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章別会話
希望担いし者たち†
希望担いし者たち†
オープニング†
- [アルフォンス]
- ルフレ、フェリクス、ベルナデッタ。
今日は急な呼びかけに
応じてくれてありがとう。▼
- [ルフレ]
- 火急の用とお見受けしましたが
どのようなご用でしょうか?▼
- [フェリクス]
- 招集されたのは我々のみか。
表沙汰にできないような
いわくつきの任務でもあるのか?▼
- [ベルナデッタ]
- ひっ…! まさか暗殺とか
闇の依頼ですか!?▼
フェリクスさんはいいとして
なぜベルにまで!?▼
- [アンナ]
- そんな物騒な話じゃないわよ!
あなたたち、アスク王国で催される
英雄祭については知っているかしら?▼
- [フェリクス]
- たしか…王国の民が英雄に
感謝を贈る祭りと聞いたが。▼
- [アルフォンス]
- 民だけではなく
英雄たちも楽しみにしている
王国をあげてのお祭りだよ。▼
- [ベルナデッタ]
- そんな祭りがあるなんて
知りませんでした…。▼
とりあえずベルには縁のない話ですね。
当日は部屋に籠もっておきましょう。▼
- [アンナ]
- それがね、あなたにも
関係がある話なのよ、ベルナデッタ。▼
そのお祭りでね、みんなの前で
英雄の代表者に
ぜひ語ってもらいたいと思っているの。▼
それでエクラに
人選をお願いしたのだけれど…。▼
- [アルフォンス]
- エクラが
推薦したのが君たちと
僕の4人だったんだ。▼
- [ルフレ]
- 私たちが英雄を代表して
観衆へ語りかける…?
それは大役ですね。▼
- [ベルナデッタ]
- なんですかそれは!?
どうしてベルがそんな目に?▼
もしかして嫌がらせですか!?
わかった! みんなの前で
ベルを晒し者にして辱めるとか…▼
- [アルフォンス]
- そんなつもりじゃないよ。
人選にはきちんとした
理由があってのことだよ。▼
エクラによると
さまざまな異界の民から
君たちを必要とする声が聞こえたとか。▼
まあ、最終的な決定権は
祭りの責任者である
アンナ隊長が持っているんだけど。▼
- [アンナ]
- もちろん、認めるに決まってるじゃない。
異界の民から支持されるなんて
胸を張るべきことだわ!▼
- [ルフレ]
- 民の期待に応えるのも
英雄の務めです。
任せてください。▼
- [フェリクス]
- 受けてもいいが
俺は剣のことしか語れんぞ?▼
- [アンナ]
- ありがとう。
みんなの言葉、
今から楽しみにしているわね!▼
- [ベルナデッタ]
- えっ!? これって
決定の流れですか!?
ううっ、そんなあああっ…▼
- [アルフォンス]
- アンナ隊長が用意したお題は…
「英雄とはなにか?」だったね。▼
英雄祭まで1週間を切ったけど
3人とも準備は進んでいるかい?▼
- [ルフレ]
- それが…いざ考えはじめると
なかなかまとまらないんですよね。▼
今日はこうして
集まる場を設けてくださり
本当に助かりました。▼
- [アルフォンス]
- 心に想いはあっても
言葉にするのは難しいからね。
みんなで考えたいと思ったんだ。▼
- [フェリクス]
- アルフォンス王子の演説は
一人の英雄としてだけでなく
民に道を示す言葉にもなる。▼
俺たち以上に、形にするのが
難しいと思うがな。▼
だが、最も難航しているのは
お前のようだな、ベルナデッタ。▼
- [ベルナデッタ]
- ひゃあいい!?
急に話を振らないでくださいぃぃ!▼
怖い顔で脅したところで
できないものはできませんよ!?▼
- [フェリクス]
- ふん。その様子を見れば
進捗がないことは火を見るより明らかだ。▼
- [ベルナデッタ]
- 英雄とはなにか…
そんなふんわりとした
質問の答えなんて出せませんよ…。▼
そもそも民の前で話すなんて
そんな度胸…あたしなんかに
あるわけがないでしょう!?▼
- [アルフォンス]
- 大丈夫だよ、ベルナデッタ。
僕たちも手伝うから一緒に考えよう。▼
- [ルフレ]
- そうですよ。力を合わせれば
きっと答えが見つかるはずです!▼
- [ベルナデッタ]
- うう、ダメなベルに
救いの手を差し伸べてくれるのは
うれしいですけど。▼
せっかくのお祭りなのに
水を差してしまうのは申し訳なく…。▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- …む?
なんだ、この気配は…。▼
- [ルフレ]
- これは…
周囲の空間が歪んで…▼
- [アルフォンス]
- 時と空間の歪み…
【戦禍】…!?
どうしてこんなときに?▼
- [ベルナデッタ]
- あわわわ!
おかしな渦に吸い込まれて
しまいますぅぅぅ!▼
- [フェリクス]
- 見覚えのない場所だな。
渦のようなものに
巻き込まれたと思ったが。▼
- [アルフォンス]
- 時と空間が歪んだ戦いの場…
僕たちは
【戦禍】に巻き込まれてしまったんだ。▼
- [ベルナデッタ]
- ひいいいいいっ!
ベルを亡き者にする気まんまんの
空間じゃないですかぁぁぁ!▼
- [ルフレ]
- 向こうを見てください。
不気味な兵士の群れが
光へと向かって歩いています!▼
- [ベルナデッタ]
- あ、あれ? 光の奥にぼんやりと
お城のようなものが見えませんか?▼
- [ルフレ]
- あの城は…間違いありません。
アスク城です!▼
- [アルフォンス]
- アスク王国へ攻め入るつもりだ。
なんとしてでも、あの兵士たちを
この場に押し留めなくては…▼
すまない。
みんな、僕に力を
貸してもらえないだろうか。▼
- [フェリクス]
- 戦う相手がいるならば場所は選ばん。
この剣で薙ぎ払うのみ。▼
- [ルフレ]
- まだこちらの存在に
気づいてないようですね。
奇襲を仕掛けましょう!▼
- [アルフォンス]
- 君たちが一緒で心強いよ。
僕の斧で先陣を切る!
ついて来てくれ!▼
- [ベルナデッタ]
- ええっ!?
待ってくださいよおおおっ…!▼
- [アルフォンス]
- アスク王国に行かせはしない!
はああっ!!▼
- (白く光る)
- [ルフレ]
- 敵は混乱しています!
このまま押し切りましょう!▼
- [アルフォンス]
- ここ数日、英雄とは
なにかと考えていたけれど…▼
こうしてアスクの民を
守るために戦うことで
僕の中で答えは形になる。▼
僕にとっての英雄とは未来を作るもの。
民のために未来を勝ち取るのが
英雄の役目だ!▼
- (白く光る)
- [ルフレ]
- 一人でないからこそ戦える。
繋がっているからこそ
困難を越えられる。▼
私にとっての英雄は、絆を育むもの。
ともに手を取り合うからこそ
私たちは前に進めるのです!▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- 英雄とは強きもの。それが俺の答えだ。▼
何者にも屈することなく
己の腕で運命を拓く。▼
強くなければ、
なにも守ることは出来んからな!▼
- (ベルナデッタ)
- あう…こんなにたくさんの敵を
4人でなんとかするなんて…。▼
- [ルフレ]
- ベルナデッタさん!
足を止めてはいけません!
囲まれてしまいますよ!▼
- [ベルナデッタ]
- えっ…?
ふぎゃあああ、こっちにも!?▼
んぎゃああ! 囲まれてますぅ!
ベルを亡き者にするつもりですね?
死ぬのは嫌ぁぁ!▼
- [フェリクス]
- どこへ行く、ベルナデッタ!
逃げたか…チッ。もう少し
骨のあるやつかと思っていたが。▼
- [アルフォンス]
- 無理強いはできない。
僕たちだけでなんとか押し返そう!▼
- [ルフレ]
- ですが…くっ!
さすがに3人だけでは
厳しいものがありますね!▼
- [フェリクス]
- きっかけさえ作れれば
押し返せるものを!▼
- [アルフォンス]
- だけど、命に替えてでもここは通さない!
僕たちが作るべき未来を奪わせはしない!▼
- (白く光る)
- [ルフレ]
- これは…!?
遠方から矢が!
まさかベルナデッタさん?▼
- [ベルナデッタ]
- うらぁーっ!
昇天してください!
昇天してくださいぃぃ!▼
ベルの安寧を
脅かさないでくださいぃぃ!▼
- [フェリクス]
- 姿が見えぬほどの距離から
援護の矢を射るとは…
フン、やるものだな。▼
- [ルフレ]
- 見てください!
敵の一角が崩れ始めています!▼
- [アルフォンス]
- より、ベルナデッタがくれた好機だ!
ここで一気に叩こう!▼
- [アルフォンス]
- みんな、無事かい?
大変な目に遭ったけど
なんとか城に帰れたね。▼
- [ルフレ]
- ベルナデッタさんのおかげですよ。
素晴らしいタイミングの援護でした!▼
- [ベルナデッタ]
- な、なんとか
上手くいってよかったです…。▼
- [フェリクス]
- ふん、逃げ出したかと思ったが
最低限の誇りは残っていたと見える。▼
- [ベルナデッタ]
- ひぃっ!? そ、そんな
怖い目で見ないでくださいぃ。
助かったからいいじゃないですか。▼
敵の近くで戦うのは怖いですけど
その…離れていれば
なんとかなると思ったんで…。▼
- [アルフォンス]
- 敵兵から距離を取ったからこそ
反撃に転じられたというわけだね。▼
- [ベルナデッタ]
- 逃げ出したいと思う
気持ちがなかったかといえば
噓になります。でも…。▼
英雄だって人間です。
逃げることがあってもいいと…思うんです。▼
- [アルフォンス]
- そうだね。僕たちは英雄である前に
一人の人間でもあるわけだし。▼
- [ベルナデッタ]
- で、でも!
逃げている間も希望は捨てちゃダメだと
そう思うんです。▼
逃げることで時間を稼いで
好機が生まれるかも…しれないし。▼
あきらめなければなんとかなるって
あたしは…いろいろな人から
教わった気がします…。▼
- [フェリクス]
- ……。▼
- [ベルナデッタ]
- ひぃっ!? また怖い顔!
ベル、変なことをいいましたか!?▼
- [フェリクス]
- 民の前でなにを話すか
決まっていなければ
そのことを話せばいいだろう。▼
- [ベルナデッタ]
- え? そ、そのことって…。▼
- [ルフレ]
- 英雄は逃げてもいい。
だけど、希望は絶対に捨てないって
ことですよ。▼
無謀な戦いをするくらいなら
引いてみることも大切です。
私もそう思いますよ。▼
- [アルフォンス]
- うん。ヴァイス・ブレイヴには
英雄の数だけ考え方がある。▼
この答えはベルナデッタらしくて
とても素晴らしいと思うよ。▼
- [ベルナデッタ]
- これからもベルは
逃げ出しちゃうかもしれないですけど…。▼
希望さえ捨てなければ
逃げた先にだって光が差すことも
あるはずですよね…たぶん。▼
ううん。たぶんじゃありません。
絶対にありますよね!
そう信じてみることにします!▼
ファーガスの剣鬼 フェリクス†
- [フェリクス]
- はぁっ! せいっ!▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- フン、終わりか。
つまらんな。▼
手強いと聞いていたが
弱兵ばかりではないか。▼
雷の剣の力を試すいい機会だと思ったが
とんだ期待外れだ。▼
まだ戦っている部隊がいるな…。
…フン、支援に回ってやるか。▼
- (暗転)
- [フェリクス]
- せいっ! はっ!
ほう、こっちの敵は
歯応えがあるではないか。▼
それでこそ異界に来た
甲斐もあるというもの!▼
ん、あれは…?▼
- [オルティナ]
- はっ! せやっ!
ここより先は通しません!
はぁぁぁっ!▼
- [フェリクス]
- 二刀流か。
なんという苛烈な戦いぶり…
あの女剣士、何者だ?▼
- (白く光る)
- [オルティナ]
- せいっ…! はぁぁっ!▼
- [フェリクス]
- 長大な剣を2本も持ち
軽々と振り回すとは…。▼
なんという膂力。
あの猪でもこうはいくまい。▼
- [オルティナ]
- 退きなさい。
奪うための戦いに狂奔する者たちよ。▼
守るべきものがあるこの私に
あなたたちの刃は届きません。▼
- [フェリクス]
- なんという気迫だ。
離れていても伝わってくるとは。
残りの敵兵が戦わずして逃げていく…。▼
たった一人で数十人もの
敵を一瞬にして退けたか。▼
- [オルティナ]
- ふぅ…。
今日も生き残ることができました。
女神の加護に感謝いたします。▼
- [フェリクス]
- 面白い。
ヴァイス・ブレイヴに
これほどの強者がいたとはな!▼
城に戻ったら手合わせを
申し込ませてもらおうか!▼
- [アネット]
- 2本の大きな剣を持った剣士?▼
- [フェリクス]
- そうだ。長い紫がかった髪の若い女だ。
知らないか?▼
- [アネット]
- さぁ…
あたしは見かけたことないけど。
メーチェは知っている?▼
- [メルセデス]
- 武器はともかく、見た目について
もう少し手がかりはないの?▼
長い紫がかった髪の女性の英雄なら
ヴァイス・ブレイヴに何人もいるし…。▼
- [シルヴァン]
- 2本の大きな剣を振るう女性の英雄か…。▼
短刀ならば心当たりはあるけど
大きな剣となるとわからないな。▼
- [フェリクス]
- なんだと?
お前も知らないというのか?▼
- [アネット]
- シルヴァンが知らないなら
ヴァイス・ブレイヴではないのかもね。▼
- [メルセデス]
- だってシルヴァンは
ヴァイス・ブレイヴの女性みんなに
声をかけているものね~。▼
- [シルヴァン]
- ヴァイス・ブレイヴには
事情があって人前に姿を現したがらない
英雄もいるらしい。▼
フェリクスのいう相手は
いわくつきの大物かもな。▼
- [フェリクス]
- ふむ…。ならば別の場所を
探したほうが良いかもしれんな。▼
- [フェリクス]
- 城中を探してみたが見当たらん。
あの女、いったいどこに
む…? あれはもしや…。▼
- [オルティナ]
- ……。▼
- [フェリクス]
- 見つけたぞ。
まさかこんな森の中に
身を潜めていたとはな。▼
- [オルティナ]
- そこの方、私になにかご用ですか?▼
- [フェリクス]
- ……!?
この距離で気配に気づくとは…。▼
俺はフェリクス。剣の使い手だ。
先日の戦いで、お前の活躍
見させてもらった。▼
- [オルティナ]
- ああ…なるほど…。
遠くからの視線を感じていたのですが
あなただったのですね。▼
私はオルティナ。テリウス大陸から
この地に召喚されました。▼
- [フェリクス]
- その2本の剣とお前の剣技に
興味があって探していた。▼
- [オルティナ]
- この二振りの剣は
テリウス大陸の女神から授かった神剣。▼
天にラグネル、地にエタルドがある限り
私が負けることはないでしょう。▼
- [フェリクス]
- ただならぬ気配を宿していると
思っていたが、神剣とは面白い。▼
ますます興味がわいてきた。
俺と一手、手合わせ願おうか。▼
- [オルティナ]
- 手合わせ、ですか?
いいでしょう。構えてください。▼
では…
はっ! せあっ…!▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- そこか! くっ…!▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- なんという速さだ!
少しでも集中を欠けば
剣の軌跡を見失う…!▼
- [オルティナ]
- 来ないのでしたら
こちらから行きますよ。
はっ…!▼
- [フェリクス]
- クッ…!?
2本の神剣による連撃!▼
- (白く光る)
- [フェリクス]
- なぜだ…?▼
その腕でどうやって
2本の長剣を軽々と操れる?▼
それほどの威容を誇る剣だ。
1本でも使いこなすのは容易ではあるまい。▼
- [フェリクス]
- ラグネルとエタルド。
あなたから見れば
これは剣に見えるでしょう。▼
ですが、私が振るっているのは
想い…そのものなのです。▼
- [フェリクス]
- 想いだと?
戯れ言を…。▼
- (白く光る)
- [オルティナ]
- いいえ、戯れ言ではありません。
大切なものを守りたいという私の想い…。▼
その想いがラグネルとエタルドに届いて
私に応じてくれたのです。▼
- [フェリクス]
- ……。▼
- [オルティナ]
- ラグネルとエタルドも
私の一部、想いが形になったもの。▼
だから私は、ラグネルとエタルドを
自在に振るうことができるのです。▼
- [フェリクス]
- ふむ、その表情を見るに
ふざけているわけではないな。▼
なるほど、想いか…。
ならば俺も負けるわけにはいかん。▼
俺は誰よりも強くなりたい。
その想いの強さなら誰にも負けん!▼
- (白く光る)
- [オルティナ]
- 剣が…鋭さを…!▼
- [フェリクス]
- いくぞ、異界の剣士よ!
我が一撃を受けてみよ!
せやぁぁぁっ!▼
- [フェリクス]
- ……。▼
- [オルティナ]
- フェリクス…
また会いましたね。▼
この間の手合わせは
楽しかったですよ。
久しぶりに心が躍りました。▼
- [フェリクス]
- 先日はあなたに礼を欠いた
振る舞いをしてしまったようだ。▼
- [オルティナ]
- ……?
どうしたんですか。
そんなにかしこまって…。▼
- [フェリクス]
- アルフォンス王子に聞いた。▼
あなたの正体は
テリウス大陸を救った伝説の英雄…
三雄の一人、オルティナ殿であると。▼
ベグニオン建国の祖に対し
知らなかったこととは言え
数々の無礼…ここに詫びよう。▼
- [オルティナ]
- 謝ることなどありませんよ。
実は私もあなたのことを
ご学友から聞きました。▼
- [フェリクス]
- 学友?
ガルグ=マク大修道院の?▼
- [オルティナ]
- ええ。彼も私を探していたようで
この森で偶然出会ったのです。▼
「悪いヤツじゃないんですが
剣のことになると真剣すぎましてね…」▼
「まぁ、子どもの相手をするとでも思って
大目に見てやってください」
そう、言われました。ふふ…。▼
- [フェリクス]
- シルヴァンか!
余計なことを…。▼
- [オルティナ]
- なにはともあれ
私たちは想いをぶつけ合った者同士。▼
アスク王国の民のためにも
これからも力を高め合いましょう。▼
- [フェリクス]
- それはこちらも望むところ。
強者との手合わせこそ
俺が必要としている時間だ。▼
- [オルティナ]
- そういえば、手合わせで感じたのですが
あなたの剣には【正】の気を帯びた
強い想いが込められていました。▼
- [フェリクス]
- 【正】の気…?
聞きなれない言葉だが…。▼
- [オルティナ]
- 強すぎる想いというのは
時として人の心を歪め
【負】の気を帯びることがある。▼
しかし、あなたの剣に濁りは
まったくありませんでした。▼
まっすぐで純粋なその想いを
どうか大切にしてください。▼
- [フェリクス]
- 俺はこれからも、自分の中にある
強くなりたいという想いに従うまで。▼
- [オルティナ]
- アスク王国にはあなたと同じように
純粋な想いを持つ英雄がたくさんいます。▼
彼らとも、ぜひ手合わせを
してみるといいでしょう。▼
それぞれの想いの強さを知れば
あなたの剣はさらなる高みへと
達することでしょう。▼
- [フェリクス]
- 数々の強者と剣を交えることができる
絶好の機会…活かさぬ手はない。
学ばせてもらうとしよう。▼
剣でも、想いの強さでも
負けるつもりはない…。▼
目指す境地はもっと先にある。
より強くより速く
ひたすらに腕を磨くのみ!▼
聖王の懐刀 ルフレ†
- [ルフレ]
- これで…終わりです!▼
- (白く光る)
- [ルフレ]
- ふぅ…片付いたようですね。▼
苦戦するかと思いましたが
この魔道書のおかげで
有利に戦いが進められました。▼
魔道の力だけではなく
さまざまな異界の戦術が
網羅されている貴重な書…。▼
私自身も着実に成長していますし
この魔道書を使いこなせば
さらにクロムさんの力になれますね!▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- ふふ…
それはどうでしょう。▼
- [ルフレ]
- あなたは…!?
アスク王国にはさまざまな異界の
英雄が召喚されていると聞きましたが…▼
その禍々しい気配…
邪竜に支配された異界の私…ですか?▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- あなたの見立てどおり
私は邪竜ギムレーの魂に応じる身。
あなた自身の…未来の姿です。▼
- [ルフレ]
- 決めつけないでください。
そんな未来、私は望みません。▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- あなたが望もうが望むまいが
未来は変えられないんです。▼
あなたは所詮、邪竜の器でしかない。
力を求め、クロムさんに尽くしたところで
それに何の意味があるというんです?▼
無駄な努力はおやめなさい。▼
- [ルフレ]
- そ、そんなことはありません!
私は絶対に邪竜に屈しませんから…!▼
- [ルフレ(男/闇)]
- なにを勘違いしているのかな。
君の意思など、どうでもいいんだよ。▼
- [ルフレ]
- ……!?
あなたも邪竜に支配された…
異界の私?▼
- [ルフレ(男/闇)]
- 運命を拒もうとすること
それ自体が無駄という話さ。▼
だってほら、君の右手に
ギムレーの邪痕がある限り
未来は変わらないのだから。▼
- [ルフレ]
- ……▼
- [ルフレ]
- 私が邪竜になる未来は…
変えることができないと?▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- そのとおりです。
いくらあがこうが無駄ですよ。▼
- [ルフレ(男/闇)]
- 君の前にいる僕たちの存在…
それこそが変わることのない
未来の証なのだからね。▼
- [ルフレ]
- そ、それは…。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 大丈夫。
望まない運命に
惑わされる必要はないよ。▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- 雑音が入りましたね…。
何をしに来たんですか?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 絶望の未来を
彼女と共に否定しようと思ってね。▼
- [ルフレ]
- あなたも…
異界の私なのですね?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- そうだよ。
変えられない未来などない…
君と同じく、僕はそう信じている。▼
- [ルフレ(男/闇)]
- まったく君も頑固だね。
現実から目を逸らし
運命を受け入れないだなんて。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 未来は決まってはいない。
水が流れ行く先を決めるのは
僕たちの心のありようだ。▼
- [ルフレ]
- そ、そうですよね!
邪竜になる未来を変えるための
策を考えるまでです!▼
- [ルフレ(女/伝承)]
- 愚かですね。
まるでないものねだりをする子ども…▼
- [ルフレ(男/闇)]
- …会話にならないね。
今日はこのあたりにしておくよ。▼
- (白く光る)
- [ルフレ(女/伝承)]
- ふふ、あなた方が
正しい未来を受け入れるときを
楽しみにしていますよ。▼
- (白く光る)
- [ルフレ]
- 消えた…。
私はどんなに心を揺さぶられても
絶対に希望を捨てませんよ!▼
- [ルフレ]
- 先ほどはありがとうございました。
私一人では…
心がくじけていたかもしれません。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 礼には及ばないよ。
その気持ちは僕にもよくわかる。▼
- [ルフレ]
- そ、そうですよね。
なにしろ異界の私ですから。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 君がいた世界でも
クロムたちとは良好な関係を
築けているようだね。▼
- [ルフレ]
- はい!
おそらく、あなたの異界と同様
クロムさんは私の半身とも言える存在です。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- ふふ、それはなによりだ。▼
- [ルフレ]
- ですが、どうして
あのような禍々しい者たちまで
召喚されているのでしょうか?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- やっぱり君も気になるよね。
僕もエクラに
同じことを聞いてみたんだ。▼
なんでも、召喚される英雄たちは
アスク王国にみな必要な存在らしいよ。▼
- [ルフレ]
- 私たちにとって相容れぬ存在でも
アスク王国にとっては
有益な存在ということですか…。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- いや、僕らにとっても彼らの存在は
意味があるものなのかもしれない。▼
- [ルフレ]
- それは…どういうことでしょう?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 彼らと対峙することによって
僕たちは決意をより強くする。
絶望の未来に進んではいけないとね。▼
- [ルフレ]
- 彼らの誘惑に屈しない強き心を…
そう自分に戒めるというわけですか。▼
なるほど、それはいい考え方ですね!
私もそのように考えることにします。▼
それに、今の私には
この魔道書があります。▼
これを手にクロムさんを支えれば
どんな困難が立ちふさがろうとも
きっと乗り越えていけます。そうですよね?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- …たしかにその魔道書には
強い力が宿っているのだろう。▼
だけど君はもう知っているはずだよ。
それよりももっと強い武器が
僕たちにあることを。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- その武器は形もなければ色もない。
大きさもなければ重さもない。▼
だけど、誰にだって扱える
このうえなく強い武器なんだ。▼
- [ルフレ]
- ……!▼
絆…。
仲間たちとの絆ですね?▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- そのとおり。
絶望の未来に抗うために必要で
最も信頼できる武器だよ。▼
仲間を繋ぐ絆こそが
僕たちの一番の武器であり
運命を変える希望なんじゃないかな。▼
- [ルフレ]
- あの日、行き倒れていた私は
クロムさんたちと出会いました。▼
あのときの私は
なにも持っていなかった。
財産も記憶も…。▼
でも、クロムさんと仲間の皆さんは
私に一番大切なものをくれました。
絆というかけがえのないものを。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 僕も同じだよ。あの日から育んだ
仲間との絆があるから今の僕がある。▼
- [ルフレ]
- ええ、今の…私がある。▼
- [ルフレ(男/選挙)]
- 絆の力は計り知れない。▼
僕はアスク王国に来て
さまざまな異界の英雄と交流し
そのことをあらためて実感した。▼
君には仲間との絆がある。
きっと未来を変えられるよ。▼
- [ルフレ]
- はい! 私もそう信じます。▼
私たちの身体の邪痕…
それを消すことはできなくても
運命はきっと変えられる。▼
絆の力のほうが
ずっと強いはずですから…!▼
開かれし未来へ アルフォンス†
- [アルフォンス(恒常)]
- はぁぁぁっ…!
せいっ!▼
- [アンナ]
- もっと腰を入れて!
斧は腕の力だけじゃなく
身体全体を使って振るのよ!▼
- [アルフォンス(恒常)]
- それなら…これで!▼
- [アンナ]
- 斧に振り回されちゃダメよ!
重さを勢いに変えて…
そう! 叩きつけるように!▼
いいわよ、その調子!
さあ、次は実戦形式でいくわよ!▼
- (暗転)
- [アルフォンス(恒常)]
- はあ…はあっ…!▼
- [アンナ]
- 今日はこのくらいにしておきましょう。
無理をしてもかえって
効率がよくないわ。▼
- [アルフォンス(恒常)]
- そうですね…。
ご指導ありがとうございました。▼
- [アンナ]
- ところで、こんなに熱心に斧の訓練に
取り組み始めたということは
アルフォンス、あなた…▼
- [アルフォンス(恒常)]
- はい。あの装束をまとうことで
僕は自分が進む未来を
見据えたいんです。▼
- [アルフォンス]
- その…どうかな?▼
- [アンナ]
- いいじゃない! サイズもぴったりね!
決まってるわよ、アルフォンス!▼
- [シャロン]
- わあ、素敵です!
とってもお似合いですよ、お兄様!▼
お母様もそう思いますよね?▼
- [ヘンリエッテ]
- ええ、もちろんですとも。
さあ、アルフォンス。
その姿をもっとよく見せて。▼
ああ…なんて立派なのかしら。
あの人の面影を感じて…
なんだか泣いちゃいそう。▼
- [アルフォンス]
- 母上…▼
- [シャロン]
- これでヒゲをたくわえたら
もうお父様そっくりですね!▼
- [アンナ]
- いや、それはちょっと
無理があるんじゃない?▼
- [ヘンリエッテ]
- でも、雰囲気は
若い頃のグスタフにそっくりよ。
時が巻き戻ったかと思っちゃったわ。▼
…私には見えるわ、アルフォンス。
あなたがグスタフに負けぬほどに
偉大な王へと成長する姿…▼
- [アルフォンス]
- ありがとうございます、母上。
ご期待を裏切らないよう
いっそう精進します。▼
- [シャロン]
- この斧もお父様が使われていたもの…
だから近ごろアンナ隊長と
斧の訓練をされていたんですね。▼
- [アルフォンス]
- 剣とは勝手が違うからね。
この斧を手にするからには
恥ずかしいところは見せられない。▼
今日もこれから鍛錬するよ。
それでは母上、失礼します。▼
- [アルフォンス]
- 父上の斧を手にすると、
その重さが伝わってくる…▼
まるで、父上がアスク王国を担っていた
責任の重さそのもののように…▼
だけど、その重さに
潰れるわけにはいかない。▼
- [リーヴ]
- その装束…
お前の父が死んだ時に
まとっていたものと同じだな。▼
お前をかばって
ヘルの呪いに倒れたあの時と。▼
- [アルフォンス]
- リーヴ…▼
- [リーヴ]
- 故人を偲ぶために
装束に袖を通したのか?▼
- [アルフォンス]
- 偉大で優しかった父上を
偲ぶ想いがないとは言わない。▼
だけど、僕がこの装束に
袖を通した理由はほかにある。
覚悟のためだ。▼
- [リーヴ]
- 覚悟?▼
- [アルフォンス]
- アスク王国初代王から、
今に至るまで、幾多の王たちが
この国を守り、その命を捧げてきた。▼
次の世代に新しい時代を託す…
その覚悟を胸に
先人たちは歩んできた。▼
- [リーヴ]
- ……。▼
- [アルフォンス]
- 僕も国を、人々を守り、
その先にある未来を託していく。▼
僕はそのために生きて戦う。
この装束は、その覚悟だ。▼
- [リーヴ]
- 言葉で己の選択を飾ることなら
誰にでもできる。▼
その仰々しい斧を握るがいい。
俺の剣で見極めてやる。
お前のその覚悟とやらを…!▼
- [リーヴ]
- 遅い!▼
- (白く光る)
- [アルフォンス]
- くっ…!?▼
- [リーヴ]
- ここで俺に敗れ、死ぬ。
そうなれば
国の未来は潰える…▼
理想だけでは
なにも守れない…
それが現実だ。▼
- [アルフォンス]
- ……。
かつて父上は…
僕に言った。▼
王たるものとはときとして
国の未来を見据えたうえで
非常な決断を強いられる、と。▼
けれど…
僕は目の前で苦しむ人を
誰一人見捨てたくはない。▼
アスク王国の人々、
エンブラ帝国の人々、
他の国々の人々も…▼
九の世界すべての人々が、
穏やかに暮らせるように…
それが僕の覚悟だ。▼
- [リーヴ]
- …………▼
アルフォンス。
お前が望む未来を
形にしようとするならば…▼
お前は九の世界の
誰よりも過酷な運命を
歩むことになる。▼
どこまでその覚悟を貫けるか…
見届けてやろう…▼
- (白く光る)
- [アルフォンス]
- …リーヴ…
君もまた…人々の未来を
案じてくれたんだろうか…▼
君と僕の父上は、己の覚悟を貫き、
何者にも屈しない人だった。
死そのものにさえも…▼
だから、僕も歩む覚悟だよ。
君の言う、
誰よりも過酷な運命を…▼
深窓の籠もり人 ベルナデッタ†
- [バルボ]
- おい、聞いたか?▼
- [ドーガ]
- ああ、もちろんだとも。▼
- [アーダン]
- あの噂だがな…
どうやら本当らしいぞ。▼
- [ガトリー]
- うおお、マジっすか!▼
- [ブノワ]
- ……?
みんな…顔をつき合わせて
どうしたんだ?▼
- [バルボ]
- ブノワ! おまえは
あの噂を聞いてねえのか!?▼
- [アーダン]
- このアスク王国に籠城戦の達人が
召喚されてきたらしいんだよ!▼
- [ブノワ]
- 籠城戦の…?▼
- [バルボ]
- 鉄壁の守備を誇る俺たちに
籠城戦の達人が加われば
まさに鬼に金棒だな!▼
- [ブノワ]
- なるほど…。
それで盛り上がっていたのか。▼
で、その新しい英雄というのは
どれだけすごいんだ?▼
- [ドーガ]
- 聞いて驚かないでくれよ。▼
なんと召喚されて以来
そのまま自室に閉じこもり
一歩も外に出ていないらしいぞ!▼
- [ガトリー]
- うおぉぉぉ! 流石っす!
間髪入れずに
籠城を実践してるなんて!▼
- [ブノワ]
- ほ、ほう…?▼
- [バルボ]
- こうしちゃいられねえ!
一刻も早くその英雄に挨拶しようぜ!▼
俺たちに籠城戦の極意を
伝授してもらおうじゃねえか!▼
- (暗転)
- [ベルナデッタ]
- アスク王国に召喚されて
どうなることかと思ったけど
いいお部屋をもらえてよかったぁ。▼
この部屋、落ち着くなぁ。
はぁ~、幸せ…。
ずっとここで引き籠もっていたい…。▼
ん? あ、あれ…?
急に鼻がムズムズして…。▼
はっ…はっ…
はっくちょん!!!▼
なんで急にくしゃみが?
それになんだか寒気も…
風邪でも引いたのかなぁ?▼
- [フィヨルム]
- お探しのベルナデッタさんは
こちらの部屋にいらっしゃいます。▼
- [ドーガ]
- ありがとうございます、フィヨルム王女。
ところで…。▼
その方はまだ一度も
部屋から出ていないというのは
本当でしょうか?▼
- [フィヨルム]
- はい、そのように聞いています。
食料も自分で確保されて
ずっとお部屋にいらっしゃるとか。▼
- [バルボ]
- おお! 噂は本当だったみてえだな。▼
- [アーダン]
- やはり!▼
- [ガトリー]
- すでに籠城戦を開始してるっす!▼
- [フィヨルム]
- え? 籠城戦?▼
- [ブノワ]
- いや、こちらの話だ。
気にしないでくれ…▼
- [フィヨルム]
- ひとまず私が声をかけてみますね。
お返事いただけるかどうかは
わかりませんが…。▼
ベルナデッタさん!
お休みのところ失礼します。
お客様がいらっしゃいましたよ。▼
- [ベルナデッタ]
- へ…?
ベルに…お客さん?▼
あのぉ、ベルは今、忙しくてぇ
風邪も引いたみたいだしぃ…。
人に会うのはちょっと…。▼
- [フィヨルム]
- そ、そうでしたか。
これは失礼しました。▼
- [アーダン]
- 何を話しているのか
声が小さくて聞き取れないな…。▼
- [ガトリー]
- ちょっとしか聞こえなかったけど
可愛い声だった気がするっす!▼
- [ドーガ]
- あのフィヨルム王女を
一言で追い返したのだ。
ただ者ではない。▼
- [ブノワ]
- …ううむ。▼
- [アーダン]
- どうしたんだ、ブノワ?▼
- [ブノワ]
- あ、いや…。
少々気になってな。▼
もしかすると
これは籠城戦ではなく…。▼
- [シャロン]
- あ、フィヨルム王女!
ちょうどいいところに!▼
手伝ってほしいことがあるのですが
お取り込み中ですか?▼
- [フィヨルム]
- シャロン王女!
実は今、重騎士のみなさんを
ご案内しているところでして…。▼
- [アーダン]
- いや、我々にはお構いなく!▼
- [ドーガ]
- ベルナデッタ殿への挨拶は
我々で済ませておきますので。▼
- [フィヨルム]
- それなら、あとはお任せしますね。
では参りましょう、シャロン王女。▼
- [バルボ]
- よし、籠城戦の達人に
さっそくお目通り願うとしようぜ!▼
- (暗転)
- [ベルナデッタ]
- フィヨルム王女…
お客様とか言ってたけど
誰が来たんだろう。▼
も、もしかして先生?
それともエーデルガルトさん…?
窓の隙間から、ちらっ…。▼
……ひいいぃぃっ!?
なな、なんですか!?
このいかつい人たちはー!?▼
もしかしてベル…
怖い人たちに狙われちゃったり
してるんですかぁ!?▼
- [ドーガ]
- われらが呼びかけて丸2日か。
ううむ、困った…。
ベルナデッタ殿はどうしたのだ?▼
- [ガトリー]
- 返事すらしてくれないっすね…。▼
- [アーダン]
- もしかすると俺たちは
試されているのかもしれないぞ?▼
- [バルボ]
- 試されているだと!?▼
- [ドーガ]
- なるほど。我々が
教えを授けるに値する者かどうか
試していると…▼
- [バルボ]
- そうか! ならば受けて立つまでよ!
我慢比べなら負けねえぜ!▼
- [ブノワ]
- ……。▼
- (暗転)
- [ベルナデッタ]
- …ひぃぃぃ…
人の部屋の前に陣取った挙句
勝手に盛り上がってぇ…▼
なんなんですかぁ、この人たちは!
は、早くどこかに行ってえ~!▼
- (暗転)
- [ガトリー]
- かなり待ちましたけど
出てこないっすね…。▼
- [ドーガ]
- いや、もしかすると
我々はとんだ思い違いを
しているのかもしれないぞ。▼
ベルナデッタ殿は忍耐力だけではなく
知力測っているのではないか?▼
- [バルボ]
- つまり、頭を使ってこの状況を
なんとかしてみろってことか?▼
- [アーダン]
- 待つのは得意なんだがな。
頭を使うとなると…。▼
- [ブノワ]
- いや、それも違うと思うが…▼
- [バルボ]
- とりあえずなにか
いい策はねえのか?▼
- [ガトリー]
- プレゼントで誘い出すのはどうっすか?
誠意を見せるなら贈り物っすよ!▼
- [アーダン]
- さすがは恋多き男ガトリー。
なかなかの妙案だな!▼
そういうことなら
この追撃リングを使ってくれ。▼
この作戦のためなら
涙を飲んで提供しよう。▼
- [ブノワ]
- 盛り上がっているところ悪いが…
扉を開けてくれない相手に
どうやってプレゼントを見せる?▼
- [バルボ]
- だったら食べ物で気を引くのはどうだ?
ちょうどここに上物の干し肉がある。▼
こいつを焚き火であぶって
上手そうな匂いを漂わせれば
つられて出てくるって寸法よ!▼
- (暗転)
- [ベルナデッタ]
- ひえええ…!
外からパチパチなにかが燃える音が!?
怖いよぉっ!▼
も、もしかして火刑でベルを
丸焼きにするつもりですか!?
殺意が高すぎますぅぅぅ!▼
- (暗転)
- [ドーガ]
- ダメか。この手も通じないとは…。▼
- [ガトリー]
- もう打つ手がないっすねえ。▼
- [ブノワ]
- ……。
皆は扉から離れて待っていてくれ。▼
- [バルボ]
- むぅ!? ブノワが動いたぞ!
扉に近づいてどうする気だ?▼
- [ドーガ]
- まさか強引に扉を
こじ開けるつもりか…?▼
- [ガトリー]
- 猛牛を片手でいなしたという
ブノワさんの怪力が
ついに見られるのか…ゴクリ!▼
- [ブノワ]
- ベルナデッタ…。
ひとつ聞きたいことがあるのだが…。▼
- [ベルナデッタ]
- ひいぃ!
なんでしょう…?▼
- [ブノワ]
- 間違っていたら申し訳ないのだが
お前は…▼
ただの引き籠もりなのでは?▼
- [ベルナデッタ]
- へ…?
あ、はい。
そうですけど…。▼
- [ブノワ]
- …以上がこれまでの経緯だ。▼
- [ベルナデッタ]
- な、なるほど…。
そういうことだったんですかぁ…。▼
- [ブノワ]
- すまない。我々の早とちりで
迷惑をかけたな…。▼
- [ベルナデッタ]
- ほんとですよぉ!
でも誤解が解けたようで
よかったですぅ…。▼
あとは早急かつ穏便に
お引き取りいただければ…。▼
- [ブノワ]
- そうしたいのは山々なのだが
彼らはお前を籠城戦の達人と
思い込んでいる。▼
俺やお前が違うと説明したところで
「それも籠城のための策略か?」
などと言って納得しないだろう。▼
- [ベルナデッタ]
- たしかに…そうかも…。▼
- [ブノワ]
- そこで提案なのだが
彼らに引き籠もりのコツでも
教えてやってくれ。▼
そうすれば、
勝手に納得するだろ。▼
- [ベルナデッタ]
- そ、それで大丈夫なんですか?
でも、このままじゃ困るし…。▼
わかりました…。
やや、やってみますぅ!▼
- [バルボ]
- おお、扉が開いたぜ!▼
- [ドーガ]
- ほう、達人殿は意外と小柄…▼
- [ガトリー]
- おおおお! すげー可愛いっす!▼
- [ブノワ]
- 静粛に。
これよりベルナデッタが我々に
籠城戦の秘訣を伝授してくれるそうだ。▼
- [ベルナデッタ]
- ろ、籠城戦の秘訣…そ、そのいちっ!
まずは十分な食料を確保すること!
ですぅ…。▼
- [ドーガ]
- うむ。食料の備蓄は重要だ。
籠城戦の基本中の基本だな。▼
- [アーダン]
- オイフェも軍略で一番大事なのは
兵站だと言ってたぞ。▼
- [ベルナデッタ]
- 籠城戦の秘訣、そのにぃっ!▼
あのぉ、そのぉ…
時間を潰せる趣味を作ること!
いいいい、以上ですぅー!▼
- [バルボ]
- 趣味だと!?
いったいどういうことだ!?▼
- [ベルナデッタ]
- …ドキドキドキドキ…▼
- [ガトリー]
- 趣味…趣味かぁ…。
あ、わかったかもしれないっす!
心の余裕を保てということでは?▼
- [ドーガ]
- なるほど、そういうことか!
籠城戦で心の余裕を失えば
簡単に敵の陽動に釣られてしまう。▼
- [バルボ]
- だから平常心を保つために
籠城しても楽しめるような
趣味を持っておけってこったな。▼
さすが籠城戦の達人だ。
戦うことばかりに気を取られ
考えたこともなかったぜ。▼
- [アーダン]
- 俺も城の守備につくときは
なにか趣味でもやって
心の平穏を保つとしよう。▼
- [ブノワ]
- …さて、話は聞けたことだし
我らは持ち場に戻るとするか。
ベルナデッタも忙しいからな。▼
- [ドーガ]
- うむ! ベルナデッタ殿
本日はありがとうございました!▼
これからともに力を合わせ
アスク王国を守る鉄壁として
奮い立ちましょう!▼
- (暗転)
- [ベルナデッタ]
- あううぅ…。
こ、こんなんで本当に
よかったんですかね…?▼
- [ブノワ]
- とりあえずは大丈夫だろう。
間違ったことは言っていないはずだ…。▼
ナリはいかついが
みな悪い奴らじゃない。
これからよろしく頼む…。▼
- [ベルナデッタ]
- こ、こちらこそ
ほどほどによろしく。▼
ところでみなさんの中に
食虫植物に興味のある方は
いませんかねえ…▼
コメント
Last-modified: 2024-08-18 (日) 05:44:52