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章別会話
明日へと続く道†
明日へと続く道†
オープニング†
- [シャロン]
- みなさん、今日もお疲れさまでした!
ケガなく任務を終えることができて
なによりです!▼
- [オーシン]
- へへっ、盗賊相手に後れをとる
フィアナ義勇軍じゃないってね!▼
- [タニア]
- オーシンったら調子に乗って…▼
さっきもマリータに危ないところを
助けられてたじゃないの。▼
- [マリータ]
- いえ、それはエーヴェルお母様の
支持が的確だったので…▼
- [エーヴェル]
- 今日の勝利はみんなの
力がうまくかみ合った結果よ。▼
だけど、城に戻るまで気を抜かないでね。
このあたりは盗賊が出没するらしいから。▼
- [タニア]
- ……▼
- [アルフォンス]
- タニア、どうかしたのかい?
向こうの荒れ地をじっと見つめて。▼
- [タニア]
- この土地…今は荒れて見えるけど
どことなく人の手が入った形跡が
あるような気がして…▼
- [エーヴェル]
- そうね。あの丘は自然に出来たというより
造形されたような形をしているわね。▼
- [アルフォンス]
- たしか…この土地は農地として
開墾する予定だったと聞いているね。▼
だけど、戦乱や川の氾濫のおかげで
その計画は頓挫したみたいなんだ。▼
- [マリータ]
- だから、少しだけ人の手が入った
跡が残っているんですね。▼
- [オーシン]
- 日当りもいいし、水はけもよさそうだ。
せっかくいい土地なのにもったいないな…▼
- [タニア]
- そうだ、アルフォンス王子!
この土地をあたしたちに
開拓させてくれない?▼
- [アルフォンス]
- えっ? 英雄の君たちが
この土地を切り拓くというのかい?▼
- [タニア]
- 農地にするだけじゃなく
ここなら村だって作れそうだよ。
どうかな?▼
- [エーヴェル]
- そうね…川の治水をしっかりやって
丘の下に広がる森を伐採できれば
村の用地も確保できそうね。▼
- [オーシン]
- おっ、力仕事が必要なら
俺に任せといてくれよ!▼
- [マリータ]
- 私もお母様の手伝いができるなら
喜んで協力します。▼
- [シャロン]
- でも、いいんでしょうか。
英雄のみなさんにそんなお仕事まで
お願いしてしまって…▼
- [タニア]
- 大丈夫! 任せてよ!
うまくやってみせるからさ。▼
- [アルフォンス]
- それでは、お願いしてもいいだろうか。
なにか必要なものがあれば
遠慮なく言ってほしい。▼
- [タニア]
- よーし!
この荒れ地を見違えるような
立派な村にしてみせるよ…!▼
- [オーシン]
- 力仕事なら俺たちに任せとけ!
力自慢の英雄たちにも
加勢に来てもらうことになったしな。▼
- [マリータ]
- 頼まれていた水路の図面を
お母様から預かってきたわ。▼
- [タニア]
- どれどれ…いやぁー、さすがだよ!
こんな見事な図面を引けるなんて。
うちの親父の落書きとは大違いだね。▼
- [シャロン]
- タニアさん!
お手伝いしに来ましたよ~。▼
- [タニア]
- おっ、シャロン王女!
助かるよ、今は少しでも
人手がほしいところだからね。▼
- [シャロン]
- それにしても…すごいですね。
あれほどの荒れ地が
村の形になっちゃうなんて!▼
もしかしてタニアさん…
以前にも同じような経験を
されているんですか?▼
- [タニア]
- 親父がトラキアとマンスターの間にある
紫竜山を開拓しててさ。
あたしも一緒に手伝ってたんだ!▼
- [シャロン]
- なるほど~。
だからこんなにスムーズに
村作りを進められたんですね!▼
- [マリータ]
- 私たちは…戦うために
アスク王国に呼ばれたのだと
思いますが…▼
こうしてアスク王国のみなさんを
別の形で支えられるとうれしいです。▼
- [シャロン]
- そうですね! 戦うだけじゃなく
英雄のみなさんの力をお借りできれば
アスク王国はさらに発展すると思います!▼
でも、気をつけてくださいね。
噂を聞きつけて、さっそく賊が
現れたっていう話も聞きますから。▼
- [タニア]
- せっかくここまでこぎ着けたんだ。
賊なんかに荒らさせはしないよ!▼
- [マリータ]
- 村作りの邪魔はさせません。
私が守ります!▼
- [シャロン]
- わたしたちも見回りを強化しますね。
みなさんと力をあわせて
じゃんじゃん開拓を進めましょう!▼
- [オーシン]
- おらっ! 賊なんかに
手入れした土地を荒らさせるか。
おととい来やがれ!▼
- [マリータ]
- 敵の姿は他にはない…
なんとか追い払えたみたい。▼
- [タニア]
- ……▼
- [オーシン]
- どうしたタニア、浮かない顔して…
どこかケガでもしたのか?▼
- [タニア]
- あ…いや、大丈夫。
どこもケガはしてないよ。
ただ…▼
紫竜山を開拓したときも
親父の部下に反乱を起こされて
土地を奪われそうになってさ。▼
土地だけじゃなく、あいつらは
あたしと親父の命も奪おうとした。
一緒に開拓に励んだ仲だったのに…▼
- [マリータ]
- ……▼
- [タニア]
- 辛い開拓の日々に嫌気が差して
空腹を抱えて生きることに
我慢ができなかったみたいだけど…▼
だからといって
許されることじゃないよ。▼
- [オーシン]
- そのときのことを
思い出してたってわけか。▼
- [タニア]
- 人々の平和な暮らしを壊すのは
嵐や地震、洪水みたいな
天変地異だけじゃない。▼
人々から平和な暮らしを奪う
原因には人間の悪意もあるんだ。▼
それは…
トラキアでもアスク王国でも
変わらないのかもしれないね。▼
- [オーシン]
- 平和な暮らしを奪うのは
人間の悪意…か。▼
そうかもしれねぇな、
認めたくはないけどよ。▼
- [マリータ]
- ……▼
天変地異にはどう頑張っても
人の力では抗えないけれど…▼
私たちと同じ人間が相手なら
頑張れば立ち向かえる。▼
- [タニア]
- ……!
そうだね、マリータの言うとおりだ。▼
人間がやらかすことなら
あたしたちでもなんとかできる!▼
自分で言っておいてなんだけど
肝心なことをすっかり見落としてたよ!▼
- [オーシン]
- だな…!
賊なんかに負けずに
最後までやり遂げようぜ!▼
- [タニア]
- 賊が何回襲ってきても
全部蹴散らしてやるんだから…
あたしたちは絶対に諦めないよ!▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [シャロン]
- ……▼
- [アルフォンス]
- 信じられるかい、シャロン。
目の前にある立派な村が
少し前まで荒れ地だったなんて。▼
- [シャロン]
- わ、わたしも信じられません!▼
いざこうして形になってみると
自分の目を疑っちゃいますね…▼
- [オーシン]
- おいおい、シャロン王女たちも
開拓を手伝ってくれていたのに
信じられないって、どういう了見だよ?▼
- [タニア]
- 近くの川には堤防も築いたし
水路も確保して治水は万全!▼
見張り台に集会所に食料庫も建てた。
設備としても十分だよね。▼
- [エーヴェル]
- ええ。ここを村の中心として
耕作地を広げていけば
きっと豊かな土地となるでしょう。▼
- [シャロン]
- いやー、英雄の力って
本当にすごいんですねぇ…▼
- [マリータ]
- 私たちが
アスク王国へ呼ばれて…
戦い以外でも力になれてよかった。▼
- [エーヴェル]
- そうね、戦いに勝つことだけが
役目ではないわ。▼
異なる世界から来た私たちが
アスク王国で暮らす人々の生活を
支えるために力を発揮できた…▼
それはとても誇らしいこと。▼
- [オーシン]
- さすがエーヴェル様!
俺の気持ちを代弁してくれたぜ!▼
- [アルフォンス]
- 今、アンナ隊長に入植者を
集めてもらっているんだけど…▼
英雄が作った村と評判が広がって
希望者が大勢いるらしいね。▼
- [マリータ]
- 本当ですか?
それはよかったです…▼
- [タニア]
- でも、この村ってまだ名前がないよね。▼
- [オーシン]
- 『英雄村』でいいんじゃないか?
強そうでいいだろ!▼
- [タニア]
- 村の名前に強さは求めてないし。▼
そうだ…! いっそここも
『フィアナ村』って名前にする?▼
- [エーヴェル]
- いいえ、それはやめておきましょう。▼
村の名前は、これからここで生活する
人々が決めてくれるわ。▼
彼らこそが、この村の明日を
作っていく主役なのですから。▼
- [タニア]
- そっか…うん、そうだね。
そのほうが愛着も持てるだろうし。▼
- [エーヴェル]
- いつか私たちが
アスク王国から去ったとしても…▼
この村は私たちとアスク王国の
絆の証として…いつまでも
残ってくれると信じています。▼
- [シャロン]
- わたしにはわかります!
みなさんのおかげでこの村は
きっと末永く繁栄すると思います!▼
- [タニア]
- あのさ、それと…▼
ここを襲ってきた賊の連中もさ。
なんとか説得して、まっとうな道に
戻してあげられないかな。▼
できればあいつらにも…
この村に住んでもらって
人生をやり直してほしいんだ。▼
- [エーヴェル]
- それはいい考えね。
彼らも守るものができれば
生き方を改められるかもしれない。▼
- [アルフォンス]
- 僕たちも説得に協力するよ。
争い傷つけ合うのではなく
ともに歩める仲間のほうがずっといい。▼
- [オーシン]
- やいのやいの文句を言うようなら
俺のプージでガツンと一発
お見舞いしてやるからよ!▼
- [タニア]
- まーた、オーシンは余計な火種を
作るようなことを言って…!▼
- [マリータ]
- 私たちがこの村に込めた想いと
アスク王国に暮らす人々の未来が
重なっていけば…▼
この村はきっと
希望の象徴になると思います。▼
- [タニア]
- そうだね…!
この村で一人でも多くの人たちが
希望を見つけてくれるとうれしいな!▼
月と星の剣士 マリータ†
- [マリータ]
- やっ! はぁぁっ…!▼
少しでも、シャナン様のような
立派な剣士に近づけるように…!▼
そして…エーヴェルお母様の
力になれるように…!▼
はあっはぁっ…まだ、まだ足りない。
こんなことでは、私はまた…▼
- [フィヨルム]
- マリータさん、すごい集中力ですね。
訓練とは思えない、気迫を感じます。▼
- [マリータ]
- フィヨルム王女…!
いつからそこに?▼
- [フィヨルム]
- 少し前から…です。
マリータさんが集中されていたので
つい声をかけそびれてしまいました。▼
次回の出撃について
アンナ隊長が打ち合わせをしたいと…▼
- [マリータ]
- も、申し訳ありません…
剣を振ることに夢中になってしまい…▼
- [フィヨルム]
- 謝ることはありませんよ。
それだけ魂を込めて
訓練されていたということですし。▼
きっと、その一振り一振りが
マリータさんの力になるのですね。▼
- [マリータ]
- だと、いいのですが…▼
- [フィヨルム]
- マリータさん…
なにか心配事でも?▼
- [マリータ]
- いえ、特にそのようなことは…▼
……!?▼
この感覚…
以前にも…
近くに…!▼
- [フィヨルム]
- あっ、マリータさん!
そっちの森の奥は…▼
- [マリータ]
- いる…! 確かに近くにいる…!
この胸のざわめき…忘れはしない…!▼
(暗転)
- [マリータ]
- ……!
見つけた!▼
この邪な空気、間違いない…
あのとき私を支配した…魔剣!▼
- [マリータ(闇)]
- ……▼
- [マリータ]
- あなたは…!?
わ、私…なの……?▼
- [フィヨルム]
- マリータさん!
だ、大丈夫ですか!?▼
- [マリータ]
- ……▼
フィヨルム王女、先ほど
ここに…もう一人の私が…▼
どうして…私は魔剣を握っていたの?
あの魔剣は力を失ったはずなのに…▼
- [フィヨルム]
- マリータさんが出会ったのは
きっと別の世界から召喚された
マリータさんだと思います。▼
アスク王国では、違う世界を生き
違う選択肢を選んだもう一人の自分と
出会うことも珍しくはないのです。▼
- [マリータ]
- だとすると…さっき出会った私も
偽物なんかではなく本物の…私。▼
もしそうなら、放ってはおけない…▼
- [フィヨルム]
- あっ、マリータさん!
一人では危険です…!▼
(暗転)
- [マリータ]
- もし本当に、あれが
もう一人の私だとしたら…▼
いつまでも魔剣を…
握らせておくわけにはいかない!▼
- [マリータ(闇)]
- それは…
オマエの勝手な考えダ。
ハアッ…!▼
- [マリータ]
- ……!▼
…くっ…!▼
- [マリータ(闇)]
- フン…避けたカ…▼
- [マリータ]
- 魔剣を捨てて、その子を…
私を解放しなさい!▼
- [マリータ(闇)]
- クク…ククク…▼
そう言われテ、
オマエは剣を手放したカ?▼
力に溺レ、殺意に駆らレ…
エーヴェルに剣を向けた…▼
- [マリータ]
- くっ…!▼
- [マリータ(闇)]
- オマエは魔剣に操られたのではナイ…▼
オマエが、自分から力を求めたのダ…!▼
- [マリータ]
- こうなったら力ずくででも
魔剣を砕いてみせる…!▼
はぁぁっ! たぁっ!▼
- [マリータ(闇)]
- ククク…無駄ダ!▼
- [マリータ]
- くっ…!▼
- [マリータ(闇)]
- ククク…
オマエが剣を振り続けるのハ
強くナルためではナイ…▼
オマエは逃げたいノダ。
我に支配されタ過去カラ…!
力を求めテしまっタ自分カラ…!▼
- [マリータ]
- ち、違う…!
私は逃げてなどいない…▼
くっ! うううっ!
お、押されているっ!
このままでは…!▼
- [マリータ(闇)]
- そう都合良ク、過去ガ消えるモノか…▼
オマエがオマエ自身の手で
大切な者を傷つけた事実ハ
一生消えぬノダ…▼
オマエハ殺ス!
そしてエーヴェルもみな、殺ス!▼
- [マリータ]
- ……!
そうは…させないっ!▼
- [マリータ(闇)]
- ……!?
ナニッ!?
剣の力ガ…!?▼
- [マリータ]
- お母様には手出しさせない…
そして、大切な人々も…
私が必ず守ってみせる!▼
- [マリータ]
- はぁぁぁっ!▼
- [マリータ(闇)]
- くっ! バカな!?
剣の鋭さが…
サッキまでトハ…▼
…ナゼだ…!?
ドウシテ…!▼
- [マリータ]
- 理由は…簡単よ。
奪う剣よりも守る剣のほうが強いから。▼
私はお母様やリーフ様と戦い
そのことを学んだ!
はぁぁぁっ!▼
- [マリータ(闇)]
- ク…ククク…守る剣、ダト?
なんとも耳触りのイイ言葉ダ。▼
ダガ、チカラの根源は、相手を憎むコト。
殺意、恨ミ、怒リ…ソレガ剣を強くスル。▼
- [マリータ]
- 私は…そんなもののために
剣を振るいはしない!▼
- [マリータ(闇)]
- 口ではなんとデモ言える。
クク…ククク…オマエがその信念ヲ
どこまで貫けるカ…▼
あがく様を見せてもらオウ。▼
- [マリータ]
- ……! 待ちなさい…っ!▼
消えた…さっきのはいったい…▼
- [フィヨルム]
- マリータさん、大丈夫ですか!?▼
……!? 身体中に傷が!
いったい、ここでなにが?▼
もしかして、もう一人の自分と
戦っていたのですか?▼
- [マリータ]
- 大丈夫です。かすっただけで
どれも深い傷ではありません…
心配をおかけしました…▼
私はこの世界で、アスク王国を守り
大切な仲間を守るほかにも…
自分が成すべきことを知りました。▼
- [フィヨルム]
- 成すべきこと…?
それは…▼
- [マリータ]
- 魔剣に支配されたもう一人の自分を
解放することです。▼
私と魔剣に支配された私が出会ったのは
きっと偶然ではありません。▼
ここで、この世界で、私たちは
出会う運命だったのです。▼
- [フィヨルム]
- エクラ様から
伺ったことがあります。▼
この世界に呼ばれた英雄は
それぞれがここで成すべき
使命を持っていると…▼
その使命がきっとお二人を
引き合わせたのでしょうか?▼
- [マリータ]
- 魔剣に支配された私が召喚されたのも
なにか意味があるのだと思います。▼
もしかすると…彼女は
同じ魂を持つ私の手による解放を
望んでいるのかもしれません。▼
- [フィヨルム]
- マリータさん、一人で全部
背負い込まないでくださいね。▼
私たちの力も
頼りにしてください。▼
- [マリータ]
- はい…ありがとうございます。▼
彼女は必ず、私が救ってみせます。
そのために私はここにいる。
そのために…私は強くなる。▼
過去を乗り越え、本当の意味で
前に進むためにも…▼
この剣で大切なものすべてを
守り抜いてみせます…!▼
フィアナの女神 エーヴェル†
- [アルフォンス]
- エーヴェル殿…
先ほどの指揮、見事でした。▼
的確で無駄がなく
味方にもいっさい被害を出さず
戦いを終えることができた。▼
- [エーヴェル]
- いえ、私の力ではありません。
英雄のみなさんの力が
正しく発揮されただけのことです。▼
- [アルフォンス]
- あなたの名は、この世界にも
異界の伝承として伝わっています。▼
フィアナ村で義勇軍を興し
圧政に立ち向かった中心的人物。
解放戦争の象徴の一人であったと…▼
- [エーヴェル]
- 私はそんな大層な人間ではありませんよ。
運命の巡り合わせが偶然…
私を導いただけです。▼
- [アルフォンス]
- ですが、鍛えられた兵士ではなく
義勇兵を率いて戦うのは
相当の苦労があったのでは…?▼
- [エーヴェル]
- たしかに…義勇兵のほとんどは
山賊あがりの荒くれ者ばかりでした。▼
しかし彼らには、なによりも強い…
現状を変えたいという
意志の力があったのです。▼
- [アルフォンス]
- 意志の力…?▼
- [エーヴェル]
- 圧政に虐げられた皆は腹を空かし、
跋扈する暗黒教団に
怯える日々を送っていました。▼
義勇軍に参加した人々は
そんな現状を変えたい…▼
家族や恋人、兄弟の未来を守りたい。
そう考えて、行動を起こした人々でした。▼
守るべきものがある人間は
自ずと強くなります。▼
義勇軍は自分の力で…
意志の力で運命を切り開こうとする
人々の集まりだったのです。▼
- [アルフォンス]
- なるほど…義勇軍は
武力や兵力で計る強さとは違う
軍隊とは別の強さを持っていたと。▼
- [エーヴェル]
- 私は…みなの背中を
ほんの少し押しただけに過ぎません。▼
リーフ様が寡兵ながらも勝利を
重ねられたのも、その意志の力が
あったからだと思います。▼
- [フィン]
- まさか…
この異界の地で再会できるとは。
運命とは不思議なものだ。▼
- [エーヴェル]
- ええ、本当に。できるなら…
戦いのない平和な世界で
再会したかったですね。▼
- [フィン]
- あなたは私の命の恩人…いや
リーフ様にとっても大恩ある身。▼
このアスク王国においても
必要ならばあなたのために槍を振るおう。▼
- [エーヴェル]
- フィン…ありがとう。
あなたの騎士としての輝き
いささかも陰ってはいませんね。▼
- [フィン]
- ときにエーヴェル…
あなたの若い頃の記憶は
まだ戻ってはいないのか…▼
- [エーヴェル]
- ええ。残念ながら…▼
- [フィン]
- 以前にも話したと思うが
あなたは私がよく見知った人物に
実によく似ているのだ。▼
- [エーヴェル]
- ……▼
- [フィン]
- あなたの記憶が戻れば
その真偽も判明すると思うのだが。▼
いや、この話はまたにしよう。
私はこれより軍議があるので失礼する。▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [エーヴェル]
- あら、アルフォンス王子…
いつからそこに?▼
- [アルフォンス]
- 先ほどからそこに…
つい耳に入ってしまって。▼
- [エーヴェル]
- まだお話ししていませんでしたね。
私はフィアナ村に来る以前の
記憶がまったくないのです。▼
フィアナ村にほど近い
海岸で記憶を失い、
倒れていたところを助けられたのです。▼
- [アルフォンス]
- そんなことが…▼
- [エーヴェル]
- 私がフィアナ村に来る以前に
なにをしていたのか、家族はいたのか
なにも…わかりません。▼
ただ、私の身体は
戦う術だけは覚えていました。
それで私は傭兵になったのです。▼
きっと違う場所でも
私は戦いの中に
身を置いていたのでしょう。▼
それだけが…
私に残された過去だったのです。▼
- [エーヴェル]
- あら、アルフォンス王子。
今日は修練の塔で
訓練されていたのですか?▼
- [アルフォンス]
- ええ。
新しく召喚に応じてくれた
英雄たちと一緒に。▼
……。
そういえばエーヴェル殿、
あなたに聞きたいことが…▼
- [エーヴェル]
- 私に答えられることならなんでも。▼
- [アルフォンス]
- 過去の記憶がないまま…
義勇軍を率いて戦うのは
不安もあったのでは…?▼
自分が何者かわからないまま
剣を振るい続けるというのは…▼
- [エーヴェル]
- ……▼
たしかに胸の中に
大きな空白を感じる瞬間もありました。▼
その頃の私は依るものもなく…
自分がなにを積み上げてきたのかも
わからない存在でしたから。▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [エーヴェル]
- ですが、だからこそ…
そのとき自分の目に映っていたもの…
フィアナ村が私のすべてでした。▼
そして、村で月日を重ねるうちに
私の中で大切なものが
生まれていったのです。▼
リーフ様、ナンナ様、マリータ…
みな、私の子どものようなものです。▼
彼らの未来を守ることが
私の生き甲斐になるまで
そう時間がかかりませんでした。▼
- [アルフォンス]
- 文字どおり、第二の人生が
はじまったと…▼
- [エーヴェル]
- 今もその想いは変わりません。▼
そして…アスク王国で暮らす
大勢の子どもたちの未来を拓くことも
今の私にとって大切な役目なのです。▼
私一人が立ち止まって
過去に目を向けている暇はありません。▼
- [アルフォンス]
- そうか…あなたの目は
いつも未来を見ている…▼
だから、過去にとらわれず
前に進むことができる…▼
あなたを支えている強さが…
よくわかった気がします。▼
- [エーヴェル]
- 何度も言いますが…
すべては運命の巡り合わせ。▼
私はよい仲間と、子どもたちに
恵まれただけに過ぎません。▼
- [アルフォンス]
- でも、過去を失っても
未来に向けて歩き続けるあなたを見て
みんなは成長していった…▼
あなたの生き様そのものが
未来へと導いていった…▼
- [エーヴェル]
- もったいないお言葉です。
ありがとうございます、アルフォンス王子。▼
- [アルフォンス]
- 過去は大切で、想い出はときに
今の自分を支えてくれる。▼
だけど…過去はもう変わることはない。
見据えるべきは、未来…▼
- [エーヴェル]
- はい。それもまた
考え方のひとつだと思います。▼
- [アルフォンス]
- 王族として…未来になにを残せるのか
この国の未来に、どう寄与できるのか。▼
僕もより深く
考えていきたいと思います。▼
- [エーヴェル]
- ……▼
もしかすると…いつの日か
私の記憶が戻るかもしれません。▼
でもそれはきっと、すべてが終わってから。
平和な世界を取り戻してから…
私はそう思うのです。▼
だから私は前を向いて歩き続けます。
大切な子どもたちと…
ここにいるみなさんと一緒に。▼
怒れる斧戦士 オーシン†
- [オーシン]
- ……▼
気のせいじゃ…ないよな。
ここんとこ、おかしな視線を
ずっと感じてるんだけどよ…▼
おい、誰だ!?
俺をコソコソつけてやがるのはよ!
姿を見せやがれ!▼
- [???]
- ハハハッ…!
さすが私たちが目を付けた
期待の新人だな!▼
- [???]
- なかなかの勘の良さ。
見どころがあるようだな!▼
- [オーシン]
- だ、誰だ、お前たちは!?▼
- [バアトル]
- ワーッハッハッ!
わしの名前はバアトル!▼
わしらは斧を使う英雄の
地位向上を目指して結成された
斧の会のメンバーだ!▼
- [オーシン]
- は、はぁっ!?
斧の会? なんだよそりゃ!?▼
- [ハロルド]
- 斧こそヒーローにふさわしい武器!
もっと斧の素晴らしさを広め
みなが憧れる武器にしようではないか!▼
オーシンくん、君も斧使いなら
斧の会に入会したまえ!
素晴らしき斧でともに正義を語ろう!▼
- [オーシン]
- ちょっと言ってる意味が
わかんねぇんだけど…▼
- [ドルカス]
- いきなりですまんな。
一応…おれも会の一人らしい…▼
要は斧使い同士で切磋琢磨して
強くなろうという集まりだ…そうだ。▼
- [オーシン]
- な、なんだ、そういうことかよ。
俺ぁてっきり、暗黒教団みたいな
怪しげな集団かと思っちまったよ…▼
- [ハロルド]
- ハハッ、ナイスジョークだ。
もっとも、私たちには怪しさなど
微塵も漂ってはいないがね!▼
- [バアトル]
- 斧の会はお前を歓迎するぞ!
ともに腕を磨き、上を目指そうではないか!
ワーッハッハッ!▼
- [オーシン]
- なーんかこいつら見てると
くそ親父を思い出しちまうな…▼
ま、まあ…悪い連中じゃなさそうだし
とりあえず世話になってみるか…▼
- [ハロルド]
- 突然だが、ヒーローにとって…
いや…斧使いに一番必要なものは
なにかわかるかね!?▼
- [オーシン]
- そりゃあ重たい斧を
ブン回せる筋力かな…▼
俺が愛用しているプージも
結構な重さがあるし。▼
- [ハロルド]
- そのとおり! 筋肉こそ正義!
鍛え抜かれた筋肉さえあれば
どんな強敵も不運も跳ね返せる!▼
- [オーシン]
- …強敵はともかく、
不運ってのは
筋肉で跳ね返せるのか…?▼
- [ハロルド]
- そんなわけで、斧使いの中でも
今日はとびっきりタフネスな英雄に
練習相手になってもらうとしよう。▼
彼を相手に戦って
筋肉をとことんいじめ抜いて欲しい。
来たまえ、ローローくん!▼
- [ローロー]
- オレ、ローロー。
キンニク、キンニク。ウキキ…!▼
- [オーシン]
- おっ、強そうな奴が出てきたな。
力比べだったら遠慮はしねえ!
やってやるぜ!▼
せやぁぁぁっ!
どりゃぁぁぁっ!
うおりゃぁぁぁっ!▼
(暗転)
- [ローロー]
- ウーッ!
オレ、やられた…▼
- [オーシン]
- はぁっ、はぁっ、はぁっ…
なんてタフな奴なんだ。
とりあえず、一本取ったぜ!▼
- [ハロルド]
- やるじゃないか!
しかし、安心するのは早いぞ。▼
- [オーシン]
- ん? それはどういう意味だ…?
俺の勝ちじゃないのか?▼
- [ローロー]
- 次の相手はオレ…
訓練、訓練、ウキキ…!▼
- [オーシン]
- ど、どういうことだ!?
もう一人!?▼
- [ローロー]
- いあいあ。
オレ、こっちにもいる。▼
- [オーシン]
- うわ! ローローが増えてる!?
なんだこりゃ。魔法かなにかか!?▼
- [ローロー]
- オレもローロー。アレもローロー。
ウキキ。▼
- [ハロルド]
- ハハハッ! ここにいるローローを
全員倒せば、筋力上昇間違いなしだぞ!
さあ、頑張ってくれたまえ!▼
- [オーシン]
- ま、待て、待て待て!
一人でも苦労したのになんだよこの数は!
限度があるだろ!?▼
くっそ、こうなったら
破れかぶれだ、やってやらぁ!▼
- [ハロルド]
- 飛び散る汗、輝く斧…!
うんうん、正義は
スクスクと育っているぞ!▼
- [オーシン]
- …やっぱり、斧使いってのは
男なら筋肉隆々で
険しい顔つきの奴が多いよな。▼
この前、相手してもらった
ホークアイさんやバーツさんなんかも
斧使いの見本って感じがするぜ。▼
- [バアトル]
- なるほどな…
しかし今日、紹介する斧使いは
ちいとばかし違うぞ!▼
こやつこそ揺るがぬ信念で戦う
男の中の男だ!▼
- [リベラ]
- こんにちは。僧侶のリベラと申します。
今日はこちらで訓練すると
聞いてきたのですが…▼
- [オーシン]
- こいつはえらくべっぴんさんだな!
気を悪くしたら謝るけど
男…なんだよな?▼
- [リベラ]
- はい。▼
- [オーシン]
- でもよ。こんな細っちい身体で
斧をブン回せんのか?▼
っていうか、なんかキラキラしてるし
どう見ても斧使いって感じはしねえけど。▼
- [リベラ]
- それなら試してみますか?
こう見えても力仕事は得意ですので。▼
- [バアトル]
- 男とは殴り合って友情を深めるもの!
さあ、訓練開始だ! ガハハ!▼
(暗転)
- [リベラ]
- ふぅ…いい汗を流せました。
素晴らしい時間を過ごせたことを
感謝いたします。▼
- [オーシン]
- いててて、なんつう豪腕だ…
ここまで圧倒されちまうなんてよ…▼
- [バアトル]
- 斧使いを外見で判断してはいかん。
またひとつ学んだな! ガハハ!▼
- [リベラ]
- つい力が入ってしまいました。
これは傷薬です。お使いください。▼
- [オーシン]
- お、おう。ありがとうな。▼
- [リベラ]
- それでは、私はこれで。
あなたにも神のご加護が
ありますように。▼
- [オーシン]
- あんな綺麗な顔してんのに
デカい斧をあんなに軽々と…驚きだぜ。▼
世界は広い…いや、異界は広いな。
俺もまだまだ腕を磨かねぇと…▼
- [バアトル]
- うむ! その心構えがあれば
お前がまだまだ強くなる!▼
だが、斧にばかり頼ってはいかん。
己の肉体こそが最大の武器!
それを忘れるな!▼
- [オーシン]
- そ、それってもう…
斧の会の趣旨から外れてないか!?▼
- [オーシン]
- 斧の会…▼
最初は胡散臭いと思ったけど
訓練をつけてもらっているうちに
実力が増した気がするな。▼
- [バアトル]
- ガハハ!
そうだろうそうだろう!▼
- [ハロルド]
- ふふっ、斧の輝きは未来を照らし
この地にも正義のなんたるかを
知らしめてくれるだろう!▼
- [ドルカス]
- 信じがたいが…
なにか得るものあったなら幸いだ。
今後の戦いに役立ててくれ。▼
- [オーシン]
- ああ!
これまでやってきた訓練は
しっかり俺の血肉になったはずだぜ!▼
- [バアトル]
- む、昨日の訓練で熱を入れすぎたか。
わしの斧の柄がボロボロになっておる。▼
- [ハロルド]
- 私の斧も手入れが必要だな。
うむ、これを機にアンナ隊長に
新調してもらうのもいいかもしれない。▼
- [オーシン]
- ……▼
ところでさ、斧の会って
いったい誰がはじめたんだ?▼
- [バアトル]
- わしがアスク王国に来たときは
すでに存在していたな。▼
- [オーシン]
- あ、あれ? バアトルさんが
立ち上げたんじゃないのかよ?▼
- [ドルカス]
- 発起人は誰も知らない。
気がつくと存在していた、という感じだ。▼
- [オーシン]
- ふーん…まあ強くなれそうだから
これからも斧の会には
世話になるとするよ。▼
- [ハロルド]
- ハハハッ! 君も立派な会員だ!
これからもともに切磋琢磨し
斧の会を盛り上げていこう!▼
(暗転)
- [アンナ]
- 斧の会…
盛り上がっているようね。▼
斧使い同士、切磋琢磨すれば
斧の補充や手入れで
アンナ商会も儲かって一石二鳥!▼
ふふふっ、これからも斧の会には
どんどん勢力を拡大してもらうわよ~。▼
ダグダの娘 タニア†
- [タニア]
- はぁー、すごいねアスク王国は!
こんなにたくさんの英雄が揃ってるの
見たことないよ…▼
- [シャロン]
- あっ、タニアさん!
お城を見学ですか。▼
- [タニア]
- こんにちは、シャロン王女。
さっきまで大広間にいたんだけど
ここは本当にすごいところだね。▼
リーフ様をはじめ
大陸の名だたる英雄が
一堂に勢揃い…▼
綺麗な鳥に変身できる
異界の英雄にもはじめて会ったし
驚きの連続だよ!▼
- [シャロン]
- 驚きの連続…なるほどですね。▼
わたしはお城に英雄のみなさんが
集まっていく過程を見ていましたけど…▼
これだけの数の英雄さんに
一度にバーンと対面すると
驚いちゃうのが普通ですよね!▼
- [タニア]
- なんだか現実感がないね。
物語に紛れ込んじゃったみたいだよ。▼
- [シャロン]
- でも、タニアさんだって
ここに集ったみなさんと肩を並べる
立派な英雄さんですよ!▼
- [タニア]
- そ、そんなに持ち上げなくてもいいよ。▼
リーフ様たちはともかく…
英雄なんて呼ばれるとこそばゆいよ。▼
あたしなんか、王様や貴族でもない
ちょっと弓がうまいだけの小娘だしね。▼
- [シャロン]
- そんなことないですって!
わたしはタニアさんの
これからの活躍を期待していますよ。▼
- [タニア]
- そうまで言われると
頑張らないわけにはいかないかな。▼
任せといて。あたしなりに
やれるだけやってみるよ。▼
……▼
- [タニア]
- 焦る必要はない…
よーく狙って、いつもどおりに…▼
もう…! どうして外れるのさ!?▼
- [シャロン]
- こんにちは、タニアさん。
今日は弓の練習ですか?▼
- [タニア]
- シャロン王女…▼
練習…してたんだけどね…
ご覧のとおり、なんだか調子が出なくて。▼
- [シャロン]
- うーん…そうですね、
こういうときは気分転換です!
タニアさん、お茶にしましょう!▼
(暗転)
- [タニア]
- おいしいね、このお茶!
こっちのお茶菓子も…うん
こんな甘いの、食べたことないよ!▼
- [シャロン]
- まだまだたくさんありますからね。
どんどん食べてください!▼
- [タニア]
- 王族や貴族って
毎日こんなにおいしいものを
食べてんのかな…▼
……▼
ねぇ、シャロン王女。▼
ここにいる英雄のみんなはさ、
ほとんどが王族や貴族といった
高貴な出身なんだろ?▼
- [シャロン]
- い、いえ、みんながみんな
そうではありませんよ?▼
軍人や傭兵の方
少し前まで村人だった…という
英雄さんもいらっしゃいます。▼
- [タニア]
- へぇー、そうなんだ…
でも、王族や貴族出身の英雄ってのは
なんていうか、存在感が違うよね。▼
あたしの家ときたらさ
足を洗ったとはいえ親父は元山賊だし
なんだか肩身が狭いよ。▼
- [シャロン]
- そんなこと気にすることは
ありませんよ!▼
家柄や身分は関係ありません。
平和のために戦う、誰かのために戦う
自らの信念のもとに戦う…▼
それが英雄だと思うのです!▼
- [タニア]
- ふふっ、シャロン王女ならきっと
そう言うと思った。▼
- [シャロン]
- えっ、あれれ? バレてました?
タニアさん、正解ということで
わたしのお菓子をひとつあげましょう。▼
- [タニア]
- くれるの? ありがと!
遠慮なく頂くよ。▼
でもさ、あたしも親父が元山賊じゃなく
王族や貴族だったらよかったなー。▼
- [シャロン]
- タニアさん!
今日は弓の手入れですか?▼
- [タニア]
- まー、そんなところ。
自分で使う武器だから
自分で手入れしとかないとね…▼
あっ!? 痛っ…!▼
- [シャロン]
- タニアさん、大丈夫ですか!?▼
- [タニア]
- いたた…
弦の結びが緩かったみたい。
うっかりしてた…▼
- [シャロン]
- ちょっと待っててください!
すぐに杖を使える英雄さんを
呼んできますね!▼
- [タニア]
- 大丈夫だよ、シャロン王女。
薬なら持っているから。▼
それにほら、こんなのかすり傷だし。▼
- [シャロン]
- ほっ、たいしたことがなくて
本当によかったです。▼
ところでタニアさん。その薬瓶は
いつも持ち歩いているんですか?▼
- [タニア]
- これかい? これは…
親父があたしに持たせてくれたんだ。▼
自分がケガしたときは
『ツバでも付けときゃ治る!』
とか言ってたくせにさ…▼
娘のあたしには
『少しでもケガしたらそれを塗っとけ!』
とか言って、妙に心配してさ…▼
- [シャロン]
- なるほど…その薬瓶は父の愛
というわけですね!▼
- [タニア]
- そんないいもんじゃないけどさ…▼
ガサツですぐに怒鳴り散らす
親父だったけど、あたしのことは
いつも気遣ってくれてたんだよね…▼
- [シャロン]
- とても優しいお父さんなんですね。
素敵だと思います…!▼
- [タニア]
- 優しい…か。
見た目は優しさとは無縁の
おっかない顔してるけどね、ふふっ…▼
- [オーシン]
- なんだよ、様子が変だって聞いて
心配して来てみりゃ…
全然元気じゃねえか。損したぜ。▼
- [タニア]
- 別に心配してくれって
頼んだ覚えないけど!?▼
オーシンに心配されるほど
あたしはヤキが回ってないんだから!▼
- [オーシン]
- ふん、大丈夫みたいだな。んじゃ
昼の訓練に遅れるんじゃねえぞ!▼
- [タニア]
- あんたこそ、昼寝して訓練を
すっぽかさないようにしなさいよ!▼
ったくもう、なにが心配して損したよ。
オーシンの馬鹿。アスク王国に来ても
全然優しくないんだから…▼
- [シャロン]
- タニアさんとオーシンさんって
とっても仲がいいんですね!▼
- [タニア]
- ち、ちちち、違うわよ!
そんなんじゃないんだから!
ただの腐れ縁だから!▼
- [シャロン]
- 腐っていようが縁は縁です。▼
エクラさんが
英雄はみな、見えない縁で
繋がっているって言ってましたよ。▼
- [タニア]
- そうなんだ。見えない縁、ね…▼
- [シャロン]
- でも、タニアさんが
元気になってよかったです!▼
- [タニア]
- シャロン王女にも心配かけちゃったね。
でも、もう大丈夫!▼
前にあたし、元山賊の娘で
肩身が狭いとか言っちゃったけど…▼
それでもあたしには、たった一人の親父。
王族だろうが元山賊だろうが
関係なく…ね。▼
ダグダの娘と誇りをもって
あたしはアスク王国で戦おうと思うんだ。▼
- [シャロン]
- それでいいと思います!
タニアさんとお父さんの絆は
かけがえのないものなんですから!▼
いつかタニアさんのお父さんも
アスク王国に来てくれるといいですね!▼
- [タニア]
- いやー、それはどうだろ…
すぐに怒鳴り散らすから
城のみんなに迷惑かけるかもよ…?▼
まあ、賑やかになるとは思うけどね!
ふふっ…▼
コメント†
Last-modified: 2021-09-12 (日) 10:58:09