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章別会話
折り重なる闇路†
折り重なる闇路†
オープニング†
- [シャロン]
- 今日も訓練や歴史の勉強…
それに英雄さんたちとの交流も
ばっちりこなしちゃいました!▼
明日もこの調子で頑張りましょう!
シャロン、ファイトです!▼
あっ、そういえば…
今日はアンナ商会で
買い物もしたんでした!▼
えーとえーと、たしか…
あった! このカードです!▼
絵柄がきれいで、
思わず買ってしまったんですよね。▼
あれっ? このカード…
よく見ると英雄さんたちの
絵柄が描かれていますね。▼
リュールさんと…▼
別の絵柄のリュールさん。
ずいぶん雰囲気が違いますね。▼
こちらは異界のリュールさん…。
もう一枚もリュールさんですが
絵柄が全然違いますね…。▼
こちらはドゥドゥーさんでしょうか。▼
もう一枚のドゥドゥーさんは…
なんだか苦しそうな
様子で描かれています。▼
こちらはシスターのレナさんですね。
いつもお世話になっています!▼
あ、あれっ!?
こっちのレナさんのカードは
なんだか恐ろしげな印象です。▼
英雄さんたちがそれぞれ
対になって描かれたこのカード…。▼
見ていると
心がざわついてくると言うか
妙な胸騒ぎがしてきま…す…。▼
う、う…ん…
なん…だか…急に…眠気…が…。▼
- (暗転)
- [シャロン]
- わたし、いつの間にか
眠ってしまったんでしょうか。▼
あれれ? 目の前で
ゆらゆらと揺れているこれは
なんでしょう…。▼
これは…髪?
すごく長い、赤い髪ですが…▼
- [リュール(女)]
- めをさましたようですね。▼
- [シャロン]
- リュールさん…って、ええっ!?
ど、どうしてわたしに
攻撃の構えをしているんですかっ!?▼
それにリュールさんのその赤い髪
さっきのカードの絵柄みたいです。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわは、どこですか。▼
- (白く光る)
- [シャロン]
- わわっ!?
あ、あぶないですよ!
攻撃するのはやめてくださーいっ!▼
- [シャロン]
- 構えを解いてください、リュールさん!
いったいどうしたんですかっ!?▼
- [リュール(女)]
- わたしは、
もんしょうしのゆびわを
あつめなくてはなりません。▼
- [シャロン]
- 紋章士の指輪?
それって紋章士マルスさんや
紋章士シグルドさんたちが宿っている…。▼
- [リュール(女)]
- そのとおりです。
すべてのゆびわをあつめることが、
おとうさまののぞみ。▼
それをかなえることが、
わたしのやくめ…▼
- [シャロン]
- 真剣な顔…。
大切な役目なんですね。でも…。▼
- [リュール(女)]
- さあ、はやく。
ゆびわをわたしてください。▼
- [シャロン]
- 渡せって言われても、
紋章士の指輪は、ここには…。▼
- [リュール(女)]
- かくすつもりですか?
ならば、あなたには
いたいめをみてもらいます。▼
- [シャロン]
- は、話が通じません!▼
英雄さんと戦うわけにはいきませんし
とりあえず逃げないと!▼
- [リュール(女)]
- …………▼
- (暗転)
- [シャロン]
- はあ、はあ…
ここまで逃げれば
もう大丈夫でしょうか。▼
- [リュール(男)]
- …………▼
- [シャロン]
- わわっ!?
今度は別のリュールさん!?▼
リュールさん、大変なんです!▼
さっき会ったリュールさんが、
紋章士の指輪を渡せって、
隠すつもりなら痛い目を見てもらうって…。▼
- [リュール(男)]
- …………▼
- [シャロン]
- それで今、慌てて
逃げてきたところなんです!▼
もしよければ、さっきのリュールさんに
落ち着いてくださいって
説得してきてもらえませんか?▼
うう、なんだか自分でも
変なことを言ってるようで
混乱してきました…。▼
- [リュール(男)]
- …せっとくのひつようはありません。▼
もうひとりのわたしとの、
やくめはおなじです。▼
もんしょうしのゆびわ、
こちらにわたしなさい。▼
- [シャロン]
- ええーっ!?
こっちのリュールさんもですか!?▼
お、お二人ともいったい
どうしちゃったんですかっ!▼
- [リュール(女)]
- にがしませんよ。
さあ、ゆびわをだしなさい。▼
- [シャロン]
- ……!
追いつかれてしまいました。▼
しっかりしてください、お二人とも!
こんなの全然、いつもの
リュールさんらしくありません!▼
- [リュール(男)]
- いつもの? どういうことでしょう。
わたしたちは、うまれたときから
ずっと、こうしていきています。▼
- [リュール(女)]
- ゆびわをすべてあつめれば
おとうさまがみとめてくださる。▼
わたしたちがけっかんひんではないと
しょうめいできます。▼
- [シャロン]
- 欠陥品…?▼
- [リュール(男)]
- はい。
けっかんひんは、おとうさまがすぐに、
しょぶんをしてしまいます。▼
- [シャロン]
- しょ。処分って…
それってリュールさんたちのお父様は、
自分の子供を…!?▼
- [???]
- ガァァァァッ!
ゴアァァァッ!!▼
- [リュール(男)]
- ……?▼
- [リュール(女)]
- これは、けもののほうこう…?▼
- [シャロン]
- !!
さっきの話は気になりますけど、
お二人が気をとられているうちに…▼
シャロン、逃げます!▼
- [シャロン]
- はあ、はあ…よかった!
どうにか逃げ切れたみたいですね。▼
先ほどのリュールさんたち
カードの絵柄にそっくりでした。▼
まさかカードから出てきた…
なんてことはないですよね?▼
それにしてもずいぶん静かですね。
なんだかお城にわたししかいないような…
さっきの雄叫びも気になります。▼
- [ドゥドゥー]
- グゥゥッ…と、止まれ…。▼
- [シャロン]
- ひゃあっ…!?
だ、誰かと思ったら
ドゥドゥーさんでしたか。▼
ですが、そのお姿…
どうされたのですか?▼
- [ドゥドゥー]
- おれのことは…どうでもいい…。
シャロン王女…教えてくれ。
お前は陛下の敵か、味方か…?▼
- [シャロン]
- 陛下って…
ディミトリさんのことですか?▼
もちろん大切な仲間ですよ!▼
- [ドゥドゥー]
- ならば、おれと共に来るがいい。
陛下の敵を…すべて葬り去るのだ…。▼
- [シャロン]
- て、敵ですか?
いったい誰のことです?▼
- [ドゥドゥー]
- 言うまでも…ない。
アドラステア帝国の者たちだ。
グゥゥ…ガァァァァッ!▼
- [シャロン]
- こ、この声…
さっきのうなり声は
ドゥドゥーさんだったんですね!?▼
- [ドゥドゥー]
- おれはなんとしてでも…
陛下の未来を切り開かねばならん。▼
それを…阻むというのであれば
誰であろうとも…容赦はせん!▼
- [シャロン]
- エーデルガルトさんたちと
戦うってことですか!?▼
ダ、ダメですよっ!
ディミトリさんと同じで
大切な仲間なんですから!▼
- [ドゥドゥー]
- あの者たちと仲間…だと?▼
ならば…シャロン王女も
敵ということだ…
グゥゥゥッ! ガアアッ!▼
- (白く光る)
- [ドゥドゥー]
- グゥゥッ! ウグッ…
ゴァァァッ!▼
- [シャロン]
- ドゥドゥーさん!?
だ、大丈夫ですか?
しっかりしてください!▼
- [ドゥドゥー]
- グッ、ウウウッ…
身体が…焼け…る…。▼
- [シャロン]
- すごく苦しそう…。
少しだけ待っててください!▼
今、癒しの杖が使える
英雄さんを呼んできますから!▼
- [シャロン]
- 誰か、誰かいませんかーっ!?▼
お、おかしいですね…
お城をこれだけ走り回っても
人の姿が見当たりません!▼
あっ!? 今、人影が!▼
- [レナ]
- ……。▼
- [シャロン]
- レナさん! よ、よかった…
杖を使える方を探していたんです!▼
ドゥドゥーさんが
大変なことになってて
そのっ、とっても苦しそうで…。▼
- [レナ]
- そうでしたか。
それで、わたしになにか?▼
- [シャロン]
- えっ? あ、あのっ…
苦しんでいるドゥドゥーさんに
癒しの杖を使っていただけないかと!▼
- [レナ]
- 杖を…使ってほしい、と。
ですが、命を繋ぎ留めたところで
なんの意味があるのでしょう?▼
- [シャロン]
- え? それはどういう意味…。▼
- [レナ]
- 遅かれ早かれ、人は滅ぶものです。▼
誰かが癒した命が、ほかの命を奪う。
その繰り返しが大地に悲しみを広げ
人は滅びへと向かっていく…。▼
- [シャロン]
- どうしちゃったんですか、レナさん!?
人が滅ぶだなんて!▼
- [レナ]
- その運命は、変えられません。
歴史が…それを証明しています。▼
世界を我が物顔で闊歩する人間は
滅びの道を歩み続ける…▼
これ以上
悲しみを広げないためには
すべてを終わらせるしか…。▼
- [シャロン]
- お、終わらせる?
いったいなにを…あれ…?
また…眠気が…。▼
……。▼
- (暗転)
- [シャロン]
- はっ!?▼
- [アンナ]
- ちょっとシャロン、大丈夫?▼
- [シャロン]
- アンナ隊長…?▼
- [アンナ]
- あなた、廊下で倒れてて
そのままひどくうなされていたのよ?▼
- [シャロン]
- そ、そうだったんですか。
わたし、さっきまで…。▼
- [アンナ]
- どうしたのよ、手なんか見つめて…
本当に大丈夫?▼
- [シャロン]
- ああ、はい。
なにか大事な物を
持っていたような気がして…。▼
それに…誰かに…
会っていたような…。▼
思い出せないってことは
きっとただの夢だったんですよね…。▼
- [アンナ]
- とにかく、もう夜も遅いし
部屋に戻って休みなさい。▼
- [シャロン]
- そうですね。
おやすみなさい、アンナ隊長!▼
- [アンナ]
- おやすみなさい、シャロン。
……。▼
- (白く光る)
- [ロキ]
- なくしたと思っていたこのカード…
アスク王国にあったのねえ。▼
シャロン王女の手に渡ったのも
なにかの運命の巡り合わせかしら。▼
正しき道を歩む英雄と
暗き道を歩むもう一人の英雄。▼
英雄たちが
どちらの未来を選び取るか…
それは運命の導き次第。▼
このカードがあれば…
また面白い遊びができそうねえ。
ふふふ…▼
じゃりゅうのみこ リュール†
- [マルス]
- 今日も無事、戦を終えられた。
早く皆のもとに戻らないと。▼
- [リュール(男)]
- …………▼
- [マルス]
- なんだ、この気配は…
ぼくのことを見ている…?▼
- [リュール(男)]
- みつけました、マルス。▼
- [マルス]
- え?▼
- [リュール(男)]
- あおいいろのすがた。
しんりゅうのちからにそまっているのですね。
すぐに、けんげんしなおします。▼
かがやけ、
はじまりのえむぶれむ。▼
- [マルス]
- ……?▼
- [リュール(男)]
- かがやけ、
はじまりのえむぶれむ。▼
…おかしいですね。
なにもおきません。▼
あおいもんしょうしは、
じゅもんをとなえれば
あかくへんかするはずなのに。▼
- [マルス]
- もんしょうし…紋章士のことか?
だとすれば彼は、
エレオス大陸の英雄?▼
- [リュール(男)]
- ここにくるときに、
じゃりゅうのみこたるちからを
うしなってしまったのでしょうか。▼
もんしょうしをけんげんする
ことができなくなったら…
わたしは、けっかんひんです。▼
けっかんひん。
けっかんひん……▼
- [マルス]
- ! 欠陥品だって?
たとえ自分自身にでも、
そんなことを言ってはいけないよ。▼
落ち着いて。
君は、来たばかりの英雄かな。
名はなんていうんだい?▼
- [リュール(男)]
- リュールです。
マルスなら、しっているはずですが。▼
- [マルス]
- ぼくは、君の知るマルスではない。
紋章士でもないし、
呪文を唱えても何も変わらないんだ。▼
- [リュール(男)]
- もんしょうしではないマルス。
みたことがありません。▼
けれど、たしかに…
あなたからは、
もんしょうしのけはいがしない。▼
- [マルス]
- ぼくは、召喚師のもとで戦う存在。
英雄と呼ばれるマルスだ。▼
ここにいる限りは、
君も同じ英雄だけれどね。▼
- [リュール(男)]
- わたしも…おなじ。▼
- [マルス]
- そう、同じだよ。
だから君は、欠陥品ではない。▼
元いた世界とは勝手が違うだろう。
来たばかりではまだ全てを
理解できないのも道理だ。▼
今日のところは一緒に
特務機関の本陣に帰ろう。▼
- [リュール(男)]
- とくむきかんのほんじん。
そこがマルスの、
かえるばしょなのですか。▼
- [マルス]
- 君の帰る場所でもあるよ。
ぼくも君も、ここにいる間は
特務機関の英雄なのだから。▼
- [リュール(男)]
- いまのわたしは、
とくむきかんの、えいゆう。▼
とくむきかんのほんじんが、
わたしのかえる…ばしょ…▼
- [アイク]
- マルス王子、来てくれ。▼
- [マルス]
- アイク。どうしたんだい?▼
- [アイク]
- あいつは、あんたの知り合いだろう。
以前一緒に歩いているのを見たやつがいる。
何とかしてくれ。▼
- [マルス]
- ……?▼
- [リュール(男)]
- もえあがれ、かくせいのえむぶれむ。
つたえよ、せいせんのえむぶれむ。▼
- [ルキナ]
- ど、どうしましょうシグルドさん。
この方、先程から同じことを言って、
放してくれません…!▼
- [シグルド]
- なんと禍々しい気配だ。
何か悪い術をかけられているのなら、
仲間たちに助けを…▼
- [マルス]
- リュール!▼
- [リュール(男)]
- マルス。
どうかしましたか。▼
- [ルキナ]
- 良かった、手を放してくれました。▼
- [マルス]
- リュール。ルキナとシグルドを
困らせてはいけないよ。
ぼくたちは紋章士ではなく英雄だ。▼
呪文を唱えても変わらないと、
この前話しただろう?▼
- [リュール(男)]
- はい。あなたは、そうでした。
でも、ほかのえいゆうたちも
そうであるとはかぎりません。▼
うたがわしいのならば、
ためしてみないと。▼
- [アイク]
- 話が見えんぞ。
何を試したいんだ?▼
- [マルス]
- エレオス大陸には、ぼくたちと同じ
名と姿を持った紋章士がいることは
既に知っていると思うけれど…▼
青い色の紋章士に対して
呪文を唱えると、状態が赤く変化して
彼の味方になってくれるらしい。▼
このリュールは来たばかりで、
紋章士ではないぼくたちとは
初めて出会ったんだ。だから…▼
- [シグルド]
- 味方になるかどうか確認するため、
試していたというわけか。▼
- [ルキナ]
- 確かに青いですものね。私たち。▼
けれど、
呪文なんて唱えなくとも…
ここにいる皆は、あなたの味方ですよ。▼
- [リュール(男)]
- …………
ここにいるみなは、みかた。▼
わかりました。
それは、おとうさまにとって
りえきのあることです。▼
ですが、ほかのものたちも
おなじであることはかぎりません。▼
- [シグルド]
- 他の者たち?▼
- [リュール(男)]
- セリカ、リーフ、リン、ロイ、
エイリーク、エフラム、ミカヤ、
カムイ、ベレトのことです。▼
- [アイク]
- む。思ったより多いが…
その名前のやつらなら、
特務機関にいるな。▼
呼ぶか、全員。
元々仲間なのだと認識すれば
同じことは起こらないだろう。▼
- [ルキナ]
- お洋服が違う皆様はどうしましょう。
そちらも全てとなると、
かなり骨が折れそうですね。▼
- [シグルド]
- 抑々の話だが、
紋章士本人を呼べば
良いのではないか?▼
実際に会って呪文を試してみるのが
最も道理に適っている気がするが。▼
- [マルス]
- それは…やめておこう。▼
- [シグルド]
- 何故だ?▼
- [マルス]
- 根拠はないのだけれど…
今はまだ、彼らを会わせないほうが
良い気がするんだ。▼
- [シグルド]
- わかった。
君がそう言うのなら
紋章士以外の、同じ名の英雄に留めよう。▼
- [マルス]
- ありがとう。▼
…………▼
わからない。
あの赤いリュールに対して、
何をするのが正解なのか…▼
静観しようと思ったけれど、
誰かに、話を聞いてみるべきかもしれない。▼
- [ルミエル]
- 赤い姿のあの子に関しては、
今話した通りよ。▼
ここに召喚されていたと聞いて驚いたわ。
教えてくれてありがとう、
英雄王マルス。▼
- [マルス]
- まさか…あの赤いリュールが
千年前のリュールの姿だったなんて。
道理で今とは雰囲気が違う筈だ。▼
けれど、ぼくの接し方が
これで正しかったのかはわからない。
色々聞かせてほしいんだ、ルミエル。▼
- [ルミエル]
- ええ、勿論よ。▼
- [マルス(紋章士)]
- ふふ。
ぼくがルミエルと話しているのを
横から見るのは、不思議な気分だ。▼
- [マルス]
- 紋章士マルス。
君も来てくれていたのか。▼
- [マルス(紋章士)]
- 僕も話を聞きたくてね。▼
千年前のリュールと共にいた頃、
僕は邪竜の力に染まっていたせいで
記憶は朧気なのだけれど…▼
大切な存在であることは変わらない。
今のリュールと同じように。▼
- [ルミエル]
- そうね。それでも…
英雄王マルスが懸念してくれた通り、
紋章士との接触は避けたほうが良さそうね。▼
- [マルス(紋章士)]
- 彼は僕たちを探している。
出会ってしまえば、
どんな行動に出るかわからない。▼
ここでは邪竜の呪文を行使しても
紋章士の状態は変わらない筈だけれど、
想定外の事象が起きる可能性はある。▼
召喚師の采配や、
特務機関の任務以外では
会わないほうが得策だ。▼
- [ルミエル]
- 邪竜の後継者を名乗るヴェイルや、
四狗の出方にも警戒しておくべきね。▼
ありがとう、英雄王マルス。
あなたの判断のお陰で、
事前に策を講じることができるわ。▼
- [マルス]
- けれど、もう一つ心配が。
紋章士の元となった英雄たち…▼
ぼくを含めて、
12の紋章士と同名の英雄たちは、
すでに彼と接触してしまっている。▼
このことが何か、エレオス大陸の
未来に影響することはないのかい?▼
- [ルミエル]
- …それに関しては、大丈夫よ。▼
邪竜の御子たるあの子は、
元の世界の戻ったら
千年の眠りに就くさだめ。▼
目覚めた時にはすべて、
忘れてしまっているわ。▼
ここで目にしたことも、
皆と言葉を交わしたことも。▼
- [マルス]
- …そうか。▼
- [ルミエル]
- はぁ……
さみしいけれど、
私も、会わないようにしないとね。▼
きっと敵だと認識されてしまうでしょうし、
あの子の心を開かせるのは私ではない。▼
その役目は元の世界にいる…
千年前の、神竜王のものだから。▼
- [マルス]
- …………▼
- [ルミエル]
- ふふっ。本当は、たくさん声をかけて、
色々なところに連れて行って
あげたいけれどね。▼
そうそう、南西の湖畔に
綺麗なお花畑があって…▼
- [マルス(紋章士)]
- ! ルミエル。▼
- [ルミエル]
- …ええ。あの子の気配だわ。
私達は戻りましょう。▼
ごめんなさい、
英雄王マルス。
話の続きはまた、改めて。▼
あの子のこと…お願いね。▼
- [マルス]
- ああ、わかった。▼
- [リュール(男)]
- …………▼
- [マルス]
- リュール、どうしたんだい?▼
- [リュール(男)]
- もんしょうしのけはい。
それから、りゅうのけはいがしたので
きてみたのですが…▼
- [マルス]
- ここには、ぼく一人だけだよ。▼
- [リュール(男)]
- そのようですね。▼
- [マルス]
- せっかく会えたんだ。
良ければ散歩にでも行かないかい?▼
南西の湖畔に、綺麗な花畑があるんだ。▼
- [リュール(男)]
- わかりました。▼
- [リュール(男)]
- …………▼
- [マルス]
- 考え事かい? リュール。▼
- [リュール(男)]
- マルスは、ひとをにくんだり
ころしたいとおもったことはありますか?▼
- [マルス]
- 難しい質問だね。▼
そりゃあ、ぼくだって聖人君子ではない。
場合によっては、そういう感情を
持ってしまうことだってあるだろうね。▼
- [リュール(男)]
- けれど、なかまにたいして
それをぶつけたりしない。
そうですね?▼
- [マルス]
- ああ。▼
- [リュール(男)]
- さきほど、わたしとおなじかおをした
えいゆうをみかけました。▼
かみとひとみが、すこしあおくて…
なかまにかこまれて、
たのしそうに、わらっていました。▼
- [マルス]
- …………▼
- [リュール(男)]
- わたしは、かんじょうをおもてに
だすことがゆるされません。▼
なのに、あのえいゆうは、
わたしとおなじかおで
あんなにも……▼
- [マルス]
- 幸せそうで、憎く思ったかい?▼
- [リュール(男)]
- ここにきたばかりのころなら、
きっと、しょぶんしていたでしょう。▼
けれど、やめておきました。▼
- [マルス]
- それは、どうして?▼
- [リュール(男)]
- いまのわたしは、
とくむきかんのえいゆうだからです。▼
とくむきかんのほんじんが、
わたしのかえるばしょだからです。▼
マルスが、
そうおしえてくれました。▼
みんなはみかただと、
ルキナたちもおしえてくれました。▼
- [マルス]
- リュール…
ああ、そうだ。
英雄同士で戦う必要はないんだよ。▼
- [リュール(男)]
- マルスは、ちからをもっているのに
たたかうことをきらいます。▼
…だからなのでしょうね。▼
あなたはあらそいをさけるため、
もんしょうしたちと、
わたしをあわせないようにしている。▼
たおすべき…
しんりゅうとも。▼
- [マルス]
- …!
いつから気付いていたんだい?▼
- [リュール(男)]
- はなばたけを、さんぽしたひに。▼
あのひ、あなたは…
もんしょうしたちとともにいた。
それを、わたしにかくしました。▼
- [マルス]
- 見ていたんだね。
それなのに、知らないふりを
してくれていたんだね。▼
- [リュール(男)]
- わたしは、じゃりゅうのみこ。
おとうさまのごめいれいが、
ぜったいのしめいです。▼
ほんらいであれば
もんしょうしをにがすなど、
けっかんひんのすること。▼
ですが、わたしは…あのばでは、
マルスをかなしませたく
ないとおもいました。▼
- [マルス]
- ぼくも君を悲しませたくない。
なのに、隠し事をしてごめん。▼
- [リュール(男)]
- しゃざいは、ふようです。
おとうさまのごめいれいに
かんぜんにそむくきはありません。▼
- [マルス]
- それでいい。それでも…
気にかけることを許してくれ。
心配になってしまうんだ。▼
ぼくは紋章士ではないけれど、
マルスという存在を求めてくれる君を
つい、守りたいと思ってしまう。▼
かつての…
チキと同じように。▼
- [リュール(男)]
- チキ…
なかまのなまえですか。▼
- [マルス]
- 小さな竜の女の子なのだけれどね。
あの子も、強大な力と
竜の衝動をその身に抱えている。▼
共に旅をすることで、
彼女の悲しみやさみしさが
少しでも癒えてほしいと願っていた。▼
- [リュール(男)]
- マルスがともだちのはなしを
してくれるのは、はじめてです。▼
- [マルス]
- 紋章士マルスとは、
そういう話はしなかったのかい?▼
- [リュール(男)]
- ともにいたマルスが、
ことばをはなすことは
ありませんでしたから。▼
こんなにたくさんはなしをした
マルスは、あなただけです。▼
- [マルス]
- …そうか。▼
- [リュール(男)]
- きょうはいろいろなことがあって、
つかれました。▼
すこし、ねむります。
さきにもどっていてください。▼
…………▼
…………▼
- [マルス]
- ずいぶん疲れていたようだね。▼
…ぼくも、暫くここにいよう。
ひとりで眠らせたりしないさ。▼
傍にいるよ、リュール。
君がここでの出来事を、
いつか全て忘れてしまうのだとしても、▼
目覚めた未来で隣にいるのが、
違う姿のぼくであっても…▼
約束するよ。
ずっと味方でいる。
最後まで、君の力となろう。▼
君の千年の夢の先で、
輝かしい未来が始まるように
願っているから。▼
今は、ゆっくりおやすみ。▼
心を奪われし聖女 レナ†
- [ラタトスク]
- ケガをされている人は
ほかにいませんかーっ!?▼
あっ、いたいた!
大丈夫! 傷の治療なら
【癒し手】のあたしに任せて!▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- ふうっ、これでよし!
次はえーっと…▼
向こうにもケガしてる人が!▼
え? あっちにも!
ええっ? こっちにも!?▼
はわわわわ…
今日の戦場はケガ人が多くて
人手が全然足りないー!▼
- [レナ]
- 【癒し手】…
これが、世界樹に通ずる者の力…▼
- [ラタトスク]
- あっ、レナさん!
ちょうどよかった!▼
あのあのっ、ケガ人が多くて大変で
手当てを手伝ってほしいんだ!▼
- [レナ]
- そんなこと…無駄です。▼
- [ラタトスク]
- えっ?▼
- [レナ]
- 戦うことで傷ついた兵士は
癒されたのち、再び戦場へ戻る…▼
永久に続く戦いの輪の中で
兵士はやがてこう考えるでしょう…▼
たとえケガを負っても
癒してもらえばいいと…▼
傷つくことを恐れなくなった兵士は
傷つく恐怖を忘れ、痛みも忘れる…▼
- [ラタトスク]
- ……▼
- [レナ]
- 痛みを忘れた兵士は躊躇なく
他人を傷つけ、殺戮を重ねます…▼
- [ラタトスク]
- レナさん、なにを言ってるの?▼
- [レナ]
- 戦いの目的はいつしか
忘却の彼方に消え去り
戦うこと自体が目的となる…▼
あなたは…
その手助けをしているだけ。▼
- [ラタトスク]
- そ、そんなことないもん!
なんかおかしいよ、レナさん。▼
- [レナ]
- ……。▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- レナさん…あれ…?
どど、どこへいったの!?▼
目の前にいたはずなのに
レナさんがいなくなっちゃった。
さっきのは幻だったのかな…。▼
- [ラタトスク]
- 昨日会ったレナさん
なんか変だったような…▼
まるで別人みたいだったし
いつの間にかいなくなっちゃうし。▼
あっ、あれは…!?▼
- (暗転)
- [ラタトスク]
- レナさーん!
それにジュリアンさーん!▼
- [レナ(恒常)]
- あら、ラタトスク。
こんにちは。▼
- [ジュリアン]
- おう、ラタトスク。
あいかわらずせわしないな。▼
- [ラタトスク]
- あ、あのっ、レナさん…
昨日はどうしちゃったの?▼
レナさん、いつの間にか
戦場から帰っちゃったでしょ?
それが、ずっと気になってて…。▼
- [レナ(恒常)]
- えっ?▼
- [ジュリアン]
- ちょっと待ってくれ、ラタトスク。
レナさん…い、いやレナは
戦場には出てないはずだぜ?▼
- [レナ(恒常)]
- はい、わたしはここ数日
教会に運ばれてくる負傷者の
手当てをしていました。▼
- [ラタトスク]
- えっ!? えっ、えっ?
ででで、でもあたし昨日、
戦場でレナさんに会ったよ。▼
- [レナ(恒常)]
- ……。▼
- [ジュリアン]
- 昨日はオレも
レナの手伝いをしていたしな。
誓ってレナは戦場には出てないぜ。▼
- [ラタトスク]
- じゃ、じゃあ
あたしの見間違い…なのかな。▼
見た目はレナさんにそっくりだけど
雰囲気や様子は全然違ったし…。▼
人を癒すのは無駄だって
悲しいこと言ってたし…。▼
- [レナ(恒常)]
- 様子が違うわたし…ですか。
それはどのような?▼
- (暗転)
- [ジュリアン]
- な、なんだそりゃ!
そんなひどいこと
レナが言うわけないだろ!▼
- [ラタトスク]
- わわ、わかってるよ!
あのレナさんは別人が化けた
偽物に決まってるよね!▼
- [レナ(恒常)]
- そうでは…ないかもしれません。▼
- [ラタトスク]
- えっ? そそ、それじゃあ
あたしが会ったのは
本物のレナさんだったってこと?▼
- [レナ(恒常)]
- そうとも言えますし
そうではないとも言えます。▼
おそらくラタトスクが
会ったのは異界のわたし。▼
- [ラタトスク]
- い、いい、異界のレナさん!?▼
- [レナ(恒常)]
- 暗黒竜メディウスの生け贄として
ガーネフに捕らえられたとき
わたしは悪い夢を見ていました。▼
ラタトスクが出会ったのは
そのときのわたしかもしれません…。▼
- [ラタトスク]
- ケガをしている人はいませんか!?▼
あっ、はい!
すぐに癒してあげるから!▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- はい、これで大丈夫!
ほかにもケガ人はいませんかーっ!▼
- [レナ]
- まだ無駄なことを
続けているのですか…?▼
- [ラタトスク]
- はわわわっ!? また出た!
偽物…じゃなくて、本人だけど
えーっと、悪い夢を見てるレナさん!▼
- [レナ]
- あなたのしていることは
ただの自己満足…▼
聞こえがいい感謝の言葉をもらい
悦に浸りたいだけ…▼
- [ラタトスク]
- そそ、そんなことない!
救える命があるのに
見捨てるなんてできないでしょ?▼
- [レナ]
- 目に見える傷は治せるでしょう。
ですが、心を救うことができると
本当に思っていますか?▼
だとすると、それはただの傲慢です。
癒されぬ心は他人を…
そして自分自身をも傷つけ続ける…▼
- [ラタトスク]
- だだ、だったら、その心が癒えるまで
あたしたちが寄り添えばいいと思う!▼
- [レナ]
- あなた一人の行いで
世界は変わりはしません…▼
すでに進むべき道は決まっています。
すべての人は滅ぶしかないのです…▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- うぅっ!
な、なに…これ…!?
何かに…押し潰されそうに…▼
ダ、ダメ…このままじゃ
あたし…もう…。▼
- [ジュリアン]
- 大丈夫か、ラタトスク!▼
- [レナ(恒常)]
- 気をしっかり持って、
負けてはいけませんよ!▼
- [ラタトスク]
- えっ!?
二人ともどうして…?▼
- [ジュリアン]
- レナは優しいからな…
あんな話を聞いたら
放っておけるわけがないんだよ。▼
- [レナ]
- 異界のわたし、ですか…。
あなた方も無駄なことはせず
滅びの道を歩みなさい…▼
- (白く光る)
- [ジュリアン]
- うわっ!
なんて禍々しい力だ!▼
- [レナ(恒常)]
- 間違いありません。
彼女はわたしです…。▼
希望を奪われ、絶望した…
あのときの…わたし。▼
- [レナ]
- 誰かを救いたい。
誰かを支えたい。
それもまた欲望…▼
無償の献身など存在しません。
他人を癒したいという想いも
ただ自分を満たしたいだけ。▼
自己満足が積み重なり
世界は歪んでいく。
滅びの道へと…。▼
- (白く光る)
- [レナ(恒常)]
- 自己満足などではありません。
あなたの閉ざされた心では、
理解することができないのですね。▼
ともに行きたいと願うからこそ
わたしたちは傷ついた人々を癒すのだと。▼
- [レナ]
- 一人の英雄を癒せば
その者が数十人の敵を手に掛ける…▼
敵の縁者は恨みを抱くことでしょう。
憎しみの連鎖は広がり
さらなる悲劇を生まれるばかり…。▼
その事実から目を逸らしてまで
人を助ける意味はありません…▼
- [レナ(恒常)]
- 目を逸らしているのはあなたです。
苦しんでいる人を助けること。
そこに理由はいりません。▼
あなたは一人の英雄を癒せば
その者が数十人の敵を
手に掛けると言いました。▼
ですが、助けを施された英雄が
さらに多くの人々の力となり
支えになることもできるのです。▼
- [ラタトスク]
- わわわ!?
レナさん、すごい…!
メディウスの力にだって負けてないよ!▼
- [ジュリアン]
- オレはさ、世界の仕組みとか
難しいことはわからないよ。▼
だけど、レナに
笑ってほしいから戦うんだ。▼
大切な人のために戦う。
大切な人だから癒す。
それ以上の理由はいらねえよ!▼
- [ラタトスク]
- うん、そうだね! あたしは
ヴァイス・ブレイヴのみんなが好き。
だから頑張れるの!▼
- [レナ]
- 愚かな…
その独りよがりな感情が世界を歪め
滅びへと導いていくというのに。▼
話をしても無駄です…
いずれメディウス様が作り出す
暗黒の世界で後悔しなさい…▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- き、消えちゃった!?
この前と同じだ…▼
- [ジュリアン]
- ふう、すごい迫力だったな。
もうダメかと思ったよ。▼
- [レナ(恒常)]
- ジュリアン…
あなたの言葉、
わたしはとてもうれしかった。▼
- [ジュリアン]
- そ、そうか?
オレはただ心の中にあった言葉を
口に出しただけだよ。▼
- [ラタトスク]
- 操られたレナさんの心…
癒してあげることはできないのかな?▼
- [レナ(恒常)]
- そうですね。
硬く閉ざされた心が
救われればいいのですが…▼
祈りましょう。彼女にも
救いがもたらされること…▼
あかいきおく リュール†
- [リュール(女)]
- …………▼
このせかいにも、
もんしょうしのけはいがします。▼
であれば、もんしょうしのゆびわも
そんざいするはず。▼
すべててにいれて、
おとうさまにおわたししないと。▼
- (暗転)
- [リュール(女)]
- …………▼
ゆびわをさがしているうちに、
もりのおくまできてしまいました。▼
わたしはまだ、このちには
くわしくありません。
ひとまず、もときたみちを…▼
? あれは…
きこり、でしょうか。▼
そこのひと。▼
- [ゴンザレス]
- ふん、ふん、ふん!▼
- [リュール(女)]
- そこのひと。▼
- [ゴンザレス]
- ふん、ふんっ、ふうんっ!▼
- [リュール(女)]
- きをきりたおそうと
おのをふりつづけている
そこのひと。▼
- [ゴンザレス]
- う? そこのひと?
ま、まさか、おまえ…
おれ、よんでた?▼
- [リュール(女)]
- はい。
あなたのことをよびました。▼
- [ゴンザレス]
- お、おお…! なにかようか?
木をたおすこと、がんばりすぎてた。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわは、どこですか。▼
- [ゴンザレス]
- ……?
も…も…もん…しょ…?▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわ。▼
- [ゴンザレス]
- も…もん…も…
おまえ、何言ってる?▼
- [リュール(女)]
- かくしてもむだですよ。
こたえてください。▼
- [ゴンザレス]
- おれ、何かかくしてる…?
おまえの言うこと、よくわからない。▼
- [リュール(女)]
- …………▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしがやどっている、
もんしょうしのゆびわ。
どこにあるのですか。▼
- [ゴンザレス]
- こ、こまった。
おれ、どうすればいい…?▼
- [リュール(女)]
- …………▼
- [ゴンザレス]
- おまえ、こまってそう。
でもおれ、わからない。▼
たすけてやりたい…。
うーん、うーん…そうだ!
ちかくのこやにモゥディいる!▼
- [リュール(女)]
- モゥディ…
なかまのなまえですか。▼
- [ゴンザレス]
- そう。おれ、モゥディのところ、いく。
おまえ、いっしょにこい。▼
- [リュール(女)]
- わかりました。▼
- (暗転)
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわは、どこですか。▼
- [モゥディ]
- おまえ、誰ダ?
突然すぎテ、話ガ見えなイ…。▼
- [ゴンザレス]
- こいつ、その、も…もん…も…しょ…?
なんか、大事なものさがしてる。▼
でも、おれ、よくわからない。
だから、モゥディに聞きにきた。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしがやどっている、
もんしょうしのゆびわ。
どこにあるのですか。▼
- [モゥディ]
- それはきット、ベオクの宝ダ。
モゥディ、ベオクのこと詳しくなイ。
ベオクの宝ノ場所、よくワからなイ。▼
- [ゴンザレス]
- こまった、モゥディも知らない。
おまえ、さがしもの、むずかしい。▼
- [リュール(女)]
- …ほんとうに、
しらないようですね。▼
…………▼
- [モゥディ]
- 気落ちスるにハ、まだ早イ。
ベオクの宝ナラ
ベオクに聞いてミればイイ。▼
近クにブノワがいル。
ブノワだったラ
なにか知っていルかもしれなイ。▼
- [リュール(女)]
- ブノワ…
またべつのひとのなまえです。▼
そのひとは、
どこにいるのですか。▼
- [モゥディ]
- ブノワ、森の駐屯地に居ル。
連れテいってやりたいガ、
モゥディ、マだ仕事が残ってイる。▼
- [ゴンザレス]
- だいじょうぶ。
ブノワのとこ、おれ、つれていく。▼
- [リュール(女)]
- わかりました。
ついていきます。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわは、どこですか。▼
- [ブノワ]
- ひいっ…! 誰だ、この…
妙な迫力の英雄は…!▼
- [ゴンザレス]
- こいつ、さがしものしてる。
ブノワ、何か知ってるか?▼
- [ブノワ]
- な…なんだ。
お前が連れてきたのか。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわは、どこですか。▼
- [ブノワ]
- 紋章士の指輪か…
きっと貴重な宝物なんだろう。▼
力になってやりたいが…すまん。
俺には見当もつかない。▼
- [リュール(女)]
- …そうですか。▼
- [ブノワ]
- 欲しいものがあるなら、
アンナ商会を訪ねたらどうだ…?▼
あそこなら、珍しい品物も
取り扱ってるはずだ。▼
- [ゴンザレス]
- おお!
みせのばしょ、おれ、知ってる。▼
- (暗転)
- [ゴンザレス]
- ここ、ぬけていく。
まちへのちかみち。
すぐにみせつく、あんしん。▼
- [リュール(女)]
- あなた、どうしてこんなに
めんどうをみてくれるのですか。▼
- [ゴンザレス]
- ……。
おれ、みにくい。
みため、こわい。▼
村のみんな、おれに石、投げた。
村、でていけ、言われた。
バケモノだ。ひとじゃないって。▼
- [リュール(女)]
- …………▼
- [ゴンザレス]
- だけど、おまえ
おれをひとってよんだ。
そこのひとって、よんだ。▼
- [リュール(女)]
- そうですね。
そのようにこえをかけました。
ただ、それだけです。▼
- [ゴンザレス]
- お、おれ、うれしかった。
たくさん、うれしかった!▼
だから、おれいする。
さがしもの、てつだう。▼
- [リュール(女)]
- そうですか。▼
- [ゴンザレス]
- おれ、なまえ、ゴンザレス。
なのるの、おくれた。▼
おれ、おまえのなまえ、知らない。
なんていう、おしえろ。▼
- [リュール(女)]
- リュールです。▼
- [ゴンザレス]
- リ、リ、リー…リュー…。▼
- [リュール(女)]
- リュールです。▼
- [ゴンザレス]
- リュ、リュール…リュール、
リュール…リュール…おぼえた。▼
- [リュール(女)]
- そうですか。▼
- [ゴンザレス]
- ついた…。
ここ、アンナのみせ。▼
- [アンナ(覚醒)]
- あら、いらっしゃい。
なにかお探しのものでも?▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしがやどっている、
もんしょうしのゆびわ。
あるのなら、だしてください。▼
- [アンナ(覚醒)]
- 紋章士の…。▼
- [リュール(女)]
- …………▼
- (白く光る)
- [アンナ(覚醒)]
- あ…あわわ…。
この禍々しい気配はいったい!?▼
- [ジョージ]
- おっ? お嬢さん、すごい迫力だね。
うちの店長を相手に値切り交渉かい?▼
- [アンナ(覚醒)]
- お客様!
少しお待ちくださいねー、はは…。
ちょっと奥にいらっしゃい、ジョージ!▼
- [ジョージ]
- えっ? うわっ!
引っぱらないでくれよ!▼
- [アンナ(覚醒)]
- 値切り交渉かい? じゃないわよ!
あの禍々しい気配がわからないの!?▼
- [ジョージ]
- 気配? どれどれ…。▼
おおっと!
さっきは気づかなかったけど
相当ヤバいな。▼
長いこと客商売をやってきたからわかる。
こいつは厄介な客だね。▼
- [アンナ(覚醒)]
- 客以前に野放しにしちゃ
ダメな感じの英雄でしょ!▼
こう! なんか黒い感じの!
闇みたいなのが渦巻いてるっていうか!▼
- [ジョージ]
- あのお嬢さん…
自由に行動してるみたいだけど
大丈夫なのか?▼
- [アンナ(覚醒)]
- いやいや…
どう考えたってマズいでしょ?▼
ヴァイス・ブレイヴに
連絡したほうがいいかしら。▼
- [リュール(女)]
- もんしょうしのゆびわ、ないのですか?▼
- [ジョージ]
- あーはいはい、紋章士の指輪ね。
あいにく今は置いてないんだよ。▼
でも、あきらめることはないぜ?
この店には異界中から
珍しい品物が集まってくるんだ。▼
そこでひとつ提案だ。
指輪が入荷するまで…
いや、情報が入るまででもいい。▼
それまでこの店で
手伝いをしてみるってのはどうだい?▼
- [リュール(女)]
- てつだい…
なにをすればいいのですか。▼
- [アンナ(覚醒)]
- そ、そうねえ…用心棒…とか?▼
- [リュール(女)]
- ようじんぼう。
このばしょを、てきからまもること…▼
わかりました。
まかせてください。▼
もんしょうしのゆびわ…もしくは、
そのじょうほうがながれてくるまで、
ここでまちましょう。▼
- [ジョージ]
- …よし、なんとかまとまったぜ!
これでいいかい、店長…▼
- [アンナ(覚醒)]
- …な、なんとか監視下に
置けそうな感じね…▼
…ヤバいことやらかさないか
当面、私たちで見張ってましょ…▼
- [ゴンザレス]
- さ、さがしもの、みつかるといいな…
リュール。▼
- [リュール(女)]
- はい。
あなたには、せわになりました。▼
ありがとうございます。
ゴンザレス。▼
不退転の魔獣 ドゥドゥー†
- [???]
- ウウウ…オオ…
オオオオォォォ!▼
- [トパック]
- ん? な、なんだこの声…。▼
- [サザ]
- おい、トパック。
急に立ち止まってどうした?▼
- [トパック]
- しっ! サザ、静かに。
なぁ、なにか聞こえないか?▼
- [???]
- ウウウ…
ヘ…ヘイカ…オ、オレハ……
ガアアアアッ!▼
- [サザ]
- 獣の声…?
違うな、あれは人の声だ。▼
森の奥から聞こえるな…
どういうことだ?
苦しんでいるみたいだ。▼
- [トパック]
- まるでムワリムが薬を盛られて
暴走したときみたいな声だ。▼
くっ! 心が…ざわつく。
じっとしていられるか!▼
- [サザ]
- おい、トパック!
どこに行くんだ?▼
- [トパック]
- あの声が気になるんだ。
もしかしたらムワリムみたいに
苦しんでいるラグズがいるかもしれない!▼
だったら放っとけない!
助けなきゃ!▼
- [サザ]
- トパック、落ち着け!
…と言って待つやつじゃないよな。
チッ、世話が焼ける!▼
- (暗転)
- [???]
- ガアアァァッ!
ウウ…!▼
- [トパック]
- なんだ、あの獣は?
ラグズじゃなさそうだけど…▼
- [???]
- グ…ゥゥゥ!▼
- [トパック]
- おい、どうした? 苦しいのか?
今、助けてやるからな!▼
- [サザ]
- 待て、トパック!
そいつに近寄るな!
あきらかに様子がおかしい。▼
- [トパック]
- な、なんだ!?▼
- (白く光る)
- [ドゥドゥー]
- ウウ…クゥゥ。▼
- [サザ]
- ど、どういうことだ!?▼
- [トパック]
- す、姿が変わった…
ラグズ…なのか?▼
- [ドゥドゥー]
- はぁ、はぁっ…グゥゥッ。▼
- [トパック]
- 獣から人になったってことは
やっぱりラグズだったのか?▼
- [サザ]
- わからない。ここにはラグズ以外にも
獣や竜の姿に変身する
英雄が大勢いるからな。▼
- [トパック]
- ともかく助けないと…。
おい、あんた! しっかりしろ!
そうだ、水飲むか?▼
- [ドゥドゥー]
- グゥゥゥ…アア…。▼
- [サザ]
- トパック、危険だ!▼
- [トパック]
- でも、こんなに苦しんでいるんだぞ!
放っておけるかよ!▼
- [ドゥドゥー]
- はぁ、はぁ…
その男の…言うとおりだ…。
おれに…近付かないほうがいい…。▼
- [トパック]
- しゃべれるのか!
安心したよ。▼
- [サザ]
- あんた、俺たちと同じ
ヴァイス・ブレイヴの英雄だよな。
いったいなにがあったんだ?▼
- [ドゥドゥー]
- おれはドゥドゥー。
ファーガス神聖王国の王
ディミトリ陛下に仕えている…。▼
- [トパック]
- あんたもラグズみたいに
獣に変身できるのか?▼
- [ドゥドゥー]
- 違う…ウグッ!▼
これは…陛下を支えるため
この紋章石から得た…
魔獣の…力だ。▼
- [トパック]
- 魔獣の力…?▼
- [サザ]
- 紋章石から得た力とかいったな。
そいつは安全なのか?
俺には危なっかしく見えるが…。▼
- [ドゥドゥー]
- 安心しろ…
お前たちを襲ったりはしない。▼
おれの敵は…
陛下に仇なす者だけだ…
グゥゥッ…。▼
- [トパック]
- いや、そうじゃなくて!
あんたが苦しそうなのが心配なんだよ!▼
どう見ても身体に
負担がかかってそうじゃないか!▼
- [ドゥドゥー]
- 危険がどうか…
ひとつだけ言えるのは…▼
グゥゥゥ…ガァッ…!
紋章石の力に頼って
完全に魔獣になれば…▼
二度と元の姿に
戻れない、ということだ…。▼
- [トパック]
- 完全に魔獣になったら
元に戻れなくなるって…。▼
なんだよそれ!?
紋章石かなんだか知らないけど
そんな危ないもの捨てちまえよ!▼
- [ドゥドゥー]
- それは聞けぬ話だ…。
俺は陛下の理想を実現するために
この力を手にすると決めた…。▼
かつて、おれを救ってくれた陛下の
恩に報いるには、この力が必要なのだ。
今さらあとには引けぬ…。▼
- [サザ]
- 自分の命と引き換えにしてもか?▼
- [ドゥドゥー]
- ああ…。
おれの命で陛下の理想が
叶えられるなら…安いものだ。▼
- [サザ]
- なるほどな、自分の命よりも
大切なものを持っている英雄を
俺は何人も見てきたよ。▼
だが、その禍々しい力を使って
あんたはなにをするつもりなんだ?▼
- [ドゥドゥー]
- ……。
おれは、この力で…
陛下に仇なす者…▼
アドラステア帝国の皇帝
エーデルガルトを始末する…。▼
- [トパック]
- エーデルガルト?
ああ、たしかフォドラから来た…▼
- [サザ]
- 待て、あんたも彼女も
同じ学校で学んだ仲間じゃないのか。▼
それがどうして戦い
憎しみ合う間柄になるんだ?▼
- [ドゥドゥー]
- 運命が…そうさせたのだ。▼
残念ながら…おれの力では
エーデルガルトを
止めることは出来ない…。▼
だが、魔獣の力を使えば…
やつと刺し違えることも…
グゥゥ、アアッ!▼
だから、おれは…
この力を! グゥゥゥッ!▼
- [トパック]
- おい、やめろって!
その力を自分のものにする前に
あんたが死んじまうぞ!▼
- [サザ]
- あんたがやっているのは
ただの命の無駄遣いだ。
バカげた真似はやめるんだ。▼
- [ドゥドゥー]
- それでも…今さら引けぬ。
陛下の…障害は…
おれがすべて…排除する!▼
- [サザ]
- ドゥドゥー。
あんたはディミトリに
命を救われたといったな?▼
- [ドゥドゥー]
- そうだ、だからおれは…
命を捨ててでも、陛下が思い描く
未来の礎を作らねばならんのだ…。▼
- [サザ]
- 命を捨てることが
恩に報いることなのか?▼
ディミトリは
あんたに生きて欲しいからこそ
命を助けたんじゃないのかよ。▼
- [ドゥドゥー]
- グゥッ…ウウッ…。▼
- [サザ]
- ディミトリは自分のために
臣下が命を捨てて喜ぶのかよ!
違うだろ?▼
俺にも命を助けてもらった恩人がいる。
その人のためなら、命を投げ出しても
惜しくないと思ってる。▼
だけど、俺は絶対に死なない。
大切な人と一緒に生き抜くことこそが
一番の恩返しだからな!▼
あんたもきっと同じだ。
主君にできる最大の恩返しは
共に生き抜くことじゃないのか?▼
- [ドゥドゥー]
- ……。▼
- [トパック]
- さっき言ってたよな?
ディミトリが思い描く未来…。▼
そこには、あんたも
含まれてるんじゃないのか?▼
あんたが死んじまったら
ディミトリは理想の未来に
辿り着けなくなっちまう。▼
勝てないなら逃げてもいいじゃないか!
一緒に生き残ることを考えろよ!▼
- [ドゥドゥー]
- 面白いことを…言うやつらだ…。
たしかに陛下は…
臣下を大切にされる御方だ。▼
だからこそ、皆が慕い
陛下のために命を懸ける…。▼
だが、陛下が倒れては元も子もない。
陛下は生き抜いてもらわねばならぬ…
そのためには…この方法しかないのだ。▼
- [トパック]
- お、おい! 待てよ!
どこ行くんだよ!
サザも見てないで止めろよ!▼
- [サザ]
- 待て、トパック。
あいつはもう…。▼
- [ドゥドゥー]
- さらばだ、異界の英雄たちよ。
お前たちには…
よき未来が訪れることを…願っている…。▼
- (暗転)
- [サザ]
- 行ってしまったな。▼
- [トパック]
- ……。▼
- [サザ]
- あいつの心はもう決まっていた。
俺たちの言葉ぐらいじゃ
決意は揺るがないだろう。▼
- [トパック]
- けどさ、悲しすぎないか?
一緒に学んだ仲間とああまでして
戦わなきゃいけないのかよ!▼
- [サザ]
- 俺たちの世界だけじゃない。
どこの世界も争いが
心をおかしくしてしまうんだ。▼
- [トパック]
- なあ、サザ…。▼
- [サザ]
- どうした?▼
- [トパック]
- 以前、ムワリムが暴走したときは
ラフィエル王子の【再生】の呪歌で
元に戻っただろ?▼
- [サザ]
- ああ、【なりそこない】の薬の影響で
暴走したムワリムは
呪歌で心を取り戻せた。▼
- [トパック]
- このアスク王国には
いろんな異界から
英雄が集まってるよな?▼
特別な力を持つ連中だってたくさんいる。
あいつを元に戻せるやつが
いるかもしれない。▼
たとえ、今はいなくても…
そのうち来るかもしれないよな?▼
- [サザ]
- 可能性はあるな。▼
- [トパック]
- 誰でもいい!
あの馬鹿野郎を救ってくれ!▼
臣下が自分のために命を捨てて
喜ぶ主君なんているわけないだろ!▼
せっかく助けてくれた命なのにさ
そんな命の使い方、悲しすぎるだろ。▼
- [サザ]
- …………▼
コメント
Last-modified: 2025-05-22 (木) 10:22:52