もなく
あなたの手に渡ったとは
私にはどうしても思えないわ。▼
- [リリーナ]
- セシリアさん…。▼
- [セシリア]
- 結論を出すにはまだ早すぎるわ。
もっといろいろな方法を
試してみてはどうかしら。▼
- [リリーナ]
- いろいろな方法…?▼
- [セシリア]
- ええ。あなた一人で背負うのが
重すぎるというのなら
みんなで支えてもいいの。▼
修行を重ねる以外にも
魔道書の力を引き出す方法は
きっとあると思うわ。▼
- [リリーナ]
- そうだといいのですが…。▼
- [セシリア]
- さあ、今日はもう休みなさい。
疲れた頭と心で考えても
いい案は出てこないと思うわよ。▼
- [リリーナ]
- はい…。ありがとうございます。
セシリアさん。▼
- [セシリア]
- おはよう、リリーナ。
少しは元気になったかしら?▼
- [リリーナ]
- はい。その…セシリアさん
ご迷惑をお掛けしました!▼
- [セシリア]
- いつものリリーナに戻ったみたいね。
魔道士は強大な力を操る存在。
それゆえ常に冷静さが必要だわ。▼
その冷静さを生むものは…
心の余裕なの。▼
- [リリーナ]
- 心の…余裕…。
昨日までのわたしに
なかったものですね。▼
- [セシリア]
- リリーナは真面目だから。
魔道書を託された責任を
果たそうと、必死だったのよね。▼
- [リリーナ]
- …そう考えていたのは事実です。
でも、それだけじゃない。▼
ロイの期待に応えようと
躍起になっていた気がします…。▼
- [セシリア]
- 責任や期待に応えるのが辛いなら
まわりを巻き込んでもいいの。▼
ヴァイス・ブレイヴにいる魔道士たち…
彼らの手を借りてもいいのよ。▼
- [リリーナ]
- そうですね…!
ここには異界から集まった
優秀な魔道士がたくさんいる。▼
私一人だけの力じゃなくて
皆さんの力を借りることができれば
きっと前に進むことができますよね。▼
なんだか気持ちが軽くなりました!
わたし、ほかの魔道士の皆さんにも
相談しようと思います。▼
- [セシリア]
- ええ、いいと思うわ。
きっと喜んで力を貸してくれるわよ。▼
- (暗転)
- [リリーナ]
- これでどうかな…
えいっ!▼
- (白く光る)
- [リンダ]
- うん、悪くないわ!
昨日よりも火力が上がっているわね。▼
- [ルーテ]
- ですが、まだまだ伸び代はあります。
私にはわかります。優秀ですから。▼
- [オフェリア]
- 情熱が躍動する爆炎ね!
必殺アウェイキング・バーナーと
名付けるのはどうかしら?▼
- [リリーナ]
- そ、それはまた
今度考えるとして…。▼
- [ソニア]
- 次はもっと遠くの目標を狙ってみたら?
距離による威力の違いも見てみたいわ。▼
- [リリーナ]
- はい! どんどんいきます!
精一杯がんばりますね…!▼
- (暗転)
- [セシリア]
- ふふっ、異界の魔道士を巻き込んで
いい訓練ができているようね。▼
前向きなリリーナには
手を貸してあげたいと思わせる力がある。
それがあなたの才能よ。▼
魔道書が託された理由も
きっとそこにあるのでしょうね。
期待しているわよ、リリーナ。▼
オスティアの壁 ボールス†
- [ボールス]
- ウェンディ! 探したぞ!▼
- [ウェンディ]
- その声は…兄上!▼
兄上もアスク王国に
召喚されたんですね。▼
- [ボールス]
- ウェンディは私より
ずいぶんと前に召喚されたと聞く。
元気に暮らしていたか?▼
- [ウェンディ]
- はい、変わりありません!▼
厳しい戦いが続いていますが
この地に集う英雄のみなさまと協力し
なんとか戦い抜いております。▼
- [ボールス]
- 本当か? ケガはしてないか?
ちゃんと食べてるか?
鎧の手入れは万全か?▼
- [ウェンディ]
- 落ち着いてください、兄上!
もう子どもではないのですから
心配されなくても大丈夫です!▼
- [ボールス]
- こっちで…
友達はできたか?▼
- [ウェンディ]
- 兄上…。▼
- [ボールス]
- そうそう、男友達を作るときは…。▼
- [ウェンディ]
- 兄上! 何度も言いますが
私のことはご心配なく。▼
これから訓練がありますので
お話はまた後でうかがいます。では!▼
- [ボールス]
- ウェンディ!
…行ってしまったか。▼
ううむ。ここまで煙たがれるとは
やはり私は過保護すぎるのだろうか。▼
む、あれは…?▼
- [デューテ]
- もう! お兄ちゃんうるさい!
口を開けばお説教ばっかり!
任務ならちゃんと終わったじゃん!▼
- [リュート]
- 待て、デューテ!
俺の話を最後まで聞け!▼
- [ボールス]
- むむ…。
向こうもなにやら
取り込み中のようだな…。▼
- [リュート]
- デューテ!
お前はいつもやり過ぎる。
少しは加減を覚えろ!▼
- [デューテ]
- 加減~? 何それ?
相手は悪者なんでしょ?▼
悪いのは向こうなんだから。
難しいこと考えないで
魔法でドカーンとぶっ飛ばせばいいじゃん!▼
- [リュート]
- それが駄目だと言っている。
なにごとにも限度というものがあるのだ。▼
戦う力を奪うだけでいい。
それ以上、痛めつける必要はない。▼
なにより手加減なしに魔法をぶっ放す
お前を見たら、他の者も怖がる。▼
俺はお前に、誰からも愛される
人間になってほしいのだ。▼
- [デューテ]
- ボク、十分愛されてるも~ん。
こんなに強いし可愛いし。▼
- [リュート]
- 調子に乗るな! いいか?
チヤホヤ持て囃されることと
愛されることは全く違うもので…▼
- [デューテ]
- ふーんだ。アスク王国で
ちょっと友達ができたからって、
調子乗ってんのはお兄ちゃんじゃないの?▼
お説教はもういらないよーっだ!
バイバイっ!▼
- [リュート]
- ま、待てデューテ!
まだ話は終わってないぞ!▼
…くっ、もう見えなくなったか。
いったいどうすれば
俺の気持ちが伝わるのか…。▼
- [ボールス]
- ……。▼
- [リュート]
- ん? お前は…?▼
- [ボールス]
- あ、ああ…私はボールス。
エレブ大陸から来た重騎士です。▼
その…申し訳ない。
立ち聞きする気はなかったんだが…。▼
- [リュート]
- いや、こちらこそ
見苦しいところを見せてしまった。▼
心配だからこそ口うるさくなるのだが
妹はまるでわかってくれなくてな。▼
- [ボールス]
- ……。▼
- [ボールス]
- ふむ、なんというか
苦労しておられるのだな…。▼
- [リュート]
- 妹のデューテはもう幼子ではない。
魔道の腕前に至っては
一流と言えるほどの高みに達している。▼
遠くから成長を見守るのが
一番だとわかっているのだが
ついつい口出ししてしまうのだ…。▼
- [ボールス]
- 気持ちはよくわかる。
私も妹のウェンディが心配で
小言が多くなってしまう。▼
- [リュート]
- ウェンディ…
桃色の髪の重騎士か?▼
- [ボールス]
- おお、妹をご存知であったか!▼
- [リュート]
- 話したことはないのだが
戦場でよく見かける。▼
「オスティア重騎士団の名に
恥じぬ戦いをします!」と
いつも軍の先頭に立っていたな。▼
- [ボールス]
- ぐ、軍の先頭に!?
無茶なことを…。▼
- [リュート]
- なにを言っているんだ?
彼女にはそれだけの実力がある。▼
彼女のような重騎士がいるおかげで
俺たち魔道士は後方で
安心して戦えるのだ。▼
- [ボールス]
- ほ、本当か!?▼
- [リュート]
- ああ、持ち上げるつもりはない。
俺は事実だけを話している。
彼女は信頼がおける重騎士だ。▼
- [ボールス]
- そのような評価を得るまでに
成長していたとは…。▼
ウェンディ、アスク王国で
よい経験を積んだようだな…。▼
- [ボールス]
- ウェンディ、今日も元気そうだな。
これから朝の訓練か?▼
- [ウェンディ]
- おはようございます、兄上。
あの…どうしたのですか?
ずいぶん楽しそうに見えますが…。▼
- [ボールス]
- ん、そう見えるか?▼
- [ウェンディ]
- はい、とても。▼
- [ボールス]
- そうか、そうだったか…。▼
- [ウェンディ]
- なんだか気味が悪いですね。
さては私に戦いを止めさせる
いい口実でも思いついたとか…。▼
- [ボールス]
- そ、そんなことはない!
それよりウェンディよ。
お前に言っておきたいことがある。▼
- [ウェンディ]
- なんでしょう、兄上。▼
- [ボールス]
- お前は…
自分が信じた道を行け。▼
- [ウェンディ]
- え…?▼
- [ボールス]
- 言いたいことはそれだけだ。▼
引き留めてすまなかった。
ささ、早く訓練に行くがいい!▼
- [ウェンディ]
- は、はい!
では兄上、またのちほど!▼
- [ボールス]
- 頑張れよ、ウェンディ。
お前はオスティア重騎士団の誇り
私の自慢の妹だ。▼
- [リュート]
- ふむ、なるほど…。▼
- [ボールス]
- おはよう、リュートどの。▼
- [リュート]
- 今度は逆の立場だな。
話を聞いてしまってすまないな。▼
- [ボールス]
- いや、詫びる必要はない。▼
- [リュート]
- 訓練場に向かうウェンディの背中は
どこか誇らしげに見えた。
ボールスの言葉がうれしかったのだろう。▼
- [ボールス]
- そ、そうだとよいのだが…。▼
- [リュート]
- ボールスの言葉から
彼女は想いを汲み取ったのだろうな。▼
多くを語らずとも通じあう仲…
兄妹の理想的な関係とは
そういうものなのだろう。▼
- [ボールス]
- いやいや、まだ道半ば。
私もウェンディももっと互いを
理解できるとよいのだが。▼
- [リュート]
- 俺たち兄妹もお前たちを見習って
成長していきたいところだ。▼
- [ボールス]
- ときにリュートどの。
これからも妹を持つ兄同士
仲良くしてもらえないだろうか?▼
- [リュート]
- ああ、構わないが…
その手はなんだ?▼
- [ボールス]
- 仲間…いや、友としての握手です。▼
- [リュート]
- と、友…?
俺と友人になろうというのか?▼
- [ボールス]
- もしかして、握手はお嫌でしたか?▼
- [リュート]
- い、いや、いやいやいや!
そんなことはない!
これからもよろしく頼む!▼
アルムとカナス、ジークに続いて
四人目か…。いい調子だ!▼
- [ボールス]
- ? 何のことか分かりかねるが…
心が通じ合える兄妹の仲を目指し
これからも共に精進しよう!▼
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Last-modified: 2024-11-23 (土) 05:48:18