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章別会話
暴雨の中を歩む者†
暴雨の中を歩む者†
オープニング†
- [エイル]
- 北の塔にもエーデルガルトの
姿は見当たらなかったわ。▼
- [アルフォンス]
- そうか…だとしたら
すでに城の外に出た可能性が高いな…▼
- [エイル]
- そもそも、彼女は本当に
エーデルガルトだったのかしら?▼
あの異様ないでたち…
あれではまるで…▼
- [アルフォンス]
- エクラは彼女を
「エーデルガルト」と呼んでいた。▼
だとすれば、魂は同一なのだろう。
外見こそ、僕たちが知っている彼女と
かけ離れてはいるけれど…▼
- [エイル]
- ……▼
(暗転)
- [ディミトリ]
- ……。
この騒ぎ…あの女が原因か。▼
エーデルガルト…
やはり貴様は、どこの世界だろうと
災いの火種しか生み出さぬ存在だ。▼
だが…なんとも好都合じゃあないか。
貴様がこの世界に仇なす前に
俺が始末してやろう。▼
く、くく…同じ化物同士だ。
どちらの刃が先に喉元を貫くか…
存分に殺し合おうじゃないか、なあ!▼
(暗転)
- [アンナ]
- 大変よ…!
さっき、ディミトリが
一人で城を出たと報告が…!▼
- [アルフォンス]
- ……!?
まさか、エーデルガルトを追って?▼
- [アンナ]
- あのエーデルガルトと
ディミトリの間には
浅からぬ因縁があるらしいの。▼
アスク王国に召喚された英雄同士が
傷つけ合うことはないはずだけど
万が一、ということもあるわ。▼
- [アルフォンス]
- 二人は僕が追います。
エイル、一緒に来てくれるかい?▼
- [エイル]
- ええ。最初からそのつもりよ。▼
- [アルフォンス]
- アンナ隊長は、町に捜索に出た
エクラとシャロンの
帰りを城で待っていてください。▼
- [アンナ]
- わかったわ。
くれぐれも気をつけて…!▼
(暗転)
- [マーク(男)]
- アルフォンス王子たちも
動き出したみたいですね…▼
- [マーク(女)]
- では、私たちも手筈どおりに。▼
- [マーク(男)]
- ふふ…
エクラさんには
感謝しなくてはなりませんね。▼
このような面白い異界に
僕たちを招いてくれて…▼
- [エーデルガルト]
- この気配…。▼
魔道の力、上か…!?▼
(画面が白く光る)
- [マーク(男)]
- ふむ…本気で当てるつもりでしたが
攻撃は届きませんでしたか。▼
アスク王国に召喚された英雄同士は
殺しあうことができない…?
契約の力が活きているようですね。▼
- [エーデルガルト]
- 貴様、マークとか言ったか…
私の前に立つ意味が
わかっているのか?▼
- [マーク(男)]
- どこに行こうというのですか?
僕たちはアスク王国を救うために
この地に召喚されたはずですよね?▼
- [エーデルガルト]
- 知れたこと…
縁もゆかりもないこの異界に
私がとどまる暇はない。▼
一刻も早くフォドラに…
帝都アンヴァルに戻り
歪なる世界を正さねばならないのだ…!▼
(暗転)
- [ディミトリ]
- なんのつもりだ…。▼
- [マーク(女)]
- 聞こえませんでしたか?
アルフォンス王子たちと合流されては…と
言ったんですよ。▼
- [ディミトリ]
- そこをどけ。
あの女の首をはねる邪魔をするなら
貴様から先に殺してやる。▼
- [マーク(女)]
- 無駄ですよ。私たちの行動は
契約によって縛られています。
あなたに私は殺せません。▼
- [ディミトリ]
- 召喚師との契約など関係ない。
今の俺が存在する理由は
あの女を殺すため。それだけだ!▼
- [マーク(女)]
- ……!?
行ってしまいましたか。
全然、話を聞いてもらえませんでしたね…▼
でも、今ここで
殺し合いをされても困ります。
私も、あとを追うとしましょう。▼
- [マーク(男)]
- ひとつ、聞いてもいいですか?▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [マーク(男)]
- あなたはなぜ、その姿になったのですか?
人としての形を捨て、人としてのあり方を
捨ててまで…なにを求めたのですか?▼
- [エーデルガルト]
- 力無き者には
なにも変えることはできない。▼
世界を人の手に取り返すため
あるべき姿に戻すために…
私は、手段を選ばない…!▼
- [マーク(男)]
- なるほど、手段を選ばない、と。
それなら、なおさら
あなたはこの世界にとどまるべきです。▼
- [エーデルガルト]
- …なんだと?
それはどういう…。▼
……むっ!▼
- [ディミトリ]
- フォドラに戻るのを
待つまでもない。▼
エーデルガルト…
倒れていった者たちの無念
今ここで晴らしてやる!▼
- [マーク(女)]
- ふっ、ようやく追いつきました。
無駄ですよ、ディミトリ王子。▼
さっきも言いましたよね。
私たちは殺しあうことはできないと。▼
それに、あなたの前にいる皇帝陛下は
あなたとは違う異界から来た
存在なのかもしれませんよ。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- ディミトリ王子、
あなたは、あなたの世界に戻ってから
本懐を遂げるべきなのでは?▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
- [マーク(男)]
- 僕もそう思いますよ。
皇帝陛下ともども
この世界にとどまるべきだと思います。▼
- [エーデルガルト]
- 貴様、さっきも私に
同じことを言ったな。▼
世界を、フォドラを変えるために
アスクの地にとどまれとは
いったいどういう意味だ?▼
- [マーク(男)]
- 皇帝陛下、あなたは力が必要で
世界を変えるためには
手段を選ばないと言いましたよね?▼
ならば、今やるべきことは
元の世界に戻ることではありませんよ。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- なぜこの異界、アスク王国に
引き寄せられたのか…聡いあなたなら
気づいているのではないですか?▼
そして、ディミトリ王子。
それはあなたも同じです。▼
- [ディミトリ]
- なにが言いたい?▼
- [マーク(男)]
- あなた方がこの世界に来た意味は
力を得るため、ですよ。▼
アスク王国において、英雄たちは
限界を超えた力…人の理すら逸脱した力を
得ることができるんです。▼
- [マーク(女)]
- 元の世界に戻るのは
それからでも遅くはありませんよ。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- それに…ディミトリ王子も
皇帝陛下を殺すというのなら
自分の世界でないと意味はありません。▼
然るべき時と場所で。
異界で本懐を果たしても
あなたの魂に充足はありませんよ。▼
- [ディミトリ]
- ほざけ。貴様らに
指摘されるまでもない。▼
- [アルフォンス]
- みんな!
ようやく追いついた!▼
- [エイル]
- 心配しました。
でも…無事でよかった。▼
- [アルフォンス]
- 聞いて欲しい。
君たちには君たちの想いがある…
それを忘れてほしいとは言わない。▼
でも、伏して頼みたい。
君たちの力を、アスクのために
貸して欲しいんだ。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
力が必要なときは呼ぶがいい。
今しばらくは…
この世界に留まるとしよう。▼
- [ディミトリ]
- ふん。この世界でも
俺のやることは変わりはしない。▼
いいだろう。望みどおり…
屍の山を築いてやる。
俺なりのやり方でな。▼
- [アルフォンス]
- …………▼
- [マーク(男)]
- 大丈夫ですよ、アルフォンス王子。
彼もきっと力を貸してくれるでしょう。▼
- [マーク(女)]
- 私たちも城に戻ります。
では、のちほど。▼
- [エイル]
- 彼らが…エーデルガルトと
ディミトリを引き止めてくれたのかしら。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
アルフォンス王子。
やつらには気をつけなさい。▼
やつらの魂からは
見知った気配を感じるわ。
深い…闇の気配をね。▼
- [アルフォンス]
- …………▼
(暗転)
- [マーク(男)]
- なんとか彼らに
殺し合いをさせずに済みましたね。▼
- [マーク(女)]
- そうですね。
きっとご満足いただけるでしょう。▼
- [マーク(男)]
- あの方のお考えは…
僕たちには見通せません。
でも…▼
- [マーク(女)]
- あの方への忠誠は揺るぎません。
そうお望みなら、従うだけです。▼
- [マーク(男)]
- すべては、あの方…▼
- [マーク(女)]
- ギムレー様のために…▼
闇色の未来 マーク†
- [マーク(男)]
- ……。▼
- [ルキナ]
- !
あの姿…
やはり間違いありません。▼
あの終末の異界で…
屍兵を率いていた…▼
- [ピアニー]
- あっ、ルキナさん!
なにしているの?▼
ん?
あれってこの前召喚されてきた
異界のマークさんね?▼
- [ルキナ]
- ……。▼
彼は、私たちの敵側…
イーリス聖王国を破滅に導いた
邪竜ギムレーに連なる者なんです…▼
- [ピアニー]
- えええっ!?
いつもニコニコしてる
マークさんとは全然別人ってこと!?▼
- [ルキナ]
- ええ。
外見こそそっくりですが…▼
そしてこの世界には、ギムレー…
彼が忠誠を尽くすべき相手も
存在しています。▼
彼らがもし何かを企めば…
アスク王国とヴァイス・ブレイヴにとって
大変なことが起きるかもしれません。▼
- [ピアニー]
- 心配ね…
なにも起こらないといいけど。▼
- [ルキナ]
- ……▼
- [ルキナ]
- ……。▼
- [マーク(男)]
- おや? あなたは…
イーリスの聖王クロムの忘れ形見。
あのナーガの手先ですね。▼
- [ルキナ]
- あなたはどうして…
エクラさんの
召喚に応じたのですか?▼
いったい何が目的で
このアスク王国に来たのです。▼
- [マーク(男)]
- 目的なんてありません。
僕はただ呼ばれた…それだけです。▼
- [ルキナ]
- ……▼
- [マーク(男)]
- 召喚師がどのような理由で
僕を必要としたのかは
わかりませんが…▼
僕が忠誠を誓う相手は
ギムレー様です。
それは決して揺るぎません。▼
- [ルキナ]
- ……!
この異界でもあの凄惨な戦いを
再現するつもりなのですか…!▼
- [マーク(男)]
- さあ、どうでしょうか。
今の僕に
そのつもりはありません。▼
ですが、ギムレー様が
戦いを望まれるのであれば…▼
- [ルキナ]
- そんなことはさせません。
わたしの…この命にかけても…!▼
- [マーク(男)]
- ……。
さっきも言いましたが、
今の僕に、そのつもりはありません。▼
しばらくはここで
召喚師に力を貸すことにしますよ。▼
- [ルキナ]
- …………▼
- [ピアニー]
- きゃっ、良かった。
じゃあマークさんは
私たちの味方ってことね。▼
- [ルキナ]
- いえ…
彼の言葉だけで
信頼するわけには…▼
- [ピアニー]
- でも、敵意がないとわかっただけでも
安心できるんじゃない?▼
- [ルキナ]
- そう…ですね…▼
もしかすると、彼と
エクラさんの間で
なにか契約が交わされているのかも…▼
- [ピアニー]
- 悪いことしちゃダメ!
…とかかな?▼
- [ルキナ]
- …………▼
ピアニーさん…
私は以前、
お父様と未来を救うため…▼
未来で敵となるはずの仲間を…
手にかけようとしたことがあります…▼
- [ピアニー]
- えええ!? そんなのだめ、いけないわ。
マークさんを今のうちに
やっつけちゃおうなんて。▼
- [ルキナ]
- そう、ですね…。
あの時とは異なる
この世界でなら…▼
もしかしたら、
話し合う余地が
あるのでしょうか…?▼
(暗転)
- [マーク(男)]
- またあなたですか。
今度はなんの用です?▼
- [ルキナ]
- あなたと私は…ギムレーとナーガ様…
お互い相容れない側にいます。
本来なら、戦うべき敵…▼
でも、ここでは
私たちはアスク王国のために
戦う仲間です。▼
- [マーク(男)]
- ……▼
- [ルキナ]
- 私たちは話し合うことが
できないのでしょうか?▼
戦う以外の選択肢を見出すことで
運命を変えることは
できないのでしょうか…!▼
- [マーク(男)]
- 戦う以外の選択肢、ですか。▼
- [ルキナ]
- ……。▼
- [マーク(男)]
- 無駄ですよ。
僕とあなたが話し合ったところで
運命は変えられません。▼
- [ルキナ]
- ……!
そんな…!▼
- [マーク(男)]
- 僕たちは大いなる運命の流れにあるのです。
そしてその流れは…
僕たちでは変えることはできませんよ。▼
- [ルキナ]
- そんな…そんなことはありません。
お父様は言っていました。
運命を変えるのは、人の意思の力だと。▼
- [マーク(男)]
- では、逆に問いましょう。
あなたは父を
裏切ることができますか?▼
- [ルキナ]
- そんなことは…
考えたこともありません。▼
- [マーク(男)]
- そういうことです。
絶対に裏切れないものが
誰にでもある。▼
その結びつきを…
運命と呼ぶのですから。▼
(暗転)
- [ルキナ]
- ……▼
- [ピアニー]
- 説得…できなかったみたいね。▼
- [ルキナ]
- 彼の問いに言い返すことが
できませんでした…▼
おそらく、彼の心は
邪竜ギムレーと
深く繋がっているのだと思います。▼
私とお父様の絆とは違う形…
けれど、同じくらい強く深い…
繋がりなのでしょう。▼
- [ピアニー]
- 私もわかる気がする。
深く繋がっている相手なら、
もしその人がよくないことをしても…▼
その繋がりを
なかったことになんてできない。
マークさんも、そうなのかしら…?▼
- [ルキナ]
- ……。
でも…私は諦めません。
ほんのわずかでも可能性があるのなら…▼
殺し合う運命だった私たちが
味方としてこの地に集った意味を…
私は模索していくべきなのでしょう。▼
覇道の終着点 エーデルガルト†
- [クロニエ]
- あれ…? あれれ……?
もしかしてあんた…エーデルガルト?▼
- [エーデルガルト]
- ……!
貴様は…!?▼
- [クロニエ]
- キャハハッ!
ずいぶんと面白い姿に
なってるじゃない!▼
- [エーデルガルト]
- どうして貴様がここに…
アスク王国にいる?▼
- [クロニエ]
- さあ? どうしてかな?▼
召喚師があたしの力を必要としたから
呼ばれたんじゃない?▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [クロニエ]
- ここは平和のためとか言いながら
延々と殺し合いを続ける世界…
もう最高!▼
しかも、ご丁寧に
自分たちが大怪我をしても
召喚師が治してくれるのよ?▼
自分は死なないのに殺しまくれる!
あはっ! 楽しくてしょうがないわ!▼
- [エーデルガルト]
- 虫唾が走るようなその物言い…
やはり貴様…いや
貴様らとは相容れぬ…!▼
- [クロニエ]
- ん? 殺す? あたしを?
キャハハハ! 無理無理!
今のあたしは死なないし!▼
それよりもー、相容れないって言えば
あんたが目の敵にする「神様」連中も
ヴァイス・ブレイヴに手を貸しているわよ。▼
- [エーデルガルト]
- 神が…?▼
- [クロニエ]
- 神様がそんなに嫌いなら
実際に殴り合いでもしてみれば?
どんな罰が当たるかは知らないけど!▼
じゃあ、戦場で一緒になったら
殺しを楽しみましょう?
キャハハハハ!▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
なぜこの世界は…あのような
禍々しい者の力すら必要とする?
加えて、神の力にもすがるとは…▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [ミラ]
- おや、あなたは…?▼
- [エーデルガルト]
- 私はアドラステア帝国皇帝
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ。▼
人間には持ち得ぬ、魂の圧を感じる…
貴方は、異界の神と見受けるが。▼
- [ミラ]
- 私はミラ。司るのは愛と豊穣。
バレンシアの地では大地母神と
呼ばれていたこともありました。▼
- [エーデルガルト]
- …やはり神か。
ならば問おう。▼
どうして神の身でありながら
直接、人間に手を貸している?▼
- [ミラ]
- ……。▼
- [エーデルガルト]
- 信仰心と引き換えに
奇跡の一端を与えるでもなく…。▼
人の世において、神自らが
理を超えた力をいたずらに行使する。▼
神が直接世界に介入すれば
人々は神にすがり堕落する。
そのことを知らぬわけではあるまい?▼
- [ミラ]
- あなたは…神を必要としない
強い人間なのですね。▼
いえ、違う…。▼
貴方の魂の在り方は、
人間という括りでは
収まらないようにも見えます。▼
その雄々しさは…
私の知っているとある神に
よく似ています。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [ミラ]
- 人々が神にすがると
いずれ堕落する。▼
貴方の言葉は、間違ってはいません。
私はこの目で…その光景を
実際に見てきたのですから。▼
- [エーデルガルト]
- 虫唾が走るようなその物言い…
やはり貴様…いや
貴様らとは相容れぬ…!▼
- [ミラ]
- かつて私は、バレンシア大陸…
ソフィアの地に多大なる実りを与えました。▼
実りは人々の生活を豊かにし
病による死をはね退け
大地は命で満ちました。▼
しかし…私が人々にもたらしたのは
実りだけではなかったのです。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [ミラ]
- 豊穣はなんら特別なものではなく
あって当然のもの。▼
人々は実りに甘えることを
覚えてしまったのです。▼
富を独占し、他者を思いやることを
忘れた人々の心は…
次第に、荒廃していきました。▼
- [エーデルガルト]
- …やはり、神の存在は
人の世に益をもたらすものではない…▼
神の力を己の力だと
見誤る為政者たちにより
人間の歴史は戦いに彩られてきた。▼
貴方が見た光景も
神に与えられた実りを、人間たちが
自分たちの力だと錯誤した結果だ。▼
- [ミラ]
- ですが、もたらされた実りによって
救われた命もあったのは事実です。▼
皆が皆、あなたのように
強き心を持ち、自らの足で
前に進めるような人間ではありません。▼
- [エーデルガルト]
- ならば、強き人間が導けばいい。▼
信仰心の大小で助かる命と
助からぬ命があるなど…▼
そんなふうに、自らの有り様を
他者に委ねることが
正常な姿などと、私は思わない。▼
- [ミラ]
- 人が人の手で歴史を紡ぐこと、
それについては、私も同じ考えです。▼
私がこの地で、英雄たちに力を貸すのは
あくまで限定的なもの。▼
英雄たちが限界を超えて努力を重ね
それでも想いが身にならなかったとき…。▼
そのときはじめて
私やこの地に集った
奇跡を与えるのだと思います。▼
- [エーデルガルト]
- もし、英雄たちの努力が
足りなかった場合はどうなる?▼
- [ミラ]
- それはあり得ないと思います。▼
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちは
限界を超えて努力できる
素晴らしい魂の持ち主ばかり。▼
あなたもその一人でしょう?▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [ミラ]
- 神に甘えることなく
自ら試練に立ち向かう者たち。▼
だからこそ、私も
力を貸そうと思ったのです…▼
- [エーデルガルト]
- 先ほど、貴方は
アスクの地でも限定的に
力を貸しているといった。▼
だが、限定的であろうがなかろうが
神の力が世界に及んでいる以上
そこには信奉者を生む。▼
神の力を中心とした枠組みが
世界に残る限り▼
力を享受できる者とできない者で
格差は生まれる。▼
- [ミラ]
- ……。▼
- [エーデルガルト]
- 私はそういう枠組みを
すべて破壊したいのだ…!▼
真の意味で、世界が人の手によって
治められ、自らの力だけで永続していく
世界を作るべきなのだ!▼
神の気まぐれで人々の人生が歪むなど
そんな世界は
断じてあってはならないのだ。▼
- [ミラ]
- エーデルガルト、あなたは…
本当に強い魂の持ち主なのですね。▼
自分を、いや…
人間の可能性を信じている。▼
- [エーデルガルト]
- ……。▼
- [ミラ]
- 異界には、神の力が介入することなく
永きに渡る歴史を紡いだ世界も
存在すると聞きます。▼
- [エーデルガルト]
- ……!?▼
- [ミラ]
- その世界は、幾多の戦いを重ねながらも
人々が助け合い、理解を深めることで
天の星まで届く文明を築くに至った、と。▼
- [エーデルガルト]
- 神の力を介在させることなく
天の星にまで手を伸ばす…
そんなことが可能なのか。▼
- [ミラ]
- それはエクラの
故郷…かの者が生まれ育った世界です。▼
エーデルガルト、あなたの理想は
決して絵空事ではなく…
実現できる可能性が十分にあるのです。▼
- [エーデルガルト]
- だが私は…人々が理解を深めるのを
悠長に待つつもりはない。▼
強き者が世界を均し、導いていくことを
私は選んだのだ!▼
- [ミラ]
- 力によって栄華を築こうとする者は
力によって滅びる。▼
私の半身といえる存在も
かつてそのような道を辿りました。▼
- [エーデルガルト]
- 私にはもう、退路はない。▼
世界の歩む道を人の手に委ねるため
私は私の選んだ道を行くだけよ。▼
- [ミラ]
- ……。▼
- [エーデルガルト]
- だが、エクラの
世界の話は、とても興味深かった。▼
そこに、私が歩むべき
未来があったのかもしれない。
その可能性が頭をよぎったわ。▼
では失礼する、異界の神よ…。▼
- [ミラ]
- ……。▼
エーデルガルト、強き人間よ…。
あなたは誰よりも強い覚悟を持つゆえ
力とともに歩むことを決めたのですね。▼
古い枠組みを破壊したその先に
どのような世界を描いていくのか。▼
あなたのたどり着く未来に
どうか後悔がなきように…▼
闇色の忠節 マーク†
- [マーク(女/闇)]
- ……。
よくもこれだけの数の
英雄を集めたものですね。▼
怨敵ナーガに連なる者たちや
イーリス聖王国の生き残りの顔まで…▼
…情報を集めておきましょう。
ギムレー様のためにも。▼
- [マーク(女)]
- うわーっ!?
本当にもう一人の私がー!?▼
- [マーク(女/闇)]
- ひっ…!?
い、いきなり何事ですか!▼
- [フィヨルム]
- あ、あの、マークさん…
あんまり大声出すと、もう一人の
マークさんがびっくりされますよ?▼
- [マーク(女)]
- 私はマークです!
天才軍師ルフレの娘です!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……!?
も、もしやあなたは…
異界の私…なのですか。▼
- [マーク(女)]
- はいっ!
あなたとは違う異界から来た
マークちゃんです!▼
- [フィヨルム]
- あの、びっくりさせてしまって
申し訳ありません。▼
新たに召喚されたマークさんに
こちらのマークさんが
ぜひお会いしたいと…。▼
あ、でも…
どちらもマークさんですよね。
どうお呼びすればいいのでしょうか?▼
- [マーク(女)]
- うーん…じゃあ
あなたのことをマークちゃんと
呼ぶのはどうでしょう?▼
- [マーク(女/闇)]
- …お断りです。▼
- [マーク(女)]
- えー、せっかく可愛いほうの
呼び方を譲ってあげたのに…▼
じゃあ、私のことをマークちゃんと
呼んでいいですよ!▼
あなたはマークさんか
マークちゃん2か、
どっちがいいですか?▼
- [マーク(女/闇)]
- …………▼
- [マーク(女)]
- あれ、どこへ行くんですか!?
お近づきのしるしに一緒に
お茶を飲みながら策を練りましょう!▼
- [マーク(女/闇)]
- 付き合っていられません。
失礼します。▼
- [フィヨルム]
- マークさん、行っちゃいましたね。▼
- [マーク(女)]
- うーん…
異界の私って気難しいですねえ。▼
- [マーク(女)]
- おはようございます!
今日もいい天気ですねっ!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- こんなに天気のいい日は
お城の中庭でお茶でもしながら
策を考えたいなー。なんて思いません?▼
- [マーク(女/闇)]
- その誘いなら
先日、断りましたよね?▼
私と姿が似ているだけで…
言葉が通じないのですか?▼
- [マーク(女)]
- 確かに!
この前は断られてしまいました。
でも、今日はまだ断られていませんよ!▼
それに先日よりも天気もいいし暖かい。
環境が変われば戦術の有効性も
変わってくるというものですよ!▼
どうです?
どんどん一緒に
考えたくなってきたんじゃないですか?▼
- [マーク(女/闇)]
- …………▼
- [フィヨルム]
- あの、マークさん。
せっかくですから一度
お誘いに乗ってみては…?▼
でないと、きっと
これから毎日誘われますよ…▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。
はあ…わかりました。
一度だけですよ。▼
- [マーク(女)]
- やったー!
じゃあ、さっそく
お茶の用意をしましょう!▼
ささ、フィヨルム王女も一緒に!
ガイアさんからもらった
とっておきのお茶菓子もお出ししますね!▼
- [マーク(女/闇)]
- どうしてこんなことに…▼
- [マーク(女)]
- はい、準備できました!
それではまずはお茶を楽しみましょう!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。
この茶色のお湯は…
いったいなんなのですか?▼
はっ…!?
まさか、お茶の時間と
油断させて私を毒殺する策…!?▼
- [フィヨルム]
- ち、違います。
これはとてもおいしい紅茶なんです。▼
口当たりも香りも良くて
飲むと気分が落ち着きますよ?▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。▼
…………。
おい…しい…。▼
- [マーク(女)]
- でしょ? さあさあ、
こっちのお茶菓子もどうぞ!▼
- [フィヨルム]
- もしかして、マークさんは、
こんなふうに誰かとお茶を
飲むことは…▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。
私がいた世界に満ちていたのは
戦いと、血と、混沌です。▼
誰かと紅茶を飲む機会なんて…
無用のものです。▼
- [フィヨルム]
- そうだったんですね…
それは、辛かったでしょう…▼
- [マーク(女/闇)]
- …いいえ、まったく。▼
私には…父さんからかけてもらった
言葉が…いつだって支えになって…
響いて…。▼
…くっ、私はなにを!
な、なんでもありませんよ。
あなたたちに隙は見せません。▼
- [フィヨルム]
- あの…二人のマークさんは、
生きる世界は違っても…
魂の形は、同じだと思うのです。▼
せめて、アスク王国にいる間だけでも
仲良くしませんか?▼
- [マーク(女)]
- つまり一時休戦の同盟ですね!
同盟は立派な戦術です!▼
それに、異界の自分と一緒に
お茶を飲みながら策を考えるなんて、
ここでしかできませんよ!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- えー!?
もう一緒にお茶をしないって…
どうしてですか!?▼
紅茶がおいしいって
言ってくれたじゃないですか。
同じマーク同士、仲良くしようって…▼
マークマーク同盟が
一方的に破棄されてしまうなんて
悲しいです!▼
- [マーク(女/闇)]
- あなたと私は、姿こそ似ているけど
やはり違う存在。
慣れ合うことは…できませんよ。▼
- [マーク(女)]
- で、でも、私たちは…!▼
- [マーク(女/闇)]
- 近いようでいて、あなたは
私から一番遠い存在です。▼
もうこれ以上…
私に関わらないでください。
それでは。▼
- [マーク(女)]
- あっ! 待ってくださいっ!
って、あわわ…
きゃぁぁぁっ!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- いたた…自分で仕掛けておいた罠に
ひっかかるなんて…
私もまだまだ甘いです!▼
ああっ、転んだ拍子に
大切な本を落としてしまいました…▼
- [マーク(女/闇)]
- ……!
そ、その本は…。▼
- [マーク(女)]
- これですか? これはですね、
私が父さんからもらった戦術書です。▼
マークちゃんの命と同じくらい
大切な本なんですよ!▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。▼
- [マーク(女)]
- この本には、父さんの戦術だけじゃなく
親から子へと受け継がれる
「想い」が詰まっているんです。▼
小さい頃から何度も何度も読み返して
もうボロボロなのですけど…
私にとっては、光り輝く宝物です。▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。
私も、それと同じ本を…▼
- [マーク(女)]
- あっ! その本!
私が持っている戦術書と
まったく同じものじゃないですか!▼
ボロボロになっているところも
まったく同じ…あなたも、その本を
大切にしてくれていたんですね。▼
やっぱり、私たちは同じなんです!
過ごしてきた境遇は違うけど、
どこか似ているんですね。▼
- [マーク(女/闇)]
- ……。
まったく…
あなたといると調子が狂います。▼
…仕方ありませんね。
この世界にいる間だけ…
時々は付き合ってあげますよ。▼
狂乱の王子 ディミトリ†
- [ディミトリ]
- ……。▼
大地を覆う夜闇の濃さは
アスクもファーガスも
変わりはしない。▼
そして…
人の地肉を引き裂く感触もな。▼
く…くく…
地獄の先にあったのは
また地獄だったというわけか。▼
どこまで行っても
俺にできるのは、殺し続けることだけか。▼
殺す…そうだ…
あの女を引き裂くこと…
それだけが…弔いに…。▼
だから、みんな…そう心配しないでくれ。▼
…ええ、父上も、継母上も
そんな顔をなさる必要はありません。
きっとすぐに…彼女の首を…。▼
- [???]
- ……。▼
- [ディミトリ]
- ……!?
誰だ…そこにいるのは…?▼
- [???]
- お前は…死をまといすぎている。▼
- [ディミトリ]
- 貴様…何者だ?▼
- [???]
- ……。▼
- [ディミトリ]
- 俺が…
死をまといすぎているだと?▼
く、くく…当然だ。
当たり前だろう…!▼
今の俺は…死者たちの無念によって
生かされている。▼
俺の邪魔をするのであれば
お前も死者の列に加わることになる。▼
- [???]
- その必要はない。▼
なぜなら俺は…
すでに死者の列に
身を置いているのだから。▼
- [ディミトリ]
- …なんだと?▼
- [リーヴ]
- 忠告しておく…
死に近づきすぎるな。▼
- [ディミトリ]
- 待て…!
貴様はいったい…!?▼
……。▼
今のは…
アルフォンス…王子?▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
- [アルフォンス]
- ああ、ディミトリ…
なにか僕に用かな?▼
- [ディミトリ]
- アルフォンス王子
昨夜、俺の前に…。▼
- [アルフォンス]
- ……?▼
- [ディミトリ]
- …いや、なんでもない。
忘れてくれ。▼
- [アルフォンス]
- 君はヴァイス・ブレイヴの大切な一員だ。
なにかあれば遠慮なく言ってほしい。▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
- [アルフォンス]
- 戦場での君の戦いぶりには
とても助けられているよ。
ありがとう。▼
それと…これは僕の
勘違いならいいのだけれど。
- [ディミトリ]
- ……。▼
- [アルフォンス]
- あまりにも激しい戦いぶりは
自らの命を顧みないような…
そんなふうにも見えるんだ。▼
- [ディミトリ]
- 俺が死に場所を探しているとでも
言いたいのか?▼
- [アルフォンス]
- ……。▼
- [ディミトリ]
- 俺は死なない。
「あの女」を殺すまでは…絶対にな。▼
俺がこの世界で果たすべき役割は
死体の山を積み上げることだろう?
ならば…俺はその期待に応えよう。▼
- [アルフォンス]
- ディミトリ!
くれぐれも無理は…。▼
行ってしまったか…
彼の心には、僕が伺い知れない嵐が
渦巻いているのだろうか…▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
ここは…どこだ。▼
くっ…! うううっ!
また…この頭痛か…。▼
- [ヘル]
- …………▼
- [ディミトリ]
- 誰だ…貴様…?。▼
- [ヘル]
- 私は、死だ。▼
死に理由などない。
死に意味などない。▼
死者の無念を晴らす…
生者のその思いもまた…意味などない。▼
- [ディミトリ]
- 貴様…なにを言っている?。▼
- [ヘル]
- 死者は怨嗟の声を上げることはできぬ。
死者にはなにも与えることはできぬ。
墓石すら、死者は必要としていない。▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
- [ヘル]
- 生者は人を殺める理由を欲する。
死者のためでなく、
ただ己のために。▼
- [ディミトリ]
- ベラベラと…
よくしゃべる死神だな。▼
- [ヘル]
- 生者よ。死ね。
そして死の国に来るがいい。▼
死者には理由など不要だ。
ただ、世を死で満たせばよい。▼
それが…お前に残された
唯一の安息となろう。▼
- [ディミトリ]
- ……。▼
く、くく…安息だと?
笑わせるな。▼
俺には、そんなものは必要ない。
そして…。▼
俺の戦いに意味があるかどうかを
決めることができるのは
俺自身だけだ。▼
- [ヘル]
- ……。▼
- [ディミトリ]
- 散っていった者たちの無念は
俺が生き続け、戦い続ける限り
決して潰えることはない。▼
俺の存在そのものが…
死者たちの遺志なのだから。▼
- [ヘル]
- お前が言う
死者の遺志とやらが
存在するのならば…▼
お前が生み出していく死者たちの
憎しみもまた、お前自身の魂に
積み重なることになるだろう。▼
- [ディミトリ]
- …承知の上だ。
とうの昔に…覚悟は決めている。▼
- [ヘル]
- …ならば、生者よ。
終わりなき生き地獄を
あがき続けるがいい。▼
お前の命の灯が消える
その時まで…▼
- [ディミトリ]
- …消えた、か。▼
異界が見せた、くだらぬ幻影か。▼
俺の戦いは…何者にも
終わらせることはできん。▼
死者たちの無念の声が
鳴り止むまで…
俺は戦い続ける。それだけだ。▼
(暗転)
- [リーヴ]
- ……▼
お前はアスク王国に来てまで
血塗られた道を歩もうというのか。▼
数ある選択肢の中から
その道しか選べぬほど…
心に満ちた闇は…深いのか。▼
(暗転)
- [ディミトリ(士官学校生)]
- 愚か者の謗りを受けようとも、
最後まで足掻き、より良い道を探す…▼
人が人を治めるのは
そのためなんじゃないかな。▼
- [アルフォンス]
- …最後までより良い道を探す、か。▼
できるなら僕も、そう在りたいな。
…そんな王になりたい。▼
- [ディミトリ(士官学校生)]
- …はは。
似たもの同士だな、俺たちは。▼
(暗転)
- [リーヴ]
- ディミトリ。▼
もし、君がこのまま…
怪物に成り果てたとしても…▼
…今の僕に…俺に…
それを咎める資格などありはしない。▼
…似た者同士、か…。▼
コメント†
- 闇堕ちマーク(男)と闇堕ちマーク(女))は偽善者ぶってる。本当はアスク王国を滅ぼしたいじゃないのかな? -- 名無し
Last-modified: 2023-05-20 (土) 16:07:36