章別会話/外伝６１　あなたに夏の夢を

外伝６１　あなたに夏の夢を†

[ノルン]: こっちです、シーダ様！
ここに綺麗な魚の群れが…
あっ、ほらほら！▼
[シーダ]: 本当…！
何て綺麗なんでしょう。
プルメリアさんも、ほら！▼
[プルメリア]: まあ…まるで夢のようですね。▼
[ノルン]: そこの岩場の影には
恐い顔した細長い魚が…
あれ？　いない。▼
[シーダ]: もう少し先でしょうか？
泳いで行ってみましょう。▼
[オグマ]: お待ちください、シーダ様。
あまり沖に出ると危険です。▼
[シーダ]: オグマ…
そんなに深くないし、大丈夫よ。▼
[オグマ]: しかし…▼
[プルメリア]: オグマはちょっと過保護ではありませんか？
シーダ王女も私も子供ではないのですから。▼
それに、浜辺で私たちに付きまとう
あの視線…
海の中にいる方が快適です。▼
[シーダ]: わたしも島国の出身だから
海には慣れているわ。
オグマ、心配してくれてありがとう。▼
でも、せっかく異界の海に来たのだから
少し冒険したいの。いけない？▼
[オグマ]: …わかりました。
ですが、護衛は続けさせてください。▼
[シーダ]: ええ、もちろん。
一緒に海を満喫しましょう！▼

[シーダ]: ええと…このお店です。
先ほど見かけて気になっていたのは。▼
[プルメリア]: これは、
花で作ったアクセサリーですね。
とってもいい香りです…▼
[ノルン]: これ、フレイヤさんに似合いそう！
つけてみませんか？▼
[フレイヤ]: 私に…？▼
[プルメリア]: も、申し訳ありません。フレイヤ様。
無理にお誘いしてしまい…
それに、そのような水着まで…▼
[フレイヤ]: 良いのです、プルメリア。
人間の衣をまとい、
人間の営みを知ることで…▼
お兄様のお心も
理解できるかもしれません。
その花もつけてみましょう。▼
[プルメリア]: は、はい！　どうぞ！▼

[オグマ]: …シーダ様？
どちらへ？▼
[シーダ]: わたしはここよ。オグマ。▼
[オグマ]: シーダ様。▼
[シーダ]: ありがとう、オグマ。
いつもわたしを守ってくれて。
わたしは大丈夫よ。▼
マルス様と、あなたと、みんなと…
大切な人たちと一緒にいられて、
とても幸せ。▼
[オグマ]: …もったいないお言葉です。
これからもお傍で
あなたをお守りします。▼
[シーダ]: その気持ちはとても嬉しいのだけど…
オグマにもたまにはゆっくり休んでほしいの。
せっかく海に来たんだもの。▼
さあ、座って。
海を眺めながら一緒に
波の音を聞きましょう。▼
[オグマ]: はい…▼

[シーダ]: オグマ、オグマ…
目が覚めた？▼
[オグマ]: シーダ様…？
俺は…眠っていたのですか？
今のは…▼
[シーダ]: フロージ様に頼んで
オグマに良い夢を見せてもらったの。▼
勝手なことをしてごめんなさい。
でも、海に来てからもずっとオグマは
わたしたちの護衛をしてくれていたから…▼
オグマにとって安らげる、
幸せな夢を見せてあげてくださいって
お願いしたの。▼
[オグマ]: …はい。
とても良い夢でした。▼
[シーダ]: よかった！
オグマにいつも守ってもらっている
お返しがしたかったの。▼
[オグマ]: そのようなお心遣いは無用です…
ですが、感謝致します。▼
[プルメリア]: 夢の王フロージ様の夢ですから
きっと素晴らしい夢だったことでしょう。▼
でみ、今回は特別ですよ。
シーダ王女の真摯な想いに
フロージ様がお応えになったのですから。▼
[シーダ]: そうよね。
フロージ様にもお礼をしなくちゃ。▼
そうだわ。
浜辺に咲いている花で
花束を作るのはどうかしら？▼
[プルメリア]: それはいい考えですね。
私も手伝います。▼
[オグマ]: では、俺は護衛を。
行きましょう、シーダ様。▼
[シーダ]: ええ！▼