[広告]

章別会話

夢の果ての光

夢の果ての光

オープニング

[アルフォンス]
ソフィア騎士マイセン…
アルムを立派な戦士に育て上げたその手腕、
ぜひ僕たちにも貸していただきたい。▼
[マイセン]
アルフォンス王子の志、受け取りました。
この老いぼれでよければ
いくらでも力となりましょう。▼
[アルフォンス]
そして、バレンシア大陸に
その名を響かせていた魔道士ソニア。
君の力も期待しているよ。▼
[ソニア]
こんな素敵な装束まで
用意してもらったんですもの。
それなりの働きはしてみせるわ。▼
[アルフォンス]
ヴァイス・ブレイヴは新しい仲間を
大いに歓迎するよ。アスク王国の民のため
存分に力を発揮してほしい。▼
(暗転)
[マイセン]
……。▼
なにやら騒がしいな?
夜明けにはまだ時間が
あるはずだが…。
……!? 空気が焦げ臭い?
もしや…敵襲か!▼
(暗転)
[マイセン]
こ、これは…どういうことだ!?
アスク王国の城が…
炎に包まれている!▼
炎は城下町のほうまで…
くっ、なんたることだ!▼
誰か、誰かいないのか!?
アルフォンス王子!
シャロン王女!▼
炎のまわりが速い!
アルム! セリカ!
いるなら返事をしてくれ!▼
[アルム]
……。▼
[マイセン]
おお、アルム!
無事だったか!▼
[アルム]
マイ…セン……逃げ…。▼
[マイセン]
アルム!? こ、この傷は?
おいっ! 目を開けろ!▼
[セリカ]
……。▼
[マイセン]
セリカ…!
い、いや…この禍々しい気配は…。
まさか、アルムをやったのは
セリカ…お前なのか…!▼
[ソニア]
マイセン! 離れて!
その子は…あなたの知っている
セリカじゃないわ。▼
[マイセン]
ソニア!? どういうことだ?
わしが知っている
セリカではないだと?▼
[ソニア]
今の彼女は…
何者かに魂を捧げ
魔女と成り果てた状態。▼
[マイセン]
魔女だと?
セリカ! 目を覚ませ!▼
お前にはやらねばならぬことが
あるだろう! アルムとともに
果たさねばならぬ使命が!▼
[セリカ]
……!▼
[マイセン]
くっ…! セリカ! 剣を引け!
お前が戦う相手はわしではない!
目を覚ませ…▼

C

[マイセン]
……。▼
ここは…?
城は炎に包まれていたはずだが…
……!? アルム、セリカは?▼
そうか、夢か。
それもとびきりたちの悪い悪夢とは…▼
しかし、夢にしては妙に生々しい。
なにかの予兆か…それとも…▼
ふむ、胸騒ぎがする。▼
確かソニアの姿も夢に出ていたな。
様子を見てみるか…▼
(暗転)
[マイセン]
失礼する。マイセンだ。
ソニア、部屋にいるか?▼
……!?▼
なんだ、今の音は!
部屋の中からか!
入るぞ、ソニア…!▼
[マーラ]
……。▼
[ヘステ]
……。▼
[マイセン]
むうっ! こやつらは?▼
[ソニア]
彼女たちは…
ドーマに魂を捧げ、魔女となった者たち。
私の姉、マーラとヘステよ。▼
[マイセン]
これが…ソニアの姉君だと?▼
[ソニア]
ドーマ教団にいたはずの姉さんたちが
どうしてアスク王国に…。▼
だけど、ここにいるのは好都合よ。▼
姉さんたちの魂は
私が絶対取り戻してみせる。▼
[マーラ]
口では…なんとでも言えるわ。▼
[ヘステ]
絶対に…なんて。
そうやすやすと…約束できるの?▼
[ソニア]
……。▼
[マーラ]
ソニア…あなたの命を差し出せば
私たちが元に戻ると…したら。▼
[ヘステ]
あなたはそれでも…
命を差し出すの?▼
[ソニア]
それは…。▼
[マーラ]
答えられないなら…
ここで、死んで…。▼
[マイセン]
魔道か…! ソニア、避けろ!▼
[ソニア]
……!▼
[マイセン]
くっ! 間に合わぬか!▼
[ピアニー]
あぶないっ! 伏せて!▼
(白く光る)

B

[マイセン]
くっ…。ここは?
頭にモヤがかかったように 重苦しい…。▼
[ソニア]
さっきの姉さんたちは…夢?
幻影…だったの?▼
[ピアニー]
二人とも大丈夫?▼
[スカビオサ]
…………▼
[マイセン]
お前たちがわしらを
助けてくれたのか…礼を言う。▼
[ソニア]
その羽…なるほど、あなたたちが
ヴァイス・ブレイヴに協力している
夢の世界の妖精なのね。▼
[ピアニー]
私はピアニー。
夢の国、アルフの妖精なの。
よろしくね!▼
ほらほら、スカビオサも
ちゃんと挨拶しましょ。▼
[スカビオサ]
…単刀直入に言うわ。
あなたたちがいるここは…
夢の中の世界。▼
[マイセン]
夢の世界だと?▼
もしや、アスク王城が炎に包まれ
セリカが魔女となったあの光景から…
ずっと夢が続いていたというのか?▼
[ピアニー]
さっき見たソニアのお姉さんたち…
あれも夢の中の出来事なの。▼
[ソニア]
でも、おかしいわね。
どうして私とマイセンが
同じ夢を見ているのかしら?▼
[スカビオサ]
虚無の影響よ。▼
虚無には形も色も匂いもないわ。
夢を侵食し、夢を引き裂き、
夢を見る者の心を壊す…▼
[ソニア]
どうすれば虚無を
追い出すことができるの?▼
[ピアニー]
虚無に対抗するのは心の力。
明日を…夢をあきらめない、
強い心が必要なの。▼
[ソニア]
あきらめの悪さなら自信があるわ。
やるしかないなら…
覚悟を決めるわよ。▼
[ピアニー]
私たちも手伝うわ。
さ、行きましょ。
夢の一番深い場所に!▼

A

[ピアニー]
みんな、気をつけて。▼
[スカビオサ]
近くに…虚無の存在を感じる。▼
[ソニア]
……!? あれは?▼
[アルム]
……。▼
[セリカ]
……。▼
[マイセン]
アルム…セリカ…▼
[マーラ]
……。▼
[ヘステ]
……。▼
[ソニア]
姉さん…また現れたわね。▼
[スカビオサ]
気をつけて…来る!▼
[アルム]
はぁっ! せやっ!▼
[マイセン]
ぐっ! やめぬか!
お前が剣を向ける相手は
わしではない!▼
[アルム]
いや、僕が剣を向ける相手は
マイセンだ…。▼
逃れられる運命だと…
僕に…僕たちに
バレンシアを救う役目を押し付けた。▼
[セリカ]
私たちに過酷な運命を背負わせて…
辛い戦いへ…駆り立てて…。▼
[アルム]
そんなにバレンシアを救いたいなら
自分が先頭に立てばいい…
それを…!▼
[ピアニー]
危ないっ! 避けて!▼
[マイセン]
……。
そのような腰の入らぬ剣、
避けるまでもない…せやぁっ!▼
[アルム]
ぐっ…!▼
[マイセン]
わしは…わしらは…
お前たちだけに辛い運命を
背負わせたわけではない。▼
あの戦いは皆で背負い
皆で血を流しながら
前に進んでいった。▼
本物のアルムとセリカなら
それがわからぬはずがなかろう!▼
[ソニア]
さっき姉さんたちは
私に覚悟を問いただしたわね。▼
[マーラ]
ええ…。私たちを
絶対に助けると言いながら…。▼
[ヘステ]
ソニア…あなたには…
命を投げ出す覚悟がない…。▼
[ソニア]
笑わせるわね。
私の命と引き換えに
姉さんたちが助かるですって?▼
私が命を捧げたとして
姉さんたちが助かる保証が
どこにあるの?▼
私が命を失えば
姉さんたちが本当に助かったかどうか
確認するすべもないじゃない。▼
[マーラ]
……。▼
[ソニア]
私は絶対にやり遂げる。
私は私のやり方で、姉さんたちの
魂を取り返してみせる。▼
都合のいい話にすがるような
あやふやな気持ちで
私は未来を望みはしない!▼
[ヘステ]
黙って…! 望みを叶えたいのなら…
私たちにあなたの命を…
魂をちょうだい…!▼
[スカビオサ]
……! 気をつけて!▼
[ソニア]
ふん、話を聞いていなかったの?
私はこんなところで…
命を落とすわけにはいかないのよ!▼
魔器カリブルヌスよ…
我が敵を穿て!▼
(白く光る)
[マーラ]
ぐぅっ…! あ、あああっ…!▼
[ピアニー]
今よ、スカビオサ!
夢見る人の心を…▼
[スカビオサ]
奪わせはしない…!▼
(白く光る)
[マイセン]
おお、幻影が消えていく。▼
[ソニア]
偽物の姉さんたちに用はないわ。
もう二度と私の夢に現れないで。▼
[ピアニー]
良かった。
みんなの心が
虚無を跳ねのけたのね。▼
[マイセン]
ふむ…。なんとかなったか。▼
しかし虚無とやらはどうやら
わしらの心の中にある葛藤や罪悪感に
つけこむらしい…。▼
生きている限り
向き合い続く悩みを利用することで
夢に侵食しようとしていたのだろう。▼
[ソニア]
言い換えれば、その悩みこそが
私たちが先に進むために
乗り越えなくてはいけないもの。▼
私は絶対に負けないわ。
やるべきことを
成し遂げるそのときまで。▼

献身の夢 スカビオサ

C

[プルメリア]
ああ、めまいがします。
このアスク王国で人間たちと共に
過ごすことになるなんて…▼
[スカビオサ]
…………▼
[プルメリア]
いやらしい人間たちの欲望に
満ちた視線を向けられるかと思うと…
とても心穏やかに眠れません。▼
[スカビオサ]
…ピアニーは
彼らと仲良くしているようね。▼
[プルメリア]
あのお花畑妖精のように
何も考えず無防備で過ごすなんて、
私にはとても無理です。▼
人間たちとずっと共にいるなんて
考えられません。
スカビオサ、あなたもそうでしょう?▼
[スカビオサ]
…そうね。
悪夢の妖精は、
人を幸せにはできない…▼

B

[スカビオサ]
…そこの物陰にいるのは…誰?▼
[サーリャ]
貴方がスカビオサね?
私はペレジアの呪術師、サーリャ。▼
突然だけど、貴方に頼みがあるの。
私に…悪夢を見せてくれないかしら。▼
[スカビオサ]
……。▼
私は、悪夢の妖精スカビオサ。
私の見せる夢は、悪い夢。
あなたたち人間の嫌う悪夢。▼
心と魂を削る…
そんな陰鬱な夢を
好きこのんで見たいというの?▼
[サーリャ]
ええ。
だから貴方を探していたのよ…▼
遠慮はいらないわ。
早くその悪夢とやらを
私に見せて…▼
[スカビオサ]
なぜ、悪夢を…?▼
[サーリャ]
呪術師は人に呪いをかけるのが生業。
ペレジアでは人にさまざまな呪いを
かけるための術が確立されている。▼
だけど、呪術は知識だけで
会得できるものではないわ。
さまざまな経験や想像力が必要…▼
私がより過酷な悪夢を知ることで
その悪夢を他人に対して
再現することができる…▼
[スカビオサ]
……▼
[サーリャ]
最悪の悪夢を知るものは
最悪の呪いを放つことができるのよ。▼
呪術師として成長するためにも…
私は悪夢をより深く知る必要がある。▼
そのために…
貴方の力を借りたいのよ。
ふふ…ふふふ…。▼
[スカビオサ]
そう…
でも、最悪の悪夢を見ることで…
あなた自身の心が傷つくかもしれない。▼
[サーリャ]
ふふっ…問題ないわ…。
悪い夢にうなされたという理由で
愛しいあの人を頼る口実になるもの。▼
私が沈んでいれば沈んでいるほど…
あの人はきっと私のことを
励ましてくれるはずよ。▼
まさに一石二鳥とはこのこと…
ふふ…ふふふ…▼
[スカビオサ]
悪夢を望む…
人間は…不思議ね。▼

A

[スカビオサ]
……。
私になにか用?▼
[リンハルト]
スカビオサさん、ですよね?
用件はひとつだけです。
僕に悪夢を見せてほしいんです。▼
[スカビオサ]
あなたも…
誰かを呪いたいの?▼
[リンハルト]
…呪い?
僕が主に学んでいるのは紋章学で
呪いは範疇外かなあ。▼
[スカビオサ]
なぜ、悪夢を…?
夢の中で苦しみたい理由が
あるというの?▼
[リンハルト]
悪夢は辛く苦しいもの…
そこが大事なんです。▼
[スカビオサ]
どういう意味かしら。▼
[リンハルト]
試したいことがあるんですよ。▼
たとえば、すごく興味のある講義を
受けているときに眠くなったら
困るじゃないですか。▼
[スカビオサ]
大切な話を…
居眠りで聞き逃したくない…
ということ?▼
[リンハルト]
ほかにも限られた時間を使って
紋章の研究をしているときに
眠くなっても困るわけです。▼
だけど、寝ることは僕にとって
趣味のようなものなので
そこを改める気にはなれません。▼
[スカビオサ]
……▼
[リンハルト]
そこで悪夢を見せてもらうんです。
うかつに眠ると
また悪夢を見るかもしれない。▼
眠った先には
心を削ぐような恐ろしい夢が
待っているかも…▼
そう構えておけば
居眠りを抑止する効果が
得られるかもしれません。▼
試してみる価値は
あると思うんですよね。▼
[スカビオサ]
そういうものかしら。
私にはよくわからないけれど…▼
いいわ。
望むというなら…
悪夢を見せてあげる…▼
(暗転)
[リンハルト]
…あっ、スカビオサさん。
この前はありがとうございます。
おかげで悪夢を見ることができました。▼
[スカビオサ]
そう…それで?▼
[リンハルト]
結論から言えば
特に居眠りが減ることは
ありませんでした。▼
むしろ、目が覚めたときに
夢でよかったと安堵できるせいで
眠ることが前より楽しくなりました。▼
その影響もあってか
居眠りが増えた気がします。▼
[スカビオサ]
逆効果だったというわけね…▼
[リンハルト]
でも、面白い体験ができました。
ありがとうございます
スカビオサさん。▼
[スカビオサ]
……▼

S

[プルメリア]
ああ、もう耐えられません…
水浴びをしている間も、どこかに
いやらしい人間がいるかもと心配で心配で…▼
[スカビオサ]
…そう。▼
[プルメリア]
やはり、人間たちと私たち黒妖精は
共に入られません。
スカビオサ、あなたもそう思いませんか?▼
[スカビオサ]
……。
…しばらくこの国にいて、
気づいたことがあるわ。▼
…ここには
いろいろな人間がいて、
いろいろな考え方がある…▼
[プルメリア]
それは…そうかもしれません。
異界の英雄たちも
この地に集っているのですから。▼
[スカビオサ]
彼らの中には、
悪夢さえ力にしようとし、
悪夢さえ面白いと考える人も…▼
悪夢を望む人間もいる…
そのことを私は知ったわ。▼
[プルメリア]
…あなたも
人間たちを見てきたのですね。▼
[スカビオサ]
私たちのいるべき一番の場所は、
フレイヤ様のお傍…▼
けれどフレイヤ様と私たちが
過ごす居場所は、
この国にもあるのかもしれない…▼
[プルメリア]
フレイヤ様と私たちが…?▼
わかりました。
スカビオサ、あなたがそこまでいうなら、
私はもう少しここにいることにします。▼
同じ黒妖精ですし、
あなたを一人にはできませんから。▼
[スカビオサ]
ありがとう、プルメリア…▼

美しき魔道士 ソニア

C

[ソニア]
ふう…。
今日も手がかりはなし、ね。▼
戦神ドーマに魂を捧げられて
魔女になった者を人間に戻す方法…。▼
さまざまな異界の英雄が集うアスク王国の
図書館になら手がかりがあるかもしれないと
思ったのだけど…。▼
でも、あきらめるわけにはいかないわ。▼
姉さんたちを人間に戻す方法は
きっとあるはず…。▼
[ヒュウ]
よお、そこのお嬢さん。
どうしたんだ、難しい顔をして。
なにか探し物か?▼
そんなに眉間のシワを寄せていたら
せっかくの美人が台無しだ。
困ったことがあるなら相談に乗るぜ。▼
[ソニア]
はあ…私は忙しいの。
女性を口説くなら
よそでやってちょうだい。▼
[ヒュウ]
いやいやいや!
ちょっと待ってくれ、
そういうんじゃないんだ!▼
さっきからあんたを見ていたんだが
闇魔道に関係ありそうな書物を
探しているみたいじゃないか。▼
実はオレの身内に
闇魔道に詳しい人がいてさ。▼
もしかしたら
あんたの力になれるかもと思って
声をかけたんだよ。▼
[ソニア]
ふうん…。
それがあなたの口説きの手口?▼
[ヒュウ]
だから違うって!▼
オレのばあちゃんはニイメって言って
エレブ大陸では
名の知れた魔道士なんだよ。▼
[ソニア]
ニイメ…。
大図書館にいた魔道士たちから
聞いたことはあるわ。▼
山の隠者…。
闇魔道に誰よりも深く分け入った者…。▼
一度、会ってみたいと思ってたけど
アスク王国でもなかなか
人目に姿を現さないと聞いたわ。▼
[ヒュウ]
そのニイメがオレのばあちゃん。
よかったら相談してみないか?▼
[ソニア]
悩ましいわね…。▼
正直、この男はまったく
信用できないのだけど
今はどんな手がかりでもほしい…。▼
[ヒュウ]
おい、心の声が漏れてるぞ!▼
まぁいいや。
本当に困ってそうだからさ。
ばあちゃんの居場所を教えるよ。▼
[ソニア]
…ありがとう。助かるわ。▼

B

[ヒュウ]
ばあちゃん、いるー?
可愛い孫が遊びに来てやったぜ。▼
[ニイメ]
大きい声を出すんじゃないよ、バカ孫。
わたしの耳はまだ遠くなっちゃいないよ。
今日はいったいなんの用だい?▼
[ヒュウ]
こっちのお姉さんが闇魔道に詳しい人を
探しているみたいなんだ。
ばあちゃん、相談に乗ってやってくれよ。▼
[ニイメ]
また厄介事を引き受けてきたのかい。
まったく、そういうところは
父親に似なくてよかったのにねえ。▼
[ソニア]
ヒュウ、ご迷惑では…?▼
[ヒュウ]
大丈夫だよ。
オレのばあちゃん、口は悪いけど
意外と面倒見はいいんだ。▼
[ニイメ]
なにをコソコソ言ってるんだい!▼
[ヒュウ]
痛ってえ!
なんで叩くんだよ!?▼
[ニイメ]
ふん、まぁいいさ。
そこのお嬢さん
話があるなら聞かせておくれ。▼
[ソニア]
はじめまして、賢者ニイメ。
私はバレンシアの魔道士
ソニアよ。▼
[ニイメ]
…その顔…なるほど。
なかなか厄介そうな闇が見えるね。▼
ちょうど退屈していたところなんだよ。
この老いぼれでよければ
相談に乗ろうか。▼
[ヒュウ]
ほらな?▼
[ニイメ]
やかましいよ、バカ孫。
おまえはうるさいから少し外に出てな。▼
(暗転)
[ニイメ]
なるほどね…。▼
あんたの父親が娘たちの魂を神に捧げ
邪神の忠実なしもべ…
魔女にしたというのかい?▼
[ソニア]
ええ…。
幸い私は魔女にされずに済んだけど
二人の姉は今も…。▼
[ニイメ]
まったく酷い父親もいたもんだねえ…。
それであんたは姉たちを
人間に戻す方法を探している、と…。▼
[ソニア]
なにか手がかりになる情報があれば
教えてもらえないかしら?▼
[ニイメ]
わたしたちの大陸でも似た話はあるね。
闇魔道に深く分け入りすぎた者は
魂を持って行かれ、廃人になることがある。▼
力を求めるということは
代償が必要なのさ。▼
きっと、お前さんの姉たちは
その代償が魂だったというわけじゃな。▼
[ソニア]
実際に魂を持って行かれた者を
見たことはある?▼
[ニイメ]
もちろんさ。
身内だけで…三人も見たよ。▼
[ソニア]
…心中、お察しするわ。▼
[ニイメ]
気にしなくていい。過ぎたことだよ。
それに、あんたの姉たちとは違って…。▼
あいつらは自分で選んだ道だからね。
誰のせいでもできやしないのさ。
力を望んだものの末路のひとつ、さ。▼

A

[ソニア]
それで…
闇に魂を持って行かれた者を
元に戻す方法は何かないのかしら?▼
[ニイメ]
今のところは、ないね。
わたしも必死に探したが
見つけられなかった。▼
[ソニア]
そう…。▼
[ニイメ]
そうだ、
思い出したことがひとつある。▼
エレブ大陸には、
動く人形として使役させられている
モルフという存在がいてね。▼
意思をなくし、操られるまま
動くという点では…あんたの言う
魔女に近い存在かもしれないね。▼
[ソニア]
そのモルフというのは
人間に戻せるの?▼
[ニイメ]
いや…それは無理だね。▼
[ソニア]
そう……。▼
[ニイメ]
実のある話が出来なくて
すまないね…▼
[ソニア]
いいえ…。
話を聞いてもらうだけでも
ずいぶん心が軽くなったわ。▼
[ニイメ]
話からすると、あんたの姉さんたちは
まだ命までは失っていないようだ。▼
その点で言えば
モルフにされた連中よりも
よっぽど希望がある。▼
あきらめないことだ。
決して希望を失ってはいけないよ。▼
[ソニア]
ええ、ありがとう。▼
[ニイメ]
ふふ、表情が明るくなったね。
あんたみたいな美人が
暗い顔するのはもったいないからね。▼
もっとも、わたしの若い頃には
かなわないかもしれないがね。▼
[ソニア]
ふふ…私は今よりも
もっと美しくなる予定よ。▼
賢者ニイメ、私のほうも
なにかわかったら
あらためて報告するわ。▼
[ニイメ]
ああ。期待しているよ。▼

S

[ソニア]
少し気分が軽くなったけれど
結局は振り出しに戻った…か。▼
魔女を人間に戻す方法。
この広い異界のどこかに
存在しているとは思うけど…。▼
[セリカ]
ソニア、少しいいかしら?▼
[ソニア]
あら? セリカ…
なにか用かしら?▼
[セリカ]
あなたがアスク王国でも
魔女を人間に戻す方法を
探していると聞いたの。▼
もしかしたら…
力になれるかも知れないわ。▼
[ソニア]
…話を聞かせてもらえる?▼
(暗転)
[セリカ]
あなたは知らないかも
知れないけど…。▼
私は一度、魔女に
なってしまったことがあるの。▼
[ソニア]
……!?▼
[セリカ]
ジュダにそそのかされた私は
ミラ様を救うために
魂をドーマに捧げてしまった。▼
魔女になった私は
この手でアルムを殺そうとしたの…。▼
でも、ミラ様のご加護と
アルムの聖剣ファルシオンの力で
人間に戻ることができたの。▼
[ソニア]
魔女の呪縛を逃れ、魂を取り戻した?
本当なの…?▼
[セリカ]
真実よ。だから…
きっとあなたのお姉さんたちも。▼
[ソニア]
……。▼
ありがとう、セリカ。
興味深い話を聞かせてもらったわ。
でも…。▼
あなたはミラの聖痕を持つ者。
特別な存在よ。▼
私の姉さんたちが同じ方法で
人間に戻れるとは限らないわ…。▼
[セリカ]
ソニアの言うとおりかもしれないわ。
だけど希望を捨てるには早いと思うの。▼
私やあなたが
アスク王国に召喚されたのは
きっと意味があるはずよ。▼
[ソニア]
……。▼
[セリカ]
この世界でさまざまな
異界の知識に触れ
英雄たちの助けを得ることができたら…。▼
なにかよい方法が
見つかるかも知れないわ。▼
[ソニア]
…そうね。私も
あなたの言うとおりだと思うわ。▼
アスク王国は
無限の可能性を秘めた世界…。▼
たとえ今、誰も手がかりを
持っていないとしても…。▼
将来、手がかりを持った英雄が
召喚されてくる可能性もある。▼
[セリカ]
開かれた王国であるこの国なら
そういうことも起こり得ると思うわ。▼
[ソニア]
私があきらめた瞬間…
すべては終わってしまう。▼
私は必ず…姉さんたちを
元に戻す方法を見つけてみせるわ。▼
[セリカ]
バレンシアであなたに世話になった
お礼、しっかりと返さないとね。
私も協力するわ。▼
[ソニア]
ありがとう、セリカ。
ふふ…もうお嬢ちゃんなんて
呼べないわね。▼
私はこの世界で
きっと結果を出してみせるわ。
どんな禁忌の力に挑むこととなっても…。▼
必ず取り戻してみせる。
姉さんたちの魂を。▼

親愛の夢 ピアニー

C

[ピアニー]
えーっと、どこかしら?
あっ!
シャロン、見つけた!▼
[シャロン]
わわっ、びっくりした…!
ピアニーさん、こんにちは!▼
[ピアニー]
会えて良かった。
シャロン、あなたを探してたの。▼
[シャロン]
はい、良かったです。
ちょうど訓練から
帰ってきたところだったんですよ。▼
…あれっ? ピアニーさん
なんだか雰囲気が変わりましたね?▼
[ピアニー]
そうなの!
でもね、変わったのは
見た目だけじゃないのよ?▼
新しい力で
みんなを幸せにしたい…
そういう気持ちでいっぱいなの。▼
[シャロン]
素晴らしいです。
はい、ピアニーさんなら
きっとできますよ!▼

B

[ピアニー]
私たち妖精に
生まれ変わらせてくれたフロージ様…▼
フロージ様はね、みんなが
夢を見続けられるように、って
夢の国アルフの王になられたのよ。▼
[シャロン]
みんなのための夢の国…
本当に優しいお方なんですね。▼
[ピアニー]
ええ。
とってもお優しいの、フロージ様は。▼
フロージ様は…
みんなが夢を失ってしまうことを
ずっと心配されていたわ。▼
だから、私もがんばって、
フロージ様の優しい想いを
残したいって思うの。▼
[シャロン]
フロージ様の想いは
ピアニーさんに
引き継がれているんですね。▼
[ピアニー]
私ね、
ヴァイス・ブレイヴのみんなと
出会ってわかったことがあるの。▼
それはね…とってもとっても
大きな夢を持ってる人たちが
たくさんいるってこと!▼

A

[シャロン]
なるほど、このアスク王国には
大きな夢を持っている英雄が
たくさんいらっしゃいますからね!▼
[ピアニー]
そうなの!
たとえば、この前はね…▼
(暗転)
[エフラム]
俺の夢か。
そうだな…この槍一本で
大陸一の傭兵になることだな。▼
俺の腕がどこまで通用するか
試してみたい。
エイリークが聞けば怒るだろうが…▼
(暗転)
[ワユ]
あたしの夢? そんなの決まってるよ。
やっぱ、もっと腕を磨いて
剣の道を極めることだよね!▼
[フィル]
それは私も同じです。
今もワユさんとお互いの剣技を
鍛えていたところなんです。▼
いずれは、伯父上や母上のように
剣の頂にたどり着くことが私の夢です!▼
[ワユ]
おっ、いいねえ。だったらあたしは…
えーと…そうだ!
白馬に乗った宿命のライバルを倒すこと!▼
(暗転)
[門番]
はいっ!
私の夢は、ガルグ=マク大修道院の門を
守ることであります!▼
ですが、今はアスク王国の城門を守ることも
とても大切なことだと考えております!
もちろん、本日も異常なしでありますよ!▼
いやあ、こうして妖精さんと
普通に話が出来ている状況に
すっかり馴染んでいる私…。▼
これくらいの肝の座り方でないと
門番は務まりませんよね!▼
(暗転)
[シャロン]
皆さん
素敵な夢をお持ちですね!▼
[ピアニー]
うん!
私はみんなの
素敵な夢を支えたい。▼
夢の中だけじゃなくて
夢をほんとにするお手伝いをしたい。
それが、今の私の夢!▼

S

[シャロン]
なるほど…
みんなの夢を支えてあげることが
ピアニーさんの新しい夢なんですね。▼
[ピアニー]
そう!
ねえ、楽しそうだと思わない?▼
[シャロン]
とてもとても素敵だと思います!
聞いているだけで
ワクワクしちゃいましたよ!▼
[ピアニー]
ふふっ!
シャロンなら
絶対そう言ってくれると思ったわ!▼
[アシュ]
…えー、お二人とも
大変楽しそうなご様子でありまして、
横からお邪魔することが憚れましたが、▼
差し支えなければ
私もその楽しそうなお話に
まぜていただきたく思いまして…▼
[シャロン]
あっこんにちは、アシュさん。
なんだかご機嫌そうですね!▼
[アシュ]
なんと、シャロン様、
さすがのご慧眼と
感服するばかりであります。▼
わたし、昼食のあとに
お昼寝をしていたのでありますが
とてもいい夢を見ることができまして…▼
あれはもしやピアニー様の計らいによる
夢だったのではと思い至りまして。
もしそうならぜひお礼を申し上げたく…▼
[ピアニー]
ふふっ、そうかもしれないし
そうじゃないかもしれないわ!▼
だけど、いい夢を見られたことは
私もとってもうれしい。
よかったね、アシュ!▼
[アシュ]
まったくであります。夢の中の私は
おいしそうにご飯を食べていましたので
さっそく私も食堂へ参ろうと思います。▼
[シャロン]
あはは、お昼ご飯のあとにお昼寝したのに
また食べるんですね。▼
[アシュ]
ここのところ激戦続きでありまして
食事の量がやや減っていたような気が…
ですが、今はお腹がペコペコです。▼
[シャロン]
それなら、おいしくご飯を
食べられそうですね! 行ってらっしゃい!▼
…もしかしてピアニーさんが
幸せな夢を見せてあげたから
なんでしょうか?▼
[ピアニー]
ふふっ。幸せに眠っている人が
起きた後も幸せになれたら、
とっても素敵だと思わない?▼
[シャロン]
ピアニーさんの夢は
もう始まっているんですね。▼
[ピアニー]
フロージ様の優しさ…
夢の優しさは、
この世界も包んでくれてる…▼
夢見る人たちがいる限り
夢の国アルフはいつまでも
ずっとずーっと続いていくんだから!▼

ソフィアの英雄 マイセン

C

[マイセン]
ふむ、ここが
アスク王国の訓練場か…。▼
参加している兵たちの士気も高く
動きに無駄がない。▼
む。あれは…?▼
[シャロン]
ヴァイス・ブレイヴの
軍事訓練を開始します!
今回は西軍と東軍に分かれた模擬戦です。▼
西軍の大将はアンナ隊長!
東軍の大将はアルムさん!
みなさん、位置につきましたか?▼
[アルム]
ああ、問題ない。
いつでも始めてくれ。▼
[アンナ]
ふふふ、腕が鳴るわね。▼
[シャロン]
では、模擬戦を開始します。
みなさん、ご健闘を!▼
[アルム]
ルカ、重騎士隊を前進させるんだ!
正面から押しつぶすぞ!▼
[アンナ]
そうはさせないわ!
魔法部隊は迎撃準備を!▼
[アルム]
読みどおりの動きだ。
エイルは敵の魔法部隊を攻撃してくれ。
フィヨルムはエイルの護衛を頼む。▼
[フィヨルム]
行きましょう、エイルさん!▼
[エイル]
ええ…!▼
[アンナ]
このままじゃまずい…!
魔法部隊は後退しなさい!▼
[アルム]
クレーベ、騎馬隊を
左翼から回り込ませるんだ。
後退する魔法部隊を討つぞ!▼
[アンナ]
ぐぬぬ…! 手強いわね!▼
[マイセン]
ふふ、アルムめ。
なかなかやりおるな。▼
一人の戦士としてだけでなく
兵を率いる将としても
成長を遂げておる。▼
わしの教えも…
無駄ではなかったということか。▼
(暗転)
[マイセン]
見事な采配だったぞ、アルムよ。▼
[アルム]
じいさん!?
じいさんもアスク王国に
召喚されたのか!▼
[マイセン]
うむ。どうやらわしら以外にも
多くの英雄がバレンシア大陸から
召喚されているようだな。▼
[アルム]
アスク王国でも、じいさんと一緒に
戦えるのは心強いよ。▼
フィヨルム王女、紹介するよ。
僕に戦う術を教えてくれた恩人
ソフィア王国の勇将、マイセンだ。▼
[フィヨルム]
はじめまして。
お噂はバレンシアの方々からも
伺っています。▼
[マイセン]
老骨でも役に立つことがありましょう。
こちらこそよろしく頼みますぞ
フィヨルム王女。▼
[アルム]
そうだ…じいさんには
伝えておいたほうがいいな。▼
アスク王国には、あの人…
リゲル帝国の皇帝
ルドルフも召喚されている。▼
[マイセン]
なに!? まことか?▼
ふむ…そうか…。
ルドルフもこの国に。
これも奇縁というべきか…▼

B

[フィヨルム]
あの、マイセン卿…。▼
[マイセン]
これはフィヨルム王女。
わしになにか聞きたいことでも?▼
[フィヨルム]
ルドルフ皇帝のお話を
お伺いしてもよろしいでしょうか?▼
アルム王とは何か関係があるように
見えるのですが、直接お伺いすることが
なぜか…憚られまして…。▼
お二人の間にはなにか目に見えない
不思議な絆だけではなく
緊張感を感じてしまうのです。▼
[マイセン]
……。▼
フィヨルム王女、あなたは
豊かな感性をお持ちのようだ。▼
あなたが察するとおり
二人の間には複雑ないわれがある。▼
ルドルフはバレンシア大陸北部を治める
リゲル帝国の皇帝だ。▼
わしにとっては若い頃からの知己でもある。
そして、アルムにとっては…
血のつながった肉親、父親なのだ。▼
[フィヨルム]
ルドルフ皇帝はアルム王の
お父様だったのですね。▼
[マイセン]
バレンシア大陸はドーマとミラの
二柱の神によって守られた地であった。▼
しかし、バレンシア大陸の者たちは
神の恩恵に頼り、= 次第に堕落していったのだ。▼
やがて滅びが来ることを悟ったルドルフは
堕落した人々の目を覚ますため
大陸に戦乱を起こした。▼
[フィヨルム]
それが話に聞いていた
リゲル帝国のソフィア王国への侵攻…。▼
[マイセン]
ルドルフの真の目的は、破壊者となった
自分に立ち向かう英雄を作り上げ
大陸の人々の心をひとつにすること。▼
英雄を中心に人々が自らの足で立ち
神々の恩恵に頼らぬ生き方を
確立しようとしたのだ。▼
そのためにルドルフは
生まれたばかりの息子をわしに預け
戦士として育てさせた。▼
[フィヨルム]
それが…アルム王なのですね。▼
[マイセン]
アルムは、ルドルフが望んだとおりの
英雄へと成長し、そして…。▼
リゲル帝国の野望を阻む希望として
ルドルフの前に立ちがだかった。▼
[フィヨルム]
そんな…!
ルドルフ皇帝は大陸を救うために
我が子に自分を討たせようとした、と?▼
[マイセン]
そのとおりだ、フィヨルム王女。
ルドルフの修羅のごとき覚悟を知ったうえで
わしは頼みを引き受けたのだ。▼
[フィヨルム]
世の王たちは形は違えども
それぞれ強い覚悟を持って
国を治めています…。▼
しかし、これほど壮絶な
覚悟を持った方を私は知りません…。▼

A

[マイセン]
むんっ! はあっ!
おおおお! せいやっ!▼
[ルドルフ]
ふむ…さすがだな、マイセン。
鍛錬とは思えぬほどの気迫だ。▼
[マイセン]
ルドルフ…!▼
[ルドルフ]
久しいな、わが友よ。▼
まさかこのような地で
再び相まみえるとは。▼
息災でなによりだ。
バレンシア大陸に轟いた武勇は
欠片も衰えておらぬようだな。▼
[マイセン]
お前は…変わったな…。
無論よい意味で、な。▼
ずいぶん柔らかい雰囲気になった。
そのような華やかな出で立ち…
どのような心変わりだ?▼
[ルドルフ]
これには事情があってな…。
まぁその話はいずれしよう。▼
おまえがこの地に召喚されたと聞いて
礼を言いに来たのだ。▼
[マイセン]
礼だと…?▼
そうか。この世界に召喚される英雄は
それぞれが違う異界…
そして違う時間から招かれると聞く。▼
わしの目の前にいるお前は…
本懐を遂げたのだな?▼
[ルドルフ]
そのとおりだ。わが友よ。
おまえはアルムを立派な英雄へと育て上げ
大陸の希望をつないだ。▼
感謝する、マイセン。
それをお前に伝えたかった。▼
[マイセン]
礼などいらぬ。
わしはただ、お前の言葉どおりに
動いたに過ぎぬ。▼
おまえは幼いアルムと別れる
最後の瞬間まで…アルムに望んだな。▼
いかなるときも優しさを忘れぬ男に
育ってほしいと。▼
それは結果として
アルムの一番の強さとなった。
おまえが望んだ未来に実を結んだのだ。▼
[ルドルフ]
お前のおかげだ。
わしの言葉を…
心に留め置いてくれたのだな。▼
[マイセン]
……。▼
ルドルフよ、お前の名は
バレンシア大陸の歴史書に
悪逆非道の破壊者として刻まれるだろう。▼
しかし、わしは命ある限り
お前の真実の姿を記憶に残したい。
あの日の決意の眼差しを忘れまい。▼
[ルドルフ]
……。▼
[マイセン]
我が身と魂を犠牲にし…
バレンシア大陸の礎となった男がいたこと
わしは絶対に忘れはしないぞ。▼
[ルドルフ]
ふっ…。▼
戦乱の犠牲となった魂たちに詫びるため
死してのち、この身を永劫の炎で
焼かれ続けることになっても…。▼
友よ、わしにはその言葉だけで十分だ。▼
[マイセン]
誇るがいい、ルドルフよ。
お前が未来を託したアルムは
このアスク王国でも英雄たちを導いておる。▼
お前の撒いた種は巨木へと育ち
この世界でも人々を救っているのだ。▼
[ルドルフ]
アルムが巨木へと育ったのは
お前が心を込めて水を注いだがゆえだ。▼
我が友マイセンよ。
願わくば、これからもアルムを…
バレンシアの民を見守ってほしい。▼
[マイセン]
言われるまでもない。
槍を握れなくなるその日まで…
わしはわしの務めを果たそう。▼

S

[アルム]
これは新しい陣形の図だ。
みんなに回覧してほしい。▼
[フィヨルム]
この陣形は重騎士や騎兵を
魔法から守るためのものですね。▼
[アルム]
ああ。僕たちがいたバレンシア大陸には
自在に空間を飛び越える魔女たちがいた。▼
こちらの世界にも同じような力を持つ
敵が現れるかも知れない。
備えはしておくべきだろう。▼
[フィヨルム]
承知しました。
みなさんに伝えま…。▼
あっ、マイセン卿…!
ごきげんよう。▼
[マイセン]
失礼する、フィヨルム王女。
…アルム、少し話せるか?▼
[アルム]
どうしたんだ、じいさん?▼
[マイセン]
昨晩、ルドルフがわしに会いに来た。▼
[アルム]
そうか…。
ルドルフ皇帝…父さんは
じいさんになにを言いに来たんだ?▼
[マイセン]
ルドルフはお前がアスク王国にいても
勇者として歩むことを望んでいた。
精進せよ、とのことだ。▼
[アルム]
そうか…。
父さんが…そんなことを。▼
[フィヨルム]
アルム王のお父様は…
信じておられるのですね。▼
アルム王が、この世界でも
力強く歩まれていくことを。▼
[アルム]
……。▼
じいさん、僕が英雄として
歩めているのは、父さんの存在が
あったからこそだ。▼
父さんの覚悟を…平和を望む心に変え
僕は前に進む。▼
アルバイン・アルム・ルドルフの名と
聖剣ファルシオンにかけて…
僕はこの地に平和をもたらしてみせる。▼
だから、じいさん。
これからも僕たちに力を貸してくれ。▼
[マイセン]
もちろんだ。お前には
教えるべきことがまだ残っている。▼
このような老骨でも
頑固者の父親の
代わりくらいは出来るだろう。▼
[フィヨルム]
頼もしいです!
マイセン卿、よろしければ
私も学ばせてください!▼
[マイセン]
望まれるのであれば
フィヨルム王女にも
稽古をつけてさしあげよう。▼
王女と同じ槍の使い手として
指導できることは山ほどありますぞ。▼
[アルム]
ちなみに…じいさんの
稽古はかなり厳しいよ。▼
遠慮します! と言うなら
今のうちだよ、フィヨルム王女。▼
[フィヨルム]
の、望むところです!▼
[マイセン]
ふはは…!
まだまだ隠居するのは
早すぎるようだな。▼
我らが積み重ねてきた
武勇と覚悟をすべて託そう。
光に満ちた次なる時代のためにな!▼

コメント



トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2023-10-18 (水) 09:59:18
[広告] Amazon.co.jp