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章別会話

心の色、魂の形

心の色、魂の形

オープニング

[クリス(男)]
……▼
[クリス(女)]
……▼
[クリス(男)]
繰り返しの紹介となるが…
俺の名前はクリス。▼
アリティア騎士団
第七小隊に所属していた。▼
[クリス(女)]
私も繰り返しの紹介となるけど…
名前はクリス。▼
アリティア騎士団
第七小隊に所属していたわ。▼
[クリス(男)]
生まれ育った村の名前は?▼
[クリス(女)]
セラ村よ。
あなたの祖父の名前は?▼
[クリス(男)]
マクリルという。▼
[クリス(女)]
すべて同じだわ…▼
[クリス(男)]
ああ、同じだな…▼
[ジュリアン]
名前も生い立ちもまったく一緒。
違うのは姿形と性別だけ…▼
レナさんはどう思う?▼
[レナ]
確かに姿形と性別は違いますが
お二人とも雰囲気が似ていますね…▼
[クリス(男)]
質問を続けさせてくれ。
身体が痛いときは、どうやって治す?▼
[クリス(女)]
そうね、訓練して治すことにしてる。
こちらからも質問するわ。
祖父から言われていた言葉は?▼
[クリス(男)]
『クリスよ、アリティアの剣となれ。
決して折れぬ力と忠義を身につけよ』▼
[クリス(女)]
間違いないわ。私たちは…
違う世界からやってきたクリスなのね。▼
[クリス(男)]
ああ、そうみたいだな。
それにしても…
ここまで同じ運命を辿ったとは。▼
[ジュリアン]
驚いたな…
男女二人のクリスさんが
アスク王国にいるなんて。▼
[レナ]
ええ。でも、そうしたことは
このアスク王国では珍しいことでは
ないようですし…▼
二人のクリスさん。
今後ともよろしくお願いいたします。▼
[クリス(女)]
ジュリアン殿、レナ殿…
私も二人に出会えてうれしいです。
また力を合わせて戦っていきましょう。▼
[ジュリアン]
えっと、そのことなんだけど…▼
オレたちが知ってるのは
男のほうのクリスさんなんだ。
女のクリスさんは、はじめてで…▼
[クリス(女)]
えっ?▼
[レナ]
はい、わたしが知っているのも
男の方のクリスさんで…▼
[クリス(女)]
じゃあ、私のことを知っている人は
この世界にはいないっていうこと?▼
……▼

C

[クリス(男)]
そっちに行ったぞ、クリス!
はさみ撃ちだ!▼
[クリス(女)]
任せて、クリス!
はぁぁぁーっ!▼
[アンナ]
訓練とはいえ、すごい気迫ね!
男と女、二人のクリス
戦い方もそっくりね!▼
[ジュリアン]
男のクリスさんは
アリティアにいたときから
とんでもない訓練をしてたからな。さんは
[レナ]
おじいさまに鍛えられて
何度も死にかけた、と聞きました。▼
それほど、苦しい訓練を
自らに課してきたのでしょう。▼
[アンナ]
あなたたちは男のクリスしか
知らないと言っていたわよね?▼
でも、姿形や性別は別にして
二人は本当に似ているわね。▼
剣の振り方、足のさばき方が
同じ人物みたいに見えるわ。▼
[クリス(男)]
クリス、休憩にしようか。
ここらでひと息入れよう。▼
[クリス(女)]
ええ、わかったわ。▼
……▼
[クリス(男)]
…まだ気にしているのか?
君を知る人物がこの世界に
いないってことに。▼
[クリス(女)]
ううん、大丈夫よ。▼
今は自分のことよりも
アスク王国の平和のために
尽くすことが大事だから。▼
[クリス(男)]
そうか。いつか君と同じ世界から
君を知る英雄が来るといいな。▼
[クリス(女)]
そうね。私を知る第七小隊の
メンバーが来てくれれば心強いわ。▼
よし、休憩終わり…
訓練の続きをしましょう!▼
[クリス(男)]
……▼

B

[ジュリアン]
レナさん、オレにできることがあるなら
なんでもやるからさ。
遠慮なく言ってくれよ。▼
[レナ]
ありがとう、ジュリアン。
あなたの優しさは
アスク王国でも変わらないのね。▼
[ジュリアン]
いや、優しいのはレナさんのほうだよ。
ずっと女のクリスさんのことを
心配してるんだろ?▼
[レナ]
……▼
彼女はわたしたちを知っているのに
わたしたちは彼女のことを知らない…
きっと彼女も寂しいでしょうね。▼
[ジュリアン]
オレさ…
女のクリスさんに聞いてみたんだよ。
オレたちと出会ったときの事を。▼
そうしたら男のクリスさんと
出会ったときとまったく一緒だった。▼
さらわれたレナさんを助けるため
力を貸してくれたこと…
全部全部、一緒だった。▼
姿形は違うけれど
彼女も同じクリスさんなんだよ。
オレたちを助けてくれたクリスさんだ!▼
[レナ]
ええ。
わたしも…二人のクリスさんから
同じ優しさを感じるわ。▼
姿形は違っても
二人の魂の形は同じだと思うの。▼
[ジュリアン]
うん、オレもそう思うよ…▼
だからオレは、女のクリスさんのことも
オレたちが知っている男のクリスさんと
同じように信じようと思うんだ。▼
[レナ]
わたしもそのつもりよ。
彼女は信頼に値する英雄だと思うわ。▼
姿形が違っても、彼女の中にある魂に
わたしたちは寄り添うべきでしょうね。▼
祈りましょう、彼女がアスク王国でも
祝福とともに歩めますように…▼

A

[クリス(女)]
…私を知っている仲間が
たとえこの世界にいなくても…
私のやるべきことは変わらない。▼
マルス様を支え
アスクの民のために戦う。
それが私のなるべきこと…▼
[マルス]
やあ、クリス。
少し話してもいいかな?▼
[クリス(女)]
マルス様…!
はい、どんなご用でしょうか?▼
[マルス]
君に話しておきたいことがあってね…
僕は君のことをちゃんと知ってるよ。▼
[クリス(女)]
え? 私のことを
ご存知なのですか!?▼
ということは…
マルス様は私と同じ世界から
いらっしゃったということですか?▼
[マルス]
残念ながらそうじゃないんだ。
でも不思議なことに僕は
君のことを知ってる気がする。▼
性別も、髪型も、髪の色も、
顔つきも違う…▼
でも、僕の中には確かに、
君と一緒に戦った
記憶があるんだよ。▼
[クリス(女)]
それは…不思議ですね。
ですが、そうおっしゃって頂けると
うれしいです…▼
[マルス]
たとえどんな世界からきていても
僕の知る君は変わらない。▼
民のため、世のために剣を振るい
忠義の心でいつも助けてくれた。▼
姿形や性別が違っても
君たちの魂の形は同じなんだよ。▼
[クリス(男)]
俺も、マルス様の
言う通りだと思う。▼
俺たちは違う世界から来た存在だが
同じ魂の持ち主だ。▼
[ジュリアン]
ああ。クリスさんはクリスさんさ。
なにも変わりはしないよ。▼
それに、クリスさんが二人いりゃ
心強いこと、このうえなしだ。▼
[レナ]
クリスさんのこれまでの生き方を
わたしたちはちゃんと知っています。▼
だからアスク王国でもわたしたちを
ご自分の仲間と思って接してください。▼
[クリス(女)]
マルス様…
みんな…▼
[マルス]
二人のクリスにあらためてお願いしたい。
アスク王国の平和を取り戻すために
また僕に力を貸してくれないかな。▼
[クリス(女)]
はい、この剣に誓って…!
マルス様とアスク王国のために
共に歩みましょう。▼
[クリス(男)]
はい、この剣に誓って…!
アスクの地に平和が訪れる
その日まで…!▼

語られざる英雄 クリス

C

[クリス(男)]
ジェイガン様…!▼
[ジェイガン]
おお、クリスよ!
そなたもアスク王国に
来てくれたのだな…!▼
[クリス(男)]
ジェイガン様
ご健勝でなによりです。▼
この世界に来て日が浅く
右も左もわからないのですが…▼
ジェイガン様がいてくれると
大変心強いです…
またご指導、お願いします!▼
[ジェイガン]
クリスよ、わしから見た
今のそなたは…▼
うむ、よい戦士に成長したな。▼
そなたなら
どんな脅威からもマルス様を
守り抜くことができるだろう。▼
[クリス(男)]
はい…!
この命に代えても
マルス様を守り抜く所存です。▼
[ジェイガン]
すでに聞いたとは思うが…
このアスク王国は
さまざまな脅威にさらされている。▼
アリティアの民も、アスクの民も
守るべき大切な宝に違いはない。▼
[クリス(男)]
心得ております。騎士は…
国ではなく民のために戦う。▼
必ずや、この地にも
平和をもたらしてみせましょう。▼
[ジェイガン]
そなたは英雄戦争が終結したあと
姿を消した。
マルス様を…陰より支えるためにな。▼
[クリス(男)]
……▼
[ジェイガン]
だが、このヴァイス・ブレイヴには
わしやマルス様のほかにも
そなたが見知った顔が大勢いる。▼
我らアリティア騎士団の者達…
それに、カタリナもな。▼
[クリス(男)]
カタリナ…
彼女もこの世界に…▼

B

[カタリナ]
クリス…!
本当にクリスなのですね!▼
[クリス(男)]
カタリナ…久しぶりだな。
元気そうでなによりだ。▼
[カタリナ]
はい…▼
私はかつて
あなたやマルス様を欺き、
裏切った身です…▼
ですが、この世界でも
あなたのことをずっとずっと
探していました。▼
本当に、
また会えるなんて…▼
[クリス(男)]
カタリナ…▼
[カタリナ]
……
ですが、ひとつだけ
気がかりなことがあるのです。▼
[クリス(男)]
気がかりなこと?▼
[カタリナ]
アスク王国の大図書館には
異界の英雄のことが記された
多数の書物が収められています。▼
だけど、クリス…
あなたの名前は見つかりませんでした。▼
[クリス(男)]
……▼
[カタリナ]
おかしいとは思いませんか?▼
英雄戦争で多大な功績を挙げた
あなたの名前がどうして
残っていないのか…▼
英雄辞典を編纂されている
シャロンさんにも話を伺いましたが
その理由はわかりませんでした。▼
いったい…なぜなのでしょう…▼
[クリス(男)]
……▼
カタリナ…
たぶん、その理由は俺にある。▼
俺の名前が残っていないのは
俺がそう望んだからだろう。▼
[カタリナ]
えっ?▼
[クリス(男)]
おれは英雄の名を望まない。▼
誰にも語られず
歴史の闇に消えることが
俺の望みだったんだ。▼

A

[クリス(立ち絵なし)]
…マルス様、戦争が終わったあと
この世界には英雄が必要です。▼
民たちには長年争ってきた
わだかまりがあります。
それは容易く消えません。▼
民たちを納得させるには
誰もが認める王が
神のような英雄が必要なのです。▼
英雄は…
マルス様お一人であるべきです…▼
[クリス(男)]
マルス様にそう進言し
俺は表舞台から姿を消したんだ。▼
[カタリナ]
…ですが、それではあなたが…▼
[クリス(男)]
俺の進言を受け入れることは
マルス様もお辛かったと思う。
あの方は、とてもお優しいから。▼
だけど、マルス様は世界中の人々のため、
英雄の中の英雄として
歩んでいく決心をされたんだ。▼
[カタリナ]
……。
でも…不思議です…▼
異界の英雄の名前を記した
アスク王国の英雄の書に
あなたの名前はありません。▼
なのにどうして…
エクラ様は
あなたを召喚できたのでしょう…?▼
[クリス(男)]
それは…▼
そうだ、クリス…
彼女なら何か知って…▼
[クリス(女)]
いいえ、それは…
私にもわからないの。▼
[クリス(男)]

クリス…▼
[クリス(女)]
立ち聞きしてしまってごめんなさい。
私は別の世界から来たみたいだから
ちょっと入りづらくて…▼
でも、あなたたちと同じ疑問は
私も持っていたわ。
違う世界から来た私はなおさら…▼
[カタリナ]
そうだったんですね…
やっぱり不思議です。
二人はどうやってこの地に…▼
[シャロン]
それはですね!
わたしが説明しましょう!▼
[カタリナ]
シャロンさん…?▼

S

[シャロン]
わたしが作っている英雄辞典
これにはクリスさんのことが
ちゃーんと書かれているんですよ!▼
[カタリナ]
どうして…?
私が図書館で見た書物には
クリスの名前はどこにもなかったのに…▼
[シャロン]
だって、カタリナさん自身が
わたしに話してくれたじゃないですか?▼
大切な仲間…クリスさんのことを。
クリスさんが歩んだ道のりを。▼
[カタリナ]
はい、たしかに…
シャロンさんにはお話ししました。▼
私たちと一緒に戦い
マルス様を支えた英雄…
クリスのことを。▼
[シャロン]
実はですね。カタリナさんのほかに
もう一人…クリスさんのことを
教えてくれた人がいるんです!▼
その人がクリスさんの名前を
歴史に残したいと
誰よりも強く願っていたんですよ。▼
[クリス(男)]
もしかして…
そのもう一人というのは…▼
[シャロン]
はい、マルス王子です!▼
「歴史に名を残さないことが望み」と
クリスさんは王子に頼みましたよね?▼
でも、マルス王子はずっと
クリスさんの功績は讃えられるべきだと
考えられていたみたいです。▼
[クリス(男)]
……▼
[シャロン]
マルス王子は
クリスさんとの約束を果たされました。▼
でも、ここはアスク王国。
アリティアではありません。▼
この世界でなら、
あなたが英雄として語られても
問題はないはずです。▼
[クリス(女)]
じゃあ、シャロン王女が
まとめられている英雄辞典に
私たちのことが書かれているのは…▼
[シャロン]
カタリナさんやマルス王子から
伺ったクリスさんの話をもとに
わたしが書き加えちゃいました。▼
[クリス(男)]
そういうことだったのか…
この世界に俺たちが呼ばれたのは
マルス様やカタリナのおかげなんだな。▼
[シャロン]
はい。そうなりますね!▼
エクラさんは
わたしの英雄辞典を見て、クリスさんに
協力を求めたのだと思いますよ。▼
[クリス(女)]
…そして、私たち二人が召喚された。
それはつまり…▼
[クリス(男)]
ああ。
俺たちはやはり同じ存在…
同じ魂を持った者同士…▼
[カタリナ]
ありがとうございます
シャロンさん…▼
あなたがクリスたちとの縁を
つないでくれたのですね。▼
[シャロン]
そのきっかけを作ったのは
マルス王子やカタリナさんですよ。
紡いだ縁は決して消えませんから。▼
[クリス(男)]
マルス様、カタリナ。
そして、俺たちを呼んでくれた
エクラ…▼
[クリス(女)]
みんなの期待に応えられるよう…
この世界でも役目を果たしたい。▼
[クリス(男)]
ああ。
このアスク王国でも、
この命の限り…!▼

心優しき元盗賊 ジュリアン

C

[ユルグ]
うーん…開かないよぉ…
どうしよう…▼
[ジュリアン]
ん?
確か、ユルグ王女…だったか。
何か困りごとかい?▼
[ユルグ]
あっ、このまえ
召喚されてきた英雄さん…!▼
[ジュリアン]
オレはジュリアン。
元盗賊だけど
今は足を洗った身さ。▼
[ユルグ]
元盗賊さんってことは…
この箱、開けられる?▼
[クリス(男)]
あー、なるほどね。
この小箱が開かずに
困ってたわけか。▼
任せてくれよ。
これくらいの箱なら
ちょちょいのちょいだ。▼
[ユルグ]
ほんと!?
それじゃ、お願いしてもいい?
鍵をなくしちゃって困ってたの…▼
[ジュリアン]
それじゃ拝見と。外は鉄製…
なかなか頑丈な作りだな…▼
ちょっと待っててくれよ。
うーん…これで…▼
くっ…このっ…
意外に手強いな、この鍵。▼
[ユルグ]
大丈夫? 開きそう?▼
[ジュリアン]
ユルグ王女。
この箱、預かってもいいかい?
持ち逃げなんて絶対しないからさ。▼
[ユルグ]
うん、いいよ。▼
[ジュリアン]
それじゃ、責任を持って
この箱を預からせてもらうぜ。▼
少しだけ時間をくれ。
絶対に開けてみせるから。▼

B

[ジュリアン]
くっ…このっ! これで…!
やっぱりダメか…▼
いったい、どういうことなんだ。
なんの変哲もない箱なのに
まったく開く気配がない…▼
[ガイア]
さっきから何をしているんだ?▼
[チャド]
その箱…
まさかどこかから盗んで…▼
[ジュリアン]
ち、違うっ! これは
ユルグ王女から預かったんだよ。▼
鍵をなくして困ってたから
代わりに開けてやろうって。▼
[ガイア]
貸してみろ。
この程度の鍵なら朝飯前だろ。▼
……
……▼
おかしい…なぜ開かない?▼
[ジュリアン]
な? おかしいだろ?
見た目はなんの変哲もない
小箱と鍵穴なのにさ。▼
もしかして、
彼女の国にしかない
特別な仕掛けなのか…?▼
な? おかしいだろ?
見た目はなんの変哲もない
小箱と鍵穴なのにさ。▼
困ったな…
ユルグ王女に必ず開けてやるって
約束したのに…▼

A

[ジュリアン]
ど、どうだ…
開けられそうか?▼
[ゼロ]
手強いな…▼
[ジュリアン]
うーん、やっぱダメか…▼
[ゼロ]
だが…まだ手はある。▼
意地っ張りなヤツの大事なところを
無理やりこじ開けちまうのも
それはそれでイイものだぜ…?▼
[ジュリアン]
い、いや、ユルグ王女から預かった
箱を壊しちまうのはダメだろ!▼
[ガイア]
うーん。
全員ダメだったか…▼
[ゼロ]
そもそも、この箱には
ナニが入ってるんだ?▼
[ジュリアン]
そういえば聞いてないな。
大事そうにしてたけど…▼
進捗報告も兼ねて
ユルグ王女に聞いてくるか。▼

(暗転)
[ユルグ]
その箱に入っているもの…?▼
箱のなかにはね…
お母様の形見が入っているの。▼
わたしのくに…ニフルが
ムスペルにほろぼされたとき
持ち出せたのが…その箱だったの。▼
[ジュリアン]
そうだったのか…▼
[ユルグ]
わたしが持っていけたのは、
その小さな箱だけ…▼
だけど、さびしくないよ。
フィヨルム姉様も
ヴァイス・ブレイヴのみんなもいるし。▼
その小さな箱には…
お母様との思い出も
いっぱい詰まっているから!▼
[ジュリアン]
……▼
ユルグ王女、
もう少しだけ時間をくれないか。▼
この箱、必ず開けてみせるよ。
オレの誇りにかけて。▼

S

[ガイア]
なるほどな。その箱には
そういう事情があったわけか…▼
[チャド]
……▼
[ジュリアン]
大切な人との思い出は
何物にも代えがたい宝だ。▼
絶対に開けるぞ。▼
オレたちみんなが
知恵を出し合えば
なんとかなるはずだ!▼
[ガイア]
まずは基本に立ち戻ろう。
鍵穴の形状を正確に
把握することからはじめるんだ。▼
[ジュリアン]
そのうえで合鍵を作るんだな。
どのみち必要になるし…▼
[チャド]
合鍵作りには質のいい粘土がいる。
オレ、城下町で探してくる!▼
[ジュリアン]
よしっ、気合を入れるぞ。
絶対にユルグ王女に
渡してやるんだ…!▼

(暗転)
[ジュリアン]
それじゃ、開けてみるからな…
成功してくれよ…▼
…よしっ! 鍵が回る音がしたぞ!
成功だ!▼
[チャド]
これは…
星の形をした…お守り?▼
[ガイア]
ユルグ王女の母上が…
彼女を思って持たせたんだろうな。▼
[ジュリアン]
んじゃ、さっそくユルグ王女に
届けてやろうぜ!▼

(暗転)
[ユルグ]
わあっ! 開けてくれたの!?
ありがとうー!▼
よかった。
もうダメかと思ってた…
みんな、ほんとうにありがとう!▼

(暗転)
[ジュリアン]
ユルグ王女…
本当に喜んでいたな。
頑張ってよかったよ。▼
[チャド]
盗賊の技でも
誰かのために役立つなら…
それはそれでいいものだよな。▼
[ジュリアン]
オレも足を洗ったとはいっても
腕がなまらないように
訓練だけはしておかないとな。▼
そうでないと、
万が一、何かあった時に
また苦労する羽目に…▼
[フィヨルム]
あ、あの、すみません…
少しよろしいですか?▼
[ジュリアン]
ん? フィヨルム王女…?▼
[フィヨルム]
ユルグから聞いたんです。
皆さんはどんな鍵でも開けられると。
それで、お願いしたいことが…▼
この箱が
開かなくなってしまい
困っているのですが…▼

心優しき聖女 レナ

C

[エイル]
……▼
[レナ]
ごきげんよう、エイル王女。
先日のおけがの具合は
大丈夫ですか?▼
[エイル]
シスター・レナ…もう大丈夫。
あなたの手当てのおかげね。
ありがとう。▼
[レナ]
それは良かったです。
無理せず養生してくださいね。▼
[エイル]
あなたは…
また町に行っていたの?▼
[レナ]
はい。孤児院や診療所
色々な場所を回ってきました。▼
わたしは戦うことが苦手なので
ほかの形で力になればと思って。▼
[エイル]
私にも何か力になれることがあれば
遠慮なく言って。▼
[レナ]
ありがとうございます。
困ったことがありましたら
エイル王女のお力をお借りします。▼
[エイル]
……▼
気のせいかしら。
シスターの表情…
いつもより明るい気がする。▼
[レナ]
ふふっ、やっぱりわかりますか?▼
実は、診療所で仲良くなった
女性の出産予定日が近いのです。
そのことが楽しみで…▼
[エイル]
新たな命の芽生え…
それは喜ばしいことね。▼
[レナ]
はい。新しい命に出会える喜びは
異世界に来ても変わりませんから。
出産の無事を祈りましょう…▼

B

[レナ]
……▼
[エイル]
シスター・レナ…
また、町へ行っていたの?▼
[レナ]
はい。今日もまた
人々のために祈りをささげ
力添えをしてまいりました。▼
[エイル]
気のせいならいいのだけれど
今日のあなたは
どこか元気がないような…▼
[レナ]
実は妊婦さんが体調を崩してしまい
出産に影響が出てしまうかも
しれないのです。▼
[エイル]
それは…心配ね。▼
[レナ]
このままでは…
母親か赤子か、どちらかの命を
選ばなければならないかもしれません。▼
英雄、救世主と持ち上げられても…
すべての人を救えるような力は
わたしにはありません。▼
できるだけのことは
したいと思いますが…▼
[エイル]
……▼
[レナ]
彼女は
「なんとしても子を産みたい」と
夫に伝えているそうです。▼
自分の命を犠牲にしてでも
新しい命に未来を託すつもりなのです。▼
[エイル]
新たな命が輝く瞬間、
別の命が失われる…▼
[レナ]
はい。今はただ無事に
ふたつの命が未来へつながるよう
祈りたいと思います。▼
……▼

A

[ジュリアン]
お湯を持ってきた!
これで足りるかい?▼
[レナ]
助かるわ。
念のため、こちらの桶にも
お湯を用意しておいてもらえる?▼
[ジュリアン]
ああ、わかった!
で、妊婦さんの様子
あまり芳しくないのかい?▼
[レナ]
ええ…もともと体調が悪かった上に
予定よりも早く陣痛が
はじまったの。▼
癒しの杖で
痛みを和らげているけど
それでも辛そうだわ…▼
[ジュリアン]
ん?
こっちに向かってくる
黒い天馬は…エイル王女?▼
[エイル]
シスター・レナ…
手伝いにきたわ。▼
力になれるかと思って…
ミドリコを連れてきたの。▼
[ミドリコ]
レナさん、ミドリコにも
なにかてつだわせて…!▼
[レナ]
エイル王女、ミドリコさん!
お申し出、ありがたくお受けします。
さあ、中へ…▼

(暗転)
[ミドリコ]
妊婦さん、つらそうだったね…▼
[レナ]
はい。予断を許さない状況です。
新しい命に出会うために
必死に戦っていらっしゃいます。▼
[ミドリコ]
いたみをやわらげるための
薬が調合できれば
かなり楽になると思うの。▼
だけど、それには
とっても清らかな水がひつようで…▼
[エイル]
清らかな水…▼
[レナ]
エイル王女…
あてがあるのですか?▼
[エイル]
北の山に清流が流れているのを
空から見たことがあるわ…
私が汲んできましょう。▼
[レナ]
助かります…
お願いできますか?▼
[ミドリコ]
じゃあ、ミドリコは
調合を始めるね!▼
[ジュリアン]
オレもお湯を汲んでくる!▼
[レナ]
みなさん…ありがとうございます。
失われていい命など
この世にひとつもありません。▼
希望を捨てることなく
全力を尽くしましょう…!▼

S

[レナ]
エイル王女…
ありがとうございました。▼
あなたとミドリコさん、
それにジュリアンのおかげで
わたしたちは新しい命に出会えました。▼
[エイル]
その後、彼女の様子は…?▼
[レナ]
安定されています。
ミドリコさんが調合してくれた薬が
効いたみたいですね。▼
エイル王女が清らかな水を
汲んできてくださったおかげです。▼
[エイル]
力になれたのなら…よかった。▼
生まれてくる子どもには
母親のぬくもりを…
知ってほしかったから。▼
[レナ]
そうですね…▼
たとえ記憶に残っていなくても
そのぬくもりは魂に残り
次の世代へと受け継がれていく…▼
親からぬくもりを受け継ぎながら
人は歴史を作っていくのでしょうね。▼
[エイル]
私もいつか
誰かにぬくもりを…
残せるのかしら…▼
[レナ]
残せますよ、きっと。
エイル王女の想いも、
誰かから受け取ったぬくもりも。▼
[エイル]
そうだとしたら…
うれしいわ。▼
[レナ]
英雄には歴史を大きく
動かす力があります。▼
しかし、歴史を形作るのは
今を生きる民、
一人ひとりの命…▼
失われていい命は
この世にひとつもありません。▼
そして命の重さは
英雄も民も同じなのですから。▼
[エイル]
命を守り…育むことも
英雄の務め…▼
[レナ]
はい。少なくともわたしは
そう信じています。▼
エイル王女…
また、ともに手を携え
命を守っていきましょう。▼
[エイル]
ええ…
また学ばせてもらうわ。
命とは…なんなのかを。▼

名も知らぬ英雄 クリス

C

[クリス(女)]
よし…
下準備はこれくらいでいいかな…▼
[クリス(男)]

クリス、何をしているんだ?▼
[クリス(女)]
あ、クリス。
ちょうど今あなたを呼ぼうと
思ってたところよ。▼
食事の手伝いをしているの。
人手が足りないみたいで…
二人で一緒にスープでも作らない?▼
[クリス(男)]
スープか、いいな。
俺たち二人の料理をみんなに…▼
…いや、待ってくれ。
もし君が俺と
同じ人物だというのなら…▼
料理の…腕前は…▼
[クリス(女)]
たぶん…大丈夫よ!▼
昔は酷かったかもしれないけど
シーダ様に料理を教えてもらったり
スープ作りの特訓もしたの。▼
だから料理の腕前は
確実に上がっているはずよ。
なんなら、味見してみる?▼
[クリス(男)]
味見は問題ない。
問題ないが…▼
スープから鉄の焼けたような
匂いが立ち込めている…
俺がかつて作ったスープと同じ…▼
[フィヨルム]
おや? クリスさんたち、
お料理をしているのですか。▼
[クリス(女)]
これはフィヨルム王女!
はい、野営に備えて
スープを作っていたところです。▼
[フィヨルム]
クリスさんお手製のスープですか。
どんな味付けなのでしょう。
少し味見させていただいても?▼
[クリス(女)]
ええ、どうぞ。
今日のスープは自信作です。
遠慮なく召し上がってください。▼
[フィヨルム]
ありがとうございます。
…なんだか独特の香りがしますね。
どんな味なのでしょう。▼
[クリス(男)]
…………。
俺と同じ匂い…
ということは、つまり…▼
[フィヨルム]
もぐっ…▼
……▼
……▼
[クリス(男)]
…フィヨルム王女?
……▼

フィヨルム王女が…
立ったまま死んでいる…!▼
[クリス(女)]
フィヨルム王女!?
いかがなさいました!▼
[フィヨルム]
……はっ!
い、生きています…
死んではいませんっ。▼
ただ、あまりにも個性的な味付けで
その…魂が飛びかけたような…▼
[クリス(男)]
やはり、俺と同じか…
フィヨルム王女、お水を。▼
[フィヨルム]
あ、ありがとうございます。▼
[クリス(女)]
申し訳ありません、フィヨルム王女。
今日のスープはいい色だったので
おいしくできたと思ったのですが…▼
[クリス(男)]
…色だけで判断…
俺と全く同じ…▼
[クリス(女)]
上達したと思っていたんだけど
まだまだ修行が足りなかったかな…。
……▼

B

[クリス(男)]
クリス、知っての通り、
俺たちの料理は個性が強いようだ。
この味がわかるのはおそらく俺と君のみ…▼
ヴァイス・ブレイヴには
料理が上手な英雄もいるそうだ。
二人で共に教えを乞うのはどうだろう?▼
[クリス(女)]
なるほど…▼
そうだ!
メイドさんなら料理の腕前も
バッチリなんじゃないかしら?▼
お城で何人かメイドさんを見かけたわ。
早速話を聞きに行ってみましょう。▼

(暗転)
[フェリシア]
お料理を教えてほしいんですか?
わかりました!
この敏腕メイドにお任せください!▼
[クリス(男)]

自ら敏腕メイドと称するほどの腕前…!▼
[クリス(女)]
頼らせてもらうわ、フェリシア。▼
[ジョーカー]
待て!
敏腕メイドなどと
寝言を抜かすのはどの口だ?▼
[フェリシア]
はうぅ!
ジョ、ジョーカーさん!?▼
[ジョーカー]
お前たち、こいつに料理を習っても
今よりひどくなるのが関の山だぞ?▼
[フェリシア]
あう! あ、あんまりですぅ!
私だって料理のひとつやふたつ
教えることができますよ!▼
[ジョーカー]
無理だな。
台所を破壊して終わるだけだ。▼
……▼
ふむ…
他人の料理の腕前など
知ったことじゃないが…▼
ここで恩を売っておけば
カムイ様の評価も上がるか…▼
よし、料理は俺が教えてやろう。
カムイ様の慈悲に感謝するんだな。▼
クリスとやら、お前たちの腕が知りたい。
まずは一番の得意料理を作ってみろ。▼
[クリス(男)]
わかった。
では行こう、クリス。▼
[クリス(女)]
よーし、一番の自信作で勝負よ!▼

(暗転)
[ジョーカー]
……▼
[フェリシア]
……▼
[ジョーカー]
お前たちはいったい何を作ったんだ?
雑巾が積み重なったような
この物体はなんだ…▼
[クリス(女)]
シチューよ。▼
[クリス(男)]
シチューだ。▼
[フェリシア]
…シチューといいながら
水分がまったくないです…!?
固形…完全に固形!▼
わ、私よりすごい料理作っちゃう人
はじめて見ちゃいました…▼
[ジョーカー]
この有様では
どこから手をつけていいかわからん。
正直、俺ではお手上げだ。▼
[クリス(女)]
そ、そんな…▼
[ジョーカー]
だが…あてがないこともない。
この男のところに行け。▼
あいつなら…
この壊滅的な料理の腕を
なんとかしてくれるかもしれん…▼

A

[オスカー]
なるほど…
料理を習いたい、ね。▼
グレイル傭兵団には
いろんな依頼があるけれど
こんなのははじめてだよ。▼
[クリス(女)]
あなたなら私たちの壊滅的な
料理の腕をなんとかできると
ジョーカー殿から伺ったので…▼
[オスカー]
私でよければ力になるよ。
じゃあ、ここにある材料で
スープを作ってもらおうかな。▼
[クリス(男)]
よし、今度こそ…▼

(暗転)
[クリス(女)]
できました…!▼
[オスカー]
それではさっそく味見を。▼
……▼
うん、鋼の味がするね。▼
[クリス(女)]
うう、面目ないわ…▼
[オスカー]
じゃあ、今度は私が
同じ材料でスープを作ってみようか。
ちょっと待っててもらえるかな。▼

(暗転)
[オスカー]
お待たせ。さあ、召し上がれ。▼
[クリス(男)]
美味い…
優しい味がするな…▼
[クリス(女)]
うん…
全身に染みるような温かい味…▼
[オスカー]
それはよかった。
気に入ってくれたようでうれしいよ。▼
ところで、二人は
どんなことを考えながら
料理を作っているのかな?▼
[クリス(男)]
それはもちろん、
成功できるように…▼
[クリス(女)]
ええ、
失敗しないように…▼
[オスカー]
わたしは、料理を食べてくれる人が
喜んでくれるかな…
おいしいって言ってくれるかな…▼
そんなことを考えながら
料理を作っているんだよ。▼
[クリス(男)]
……▼
[クリス(女)]
……▼
[オスカー]
私も昔は料理が下手だったよ。
でも、幼い弟たちにおいしい食事を
食べさせるために努力したんだ。▼
弟たちの喜んだ顔を見たくてね。▼
[クリス(女)]
そうだったんですね…▼
[オスカー]
料理をおいしく作りたい、というのは
誰しも考えることだと思うんだ。▼
でも、その先にある風景…
食べてくれる人のことも考えながら
料理を作るのも楽しいものだよ。▼
[クリス(男)]
俺たちは料理の出来を考えて
食べてくれる人のことを
考えていなかった気がする…▼
[オスカー]
まずは気持ち。
技術はあとから
ついてくるものだからね。▼
[クリス(女)]
気持ち…そうですね。
心がけは何より大事ですね!
これからもご指導お願いします。先生!▼

S

[クリス(女)]
フィヨルム王女。
料理の特訓の成果…
見ていただけますでしょうか!▼
[フィヨルム]
クリスさんたちの指のケガ…
料理の練習が原因だったのですか?▼
[クリス(男)]
ええ、恥ずかしながら…▼
[オスカー]
私にもいただけるかな。
クリスの料理の腕は
きっと成長しているはずだから。▼
[クリス(女)]
オスカー殿…
頑張って作ります。
そしてみんなを笑顔にしたい…!▼

(暗転)
[クリス(男)]
できました!▼
[クリス(女)]
さあ、召し上がれ!
[フィヨルム]
そ、それでは…いただきますね。▼
[オスカー]
……▼
[クリス(女)]
ど、どう…かな?▼
[フィヨルム]
なんというかその…
とってもまっすぐで
クリスさんらしい味だと思います。▼
[オスカー]
うん、これなら昔の私よりも上手だ。
頑張ったね、クリス。▼
[クリス(男)]
……!▼
[クリス(女)]
あ、ありがとうございます!
私たちの腕前はまだ未熟だけど…▼
[クリス(男)]
ああ…みんなに喜んでほしいという
気持ちを忘れなければ、
もっと良い料理を作れる気がする。▼
[フィヨルム]
頑張ってください、クリスさんたち。
私はいつでも試食に付き合いますよ。▼
[クリス(男)]
…クリス。俺たちは祖父から
「料理だけはやめておけ」と
言われていたが…▼
[クリス(女)]
でも、努力は、不可能を可能にしてくれる。
気持ちは、努力を後押ししてくれる。▼
だから、戦いだけじゃなく
料理も頑張りましょう…
みんなに喜んでもらえるように!▼

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Last-modified: 2021-04-28 (水) 17:40:06
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