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章別会話
オスティアの雄風†
オスティアの雄風†
オープニング†
- [ヘクトル]
- アスク王国…か。
ここが異界だなんて信じられねえな。▼
- [レイラ]
- お迎えに上がりました、ヘクトル様。
ウーゼル様とオズイン様がお待ちです。▼
- [ヘクトル]
- おまけに使いに来たのが顔見知りの
レイラときちゃあ、益々実感が湧かないぜ。
まるでオスティアにいるみたいだな。▼
レイラ、さっきシャロン王女に聞いたが
お前もまだアスク王国へ来て
日が浅いそうじゃないか。▼
- [レイラ]
- 私だけではありません。
ウーゼル様とオズイン様も
こちらの世界へいらしたばかり…。▼
そこで、一度顔を合わせて
状況を整理する必要があると
お考えになられたようです。▼
もっともウーゼル様は
アスク王国のために尽力する
おつもりのようですが…。▼
- [ヘクトル]
- 即断即決が信条の兄上らしいぜ。
そんじゃま、兄上たちに会いに行くか。
案内は頼んだぜ、レイラ。▼
- [レイラ]
- ヘクトル様はこの状況を
楽しんでいらっしゃるようですね。▼
- [ヘクトル]
- そう見えるか?
まあ、オスティアを飛び出してから
兄上ともしばらく会ってねえからな。▼
- [レイラ]
- 久しぶりの再会を
楽しみにされているのですね。▼
- [ヘクトル]
- 冗談じゃねえ。
どうせ説教でもされるに決まってる。▼
だが、俺も修羅場は潜ってきた。
うるせえこと言わせねえためには
成長したところを見てもらわねえとな!▼
- [レイラ]
- なるほど、それが狙いでしたか。
きっとウーゼル様も
安心なされることでしょう。▼
- [ヘクトル]
- だといいんだけどよ。
きっと一筋縄じゃいかねえんだよなあ…。▼
- (暗転)
- [ヘクトル]
- 待たせたな、兄上!
元気そうでなによりだぜ!▼
- [オズイン]
- 騒々しいですぞ、ヘクトル様。
部屋に入るなり無作法極まりない。▼
- [ウーゼル]
- …やれやれ。
お前はどこに居ても変わらんな。▼
オスティアを出てからのこと
オズインに聞かせてもらったぞ。▼
- [ヘクトル]
- げっ!? いやいや!
たしかにオズインの小言は
毎日聞かされたけどよ…。▼
武勲だったらそれなりに
上げてきたつもりだぜ!?▼
俺だけじゃねえ。
エリウッドとも力を合わせて
いくつもの修羅場を潜り抜けたんだ。▼
- [ウーゼル]
- 戦場での活躍は認めよう。
だが、それがすべてではない。▼
オスティア領を担う者として
成すべき振る舞いというものが…
…ぐっ…、……!!▼
- [オズイン]
- ウーゼル様!!▼
- [ウーゼル]
- …問題ない。
少しふらついただけだ。▼
- [ヘクトル]
- いやいや、少しじゃねえだろ。
それに顔色も悪くねえか?▼
兄上は働きすぎなんだよ。
異界に来てまで気を張りすぎだ。
たまには休む時間も必要だぜ?▼
- [オズイン]
- おや? これはヘクトル様。
今日は訓練場に行かれないのですか?▼
- [ヘクトル]
- お前が一人になるのを待ってたんだよ。
兄上の病気について聞かせてもらうぞ?▼
どうせ兄上に尋ねたところで
あしらわれるのは目に見えてるからな。
お前に聞くのが手っ取り早い。▼
- [オズイン]
- なるほど…やはり
お気付きになられていましたか。▼
- [ヘクトル]
- 信じたくもねえ話だが
直接この目で見ちまったからな。
あれは疲れとか、そういうもんじゃねえ。▼
リキアの盟主が病に伏しているなんざ
間違っても外には洩らせねえ…。
慎重にもなるのも理解できるぜ。▼
- [オズイン]
- 仔細を伝えることができず
申し訳ございませんでした。▼
もう、隠し立てもできますまい。
ウーゼル様についてお話しいたしましょう…。▼
- (暗転)
- [レイラ]
- お呼びでしょうか、ヘクトル様。▼
- [ヘクトル]
- ああ。まさか兄上の病状が
そんなにも深刻だったとはな。▼
- [レイラ]
- ウーゼル様のご病気のこと…
お耳に入られたのですね。▼
- [ヘクトル]
- だが、幸いにもここはアスク王国だ。
こいつを活かさない手はねえ。▼
異界の英雄が集まっているってことは
知恵者もいるってことだよな?▼
普通なら治せない病でも…
救う手立てを知ってるヤツがいても
おかしくねえってことだ。▼
- [レイラ]
- …それでは、私がその者を
探し出せばよろしいのですね?▼
- [ヘクトル]
- 本当ならマシューに頼むべきところだが
あいつは今、特務機関の任務ってので
出払っちまっててな。▼
お前が兄上の腹心なのはわかってる。
だけど、ほかに適任者が見つからねえ。▼
密偵としても、お前は信頼できる…
やってもらえねえか?▼
- [レイラ]
- はい。すぐに探して参ります。▼
- [ウーゼル]
- ヘクトル!
ヘクトルはいるか!▼
- [オズイン]
- ……。▼
- [ヘクトル]
- なんだなんだ?
兄上にオズインまで!?
なんの騒ぎだってんだよ!▼
- [ウーゼル]
- こんなところにおったか…。
まったくアスク王国に来てまで
くだらぬことをしたものよ。▼
わしの問いに答えよ、ヘクトル。
お前、わしの病を案じて
レイラに密命を下したな?▼
- [ヘクトル]
- なんだよ、バレちまったのか。
ああ、そうだ。間違いねえよ。▼
- [ウーゼル]
- お前というやつは…。▼
- [ヘクトル]
- わ、悪かったって。
オズインから話を聞き出したことや
勝手にレイラを使ったことは謝る。▼
でもよ、タイミングがよかったぜ。
ちょうどレイラが戻ってくるから
一緒に話を聞いて…。▼
- [ウーゼル]
- お前は、ここで成すべきことを
なにもわかっておらぬようだな。▼
自らに問いただしてみよ。
なんのためにこの地へ召喚されたのか?▼
よもや、アスク王国のためではなく
わし一人の命を救うためだとでも
言うのではあるまいな!?▼
- [ヘクトル]
- それは…。▼
- [ウーゼル]
- わしが…わしらがこの地で成すべきは
アスク王国の民のために戦うこと。▼
お前もそのために
エクラ殿の
召喚に応じたのであろう。▼
よいか、ヘクトルよ。
わしらに戦う力があるのは
なんのためだと心得る?▼
それは己の雄を誇るためでも
我を通すためでもない。▼
- [ヘクトル]
- ……。▼
- [ウーゼル]
- わしらの武は、そして命は
日々を誠実に生きる民のためにある。▼
わし一人の命ではなく
まずはアスク王国の民を案じよ。
それが…お前がなすべきことだ。▼
- [レイラ]
- …ウーゼル様。▼
- [オズイン]
- 戻ったか、レイラ。
お前もウーゼル様のお言葉…
心に刻み込んだな。▼
- [レイラ]
- はい。しかとこの胸に。▼
- [ヘクトル]
- 今まで散々小言を聞いてきたが
こいつは一番堪えたぜ。▼
レイラ…すまねえな。
俺はどうやら勘違いをしていたようだ。▼
- [レイラ]
- いいえ、ヘクトル様。
私も…ウーゼル様の決意を
汲み取れずにいたのです…。▼
- [ヘクトル]
- 決意か、そうだな…。
兄上の決意を…俺は…▼
- [ヘクトル]
- ……。▼
- [レイラ]
- こちらでしたか、ヘクトル様。▼
- [オズイン]
- 物思いにふけるなど、らしくありませんな。
空から斧が降らねばよいのですが。▼
- [ヘクトル]
- ああも正面切って
兄上の決意を見せつけられたんだ。
そりゃ、思うところだってあるぜ。▼
あれこそがオスティア侯爵としての…
そして、リキア同盟の盟主としての
覚悟ってもんなんだろうな。▼
- [オズイン]
- ええ。それは間違いなく。▼
- [ヘクトル]
- ならば、俺たちは一日でも早く
アスク王国を平和にしなきゃな。▼
兄上にもう一度、オスティアの地を
踏んでもらうためにな!▼
- [オズイン]
- 及ばずながらこのオズイン
どこまでもヘクトル様を
お支えいたしましょう。▼
- [ヘクトル]
- マシューだけでも持て余してるのに
オズインの小言まで加わるのは
気が重い話だが…。▼
オズインが積み上げてきた経験は
俺よりも遥かに上だ。
当てにさせてもらうぜ。▼
- [レイラ]
- 私も同様にございます。▼
アスク王国でも密偵の任に就き
ヘクトル様やウーゼル様の
目と耳になりましょう。▼
- [ヘクトル]
- レイラの力も、きっと
アスク王国には必要なはずだ。
期待してるからな、二人とも!▼
- (暗転)
- [オズイン]
- 戻りました、ウーゼル様。▼
- [ウーゼル]
- 苦労をかけるな、オズイン。▼
それで…ヘクトルの様子はどうだ?▼
- [オズイン]
- ウーゼル様の志に触れ
思うところがあった様子。▼
揺るぎなき決意とともに
すでに前を向いておられます。▼
- [ウーゼル]
- そうか…フッ。
以前のあいつであれば、自分を通そうと
反論ばかりしていたものだが…。▼
オスティアを飛び出したころよりは
成長しているということか。▼
- [オズイン]
- それは確かでしょう。
私はヘクトル様のそばについて
その姿を見て参りました。▼
- [ウーゼル]
- オズインよ。
これからもあいつのことを任せたぞ。▼
- [オズイン]
- もちろんですとも。
ご安心ください。▼
- [ウーゼル]
- 不安がないと言えば嘘になる。
しかしな…。▼
これからのオスティアは
必ずやヘクトルを中心に
新しい風が吹くであろう。▼
民を勇気づけ、未来へ連れて行く。
誇り高き雄風がな。▼
鋼の壮漢 ヘクトル†
- [ヘクトル]
- しっかし、デカい城だな…
ここが特務機関の拠点ってことか。▼
訓練場を探すどころか
今どこにいるのかすら
わからなくなっちまった。▼
身体を動かそうと思っただけなのに
めんどくせえことになったな…。▼
- [エリウッド]
- ヘクトル!?
こんなところで会うなんて偶然だな。▼
- [ヘクトル]
- ん…? おお、エリウッドか!▼
こんなだだっ広い城で
会えるなんざ偶然も偶然。
こいつは助かったぜ!!▼
訓練場に行きてえんだけど
道に迷っちまったとこでよ。
ちょいと案内してもらえねえか?▼
- [エリウッド]
- それは構わないけど…
そうか、君はまだこちらへ
来たばかりなんだね。▼
慣れない異界に身を置いても
すぐに鍛錬に励もうとするあたり
ヘクトルらしいよ。▼
- [ヘクトル]
- そっちはずいぶんと
馴染んでそうじゃねえか。▼
ちょうどいい。道すがら
アスク王国について教えてくれよ。▼
- [エリウッド]
- もちろんだよ。
アルフォンス王子に聞いてると思うけど
この国の現状をおさらいしておこうか。▼
- (暗転)
- [ヘクトル]
- そうか、異界の英雄たちが
力を合わせなければ倒せない強敵…
そいつが俺たちの相手か。▼
よっしゃ、戦力は多いに越したことねえ。
一人の英雄としてこの俺も
力を尽くすことを誓うぜ!▼
- [エリウッド]
- ありがとう、ヘクトル。
君が共に戦ってくれるのはとても心強いよ。▼
- [ヘクトル]
- …ってことで、俺とお前が
久々に顔を合わせたなら
やることはひとつだよな?▼
再開を祝して
手合わせをしようぜ!▼
これまでの戦績は
31戦13勝13敗5分け…
まだ勝負がついてないからな!▼
- [エリウッド]
- またその話かい?
それはきみが間違っていると…。▼
- [ヘクトル]
- まあ、いいじゃねえか。
早く行こうぜ。訓練所によ!▼
- [エリウッド]
- やれやれ、仕方がないな…。▼
- [???]
- その勝負、ちょっと待ちな!!▼
- [ヘクトル]
- 誰だ!? って…
お、お前は!?▼
- [ヘクトル(恒常)]
- よう異界の俺!
アスク王国へよく来たな!▼
- [ヘクトル]
- こいつは驚いた…
異界には俺にそっくりな奴が
いるんだな…。▼
- [ヘクトル(恒常)]
- そっくりじゃねえ!
俺もお前も魂は同じ。
どっちも本物のヘクトルだ!▼
- [ヘクトル]
- 魂は同じ…なるほどな。
お前を見ていると、
確かに俺自身だと感じる…▼
で、その異界の俺がなんの用だ?▼
- [ヘクトル(恒常)]
- せっかくのエリウッドとの手合わせ…
ただ戦うんじゃ物足りなくねえか?▼
- [エリウッド]
- 物足りない…
それはどういうことかな?▼
- [ヘクトル(恒常)]
- このアスク王国には
俺たちだけじゃねえ。▼
さまざまな異界から来た
エリウッドたちもいるのさ。▼
- [ヘクトル]
- なにが言いたい?
はっ! まさか…!?▼
- [ヘクトル(恒常)]
- さすがは俺だ。察しがいいな。
お前ら二人だけで
手合わせするのはもったいねえ。▼
どうせなら、異界のヘクトルと
異界のエリウッドを集めて
そこで白黒つけようぜ!▼
- [ヘクトル]
- 団体戦ってわけか!?
わっはっは! なんだよ俺!
面白いこと考えるじゃねえか!▼
- [ヘクトル(恒常)]
- おう! 我ながら名案だろ?
そうと決まれば、さっそく
異界の俺たちに声をかけようぜ。▼
- [ヘクトル]
- その話、乗らせてもらうぜ。
いいよな、エリウッド!▼
- [エリウッド]
- ははは…
すっかり意気投合しているね。▼
しかし異界の僕らで団体戦とは…
幼いころ、はじめて会ったときから
君には驚かされてばかりだよ。▼
- (暗転)
- [ヘクトル]
- てなわけで、皆で
エリウッドと腕試しがしてえんだが…▼
- [ヘクトル(愛の祭)]
- 俺はもちろん賛成だ!
断る理由がないぜ!▼
- [ヘクトル(伝承)]
- 日々の鍛錬の成果…
それを発揮する相手が
エリウッドなら申し分ない!▼
- [ヘクトル(選挙)]
- オスティアが誇るこの重装鎧…
エリウッドに見せつけてやるぜ!▼
- [ヘクトル(幼少)]
- おい、ガキだからって外すなよ?
俺だってエリウッドと戦うからな!▼
- [ヘクトル(恒常)]
- 向こうからは五人のエリウッドが
代表として出てくる手筈だ。
5対5の団体戦だな。▼
- [ヘクトル]
- ちょっと待て。
俺たちが一人多くないか?▼
しょうがねえ。
ここはくじ引きで決めるか。▼
試合は一週間後だ。
盛大に団体戦を盛り上げようぜ!▼
- [エリウッド]
- 今日はヘクトルたちとの
手合わせのために
集まってくれてありがとう。▼
- [エリウッド(愛の祭)]
- ヘクトルが言い出したことだろう?
一度言い出したら聞かないからね。▼
- [エリウッド(伝承)]
- 手合わせはいつものことさ。
こちらとしても慣れたものだよ。▼
- [エリウッド(選挙)]
- 楽しみでもあったからね。
自分の実力を推し量る、よい機会だ。▼
- [エリウッド(幼少)]
- 彼とは誓いの儀式を交わしたけど…
盟友だからこそ、全力でぶつかろう!▼
- (暗転)
- [ヘクトル(恒常)]
- 団体戦の発案者はこの俺だってのに、
進行役だと!?
なんでこんなことに…。▼
- [ヘクトル(幼少)]
- くじ引きで負けたから、しょうがないだろ。
あきらめの悪いじじいだな。▼
- [ヘクトル(恒常)]
- じじいじゃねえ! じじいってのは
オズインみたいな老け顔を言うんだ。▼
- [オズイン]
- …ぶわっくしょん!!▼
- [マリナス]
- おや、オズインどの。
風邪でも召されましたかな?
『マリナス堂』のひざ掛けでも…。▼
- [オズイン]
- いえ、大丈夫です。
お気遣いなく。▼
- [マリナス]
- 齢を重ねると冷えには
敏感になりますからな。
オズインどのもお気をつけを。▼
- [オズイン]
- 私はまだ四十にも
達しておらぬのですが…
む、試合が始まるみたいですよ。▼
- [マリナス]
- おおっ、いよいよですな!
エリウッド様ーっ! ヘクトル様ーっ!
お二人の雄姿、しかと見届けますぞーっ!!▼
- [ヘクトル(恒常)]
- まずは、第一試合。
アスク王国名物、愛の祭りに招待された
俺とエリウッド…両者、前へ!▼
- [リン]
- さまざまな異界から来た
二人の戦い…
これは目が離せないわね。▼
- [ヘクトル(仮装)]
- どうだ、リリーナ。
あれが若き日の父の姿だぞ。▼
- [リリーナ]
- ねえ、おとうさまのお相手…
この前、会ったあの子にそっくりね。▼
- [ヘクトル(恒常)]
- 思ったより観客が集まっちまったな…
腑抜けた戦いしたら承知しねえぞ。
そんじゃ、試合開始だっ!▼
- [エリウッド(愛の祭)]
- いくよ、ヘクトル!
はあっ!▼
- (白く光る)
- [ヘクトル(愛の祭)]
- 負けるつもりはねえぜ!
どりゃああっ!!▼
- (白く光る)
- [エリウッド]
- この一撃で!
たああっ!▼
- [ヘクトル]
- チッ、間に合わねえか。
フンッ!!▼
- (白く光る)
- [エリウッド]
- 今のを正面から受け止めるのか…
さすがだね、ヘクトル。▼
- [ヘクトル]
- えげつない太刀筋してよく言うぜ。
やるじゃねえか、エリウッド。▼
- [リン]
- これまでの4戦で
結果は2勝2敗…。▼
二人の実力って
本当に拮抗していたのね。▼
- [オズイン]
- この最終戦でも、それは同様です。
こうも一進一退の攻防が続くとは…。▼
- [ヘクトル]
- 今度はこっちの番だぜ!
おらあああっ!!▼
- (白く光る)
- [エリウッド]
- なんて重い一撃だ…!
だが、まだまだ!▼
- (白く光る)
- [リリーナ]
- すごいですよ、おとうさま。
しょうめんからぶつかりあってます。▼
- [ヘクトル(仮装)]
- ハッハッハ、二人とも戦い方が若いな。
結構なことだが消耗は激しい…
すでに限界も近いだろうな。▼
- [ヘクトル]
- いくぜ、エリウッド。
次で勝負を決めてやる…!▼
- [エリウッド]
- 望むところだ、ヘクトル。
最後の力を振り絞る!▼
- [ヘクトル]
- まけるわけにはいかねえ!
うおおおおおおっ!!▼
- [エリウッド]
- 勝負だ、ヘクトル!
はああああああっ!!▼
- (白く光る)
- [マリナス]
- こ、これは…?
ヘクトル様の剣が
エリウッド様の首元を捉えておる!▼
ということは、この勝負…
ヘクトル様の勝利!?▼
- [リン]
- いいえ、よく見て。
エリウッドの剣先には
ヘクトルの心臓があるわ。▼
- [マリナス]
- お、おおおっ! 確かに!▼
- [リン]
- どちらも限界まで
力を振り絞った結果がこれね。
まったく二人には驚かされるわ。▼
- [ヘクトル(恒常)]
- ははっ! どうやらこの勝負
相打ちのようだな。▼
2勝2敗1引き分け…
これをもって団体戦は引き分けとする!▼
- [ヘクトル(伝承)]
- ちっ、しゃあねえな。▼
- [エリウッド(伝承)]
- みんな、よく頑張ったね。▼
- [エリウッド(選挙)]
- ふぅ、激しい戦いだったけど
ケガなく終わってよかった。▼
- [ヘクトル(選挙)]
- まだまだ戦い足りねえんだが
今日はここまでにしてやるぜ。▼
- [エリウッド(幼少)]
- またやろう、ヘクトル。▼
- [ヘクトル(幼少)]
- もちろんだ!
まだ勝負はついてないからな!▼
- [オズイン]
- よく死力を尽くされました!
みなさま、お見事です!▼
- [マリナス]
- す、素晴らしい戦いでした!
わしは…わしは感動いたしましたぞ!▼
- [ヘクトル]
- 勝ったと思ったんだがな…
まさか懐に潜り込んでくるとはよ。▼
- [エリウッド]
- 僕だってそうさ。
先に届くと思ったのに…
さらに鍛えたんだね、ヘクトル。▼
- [ヘクトル]
- お前に勝つために鍛錬してるからよ。
言っとくが、このアスク王国でも
そいつは変わらねえからな?▼
- [エリウッド]
- ああ、肝に銘じておくよ。
これからも、ともに成長していこう。▼
ヘクトル、君がいれば
僕もまだまだ強くなれるよ。▼
- [ヘクトル]
- そいつは俺のセリフだぜ。▼
だがな、次の勝負こそ
俺が勝ってみせるぜ。
覚悟しておけよ、エリウッド!▼
華麗なる影 レイラ†
- [レイラ]
- …………▼
こんな夜更けにお客様だなんて
珍しいこともあるものね。▼
出てきなさい…。
いるのはわかっているわ。▼
- [ジャファル]
- ……▼
- [レイラ]
- …!
…【黒い牙】の【死神】…
ジャファル…▼
- [ジャファル]
- ……▼
- [レイラ]
- どうして黙っているの?
私に用があるんじゃないの?▼
- [ジャファル]
- ひとつ、聞きたいことがある。▼
- [レイラ]
- 聞きたいこと?
なにかしら?▼
- [ジャファル]
- お前は…【黒い牙】のレイラなのか?
それともオスティアのレイラか?▼
- [レイラ]
- …!
…あなた、知っていたの…?
…私がオスティアの密偵だと…▼
- [ジャファル]
- …どっちだ?▼
- [レイラ]
- それを聞いてどうするつもり?▼
- [ジャファル]
- ……▼
- [レイラ]
- 気配が消えた…。
どこかへ去ったようね。
冷や汗が出たわ。▼
それにしても【死神】ジャファルは
なぜあんな質問をしたのかしら?▼
まったく意図がわからないけど
上に報告しとかなきゃね…▼
- [ウーゼル]
- なるほど、【黒い牙】の【四牙】…
【死神】ジャファルが接触してきたか。▼
- [レイラ]
- はい、私を始末するために
近づいてきたものと思ったのですが
殺気が感じられませんでした。▼
- [ウーゼル]
- ふむ、暗殺でないとすると
なにを企んで接触してきたのか…。▼
- [レイラ]
- 探りを入れるためだけに
堂々と姿を現さないとは思いますが
【死神】はなにを考えているのでしょう。▼
- [ウーゼル]
- 警告かもしれぬな…。
【死神】はお前をオスティアの
間者と見抜いていた節がある。▼
アスク王国にはわしやヘクトルをはじめ
オスティアの英雄たちが顔を連ねている。▼
- [レイラ]
- はい。我々だけではなく
フェレの英雄たちも
目を光らせているはずです。▼
- [ウーゼル]
- 【黒い牙】もアスク王国にまで来て
我々と事を構えるのは得策とは言えまい。
しかし…。▼
【死神】から殺気を感じなかったという
お前の話…そこに引っかかるものを感じる。▼
- [レイラ]
- はい、向こうにもなにか
事情があるのかもしれません。
でも、居心地が悪いですね…。▼
エレブ大陸で敵対していた【黒い牙】と
ヴァイス・ブレイヴの一員として
共闘するなんて…。▼
彼らとどう接するのがよいのか
皆目見当がつきません。▼
- [ウーゼル]
- ひとまず様子を見るしかあるまい。
向こうが明確な敵意を見せない以上
こちらから波風を立てる必要もない。▼
- [レイラ]
- 承知いたしました。▼
- [ウーゼル]
- だが、くれぐれも油断するなよ。
今はともに戦う仲間だが
奴らの思惑は底が知れぬ。▼
- [レイラ]
- 肝に銘じます、ウーゼル様。▼
- [ジャファル]
- ……。▼
- [レイラ]
- ……。
前はなにも言わずに帰ったけど
少しはおしゃべりしてくれるんでしょう?▼
- [ジャファル]
- ……。▼
- [レイラ]
- どうして黙っているの?▼
私だけしゃべって
あなたはだんまりなんて
ずるいんじゃないかしら?▼
- [ジャファル]
- ……。
…ある裏切り者を…殺した。▼
- [レイラ]
- えっ!?▼
- [ジャファル]
- …今の話ではない。
ここに来るより…ずっと前の話だ。▼
組織に潜入した密偵…
仲間のふりをして俺たちを探っていた。▼
…組織は
俺に始末するように命じ
俺は…裏切り者を殺した。▼
- [レイラ]
- ……。▼
- [ジャファル]
- 腕は…悪くなかった…
だが…危険を顧みず
深入りし過ぎていた…▼
無謀な女だった…▼
- [レイラ]
- 無謀、ね…。
たしかにそうかもしれない。▼
でも、その任務は彼女にとって
命をかけるほど大事なものだったのよ。▼
- [ジャファル]
- ……。
…そうだったんだろうな。▼
- [レイラ]
- その裏切り者を殺したとき
あなたはどう思ったの?▼
- [ジャファル]
- …そのときは、なにも思わなかった。
組織に命じられれば…殺す。
それが…俺の役割だからだ。▼
- [レイラ]
- そのときは…ということは
今は違うのかしら?▼
- [ジャファル]
- ……▼
…無駄な話をした。
最後にひとつ忠告しておく。▼
…もしお前がアスク王国から
エレブ大陸に戻る日が来たら…。▼
未来と任務…
天秤にかけて考えることだ。
この言葉の意味がわかるだろう。▼
- [レイラ]
- あら、ありがとう。
でも、どうかしらね…。
私は賢い女じゃないから。▼
- [ジャファル]
- ……▼
- [レイラ]
- 主君に与えられた命令なら
それがどんなに過酷なものであっても
私は応えてみせるつもりよ。▼
- [ジャファル]
- …自分の命を捨ててまでもか?
お前を愛する者を悲しませてもか?▼
- [レイラ]
- そうよ、そうやって私は生きてきたの。▼
- [ジャファル]
- ……。
…勝手にしろ。▼
- [レイラ]
- あら、もう帰るの?▼
- [ジャファル]
- …用事は済んだ。
ここにいる理由はない。▼
- [レイラ]
- 興味深い話、ありがとう。
あなたがこんなにしゃべるなんて
想像もしてなかったわ。▼
- [ジャファル]
- ……。▼
…俺にはよくわからないが
運命というものは
強い意志で変えられるものらしい…。▼
俺はこの世界で
そうやって運命を変える英雄を
何人も目の当たりにした…。▼
- [レイラ]
- ……▼
- [ジャファル]
- …お前もアスク王国に来たことで
運命が変わる可能性がある。
あとはお前の問題、それだけだ…。▼
- [レイラ]
- ……。
気配が…消えた…▼
- [マシュー]
- レイラ!!▼
- [レイラ]
- あら、マシュー。
あなたもこんな夜ふけにお散歩かしら?▼
- [マシュー]
- さっきいたのは【黒い牙】の…▼
- [レイラ]
- 大丈夫、心配いらないわ。
私は無事よ。▼
今も、そしてこれからも…
私の腕はあなたが一番
知ってるでしょ?▼
- [マシュー]
- お前の腕は信用してるさ!
けど、無茶もするからな。
だから心配なんだよ…▼
- [レイラ]
- 心配してくれるのね。
ありがとう、マシュー。▼
けど、きっと大丈夫よ…。
私はあなたを置いていったりしない。▼
それに…進むべき道を
【死神】が教えてくれたようだから。▼
- [マシュー]
- 【死神】が忠告…
ど、どういうことだ?▼
- [レイラ]
- ええ、お節介な【死神】がね。
運命は変えられるって…▼
ふふ、世の中には
珍しいものもあるものね。▼
勤倹尚武の候 ウーゼル†
- [ウーゼル]
- ぐぬっ…ぐっ…!?
病め…アスク王国にまで
しつこく追ってきおったか。▼
- [フィヨルム]
- !? ウーゼル様、どこか具合でも…?
しっかりしてください!▼
- [ウーゼル]
- くっ…ううっ…
貴殿は…フィヨルム王女…。▼
- [フィヨルム]
- じっとしていたくださいね!
今、癒し手の方々を
呼んで来ますから!▼
- [ウーゼル]
- 待たれよ、その必要はない…▼
- [フィヨルム]
- で、ですが…
顔色が真っ青ですし、汗も…▼
- [ウーゼル]
- これは強がりなどではない…。
本当に呼ぶ必要はないのだ。▼
- [フィヨルム]
- それは…どういう…?▼
- [ウーゼル]
- わしの体を蝕む病は
杖の力でも治せぬのだ…。▼
- [フィヨルム]
- そんな…!?▼
- [ウーゼル]
- フィヨルム王女…
このことはどうか内密にお願いしたい。
皆に知られるとなにかと面倒なのでな…。▼
- [フィヨルム]
- は、はい…
わかりました…▼
- [ウーゼル]
- 先日は不覚を取った。
あれしきの痛みで膝をつくとは…。▼
- [フィヨルム]
- あの…ウーゼル様。▼
- [ウーゼル]
- おお、フィヨルム王女。
わしにご用かな?▼
- [フィヨルム]
- ご病気のことで
私がお役に立てることはありますか?▼
- [ウーゼル]
- 役に立てること…。
ううむ。▼
- [フィヨルム]
- 些細なことでも結構です。
微力を尽くしますので
遠慮なくおっしゃってください。▼
- [ウーゼル]
- ふむ、特にはないが…
気づかいはありがたく
受け取っておくとしよう。▼
それにしても…
フィヨルム王女はなぜそこまで
親身になってくれるのだ?▼
ただのお節介、というわけではなかろう。
なにか理由があるのではないか?▼
- [フィヨルム]
- それは、その…。▼
実は私も似たような境遇に
身を置いていたことがあるのです。▼
- [ウーゼル]
- ほう、よければ
聞かせてもらえるかな?▼
- [フィヨルム]
- はい。私の身の上話でよければ…。▼
私は以前、ムスペル王国の侵攻から
祖国、ニフル王国を救うため
とある儀式を行いました。▼
私は氷竜ニフルの力を借り受けるため
自らの命を捧げたのです。▼
- [ウーゼル]
- 代償として、か。▼
- [フィヨルム]
- 氷竜ニフルは私の訴えに応え
悲願は果たされました。▼
祖国の勝利と引き換えに
私は命を差し出すこととなり…。▼
明日をも知れぬ身体を抱えたまま
日々を生きることとなったのです…。▼
- [ウーゼル]
- そうか、国を守るために
自らの命を捧げたのか…。▼
- [フィヨルム]
- 儀式の成功によって
ニフル王国の未来を繋ぐことができました。
後悔はありません。しかし…。▼
- [ウーゼル]
- どんなに強い心を持つ英雄とて
死の足音に怯えぬものはいまい。▼
- [フィヨルム]
- はい…。
ウーゼル様のおっしゃる通りです。▼
私は残された時間でなにが出来るかを考え
一日一日を必死に生きてきました。▼
力を貸してくれた
アスク王国の皆さまにも恩返しをしたい…。▼
ヴァイス・ブレイヴに参加したのも
そうした理由からでした。▼
おして、幸運なことに私は
大切な人たちの尽力によって救われ
命を繋ぐことができたのです。▼
- [ウーゼル]
- そうか…それは僥倖だ。▼
- [フィヨルム]
- 病に苦しむウーゼル様の姿を見たとき
私はかつての自分を思い出しました。▼
それで同じような境遇だった私なら
ウーゼル様に寄り添えるのではないかと
考えてしまったのです…。▼
- [ウーゼル]
- なるほどな。
そういう理由があったのか。▼
- [フィヨルム]
- す、すみません!
こちらの気持ちを押し付けるような
真似をしてしまい…。▼
- [ウーゼル]
- ははは、そう卑下せずともよい。
その気持ちにあらためて感謝しよう。▼
わしと同じような想いを抱えて
生きてきた者が身近にいると知って
いくらか気分が軽くなった。礼を言う。▼
- [フィヨルム]
- ウーゼル様…。▼
- [ウーゼル]
- わしもフィヨルム王女のように
自分に残された時間で
出来るだけのことをするつもりだ。▼
あとどれほど
戦場に立てるかはわからぬが、
アスク王国のために尽力しよう。▼
- [アルフォンス]
- 今回の戦い、なかなかに厳しいな。
ここまで押されるとは…。▼
- [フィヨルム]
- 兵力は敵方が圧倒的に多く
戦線を維持するだけで精一杯です。▼
このまま消耗戦になれば、
大きな被害が出るかもしれません。▼
- [アルフォンス]
- なんとか敵の陣形を
崩せればいいんだけど…。▼
- [アンナ]
- みんな聞いて!
西の戦場で動きがあったわ!
この戦い、いけるかも!▼
- [フィヨルム]
- ほ、本当ですか!?▼
- (暗転)
- [ウーゼル]
- 勇猛なる重騎士たちよ!
わしの後に続け!
このまま敵陣を突破するぞ!▼
- [オズイン]
- 皆の者、ウーゼル様に続け!
オスティア重騎士団の力
存分に見せつけてやるのだ!▼
- [ボールス]
- うおおおおお!
ウェンディ、遅れを取るなよ!▼
- [ウェンディ]
- はい、兄上!▼
- [フィヨルム]
- こ、これは…!?▼
- [アルフォンス]
- 一瞬の敵をついて攻めに転じ
強引に敵陣に穴を空けるとは…。
これがオスティア重騎士団の力か!▼
- [アンナ]
- 先陣を切っているのが
オスティア侯だからか
みんなの士気もすごいわね~!▼
- [フィヨルム]
- (ウーゼル様…)▼
- (暗転)
- [ウーゼル]
- むんっ!▼
- (白く光る)
- [ウーゼル]
- ふむ、敵はあらかた逃げたか。
いくら大軍とはいえど
崩れてしまえば他愛もないものだ。▼
- [フィヨルム]
- ウーゼル様!!▼
- [ウーゼル]
- おお、フィヨルム王女。
無事だったか。▼
- [フィヨルム]
- オスティア重騎士団が
突撃したと聞いて飛んできました。▼
お身体は大丈夫ですか?
まさかご自身で前線に立たれるなんて…。▼
- [ウーゼル]
- わしはオスティア最強の重騎士。
後方で茶を飲んでいるわけには
いかぬのでな。▼
- [フィヨルム]
- 今日の戦いで、ウーゼル様の
生き様を理解できた気がします。▼
自らの戦いぶりを見せることで
皆に規範を示そうとされているのですね。▼
- [ウーゼル]
- うむ、オスティアの騎士たちは
わしの戦いを未来の糧としてくれるだろう。▼
- [フィヨルム]
- ウーゼル様の戦いを糧とするのは
オスティアの騎士だけではありません。▼
私も…いえ、私たちは
ウーゼル様の勇猛な姿を
忘れることはないでしょう。▼
そして、その戦いぶりを
後の世代にも伝えていけたら…。▼
- [ウーゼル]
- ははは…、だとしたら光栄な話だな。▼
- [オズイン]
- ウーゼル様!
こちらにいらっしゃいましたか!▼
敵陣は完全に崩壊しました。
我が軍の勝利は目前です!▼
- [ウーゼル]
- ともに行こう、若き英雄よ。
我らの手でこの戦いの勝利と
未来を掴もうぞ!▼
鉄壁の重騎士 オズイン†
- [オズイン]
- むぅんっ!▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- ふう…戦の開始からだいぶ時が経ったが
まだまだ兵が残っているな…▼
しかし、その程度の攻撃で
オスティア重騎士を
相手にしようとは片腹痛い。ふんっ!▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- よし。このあたりの敵は片付いたか。
では、味方の加勢に…
……!? あ、あれは!▼
- [ヘルビンディ]
- うらあっ!▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- なんという恵まれた体格…
そして巨木の如き豪腕!▼
- [ヘルビンディ]
- おらああっ!!
もう終わりか、クソ弱ぇ!
仕掛けてこねえならこっちから行くぜ!▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- 恐れを知らぬ勇猛さ…
そしてあの覇気!
まさに重騎士向きの逸材!▼
- [ヘルビンディ]
- ちっ、次から次へとザコどもが。
いい加減、キリがねーな。▼
ん? 後ろから矢が…
待ち伏せかよ、クソがっ!▼
- [オズイン]
- だあっ!!▼
- (白く光る)
- [ヘルビンディ]
- ん? なんだあ、てめーは?▼
- [オズイン]
- 加勢に来た!
後方の敵は私が引き受けよう!▼
- [ヘルビンディ]
- なら、後は俺が目の前の敵を
ブチ殺せばいいわけだな。
そーらよおっ!!▼
- (白く光る)
- (暗転)
- [オズイン]
- ふむ。片付いたようだな。
ようやく一息つけそうだ。▼
- [ヘルビンディ]
- おう、さっきは助かったぜ。
てめー、見ねえツラだが
ヴァイス・ブレイヴの新入りか?▼
- [オズイン]
- おっと、挨拶がまだだったな。
私はオスティア重騎士団のオズインだ。▼
- [ヘルビンディ]
- 俺はヘルビンディだ。覚えとけ。
てめー、なかなかの腕だな…
やるじゃねえか。▼
- [オズイン]
- それを言うなら、きみのほうこそ
素晴らしい才能の持ち主だ。
その見事な体躯、恐れを知らぬ戦いぶり。▼
我々はきみのような
逸材を探していたのだ!▼
どうだね、その才能を活かすべく
オスティア重騎士団に入団しないか?▼
- [ヘルビンディ]
- はあ? なんだそりゃ!?▼
- [オズイン]
- おお、これはヘルビンディ殿。
今日も筋肉の張りが素晴らしいな。▼
- [ヘルビンディ]
- なんだ、てめーかよ。▼
- [オズイン]
- ここで会ったのもなにかの縁だ。
先日の話、考え直してはくれないか?▼
- [ヘルビンディ]
- まーだそんなこと言ってやがんのか。
何度聞かれたところで
重騎士なんてなりたかねぇ。▼
だいたい、なんで俺みてーな
荒くれを騎士団に入れてーんだ?
そこからして、まずわかんねぇ。▼
- [オズイン]
- たしかに騎士には
高潔さが求められるだろう。
だが、私にはわかる。▼
きみは強くなるために
ひたすらにその身体を
鍛え上げてきたはず…。▼
私はその意志に
高潔さを感じ取ったのだ。▼
- [ヘルビンディ]
- まあ、強くなるために
手段は選ばなかったのは
事実だけどよ…。▼
- [オズイン]
- 近ごろの若者は線が細くてな。
重い鎧など着せようものなら
それだけで身動きが取れなくなるのだ。▼
その点、きみは申し分ない。
重騎士の鎧を着るための逸材だ。▼
- [ヘルビンディ]
- ……▼
- [オズイン]
- きみは選ばれた存在なのだ。
どうか前向きに考えてはくれまいか?▼
- [ヘルビンディ]
- わりーが、考える以前の問題だな。
俺はな、貧民街で生まれた平民なのさ。▼
騎士様なんかにゃなれやしねーし
堅苦しい生活にだって興味ねー。▼
- [オズイン]
- ふむ…。▼
- [ヘルビンディ]
- 根っこの部分から違うんだよ。
わかったらとっとと帰んな。▼
- [オズイン]
- きみの出自は理解した。
だが、あきらめることはできないな。▼
むしろ、出自がきみの足かせというなら
取り除きたいとすら考えている。▼
- [ヘルビンディ]
- おいおい、いい加減にしろ。
ちゃんと俺の話を聞いてたか?▼
- [オズイン]
- うむ。聞いたうえでの答えだ。
なにしろ私も平民の出身だからな。▼
- [ヘルビンディ]
- …あ?▼
- [オズイン]
- 我がオスティアは実力さえあれば
出自に関係なく身を立てることができる。▼
私は平民からの叩き上げで
騎士になったのだよ。▼
- [ヘルビンディ]
- 平民から騎士になった、だと?▼
- [オズイン]
- その通りだ。
仕官して従士となったのち
厳しい訓練を積む必要はあるが…。▼
大半はそこで心折れ
己の実力を知り、脱落していく。
だが、私はあきらめなかった。▼
- [ヘルビンディ]
- そいつはご苦労なこった。
だが、よくわからねーな。▼
てめーは食うものに
困っていたわけじゃねーだろう?▼
そうまでして騎士になりたかった理由は?
強くなって、チヤホヤされたかったのか?▼
- [オズイン]
- そうではない。この鎧で
守りたいものがあったのだ。▼
- [ヘルビンディ]
- あ? てめーの身を守るってことか?▼
- [オズイン]
- それも違うな。たしかに
この鎧は我が身を守ってくれる。▼
だが、私が守りたいのは…
我が主君、そしてオスティアの民だ。▼
今はアスク王国を守るために
この硬く重い鎧をまとっている。▼
- [ヘルビンディ]
- まわりくどい話だな。▼
- [オズイン]
- そう難しく考えないでくれ。
私には守りたいものがあった…
ただそれだけの話だ。▼
- [ヘルビンディ]
- フン。守りたいもの…か…。
俺にも昔は…。▼
- [オズイン]
- ヘルビンディ殿…?▼
- [ヘルビンディ]
- ふんっ、なにかを守るためだ?
くだらねえ…クソくだらねえ!
やっぱり俺には向いちゃいねえ。▼
そんなに重騎士を増やしてーなら
別のヤツを探すことだな!▼
- [オズイン]
- ヘルビンディ殿!?
行ってしまったか…。▼
私の言葉は彼の心には
届かなかったようだな…。▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- その程度か?
オスティア重騎士にとって
そよ風にも等しい攻撃だな。せいっ!▼
- (白く光る)
- [オズイン]
- よし、こちらは片付いたな…。
そういえば今日の戦には
ヘルビンディ殿も一緒だったな。▼
むむっ。あそこで獅子奮迅の
活躍を見せるのは…!?▼
- (暗転)
- [ヘルビンディ]
- おらああっ!▼
- (白く光る)
- [ヘルビンディ]
- ヌルいんだよ、ゴミがあっ!!▼
- (白く光る)
- [ヘルビンディ]
- あっ!? こら、てめー!
敵がいるときにウロチョロすんなって
言っておいただろーが!▼
こっちだ。こっちに戻ってきやがれ!
違う! そっちじゃねー!!▼
- (暗転)
- [オズイン]
- ほう、ヘルビンディ殿は
誰かと一緒に戦っているようだな。
あれはたしか…。▼
- (暗転)
- [ユルグ]
- えーっ!?
わたしだって戦えるんだから
だいじょうぶだよー。▼
それに、敵はみーんな
やっつけちゃったじゃない。
ほらほら、ぜんぜん平気…。▼
わわっ!? まだいるー!?▼
- [ヘルビンディ]
- 言わんこっちゃねえ!
おらぁぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [ヘルビンディ]
- だからあぶねーって言っただろーが!
おとなしく俺の後ろにいやがれってんだ!▼
- [ユルグ]
- うわわっ!?
こっちにも~っ!?▼
- [ヘルビンディ]
- うおおおおっ!!▼
- (白く光る)
- [ヘルビンディ]
- ちょろちょろすんじゃねえ!
どらああああっ!!!▼
- (白く光る)
- [ユルグ]
- ふうっ、危なかったねー。▼
- [ヘルビンディ]
- はぁ、はぁっ…。
てめーのせいだろうが!
ったく、これだからガキは…。▼
いいか! 俺から離れるんじゃねーぞ!
どうなっても知らねーからな!▼
- [ユルグ]
- うん、わかった。
気をつけるね…ふふっ!▼
- [ヘルビンディ]
- …チッ。▼
- (暗転)
- [オズイン]
- なるほど…。
すでにヘルビンディ殿は
大切なものを守るために戦っていたのか。▼
重い鎧をまとわずとも
大切なもののために命をかける…
その振る舞いはまさに騎士。▼
ならば、同じ志を持つ仲間として
彼を支えなければなるまい。▼
- [ユルグ]
- あれっ? 誰かこっちにくるよ。▼
- [ヘルビンディ]
- げっ、てめーは…!▼
- [オズイン]
- ヘルビンディ殿!
私も助太刀させてもらおう!▼
ともに、大切なものを
守り抜こうではないか!▼
コメント
Last-modified: 2024-12-09 (月) 11:57:33