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章別会話
新たなる学びの地†
新たなる学びの地†
オープニング†
- [セテス]
- 私がアスク王国に召喚されたとき
黒鷲、青獅子、金鹿、各学級の級長と
わずかな生徒しかいませんでしたが…▼
今やアスク王国に召喚された
ガルグ=マク大修道院、士官学校の関係者は
かなりの数になる。▼
- [レア]
- 私も驚きました。城の廊下を歩くと
たくさんの生徒たちに挨拶されて…▼
ここはアスク王国ではなく
ガルグ=マク大修道院ではないかと
思ってしまいそうです。▼
- [アルフォンス]
- 確かに、ヴァイス・ブレイヴに
力を貸してくれている英雄には
フォドラ出身者がたくさんいるね。▼
- [シルヴァン]
- しかも、自分のいたフォドラと
違うフォドラから、別の自分も
召喚されているんですよね?▼
さっき城の中を歩いていたら
「今日は水着じゃないのか?」とか
言われてちょっと面食らいましたよ。▼
- [フェリクス]
- 自分も似たようなことを言われた。▼
異界の自分がどんな格好をしていようが
知ったことではないが
いらぬ誤解を受けるのは正直迷惑だ。▼
- [イングリット]
- 私は2年前の自分が
召喚されているのを見ました。
士官学校の制服を着ている私を。▼
- [レア]
- イングリットは私と違って
2年後の世界から来たのですね。▼
- [イングリット]
- はい。私はここにいるシルヴァンや
フェリクス、それにレア様がいた世界から
少し先のフォドラから召喚されたようです。▼
- [セテス]
- 話を続けよう。▼
アスク王国には生徒たちのみならず
生徒を導く立場にある
マヌエラやアルファルド…▼
セイロス騎士団のカトリーヌや
シャミアたちも召喚されている。▼
- [シャロン]
- ほかには、門番さんと
ガルグ=マク大修道院からついて来た
わんちゃん、ねこちゃんも元気ですよ!▼
- [セテス]
- このように、アスク王国に
ガルグ=マク大修道院の関係者が
これだけいるなら…▼
この地に第二のガルグ=マク大修道院を
設立する選択肢もあり得るかと思われます。▼
- [レア]
- 第二のガルグ=マク大修道院ですか。▼
セイロス教の教えを
アスク王国に説くためではなく
それが生徒たちの支えになるのなら…▼
アルフォンス王子はいかがお考えでしょう?▼
- [アルフォンス]
- 協力できることがあれば
遠慮なくおっしゃってください。
僕たちも力添えをさせていただきます。▼
- [レア]
- ありがとうございます、アルフォンス王子。▼
- [イングリット]
- 第二のガルグ=マク大修道院を作るなら
私たちがいた士官学校も
作れるといいですね!▼
- [シルヴァン]
- 第二のガルグ=マグ大修道院と
士官学校を作るって話だけど…▼
どうせならフォドラ以外の異界からも
生徒を受け入れてほしいね。▼
- [イングリット]
- それはいいわね。
フォドラに限らず、学ぶ姿勢のある
英雄たちに集まって欲しいわ。▼
- [シルヴァン]
- え? 俺が考えているのは
女の子の英雄に限った話なんだけど。▼
- [イングリット]
- まだそんなことを…
珍しく、まともな意見を言うなと
感心したのに、まったく。▼
- [フェリクス]
- 腕利きの剣士が集まるのなら
俺はなんでもいい。▼
手合わせする相手を
探す手間が省けるからな。▼
- [シルヴァン]
- アスク王国にも士官学校が出来たら
また同じ学級になりたいよな。
なあ、フェリクス!▼
- [フェリクス]
- フン。訓練の邪魔になるような奴とは
関わりたくない。▼
- [シルヴァン]
- そうだな。わかるぜ、その気持ち。▼
- [フェリクス]
- 貴様のことを言っている。
アスク王国に来てまで
俺の邪魔をするな。▼
- [シルヴァン]
- つれないこと言うなよ!
俺たちは付き合いも長いし
こうして一緒に召喚された仲だろ。▼
- [フェリクス]
- 馴れ馴れしくするな!▼
確かに付き合いは長いが
俺が望んだわけじゃない。
そもそも、互いの親の意向だ!▼
いい機会だ。この世界は
親の意向も家のしがらみも関係ない。
貴様とは、すっぱりと縁を切るか。▼
- [シルヴァン]
- そんなに悲しいこと言うなよ!
なにかあるたびに俺に泣きついた
純真なお前はどこにいったんだ?▼
- [イングリット]
- 二人とも、いい加減にしなさい!
アスク王国に来てまで
騒ぎを起こすつもりですか?▼
- [シルヴァン]
- ほら見ろ、怒られた。▼
- [フェリクス]
- 9割は貴様のせいだ。▼
- [イングリット]
- せっかく、アスク王国でも
学びを得られるかもしれないのです。▼
士官学校が設立されれば
必ずや私たちの成長を
後押ししてくれることでしょう。▼
- [フェリクス]
- ……。
イングリットはずいぶんと
士官学校の設立に前向きだな。▼
- [シルヴァン]
- だよな。妙に張り切ってるし。▼
でもさ、俺たちより2年後の
フォドラから来たってことは
もう士官学校は卒業しているはずだろ?▼
生徒になるよりも
指導者になるほうがいいんじゃないか?▼
- [イングリット]
- ……。
そうね、指導する立場を
考えてもいいかもしれないわね。▼
(暗転)
- [クロード]
- …とまあ、俺の目から見ても
みんなそれぞれ、自分なりに
成長していると思いますよ。▼
異界の英雄と交流したり
研究に没頭したり、実践を重ねたりと
まあ、いろいろですよ。▼
- [レア]
- ありがとう、クロード。
とても参考になりました。▼
- [セテス]
- これでめぼしいフォドラ出身者から
あらかた話を聞きましたが…▼
- [レア]
- そうですね。▼
この地に第二のガルグ=マグ大修道院と
士官学校が本当に必要かどうか
今一度、考えてみましょう。▼
- [イングリット]
- 私が指導者の立場か…▼
- [アルフォンス]
- やあ、イングリット。
士官学校は実現しそうなのかな?▼
- [イングリット]
- そのことなのですが…▼
私のいた世界では
各国の状況が悪化したことで
士官学校は閉鎖されてしまったのです。▼
そのことをフェリクスやシルヴァン
レア様は知らないのです…▼
- [アルフォンス]
- イングリットは学び終える前に
士官学校を離れた、ということかな?▼
- [イングリット]
- はい。その後
エーデルガルト率いるアドラステア帝国が
セイロス聖教会に宣戦布告しました。▼
- [アルフォンス]
- フォドラから平和が失われたんだね…▼
- [イングリット]
- 私は騎士として
ガラテア天馬騎士団を預かりましたが
まだまだ未熟な身。▼
とくに軍略は、兄に遠く及びません。
指導者としてよりも、生徒として
もっと学びたいと考えていました。▼
- [アルフォンス]
- アスク王国で士官学校が設立されれば
君の希望も叶うというわけだね。▼
- [イングリット]
- ですが、私が士官学校設立に
協力的な理由を話せば…▼
レア様やシルヴァン、フェリクスたちが
未来の出来事を知ることになります。▼
彼らにガルグ=マグ大修道院と士官学校が
辿る道を話してよいものか、と。▼
- [アルフォンス]
- なるほど。
そのことを悩んでいたんだね。▼
僕は、君と同じような境遇の
英雄を知っているよ。▼
大切な人たちを救うために
絶望の未来からやってきた彼女なら
相談に乗ってくれるかもしれない…▼
(暗転)
- [ルキナ]
- なるほど。
未来を知らない仲間たちに
自分が辿った道を話していいものか、と?▼
- [イングリット]
- アルフォンス王子からは
運命は枝分かれしていて、同じ道を
辿るとは限らないとも伺いました。▼
私が未来の話をしてしまうことで
彼らに余計な不安を
与えてしまうかもしれません。▼
- [ルキナ]
- そうですね。
確定していない未来を話すことは
勇気のいることです。▼
あらぬ誤解も招きますし、なにより…
自分が未来を告げたことで
新たな憎しみを生むこともあるでしょう。▼
私もずいぶん悩みました。
すべてを話し、やがて訪れる
絶望の未来に備えてもらうべきかどうか。▼
- [イングリット]
- ……▼
- [ルキナ]
- しかし、過去の人たちに
未来の話をしたからといって
事態が好転するとは限りません。▼
私は過去の世界で
お父様たちとともに戦うことで
未来が少しずつ変わりました。▼
未来を告げるよりも大切なことは
未来から来たあなたが、仲間たちとともに
同じ時を生きることではないでしょうか?▼
- [イングリット]
- 違う時代から仲間たちと同じ時を生きる…
それは確かに奇跡的なことですね。▼
- [ルキナ]
- 未来のことを伝えなくとも
支え合い、困難に立ち向かうことで
ともに成長できる。▼
そうして得られた力は
きっと未来をよい方向に
導いてくれるのではないでしょうか?▼
- [イングリット]
- ありがとうございます。ルキナ王女。
この世界で私が成すべきことが
見えた気がします。▼
- [ルキナ]
- 大事なのは未来を知ることではなく
今、成すべきことを知る。
それこそが「運命を変える」。▼
ふふっ、これって
お父様の口癖なんです。▼
- [イングリット]
- アルフォンス王子!▼
- [アルフォンス]
- やあ、イングリット。
ずいぶん晴れやかな顔だけど
悩みは解消されたのかな?▼
- [イングリット]
- ルキナ王女をご紹介してくださり
実りのあるお話が伺えました。▼
それで…私が経験した未来の出来事は
仲間たちに伝えないことにしました。▼
- [アルフォンス]
- それが自分なりに考えた結果なんだね。▼
- [イングリット]
- 望まぬ未来を伝えて
仲間たちの心を乱すよりも…▼
親友同士が争わぬ未来に向かうよう
アスク王国で努力するつもりです。▼
- [アルフォンス]
- 君たちの力になれることがあれば
協力を惜しまないつもりだよ。▼
アスク王国を助けてくれる恩を
僕たちも返したいからね。▼
- [シルヴァン]
- イングリット、ここにいたのか。
おっと、アルフォンス王子も
ご一緒だったんですね。▼
- [イングリット]
- なにか急用かしら?▼
- [シルヴァン]
- …レア様から話があるらしい。
第二ガルグ=マグ大修道院と
士官学校設立の件だと思う。▼
(暗転)
- [レア]
- 結論から伝えましょう。
この地に第二のガルグ=マグ大修道院と
士官学校は必要ないと、私は考えます。▼
- [フェリクス]
- ……▼
- [レア]
- 召喚された生徒たちの話を聞き
ヴァイス・ブレイヴが皆にとって
学びの場となっている…▼
そうである以上
大修道院と士官学校の設立は
余計な分断を生みかねません。▼
- [シルヴァン]
- 確かにそうかも。
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちから
学べることはいろいろあるし…▼
- [フェリクス]
- 闘技場や飛空城、巨影討滅と
戦う場所だって、いくらでもある。▼
- [イングリット]
- 私も士官学校がなくても
仲間たち同士が支え合うことで
成長していけるのではと考えています。▼
- [セテス]
- レア様のお考えに異論はない。
それぞれヴァイス・ブレイヴの一員として
アスク王国の平和に尽力してほしい。▼
- [アルフォンス]
- それがみんなの結論なら尊重するよ。
アスク王国への助力
あらためて感謝します。▼
- [レア]
- 期待していますよ、みなさん。
この世界に召喚されたことを
よき成長の機会としてください。▼
私も、みなと手を携え
困難を乗り越えていく覚悟です。▼
- [シルヴァン]
- フォドラの家柄も身分も
この世界じゃ意味ないしな。▼
自分自身の力でどこまでやれるか
試すには絶好の機会かもしれない。▼
- [フェリクス]
- フン。剣一本で未来を
切り開けというのなら
全力を尽くすまでだ。▼
- [イングリット]
- …大切なのは、未来を伝えることより
同じ時を生きて、未来を変えること。▼
はい! 希望に満ちた未来のために
みんなで力を合わせていきましょう。
新たなる学びの地、アスク王国で!▼
孤狼の剣 フェリクス†
- [フェリクス]
- 訓練場は…確か、こっちだったか。
…チッ、慣れない場所だと
移動するだけでも手間だな。▼
- [カトリーヌ]
- ふっ! はっ!
せええええいっ!!▼
- [フェリクス]
- この声は…▼
- [カトリーヌ]
- ふんっ! はあっ!
うらああああああっ!!▼
なんだい…
誰かと思ったらフェリクスか。▼
そういえば、レア様と一緒に
生徒が何人か召喚されたって聞いたな。▼
- [フェリクス]
- 鍛錬の邪魔をしてしまい、申し訳ない。▼
- [カトリーヌ]
- よく言うよ。
殺気を隠そうともしなかったじゃないか。▼
アタシの腕が鈍っちゃいないか
試したつもりかい?▼
- [フェリクス]
- ”雷霆”のカトリーヌを試すなど
そこまで物好きではありません。▼
- [カトリーヌ]
- ふうん…。
ま、そういうことにしておいてやるよ。▼
それで、アンタも剣を振りに来たんだろ?
異界に来たばかりだってのに
相変わらずの修行バカだね。▼
- [フェリクス]
- そのつもりでしたが…
ちょうどよかった。
教えていただきたいことが。▼
先にアスク王国に召喚されていた
カトリーヌ殿なら、ヴァイス・ブレイヴの
内情にも詳しいと思われますが…▼
- [カトリーヌ]
- 詳しいかどうかはわからないけどさ。
顔見知りは、そこそこいるんじゃないか。▼
- [フェリクス]
- ならば、腕利きの剣士を
教えていただけますか。▼
せっかくの機会ですから
異界の英雄と剣を交えておきたいのです。▼
- [カトリーヌ]
- あっはっは、そんなことだろうと思ったよ!
まったく期待を裏切らないね、アンタは。▼
安心しな。いちいち訪ねなくたって
向こうから勝手にやって来るさ。▼
アンタが戦場で活躍すれば…
否が応でも目につくだろうしね。▼
- [フェリクス]
- なるほど。
助言、感謝します。▼
- [フェリクス]
- フン。ヴァイス・ブレイヴ…
なかなかに人使いが荒いな。▼
しかし、戦いに次ぐ戦い…
ここで剣を振っていれば
嫌でも強くなるか。▼
……。
誰だ、そこにいるのは?▼
- [ギィ]
- おっと、気づかれちまったか。
おれは、クトラ族の戦士ギィ。
サカ一番の剣士を目指してる!▼
- [フェリクス]
- 剣士だと?▼
- [ギィ]
- さっき、戦場であんたを見かけてさ
なかなかいい腕をしてるじゃないか!▼
囲まれちまったと思ったら
次の瞬間には敵兵が倒れてる!▼
急降下してきた天馬騎士も
返す刃で落としちまった!▼
- [フェリクス]
- ハッ。日ごろから鍛錬を重ねていれば
その程度の戦技ぐらい、造作もない。▼
それで…俺に何の用だ。
褒めに来たわけではないだろう。▼
- [ギィ]
- それだけの腕前…
剣士なら見過ごせねえだろ?▼
おれがもっと上を目指すために
手合わせしなきゃなと思ったのさ。▼
- [フェリクス]
- フン。手合わせ、か。
馴れ合いはごめんだが
そういうことなら話は別だ。▼
クトラ族の戦士と言ったな。
異界の剣の使い手…
腕前を確かめさせてもらうぞ。▼
- [ギィ]
- そうこなくっちゃな。
さっそくいくぜ。たああっ!▼
(暗転)
- [フェリクス]
- はっ! せいっ!▼
風のごとき自由な太刀筋…
クトラ族のギィという男。
なかなかに面白い剣の使い手だった。▼
……。
誰だ…?▼
- [ラクチェ]
- おはよう。
こんな朝早くから訓練場で
剣を振るなんて練習熱心ね。▼
- [フェリクス]
- …お前は?▼
- [ラクチェ]
- わたしはイザークの王女、ラクチェ。
昨日、あなたが手合わせするところを
偶然見ちゃったの。▼
強いわね、あなた。
そんな剣さばきを見ちゃったら
私の腕もうずいちゃってね。▼
ひと勝負……受けてもらえる?▼
- [フェリクス]
- ラクチェ…王女。
王族が相手でも手合わせする以上
手加減はできないが。▼
- [ラクチェ]
- 望むところよ!
むしろ、本気でこないと
怪我するのはそっちかもよ?▼
- [フェリクス]
- では…いくぞ…!▼
- [フェリクス]
- せいっ…! はっ!▼
よし…いい感じに剣が振れている。
この世界に来て…
調子が上がったか。▼
ラクチェ王女と手合わせして
もう三日経つが…▼
まだ腕に熱が残っている…
あれはいい勝負だった。
相当、良い師に恵まれていると見たが…▼
チッ…霧が出てきたな。
そろそろ城に戻るか。
……。▼
なんだ? この視線は…
押し殺した殺気が
霧の中に混じっているような…▼
そこか…!▼
- [ロイド]
- おっと…!
問答無用で斬りつけてくるとは。
迷いが無くていい剣だ。▼
- [フェリクス]
- 敵か…? いや…▼
- [ロイド]
- 俺は【黒い牙】のロイド。
今はヴァイス・ブレイヴに
雇われている。▼
- [フェリクス]
- …フン、味方…か。▼
- [ロイド]
- この世界じゃ、
戦うことには事欠かない。▼
しかし…その中で、刺激のある敵に
出会えるかどうかは話が別だ。▼
- [フェリクス]
- ……▼
- [ロイド]
- フェリクスとか言ったな。
いい太刀筋だ。▼
その剣が相手なら…
牙を研ぐのにちょうど良い。▼
- [フェリクス]
- …この霧のなかで
勝負をするつもりか?▼
- [ロイド]
- 実戦は、戦う時も場所も選べない。
…特に暗殺者が相手ならな。▼
それとも、明るい陽の下でしか
戦えないか?▼
- [フェリクス]
- ハッ。…俺の準備はできている。
いつでも来い。▼
- [ロイド]
- 受けてくれるか。
礼を言う。▼
俺は、悪人以外の命は奪わない。▼
しかし…生ぬるい環境で
牙を腐らす気もない。
行くぞ…▼
- [フェリクス]
- 来い…!▼
- [カトリーヌ]
- よう、フェリクス。
どうだい、アスク王国の生活には
慣れたかい?▼
- [フェリクス]
- 慣れるもなにも…
毎日、手荒い歓迎を
受けているようなものですよ。▼
- [カトリーヌ]
- あっはっは、そうかい!
休む暇もない感じだね。▼
それで、どうなんだい。
アタシの言ったとおりになっただろ?▼
- [フェリクス]
- ええ。ここのところ連日のように
英雄たちと剣を交えることが
できています。▼
- [カトリーヌ]
- そりゃあよかった。
強い奴を見ると血が騒ぐ。
それが剣士ってやつだからね。▼
戦場で目立った働きをすれば
その腕を自分で確かめたくて
ほっとけないのさ。▼
- [フェリクス]
- 戦場で目立てば、向こうから
強者がやってくる…▼
カトリーヌ殿の言っていたことは
本当でした。▼
- [カトリーヌ]
- で…なにか得られたかい?▼
- [フェリクス]
- 異界の英雄というからには
文化もフォドラとは異なるのでしょう。▼
無論、剣術に対する考え方も
我々とは似て非なるものとなるはず。▼
彼らの繰り出す技は
とても新鮮で…
非常に興味深い限りでした。▼
- [カトリーヌ]
- それは同感だ。
ただね、相手もアンタの剣から
同じことを受け取っているだろうよ。▼
- [フェリクス]
- 互いに成長できている…という
ことですか。▼
- [カトリーヌ]
- まあ、そういうことだ。
アタシだって、異界の英雄たちから
毎日刺激を受けているからね。▼
だからこうして、気合を入れて
剣を振っているってわけさ。▼
- [フェリクス]
- 幾多の英雄が属するヴァイス・ブレイヴは
剣の腕を磨く絶好の場と理解しました。▼
この好機…みすみす見逃すつもりは
ありません。▼
- [カトリーヌ]
- ま、頑張りなよ。
アタシも、さらに強くなる
予定だからさ。▼
- [フェリクス]
- …強くなりたいという気概さえあれば…
いくらでも上を目指せる。
それが…アスク王国…▼
異界の英雄たちに、
俺の剣がどこまで通用するのか…▼
いや、どこの世界だろうが
頂点を極めてやる。必ずな。▼
白き慈母 レア†
- [ラファエル]
- 今日も一日頑張ったなあ。
オデもう腹が減って仕方ねえぞ!▼
- [アシュ]
- 空腹時のお食事は、また格別でありますから
大食感のラファエル様におかれましては
さぞ待ち遠しいお時間になろうことかと…▼
- [ラファエル]
- おう、そうだな!
おいしい飯が食えるからこそ
筋肉もいじめ甲斐があるってもんだ!▼
- [アルフォンス]
- やあ、お疲れ様。
君たちも、これから夕食のようだね。▼
- [シャロン]
- わたしたちも
食堂に向かうところなんですよ!
よろしければ、ご一緒にいかがですか?▼
- [アシュ]
- 食卓がにぎやかですと、お料理が
よりおいしく感じられるわけでありますから、
そのご提案にはもちろん賛同致します。▼
- [ラファエル]
- オデももちろん構わないぞ!
ほら、早く食堂へ急がねえと
うまい飯が逃げていっちまうぞ!▼
- [アルフォンス]
- はは…、
そんな心配はいらないから大丈夫だよ。▼
- [シャロン]
- あれっ? お兄様、あそこ
食堂の入り口にいるのって
レアさんじゃないですか?▼
- [アルフォンス]
- 本当だ。こちらで
お見かけするのはめずらしいね。▼
- [レア]
- ……▼
- [ラファエル]
- 中に入る様子がねえなあ。
目当ての料理が品切れに
なっちまったのかな?▼
- [アルフォンス]
- 食堂の様子を
窺っているようにも見えるけど…▼
- [シャロン]
- なにか困っているかもしれませんね。
わたし、ちょっと声をかけてきます!▼
- [レア]
- はぁ…▼
- [シャロン]
- どうかされましたか、レアさん。
食堂になにか御用ですか?
- [レア]
- シャロン王女…。
いえ、取り立てて
用向きがあるわけではないのですが…▼
- [シャロン]
- では、わたしたちと一緒に
お食事していきませんか?▼
- [レア]
- お誘い、ありがとうございます。
ですがその、所用がありますゆえ
私はこれで…▼
- [シャロン]
- あっ、レアさんっ!▼
- [アルフォンス]
- おや、レアは
帰ってしまったのかい?▼
- [シャロン]
- そうみらいです。残念ですね。
せっかく夕食をご一緒できると
思ったのですけど…▼
- [レア]
- はぁ…▼
- [シャロン]
- あれはレアさん?
今日も食堂の入り口で
中の様子を窺っているような…▼
- [レア]
- ここは…思いきって…
一歩を踏み出すべきなのでしょうか。
ですが、私が顔を出すと食堂の空気が…▼
- [シャロン]
- 待ってください、レアさんっ!▼
- [レア]
- シャロン王女…?▼
- [シャロン]
- はあはあ…あの…急に…
呼び止めてしまい、申し訳ありません。▼
なんだか様子が変だったので
ちょっと心配になってしまって。▼
- [レア]
- こちらこそ申し訳ありません。
シャロン王女には
いらぬ心配をおかけしたようで…▼
- [シャロン]
- 気にすることなんてありませんよ!
レアさんもヴァイス・ブレイヴの一員。
どーんと頼ってください!▼
- [レア]
- シャロン王女、あなたの心遣いに
とても感謝いたします。▼
ですが、これは私の個人的な問題です。
そのような些事に、シャロン王女の
手を煩わせるわけには参りません。▼
- [シャロン]
- そんな…。
レアさんだって困ってる人がいたら
助けてあげるはずですよね?▼
仲間の悩みは
わたしの悩みです!▼
- [レア]
- ……。
シャロン王女の言葉…
私の胸にも、しっかりと響きました。▼
聞いて頂けますか。
私の中にある悩みを…▼
- [レア]
- 私が大司教を務める
ガルグ=マグ大修道院には
士官学校が併設されています。▼
そこにフォドラ各地から若者が集い
日々、研鑽を積んでいたことは
シャロン王女もご存知のとおりかと。▼
- [シャロン]
- アスク王国にも大勢の生徒さんが
いらっしゃっていますよね。
皆さん、優秀な方ばかりですよ!▼
- [レア]
- ありがとうございます。
皆が聞けば、とても喜ぶでしょう。▼
そんな彼らが身分や学級の垣根を越えて
食堂でにぎやかに食事を取る姿を
私はずっと見守ってきました。▼
- [シャロン]
- うーん、皆さんの楽しそうな姿が
目に浮かぶようですね。
わたしもご一緒したいくらいです!▼
- [レア]
- そう! そうなのです!▼
食事の場は、交流の場でもあります。
そこで私はこう考えるようになりました。
食堂で生徒たちの輪に加わってみたい、と。▼
食卓を囲み、皆とともに過ごす時間は
どんなに素晴らしいものか…。
私はずっと想像してきました。▼
- [シャロン]
- みんなで食べるご飯は格別ですよね…
絶対に楽しいと思いますよ!▼
- [レア]
- ですが、私は
セイロス教団の大司教という身。▼
食堂に足を運んでも、生徒たちが
委縮してしまうのではないのか。▼
私が食堂に姿を現すだけで
緊張をもたらすのでは…▼
だから私は、食堂への一歩を
踏み出すことができなかったのです。▼
- [シャロン]
- なるほど~。それで食堂に入らず
中の様子を窺っていたのですね?▼
でも、心配することはありませんよ!
レアさんと食事ができるなら
みんな喜ぶに決まってるじゃないですか!▼
- [レア]
- 本当…でしょうか?▼
生徒たちや異界の英雄の方々に
無用な緊張を強いることは
本意ではありません。▼
- [シャロン]
- 大丈夫ですよ!
ヴァイス・ブレイヴの食堂には
いろんな立場の方が訪れるんです。▼
王族はもちろん、異界の神話に
足跡を残されている伝説の大英雄…▼
さらにさらに! 異界の神様だって
たま~にいらっしゃるんですよ!▼
だから、レアさんだって問題ありません。
大手を振って食堂にいらしてください!▼
- [レア]
- 異界の神…ですか?
それはなんとも驚きですね。▼
- [シャロン]
- レアさんがお見えになれば
士官学校に通われていた生徒の皆さんも
きっと士気が上がりますよ!▼
さあさあ、行きましょう!
一緒に同じ食卓を囲みましょう。レアさん!▼
- [レア]
- ちょ、ちょっとシャロン王女!?
そんなに手を引っ張らずとも…▼
- [ラファエル]
- やっぱり、この食堂の飯はうめえなあ。
いくらでも食えるぞ!▼
- [アシュ]
- 何杯もおかわりしているにも関わらず
全く勢いが衰えないご様子、さすがは
ラファエル様と私感心しきりでありまして…▼
- [ヒルダ]
- いやいや、さっきから見てたけど
アシュちゃんも大概の食べっぷりだよ?▼
- [ラファエル]
- …ん?
あそこでシャロン様と一緒にいるの…
レア様じゃねえか?▼
- [ヒルダ]
- えーっ、そんなわけないよー。
レア様が食堂に顔を出すなんて…
ってあれ? 本当にレア様かも!?▼
(暗転)
- [シャロン]
- すみません、アネットさん。
こちらの席にご一緒しても
よろしいでしょうか?▼
- [アネット]
- もちろんですよ、シャロン王女。
メーチェ、ちょっとそっち詰めて。▼
- [メルセデス]
- あら~? ねえ、アン。
王女の後ろにいらっしゃるのって…▼
- [レア]
- 感謝します。
それではお言葉に甘えて…▼
- [アネット]
- ええーっ!? レア様っ!?
ど、どうして食堂に?▼
- [レア]
- ごめんなさい。
お邪魔だったでしょうか…▼
- [メルセデス]
- 邪魔だなんて滅相もありません。
レア様と同じ食卓を囲めるなんて!
喜んで、ご一緒させていただきます~。▼
- [アネット]
- うっ、うんうん!
レア様と一緒にお食事できるなんて
とってもうれしいです!▼
- [ラファエル]
- おう、オデも混ぜてほしいぞ。
レア様と一緒に楽しく食べれば
飯がもっともっとうまくなるはずだ!▼
- [レア]
- 皆さん、ありがとうございます。
私もとてもうれしくて
普段以上に食事を楽しめそうです。▼
- [カトリーヌ]
- あーっ!
アンタたち、なにやってんだ!▼
レア様がいらっしゃるなら
隣の席はアタシに決まってるだろ!
ホラホラ、どいたどいた!▼
- [アネット]
- ちょっと押さないでくださいよ
カトリーヌさん!?▼
- [レア]
- ふふふ…
こんなに歓迎されるのでしたら
もっと早く来ればよかったですね。▼
- [シャロン]
- これからいくらだって
楽しい時間が過ごせますよ!▼
- [レア]
- シャロン王女、あなたには
感謝の言葉もありません。▼
このアスク王国でなら
立場に縛られることなく…▼
これまでにできなかったことや
新たな自分に触れるよき機会を
得られるかもしれませんね。▼
- [シャロン]
- わたしたちにできることがあれば
いつでも仰ってください。
なんだってお手伝いしますよ!▼
なんたってレアさんは
ヴァイス・ブレイヴの仲間ですから!▼
- [レア]
- 仲間…よい響きですね。
アスク王国で実りある時間を
過ごせることを私も祈っております。▼
この国と、この国で暮らす人々に
光がありますように…▼
口説き上手の シルヴァン†
- [シャロン]
- おや、シルヴァンさん。
こんにちは!▼
- [シルヴァン]
- ああ、シャロン王女!
それにエイル王女にピアニーさんも
お揃いで。▼
ヴァイス・ブレイヴの綺麗どころが
どこに行かれるんです?▼
- [エイル]
- これから…
飛空城に行くところよ。▼
- [ピアニー]
- そう言うシルヴァンは
城内を散策中ってところ?▼
- [シルヴァン]
- ええ。しばらくお世話になるので
早く慣れておこうかと思いまして。▼
うちの先生も赴任したばかりの頃は
大修道院をよく徘徊してましたけど
その気持ちが少しわかりましたよ…▼
- [シャロン]
- もしかして有事に備えて
城内を詳しく知りたいということですか?▼
- [シルヴァン]
- 有事というか、私事というか…▼
城の造りを把握しておけば
これから召喚されてくる女性の英雄を
俺が先導できますしね。▼
城で逢瀬の約束をするときとか
いろいろ役に立つでしょう?▼
- [ピアニー]
- 女の子とのデート…
それがシルヴァンの夢なのね。▼
- [シルヴァン]
- あとは、食事に誘うときのために
城下町のお店を調べておきたいかな。
勝手が違うと新規開拓も大変ですよ。▼
- [エイル]
- …ずいぶんと研究熱心なのね。▼
- [シルヴァン]
- もちろん、ヴァイス・ブレイヴの
お手伝いもきっちりやりますよ。▼
可愛い女の子の辛そうな顔は
見たくありませんからね。▼
シャロン王女の笑顔を曇らせる輩は
一人残らず討滅してみせましょう。▼
- [ピアニー]
- きゃっ、すごい自信!▼
- [エイル]
- 命だけは…大切にね。
自身を省みない戦いは…
未来に繋がらないから。▼
- [シャロン]
- ともあれ、頼りにしていますよ!
シルヴァンさんの力
存分に振るってくださいね!▼
- [シルヴァン]
- はは…
期待されちゃっていますね、俺。▼
ま、俺はいつだって女の子の
味方ですし、ご期待に沿えるように
頑張りますよ。▼
(暗転)
- [ガトリー]
- おいおい、見てたぜシルヴァン!
ずいぶんと頼りにされてるじゃないか!▼
- [セイン]
- まーったくだぜ!
あんな綺麗どころに期待されちゃあ
張り切るしかないよなあ!▼
- [シルヴァン]
- まあ、戦力が増えるぶんには
誰だってうれしいでしょうからね。▼
- [セイン]
- うん? そうだな。
期待の戦力ってことだ!▼
- [ガトリー]
- おれも「ガトちゃん頼れる!」って
思われるように力をつけなきゃな!
- [シルヴァン]
- ……。
頼られるように力をつける、か…▼
- [シルヴァン]
- おや、セインさん。
訓練の帰りですか?▼
- [セイン]
- シルヴァンか。ちょうどよかった。
お前に聞きたいことがあったんだ。▼
- [シルヴァン]
- 聞きたいこと? 女の子の情報なら
夕食のあとにでも。▼
- [セイン]
- そいつも聞きたいけど
今回は別の話だ。▼
この間さ、少し気になることがあって。
なんていうかなー。お前の言動に
ちょっぴり違和感を覚えたっていうか。▼
- [シルヴァン]
- 違和感…? なんですかそれ。
俺にヘンなところなんてあります?▼
- [セイン]
- 自分で言うのもなんだが
俺はかなりの女好きだ。▼
- [シルヴァン]
- 知っています。▼
- [セイン]
- 任務そっちのけで女性に声を掛けていたら
その相手が護衛の対象で
主君だった…ということもあった!▼
- [シルヴァン]
- それ、武勇伝になってないから
他人に話さないほうがいいですよ…▼
- [セイン]
- そんな俺から見ても
お前は筋金入りの女好きに見える。
にもかかわらず、だ!▼
この前、シャロン王女たちに
頼りにされていると言われたとき
お前が喜んでいないように見えてさ。▼
- [シルヴァン]
- いやいや、なんの話をしているんですか?
別に不満なんてないですよ。▼
- [セイン]
- 本当か?
普通ならもっと気勢を上げるだろ。
綺麗どころに頼りにされればさ。▼
この俺に任せてください!
俺が来たからにはアスク王国は安心です!
男シルヴァン、必ず世界を救います!▼
…とか言ってさ。女好きなら
無条件にやる気を見せるもんだ。▼
- [シルヴァン]
- それはセインさんの場合でしょう?
俺も確かにやる気をみせるかも
しれないですけど、その…なんというか…▼
- [セイン]
- なにか気になることでもあるのか?▼
- [シルヴァン]
- 不満なんてありませんってば。
ただ…▼
一人の人間として頼られるのなら
うれしいですし、頑張りますよ。▼
でも、俺の持っている力だけを
目当てにされているのなら
ちょっと抵抗があるというか…▼
- [セイン]
- 力だけが目当て?
それは、お前が頼りにされることと
なにか違うことなのか?▼
- [シルヴァン]
- おっと、用事を思い出したんで
俺はこれで…。
んじゃ、失礼します。▼
- [セイン]
- おい! シルヴァン!
うーむ、ますますわからなくなったな…▼
- [セイン]
- 今日も疲れたな。
戦場でずっと馬に跨っていると
腰に負担が掛かるんだよな、いたた。▼
- [シルヴァン]
- よく言いますよ、セインさん。
戦場でも女性騎士を
お茶に誘っていたでしょ?▼
- [セイン]
- 相手の子も、俺と同じ騎兵だっただろ?
目の高さが同じなら、視線だって合う。
だから、声を掛けたまでのことさ。▼
ショートヘアと勇ましい雰囲気が
魅力的だったなあ…▼
- [シルヴァン]
- 素敵な女性なのは俺も認めますよ。
でも、向こうはわりと困ってましたよ?▼
そういうお誘いに興味がありそうな
手合いにも見えなかったしなー。▼
- [セイン]
- それは、まだお互いを
理解できていないからだ。
親睦を深めれば、自ずと道は拓ける!▼
- [シルヴァン]
- ははは、折れませんねえ。
さすがはセインさんだ!▼
でも、早いものですね。
俺がアスク王国に召喚されてから
もう数週間が経ちますよ。▼
なんだか、こっちの暮らしにも
すっかり慣れちまった気がするなあ。
- [セイン]
- ……。
なあ、シルヴァン。
俺が聞いたこと、覚えてるよな?▼
- [シルヴァン]
- 俺がシャロン王女たちの言葉に
素直に喜んでなかったーとかいう
難癖のことですか?▼
- [セイン]
- 難癖じゃない。心配してるんだよ。
あのとき、お前はこう言っていたよな。▼
自分が持つ力だけを目当てにされるのは
抵抗があるってさ。▼
- [シルヴァン]
- ……▼
- [セイン]
- そのことで辛い目にあったことが
前にもあったんじゃないかってね
しかも、女の子絡みでさ。▼
- [シルヴァン]
- え? 考えすぎじゃないですか。
そもそも、どうしてそんなことを
思ったんです?▼
- [セイン]
- シルヴァンは文句なしの女好きだが
どこか冷静に観察してる節が
あるような気がしてな。▼
さっきもそうだ。本当なら
一緒に声をかけてもいいようなものを
お前は冷静に見守っていたよな?▼
- [シルヴァン]
- ……▼
- [セイン]
- もしかして、お前は
女の子が苦手だったりするのか?▼
- [シルヴァン]
- そんなことはありませんよ。
女の子と遊んでいるときは
俺だって楽しんでいますし。▼
ただね、俺の中にはちょっとばかり
特別な力があるみたいなんですよ。▼
俺の国では紋章…
その力が発現した人間は特別視され
多くの人が群がってくる。▼
- [セイン]
- ……▼
- [シルヴァン]
- 力を目当てにして、たくさんの人が
俺の前に現れましたよ。だけど…▼
あいつらは俺なんて、どうでもよかった。
ただ俺の力だけ求めて…すみません。
俺、なにを言ってるんだか。▼
- [セイン]
- シルヴァン。お前はその特別な力を
今も憎んでるのか?▼
- [シルヴァン]
- ……。
この力のせいで、俺はフォドラにいる限り
自由な生き方なんてできないし…▼
家のために適当な相手と結婚させられて
落ち着くことになるんでしょうね。▼
- [セイン]
- 家の事情、か…▼
- [シルヴァン]
- 力のせいで辛い目にあったり
息苦しい思いもしましたけど…▼
その力が俺の中にあるのは
動かしようのない事実ですし
力に縛られずに生きている人間もいる。▼
今は、俺の力がなにかに役立つのなら
それでもいいか、と思っていますよ。▼
- [セイン]
- そうか。なら大丈夫だな。
自分で力の使い方をちゃんと決めてる以上
俺が口出しする必要はなさそうだな。▼
- [シルヴァン]
- なんか心配かけちゃったみたいで
すみませんね。▼
けど、こういう繊細な話をするなら
おっさん相手じゃなくて
かわいい女の子がよかったなあ。▼
- [セイン]
- こらこら、おっさんじゃないでしょ。
お兄さんでしょうが!▼
- [シルヴァン]
- すみません。なんかつまらない話に
付き合わせてしまったみたいで。
軽く聞き流してくださいよ。▼
- [セイン]
- 構わないさ。俺でよければ
いつだって話を聞いてやるよ。▼
なにしろ俺は、人生経験の豊富な
おっさんらしいからな。▼
- [シルヴァン]
- 年上の余裕ってヤツですか?
ま、なにかあったときには
お兄さんに相談させてもらいますよ。▼
- [セイン]
- 今さら俺の機嫌を取っても
なにも出てきやしないぞ?▼
なにしろ俺は、フォドラや紋章のこと
なにも知らないんだからな。
はっはっは!▼
だけど、シルヴァンのことは
一人の人間として信頼しているし
大切な仲間だと思っているよ。▼
- [シルヴァン]
- ……▼
- [セイン]
- きっとそれはシャロン王女たちも同じだろう。
お前の力じゃなくて
純粋に仲間として頼りにしているはずさ。▼
生まれた国とか過去のしがらみとか
そんなものは関係ない。▼
今、一緒に戦える仲間であること。
それがきっと一番大切な気がするよ。▼
- [シルヴァン]
- 言われてみれば…確かにそうだ。
アスク王国なら俺の持つ力…
紋章や家柄などに縛られる必要もない。▼
俺も一人の人間として
ヴァイス・ブレイヴの仲間たちと
つながれるのかもしれませんね。▼
- [セイン]
- ここは訳ありな奴も多いしな。
そういう類いとの付き合いにも
みんな慣れているのさ。▼
- [シルヴァン]
- ははは、なるほどね。
おかげで気分が軽くなった
感じがしますよ。▼
- [セイン]
- …さてと、これから先も
やることが山積みだな。▼
- [シルヴァン]
- なにはともあれ、女の子の期待を
裏切るわけにはいきませんからね。▼
俺を頼ってくれるなら
全力で頑張るしかないでしょう。
一人の男としてね!▼
輝ける騎士道へ イングリット†
- [フィヨルム]
- イングリットさんのその槍は
代々受け継がれてきたものなのですね?▼
- [イングリット]
- このルーンは、フォドラに伝わる
伝説の英雄が使った武器として
我がガラテア家が継承してきたもの。▼
文字どおり、ガラテア家の歴史を
背負った槍なのです。▼
- [フィヨルム]
- 私のレイプトも、ニフル王家に
代々伝えられてきたものなのです。▼
歴史を背負い、伝えていく使命の重さ。
とてもよく理解できます。▼
- [イングリット]
- 私は、ルーンを使いこなせるような
歴史を受け継ぐにふさわしい
騎士に成長したい。▼
そのためにも、このアスク王国で
より強く、より高潔な騎士を
目指したいのです…▼
- [フィヨルム]
- お話、ありがとうございます。
応援しますね。イングリットさんが
目標に近づけるように!▼
- [イングリット]
- ありがとうございます、フィヨルム王女。▼
私は昔から騎士道物語に親しみ…
物語に出てくるような
騎士になりたいと思っていました。▼
戦場に立つようになった今も
その想いは変わりません。▼
現状に満足せず…
理想を追い続けることが
私の望みなのです。▼
- [フィヨルム]
- でしたら、ヴァイス・ブレイヴで
いろんな騎士と交流してはどうでしょう?▼
アスク王国には、騎士として名を馳せた
異界の英雄の方々が集ってますから。▼
- [イングリット]
- なるほど。生きたお手本が
たくさんいるというわけですね。▼
このような機会…
なかなか得ることはできません。
学ばせていただきます。▼
- [レギン]
- 伝言なの!
速やかに右翼の部隊と
合流するように、だって…!▼
- [イングリット]
- 了解しました、レギン王女。
こちらの敵はあらかた片付けました。
速やかに合流しましょう。▼
……▼
- [レギン]
- ん? このグリンブルスティが
気になるの?▼
- [イングリット]
- え、ええ…。
そのような機械仕掛けの鎧は
今まで見たことがなかったので…▼
- [レギン]
- 私も構造とかはよくわからないけど
速くて頑丈で、便利な鎧なの!
ニザヴェリルでは、みんな使ってるの。▼
- [イングリット]
- ふむ…異国の騎士には
そのような鎧を使いこなす方も
おられるのですね…▼
- [レギン]
- あっ! 後ろっ!
まだ敵が残ってるのっ!▼
- [イングリット]
- くっ! まだ残党が…▼
- [シリウス]
- 伏せよ! はぁぁっ!▼
(白く光る)
- [レギン]
- た、助かったの! ありがとうなの!▼
- [イングリット]
- か、間一髪…。
助太刀、ありがとうございます。▼
- [シリウス]
- 戦場では一瞬たりとも気を抜かぬことだ。
その一瞬が、永遠の後悔になる。▼
- [イングリット]
- あのっ、騎士様!
…行ってしまわれた。▼
レギン王女、さきほどの
騎士様をご存知ですか?▼
- [レギン]
- たしか、アカネイア大陸から来た
シリウスとかいう騎士だったと思うの。▼
戦場で何度か見たことがあるけど
仮面の下は…うーん
たぶん見たことがないの。▼
- [イングリット]
- 謎の多い方なのですね。
仮面の騎士様、か…▼
- [フィヨルム]
- なるほど、イングリットさんたちを
間一髪のところで助けて
風のように去って行ったと。▼
- [イングリット]
- はい。素性も明かさず颯爽と…▼
- [フィヨルム]
- そういえば、仮面をつけた騎士の方は
ヴァイス・ブレイヴにも
何人かいらっしゃいますね。▼
ジェロームさん、漆黒の騎士さん、
ローローさん…▼
…ローローさんはちょっと
違うかもしれませんが…▼
- [イングリット]
- 仮面をつけた教師なら
ガルグ=マグの士官学校にも
いらっしゃいましたが…▼
もしかして、異界の騎士は
それが普通なのでしょうか?▼
- [フィヨルム]
- いえ、普通ではないと思います。
皆さん、なにか事情があって
仮面をつけているのかもしれませんね。▼
そういえば…ソフィア王国のセリカ王女が
危機に瀕すると、どこからともなく現れる
仮面の騎士がいますね。▼
- [イングリット]
- 王女の危機に現れる、仮面の騎士…!?▼
- [フィヨルム]
- そして、セリカ王女を助けると
どこかへ去っていくんです。▼
たしか名前はコンラートさん…
私も詳しくは存じ上げないのですが。▼
- [イングリット]
- どこからともなく現れて王女を助ける…。
まるで騎士道物語の主人公のようです!▼
- [フィヨルム]
- たしかに、その部分だけ切り取ってみれば
物語のようですね。▼
- [イングリット]
- はっ…!
シリウス殿といい
コンラート殿といい…▼
素性を隠した仮面の騎士は
人々の記憶に強く残りますよね。▼
私も仮面をつけて活躍すれば
騎士道物語の主人公として
後世に語り継がれるかもしれません!▼
- [フィヨルム]
- あ、あの…イングリットさん?▼
- [イングリット]
- フィヨルム王女!
仮面を作れるお店を紹介してください!▼
ガラテア仮面…ルーン仮面…
いや、名前はあとで考えましょう!
まずは仮面です!▼
- [フィヨルム]
- ここ、アンナ商会ならば
仮面が作れると思いますが…▼
- [イングリット]
- ありがとうございます!
さあ、伝説の一歩を踏み出しましょう。
ごめんください!▼
(暗転)
- [アンナ]
- 戦場でも使えるような仮面、ね…▼
これなんてどう?
イーリス聖王国の危機を颯爽と救った
伝説の剣士がつけていた仮面。▼
- [イングリット]
- 悪くないですね!
優雅で気品もあります。▼
- [アンナ]
- 本当はこれくらいするけど…
騎士として高みを目指したいという
あなたの心意気に応えて、ご奉仕価格!▼
- [イングリット]
- うっ…!
桁がひとつ多くないですか!?▼
- [アンナ]
- 払いは月賦でもいいわよ。
…というか。▼
商売人の私が言うのもなんだけど
別に仮面がなくたって
立派な騎士になれるんじゃない?▼
ヴァイス・ブレイヴの騎士たちも
ほとんどが仮面をつけずに
活躍しているしね。▼
- [イングリット]
- ……▼
い、言われてみれば…
そう…ですね。
私、どうかしていたようです。▼
つい気分が昂ぶってしまい
形から入ろうと…
お恥ずかしい限りです。▼
- [フィヨルム]
- イングリットさん…▼
- [イングリット]
- 形よりも、まずは心から…。
大切なことを見失いかけていました。▼
- [フィヨルム]
- そうですね。それでいいと思います。
形は、あとからついてくるのでは
ないでしょうか。▼
- [イングリット]
- 今回のことは、いい戒めになりました。
一人前の騎士として、まずは心を磨き
ルーンを使いこなせるように…▼
ヴァイス・ブレイヴの
騎士の方々からあらためて
騎士道精神を学ぼうと思います。▼
- [アンナ]
- 話がまとまったところで…
この仮面、今日だけ大特価で
半額にしてもいいけど。▼
- [イングリット]
- えっ!? は、半額!?▼
- [フィヨルム]
- あのっ、イングリットさん!
戒め、戒めですよー!▼
コメント†
Last-modified: 2024-01-06 (土) 12:02:36