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章別会話
掲げし希望と共に†
掲げし希望と共に†
オープニング†
- [ルキナ]
- 私たちの任務は、街道に出没する
ならず者たちの討伐となります。▼
ロラン、アズール、セレナ…
イーリス大陸と勝手は違うでしょうが
皆で力を合わせて頑張りましょう。▼
- [アズール]
- 異界の戦いなんて緊張するけど
知ってる顔が一緒だから安心だよー。▼
- [ロラン]
- いい機会じゃないですか。
アスク王国の方たちに
僕たちの戦いぶりを見てもらいましょう。▼
- [セレナ]
- 確かに、知らない人と組むよりは
やりやすいだろうけど…。▼
ルキナとロランはいいとして
ナンパばかりしているアズールの剣が
通用するかどうか不安だわ。▼
- [アズール]
- あははっ、手厳しいなあ。
でも、みんなと話していたら
異界にいる気がしなくなってきたよ。▼
- [ロラン]
- 緊張がほぐれてきたようですね。
その調子です。▼
- [セレナ]
- あたしたちならやれるはず。
きっと大丈夫だわ。▼
- [ルキナ]
- 皆さん、あそこ!
ならず者が現れたようですよ。▼
- [セレナ]
- この程度の数ならあたしに任せて!
いくわよっ!▼
- [ロラン]
- あっ! 不用意に飛び出すのは危険です!
見てください、右の茂みが揺れて…
おそらく敵が潜んでいます!▼
- [セレナ]
- しまった!?▼
- [ルキナ]
- せいっ!▼
- (白く光る)
- [ルキナ]
- セレナ、大丈夫ですか?▼
- [セレナ]
- だ、大丈夫…
ならず者のくせに伏兵だなんて
味な真似してくれるじゃないの!▼
- [アズール]
- ちょっと待ちなって!
一人で突っ込んじゃダメだってば!▼
- [ロラン]
- いけない! このままでは
セレナが囲まれてしまいます!▼
- [セレナ]
- くっ! これぐらいの敵…
あたしたちは絶望の未来で
厳しい戦いをくぐり抜けたんだから!▼
- [ルキナ]
- セレナ、こちらの敵は私が!
でえええいっ!▼
- (白く光る)
- [ルキナ]
- たああっ!!▼
- (白く光る)
- [セレナ]
- このまま押し切るわよ!
はぁぁぁっ!▼
- (暗転)
- [ロラン]
- ふう…危ないところでした。
ルキナのフォローのおかげで
なんとかなりましたね。▼
- [アズール]
- よかったあ。一時は
どうなるかと思ったよ。▼
でも、セレナ。
さっきから無茶ばかりしてるけど
どうしちゃったの?▼
- [セレナ]
- …なんでもないわよ。
ただ、あたしたちの力を
見せつけたいって思っただけ。▼
- [ロラン]
- 見せつけるって…
いったい誰にですか?▼
- [セレナ]
- そんなの決まってるわ。
アスク王国にいる英雄全員よ!▼
あたしたちは強いって
証明してみせないと
この世界にいる意味がないから。▼
- [アズール]
- やあ、セレナ。
また訓練所に行ってたのかい?▼
- [ロラン]
- 毎日精が出ますね。でも
過度な訓練は身体の負担になるので
気をつけてください。▼
- [セレナ]
- ロランにアズール…
あんたたちこそ、いつもどこを
ほっつき歩いているのよ。▼
- [アズール]
- 母さんに会っていたんだよ。▼
僕たちの世界で亡くなった母さん…
しかも、若い頃の母さんが
この世界にもいるんだし。▼
- [ロラン]
- 僕も同じです。
せっかくの機会ですから。▼
そういえばセレナの母上は…
天馬騎士のティアモさんでしたね。▼
- [セレナ]
- ええ、そうよ。
なにをやらせても完璧にこなす
天才と呼ばれる天馬騎士。▼
アスク王国で会ってみて
あらためて実感したわ…。
やっぱり母さんはすごい人なんだって。▼
- [アズール]
- よかったね。
セレナも母さんに会えたんだ。▼
- [ロラン]
- いろいろと学ぶことも
あったのではないですか?▼
- [セレナ]
- そうね…あたしたちは
まだまだ実力不足だってことが
嫌と言うほどわかったわ。▼
絶望の未来で母さんを失ってから
あたしは必死に強くなろうと
頑張ってきた…▼
だけど、才能って残酷だわ。
凡人がどうあがいても
天才には追いつけない…▼
- [アズール]
- いや、セレナは
十分頑張ってるよ?▼
- [セレナ]
- 頑張ってるだけじゃ
ダメなのよ、結果を出さないと…!▼
あたしが凡人だったとしても
これまで重ねてきた努力が
無駄だったって思いたくはないの。▼
母さんと比べられて…
役立たずと思われるなんて
あたしは絶対に嫌!▼
だから、この世界で
あたしたちの力を示して
認められなくちゃいけないの!▼
- [ロラン]
- 妙な対抗心を燃やしていたのは
そんな理由からでしたか。▼
ですが、母上と競う必要など
あるのでしょうか?▼
僕はミリエル母様と一緒に
魔道の研鑽に励んでいますよ。▼
アスク城の大図書館には
さまざまな文献が揃っていますからね。
毎日のように二人で足を運んでいます。▼
- [アズール]
- 僕もオリヴィエ母さんとは
剣術の練習をしてるけど
競い合ったりはしてないなあ。▼
それに知り合いの踊り子を
紹介してくれたりしてさ。
異界の踊りはとても興味深かったよ!▼
- [セレナ]
- …なによそれ。
乗り越えるべき相手と仲良くするとか
まったく意味わかんないんだけど!▼
- [ロラン]
- 僕は母様たちを尊敬していますし
実力だって認めています。
だからこそ手を取り合うんですよ。▼
- [アズール]
- セレナだってティアモさんの
実力を認めてるんでしょ?
だったら一緒に鍛錬に励めばいいのに。▼
- [セレナ]
- バカなこと言わないでよ!
そんなの自分が未熟だって
認めているようなものじゃない!▼
わかったわ。あんたたちには期待しない。
あたし一人でヴァイス・ブレイヴに
存在感を示してやるんだから!▼
- [アズール]
- あっ、セレナ!
ちょっと待って!▼
- [ロラン]
- 行ってしまいましたね…▼
- [ルキナ]
- アズール、ロラン。
あなたたちもいたのですね。▼
さっきセレナがすごい剣幕で
出て行ってしまいましたけど
なにがあったのですか?▼
- [アズール]
- それがその…▼
- [ルキナ]
- ここがならず者たちのたまり場…
これ以上の略奪行為は許しません。
今日こそ壊滅させましょう。▼
- [アズール]
- この前は連携がチグハグで
うまく戦えなかったからねー。
リベンジしなくっちゃ!▼
- [ロラン]
- 僕たちが本来の力を発揮すれば
問題ありませんよ。▼
- [セレナ]
- 今なら敵が油断しているわ。
先に出るわよ!▼
- [ロラン]
- あっ、セレナ!
やはり今回も一人で
飛び出してしまいましたか…▼
- [アズール]
- でも、セレナが飛び出すってのは
すでに想定内だからね。▼
ならば、僕たちが足並みを
揃えればいいだけだよ。▼
- [ルキナ]
- ええ、私たちも続きましょう!
私はセレナと共に前へ出ます!▼
- [ロラン]
- 僕は魔道で牽制しながら
お二人の後を追いますね!▼
- [アズール]
- 僕はルキナとセレナの
背中を守るよ!▼
- [セレナ]
- ……!?
ちょ、ちょっと!▼
どうしてあんたたちまで
飛び出してきてるのよ!
あたしの無茶に付き合うことないわよ!▼
- [ルキナ]
- 無茶ではありませんよ。
これが私たちの戦い方ですから。▼
- [セレナ]
- あたしたちの…戦い方?
どういう意味よ。▼
- [ルキナ]
- アズールたちから事情は聞きました。
でも、セレナは少し勘違いしています。▼
- [セレナ]
- か、勘違いってなにをよ!?▼
- [ルキナ]
- あなたのお母様や私のお父様…
その世代の英雄たちの強さには
目を見張るものがあります。▼
ですが、あの強さは個々の力だけで
成り立っているものではありません。▼
仲間同士が絆で結ばれ
力を合わせるからこそ
強さを発揮しているのです。▼
- [セレナ]
- ……▼
- [ルキナ]
- 絆を結ぶのは
素質も才能も関係ありません。▼
ただ、お互いを信じる心。
支え合う気持ちこそが
仲間を強くしていくのですから。▼
- [アズール]
- そうそう! 僕たちの力を
ヴァイス・ブレイヴに認めさせるなら
協力して戦うのが一番だって!▼
- [ロラン]
- ええ。僕たちの絆の力を示すことが
最も効果的だと思いますよ!▼
- [セレナ]
- あんたたち…▼
わ、わかってたわよ。
そんなことくらい!▼
あんたたちを試していたというか
早く絆の力に気づいてほしかったから
あたしが無理してたというか…▼
- [ルキナ]
- 敵が出てきましたよ。
さあ、セレナ!
一緒に切り込みますよ!▼
- [セレナ]
- うん、いくわよ!▼
- [セレナ]
- 覚悟しなさい!
やあっ!!▼
- (白く光る)
- [ロラン]
- ふう、なんとか制圧できましたね。
これで街道を利用する人たちが
ならず者に怯えることもないでしょう。▼
- [アズール]
- 僕たちが力を合わせれば
これぐらいの成果は当然だよね!▼
- [セレナ]
- …そ、そうかもね。
みんなのおかげで勝てたの…かも…
その…あ、ありがとう…。▼
- [ルキナ]
- 無事でなによりです。
勝てたのは、ここにいる
みんなの力です。▼
- [セレナ]
- あたし、本当はね…
アスク王国に召喚されてから
ずっと怖かったの。▼
母さんがいれば
お前なんかいらないって
思われてしまうことが。▼
そう思われてしまったら
ヴァイス・ブレイヴにあたしの
居場所なんてどこにもないでしょ?▼
- [ルキナ]
- そんなことはありませんよ。
セレナにはセレナの…
セレナだけの輝きがあります。▼
この戦いも
セレナがいたからこそ
有利に進んだんですよ。▼
- [ロラン]
- ええ。あなたが
敵を引き付けたことで
こちらはずいぶん助かりましたからね。▼
- [アズール]
- そうそう。
勇ましく剣を振るう姿なんか
英雄譚の主人公みたいだったよ!▼
- [セレナ]
- な、なによあんたたち…。
あたしが先陣を切ったのよ?
それぐらいの活躍、当然じゃない!▼
でも、まだまだ足りないわ。
あたしは…もっと強くならなきゃ。▼
もしこの世界でも
母さんを失うことになったら…
そんなの絶対に嫌だから。▼
- [ルキナ]
- それもあなたが強さを
求める理由だったんですね。▼
せっかく再会したお母様と
離れ離れになりたくない気持ち…
私にもよくわかります。▼
- [セレナ]
- こうして異界で会えたのに
また別れるってのもなんだし…▼
- [ロラン]
- セレナは
ティアモさんのことが
本当に好きなんですね。▼
- [セレナ]
- なっ、なによそれ!
あたしが親離れできてない
みたいに言わないでよ!▼
- [アズール]
- 恥ずかしがることないよ。
大切な人を守るためにも
もっと力を合わせなきゃね!▼
- [ルキナ]
- ええ。絆をつないでいけば
ヴァイス・ブレイヴのみんなとも
きっと繋がっていけるでしょう。▼
そうすればきっと
私たちの居場所もできるはずです。▼
- [セレナ]
- あたしはこれからも強くなるわ。
立ち止まっている暇はないんだから。▼
あんたたちも
ちゃんとついて来なさいよね!▼
花咲く笑顔 アズール†
- [アズール]
- えーっと…
踊り手たちの練習場は
このあたりのはず…。▼
母さんからヴァイス・ブレイヴには
踊りの達人がたくさんいるって聞いたけど
可愛い女の子だといいな~。▼
あ! あの子たちがきっとそうだ!
うわぁ、すごいな。
あんな動きが出来るなんて。▼
こうしちゃいられない。
そこの麗しいお姉さんたち~!▼
- [シルヴィア]
- 麗しいお姉さんって、あたしたちのこと?
えへへ、なかなか見る目あるじゃん。▼
- [テティス]
- あなた…
最近召喚された英雄かしら?▼
- [アズール]
- おっと、挨拶が遅れたね。
はじめまして、僕はアズール。
イーリス聖王国からやってきた剣士さ。▼
- [シルヴィア]
- あたしはユグドラル大陸から来た
シルヴィア。よろしくね。▼
- [テティス]
- 私はマギ・ヴァル大陸から来た
ジスト傭兵団のテティス。▼
で、イーリス聖王国の剣士さんが
私たちになにかご用かしら?▼
- [アズール]
- 実は頼みがあるんだけど
僕に君たちの踊りを
教えてくれないかな?▼
- [テティス]
- あなたが踊りを…?▼
- [シルヴィア]
- ははーん。
さてはそういう手口のナンパね!▼
踊りを教わるフリして
あたしたちの手でも握ろうって
魂胆なんでしょ?▼
- [アズール]
- ち、違うよ!
僕は真剣に踊りを学びたいんだ。▼
君たちみたいな、とびきり可愛い子の
手を握りたいとか、そんな気持ちは…
まったくないとは言わないけど…。▼
- [テティス]
- いいわ。面白そうじゃない。
だったら、まずはあなたの踊りを
見せてもらえるかしら?▼
- [シルヴィア]
- そうね。腕前を見せてもらわないと
教えようがないもんね。ほら早く!▼
- [アズール]
- わ,わかったよ。
ちょっと恥ずかしいけど…。▼
ど、どうかな?▼
- [シルヴィア]
- ふうん、これはなかなか…。▼
- [テティス]
- 思ったよりも本格的ね。
あなたが踊りを学びたいというのが
嘘じゃないってわかったわ。でも…。▼
- [アズール]
- で、でも?▼
- [テティス]
- いろいろな踊り手がいる
アスク王国に来たのだから
違う系統の踊りを学ぶのもいいかもね。▼
- [シルヴィア]
- そうね。踊りの幅を広げるのは
悪いことじゃないと思うし。▼
- [テティス]
- 最近来たばかりのあの子なんて
いいんじゃないかしら。
声をかけておくわね。▼
- [アズール]
- 本当? 楽しみだな!
どんな踊り手なんだろう。▼
- [セアダス]
- ルールルルー♪▼
- [アズール]
- わあ…すごく神秘的な踊り。
昼間なのに、まるで月光の中で
踊っているような切なさだ…▼
長い髪…
だけど、もしかして……▼
- [セアダス]
- そろそろ来ると思っていたよ。
あなたがアズールだね。
俺はセアダス。ソルム王国のダンサーだ。▼
踊りを教えてあげてって言われたけど、
俺もかなりの新参者なんだよね。
それでも良ければ、どうぞよろしく。▼
- [アズール]
- 勿論いいに決まってるよ。
こちらこそよろしく、セアダス。▼
わ…
やっぱり、男の人だ…▼
- [セアダス]
- それは見ての通りだけど。▼
…あ、わかった。
さては女の子が良かったんだろ!
君はかなりの女好きと聞いているからね。▼
- [アズール]
- 違う! 逆だよ!
驚いたんだ。嬉しくて!▼
ねえ、セアダス。君は元居た世界で、
名のある踊り手だったって聞いたんだ。
たくさんファンがいたって!▼
ダンサーっていうのはさ、
いつもずっとそうだったの?
収穫祭の時だけじゃなくて、ずっと。▼
- [セアダス]
- 当然、いついかなる時でも戦場に出て、
仲間を踊りで鼓舞すること。
それが俺の仕事だよ。▼
- [アズール]
- そうなんだ…!
すごい、本当にいたんだ!
僕の夢を叶えてくれる人が!▼
- [セアダス]
- そんなに喜ぶことかな。
別に不思議じゃないと思うけど。▼
- [アズール]
- ううん。僕は、セアダスみたいな
元の世界でも踊り手をしている男の人を、
いま…初めて見たんだ。▼
僕の世界では、僕は踊り手になれなかった。
男の踊りなんかじゃ元気にならないって。
そう言われてたから…▼
- [セアダス]
- ! そういうことか…▼
君の世界の価値観を
否定するつもりはないけど、
勿体無いことするね。▼
アズールのように熱意がある人は、
絶対に良いダンサーになるのに。▼
- [アズール]
- ありがとう。
セアダスにそう言われると、
本当になれる気がするよ。▼
- [セアダス]
- なれるさ。君の世界で一番はじめに、
男のダンサーになってやればいい。
俺が誰より応援するよ。▼
それじゃあ、その夢が叶うよう
早速踊りの練習を…▼
- [アズール]
- な、なに? 今の音。▼
- [セアダス]
- …………▼
ごめん、俺のお腹の音。
人に何か教えるなら綺麗でいなきゃって、
ご飯を我慢しすぎたかも。▼
- [アズール]
- あはは。お腹すいてるんだ。
じゃあ、先にお茶でも行かない?
僕、セアダスの話をもっと聞きたいし…▼
美味しいお菓子の店は、
いくつか下調べ済みなんだよ。▼
- [セアダス]
- ほ、本当!? 行きたい!
あ、でも待って。
いまカードで占うから。▼
カードさん…カードさん…!
アズールとお菓子を食べに行っても
太りませんか…!!▼
- [アズール]
- あれれ? 神秘的なイメージが…▼
ま、まあいいか。
なんだか、いい友達になれそう。▼
- [アズール]
- ルールルールー♪
こんな感じかな、セアダス。▼
- [セアダス]
- いいステップだ。
短時間でこんなに仕上げてくるなんて、
俺も負けていられないな。▼
- [アズール]
- セアダスの踊りは、
僕の世界にない雰囲気で勉強になるよ。
振り付けは自分で考えたの?▼
- [セアダス]
- いや…
その振り付けは師匠のものだ。▼
- [アズール]
- へえ、お師匠さん!
どんな人だったの?▼
- [セアダス]
- 孤児だった俺を拾って育ててくれた、
優しい人だよ。▼
キャラバンの団長だった美丈夫で、
踊ると靡く長い髪が好きだった。
本当の父親みたいに思ってた。▼
いつかその背中を超えるのが
夢だったんだけど…▼
ある日、賊の襲撃から俺を庇って、
死んでしまった。▼
- [アズール]
- !!▼
セアダスも…
大切な師匠を亡くしてるんだね。▼
僕も、師匠だった母さんを亡くしてる。
屍兵という化け物から、
僕を庇って死んじゃったんだ。▼
- [セアダス]
- 俺たちの師匠はどちらも、
星になってしまったということか。
これはお互い、中々届かないね。▼
- [アズール]
- うん…▼
- [セアダス]
- でも、アズールの母上は、
英雄として召喚されていると聞いたよ。
本当の母上とは違う存在かもしれないけど…▼
踊りの才は同じなはずだ。
直接指導してもらわないの?▼
- [アズール]
- それは…できないんだ。▼
- [セアダス]
- どうして?▼
- [アズール]
- 自分で考え続けていることに、
答えを貰ったら意味がないから。▼
母さんは、僕にすべての踊りを
教える前に死んでしまった。
だから、続きを考えてたんだ。▼
一人で、母さんのお墓の前で…
いつか母さんに見せたら、
驚いてくれるようなすごい踊りを。▼
でもそれは、まだ完成していない。
夢だから、目標だから、
中途半端なものにしたくない。▼
でも、ずっと練習していても、
僕なりの踊りが掴めなくて。▼
- [セアダス]
- 自分なりの踊り、かあ。
それは確かに難しい問題だな。▼
- [アズール]
- そう。僕には母さんほどの
踊りの才能はないみたいだし。
- [セアダス]
- 才能は充分あると思うけど。▼
…『ラ・フルール』
笑むように咲く花のカード。▼
アズールの踊りはこれから先の未来で、
みんなを笑顔にするって出ているよ。▼
- [アズール]
- 嬉しいけど…
僕はまだ、そんな綺麗なカードには
相応しくない気がする。▼
- [セアダス]
- まあ、他の人になんて言われたって、
信じられない時はあるか。▼
他の人…そうだ。
あの人の言葉なら、
素直に受け取れるかも。▼
- [アズール]
- あの人?▼
- [セアダス]
- 会わせたい人がいるんだ。
次の三日月が昇る夜、
南東にある湖畔に行ってみて。▼
- [アズール]
- …?
よくわからないけど、
セアダスがそう言うなら…▼
- [セアダス]
- この世界では不思議なことが起こる。
元の世界よりずっとね。
きっと素敵な夜になるよ。▼
- [アズール]
- セアダスが言ってたのは、
このあたりのはずなんだけど…
会わせたい人って誰なんだろう?▼
ん? 誰か踊ってる。
すごく心惹かれる踊りだ…
綺麗で、懐かしくて、母さんみたいな…▼
え!?
待って、あれって…!!▼
- [アズール(舞踏祭)]
- やっと来たか。
どうもはじめまして、アズール。▼
- [アズール]
- えええええ!!
君は、ぼ、ぼ、僕…!?▼
- [アズール(舞踏祭)]
- そうだよ!▼
あ、でもあんまりじーっと見ないで。
自分自身とはいえ
恥ずかしくなってくるから…▼
- [アズール]
- どういうこと?
その恰好って…
もしかして、夢を叶えた僕?▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 半分正解で、半分間違いかな。▼
僕は、君とは少し違う世界で、
舞踏祭を楽しんでいる最中に
召喚された存在なんだ。▼
君が踊りを教わった英雄たちと違って
本当の意味での踊り手に
なれたわけじゃないけど…▼
ここに来た時に、踊り手として
仲間を鼓舞する力は手に入れた。▼
さっき言った通り、半分くらいは、
夢を叶えたといえるのかも。▼
- [アズール]
- そうなんだ…! さっきの踊り、
今の僕では到底真似できない。
すごいよ、舞踏祭の僕。▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 君にもできるよ。
だって僕は君なんだから。▼
- [アズール]
- !▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 君はセアダスに出会って、
男は踊り手になれないっていう
考えは克服したみたいだけど…▼
それでもまだ、
母さんのような踊り手になるのは
無理かもって気持ちは拭えてないよね。▼
- [アズール]
- それは…▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 答えなくていいよ。僕にはわかる。
でもその気持ちはただの、
思い込みにすぎないんだよ。▼
絶望の未来で戦って、過去に飛んで…
母さんにもう一度会えて、
憧れを目の当たりにして揺らぐよね。▼
- [アズール]
- うん…母さんの踊りをまた見られて
嬉しかった。すごく嬉しかったんだ。
なのに、悔しい気持ちも知ってしまった。▼
あの懐かしい踊りは…
思い出よりもずっと綺麗で、
僕なんかじゃ到底届かないって。▼
- [アズール(舞踏祭)]
- そう思っているうちは届かない。
憧れは遠いものじゃなくて、
超えていくものだよ。▼
今この瞬間からは、信じてよ。
君はいつか必ず、いい踊り手になれるって。▼
さっき見た踊りじゃ、
僕の姿じゃ、その証拠にならない?▼
- [アズール]
- ううん…何よりの証明だよ。▼
僕、信じるよ。
君みたいな踊り手になれる未来を。▼
- [アズール(舞踏祭)]
- その意気だよ、アズール。▼
でも、なるだけじゃなくて、
超えてもらわないと困るなあ~?
僕もまだ半人前なんだよ?▼
- [アズール]
- そ、そっか!
じゃあ沢山頑張らないと!▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 一緒に夢を叶えよう、アズール。
元の世界に戻っても、
立派な踊り手になれるように!▼
まあでも、折角こうして会えたんだし、
この出会いを祝して…▼
- [アズール]
- お茶でもしない?
でしょ?▼
- [アズール(舞踏祭)]
- あはは、さすが僕!▼
- [アズール]
- ナンパはたくさんしてきたけど
自分自身を誘うのは変な気分!▼
- [アズール(舞踏祭)]
- 沢山話そう。
今までのことと、これからのこと。
僕たちの同じ夢のこと。▼
そのあとは勿論、
とびっきりの笑顔で…
一緒に踊ろう!▼
秘めた憧憬 セレナ†
- [アシュ]
- おや、そこを行くはルーナ様では
ございませんか。
本日は気持ちの良いお天気で…▼
- [セレナ]
- ……。▼
- [アシュ]
- …おや? どうなさいました?
どこか不機嫌そうなお顔を
なさっているような…▼
もしやお体の具合でも
優れないのでございましょうか。▼
- [セレナ]
- まったくなんなのよ、もう!
あのね! あたしはセレナよ!
イーリス聖王国から来たセレナ!▼
呼び間違えられたのは
今日だけでも、あんたで5回目よ!
いったいどういう了見よ!?▼
- [アシュ]
- ! そ、そうでしたか。
これは大変失礼致しました。
後ろ姿が似ていたものでつい…▼
お名前を呼び間違えるとは失礼千万。
このたびの失態、深く反省致します故
平にご容赦を賜りたく…▼
- [セレナ]
- そ、そんなに仰々しく
誤らなくてもいいわよ。
今度から気をつけてよね!▼
- [アシュ]
- はい。固く心に誓う次第であります。
それではこの辺りにて
失礼させて頂きます。▼
- [セレナ]
- まったくもうなんなのよ。
それに、そのルーナって英雄は
いったい何者なの?▼
こんなに間違えられるってことは
あたしにそっくりなんだろうけど…。▼
いやいや、こんなに可愛い英雄が
そうそういるはずがないわよね!▼
異界のあたしなら
名前は同じだろうし…
うーん…気になるわね。▼
- (暗転)
- [セレナ]
- …という出来事があったのよ。▼
- [ブレディ]
- なるほどな。それで
この俺のところに来たってわけか。▼
- [セレナ]
- ええ、知っていることがあるなら
キリキリ話しなさいよ
セレブ同盟隊員B。▼
- [ブレディ]
- 誰がセレブ同盟隊員Bだよ…。▼
たしかセレナとブレディの
頭文字を取ってセレブ同盟だっけ?
そういえばそんな話もあったな。▼
- [セレナ]
- なーに遠い目してんのよ。▼
ひねくれ者同士で
前向きな未来を築くセレブ同盟は
異界にあっても健在なのよ。▼
- [ブレディ]
- はいはい、わかったよ。▼
で、話の腰を折っちまったけど
ルーナって英雄について
知りたいんだったよな。▼
実を言うと、俺も詳しいことは
よく知らねえんだ。▼
- [セレナ]
- はぁっ!? ったく、使えないわね。
それでよくセレブ同盟隊員Bを
名乗れたものね。▼
- [ブレディ]
- 自分で名乗ったわけじゃねえよ!▼
かく言う俺もはじめて
ルーナを見たとき、間違えて
セレナって呼んじまったんだけどな。▼
- [セレナ]
- 使えないうえに目まで節穴とは…
あたし、ブレディが気の毒で
なんだか泣けてきちゃう。▼
- [ブレディ]
- 変な同情してんじゃねえよ!▼
でも気のせいか
ルーナをセレナって呼んだとき
一瞬反応した気がするんだよなぁ。▼
それになんだか
俺を避けてるような気もするし…。▼
- [セレナ]
- あんたの顔が怖いからでしょ?
で、そのルーナとかいう英雄
そんなにあたしに似てるの?▼
- [ブレディ]
- ああ、それは確かだ。
姉妹と言われたら
俺だって信じるかもしれねえ。▼
- [セレナ]
- そんなに!? あたしみたいな
可愛い英雄が二人もいるなんて
ありえないでしょ!▼
- [ブレディ]
- 俺はお前のその自信が
ありえねえと思うんだがな…。▼
- [セレナ]
- ますます気になってきたわ。
こうなったら
自分の目で確かめてくる!▼
- [セレナ]
- い、いたーっ!
そこの女、待ちなさい!
あんたがルーナね?▼
- [ルーナ]
- その声は…ついに来たわね。
いつかアスク王国に
召喚されてくると思ってたけど…。▼
で、あたしになにか用?▼
- [セレナ]
- うぐっ…!
た、確かに似てる。▼
ていうか、似てるなんてもんじゃないわ。
まるで鏡を見ているみたい。▼
いやいやいや、そんなことはない!
あたしのほうがギリギリ僅差で可愛い!▼
- [ルーナ]
- なに一人でブツブツ言ってるの?
まぁ、だいたい想像できるけど…。▼
- [セレナ]
- ルーナ!
単刀直入に聞くわ!▼
- [ルーナ]
- はいはい、なあに?▼
- [セレナ]
- あなたは異界のあたしなの?
きっとそうよね?
それなら似ている説明がつくわ。▼
- [ルーナ]
- ……。
それについてはノーコメントよ。
断じて話すわけにはいかないの。▼
- [セレナ]
- なによ、ケチ!
教えてくれたっていいでしょ?▼
- [ルーナ]
- ダメなものはダメよ。
世の中には秘密にしておいたほうが
よいこともあるでしょ?▼
ほら、たとえば…。▼
あんたは友だちや母さんにいつも
憎まれ口ばっかり叩いているけど
実はみんなのことが大好き、とか。▼
- [セレナ]
- なななななな、なに言ってんのよ!
急に変なこと言わないでくれる?▼
あ、あああ、あたしはぜんっぜん!
そ、そんなこと思ってないんだから!▼
- [ルーナ]
- はいはい。
そういうことにしときましょ。▼
ともかくあんたの質問については
なにも答えることはできないわ。
じゃあね。▼
- [セレナ]
- こら! 逃げるな!
気になるじゃない!▼
- (暗転)
- [ルーナ]
- ふう、危なかった…。▼
ごめんね、もう一人のあたし。
あたしにはまだ
やらなきゃいけないことがあるの。▼
- [セレナ]
- …ということがあったのよ!▼
なによ、あの女!
少しばかり可愛い顔してるからって
思わせぶりなこと言っちゃって!▼
- [ブレディ]
- へぇ、それは確かに気になるな。▼
もしかしたらルーナが俺を避けるのも
その秘密とやらが
関係しているのかもしれねえな。▼
- [セレナ]
- そんなことはどうでもいいわ。▼
- [ブレディ]
- いや、よくはないだろ…。▼
- [セレナ]
- 問題はあいつとあたしが
可愛さではあたしに及ばないものの
ほぼ同じ顔だってことよ!▼
あたしが最強に可愛いという事実は
唯一母さんにも
勝っていたポイントなのよ!▼
- [ブレディ]
- さて、城下町に紅茶を仕入れにいくか。
暗夜王国のジョーカーさんに
教えてもらった店にしようかな。▼
- [セレナ]
- ちょっと! 話はまだ終わってないわよ。
セレブ同盟隊員B!▼
- [ブレディ]
- いてっ! いきなり首根っこを
掴むんじゃねえよ!▼
- [セレナ]
- あたしと激似の英雄がいたんじゃ
価値が半減しちゃうじゃない!
それにこれはアスク王国の危機だわ!▼
- [ブレディ]
- いやいや、ちょっと待て!
なんでお前らの容姿うんぬんが
アスク王国の危機に繋がるんだよ?▼
- [セレナ]
- あたしのモチベーションの問題よ!
ここであたしが落ち込んじゃったら
今後の戦いに影響するかもしれないし。▼
可愛いあたしが落ち込んでいたら
ヴァイス・ブレイヴの士気も
下がるかもしれないでしょ?▼
それはつまり
アスク王国の危機ってわけ!
わかりなさいよ、そんなことくらい!▼
- [ブレディ]
- わかりたくないけど
わかったと言わなきゃ
話は進まないんだろ?▼
まあなんだ。
お前にとっては大事な
問題だってことは理解したぜ。▼
- [セレナ]
- なによ、隊員Bのくせに大人ぶっちゃって。
あたしの気持ちも知らないくせに。▼
- [ルーナ]
- なんだか変なことになってるわね。▼
- [セレナ]
- あ、あんたは…!
ここへなにしに来たのよ!▼
- [ルーナ]
- なにって…。
あんたと少し話がしたかっただけよ。
出直したほうがいい?▼
- [セレナ]
- …し、仕方ないわね。
聞いてあげるわ。
で、話ってなに?▼
- [ルーナ]
- さっきはあんたの質問を
はぐらかして悪かったわね。
あれじゃ誰だって気になるわよね。▼
- [セレナ]
- じゃあ、質問に答える気に
なったってわけ?▼
- [ルーナ]
- ごめん、それは無理。▼
あたしには大事な使命があって…
事情を説明することはできないの。▼
でも信じて。あんたに意地悪を
したいわけじゃ決してないのよ。▼
- [セレナ]
- …ふーん。なんでかしら。
あんたが本気で言ってるってわかるわ。
わかっちゃうのがまた気になるけど…▼
あーあ、もういい! 信じてあげる。
これ以上あれこれ聞かないわ。▼
ま、あたしは別にあんたのことなんて
大して気にしてなかったしね。▼
- [ルーナ]
- ありがとう…!
ところでセレナ。
あたしからあんたに提案があるの。▼
- [セレナ]
- ? なによ。▼
- [ルーナ]
- アスク王国において
あたしとあんたで同盟を組むのはどう?
そうね、名前はセレルーナ同盟とか。▼
- [セレナ]
- セレルーナ…同盟?▼
- [ルーナ]
- 最高に可愛いあたしと最強に可愛い
あんたが組めばヴァイス・ブレイヴでも
至高の可愛さを発揮できるわ。▼
誰にも追いつけない可愛さの極致を
みんなに見せつけてやろうってわけ。▼
- [ブレディ]
- あのな、ルーナ。▼
今、アスク王国は数々の危機に
晒されている最中で、そんなことに
うつつを抜かしている場合じゃ…。▼
- [セレナ]
- セレルーナ同盟!
いいじゃない! 組みましょう!▼
- [ブレディ]
- こっちも乗り気かよ!?▼
- [セレナ]
- 安心しなさい、ブレディ!
セレブ同盟も兼任してあげるから。▼
これからは更に
セレルーナ同盟の一員として
ヴァイス・ブレイヴの注目を集めまくるわ!▼
- [ブレディ]
- セレブ同盟は別にいいんだが
お前たち、本当にその方向性で
やっていくつもりなのか?▼
- [セレナ]
- なによブレディ。
その不満そうな顔は。▼
ははーん、さてはあんたも
入りたいのね、セレルーナ同盟に。▼
でもお生憎様、
あんたは可愛さが足りないわ!▼
- [ブレディ]
- 安心しろ。
神に誓って入りたくないし。▼
- [セレナ]
- そうと決まれば
こうしちゃいられないわ!
もっと可愛さを磨かなきゃ!▼
- [ルーナ]
- ねえセレナ。
あたし、素敵な化粧品を知ってるの。
これから一緒に買いに行かない?▼
- [セレナ]
- ほんと? 行く行く!
まだアスク王国に慣れてないから
いいお店教えてよ!▼
- [ルーナ]
- オッケー。そのあとは宝飾店と
お菓子屋さんにも寄ってかない?▼
- [セレナ]
- いいわね、最高! さあ、今日から
セレルーナ同盟伝説のはじまりよ!▼
- [ブレディ]
- お、おいっ!
セレナ、ルーナ!▼
……。
あいつら、アスク王国に
なにしに来たんだ?▼
真理の探究者 ロラン†
- [アンナ(覚醒)]
- 助かるわー、ロラン!
あなたがお店を手伝ってくれてから
経営状態がだいぶよくなったわ!▼
- [ロラン]
- いえ、まだまだですよ。
ようやく改善の兆しが
見えてきたばかりです。▼
アンナさんのお店では
ヴァイス・ブレイヴへの支給品を
取り扱っているんですよね?▼
それにもかかわらず
余計な仕入れが多いんですよ。▼
- [アンナ(覚醒)]
- あら、そうかしら?
品揃えが多ければ
それだけ便利じゃない。▼
ほら、この鍋なんて
頭にかぶるのにちょうどいい
サイズだと思わない?▼
- [ロラン]
- そんな使い方をする人なんて
一人しかいませんよ。▼
そんなことだから
赤字ギリギリになるんです。▼
- [ジョージ]
- 優れた観察眼と予算管理能力…
話には聞いていたが大したもんだぜ。▼
ロランのおかげで今後は
予算のやりくりが楽になりそうだ!▼
- [ロラン]
- 改善すべき点は予算以外にもあります。
例えば、在庫の
管理体制についてですが…▼
この帳面を見たところで
なにがどこにしまってあるのか
まるでわかりません。▼
- [アンナ(覚醒)]
- そんなものは慣れよ、慣れ!
あなたもお店を手伝ってるうちに
だいたい見当つくようになるわよ!▼
- [ロラン]
- 管理の手間の問題もあるんですよ。
少しずつでも改善していきましょう。▼
おや?
この支給品の項目ですけれど…。▼
- [ジョージ]
- ん? ああ、化粧品だな。
支給品の中でも人気の品でな。
それなりに欲しがる英雄がいるのさ。▼
- [ロラン]
- それにしても
支給量が多すぎるような…
少し調べてみましょうか。▼
- [ロラン]
- はじめまして、シャーロッテさん。
本日は貴重なお時間をいただき
ありがとうございます。▼
- [シャーロッテ]
- 大丈夫ですよぉ。
で、お話ってなんですかぁ?▼
- [ロラン]
- 実はイーリス聖王国アンナ商会
アスク支店から支給されている
化粧品についてお話がありまして。▼
- [シャーロッテ]
- え~っ、化粧品ですかぁ?
ご用意してくださるアンナさんには
いつも感謝してるんですよ~。▼
- [ロラン]
- 感謝の言葉、お伝えしておきます。▼
で、本題ですが…
シャーロッテさんが請求される
化粧品の量が少々多いのではないかと。▼
- [シャーロッテ]
- ええ~?
そうなんですかぁ?▼
- [ロラン]
- ヴァイス・ブレイヴの予算にも
限りがありまして…
現状、厳しいものがあるのです。▼
もし可能でしたら
支給される化粧品の請求量を
少し抑えていただけないでしょうか。
むろん、ご自身のお金で
お買い上げいただく分には
なにも申しませんが…。▼
- [シャーロッテ]
- それってぇ、使う化粧品を
減らしてくださいって…
コトですかぁ?▼
- [ロラン]
- 化粧をすることで戦意を高揚させたり
己を奮い立たせる…そういった効果が
得られることは存じております。▼
しかし、シャーロッテさんへの
支給量はあまりにも際立って多い…
そういうことです。▼
- [シャーロッテ]
- しゅん…ごめんなさぁい…。▼
- [ロラン]
- このようなお願いをするのは
こちらも心苦しいのですが…▼
今後、倹約を心掛けて
いただけると助かります。▼
- [シャーロッテ]
- はぁい。今度から気を付けますぅ。▼
…ところで、ロランさんってぇ
とても真面目で勤勉な
性格をしていらっしゃいますよねぇ。▼
もし差し支えありませんでしたら
どのようなお家柄なのか
教えていただけますかぁ?▼
- [ロラン]
- 家柄…ですか?
祖母の代から学者の家系です。
他に特筆すべき事項はありませんね。▼
- [シャーロッテ]
- …王族でも貴族でもなく、学者ね。
でも、発明や発見で一発当てれば
大きく跳ねる可能性もあるな…。▼
- [ロラン]
- あの、なにか?▼
- [シャーロッテ]
- なんでもないですよぉ。
ロランさん、今後とも
よろしくお願いしますねぇ☆▼
- [ロラン]
- こちらこそ。今日はお時間を
割いていただき、ありがとう
ございました。▼
- [アンナ(覚醒)]
- ねえ、ロラン。
シャーロッテに化粧品の消費量を
減らすようお願いしてたわよね?▼
- [ロラン]
- ええ。
直接お会いして説明しましたよ。▼
- [アンナ(覚醒)]
- そうよねえ…
だけど、帳面を見るかぎり
まったく減ってないわよ?▼
- [ロラン]
- なんですって?▼
- [ジョージ]
- たしかに減ってないな。
前と同じ…
むしろ少し増えてないか?▼
- [ロラン]
- ……。
そのようですね…。▼
すみませんが
僕は急用ができました。
これで失礼いたします。▼
- (暗転)
- [ロラン]
- シャーロッテさん。
先日のお話、ご理解いただけたものと
考えておりました。▼
ですが、化粧品の支給量が
以前と変わらないのはなぜです?
いや、むしろ微増している。▼
- [シャーロッテ]
- ごめんなさぁい。
うっかりしていたみたいです~。▼
- [ロラン]
- うっかり、という言葉では
片付けられない問題なのですよ。▼
よろしいですか、シャーロッテさん。
アスク王国では終わりの見えない
戦いが今なお続いているのです。▼
僕たちは民から預かった税で禄を得て、
装備を整え脅威と対峙することが
できているのです。▼
- [シャーロッテ]
- ……。▼
- [ロラン]
- 聞けば、王族である
ヘンリエッテ女王やシャロン王女も
倹約されているそうではないですか。▼
どうでしょう。シャーロッテさんも
ご自身の身を省みてここはひとつ…。▼
- [シャーロッテ]
- …っせえ…ての…。▼
- [ロラン]
- えっ? 今なんと…。▼
- [シャーロッテ]
- …うるせえっての!
さっきから細かいことをぐちぐちと
ああもう、ふざけんなっつーの!▼
- [ロラン]
- ……!?▼
- [シャーロッテ]
- しょうがねーだろっ!
私はとっとと玉の輿に乗って
親を安心させなきゃいけないんだから!▼
髪も肌もツヤツヤにして
王族や貴族にも負けねーような
最高の状態にしておく必要があんだよ!▼
- [ロラン]
- …………。▼
- [シャーロッテ]
- そもそもアスク王国が
やべーってのは重々わかってんだよ!▼
こちとら毎日最前線で命張ってんだ。
そのうえで私は……はっ!?▼
- [ロラン]
- ………………。▼
- [シャーロッテ]
- や、やだぁ~。
今のはなにかしらぁ?
きっと悪い妖精さんの
仕業に違いないわ~。
うふ、うふふふふふ…。▼
じゃ、じゃあ、私は急用を
思いついたのでこのへんでぇ…。▼
- [ロラン]
- ふむ、なるほど…。
お待ちください、シャーロッテさん。▼
- [ロラン]
- シャーロッテさん。
先ほど垣間見せた姿が
本来のあなた、なのですね?▼
- [シャーロッテ]
- うっ…!▼
バレちゃったんなら
取りつくろう必要もないわね。
そーだよ、これが素の私だっつの。▼
- [ロラン]
- なるほど、理解しました。▼
- [シャーロッテ]
- あんた、あまり驚いてないわね。
もしかして予想外の展開に
ついていけてないとか?▼
- [ロラン]
- いえ、完全に理解していますよ。
実を言うと、僕の知り合いにも一人
あなたによく似た方がおりまして。▼
その方は、世間と折り合いをつけるため
本性を隠して生きていました。▼
- [シャーロッテ]
- ふーん。どこの異界にも
似たようなのがいるもんなのね。▼
- [ロラン]
- とにもかくにもシャーロッテさんの
事情はわかりました。▼
化粧品はあなたが
あなたらしく生きるために必要なもの。▼
武器や魔道書、杖と同じように
戦うために必要なものだと
僕は理解しました。▼
- [シャーロッテ]
- ……。▼
- [ロラン]
- 予算繰りについては
こちらがなんとかしましょう。▼
- [シャーロッテ]
- えっ!? ホントに!?▼
- [ロラン]
- その代わり、これまで以上に
戦場で活躍されることを期待します。▼
十分な戦果を残しさえすれば
僕が小言を挟む余地などないでしょう。▼
- [シャーロッテ]
- なによ、わかってんじゃないの!▼
頭のカッチコチな
学者様かと思ってたけど
案外話のわかるイイやつなのね!▼
- [ロラン]
- いったい僕のことを
なんだと思っていたんですか。▼
- [シャーロッテ]
- でも、本当に助かるわ。
あんたには借りができたわね。
なにかあったら、いつでも力になるわ。▼
- [ロラン]
- でしたら、さっそくひとつ
お願いがあるのですが…。▼
さきほどの怒りを
あらわにされたときの𠮟責は
なかなかに素晴らしいものでした。▼
- [シャーロッテ]
- …え?▼
- [ロラン]
- 「うるせえっての!」のは
特によかったですね。▼
できれば次の機会は
もっと強めの口調でお願いしたい…。
では、僕はこれで失礼します。▼
- [シャーロッテ]
- ……。▼
見直したと思ったんだけど
あいつ、実はなかなかに
変なやつだったりする…?▼
未来への決意 ルキナ†
- [ルキナ]
- お父様…!
お会いできてよかった!▼
アスク王国での活躍
聞き及んでおります。▼
- [クロム]
- おお、ルキナか。
随分と研鑽を積んだのだな。
一回りも二回りも大きく見えるぞ。▼
- [ルキナ]
- えっ、そうでしょうか?
鎧姿が身体を大きく見せて
いるのかもしれませんね。▼
- [クロム]
- せっかくの機会だ。
手合わせしてみるか?▼
- [ルキナ]
- えっ、お父様と…!?▼
- [クロム]
- 言葉を幾重に交わすよりも
俺たちがわかり合うならば
それが一番だ、どうだ?▼
- [ルキナ]
- もちろんです!
喜んでお受けいたします!▼
- (暗転)
- [ルキナ]
- はあ、はあ…
ありがとうございました。
よい経験になりました。▼
- [クロム]
- ああ、俺も
いい汗をかかせてもらった。▼
- [ルキナ]
- その…お父様から見て
私の戦い方はいかがだったでしょう?▼
- [クロム]
- そうだな…正直なところ
これほどまでとは思わなかった。
目を見張るような成長だ。▼
身のこなし、駆け引き…
驚かされるばかりだったぞ。▼
- [ルキナ]
- ほ、本当ですか?
私はお父様についていくだけで
精一杯だったのですが…。▼
- [クロム]
- その斧…
強大な力を感じるが
それゆえに扱いも難しいだろう。▼
だが、お前は使いこなしてみせた。
日々の研鑽の賜物だな。▼
- [ルキナ]
- そ、そんな…ありがとうございます。
お父様にそう言っていただけると
とても励みになります。▼
- [クロム]
- 謙遜することはない。
もしかすると本気でやり合えば
俺よりも強いんじゃないか?▼
- [ルキナ]
- そんな! 私はまだまだ未熟です。
アスク王国でももっと修行を積んで
いつかお父様に追いつきたいです。▼
- [フィヨルム]
- なるほど…積み重ねた努力を
しっかりと認めていただいたのですね。
よかったですね、ルキナ王女。▼
- [ルキナ]
- お父様にお褒めいただいたことは
たしかにうれしくはありました。
ですが…▼
同時にお父様のお力も
この手でしっかりと感じ取りました。▼
私はまだまだ力不足…
そう痛感させられました。▼
- [フィヨルム]
- ふふ、ルキナ王女らしいです。
それで今日は朝から訓練場にこもって
斧をふるっているんですね?▼
- [ルキナ]
- はい。私はまだこの魔器を
使いこなせているとは思えません。▼
自在に扱えるようになるためには
もっと修練が必要です。ふっ!▼
- (白く光る)
- [ルキナ]
- ふんっ!▼
- (白く光る)
- [ルキナ]
- はああっ!!▼
- (白く光る)
- [バアトル]
- むぅ!? うむむむっ!
おぬし、いい斧を持っておるな!
腕前もなかなかのものだ!▼
- [ルキナ]
- お褒めいただき、ありがとうございます。
私はイーリス聖王国のルキナ。
あなたは?▼
- [バアトル]
- わしはバアトル。
斧を愛し、斧に愛され
斧の道を行くただの斧好きよ。▼
ルキナとやら、ひたむきな
取り組みから斧に対する
真摯な姿勢が伝わってくるぞ!▼
わしにはわかる!
おぬし、きっとひとかどの
斧使いになるであろう!▼
- [ルキナ]
- あ、ありがとうございます。▼
- [バアトル]
- 斧に情熱を注ぐおぬしに
耳よりな情報がある。▼
このアスク王国には
斧の腕をさらに磨くために
うってつけの寄り合いがあるのだ。▼
おぬしさえよければ
ぜひとも参加するがいい!▼
- [ルキナ]
- お誘いはうれしいのですが
私はまだ斧を握りしめたばかりの若輩者。▼
まずはこうして斧を振ることで
しっかり下地を固めたいと思います。▼
- [バアトル]
- おお!
基礎をおろそかにしないとは
素晴らしい心がけだ!▼
わしの目に狂いはなかった。
気が向くことがあれば
いつでも声を掛けるがいい。▼
フィヨルム王女も
いつでも声をかけられよ。▼
- [フィヨルム]
- は、はい。考えておきます。▼
- [バアトル]
- では、わしはこれで失礼するぞ!
ガハハハ…!▼
- [フィヨルム]
- ヴァイス・ブレイヴには
斧使いの英雄が集まり、切磋琢磨する
斧の会という団体があるんです。▼
先ほどいらっしゃった
バアトルさんは
会の中心人物なんですよ。▼
- [ルキナ]
- さまざまな世界からやってきた
斧を扱う英雄が集う場…
非常に興味深いです。▼
私も魔器スリマを
使いこなせるようになったら
一度足を運びたいものですね。▼
- [フィヨルム]
- 皆さん、気のよい方々ばかりですから
きっと温かく迎え入れてくれますよ。▼
- [ルキナ]
- ……。▼
- [フィヨルム]
- …ルキナ王女?
どうかされました?▼
- [ルキナ]
- いえ、実は私には斧の会よりも
先に足を運ぶべきところがあるのです。▼
- [フィヨルム]
- なにか大事なことのようですね。
お話を伺いしても?▼
- [ルキナ]
- これは私がアスク王国へ来るより
ずっと前の話になります。▼
私は邪竜により崩壊した世界で
マルスと名乗り戦っていました。▼
かつて滅びの運命から世界を救った
神話の英雄マルスの名に願をかけて…▼
過去の世界で若き日のお父様と
出会ったときにも、正体を隠すため
仮面をかぶっていたので▼
仮面の剣士マルスと
名乗ることにしたのです。▼
- [フィヨルム]
- アカネイア大陸の英雄…
アリティア王国の
マルス王子のことですね。▼
- [ルキナ]
- ご存知でしたか。
やはりヴァイス・ブレイヴには
マルス様もいらっしゃるのですね。▼
私はアスク王国に来てから
ずっと考えていたのです。▼
もしマルス様が
この世界にいらっしゃるのなら…
名前を勝手にお借りしたことを謝りたいと。▼
- [フィヨルム]
- ルキナ王女にとってマルス王子は
いにしえから伝えられる偉大な英雄。▼
だからこそ、そのお名前の威光に
あやかろうとされたのですね。▼
- [ルキナ]
- ですが、無断で名前を
お借りしたことに変わりはありません。▼
ご本人にお詫びしたいのですが…
あまりにも畏れ多く、
どうしても足が前に進まないのです。▼
- [???]
- その悩み…
痛いほどよくわかります。▼
- [???]
- ならば私たちもともに行きましょう!▼
- [ルキナ]
- ……!?
あなたがたは…!▼
- [フィヨルム]
- マルス王子。
今、お時間をいただいても
よろしいでしょうか?▼
- [マルス]
- おや、フィヨルム王女。
もちろん構わないけど…
えっと、こちらの方たちは?▼
- [ルキナ]
- は、はい! 私たちは!▼
- [ルキナ(通常)]
- イーリス聖王国の!▼
- [ルキナ(春)]
- ルキナと申します!▼
- [ルキナ(選挙)]
- 本日は!▼
- [ルキナ(伝承)]
- マルス様に!▼
- [ルキナ(愛の祭)]
- お詫びがあってまいりました!▼
- [マルス]
- お詫び?
ぼくには心当たりがないけど…▼
- [ルキナ]
- その、実は…ですね…。▼
- (暗転)
- [マルス]
- そうか…絶望の未来を…
世界を救うために君は
ぼくの名前を名乗って戦った、と。▼
話を聞いただけでも
厳しい戦いだったということが
想像に難しくないよ。▼
よく最後まで…
仲間と共に戦い抜いたね。
君たちは誇り高い英雄だ。▼
- [ルキナ]
- も、もったいないお言葉です!
ですが、私は、私たちは…マルス様の
お名前を勝手に名乗ったのです。▼
マルス様の存在は大陸に伝わる
いにしえの大英雄として
希望の象徴そのものでした。▼
すがるような気持ちがあったとはいえ
大切なお名前を拝借してしまい
簡単に許されることではありません。▼
- [マルス]
- はははっ、少し大げさじゃないかな?
ぼくはね、自分のことを
大英雄だなんて思ってないよ。▼
ただ目の前のことを
必死にやっただけなんだ。
仲間たちの力を借りてね。▼
君たちだってそうやって
危機を乗り越えて
きたんじゃないのかい?▼
- [ルキナ]
- そ、それは…
そうかもしれませんが…。▼
- [マルス]
- だけど、遠い未来の人々が
ぼくの名前に希望を感じてくれるとしたら
それはとてもうれしいことだよ。▼
ぼくのほうこそ
君たちにお礼を言いたい。▼
ぼくに希望を重ねてくれて…
マルスと名乗ってくれてありがとう。▼
- [ルキナ]
- ……!
マルス様…!▼
- [フィヨルム]
- ふふっ。よかったですね、皆さん。
私も安心いたしました。▼
- [ルキナ]
- ええ…ええ…本当に…
ずっと胸につかえていたものが
取れたような…そんな気がします。▼
ありがとうございます、マルス様!▼
- [マルス]
- さあ、これで過去の話は終わりだね。
これからは、ともに手を携えて
アスク王国のために戦おう。▼
- [ルキナ]
- はい!
ヴァイス・ブレイヴの仲間として
マルス様に恥じぬよう精進いたします!▼
- [ルキナ(伝承)]
- 私たちも同じ魂を持つものとして
アスク王国の平和のため
共に進んでいく所存です。▼
- [マルス]
- ああ。頼りにしているよ。▼
- (暗転)
- [マルス(仮面)]
- …しまった。
柱の陰から様子を窺っていたら
ついタイミングを逃してしまいました。▼
僕も…
いえ、私も一緒に…
お詫びにいけばよかったです…▼
コメント
Last-modified: 2024-07-27 (土) 20:26:33