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章別会話
ダグザの地の戦士†
ダグザの地の戦士†
オープニング†
- [カイ]
- うーん。
何だか鬱蒼としてきたね。▼
特務機関の任務の場所、
本当にこっちで合ってるのかなあ?
レダ姉ちゃん。▼
- [レダ]
- あたしに聞かれても知らないわよ。
地図を持ってるのは
ディートリヒなんだし。▼
ねえ、カイが心配してるけど、
この道でいいのよね?▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
- [レダ]
- ほら、
迷いなく歩いてるから大丈夫よ。
任せておきましょ。▼
あたしはアスク王国の地理は
全然わからないし、▼
ここにはいつも
道案内をしてくれる
バッカニアもいないし。▼
- [カイ]
- オレも地図を読むのは
あんまり得意じゃないから……
ついて行くしかないよね。▼
というかオレ、
ダグシオンでやることがあるのに、
ここで任務に参加してて大丈夫なのかな。▼
- [レダ]
- ……それに関しては同感だわ。
こんなところで油を売ってる暇はない。
早くあの男を殺さないといけないのに……▼
- [カイ]
- レダ姉ちゃん?▼
- [レダ]
- 気にしないで。
ただの独り言よ。▼
- [ディートリヒ]
- ……!
来たか。▼
- [カイ]
- どうしたの、何かあった?▼
- [ディートリヒ]
- 手練れの気配だ。
我がアンスウェラーの鳴る方に
歩を進めて正解だったな……▼
- [カイ]
- ええっ!?
地図を見て歩いてたんじゃ
なかったの!?▼
- [レダ]
- もう、話が違うじゃない!
せっかく信用して道案内を
任せてあげてたのに。▼
でもまあ、
来たものは仕方がないわね。
遊んであげる。▼
- [ディートリヒ]
- 我が逸楽に相応しい相手か
この剣で見極めさせて
貰うとしよう……▼
- [カイ]
- よーし。
二人がやる気なら、
オレも頑張るしかないね!▼
- [セオドラ]
- なんだ?
孺子たちも来ていたのか?▼
- [カイ]
- セオドラ姉ちゃん!▼
- [ディートリヒ]
- 手練れの気配は……
お前だったか。▼
- [レダ]
- アンスウェラーの刃が鳴ってたのは、
セオドラさまに対して
だったってこと?▼
まあ、良かったじゃない。
あたしたちは同じ任務の人員。
追々合流する予定だったんだし。▼
- [セオドラ]
- 急に現れて驚いたぞ。
この地点の者どもは私一人で
対処する手筈だったではないか。▼
- [カイ]
- えへへ、ごめんね。
予定より早く片付いたってことで
勘弁してよ。▼
- [セオドラ]
- その点は良しとしてやる。
お前たちの実力、見事だった。
尤も、手放しで賞賛はできぬがな。▼
我々は本来であれば
ダグシオン大剣闘祭にて、
雌雄を決すべき間柄なのだから。▼
- [レダ]
- そうですね……
まさか優勝を争う参加者たちと一緒に
アスク王国に召喚されるだなんて。▼
……危うくここで先に
潰し合うところだったわ。
英雄同士の私闘が禁じられてなければね。▼
- [ディートリヒ]
- それは本当なのか。▼
- [レダ]
- え?
な、何よいきなり。▼
- [ディートリヒ]
- 英雄同士の死合いについてだ。
禁じられているというのは、
本当なのか。▼
- [セオドラ]
- 特務機関の隊長が
念押ししていただろう。
まさか聞いていなかったのか。▼
- [ディートリヒ]
- あれだけの説明では
不足があった。▼
召喚師とやらの制約で
切り結ぶことさえ不可能なのか、
ただ禁じられているのみなのか……▼
もし後者であれば、
死合うこと自体は可能な筈だ。▼
- [カイ]
- な、なんか怖いこと言ってる。
オレ、やだよ。私闘に巻き込まれて
後でアンナ隊長に怒られるの。▼
頼むから斬りかかってこないでよね、
ディートリヒさん。▼
- [レダ]
- 考え事は結構だけど、
悠長にしている暇はなさそうよ?▼
……前方の影。
あれって、敵兵じゃないの?▼
- [ディートリヒ]
- !
敵であれば、
斬っても構わんな?▼
- [セオドラ]
- 当り前だ。
存分に振るえ!▼
- [セオドラ]
- あっという間に片付いたな。▼
- [レダ]
- はい。
ちょっと張り合いがないぐらいです。▼
- [ディートリヒ]
- つまらん……▼
- [カイ]
- すごいや、セオドラ姉ちゃんが加わって
さっきよりもずっと早く
敵を倒せちゃった。▼
やっぱり大剣闘祭に出る人たちって
強いんだね。
オレももっと頑張らないと。▼
- [レダ]
- あなただって強かったわ、カイ。
特にその、手から放つ攻撃。
何かの魔道かしら。▼
- [セオドラ]
- それは私も気になっていた。
ん?
掌に何かが……▼
- [カイ]
- これ? 母さんの形見が
入り込んじゃったんだよね。▼
- [セオドラ]
- 右腕が反応している……
まさかお前も、
私と同じようなものを背負って……▼
- [カイ]
- ?▼
- [ディートリヒ]
- ……待て。
何者かが近づいている。▼
- [レダ]
- 敵は殲滅した筈よ。
一体誰が……▼
- [ベレス]
- …………▼
- [レダ]
- え……!?▼
- [ベレス]
- 妙な気配がすると思って
来てみれば……▼
何者じゃ、おぬしたち。▼
- [セオドラ]
- こいつ……!
凄まじい殺気だ。▼
- [カイ]
- こ、この人も、敵なのかな?▼
- [レダ]
- わからない。
でも今のあたしたちじゃ、
絶対に勝てないわ。▼
- [ディートリヒ]
- ついに来たか……
我が逸楽に相応しい強者が。▼
この者と刃を交えれば、
逸楽に至れるやもしれぬ!▼
- [セオドラ]
- 止せ、ディートリヒ!▼
- [ディートリヒ]
- はあっ!▼
- (白く光る)
- [ベレス]
- ……痴れ者が。▼
- [ディートリヒ]
- !?うっ……!▼
- [カイ]
- だ、大丈夫!?
ディートリヒさん!▼
- [ベレス]
- わしの質問に答えぬばかりか
斬りかかってくるとは……
野蛮な地虫よのう。▼
我が名はソテ……いや、
ベレス。▼
おぬしらの力、
少しばかり見せて貰うとしよう。▼
- [ディートリヒ]
- はあっ!▼
- [ベレス]
- 中々やるではないか。▼
だがそろそろ、
相手をするのにも飽いて来た。▼
……本気を出すとしようかの。▼
- [レダ]
- まずい、来るわよ!▼
- [セオドラ]
- 危険だディートリヒ!
下がれ!▼
- [ベレス]
- ……散れ。▼
- (白く光る)
- [ベレス]
- !
攻撃が弾かれた?▼
- [ディートリヒ]
- 白い鳥……?▼
- [レダ]
- 今、白い鳥が助けてくれたわよね!?
見間違いかしら?▼
- [セオドラ]
- 私にも見えた。
見間違いではない。▼
- [ベレス]
- ……只ならぬ力を感じる。
何者じゃ。
わしには姿を見せぬとは小癪な。▼
- [カイ]
- もしかして……
白鴉の御使い様なのかな。▼
- [ベレス]
- 白鴉の御使いじゃと?
おぬしらの仲間か。▼
- [カイ]
- 仲間ではないんだけど……
今来てくれたのは、
そうなのかもしれない。▼
一瞬見えた時、
リベイラ村で出会った
白い人に似てたような気がして。▼
- [セオドラ]
- 白鴉の御使いは、世が乱れた時に
現れる救世主だったな。▼
預言者が残した詩編の一節を
私も耳にしたことがあるが……
このアスクの地にまで?▼
- [ベレス]
- ……その御使いとやらにとって
わしは世を乱すものというわけか?
片腹痛いわ。▼
ここに存在せずとも、
地虫どもを守るべく
干渉しておるなど煩わしい。▼
先に手を出してきたのはこ奴らじゃ。
少々遊んでも問題はなかろう!▼
- (白く光る)
- [ベレス]
- ほう?
またも邪魔立てするか。▼
…………
やはり姿は見えぬ、だが……
その気配は捉えたぞ。▼
……成程のう。
白鴉の御使いとやらは、我が器と同じく
因果の渦中にあるものか。▼
わしと近しい気配も感じるが……
今、誰と共におるのじゃ?▼
もしや、わし自身か……?
いや、違う……
何も思い出せぬ……▼
くっ……▼
- [カイ]
- ……?▼
- [ベレス]
- 興が削がれた……もう良い。▼
望み通り下がってやろう。
今日のところはな。▼
- [レダ]
- 行った……みたいね。
肝を冷やしたわ。▼
- [セオドラ]
- この私でも、
背筋が凍る程の気だった。▼
同じ英雄だとしても、
再び邂逅するのは
暫く御免被りたいところだな。▼
- [カイ]
- ……助けてくれたのは、
ほんとに白鴉の御使い様だったのかな。▼
なんだか、また会えそうな気がする。
その時は今日のお礼を言わなくちゃ。▼
- [セオドラ]
- そうだな。▼
- [レダ]
- ディートリヒ?
さっきから静かだけど、
取り逃がして悔しいの?▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
やはり英雄同士の死合いは
形式的に禁じられているのみで、
実際には可能であるようだな。▼
でなければ先程の者と
切り結ぶことは不可能であった筈だ。
……再び相見える日が待ち遠しい。▼
- [レダ]
- まだそんなこと考えてたの?
畏れ入るわ。▼
- [セオドラ]
- 何にせよ任務は達成した。
拠点に戻るぞ!▼
- [カイ]
- うん! 色々あったけど……
またこの4人で戦えたら
楽しそうかも。▼
美しき殺戮者 ディートリヒ†
- [メルセデス]
- ええと、これで買い出しの品は
全部みたいね~……▼
……きゃっ!?▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
- [メルセデス]
- ぶつかってごめんなさい!
よそ見をしていたわ。▼
- [ディートリヒ]
- ……エルフリーデ……?▼
- [メルセデス]
- え?▼
- [ディートリヒ]
- いや、違う……
他人の空似か……▼
- [メルセデス]
- 他人の空似?
私が、誰かに似ていたと
いうことかしら~?▼
- [ディートリヒ]
- ……妹に似ていた。▼
- [メルセデス]
- あらあら、妹さんに~?
そういう偶然もあるのかしら~。
私はメルセデスというの~。▼
見かけない顔だけれど……
最近来た英雄さんかしら?
よければ、あなたのお名前も聞きたいわ~。▼
- [ディートリヒ]
- 私は、ディートリヒだ。▼
- [メルセデス]
- ディートリヒ。
素敵なお名前ね~。▼
これはただの好奇心なのだけれど、
妹さんと私は、どこが似ていたの~?
顔かしら、雰囲気かしら~?▼
- [ディートリヒ]
- わからん。
なんとなく、似ていると思った。▼
- [メルセデス]
- うふふ。そうよねえ。
私も友人がなんとなく弟に似ていると
思ったことがあるから、わかるわ。▼
その時は、友人から
誰かに重ねられるのはうんざりだと
言われてしまったのだけれどね~。▼
- [ディートリヒ]
- そうか……
不愉快だったか。▼
- [メルセデス]
- あ、いえ。ごめんなさい。
嫌だと非難したかったわけではないの~。
つい、懐かしくて。▼
それよりディートリヒさん。
来たばかりなら心細いでしょう~?
今度一緒に、お茶でも如何かしら~。▼
- [ディートリヒ]
- …いらん。
今はそれよりも、
強者と斬り結びたい。▼
- [メルセデス]
- あらまあ、鍛錬かしら~?
それじゃあお腹が空くじゃない。▼
その後でいいから来るといいわ。
ぶつかったお詫びも兼ねて、
おいしいお菓子を用意するから~。▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
- [メルセデス]
- 来てくれてありがとう、ディートリヒさん。
振られてしまったかと思ったけれど、
杞憂だったようね~。▼
- [ディートリヒ]
- …………
断って泣かれでもしたら
敵わんからな……▼
- [メルセデス]
- 私はそれぐらいで
泣いたりしないけれど……
もしかして、妹さんがそうなのかしら~?▼
だとしたら妹さんに感謝をしないと。
お陰でこうやって、一緒に
お話ができるのだから~。▼
- [ディートリヒ]
- そうか……▼
- [メルセデス]
- はい、新しいお茶が入ったわよ。
用意したお菓子も
たくさん食べてくれてうれしいわ。▼
ディートリヒさんは、
甘いものが好きなのね~。▼
- [ディートリヒ]
- ……そうなのかもな。▼
- [ガイア]
- 甘いものが好きだと?▼
- [リシテア]
- それは聞き捨てなりませんね。▼
- [メルセデス]
- きゃっ。
ガイアさん、リシテアまで。
ど、どこから出て来たの~?▼
- [サクラ]
- すみません。
甘い匂いがしたもので……つい。▼
- [ラファール]
- ふむ。
この菓子は甘みが強そうだ。
すまんが、いくつか拝借しても良いか?▼
- [メルセデス]
- え、ええ~。
勿論構わないけれど……▼
- [ディートリヒ]
- ……なんだ、お前たちは。▼
- [ガイア]
- 俺たちは、甘いものをこよなく愛する
甘味同好会だ。▼
- [ディートリヒ]
- 名のある集団……
大剣闘祭のクランのようなものか?▼
であれば一度死合ってみたい。
特にその、白髪の男。▼
- [ラファール]
- 白髪……?▼
……我か!?▼
- [サクラ]
- 鍛錬をされるのですか?
ラファールさんは戦闘時に
竜に化身されるのでお強いですよ。▼
- [ディートリヒ]
- ほう……?
面白い。
その力、見せてみろ。▼
- [ガイア]
- おっと、突然の刃傷沙汰は御免だぜ。
俺たち甘味同好会に入るなら
手合わせを考えてやらんこともないが。▼
- [ディートリヒ]
- そこに入れば、死合えるというのか?▼
- [ラファール]
- 時と場合にもよるな。
極甘の菓子をくれるのなら
すぐにでも受けてやろう。▼
- [ディートリヒ]
- ……今は手持ちがない。▼
- [ガイア]
- じゃ、また今度だな。
楽しみにしてるぜ!▼
- [リシテア]
- 邪魔をしました、メルセデス。
今日は先約があるようですが、
またわたしともお茶会をしてくださいね。▼
- [メルセデス]
- あらあら、行っちゃったわ~。
リシテアは最近、
あの子たちと仲良しなのね~。▼
- [ディートリヒ]
- ……甘味同好会。
強者どもの集まる場であるのなら……
考えぬこともない。▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
- [メルセデス]
- あら、ディートリヒ。
よく会うわねえ。
この前のお茶会は楽しかったわ~。▼
- [ディートリヒ]
- ……ああ。▼
- [メルセデス]
- あら、お返事が上の空だわ。
何か考え事かしら~?▼
- [ディートリヒ]
- ……死合う相手を探していた。▼
この地に来てから……
ひどく渇く。▼
渇きを満たす逸楽を、
私はいつも探している。▼
- [メルセデス]
- それは……
人を斬りたいということ?▼
- [ディートリヒ]
- そうだ。
このアンスウェラーは、
幾人もの血を吸ってきた。▼
斬るに値する相手であれば誰でも良い。
次に死合う相手は……
お前でも構わない。▼
- [メルセデス]
- あなた……▼
……うふふ。▼
- [ディートリヒ]
- 何がおかしい。▼
- [メルセデス]
- ディートリヒは私を妹に似ていると
言ってくれたけれど……
私からすれば、あなたは弟に似ているわ。▼
- [ディートリヒ]
- 弟だと……?▼
- [メルセデス]
- 名をエミールというの。▼
お菓子が好きなところとか、
不器用な話し方とか、
その衝動のようなものも……▼
不思議ね。
どうしてか同じなの~。▼
ねえ、ディートリヒ。
あなたも何か……
幼い頃に辛いことがあった?▼
- [ディートリヒ]
- ……そんなものはない。▼
ただ、空虚ではある。
強い相手と死合うときだけが、
自分の生を実感できる。▼
戦いたい、斬りたいという
衝動に理由などない……
私の魂の在り方のようなものだ。▼
- [メルセデス]
- そう……▼
- [ディートリヒ]
- 恐ろしいと思うか。
何の理由もなく、
人を斬りたいという私が。▼
- [メルセデス]
- いいえ。
それがあなたの在り方だというのなら、
私に何か言う権利はないわ~。▼
それよりも、安心したの。▼
- [ディートリヒ]
- 安心だと?▼
- [メルセデス]
- あなたが何か辛い思いをしたのだとか、
誰か大切な人を喪ったのだとか、
そういうことではなかったから。▼
- [ディートリヒ]
- ……お前は、妙な奴だ。
私がこういったことを言うと皆、
顔をしかめて逃げ出すのが常だった。▼
だが、話が早い。
理解を示すのならば私と死合え。▼
- [メルセデス]
- それはまた今度ね~。
私、任務の帰りだから……
今はちょっと疲れているの。▼
あなたも、どうせ死合うのなら
万全の相手が望ましいでしょう~?▼
- [ディートリヒ]
- …………
いいだろう。
この勝負、預けておこう。▼
- [死神騎士]
- ……貴様がディートリヒだな。▼
- [ディートリヒ]
- そうだが……
お前は?▼
- [死神騎士]
- 俺に名はない……▼
貴様は、此処に召喚されてすぐ
メルセデスという英雄に
近づいているようだが……▼
……どういう心算だ?▼
- [ディートリヒ]
- 心算も何も、向こうが勝手に
近づいて来ただけだ。
あれは妹に似ている……▼
だが妹よりも話の分かる相手だ。
今日は、全力で死合うと約束をしている。
早く斬ってみたいものだ……▼
- [死神騎士]
- …………▼
その前に、この私と死合え。▼
- [ディートリヒ]
- なに?▼
- [死神騎士]
- 俺も貴様と同じく
逸楽を求めるもの……▼
より強きものを探し、求め、
剣を交えたいと思うのは道理。
示せ……貴様の殺気を。▼
- [ディートリヒ]
- 良いだろう。
……来い!▼
- (暗転)
- [メルセデス]
- お待たせしたわね~、
ディートリヒ……▼
……え!?
し、死神騎士!?▼
- [死神騎士]
- ……!
ここまでだ。
この勝負、預けておこう。▼
- [ディートリヒ]
- …………▼
- [メルセデス]
- どういうことなの。
あなた、死神騎士と仲良く鍛錬を?
って、そんなわけないわよね~?▼
- [ディートリヒ]
- 奴は、死神騎士というのか……
私との死合いを所望したから
それに応じたまでだ。▼
- [メルセデス]
- そ、そうだったの。
待ち合わせ場所に着いたら
突然斬り結んでいて、驚いたわ~……▼
- [ディートリヒ]
- 剣を交えてみて、感じたことがある。
奴は私と似ている。▼
逸楽を求め、命のやり取りを求め、
全身全霊の死合いを渇望する……まるで
自分自身と対峙しているかのようだった。▼
- [メルセデス]
- ディートリヒ自身と?▼
- [ディートリヒ]
- あんな相手は、そうはいない。
願わくば次は、
決着をつけたいものだ。▼
- [メルセデス]
- …………
やっぱり死神騎士の正体は……▼
……いいえ、
ただの気のせいかもね。▼
- [ディートリヒ]
- 何を逡巡している?▼
- [メルセデス]
- ディートリヒ。
前に弟の話をしたことを
覚えている~?▼
私ね、あの後、夢を見たの~。
エミールとディートリヒが、
一緒に鍛錬をしている姿を。▼
二人はまるできょうだいみたいに
そっくりで……
私はこう思っていたのよ~。▼
遠いご先祖様か、未来の子孫か……
もしかして、何処かで
血が繋がっていたりして……って。▼
- [ディートリヒ]
- ……夢の話だろう。
だが、それだけ似ているというのなら
強ち外れた想像でもないのかもしれん。▼
一度、会ってみたいものだ。
そして……お前の見た光景通り、
剣を交え、死合ってみたい。▼
- [メルセデス]
- エミールも早くアスク王国に
来てくれるといいのだけれど~、
こればっかりはねえ。▼
ここではお家のしがらみも何もないし、
三人きょうだいみたいに過ごせたら
きっと楽しいと思うのだけれど~。▼
- [ディートリヒ]
- 話が逸れたな。
今日はお前と死合う約束だった。
始めるぞ、メルセデス。▼
- [メルセデス]
- 駄目よ~。
今日はあなたがボロボロじゃない~。▼
死合うのは相手が万全であってこそ。
その状態のあなたと戦っても、
私が全力を出せないわよ~?▼
- [ディートリヒ]
- ……それは、困る。
ならば今日も勝負は持ち越しか。▼
- [メルセデス]
- ええ、残念だけど、
代わりにお茶会でもしましょうか~。▼
うふふ。
もしいつか本当に、
エミールが来てくれたら……▼
私と、あなたと、エミールと……
三人でお茶会ができれば素敵ねえ。▼
……楽しみだわ、とても。▼
カエルスの薔薇 レダ†
- [ドロテア]
- はいっ!▼
- [リーン]
- どうかしら!▼
- [レダ]
- 素敵だったわ……!
演奏しながらつい見惚れちゃった。▼
- [ドロテア]
- レダさんのビウエラが
素晴らしかったおかげよ。
ね、リーンちゃん。▼
- [リーン]
- ええ。
澄んだ音色に引き上げられて、
いつもよりも大胆に踊れちゃった!▼
- [レダ]
- お褒めにあずかり光栄だわ。
今のがユグドラルの舞姫と
フォドラの歌姫の舞台なのね。▼
そういえばあたし、
実はフォドラという地名を
聞いたことがあるのよね……▼
確か、海の向こうの地だったはずよ。▼
- [ドロテア]
- 私も、レダさんのいたダグザの地は
聞き覚えがあります。▼
もしかして私たち、
場所は違えど同じ世界から
来たのかしら……▼
ミッテルフランク歌劇団って知ってます?
アドラステア帝国では有名でしたから
名前ぐらい聞いたことがあるかも。▼
- [レダ]
- ええと……
その歌劇団は知らないわ。▼
- [ドロテア]
- ガルグ=マク大修道院はどうです?
私はそこにある士官学校で
学んでいるんですよ。▼
- [レダ]
- うーん……ごめんなさい、
聞いた憶えは無いわねえ。
もともと、それほど詳しくはないし。▼
- [ドロテア]
- 歌劇団も士官学校も、
海を越える知名度はないのかしら。▼
- [リーン]
- アレじゃない? 世界が同じでも、
時代が違うとかじゃない?▼
例えばあたしのいた
ユグドラルから来た英雄同士でも、
年代の違いは結構あるみたいだから。▼
- [レダ]
- そうかもね。折角ご近所さんのようだし、
何だか興味が出てきちゃった。
ドロテア、今度はあたしと組んでみない?▼
- [ドロテア]
- レダさんと……?▼
- [リーン]
- えーっ! 引き抜きなんてずるい!
あたしだって魅力的なのにー!
ドロテア、あたしを捨てるっていうの?▼
- [ドロテア]
- お申し出はうれしいんですけど、
すみませんが今の相棒は
リーンちゃんですから。▼
- [レダ]
- うふふ、振られちゃったわね。
またの機会を待つことにしましょ。▼
- [リーン]
- ね、次はレダさんも一緒に踊りましょ!
あたし、ダグザの地の踊りも
見てみたーい!▼
- [レダ]
- 勿論よ。
今度はあたしの踊りで、
二人を骨抜きにしてあげるわ。▼
- [レダ]
- ふうっ。沢山踊ったわ。
ドロテアもリーンも可愛いうえに、
踊りもとっても魅力的で……▼
ほんのひと時、何もかも忘れて交流できて、
久しぶりに楽しかった。▼
……でも、腑抜けているわけにはいかない。
あたしはこの世界でも、絶対にあいつへの
憎しみを忘れたりはしないわ……▼
……あら?▼
- [アズール]
- …………▼
- [レダ]
- こちらを気にしている
英雄がいるわね……▼
あたし、怖い顔をしていた?
警戒されているのかしら。▼
- [アズール]
- そこの綺麗なお姉さん!
僕と一緒にお茶でもどうかな?▼
- [レダ]
- は?▼
- [アズール]
- 驚いた顔も可愛いね!
勿論、さっきの憂いを帯びた顔も
とびきり美しかったけど。▼
出会いを祝して、行きたい店があるんだ。
どうかな。僕が君のことを
必ずエスコートしてあげるからさ!▼
- [レダ]
- 何かしら、この既視感。
異界にもシロッコみたいなのが
いるだなんて聞いてないわよ。▼
- [アズール]
- シロッコ
?▼
- [レダ]
- ただの知り合いよ。
あなたと同じ、女好きで軽々しくて、
一緒にお茶なんて絶対したくない男のこと。▼
- [アズール]
- 初対面なのに手厳しいなあ。
でも毅然としているところは素敵かも。
ほら、綺麗な花には毒があるっていうし……▼
あれ?
綺麗な薔薇には棘がある、だっけ?▼
- [レダ]
- どっちでもいいわよ!▼
軽薄な誘いはお断りだわ。
諦めて帰ってちょうだ……▼
……?
よく見たら、あなたのその恰好……▼
- [セアダス]
- 遅いよ、アズール。
踊りの小道具を取りに行くって言って
どれだけ待たせるつもり?▼
- [アズール]
- ご、ごめん。セアダス。
途中で綺麗なお姉さんがいたから、
つい……!▼
- [レダ]
- 踊りの小道具……
やっぱりあなた、踊り子なのね。
そっちの魔女みたいな恰好の人も?▼
- [アズール]
- そうだよ!
もしかして、興味を持ってくれた?
僕たち二人ともダンサーなんだ。▼
良かったら君のことも聞かせてよ。
お茶が気に入らないのなら、
おいしい食事処でも……▼
- [セアダス]
- 今から食事に行くの?
じゃあ俺もご一緒していいかな。
鍛錬の前に何か食べておきたくて。▼
- [アズール]
- 勿論だよ!
みんなで行こう!▼
- [レダ]
- 勝手に了承しないで!
あたし、さっきあなたに
お断りだって言ったわよね?▼
- [セアダス]
- あ……
断られてたんだ、残念。▼
三人だったら気になってた店の
鶏の丸焼きの取り分が、
多過ぎず丁度良くなると思ったのに……▼
- [レダ]
- え、何?
何か食べたいものがあるの?
あたしがいると丁度いいわけ?▼
ちょっと、なんだか
断りづらくなってきたじゃない。
ああ、もう……!▼
- [レダ]
- 美味しーい!
絶品じゃない、ここのお料理!▼
成り行きでついて来ちゃったけど、
正解だったわね。▼
- [アズール]
- 喜んでくれてうれしいよ。
ああ、食べている時の表情も
すっごくかわいい……!▼
セアダス、ありがとう!
君のお陰でレダと一緒に
食事をすることが叶ったよ!▼
- [セアダス]
- 別に手伝った覚えはないけど、
結果的に役に立ったならよかった。▼
もぐもぐ……
うん、美味しい。▼
- [レダ]
- 確かに二人きりだったら、
絶対一緒には来なかったわ。▼
セアダスは下心がなさそうで
安心できるというか……ちょっと
あたしに興味なさすぎるようにも思うけど。▼
- [アズール]
- いつも女の子より、
食べ物のほうに夢中だもんね。▼
- [レダ]
- 色気より食い気なの?
こんな煽情的な格好をしておいて?▼
- [セアダス]
- 三人とも似たようなものだろ。
それに、レダに興味ならあるよ。
君も踊り手だとは思わなかったし。▼
『大輪の薔薇』のカード……
この出会いは何れ花開き、
互いを支えあう運命だって示してる。▼
- [レダ]
- あら、占い?
それで口説くだなんて、
気障なところもあるじゃない。▼
- [アズール]
- ストップストップ!
二人の世界に入らないでよ!
僕、もっとレダの話を聞きたいな。▼
ダグザの地の踊り手として、
どんな活躍をしてたの?▼
- [レダ]
- ビウエラを弾いて、
歌を歌うことが多かったけど……
踊り手としては依頼をこなすのが主ね。▼
ダグシオンにある酒場で
踊りを披露したり、大陸のあちこちまで
興行に出かけたりしていたわ。▼
- [アズール]
- すごいや、僕も早くそれだけ
売れっ子のダンサーになりたいよ。
レダは夢を叶えていて立派だね……!▼
- [レダ]
- 感激してくれてるところ
申し訳ないんだけど、
別に踊り手が夢だったわけじゃないの。▼
あたしの夢……
いえ、生きる目的は、お父さまの仇に
復讐を果たすことだから。▼
- [セアダス]
- 復讐?▼
- [レダ]
- あたしはお父さまを目の前で殺された。
だから、復讐をしないといけないの。▼
仇であるあの男の
心臓を引きずり出して……
冥府の神に捧げると決めているのよ。▼
- [アズール]
- …………▼
- [レダ]
- 幻滅しちゃったかしら?
踊り手なんて華やかなことをしておいて
こんな過去と憎しみを抱えているだなんて。▼
- [アズール]
- 幻滅だなんて、とんでもないよ。
気持ちはよくわかる。▼
- [レダ]
- 適当なことを言わないで。
こんな気持ちが簡単に
わかるわけないじゃない。▼
- [セアダス]
- わかるよ。
状況は違えど、俺たちも目の前で
家族を殺されているんだ。▼
- [レダ]
- え……
あなたたちも……?▼
- [レダ]
- 家族を……
目の前で殺された……?▼
- [アズール]
- 僕は母さんを、
セアダスは親同然だった師匠を。▼
だから、
レダの気持ちはよくわかる。
さっきの言葉は嘘じゃないよ。▼
- [レダ]
- ……あなたたちも復讐を?▼
- [セアダス]
- それは……
したいと思ってもできない。▼
- [アズール]
- 僕の母さんを殺したのは
屍兵っていう、生ける屍なんだ。▼
仮面をつけていて、
瘴気に覆われてて……
個体の識別なんてできなかった。▼
だから、仇を取ろうと思っても
どいつが母さんを殺した屍兵なのか、
わからない。▼
- [セアダス]
- 俺の場合は、
師匠の命を奪ったのは賊だから
仇が誰なのかはわかるんだけど……▼
隊商にいた仲間たちが
すぐに切り伏せてくれて、
もうこの世にはいない。▼
俺はその時まだ戦う力を持たなくて……
本当に、何もできなかった。▼
- [レダ]
- …………
あたしも子供で、戦えなくて……
何もできなかったわ。▼
ごめんなさい。
気持ちがわかると言ってくれたのは
本当だったのね。▼
あなたたちは、復讐がしたくとも
できないという意味も分かったわ。▼
……辛いわね。
思いをぶつける先が無いのは。▼
- [アズール]
- でも、直接仇は取れなくとも
間接的にあいつらを滅することはできる。▼
運命を変えて、屍兵の蔓延る世界を
決して訪れない未来にしてやる。
それが僕たちの復讐なのかも。▼
- [セアダス]
- 羨ましいな。
俺はもう、師匠のために踊るしか
何かやり返すことができないから。▼
今更になって思うんだ。
あの日……俺があいつを倒したかった。
師匠の仇を、この手で取りたかった。▼
- [レダ]
- …………
ふふ……▼
- [セアダス]
- レダ?▼
- [レダ]
- あなたたち二人とも、
いい目をしてる。人を憎む目よ。▼
此処にいる人たちはみんな
良い子ちゃんなのかと思っていたけど……
そりゃあ、いろんな事情の人がいるわよね。▼
みんな笑顔の下に、何を隠しているか
わかったものじゃないわ。▼
- [アズール]
- レダの仇は、どんな人なの?▼
- [レダ]
- ベルトランという男よ。
アラゴ王国から来た将軍……あいつが、
お父さまを殺した光景は忘れないわ。▼
長い間、奴は処刑されたものと
思っていた。でも……最近になって
生きていることを知ったの。▼
今は闘技場で剣闘奴隷をしていて
「闘技場の白髪鬼」と
称されているらしいけれど。▼
……絶対に逃がさない。
あたしのこの手で、必ず殺してやる。▼
- [セアダス]
- 闘技場の白髪鬼……
ベルトランか。▼
- [レダ]
- もしかしたらあいつも、
いつかアスク王国に
来るのかもしれない。▼
その時は、あたしの味方をしなくていいわ。
皆にあいつを憎んでほしいとか、
そういう気持ちは無いの。▼
ただ……祈っていて。
いつかあたしの望みが遂げられることを。▼
それから、
似た経験を持つあなたたちに、
また話を聞いてもらえると嬉しいかも。▼
- [アズール]
- 勿論だよ。
僕たちでよければ。▼
- [レダ]
- ありがとう。▼
そういえばアズールもセアダスも
これから踊りの鍛錬なのよね?▼
あたし、あなたたちの踊りを
見てみたいわ。▼
- [セアダス]
- じゃあ、一緒に鍛錬しよう。
俺も、レダの踊りが見てみたい。▼
- [アズール]
- ビウエラも聴いてみたいな!▼
- [レダ]
- 仕方ないわね。
この出会いを祝して、
特別に一曲奏でてあげる。▼
いえ、一曲と言わず
今日は何曲でも付き合うわ。▼
あなたたちの大切な人の
魂にも届くような曲を……
今日は奏でたい気分なの。▼
リベイラ村の少年 カイ†
- [カイ]
- よいしょっと。
この区画の土は、これで良いよね。▼
こうして畑仕事してると、
リベイラ村にいた頃を
思い出すなあ……▼
- [ドニ]
- カイー!▼
- [カイ]
- あっ、ドニ!
どうかな。この辺りの耕し具合。
ちゃんとできてる?▼
- [ドニ]
- おお!
いい感じだべ!
さっすがカイ。
これなら大きい野菜ができそうだべな。▼
- [モズメ]
- うんうん。
土がふかふかになるまで耕されてて
一目見ただけでいい畑やってわかるわ。▼
- [カイ]
- モズメも来てくれたんだ!
二人にそう言われると、
オレちょっと自信ついちゃうな。▼
- [ドニ]
- ちょっとどころか、
もっと自信をつけると良いべ!
何せ、おらたちのお墨付きだからな。▼
- [カイ]
- えへへ、安心したよ。
畑のこともだけどさ……実はオレ、
アスク王国に来てから不安だったんだ。▼
村とは違う立派な建物ばかりだし、
凄そうな英雄もいっぱいいるしさ。
ここで馴染めるのかなって。▼
でもこうしてオレと同じ、
村育ちの英雄のドニやモズメと
仲良くなれて良かった!▼
- [モズメ]
- カイ……▼
- [カイ]
- それに、二人といると
元の世界の幼馴染といるみたいで
寂しくなくなるんだ。▼
ティアラとピーテルっていって、
村ではよく一緒に遊んでたんだよ。▼
- [モズメ]
- その二人も、
早う来てくれるといいなあ。
そしたらみんなで仲良くしたいわ。▼
せやけど、最初は驚いたもんやで。
カイみたいな都会的な人が
あたいと同じく、村出身やなんて。▼
- [ドニ]
- そうそう。カイにはなんかこう、
気品みたいなものが
ある気がするんだべ。▼
- [カイ]
- そうかな? それ、ティアラにも
言われたことがあるんだけど、
本当に全然そんなことないよ。▼
生まれも育ちもリベイラ村だし、
親父も全然都会的じゃないしさ。
でも、褒めてくれてありがとう。▼
そうだ、畑仕事のあとは
動物でも捕まえに行こうよ!
オレ、いい場所を見つけたんだ!▼
- [ドニ]
- ……本当にこれで、
動物が来るんだべか?▼
- [カイ]
- しーっ。
餌は大丈夫なはずだから、
信じて静かに待ってみよう!▼
- [モズメ]
- 楽しみやけど、
何や緊張するわあ。
このまま、ずっと見守ってるん?▼
- [カイ]
- 元いた世界だと、餌を仕掛けたあと
他の場所に行って時間が経ってから
戻ればよかったんだけど……▼
アスク王国だと何があるか
わからないからね。一応。▼
- [ドニ]
- !!
動物が来たみたいだべ!▼
- [モズメ]
- あっ、かわいい。
小さいイノシシやわぁ。▼
- [カイ]
- よし、じゃあこのまま
捕獲できるか試してみよう!▼
次は餌を投げて……って、
あれれ!?▼
- [ドニ]
- しまった、逃げていくべ!▼
- [カイ]
- そんなぁ。
餌が好みじゃなかったのかな……▼
- [モズメ]
- まだ諦めたらあかん!
追いかけるで!▼
- [カイ]
- 待って待って!▼
ん!?
あの人は……▼
- [ネフェニー]
- ……イノシシ?▼
- [モズメ]
- ネフェニーさん!
捕まえてくれたんか!
おおきに!▼
- [ネフェニー]
- 礼には及ばない……▼
それで、このイノシシは……
どうするの? 食べるの?▼
- [カイ]
- どうしよう。
いつもはオルニウスとか、
もっと大きい動物が来てたから……▼
騎乗用の動物にしてたんだけど、
食べてもいいかもね。▼
でもそのイノシシはまだ小さいしなあ。
折角二人が協力してくれたのに
悪いけど、今回は逃がそうかな。▼
- [ネフェニー]
- わかった……▼
- [カイ]
- ありがとう。それにしても、すごいね、
あんなに速く逃げる動物を
軽々と捕まえちゃうだなんて!▼
- [ドニ]
- ネフェニーさんもおらたちと同じく
村出身の兵士で、
槍の名手なんだべよ!▼
- [カイ]
- 槍の名手!?
じゃあ今度、オレに技を教えてよ。
ネフェニー姉ちゃん!▼
- [ネフェニー]
- ね、姉ちゃん……!?▼
ま、まあ……
ちょっとだけなら、構わんよ……?▼
- [カイ]
- えい! せやっ!
どう? こんな感じかな?!▼
- [ネフェニー]
- いい感じ……だと思う。
綺麗な槍さばき……です。▼
- [カイ]
- 良かったー!
けどネフェニー姉ちゃん、
また気を遣って話してない?▼
オレも村育ちだから気にしないでって
さっきも言ったのに!▼
- [ネフェニー]
- で、でもカイは……
言葉が訛っとらんから……▼
- [カイ]
- そうかもしれないけど、
ドニやモズメはオレに対して
普通に話してくれたよ?▼
ネフェニー姉ちゃんも
村育ちって聞いて嬉しかったのに、
なんか寂しいな……▼
- [ネフェニー]
- うっ……▼
- [カイ]
- でも無理強いはだめだよね。
ごめん。▼
- [ネフェニー]
- …………
ごめんはあたしの方じゃ……カイ。
悲しませるつもりはなかったんじゃ……▼
じゃあ、今からは
普通に話したらええん……?▼
- [カイ]
- ありがとう!
その話し方、姉ちゃんらしくて
かわいいと思う!▼
- [ネフェニー]
- か、かわ……!?
まあ、それは良いとして。▼
槍の件じゃけど……
あたしが教えんでも、
カイは既に強いように思うんよ。▼
- [カイ]
- 本当?
そう言ってもらえると嬉しいけど、
全然、足りないんだ。▼
オレはまだまだ半人前で、
親父に教えてもらった技しか知らないし。
もっと強くならなきゃ。▼
- [ネフェニー]
- どうしてそんなに強くなりたいん?
ドニやモズメもそうじゃけど……▼
子供が戦争に参加するのは、
本当は良くないことじゃと思うんよ。▼
- [カイ]
- オレの場合は戦争じゃなくて、
ダグシオンっていう街で開かれる
大剣闘祭で優勝するためなんだ。▼
- [ネフェニー]
- 大剣闘祭……
それはカイみたいな年頃の子らが
参加するお祭りか?▼
- [カイ]
- 違う違う!
大人たちも、というかダグザ大陸中の
みんなが参加するんだよ!▼
そこで優勝すれば何でも一つ
神威法王に願いを叶えて貰えるから、
みんな必死で技を競うんだ。▼
- [ネフェニー]
- 大陸中の……
なら戦と同じことや。参加するのは、
大人になってからではいかんの?▼
- [カイ]
- ……それじゃダメなんだ。
親父を助けるためには、
残されてる時間がないから。▼
- [ネフェニー]
- 何か事情があるんじゃね。
お父さんのためなら、
必死になるのも仕方ないか……▼
うん。そういうことやったら、
あたしは何も言えん。
もっと強い人にも師事するとええ。▼
あたしの中で
強いと思ってる人を紹介するけえ。
一度会いに行ってみるのはどうじゃ?▼
- [カイ]
- いいの?
ありがとう、姉ちゃん!▼
あ、でも、ネフェニー姉ちゃんの稽古も
すごく参考になるから……
もう少しだけ、お願いできる?▼
- [ネフェニー]
- 勿論じゃ、カイ。
じゃあもう一度、構えを取って……▼
- [カイ]
- ええっと。
あなたがネフェニー姉ちゃんが
紹介してくれた……▼
- [アイク]
- アイクだ。
あんたがカイだな?
よろしく頼む。▼
- [カイ]
- は、はい!
よろしくお願いします!▼
- [アイク]
- 敬語はいい。
気楽に話してくれ。▼
カイの武器は槍だと聞いているが、
俺は剣を得意としている。
そこは問題ないな?▼
- [カイ]
- はい……じゃなくて、うん。
親父に教えてもらったのは槍術だけど、
それだけじゃ足りなくて……▼
強い人から、色んな武器の扱いを学んで
大剣闘祭で戦えたらって
思ってるんだ。▼
- [アイク]
- わかった。
ある程度、話は聞いている。▼
カイの世界で開催される大剣闘祭は、
大陸中の猛者が鎬を削る
祭りだそうだな。▼
少し、羨ましく思う。
叶うなら俺も参加をして、
強いやつと闘いたいものだ。▼
- [カイ]
- あはは。
なんかディートリヒさんみたいなこと
言うんだね。▼
- [アイク]
- それはあんたの仲間か?▼
- [カイ]
- だったら良いんだけどね。
オレは優勝するために、
その人にも勝たなくちゃいけないんだ。▼
- [アイク]
- そうか。
では始めるぞ。
まずは剣の振るい方から教える。▼
- [カイ]
- わかった!▼
- (暗転)
- [カイ]
- ふう……はあ……▼
- [アイク]
- 少し休憩する。
初めてにしては、
良い太刀筋だった。▼
- [カイ]
- アイク兄ちゃんの教え方がいいからだよ。
ありがとう!▼
- [アイク]
- 俺は教えることがそう得意ではない。
上手くいったのは、
カイの適性だ。▼
- [カイ]
- そ、そうかな。
優しいね、アイク兄ちゃん。▼
- [アイク]
- …………
俺は最初、この師事の申し出は
断るつもりだった。▼
だが……事情を聞いて考えを変えた。
カイが大剣闘祭に参加するのは、
あんたの親父のためだそうだな。▼
- [カイ]
- ネフェニー姉ちゃん、
そのことも伝えてくれてたんだ。▼
- [アイク]
- 俺にはよくわからんが、
勝ちさえすれば、
親父は助かるのか?▼
- [カイ]
- そう信じてる。
大剣闘祭で優勝したら、
ひとつだけ願いを叶えてもらえるんだ。▼
オレはそこで、親父の助命を願う。
親父が死なない方法は、たぶん……
それしかないと思う。▼
- [アイク]
- なら絶対に勝て、カイ。▼
俺の親父は……
戦の中で死んだ。▼
- [カイ]
- え……▼
- [アイク]
- 俺が強かったら、
あの時もっと戦えていたら、
親父は死ななかったかもしれない。▼
墓標の前に座る妹を見て、
俺は強くそう思った。
もう誰にも、同じ後悔をさせたくない。▼
- [カイ]
- アイク兄ちゃん……▼
- [アイク]
- 強くなれ。
家族のために。
あんたの野望を叶えるために。▼
- [カイ]
- ありがとう。
……強くなるよ。絶対。▼
だって、この世界で……
ネフェニー姉ちゃんや
アイク兄ちゃんが教えてくれたんだから。▼
- [アイク]
- 訓練を再開する。
ここからは本気で技を叩き込むぞ。
ついて来られるかな、カイ?▼
- [カイ]
- 勿論!▼
剛腕の女王 セオドラ†
- [セオドラ]
- 特務機関ヴァイス・ブレイヴ……
不可思議なことは多いものの、
なかなかに楽しませてくれる。▼
しかし、任務の通達が
書簡で行われることがあるのは
些か不便だな。▼
我がサラミスでは文字を使用しない。▼
絵図や口頭で知らせるよう願い出るか?
だが、しかし……▼
- [リュール(女)]
- あの、そこの方。
何かお困りごとでしょうか。▼
- [マルス(紋章士)]
- 見たところ、
新しい英雄のようだね。▼
- [セオドラ]
- ああ、実は……
……ん!?▼
な、なんだ、その……
光って浮いている者は!?▼
- [マルス(紋章士)]
- 僕のことかい?▼
- [セオドラ]
- 亡者……いや、
まさかの精霊の類か!?▼
- [マルス(紋章士)]
- 驚かせてすまない。
僕の名はマルス。
紋章士という存在だ。▼
- [セオドラ]
- 紋章士だと?▼
- [リュール(女)]
- 世を救った英雄たちの魂が、
エレオス大陸で顕現された存在。
彼らのことを紋章士と呼ぶんです。▼
- [セオドラ]
- 英雄の魂……
それは、亡者とは違うのか?▼
- [マルス(紋章士)]
- 亡者や幽霊の類ではないね。
自身の人生の記憶は擁しているけれど、
紋章士自身は、生まれた時から紋章士だ。▼
元となった英雄が死んだ後、
この姿になったという連続性はない。▼
- [セオドラ]
- ダグザの地の道理では計れぬ存在か。
だが、何とか理解した。▼
- [リュール(女)]
- 申し遅れました。私はリュール。
彼らは超常の力を有しているので
とても頼りになるんですよ。▼
- [セオドラ]
- 私はサラミスの女王、セオドラという。
早速だがリュール、紋章士マルス。
我が悩みに力を貸してくれるか。▼
- [リュール(女)]
- 勿論です、セオドラ女王!▼
- [マルス(紋章士)]
- 戦で力が必要なら、僕の力を
君に貸し与えることができる。▼
エレオスでは紋章士の指輪を装着して、
「エムブレム・エンゲージ!」と
叫ぶんだ。▼
- [セオドラ]
- え、えむ……?
我々も戦の前には
誓詞や宣言を行うが、その類か?▼
- [マルス(紋章士)]
- 叫んでみるかい?
指輪は今ここにはないけれど、
気分は出るよ。▼
- [セオドラ]
- 申し出は有り難いが、
今は遠慮しておこう。▼
残念ながら私の悩みは戦のことでなく……
任務の通達方法についてだからな。▼
- [セオドラ]
- リュール、紋章士マルス、感謝する。
お前たちの進言のお陰で、
絵図での任務通達が叶えられた。▼
- [リュール(女)]
- セオドラ女王の役に立ててよかったです。▼
- [マルス(紋章士)]
- 幼い英雄たちからも、絵図のほうが
わかりやすいという意見が出ていたね。▼
- [セオドラ]
- 彼らの援護も僥倖だった。
サラミスの地は、女神ユ・ファスによって
文字の使用が禁じられている。▼
特務機関の者の手を
煩わせることは本意ではないが、
こればかりはな……▼
- [リュール(女)]
- 神様による禁忌でしたか。
であれば犯し難いのも道理ですね。▼
- [セオドラ]
- 我がサラミスの民は、
ユ・ファス様に大恩がある。▼
我らの存在はまさに、
あの方あってこそのものだ。
故に、その意に反することは罷りならぬ。▼
お前たちには、
祖国で信仰する神はいなかったのか?▼
- [マルス(紋章士)]
- 僕の故郷である
アカネイア大陸では、
神竜が信仰されていたよ。▼
この世界にも英雄として存在しているから
セオドラもいつか会うことがあるだろう。▼
そして、エレオス大陸の神は、
神竜リュール。
今セオドラの目の前にいる彼女がそうだ。▼
- [セオドラ]
- なに?
リュールは、神位だったのか?
そういうことは早く言え。▼
- [リュール(女)]
- すみません、隠すつもりでは
なかったのですが……▼
- [セオドラ]
- 安心しろ。私は相手が神位だからといって
無条件に傳くような真似はしない。
大事なのはその者が何を成したか、だ。▼
- [リュール(女)]
- その考えには共感できます。
私の仲間にも、その考えを持ち、
私に説いてくれた者がいました。▼
- [セオドラ]
- 良い仲間だ。
それで、神たる竜は何を信仰する?
よもや自分自身か?▼
- [リュール(女)]
- 私個人の信仰となると、
母さん……神竜王ルミエルでしょうか。
彼女は偉大で、永遠に憧憬の対象です。▼
それに、マルスたち紋章士のことも
神様のように思っていますよ。▼
- [マルス(紋章士)]
- 君にそう言われると、なんだか
くすぐったい気持ちになるよ。▼
- [セオドラ]
- だが、その見た目では合点がいく。
紋章士は、皆が思い描く神という
存在に近い見た目なのかもしれない。▼
因みにダグザの地の神々は
人と変わらぬ姿をとり、
実在しているぞ。▼
- [リュール(女)]
- セオドラ女王の信仰される
ユ・ファス様は、
どのような神だったのですか?▼
先程、大恩を受けたと仰っていたので、
素晴らしい方であることは
想像に難くありませんが。▼
- [セオドラ]
- お姿を直に拝見したことはないが、
我が祖先であるダマスカルの民を
救ってくださった、慈愛に満ちた御方だ。▼
少し長い話になるが、
トロイアのオオババから聞いた
歴史を教えてやろう。▼
- [セオドラ]
- 遠い昔……
私たちの祖先はダグザ大帝によって
平和を脅かされ、無実のまま虜囚となった。▼
処刑される運命にあった彼らを
ユ・ファス様は哀れに思ってくださり、
幼い子供五千人を救い出してくださった。▼
その子供たちが、
のちにダマスカル王国を建国した。
我らが祖先だ。▼
ユ・ファス様の計らいがなければ、
祖国も、民も、この私も、
今ここにはいないということだ。▼
- [リュール(女)]
- 文字通りの、命の恩人ということですね。
それほどの女神様であれば、
きっと大陸全土で信仰されているのでしょう。▼
- [セオドラ]
- …………▼
私は……いや、我がサラミスの全国民は
あの方の名誉を回復することを
悲願としている。▼
私はそのために祖国を後にし、
ダグシオン大剣闘祭に挑んでいるのだ。▼
- [マルス(紋章士)]
- 名誉の回復だって?
話を聞く限りでは、
素晴らしい女神様だけれど。▼
- [セオドラ]
- 無論、その通りだ。
だがダグザの地の民の多くは、
彼女を恐ろしい死神だと揶揄している。▼
業腹な事この上ないが、
その認識を容易には覆せぬことも事実だ。▼
だから私は大剣闘祭で勝利をおさめ、
荒廃した聖地を再建する権利を賜り
ユ・ファス様の汚名を雪がねばならん。▼
- [リュール(女)]
- それは必ず成し遂げて欲しいと
無関係の私ですら願ってしまいます。▼
ですが……何故ユ・ファス様は
死神だなどと言われているのですか?
救いや慈愛の神のほうが相応しいのでは。▼
- [セオドラ]
- 神位にはそれぞれ司るものがあり、
ユ・ファス様は死と夜の神で
あらせられる所以だろう。▼
恐れる気持ちは理解できるが、
ユ・ファス様が死を招くわけでは
決してない。▼
冥界に落とされる魂を救済し、
正しい循環に還す……▼
死者の魂を導くことが、
ユ・ファス様の大いなる役儀だ。▼
- [リュール(女)]
- 死者の魂を……▼
…………▼
- [マルス(紋章士)]
- ?
どうしたんだい、リュール?▼
- [リュール(女)]
- 魂を導くと聞いて、少し……▼
- [セオドラ]
- まさかお前も、
ユ・ファス様のことを
恐ろしい神だと認識したか?▼
もしユ・ファス様のことを、
悪し様に言うようであれば、
私は……▼
- [リュール(女)]
- 違います、セオドラ女王。
お話を伺って、ユ・ファス様が素晴らしい
神であるという認識は揺らぎません。▼
私は……
ユ・ファス様が、私の魂も
救ってくれるだろうかと考えていました。▼
- [セオドラ]
- お前の魂を?▼
- [リュール(女)]
- 私は、一度死した身ですから。▼
- [セオドラ]
- なに?▼
- [リュール(女)]
- セオドラ女王は最初、マルスのことを
亡者かと問うていましたが、
私のほうがそうなのかもしれません。▼
- [マルス(紋章士)]
- リュール。
君は亡者ではない。▼
僕たちの起こした奇跡で、
今もこうして
生きているじゃないか。▼
- [セオドラ]
- どういうことだ……
リュールが一度、
死した身だと……?▼
- [セオドラ]
- 一度死したとは、どういうことだ?
お前はどう見ても
亡者には見えないが……▼
- [リュール(女)]
- エレオス大陸の戦争……
その終盤の局面で、
私は命を落としたんです。▼
今はマルスたち十二の紋章士の力で
新たな生を受けましたが、▼
いつか天寿をまっとうしたとき、
普通の死が訪れるかはわかりません。▼
- [マルス(紋章士)]
- リュールは仲間や、エレオスの民たちを
守るために戦ってくれたんだ。
そして、辛い決断をさせてしまった。▼
僕たち紋章士は確かに奇跡を起こし
リュールの命を繋ぎ留めたけれど、
その懸念だけは残ったままだ。▼
- [セオドラ]
- ……お前は民のために、
普通の死を諦めたということか。▼
- [リュール(女)]
- もとより覚悟の上での選択です。
一片の後悔もありません。
ただ、先のことを考えた時……▼
どうなるのだろうかという、
漠然とした思いはあります。▼
もし、ユ・ファス様が死を司るのなら、
私の魂も連れて行ってくれるだろうかと
そう考えていました。▼
- [セオドラ]
- リュール……▼
……ああ。必ず救済してくれる。
我らが敬愛する神、
ユ・ファス様であれば。▼
サラミス王セオドラの名に於いても
それだけは約束しよう。▼
- [リュール(女)]
- ありがとうございます。▼
- [マルス(紋章士)]
- 僕からも礼を言うよ。
ありがとう、セオドラ。▼
- [セオドラ]
- 勘違いをしたことを詫びよう。
リュールはユ・ファス様のお力に
正しく思いを馳せてくれていたのだな。▼
私の言葉では、その杞憂の全てを
取り払うことは不可能だろう。
だが、どうか信じてくれ。▼
異界であっても、
その魂が神たる者であっても、
必ず救ってくださる。▼
私が……そして
我がサラミス国家が信奉するのは
そういった女神だ。▼
- [リュール(女)]
- セオドラ女王……
ええ、私も信じますよ。▼
- [セオドラ]
- 私はただ神であるだけでは
傳かないと言ったが、
リュールには敬意を払うこととする。▼
その身を犠牲にし
仲間や民たちを救った者は、
神位として相応しい。▼
- [リュール]
- そう言っていただけると
なんだか照れくさいですが、
光栄です。▼
- [セオドラ]
- 先程リュールは、紋章士のことを
世を救った英雄たちの魂を
エレオスで顕現した存在と言っていたな。▼
これは只の好奇心なのだが、
ダグザの地の英雄も
紋章士となっているのか?▼
- [リュール(女)]
- ダグザの地からの紋章士は
見たことがありませんね……
マルスは、何か知っていますか?▼
- [マルス(紋章士)]
- 僕も出逢ったことはないね。
けれど、今後絶対に
顕現されないとも言い切れない。▼
異界から腕輪の紋章士が来たように、
いつかどこかから、新たな紋章士が
現れることがあるかもしれないよ。▼
- [リュール(女)]
- ではいつかセオドラ女王が
紋章士となる可能性も……▼
- [セオドラ]
- 中々に浪漫のある話だな。
その私はきっと、大剣闘祭で勝利し
悲願を成した後なのであろう。▼
- [リュール(女)]
- もしも我がエレオス大陸に
顕現することがあれば、
是非、私とエンゲージしてください。▼
- [セオドラ]
- ほう、いきなり求婚するとは
見上げた胆力だな。▼
- [リュール(女)]
- えっ!? ち、違います。
私の言ったエンゲージは、
そういう意味ではなく……!▼
- [セオドラ]
- ははは! 無論承知している。
私の力を貸し与える……いや、
背を守り合い、戦おうという意だろう?▼
それならば、紋章士にならずとも、
今ここで叶うではないか。▼
- [マルス(紋章士)]
- 確かにそうだね。
ちょうど次の出撃では僕たちは
一緒の編成だったのではないかな。▼
- [セオドラ]
- それは重畳。
では次の戦で私とエンゲージしてくれ。
紋章士マルス、神竜リュール!▼
- [マルス(紋章士)]
- ああ!▼
- [リュール(女)]
- はい!▼
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Last-modified: 2026-09-21 (月) 16:59:50