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章別会話
希望の灯を繋ぐ者†
希望の灯を繋ぐ者†
オープニング†
- [エルレーン]
- ふん、村を襲う山賊の退治など
俺一人で十分だと言うのに…▼
- [シーダ]
- けれど、まだ敵の規模もわからないし…
ここはみんなで力を合わせましょう。▼
- [ユミナ]
- そうよ!
魔道に自信があるみたいだけど
油断しちゃだめだと思うわ。▼
- [エルレーン]
- このエルレーン、山賊ごときに後れは…
いや、それよりも問題なのは…▼
貴様だ、マリク!
なぜこんなヤツと
俺が組まねばならんのだ!▼
- [マリク]
- エルレーン。
こうして再会できて嬉しいよ。
お互い協力して任務にあたろう。▼
- [エルレーン]
- 協力だと? 馬鹿を言うな!
俺は貴様など信用していない!▼
エクスカリバーの魔道書は
俺にこそ授けられるべきだったのだ!▼
……。いや、いい機会だ。
この任務でどちらがより多く
賊を倒せるか勝負をしようではないか。▼
俺が勝ったら貴様の持つ
エクスカリバーを返してもらおう!▼
タリスのシーダ王女と
グルニアのユミナ王女には
この勝負の見届け人になっていただきたい。▼
- [ユミナ]
- 勝手に変な話を進めないで!
なんでわたしがそんな勝負を
見届けなくっちゃいけないのよ。▼
- [シーダ]
- エルレーン。勝負はともかく、
戦って相手を倒すことだけが
争いを収める方法ではないわ。▼
まずは、山賊と話し合いましょう。
戦いを避けられるかもしれません。▼
- [エルレーン]
- 相手は山賊、
村に被害が出てからは遅いのです。
見つけ次第、打ち倒すべきです。▼
見ておけ、マリク。
格の違いを見せてやる!▼
- [マリク]
- ……▼
- [マリク]
- 大分時間が経ったね…
いつ山賊が現れてもおかしくなさそうだ。▼
- [ユミナ]
- 村の人には危ないから
外に出ないように伝えたけど心配ね。▼
- [シーダ]
- そうですね。わたしたちも
警戒を怠らないようにしましょう。▼
- [エルレーン]
- ふん、襲ってくるというなら
堂々と待ち構えていればいい。
返り討ちにしてやればいいだけだ。▼
- [マリク]
- エルレーン、
その意見には賛成できないよ。▼
ぼくたちがいることを知って
村に火攻めを仕掛けられたら
大きな被害が出る可能性もあるしね。▼
- [ユミナ]
- その通りだわ。
大事なのは村を守ることよ。
山賊を挑発するなんて!▼
- [マリク]
- …静かに。山賊が来たみたいだ。
まずは相手の出方をうかがおう。▼
- [エルレーン]
- ふん。貴様はそこで指でもくわえていろ。
俺が一人残さずなぎ払ってくれる!▼
- [マリク]
- 待て、エルレーン!
行ってしまった…▼
- [ユミナ]
- まったくもう! 勝手な人ね。
人の話をぜんぜん聞かないわ!▼
- [シーダ]
- わたしがエルレーンを追いかけます。
二人は村を守ってください!▼
- [マリク]
- わかりました!
シーダ様もお気をつけて!▼
- (暗転)
- [ユミナ]
- なにかしら?
東のほうがやけに明るいわね。▼
- [マリク]
- これは…!?
ユミナ王女! 気をつけてください!
山賊が火矢を射かけています!▼
- [ユミナ]
- 村の人を避難させましょう!
急がないと大変なことになるわ!▼
- [エルレーン]
- 俺はマリクなどには負けぬ、
はぁぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [エルレーン]
- ふん、数は多いようだが
まるで相手にならん。▼
…しかし、妙だな。
マリクはどこに…?▼
- [シーダ]
- みなさん!
わたしの話を聞いてください!
伝えたいことがあるのです!▼
- [エルレーン]
- シーダ王女は
さっきからなにを必死に叫んでいるのだ?
戦いの真っ最中だというのに…▼
- [シーダ]
- エルレーン!
あなたも戦いをやめて。
せめて、わたしの話が終わるまで。▼
- [エルレーン]
- 戦いをやめろ?
いったいどういうことだ…▼
- (暗転)
- [ユミナ]
- みんな早く!
こっちに避難すれば安全よ!
あっ! 後ろに火の手が…▼
- [マリク]
- お任せを! 風の魔道で
炎が燃え広がるのを防ぎます!▼
- (白く光る)
- [ユミナ]
- さすが風の魔道士ね!
うまく炎を食い止めているわ!▼
- [マリク]
- 皆さん、今のうちに安全な場所へ!▼
- [ユミナ]
- あら? おかしいわね。
急にあたりが静かになったけど
もしかして戦いは終わったの?▼
- [エルレーン]
- ああ、そうだ。
戦いは…終わった。▼
- [マリク]
- エルレーン!
よかった、無事だったんだね。▼
- [エルレーン]
- 姿が見えないと思っていたが
村人を避難させていたのか?▼
- [ユミナ]
- そうよ。
山賊が火矢を放ってきたんだもの。▼
マリクの風の魔道で
炎が燃え広がるのを防ぎながらね。▼
- [エルレーン]
- ……▼
- [マリク]
- 戦いが終わったと言うことは
エルレーンが山賊たちを
すべて倒してくれたのかい?▼
- [エルレーン]
- いや、かなりの数が残っている。
だが、奴らに戦う意思はもうない。
俺が手を下すまでもなかった…。▼
- [ユミナ]
- えっ、なにそれ?▼
- [エルレーン]
- …見てみればわかる。▼
- (暗転)
- [シーダ]
- 争いは…苦しみを生み出すだけで
未来をもたらしてはくれません。
あなたたちも知っているはずです。▼
だって、あなたたちは
本当は優しい人…
人の痛みがわかる人たちだから…▼
- [マリク]
- これは…!?▼
- [ユミナ]
- す、すごい!
シーダ王女の話を聞いた山賊が
みんな、武器を置いたわ!▼
- [マリク]
- そうか…
シーダ様の説得で
彼らは戦うことをやめたのか。▼
- [エルレーン]
- 悪党に平和を説くなど
無駄なことだと思っていたが…▼
- [ユミナ]
- 見て。涙を流している山賊もいるわ。
心を押し殺して悪いことをするのが
辛かったんでしょうね…。▼
- [マリク]
- さすがはシーダ様だ。
争うことなく
戦いを収められるなんて…▼
- [ユミナ]
- あなたで最後ね、はい…▼
- (白く光る)
- [ユミナ]
- これで戦いでケガした山賊たちも
みんな治癒できたわね。▼
- [シーダ]
- お疲れさまでした、ユミナ王女。
村人と山賊に大きな被害が出なかったのは
あなたの活躍のおかげね。▼
- [ユミナ]
- そんなことない。
みんなで力を合わせた結果よ。▼
それにしても…
これだけの山賊を相手にするなんて
エルレーンの実力は本物だったのね。▼
- [エルレーン]
- ……▼
- [マリク]
- どうしたんだい、エルレーン?
気になることでもあるのかい?▼
- [エルレーン]
- 貴様との勝負について考えていた…▼
- [ユミナ]
- まだそんなこと言ってるの!?
あなたもマリクも十分活躍したと思うわ。
それでいいじゃない!▼
- [エルレーン]
- ユミナ王女…
たしかに自分は山賊を撃退しましたが
それを誇るつもりはありません。▼
- [マリク]
- エルレーン…▼
- [エルレーン]
- マリクよ。
貴様は勝負よりも人を守ることを選んだ。
その行動が正しかったことは俺も認めよう。▼
- [ユミナ]
- あら? さっきまでと
なんだか雰囲気が違うわね。▼
- [エルレーン]
- …なにより、この戦いの
本当の勝者はシーダ王女だ。▼
山賊が武器を置き、悔い改めるなど、
まるで奇跡としか…▼
- [シーダ]
- そんなことはありません。
たとえ悪事に手を染めていたとしても
誰にでも良心はあるのです。▼
わたしはそれを思い出させただけ。
彼らはきっと罪をつぐない
まっとうな道に戻ってくれるはずです。▼
- [エルレーン]
- 戦うことだけが解決の手段ではない…か。
あのとき聞き流した言葉が
今になって胸に響く…▼
シーダ王女とユミナ王女には
身勝手な勝負に巻き込んだこと
あらためて、お詫びいたします。▼
- [ユミナ]
- わたしは気にしてないわ。
ね? シーダ王女。▼
- [シーダ]
- ええ。そうよ、エルレーン。
これからもヴァイス・ブレイヴに
力を貸してくださいね。▼
- [マリク]
- どうやら今回の任務は
エルレーンにも得るものが
たくさんあったようだね。▼
- [エルレーン]
- なっ!? 知ったような口を…
貴様のそのしたり顔が
俺は気に食わんのだ。▼
…だが、貴様の言うとおりだ。
俺にはまだまだ学ぶべきことがある。▼
だから、アスク王国にいるうちに
必ず貴様を超えてやる。▼
それまでの間…
エクスカリバーは
貴様に預けておこう。▼
- [マリク]
- ありがとう、エルレーン。
未熟なのはぼくだって同じだ。▼
これから一緒に
ヴァイス・ブレイヴの仲間として
ともに学んでいこう。▼
カダインの魔道士 エルレーン†
- [エルレーン]
- ふん…まさか、異界に来てまで
マリクと顔を合わせることになるとは。▼
アルフォンス王子とシャロン王女に
互いに協力してほしいと言われたが
馴れ合うつもりなど毛頭ない。▼
絆や友情に甘えて何になる。
共に学ぶ者は仲間などではない。
皆、敵だ…!▼
アスク王国には
あらゆる異界の知識が集まると聞く。▼
そのすべてを手に入れれば
ウェンデル先生も俺のことを…▼
- (暗転)
- [エルレーン]
- ちっ…なんて広い城なんだ。
目当ての場所に行くのも一苦労だ。▼
- [フィヨルム]
- こんにちは! あなたはたしか…
アカネイアからいらした
エルレーンさんですね。▼
なにかお困りでしたら
力になりますよ?▼
- [エルレーン]
- あなたは…フィヨルム王女でしたね。
大図書館に行きたいのですが
一向にたどり着けないのです。▼
- [フィヨルム]
- それでしたら
中庭を横切るといいですよ。
ご案内しましょうか?▼
- [エルレーン]
- いえ、大丈夫です。
中庭…ですね。
ありがとうございます。▼
- [エルレーン]
- ここが…
アスク王国の大図書館!?▼
カダインの書庫には
及ばぬだろうと侮っていたが
これは素晴らしい!▼
はじめて目にする魔道の書物が
これほど揃っているとは…。▼
ここで学びを得れば
きっとマリクを超える力を
身に付けられるはず。▼
ウェンデル先生…
俺があなたの後継者にふさわしい
魔道士になってみせます!▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [エルレーン]
- ?
誰かの視線を感じた気がするが
気のせいか…▼
- (暗転)
- [エルレーン]
- 書物に夢中になって
ずいぶん長居してしまったな。
暗くなる前に宿舎に戻るか。▼
……。
そこに隠れているのはわかっている。
コソコソせずに出てこい!▼
- [コルネリア]
- ふふ、気配を殺していたのに
察するとはなかなか…。▼
- [クロニエ]
- キャハハハ!
あたしたちに気付くなんて
やるじゃない!▼
- [エルレーン]
- 怪しいヤツらめ…。▼
- [クロニエ]
- ちょっとちょっとぉ~!
早とちりはやめてよね。
あたしたち敵じゃないって!▼
- [コルネリア]
- これでもれっきとした
ヴァイス・ブレイヴの一員ですのよ。▼
私の名はコルネリア。
フォドラのファーガス神聖王国に仕える
魔道士でございます。▼
- [クロニエ]
- あたしはクロニエ!
自己紹介…そうねえ…
コルネリアの護衛、みたいな?▼
- [コルネリア]
- あなたのお力になれればと思って
声をかける機会をうかがっていましたの。▼
アカネイア大陸の偉大なる魔道士…
エルレーン様。▼
- [エルレーン]
- 俺のことを知っているのか?▼
- [コルネリア]
- ええ、ええ、もちろんですとも。
才能にあふれた方だと伺っています。
そして、さらなる力を欲しているとも。▼
- [エルレーン]
- 貴様、なぜそれを…。▼
- [コルネリア]
- 力が欲しいのでしたら
協力してもいいのですよ?▼
フォドラにはあなたが目にしたことがない
魔法がたくさんありますの。
きっと力になれると思いますわ。▼
- [エルレーン]
- ふん、怪しい話だ。
貴様らになんの見返りがある?▼
- [コルネリア]
- うっふっふ! 純粋な好奇心でございます。
力を得たあなたがどんな活躍をするのか
私たちはそれが見たいだけ。▼
- [エルレーン]
- 好奇心だと?
そんな言葉、簡単に信じられると思うか。▼
- [コルネリア]
- お返事は後日で結構ですわ。
私たちに身をゆだねてくれるなら…▼
アスクレピオス…
この私の杖に近い強大な力を
あなたに授けましょう。▼
- (白く光る)
- [エルレーン]
- な、なんだ、この力は!?
あの女の杖から
凄まじい魔力を感じる!▼
- [コルネリア]
- ふふっ、ご理解いただけましたか?
よいお返事、期待しておりますわ。
エルレーン様。▼
- [クロニエ]
- じゃあねー! ばいばーい!▼
- [エルレーン]
- ま、待て…!▼
- (白く光る)
- [エルレーン]
- …気配がない。
ふん、逃げられたか…▼
- [エルレーン]
- コルネリアにクロニエ…
ヤツらはいったい何者だ?▼
力を与えて活躍を見たいだと?
そのような言葉…
信じられると思うか。▼
だが、コルネリアの持つ
杖から感じた強大な魔力。▼
あのような力を手にすれば
マリクを超えるのも
難しくはないかもしれん…。▼
- [ニイメ]
- ちょっといいかい、そこの坊や。▼
- [エルレーン]
- ぼ、坊やだと!?▼
- [ニイメ]
- 若いのに耳が遠いのかい?
あんた以外に誰がいるのさ。▼
- [エルレーン]
- ……!
こ、これは!?▼
- [ニイメ]
- なんだい、その顔は。
化物を見るような目は
やめておくれ。▼
- [エルレーン]
- こ、これは失礼しました。
あなたから感じる魔力の強大さに
気圧されてしまいました。▼
- [ニイメ]
- ちょっとは鼻が利くようだね?
連日、大図書館に顔を見せては
必死に書物をめくってるけど…。▼
あんたが書物をめくるたびに
殺気が漏れ出ているよ。
そんなに力が欲しいのかい?▼
- [エルレーン]
- そ、それは失礼しました…。▼
- [ニイメ]
- いいかい、坊や。
説教のついでに忠告しておくよ。▼
強い力というのは
敵を滅ぼすだけじゃないのさ。▼
使いこなすことができなければ
自分自身をも滅ぼすものだ。▼
- [エルレーン]
- つまり、諸刃の剣…
と言うことですか?▼
- [ニイメ]
- 本来、強い力を得るには
長い時間がかかる。▼
力を使いこなすには
さらに長い時間が必要だ。▼
その時間をないがしろにして
力を得ようとするヤツは
遅かれ早かれ自滅するよ。▼
- [エルレーン]
- 力だけを手に入れようとすれば
その報いを受ける、と…。▼
- [ニイメ]
- ヤケドじゃすまないことは確かだね。
力の誘惑には簡単に乗らないことだ。
言いたいことはそれだけさ。▼
- [エルレーン]
- ……。
不思議な人だ。▼
ウェンデル先生とは
まったく似ても似つかぬのに
重みのある言葉だった。▼
さぞ名のある魔道士なのだろう…。
力の誘惑には簡単に乗るな、か。▼
- [クロニエ]
- ねえねえ、コルネリア!
あいつ、誘いに乗ってくると思う…?▼
- [コルネリア]
- さあて、どうでしょう。
もちろん、乗ってくれたほうが
喜ばしいですけど。▼
彼が持つ、たぐいまれな
魔道の素質と力を求める執念。▼
紋章持ちではないですが
いい実験の素材になりそうですねえ。
うっふっふ!▼
- [クロニエ]
- あたし、いいこと思いついちゃった!▼
あいつに力を与えて暴走させて
ヴァイス・ブレイヴを
ぶっ潰しちゃおうよ!▼
- [コルネリア]
- あらあら、物騒ねぇ。▼
- [クロニエ]
- だってさー、ここは気持ち悪いよ。
獣だか人だかわからないヤツが
いっぱいで、わけわかんないからさ!▼
だから、あいつに
みんなぶっ殺してもらおうよ!
きっとスカッとするよー?▼
- [コルネリア]
- ふふ…
どうやら彼が来たようね?▼
- [エルレーン]
- ふん、ここにいたか。
ずいぶんと暗い場所が好きなようだな。▼
- [コルネリア]
- あらあらあら! エルレーン様!
こちらからお伺いするつもりでしたのに
わざわざ足を運ばれるなんて。▼
お話、前向きに
検討されているということで
よろしいのかしら?▼
- [エルレーン]
- ……。▼
- [クロニエ]
- なーにもったいぶってんのよー。
もうその気なんでしょ?▼
- [エルレーン]
- 貴様らとは手を組まない。▼
- [クロニエ]
- え? どういうこと?▼
- [コルネリア]
- 理由をお聞きしても
よろしいかしら?▼
- [エルレーン]
- 簡単な話だ。
ヴァイス・ブレイヴの一員といいながら
貴様らからは邪悪な気配しか感じない。▼
そのような者たちの力を借りるなど
わが師の教えに背くこと。▼
俺は今までウェンデル先生の
教えを守りながら修行を続けてきた。▼
自分を厳しく律し
日々の努力を重ねてな。
そのやり方を変えるつもりはない!▼
- [コルネリア]
- あらあら…。
それで行き詰まっているから
力を貸しましょうと言ったのに。▼
- [エルレーン]
- 見くびるな!
あやしげな者たちの力は借りぬ。
失せろ!▼
- [コルネリア]
- チッ…。
一丁前にほえやがってよぉ。
後悔するんじゃねえぞ!▼
- [クロニエ]
- あーあ、つまんなーい!
期待して損しちゃったー!
あんたなんか死んじゃえ! バーカ!▼
- (白く光る)
- [エルレーン]
- 消えた、か…。▼
ふん。あんなヤツらに
与えられた力でマリクに勝っても
俺自身、納得がいかん。▼
俺が力を欲しているのは事実だ。
だが、焦りは心に隙を作る。
そのことを肝に銘じなければ…。▼
ウェンデル先生…
俺はあなたから学んだやり方で
強くなってみせます。▼
そしていつの日か
カダインを導けるような
魔道士に成長してみせます。▼
グルニアの王女 ユミナ†
- [ユミナ]
- あっ、やっと見つけたわ。
ちょっといいかしら、シャロン王女。▼
- [シャロン]
- こんにちは、ユミナ王女!
アスク王国の暮らしには
もう慣れましたか?▼
- [ユミナ]
- まだまだだわ。
今だって、あなたを探して
お城で迷子になっていたの。▼
- [シャロン]
- あらら、そうでしたか。
こちらへ来て日も浅いですし
仕方がないかもしれませんね。▼
困ったことがありましたら
いつでも相談してくださいね!▼
- [ユミナ]
- ちょうどよかったわ。
実は頼みたいことがあったの。▼
あのね、わたしに
護衛をつけてもらえないかしら?▼
- [シャロン]
- 護衛…ですか?
そんなことをしなくても
ヴァイス・ブレイヴは安全ですよ。▼
なにしろ頼れる英雄のみなさんが
集まっていますからね!▼
- [ユミナ]
- わたし、今までずーっと
弟のユベロと一緒だったから
一人で行動するのが不安なのよ。▼
- [シャロン]
- ユベロ王子…
双子の弟さんでしたよね?▼
- [ユミナ]
- わたしたちはいつも一緒だったの。
戦争で幽閉されたこともあったけど
ユベロがいたから耐えられたわ。▼
グルニアの王女として
アスク王国に力を貸すつもりだけど
隣にユベロがいないのがなんだか不安で。▼
- [シャロン]
- そうでしたか…。
心細い思いをさせてしまいましたね。
それで護衛に誰か付けてほしいと?▼
- [ユミナ]
- アスク王国に慣れるまでだけでいいの。
お願いできないかしら?▼
- [シャロン]
- わかりました。
シャロンにお任せですよ!▼
頼もしい英雄さんを
紹介しちゃいますから
期待してくださいね!▼
- [シャロン]
- 見つかりましたよ、ユミナ王女!
こちらが護衛を引き受けてくれた
英雄さんです!▼
- [レイヴァン]
- …レイヴァンだ。
エレブ大陸で傭兵をやっていた。▼
- [ユミナ]
- グルニア王国の王女、ユミナよ。
よろしくね。▼
- [レイヴァン]
- ああ、知っている。
同じ軍にいる人間の顔は
すべて把握しているからな。▼
- [ユミナ]
- そ、それはすごいわね…。▼
- [シャロン]
- そこがレイヴァンさんの
すごいところです!▼
レイヴァンさんは
凄腕の傭兵ということに加えて
洞察力がずば抜けているんです!▼
まさにユミナ王女の護衛に
ぴったりだと思いませんか?▼
- [ユミナ]
- シャロン王女の見立てなら
信用できそうね。
傭兵なのに、どことなく気品も感じるし。▼
- [レイヴァン]
- ……。▼
- [ユミナ]
- さっそくで悪いんだけど
これから戦場に出る予定なの。
同行してもらえるかしら?▼
- [レイヴァン]
- 問題ない。
身の安全は保証しよう。▼
- (暗転)
- [ユミナ]
- ふう、怪我することもなく
無事に帰ってこれたわ。
あなたのおかげよ、レイヴァン。▼
- [レイヴァン]
- 俺は…役目を果たしただけだ。▼
- [ユミナ]
- だけど、あなたが
守ってくれたおかげで
安心して杖を使えたわ。▼
わたしを狙う敵をやっつけてくれたし
本当に助かったわ。▼
- [レイヴァン]
- それが俺の仕事だ。▼
- [ユミナ]
- そ、そう…。▼
- [レイヴァン]
- ……。▼
- [ユミナ]
- ……。▼
あ、あの…レイヴァン?
わたし、あなたの機嫌を
損ねるようなことをしたかしら。▼
- [レイヴァン]
- …いや。▼
- [ユミナ]
- でも、機嫌が悪そうだし
表情も険しいんだけど。▼
- [レイヴァン]
- これが地の顔だ。▼
- [ユミナ]
- ご、ごめんなさい!▼
- [レイヴァン]
- ……▼
- [ユミナ]
- …うう…空気が…空気が重いわ!▼
- [ユミナ]
- 傭兵としては一流。
戦場でも頼りになるし
手を抜くことなく真面目…。▼
- [シャロン]
- そうでしょうそうでしょう!
護衛役としてオススメした
甲斐がありました。▼
- [ユミナ]
- でもね! レイヴァンって
ずーっと怖い顔をしてるし
おしゃべりしても空気が重いの。▼
- [シャロン]
- な、なるほど…
レイヴァンさんがにこやかに話す姿は
わたしも想像できませんね。▼
- [ユミナ]
- わがままを言うようで
悪いんだけど、
ほかの人をお願いできないかしら?▼
腕が立つのはもちろん、
もっと楽しくおしゃべりできて
人当たりのいい人で!▼
- [シャロン]
- わかりました!
心当たりがあるので
すぐにお願いしてきますね!▼
- (暗転)
- [レオ]
- あんたがユミナ王女?
ふふっ、気品があって目力が強くて
アタシ、気に入っちゃったわ。▼
- [シャロン]
- レオさんはバレンシア大陸で
傭兵をされていたんです。▼
腕が立つのはもちろん
とっても明るい方なので
ユミナ王女のご期待に添えるかと!▼
- [レオ]
- レオよ。よろしくね。
任されたからには
ユミナ王女をバッチリ守っちゃうわ。▼
- [ユミナ]
- あなたとなら楽しくやれるかも。
よろしくね、レオ!▼
- (暗転)
- [ユミナ]
- ふぅ、今日も厳しい戦いだったわね。
レオが守ってくれたおかげで
無事に帰ってこれたわ。▼
- [レオ]
- ちょっと、ユミナ王女!
ダメじゃない!
なにをしてるの?▼
- [ユミナ]
- え? なにをしているって
ひと息ついたところだけど。▼
- [レオ]
- 戦場から戻ったら
まずはお肌のお手入れ!▼
若いからって油断したらダメ!
お肌は繊細なんだから気をつけなきゃ!▼
- [ユミナ]
- そ、そういうものなの?
わ、わかったわ…。▼
- (暗転)
- [レオ]
- ユミナ王女!
お野菜にまったく手をつけて
ないじゃない!?▼
ちゃんと食べなきゃ
バルボさんみたいに
大きくなれないわよ!▼
- [ユミナ]
- ご、ごめんなさい。
でもわたし、そこまで
大きくなるつもりもないんだけど…。▼
- [レオ]
- 理由はどうあれ、好き嫌いは禁止!
ユミナ王女の健康を守るのも
アタシの役目なんだから!▼
- [ユミナ]
- あーん!
小言ばっかりじゃない!
もう、ほっといてよーっ!▼
- [シャロン]
- えっ? 護衛をつけるのは
もうやめにするんですか?▼
- [ユミナ]
- ええ。いくら凄腕の護衛でも
相性の問題があるしね…。▼
- [シャロン]
- 相性ですか?
ほかの英雄さんをご紹介しましょうか。▼
- [ユミナ]
- ううん、いいの。
考えてみれば当たり前のことなのよね。▼
どんなに立派な英雄でも
小さい頃からずっと一緒にいた
ユベロの代わりになるわけがない。▼
アスク王国にユベロがいないなら
わたし一人でなんとかしてみるわ。▼
- [シャロン]
- ユミナ王女…。▼
- [ユミナ]
- シャロン王女、
迷惑かけちゃってごめんなさい。
だけど、もう決めたの。▼
- [オグマ]
- ロレンス将軍が言っていたな…。
ユミナは一度言いだしたら
決して曲げない性格だと。▼
- [ユミナ]
- えっ、オグマ!?
あなたもアスク王国に呼ばれたのね?▼
- [シャロン]
- お知り合いですか? そういえば
お二人ともアカネイア大陸から
いらっしゃったんでしたね。▼
- [ユミナ]
- わたしとユベロを
助けてくれた恩人なの。▼
オグマがいると知っていたら
最初から護衛を頼んでいたのに!▼
- [シャロン]
- じゃあ、今からでも
オグマさんに護衛をお願いしますか?▼
- [ユミナ]
- でも、自分一人の力で
なんとかしてみせるって
宣言したばかりだし…。▼
- [オグマ]
- 一人で頑張るというのであれば
やれるところまでやってみればいい。▼
それでも困ることがあるようなら
俺が手を貸そう。▼
- [シャロン]
- そのときは
わたしも一緒に駆けつけますよ!▼
- [ユミナ]
- 二人ともありがとう。
わたしがユベロと一緒じゃなくて
一人でアスク王国に呼ばれたのは…。▼
天がわたしに成長しなさい、と
言っているのかもしれないわね。▼
いいわよ、頑張ってみるわ。
いつかユベロと再会したときに
成長した姿を見せてあげるんだから!▼
風の司祭 マリク†
- [シャロン]
- いやー、今日も大勝利!
これもマリクさんのおかげです!
ね、アルフォンスお兄様?▼
- [アルフォンス]
- そうだね。
マリクの風の魔道がなければ
被害はもっと大きかっただろう。▼
- [マリク]
- ぼくの力など微々たるものです。
みんなで力を合わせたことが
勝利につながったのでしょう。▼
- [シャロン]
- またまたご謙遜を。
大活躍だったじゃないですか~!▼
- [アルフォンス]
- シャロンの言うとおりだよ。
マリクは魔道士としてだけではなく
相談役としても頼もしい存在だ。▼
君のような
経験が豊かな魔道士がいるおかげで
敵の魔道にも柔軟に対応できるしね。▼
マリクはもう
ヴァイス・ブレイヴにとって
なくてはならない存在だ。▼
- [マリク]
- そこまでほめられると気恥ずかしいですが
お役に立ててよかったです。▼
- [シャロン]
- あ、そういえば!
マルス王子から聞きましたよ。▼
マリクさんは
魔道の国として有名なカダインで
学ばれていたとか。▼
- [マリク]
- はい。でも、師である
ウェンデル先生に比べたら
ぼくなんてまだまだ未熟ですよ。▼
- [アルフォンス]
- 実際、マリクの話はわかりやすいし
教え方もきっとうまいと思うよ。▼
機会があれば
アスク王国で魔道を志す若者たちの
力になってくれないか?▼
- [マリク]
- はい、喜んで協力しましょう。
人に教えることは
自分自身の学びにもなりますから。▼
- [シャロン]
- わっ、すごく先生っぽい発言!
わたしもマリクさんに
魔道を習っちゃおうかな!▼
- [シャロン]
- マリクさーん!▼
- [マリク]
- こんにちは、シャロン王女。
どうされましたか?▼
- [シャロン]
- この間、聞かせてくれたお話が
すごく面白かったので
お礼を言いたくて!▼
- [マリク]
- この間の話というと…
カダインの魔道学院のことでしょうか?▼
- [シャロン]
- 砂漠の中にある神秘の都カダイン!▼
その中心にある魔道学院には
世界中から多くの学生がやってきて
互いに議論をしながら絆を深めあう…。▼
聞いているだけでワクワクしました!
わたしも一度でいいから
行ってみたいです!▼
- [マリク]
- そう言ってもらえると
ぼくもうれしいです。▼
- [シャロン]
- そのお話を聞いたとき、
いいことを思いついたんです!▼
アスク王国にも
カダインのような魔道学院を
作ったらいいんじゃないかなって!▼
- [マリク]
- なるほど…! アスク王国には
異界の英雄たちが集まってる。▼
ここに学院を開けば
さまざまな意見や知識を交換でき
有意義な議論が生まれるかもしれない…。▼
シャロン王女は
そうおっしゃりたいんですね?▼
- [シャロン]
- すごい!
わたしが思っていたことを
全部言い当てられました!▼
- [マリク]
- ぼくも同じようなことを
考えていたんです。▼
アスク王国の戦いが終われば
ぼくたちは元の世界に
帰ることになるでしょう。▼
しかし、魔道学院を作れば
ぼくたちがいなくなっても
教えは残ります。▼
そうすれば未来のアスク王国に
貢献できると思ったんです。▼
- [シャロン]
- やっぱりマリクさんはすごいですね。
そんな先のことまで考えてたなんて!▼
よーし、やる気が出てきましたよ!
なんとしても魔道学院を建てて
マリクさんに先生をやってもらいましょう!▼
- [マリク]
- はい、ぼくにできることなら
なんでも協力します。▼
- [シャロン]
- はいはーい!
そのレンガはこちらに運んでくださーい!
木材はあちらにお願いしまーす!▼
- [マリク]
- シャロン王女
工事は順調なようですね。▼
- [シャロン]
- はい! お兄様に
大図書館の一角を改装して
魔道学院を作りたいって相談したら…。▼
それはいい考えだって
すぐに工事の手配をしてくれたんです。▼
そちらの進捗はいかがですか?▼
- [マリク]
- 頼まれていた人事の件ですね。
こちらの書類を見てください。▼
魔道学院の設立に
協力すると言ってくれた
魔道士や修道士の名簿です。▼
- [シャロン]
- え、こんなに!?
すごい人ばっかりじゃないですか!▼
理魔法の教室には
パントさんやセシリアさん。▼
闇魔法の教室には
カナスさんやリオン王子が
来てくれるんですか?▼
- [マリク]
- 光魔法を使うルセアさんは
人柄がよく物腰も柔らかいので
子供たちもなつくと思います。▼
おなじカダインの魔道学院出身の
エルレーンにも声をかけたのですが
残念ながら断られてしまいました。▼
- [シャロン]
- ふむふむ…文献を研究する
伝承の教室はリンハルトさんですか。▼
居眠り防止の見張り役も必要ですね。▼
- [マリク]
- はい。ベレト先生とベレス先生に
交代で見張ってもらいましょう。▼
- [アルフォンス]
- やあ、マリクにシャロン。
調子はどうだい?▼
- [マリク]
- おかげさまで順調です!
英雄のみなさんにも
こころよい返事をいただけました。▼
- [アルフォンス]
- それはよかった。
それにしてもマリクには苦労をかけたね。▼
最初は魔道学院の一教師として
指導してもらうつもりだったのに
学長みたいな活躍ぶりだね。▼
- [マリク]
- そうだ、アルフォンス王子。
その学長の件ですが
相談したいことがあるのです…。▼
- [アルフォンス]
- 相談?
気になることでもあるのかい。▼
- [マリク]
- この魔道学院では
アスク王国を支える人材を育み
未来に引き継いでいく場所です。▼
ならば学長は
異界の英雄ではなく
アスク王国の人間が務めるべきです。▼
- [アルフォンス]
- なるほど…。
でも、適任者がいるかな?▼
英雄たちを束ねるには
魔道の知識や教養だけでなく
上に立つにふさわしい人格も必要だ。▼
- [シャロン]
- 学長にふさわしい人材…。
あっ! お兄様!
わたしに心当たりがあります!▼
- [シャロン]
- え、本当かい?
シャロンの知り合いかな。▼
- [シャロン]
- ふふふ、お兄様…
まだ誰かわかりませんかー?▼
- [アルフォンス]
- うーん、誰だろう?
アスク王国にそんな人物がいただろうか。▼
- [シャロン]
- わたしの一押しの学長候補!
それは…。▼
- [アルフォンス]
- まさか、こんなことになるとはね。
たしかに魔道の知識に教養
人格を兼ね備えた人物だけど…。▼
- [シャロン]
- ふふふ、最高の人選でしょう?▼
お兄様! そろそろ
学長の挨拶が始まりますよ!▼
- [ヘンリエッテ]
- アスク王国魔道学院の
設立式典にお集まりのみなさま。▼
初代学長のヘンリエッテが
ご挨拶申し上げます。▼
この魔道学院はアカネイア大陸の
カダインにある魔道学院を手本に
異界の英雄の力を借りて設立しました。▼
- [アルフォンス]
- 母上にお願いしてもよかったのかな?
ただでさえお忙しい身なのに。▼
- [シャロン]
- でもお母様は、ふたつ返事で
引き受けてくださったじゃないですか。
「私でよければよろこんで~」って。▼
- [アルフォンス]
- たしかに、すごくうれしそうだったね。
母上のあんな笑顔は久しぶりに見たよ。▼
- [ヘンリエッテ]
- このアスク王国は、数多の英雄が集う地。
種族も違えば、価値観も違う人々が
ともに集まって暮らす場所です。▼
そして、この学院に集まった
学生や教師も、それぞれまったく違った
経歴を持っています。▼
最初のうちは
いろいろな摩擦もあるでしょう。▼
しかし、みなさんの願いは
ひとつのはずです。▼
それはこのアスク王国に
平和をもたらすこと。▼
そのために我々はともに学び、語り合い
互いを高め合っていきましょう。▼
- [シャロン]
- わあっ! すごい拍手ですよ!
お兄様、わたしたちも拍手拍手!▼
- [マリク]
- すばらしいご挨拶でした。
最高の学長が見つかって
ぼくも肩の荷が下りた気分です。▼
今日のこの式典は
アスク王国の歴史において
意義あるものとなったはずです。▼
- [アルフォンス]
- そうだね。この魔道学院の設立は
英雄達とこの国の
絆の証でもあると思うよ。▼
- [マリク]
- いつか異界の英雄たちが
ヴァイス・ブレイヴから去る日が来ても
この魔道学院は残り続ける。▼
ぼくたちがアスクの地に刻んだ足跡が
この国の未来を照らしてくれれば
こんなにうれしいことはありません。▼
- [シャロン]
- マリクさん
本当にありがとうございました!
マリクさんのおかげで…。▼
- [マリク]
- おっと、シャロン王女。
その言葉は少し早いですよ。▼
式典のあと、すぐ講義があるんです。
大切なのはこれから。
ぼくたちは箱を作ったにすぎません。▼
アスク王国で魔道を志す人たちを
正しい道に導くために
誠実に向き合っていきましょう。▼
魔道は人を幸せにするものと
みんなに知ってもらうために。▼
英雄王の理解者 シーダ†
- [シーダ]
- なんてたくさんのお部屋!
アスク王国のお城は大きいのね。
とても一日じゃ回りきれないわ。▼
- [リズ]
- じーっ。▼
- [シーダ]
- ……。▼
- [リズ]
- じーっ。▼
- [シーダ]
- 気のせいじゃ…ないわよね?
柱の陰から見られているような…
あの、わたしになにかご用?▼
- [リズ]
- えっ!? わわっ、どうしよう!
話しかけられちゃった!?▼
- [マリアベル]
- お、落ち着きなさいな!
話せばわかっていただけますわ!▼
- [リヒト]
- ごご、ごめんなさい!
悪気があったわけじゃないんです!
伝説の英雄を目の前にして、つい…▼
- [シーダ]
- 伝説の…英雄?
誰のことを言っているのかしら?▼
- [リヒト]
- えっ!? それはもちろん
シーダ様のことですよっ!▼
- [シーダ]
- ええっ!?
わ、わたしが伝説の英雄?▼
マルス様ならいざ知らず…
なにかの間違いじゃないかしら?▼
- [リズ]
- もちろん、マルス様も
伝説の英雄だよっ!▼
でも、イーリス大陸で
タリスの王女シーダ様のことを
知らない人はいないし!▼
- [マリアベル]
- わたくしたちは幼子の頃から
英雄王マルスとシーダ王女の話を
聞かされて育ちましたの。▼
- [リズ]
- アリティア国王となったマルス様を
王妃として支えたシーダ様!▼
その可憐な姿を見た敵は戦いをやめ
愛について語れば敵がみーんな涙を流す。
それがシーダ様の伝説!▼
- [シーダ]
- えっ! わ、わたしの話が
そんなふうに伝わっているのですか!?▼
- [マリアベル]
- それに、シーダ様を主役とした劇では
誰もが知る名場面もありますのよ!▼
凄腕の敵剣士を前に
「その剣でわたしを好きなようにして…」
と説得を試みるあの場面!▼
- [リヒト]
- うんうん!
一番盛り上がるところだよね。
感動で鳥肌が立っちゃう!▼
- [シーダ]
- わ、わかりました!
もう十分ですから!▼
わたしの話が伝わっているのは
うれしいですが、なんだか
尾ひれがついてる気が…▼
- [シーダ]
- どうしたものかしら。
まさか、こんなことに
なっているだなんて…▼
- [ドーガ]
- シーダ様ではありませんか。
溜め息をつかれていましたが
なにか悩み事でも?▼
- [シーダ]
- ドーガ!
あなたも来ていたのね。
実は少し困ったことがあって…▼
- (暗転)
- [ドーガ]
- なるほど…
そのようなことがあったのですね。▼
ですが、マルス様が英雄王として
後世に名を残されているのは
我ながら誇らしくもあります。▼
神話のごとく語られる
我が主君の英雄譚…
臣下としてうれしい限りです。▼
- [シーダ]
- そ、そうですね。
マルス様のご活躍を考えれば
当然のことだと思っています。▼
しかし、わたしのことまで
美談として後世に
語り継がれているなんて…▼
- [ドーガ]
- シーダ様はマルス様をお支えになられた、
偉業の立役者ではないですか。
なにもおかしくはありません。▼
- [シーダ]
- ですが、実際のわたしは
小さな島国タリスの王女。▼
戦場では一人の天馬騎士として
微力を尽くしていたにすぎません。▼
神器も持たず、
華々しい戦功を挙げたわけでもないのに
持ち上げられすぎだと思うの。▼
- [ドーガ]
- うーん…私も昔、
大げさな逸話が作られていました。▼
鋼の守備であらゆる敵をはじき返し
数百の軍勢を仁王立ちで受け止めた…▼
その軍勢を槍の一振りで宙に飛ばし
自らも空中に飛び上がって
とどめを刺した、と…▼
クリスから真顔で聞かされたときは
頭を抱えたものです…▼
- [シーダ]
- そ、それはさすがに…
話に尾ひれというか
翼がついているようです。▼
- [ドーガ]
- ですが、人々はいつだって
英雄に憧れ、英雄に夢を抱くもの。▼
偉大であってほしいと願う気持ちも
わからなくもありません。▼
私たち自身が
伝説に残るアンリ様の戦いを
語り継ぐことと同じように。▼
- [シーダ]
- 未来の世界に生きる人たちにとって
わたしたちが英雄アンリのような存在
というわけですね…▼
- [マルス]
- 大丈夫かい、シーダ?
悩んでいるとドーガに聞いたけど。▼
- [シーダ]
- は、はい…。
ですがマルス様のお心を
わずらわすようなことでは。▼
- [マルス]
- 話してくれるかい?
些細なことでも
君の力になりたいんだ。▼
- [シーダ]
- マルス様…。▼
- (暗転)
- [マルス]
- なるほど。
自分の存在が過大評価されている、と
シーダはそう感じたんだね?▼
たしかにぼくも
「英雄王」なんて呼ばれたときは
少しとまどったな。▼
- [シーダ]
- マルス様もですか?▼
- [マルス]
- ははは、もちろんだよ。
ぼくたちが伝承の人物になるなんて
想像もつかなかったからね。▼
- [シーダ]
- 民が英雄に夢を抱き
憧れる気持ちは理解できるんです。▼
だけど、わたしは彼らが思うような
偉大な英雄ではありません。▼
本物のわたしを見て
がっかりさせてしまうのが
なんだか申し訳なくて。▼
- [マルス]
- 悩むことはないと思うよ。
君はいつもどおりに
振る舞っていればいい。▼
- [シーダ]
- えっ?
ですが、それでは…。▼
- [マルス]
- もちろん、本物のシーダは
伝説のシーダとは違うように
彼らの目に映るかもしれない。▼
だけど、その素顔を知ってもらえれば
彼らはきっとシーダのことを
好きになると思うんだ。▼
- [シーダ]
- そ、そうでしょうか…。▼
- [マルス]
- 本物のシーダのほうが
伝説よりもきっと素敵だ。
ぼくが保証するよ。▼
- [リズ]
- あっ、シーダ様!
おはようございます!▼
- [シーダ]
- おはようございます。
今日も気持ちのいい朝ですね。▼
- [マリアベル]
- シーダ様、本日も優雅なたたずまい…
お顔を見るだけで
日々の疲れも吹っ飛んでしまいますわ。▼
- [シーダ]
- あの…実はみなさんに
お話ししたいことがあるのですが
少しよろしいでしょうか?▼
- [リヒト]
- ええっ! ぼ、僕たちに!?
な、なんでしょうか?▼
- [シーダ]
- そんなにかしこまらないで。
気を楽にして聞いてほしいの。▼
わたしはどこにでもいる普通の天馬騎士。
あなたたちが語る逸話のように
特別な英雄ではないわ。▼
- [マリアベル]
- えっ…
なにをおっしゃいますの?▼
- [リヒト]
- そ、そうですよ!
シーダ様といえば英雄の中の英雄で!▼
- [シーダ]
- いいえ、わたしもみんなと同じ
アスク王国の平和を願う
一人の英雄にすぎません。▼
みんなが知る伝説に出てくるような
目覚ましい活躍はできないと思うの。▼
- [リズ]
- シーダ様…。▼
- [シーダ]
- だけど、わたしにもできることがある。
みんなと絆を育み
ともに戦っていくこと。▼
だから、まずは握手をしましょう。
同じヴァイス・ブレイヴの仲間として。▼
- [リズ]
- シーダ様と握手!?
よ、よろこんで!▼
わわっ、柔らかくて温かい手…
お兄ちゃんに自慢しちゃお!▼
- [マリアベル]
- まあ! ずるいですわよ、リズ!
シーダ様! わたくしとも握手を!▼
- [リヒト]
- ぼ、僕もお願いします!
うわぁぁ、緊張する!▼
- [シーダ]
- ふふっ、どうやらわたしは
難しく考えすぎていたようですね。▼
こうして素直に話せば
すぐに打ち解けられたのに…▼
- [リズ]
- こんなに優しくて
わたしたちと同じ目線で
立ってくれるなんて…。▼
やっぱりシーダ様は
思っていたとおりの英雄だよ!▼
- (暗転)
- [シーダ]
- 昨日はリズたちとも友だちになれたし
思い切って話をしてよかったわ。
今日も一日、頑張らなくっちゃ!▼
- (暗転)
- [ティアモ]
- ……!!
シーダ様が出ていらしたわ!▼
- [ソール]
- 握手をしてもらうのは順番だよ。
横入りはダメだからね。▼
- [スミア]
- あの伝説のシーダ様と
お友だちになれるだなんて
まるで夢のよう…きゃあっ!▼
- [ドニ]
- わたたっ!
誰だべ、背中から押したのは!▼
- [ソワレ]
- おいおい、キミはボクの後ろだろう?
ちゃんと並んでくれよ。▼
- [シーダ]
- こ、この行列は
いったいなんの騒ぎですか!?▼
- [フレデリク]
- シーダ様に握手していただけると
友人になれる。▼
その話を聞きつけ、列を作り
あなたをお待ちしていたのです。▼
- [シーダ]
- わたしと握手をするためですか?
廊下の向こうまで列が続いて…
な、何人いるのですか!?▼
- [マルス]
- やあ、シーダ。
悩みは解決できたかい?▼
- [シーダ]
- マルス様!?
せ、先日の悩みは解決したのですが
また新しい問題が…。▼
- [マルス]
- 真心が伝わった結果…なのかな。
さすがはシーダ。
アスク王国でも伝説を作っちゃったね。▼
- [シーダ]
- そ、そんな!?
だから、わたしはどこにでもいる
天馬騎士なんですーっ!▼
コメント
- エルレーンのおもあつで思ったこと、なぜクロニエとコルネリアが手を組んでいるだろう?風花雪月の本編では組んでないのに。 --
Last-modified: 2024-04-23 (火) 18:09:19