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章別会話
守るべきもの†
守るべきもの†
オープニング†
- [イドゥン]
- 私の世界にあるのは…
終わることのない、永遠の闇。
夜よりも濃い、尽きることのない漆黒。▼
果てなく深い闇の中で
私はずっと白く、虚ろな夢を
見続けていました。▼
私の中には何もありません。
想いも、希望も、明日も、昨日も。▼
私の中で渦巻いているのは
人の世を滅ぼす破壊の力。
世界を解放するための力…▼
しかし…今の私にはわからないのです。
この世界は解放を…求めているのか。▼
ただひとつ、確かなことは
私が…この城にいては
いけないということ。▼
私の迷いが破壊の力と交わったとき
それはきっと…皆が望まぬ未来へと
繋がってしまうでしょう。▼
- [ルゥ]
- だから
城を出ていこうって言うんだね。▼
でも、一人で行くあてはあるの?
この世界に呼ばれたばかりで
右も左もわからないんでしょ?▼
- [イドゥン]
- 行くあてなど…ありません。
私にわかるのは、魔竜の私が
ここにいてはいけないということだけ…▼
- [ルゥ]
- うーん。だったらぼくも行くよ。
行かないでって引き止めても
納得してくれそうにないし…▼
どこかでぼくたちみんなが
一緒にいる理由が見つけられれば
城に戻ってくれるんだよね?▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [ルゥ]
- あっ! ちょっと待ってったら。
歩くの速いよー!▼
(場面転換)
- [アルフォンス]
- シャロン、そっちはどうかな?▼
- [シャロン]
- いませんでした…!
イドゥンさん、いったい
どこに行ってしまったんでしょう?▼
何か悩みを
抱えていたのでしょうか…▼
- [ティト]
- お二人とも、どうされたのですか?▼
- [シャロン]
- あっ、ティトさん! 実はですね、
イドゥンさんの姿が見えなくて…▼
- [ティト]
- 暗闇の巫女…イドゥンが?
城からいなくなったのですか?▼
- [スー]
- アルフォンス、シャロン…
彼女なら、今朝、城門で
ルゥと話しているのを見たわ。▼
西の尖塔の上にいたから
会話までは聞こえなかったけど。▼
- [シャロン]
- そんな遠くから城門にいる
ふたりが見えたんですか!?
豆粒ほどの大きさなのに!▼
- [アルフォンス]
- そういえばルゥも見当たらない。
もしかすると、ふたり一緒に
城の外に出ていった可能性も…▼
- [シャロン]
- なるほど! ふたりで仲良く
街に買い物に行ったとか?▼
- [アルフォンス]
- ふたりの関係性を踏まえても
その可能性は限りなく低いかな…▼
- [ティト]
- いずれにせよ…
放っておくわけにはいきません。▼
- [スー]
- 探しに行ったほうがいい。
私も協力するわ。▼
- [アルフォンス]
- 二人とも…
ありがとう、助かるよ…▼
- [ティト]
- シャロン王女は天馬に乗ってもらえますか?
空からふたりを探しましょう。▼
- [シャロン]
- ティトさん、わかりました!
道案内はバッチリしますよ。▼
- [アルフォンス]
- じゃあ、僕とスーは
地上から彼女たちを追いかけよう。▼
- [スー]
- ええ。ふたり共…
すぐに見つかるといいのだけど…▼
- [ルゥ]
- あっ、見て見て!
あそこに綺麗な花が咲いてるよ。
ほら、こっちにも!▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ルゥ]
- アスク王国って本当にいい国だね。
さっき出会った旅商人も
格安で食料を分けてくれたし。▼
- [イドゥン]
- いい…国? それは
人間にとっての…でしょうか?▼
- [ルゥ]
- もちろんだよ。そもそも
ぼくたちがこの世界に呼ばれたのも
アスク王国の平和を守るためだし。▼
- [イドゥン]
- 平和を…守る…
なぜ、世界は平和でなくては
ならないのでしょうか。▼
ゼフィール陛下が私に与えた使命は
人の世を終わらせ、
世界を正しく導くこと…▼
それでは…いけないのでしょうか?
私の力は、そのためにあるのですから。▼
- [ルゥ]
- ダ、ダメだよ、そんなのっ!
平和は大切だよ? 平和じゃないと
みんなが笑って暮らせないんだよ?▼
- [イドゥン]
- 私は魔竜。
あなたが大切と言う平和を
私は壊すことになるのでしょう…▼
- [ルゥ]
- あっ、待ってよ!▼
ぼくはそうは思わないよ。
イドゥンさんにもきっとあるはずなんだ。
平和のためにできることが…▼
(場面転換)
- [シャロン]
- ふたりとも見つかりませんね。
城を出て最初に立ち寄るなら
きっとこの町だと思いましたが…▼
- [ティト]
- ルゥの足では
そう遠くまで行けないと思います。
おそらく方角が違ったのでしょう…▼
……。
最初にこの世界で彼女を見たとき…
私は驚き、そして恐れを抱きました。▼
彼女は、
私たちと敵対するベルン王国軍…
暗闇の巫女と呼ばれる大いなる脅威…▼
- [ルゥ]
- ふぅ、ずいぶん遠くに来ちゃったなぁ。
お城を出る前に誰かにひと言
伝えておけばよかったかな…▼
ねえ、そろそろお城に戻らない?
みんな心配していると思うよ。▼
- [イドゥン]
- あなたひとりで…戻ってください。
私に付き合う理由はないのですから。▼
- [ルゥ]
- 理由ならあるよ!
だって、ぼくたちは仲間じゃないか。
敵同士じゃないんだよ?▼
それにね、ぼくはきみのこと…
なんだか他人とは思えないんだ。▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [ルゥ]
- ぼくにはレイっていう
双子の弟がいるんだ。▼
ぼくよりも頭が良くて強いけど、でも、
レイのことは放っておけないんだ。
いつだって心配しちゃうし。▼
イドゥンさんはレイに似てるのかも。▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [ルゥ]
- 見て。丘の上に村がある。
今日はあそこに泊めてもらおうよ。
ぼくが話をしてくるから待ってて!▼
(場面転換)
- [アルフォンス]
- スー、いったん城に戻ろうか。
彼らが出ていってもう三日になる…
戻って捜索隊を編成しよう。▼
- [スー]
- …さっき行商人から聞いた言葉。
あれが本当なら…もう少し足を伸ばせば
見つかるかもしれない。▼
- [アルフォンス]
- …………。
イドゥンが城から姿を消したのには
きっと何か理由があると思うんだ。▼
もしかすると…彼女自身
僕たちと一緒に戦うことに
迷いがあったのかもしれない。▼
そのことに気付けなかったなんて
僕はまだまだ未熟だ…▼
- [スー]
- 命は大地からの授かりもの。
そして…その命を繋ぐ縁も。▼
エクラの求めに
イドゥンは応えた。
それはきっと、偶然ではないわ。▼
この世界に呼ばれたことは
イドゥンにも必ず意味があると思う。▼
- [アルフォンス]
- うん、僕もそう思うよ。
イドゥンについていったルゥも
きっと同じ想いなんじゃないかな。▼
わかった…予定を変更しよう。
スー、もう少し付き合ってくれるかな。▼
- [スー]
- ええ。▼
- [ルゥ]
- お世話になりました!
みんな元気でね。ほらほら…
イドゥンさんも手を振って。▼
- [イドゥン]
- こう…ですか?▼
- [ルゥ]
- イドゥンさんはすっかり
子どもたちに懐かれてたね。
綺麗なお姉さんだって大人気だし!▼
…あの子たちはね。
戦いや事故で両親を亡くした
身寄りのない子たちなんだって。▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [ルゥ]
- でも、みんな一生懸命生きているし
誰もが幸せそうに笑ってる。
お互いに助け合ってね。▼
ぼくもレイも孤児院で育ったんだ。
辛いのはみんな一緒。だから…
笑顔でいることの大切さはわかるんだ。▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [ルゥ]
- そういえばお別れするときに
なにか渡されていたみたいだけど
なにかプレゼントされたの?▼
- [イドゥン]
- ええ…これは絵、でしょうか。
描かれているのは子どもたちとルゥ、
そして…私…▼
- [ルゥ]
- わぁ、素敵な絵だね!
見て見て、イドゥンさんもぼくも
すっごくいい笑顔をしてるよ!▼
みんな頑張って描いてくれたんだね。
子どもたちには、イドゥンさんが
こんなふうに見えてたんだよ。▼
- [イドゥン]
- この絵のように笑うことが…
私にも…できるのでしょうか。▼
- [ルゥ]
- 大丈夫! できるよ、きっと!▼
- [イドゥン]
- 守るべき平和とはなんなのか…
この世界が続くことに意味があるのか…
私には…わかりません。▼
だけど、あの子どもたちの…
笑顔を失いたくない…
そのことは、わかる気がします。▼
- [ルゥ]
- イドゥンさんならあの子たちの
笑顔をきっと守れるよ。だって
すごい力を持っているんだもん。▼
- [イドゥン]
- 私に…守れるというのですか?▼
…………▼
- [アルフォンス]
- イドゥン、ルゥ!
よかった、無事だったか。▼
- [シャロン]
- ようやく見つけました!
みんな心配したんですよー!▼
- [ルゥ]
- あっ! みんな!
ご、ごめんなさい…
きっと心配かけちゃったよね。▼
- [イドゥン]
- 私が…勝手に城を出たのです。
みなさん、申し訳…ありません。▼
- [スー]
- 無事で良かった、二人とも。▼
- [ティト]
- イドゥン…私はあなたのことを何も知らない。
元の世界では私たちは敵同士で…
言葉を交わす機会さえなかった…▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ティト]
- だから、あなたと話がしたいの。
あなたのことをもっと知りたい、
これから共に戦う仲間として。▼
- [シャロン]
- そうですよ、イドゥンさん!
なにか悩みがあるなら
遠慮なく話してくださいね!▼
- [スー]
- 仲間が…親しい者たちが
散り散りになるのは悲しいもの。
わたしたちはひとつなのだから。▼
- [イドゥン]
- …ありがとう…ございます。▼
- [アルフォンス]
- さあ、みんなで帰ろう。
僕たちの城に。▼
- [イドゥン]
- 私の中に、温かな何かを感じます。
この気持ち…遠い昔に私も
知っていたような気がします…▼
私の中には、何もなかった…
そう思っていたはずなのに…▼
- [ルゥ]
- 大丈夫。
何もないなら作ればいいんだよ。
みんなで助け合ってね!▼
- [イドゥン]
- もしかしたら…いつか…▼
私にも、見つかるかもしれません。
この世界に呼ばれた意味が。
本当に…守るべきものが。▼
暗闇の巫女 イドゥン†
- [シャロン]
- おはようございます、イドゥンさん。
今日もいい天気ですね!▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [シャロン]
- え、えーっと、必要なものとか
困っていることはありませんか?
もっと美味しいものを食べたいとか…▼
- [イドゥン]
- …いえ。
私からみなさんに望むものは…
なにもありません。▼
- [シャロン]
- そ、そうですか。
でも…なにかあれば
遠慮なくおっしゃってくださいね。▼
- [イドゥン]
- ……▼
(場面転換)
- [アルフォンス]
- …なるほど。
そんなことがあったんだね。▼
- [シャロン]
- はい。わたしはイドゥンさんと
もっと仲良くなりたいんですけど…▼
- [アルフォンス]
- 彼女はもともと神竜と呼ばれる
神聖な存在だったと聞く。▼
でも、人と竜が争った戦争で
人間を滅ぼすための魔竜に改造され
そのときに心を失ってしまったと…▼
- [シャロン]
- イドゥンさんも
戦争の被害者なんですね。▼
- [アルフォンス]
- だけど、今は僕たちの仲間。
ヴァイス・ブレイヴの一員だ。▼
- [シャロン]
- はい。
イドゥンさんの力になれることがないか
わたし、がんばってみます!▼
- [シャロン]
- イドゥンさん、こっちです!
見せたい場所があるんです!▼
- [イドゥン]
- ここは…?▼
- [シャロン]
- はい!
英雄さんやお城の人たちで
手入れしている花壇なんです。▼
- [イドゥン]
- ここで…何を?▼
- [シャロン]
- イドゥンさん!
ここでお花を育ててみませんか?▼
- [イドゥン]
- 花を…育てる?▼
- [シャロン]
- ちょうどあの一角が空いているので
イドゥンさんの花壇にしましょう!
きっと楽しいですよ!▼
- [イドゥン]
- …………▼
- [シャロン]
- ぜ、全然心に響いていない感じですね…?
大丈夫です、わたしやほかの英雄さんも
お手伝いしますから!▼
はい、これが花の種です。
イドゥンさんの好きなお花を
植えてみてください!
- [イドゥン]
- …………▼
この行為に…
意味はあるのでしょうか…▼
- [アルフォンス]
- 近頃、イドゥンの姿を
よく見かけるようになったけど
花を育てているみたいだね。▼
- [シャロン]
- 最初は気が進まないようでしたけど
今はイドゥンさんも小まめに
花壇に足を運んでいるみたいです。▼
- [アルフォンス]
- うん。はじめて会った頃よりも
イドゥンの雰囲気がなんだか
柔らかくなったように感じるよ。▼
- [シャロン]
- はい! お花の世話を通じて
わたしとお話ししてくれるようにも
なったんですよ!▼
- [アルフォンス]
- 僕が見た印象では
イドゥンの隣でシャロンが
はしゃいでいるだけに見えたけど…▼
それでもイドゥンに何かしらの
変化が起きたならいいことだね。▼
(場面転換)
- [イドゥン]
- …………▼
- [シャロン]
- イドゥンさん!
お花も順調に育ってますね…!
このつぼみ、明日にも咲きそうです!▼
- [イドゥン]
- そう…ですね。▼
はじめは…花を育てることに
どんな意味があるのか
私にはわかりませんでした。▼
儚く、短い命。
その命へと心血を注ぐことに
意味はあるのか…▼
だけど…うまく言い表せませんが
短いからこそ、儚いからこそ…▼
見守らねばならないような…
手を差し伸べねばならないような…
そんな気持ちに…なるのです。▼
- [シャロン]
- イドゥンさん…▼
- [イドゥン]
- こんな気持ちになったのは、はじめて。
いえ、もしかすると…昔の私は
知っていたのかも…しれません。▼
- [シャロン]
- …ん?
あれ、雨が降ってきたみたいです。
さっきまで晴れていたのに。▼
イドゥンさん、中に入りましょう。
濡れたままだと風邪を引きますよ。▼
- [イドゥン]
- ええ…▼
- [シャロン]
- イドゥンさん、よかったですね。
ひどい雨でしたけど、
お花は無事でした!▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [シャロン]
- 花びらは少し散っちゃいましたけど
それでもしっかり咲いていますよ!▼
- [イドゥン]
- 命とは…
たくましいものなのですね。▼
- [シャロン]
- たくましく咲いているのは
イドゥンさんが愛情を注いで
お世話してくれたからですよ。▼
- [イドゥン]
- 私…が?▼
- [シャロン]
- はい。このお花のように何かを育み
ほかの命に未来を与えることだって
イドゥンさんにはできるんです!▼
- [イドゥン]
- …………。
私が…この世界に呼ばれた理由。
それはまだ…私には、わかりません。▼
ですが…私にも
別の未来を描ける可能性が…
あるのでしょうか。▼
- [シャロン]
- はい、きっとありますよ!
だって昨日までつぼみだった
この花も咲いているんですから!▼
- [イドゥン]
- これが…命…
鮮やかな…色。▼
- [シャロン]
- 綺麗な花びら…この色
どこかイドゥンさんの
瞳の色に似てますね!▼
イドゥンさん、これからも一緒に
たくさんの花を咲かせましょうね!▼
草原の牝鹿 スー†
- [スー]
- …………▼
- [アルフォンス]
- どうかしたかい?
誰かを探しているみたいだけど。▼
- [スー]
- じじを…
勇者ダヤンを探している。▼
- [アルフォンス]
- ダヤン…?
うーん、その名前の英雄は
この城にいなかったような…▼
- [スー]
- ダヤンは「灰色の狼」と呼ばれる
クトラ族が誇る草原の勇者。
そして、私のじじ…祖父なの。▼
- [アルフォンス]
- なるほど。スーにゆかりがある
英雄を探していたんだね。▼
- [スー]
- じじの勇敢さと誠実さは一族の誇り。
じじこそ英雄の中の英雄…▼
そしてこの城には
あらゆる世界の英雄が集っている。
じじがいてもおかしくはないわ。▼
だけど…見つからない。
じじほどの勇者が
どうしていないのかしら…▼
- [アルフォンス]
- 僕にはわからないけど
エクラなら
何か知っているかもしれないね。▼
- [スー]
- エクラ…▼
ありがとう、アルフォンス。
じじのこと、聞いてみるわ。▼
- [アルフォンス]
- エクラから
ダヤンのこと…
なにか聞けたかい?▼
- [スー]
- ええ、ついさっき聞いてみたわ。
どうしてじじを
この城に呼ばないのかを。▼
召喚する英雄…
それはエクラ自身も
決められないそうよ。▼
私には難しいことは
よくわからないけれど…▼
英雄とエクラの…
そしてこの大地との縁が繋がるのは
一期一会のような出会い。▼
その縁をたどって英雄は
この世界にやってくる。▼
エクラが
話してくれたのは
そういうことだったと思う。▼
- [アルフォンス]
- そういえば僕も
エクラに
聞いた気がするよ。▼
- [スー]
- じじとの縁は
まだ繋がっていない。▼
だから、ここにじじはいない。
そういうことになるわね…▼
- [アルフォンス]
- スー、どうしたんだい?
何か考え事かな。▼
- [スー]
- …………▼
じじは私より何倍も強く
そして私が知る限り…
誰よりも勇敢な英雄。▼
そして、この城にいるのは
じじに勝るとも劣らない
勇気と強さを持った英雄たち。▼
本来、ここにいるべきは
私ではなくじじなのに…▼
- [アルフォンス]
- スーはこの世界に必要だよ。
必要な存在だから呼ばれたんだ。▼
- [スー]
- わかっているの。
でも、私はまだまだ未熟。
じじには遠く及ばない…▼
ただ、縁があるというだけで
この世界に私がいることは…
本当に皆のためになるの…?▼
- [アルフォンス]
- スーがそう考えるのは
仕方ないことかもしれないけど
それは現在の話に過ぎないよ。▼
でも未来は違う…
これからスーはダヤンより
強くなるのかもしれないからね。▼
君をこの世界に呼んだ
エクラは
そう信じているはずだ。▼
- [スー]
- ……▼
- [アルフォンス]
- もちろん、僕も信じているよ。▼
- [スー]
- アルフォンス…ありがとう。▼
わかったわ…私も
もう一度考えてみる。
この世界に呼ばれた、意味を。▼
- [アルフォンス]
- スー、調子がいいみたいだね。
弓も百発百中じゃないか。▼
- [スー]
- ええ、心が穏やかになって…
風の声が聞こえるようになったわ。▼
アルフォンスや
エクラは
私に期待してくれている。▼
だから、その期待に応えたい。▼
- [アルフォンス]
- そうだね…勇者ダヤンの代わりではなく
スーにしかできないことを
見つけていけばいいんだよ。▼
- [スー]
- ええ。心を鎮め、天地の声を聞けば
私がこの世界で成すべきことは
きっと見つかると思う。▼
- [アルフォンス]
- いつか、ダヤンとこの世界の
繋がりが生まれたら…
彼も呼ばれるかもしれないね。▼
- [スー]
- そのときはじじに
情けない姿を見せられない。
成長した私を…見せたい。▼
私は…もっと強くなる。
そして、何物にも怯まぬ勇気を胸に…
仲間のために戦う…▼
理の申し子 ルゥ†
- [アンナ]
- あら、ルゥ。そんなに急いで
どこにいくのかしら?▼
- [ルゥ]
- こんにちは、アンナ隊長!
英雄のみんなに
お話を聞いて回ってるんだ。▼
このお城はすごいね!
伝説の魔道書を持つ英雄や
未知の魔法を知る英雄もいるんだよ。▼
毎日ワクワクしっぱなしだよ!▼
- [アンナ]
- そう。
毎日が充実するのはいいことね。▼
- [ルゥ]
- すごいのは魔法だけじゃないよ!
馬や天馬で戦場を自在に駆けて
大活躍する魔道士もいるんだ!▼
ぼくも馬や天馬に乗れたら
もっと活躍できるのかなぁ。▼
- [アンナ]
- たしかに…もしそうなったら
いろいろ活躍しやすそうな気が
するわね。▼
- [ルゥ]
- やっぱり…!?
善は急げだよね!
ぼく、習いに行ってきます!▼
- [アンナ]
- ちょ、ちょっと、ルゥ!
意気込むのはいいけど
無理せずほどほどにね!?▼
あの子、舞い上がってたけれど
あの調子で大丈夫かしら…▼
- [ルゥ]
- ねえ、どうして
スーさんはそんなに上手に
馬に乗れるの?▼
- [スー]
- どうして…?
昔からずっとそうしてきたから、
考えたことはなかったけど…▼
- [ルゥ]
- 何か秘訣ある?
お願い、教えてよ!▼
- [スー]
- 馬に乗るために…大事なことは
馬の気持ちを理解すること。
馬と気持ちをひとつにするの…▼
- [ルゥ]
- そっかぁ。馬と気持ちを
ひとつにするんだね!▼
(場面転換)
- [ルゥ]
- よっ…と。わ、わわっ!?
馬にまたがってバランスを取るのって
思っていたよりも難しいんだね!▼
- [スー]
- 大丈夫。優しく手綱を引いて…
そう。慌てず怯えず、ゆっくりと。▼
- [ルゥ]
- 慌てず怯えず…
こ、こんな感じでいいのかな?
よし、ここで魔道書を開いて…うわっ!▼
- [スー]
- …! 危ない…!
ルゥ、片手では危ないわ。
両手で手綱をしっかり握って…▼
- [ルゥ]
- わ、わわっ! お、落ちるっ!
どうどう…鎮まれ…どうどう…
怖くないよ、怖くないから…!▼
- [スー]
- …馬の気分も
少し落ち着いてきたみたい。▼
- [ルゥ]
- 手綱から手を離した途端、
馬の背中から
振り落とされるかと思ったよ。▼
- [スー]
- 乗りこなせるようになるには
まだまだ時間がかかりそう。
…あなたの魔道書は…?▼
- [ルゥ]
- あーっ! 両手で手綱を
握った拍子に落としちゃった!
ど、どこにやったのかな…?▼
- [スー]
- 草むらに落ちたのかも。
私も探すのを手伝うわ。▼
- [ルゥ]
- …迷惑かけてごめんなさい。▼
でも…馬に乗るのって
思ってたよりも難しいなあ。
ぼくには向いてないのかも…▼
- [ルゥ]
- ねえ、どうして
ティトさんはそんなに上手に
天馬に乗れるの?▼
- [ティト]
- どうして…?
そうね、天馬騎士を志して
訓練を重ねてきたけれど…▼
- [ルゥ]
- 何か秘訣ある?
お願い、教えてよ!▼
- [ティト]
- 天馬に乗るために…大事なことは
天馬の気持ちを理解することよ。
天馬と気持ちをひとつにするの…▼
- [ルゥ]
- そっかぁ。天馬と気持ちを
ひとつにするんだね!▼
あれ? 今のやりとり…
前もあったような気がするなぁ。▼
- [ティト]
- 天馬は繊細な生き物だから…
私たちはみんな、
仲良くなることから始めたわ。▼
- [ルゥ]
- うんっ、わかったよ!▼
(場面転換)
- [ティト]
- 驚いたわ…
この子は穏やかな性格だけど
ここまでルゥに気を許すなんて。▼
- [ルゥ]
- この天馬、とっても優しい子だね。
この子ならぼくも乗りこなせるかも!▼
- [ティト]
- あの、ルゥ、残念だけれど…▼
この子たちは、
男の人は乗せられないの。▼
- [ルゥ]
- ええっ!?
そ、そうなの…?▼
- [ティト]
- ごめんなさい。あなたが
天馬に乗りたいという話だったのね。
もっと早く気づけば良かったわ…▼
- [ルゥ]
- ううん、ぼくの方こそ、
色々聞いちゃってごめんなさい…▼
ぼく、べつの方法を考えてみるよ!▼
- [アンナ]
- ルゥ、おつかれさま!
騎馬魔道士や天馬魔道士になる
練習ははかどってる?▼
- [ルゥ]
- アンナ隊長…それがね…
どっちも
ぼくには向いてなかったみたい…▼
付き合ってくれた
みんなにも迷惑かけちゃったしね。
ぼくってダメだなぁ。▼
- [アンナ]
- そ、そうだったのね。でも
騎馬や天馬に乗れないからって
落ち込む必要はないわ。▼
このお城には
騎馬や天馬に乗れなくても
活躍している英雄はたくさんいるし!▼
- [ルゥ]
- …………▼
- [アンナ]
- まあ、ルゥの気持ちもわかるけど
大切なのは日々の積み重ねかしら。▼
自分ができることをコツコツと。
英雄たちはみんな、そうやって
強くなっていったと思うわよ。▼
- [ルゥ]
- う、うん…そうだよね。▼
背伸びしたってダメなんだ。
ぼくができることを頑張らないと…
かえってみんなに迷惑をかけちゃう。▼
ありがとう、アンナ隊長。
ぼく、目が覚めたよ!▼
まずは一人前の
魔道士になれるように頑張るよ!▼
- [アンナ]
- ええ、ルゥなら大丈夫。
期待しているわよ!▼
疾風の天馬騎士 ティト†
- [ティト]
- アンナ隊長…
少しよろしいでしょうか。▼
- [アンナ]
- ん? なにかしら。
武器や防具で入り用なものがあれば
格安で用意するわよ。▼
- [ティト]
- いえ、今のところ装備に
不足はありません。それよりも…▼
お願いがあるのです。
ヴァイス・ブレイヴと
傭兵としての契約を結びたいのです。▼
- [アンナ]
- えっ? ええと…▼
それはみんなと同じ
ヴァイス・ブレイヴの
一員としてではなく▼
このアスク王国に
雇われた傭兵として戦いたい、
ということ?▼
- [ティト]
- はい。
そう思っていただいて
構いません。▼
- [アンナ]
- うーん…
こう、あなただけ特別に、
…っていうのもねえ。▼
よかったら
理由を聞かせてくれないかしら。▼
- [ティト]
- 私は今まで…
イリア天馬騎士団の傭兵として
戦ってきました。▼
ですから、アスク王国においても
これまでと同じように
傭兵として戦いたいのです。▼
もちろん、分不相応な報酬を
頂くつもりはありません。▼
私の働きに応じて
この世界の相場に倣った額を頂ければ
それで結構です。▼
- [アンナ]
- …………
わかったわ、ティト。▼
戦う理由や動機はそれぞれだもんね。
私が契約を取りまとめてみるわ。▼
- [ティト]
- 勝手な申し出を承諾して頂き、
ありがとうございます。▼
傭兵として契約するからには
必ずや報酬に見合う
活躍をしてみせます。▼
- [アンナ]
- ティト、
契約の内容がまとまったわ。▼
- [ティト]
- アンナ隊長。
お取り計らいありがとうございます。▼
- [アンナ]
- いろいろ考えてみたんだけれど
ティトをこの世界に召喚したのは
エクラよ。▼
だから、アスク王国ではなく
エクラが
雇い主ということにしたわ。▼
報酬は心配しないで。
そこは私たちヴァイス・ブレイヴから
支払われるから。▼
はい、これが契約書ね。
内容を確認してもらえるかしら。▼
- [ティト]
- …………、…………
確認しました。
この契約内容で問題ありません。▼
これで契約は成立ですね。
私の力、ヴァイス・ブレイヴで
存分に使ってください。▼
- [アンナ]
- ええ、期待しているわよ!▼
- [アルフォンス]
- やあ、ティト。
昨日の戦いでは大活躍だったね。▼
- [ティト]
- 私は頂いた報酬に見合う働きを
しなければなりませんから。▼
ここにいる英雄のほとんどが
報酬の有無に関わらず、平和のため…
無償で戦っているのは知っています。▼
しかし私は貧しい雪国イリアの出身。
寒さに凍え、腹を空かせて倒れる
人々をたくさん見てきました。▼
- [アルフォンス]
- …………▼
- [ティト]
- 無償の献身、それはとても尊く
気高い志だと思います。▼
しかし…志だけでは飢えはしのげません。
私たちが傭兵として働くのは、
祖国の皆が生きていくため…▼
すみません…
このような話をするつもりは
なかったのですが。▼
- [アルフォンス]
- いや、ありがとう。話してくれて。
ティトの考えはよくわかったよ。▼
- [ティト]
- 次の戦いの準備がありますので。
それでは失礼します。▼
- [アルフォンス]
- …………。
志だけでは飢えはしのげない、か。
重い言葉だ…▼
- [アルフォンス]
- ティト、聞いたよ。
君は傭兵として得た報酬を
困っている人々に施してるって。▼
- [ティト]
- ……。この世界で得た対価は、
私の祖国では使うことができません。
ですから、これは…▼
私自身が、イリア天馬騎士団の
傭兵として生きていくために
行っていることです。▼
- [アルフォンス]
- そうか…君にとっては、
大切なことなんだね。▼
- [ティト]
- 『傭兵として一度交わした契約は
決して裏切らない』…
それがイリア騎士の誓いです。▼
たとえ親兄弟が敵に回っても戦う…
だからこそ、雇い主から信頼を得、
貧しい祖国は生きていくことができます。▼
誓いは、私の力になります。
祖国イリアのためにも、必ず任務を果たす…
そう信じることができます。▼
- [アルフォンス]
- 国を想う者の誓い…だね。
僕も未熟ではあるけれど、
その気持ちはわかるつもりだよ。▼
僕も、国を…民を守るため
精一杯の努力を重ねていきたい。
ティトも力を貸してくれるかい?▼
- [ティト]
- もちろんです。
私は一度交わした契約を
決して違えることはありません。▼
イリアの誇りに誓って…
この槍を振るい続けましょう。▼
コメント†
Last-modified: 2020-09-24 (木) 18:46:35