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章別会話
まつろわぬ魂たち†
まつろわぬ魂たち†
オープニング†
- [――]
- ニザヴェリルがアスク王国に
侵攻する1年ほど前――▼
- [エイトリ]
- ファフニールとレギンには
気づかれたかっただろうね?▼
- [オッテル]
- もちろん。グリンブルスティの整備で
城を空けていることになっている。▼
- [エイトリ]
- よろしい。
では、新たな召喚実験をはじめよう。▼
- [オッテル]
- 本当に…うまくいくのか?
また召喚に失敗して
死体の山が積み上がらないといいが。▼
アスク王国の神器【ブレイザブリク】を
模して作られた、偽の召喚器。▼
本物と同様、異界から
英雄を召喚できるものの…。▼
召喚された英雄は
正気を失い、自滅する。▼
- [エイトリ]
- もしくは、すべての記憶を失い
英雄として不完全な状態で
世界にとどまるか、だね。▼
- [オッテル]
- ファフニール兄さんのように、か。▼
- [エイトリ]
- 大丈夫、今度はうまくいく。
なによりも策がある。▼
異界の英雄たちは
つねに十全の状態で
活躍していたわけではない。▼
なかには、とある事情で
精神の一時的な錯誤に陥った者もいる。▼
- [オッテル]
- ……。▼
- [エイトリ]
- 召喚の代償として正気を失うのなら…
最初から正気を失っている
英雄を召喚すればいい。▼
- [オッテル]
- それで…記憶は保持されると?▼
- [エイトリ]
- そのとおり。英雄が培った技能や
戦い方の記憶はそのままだ。
即戦力として戦場に加入できる。▼
- [オッテル]
- しかし、そのような英雄を
僕たちで御することができるのか?▼
- [エイトリ]
- それはやってみないとわからない。
さあ、準備は整った。
実験開始だ!▼
- (画面が点滅する)
- [ニニアン]
- っ…うう…
こ、ここ…は…▼
- [グスタフ]
- どうやら…
死の国ではないようだが…▼
- [リリス]
- ハイドラ様の気配を感じない…?
なにが起こったのです。▼
- [オッテル]
- ……! 自我を保っている…!
召喚は成功したのか?▼
- [エイトリ]
- 私はニザヴェリルのエイトリ。
異界の英雄よ。
名前を教えてくれるかな?▼
- [レア]
- 私は…フォドラの…
セイロス聖教会…大司教…レア…▼
- [オッテル]
- 記憶も保持しているとは…!
エイトリの見立ては
正しかったということか。▼
- [エイトリ]
- ……!
いや、少し様子がおかしい。▼
- [ニニアン]
- っ……だ、だめ…
わたしに…近寄らない…で…
あ、あ、あ、あああーっ!▼
- (画面が点滅する)
- [オッテル]
- ……!?
巨大な竜に化身しただと!?▼
- [ニニアン]
- イヤッ! イヤァァァーッ!▼
- [レア]
- い、いけません…そのように
むやみに力を振るっては…▼
抵抗…する者…教団の…敵…
くっ、うううっ…
紋章の力を…抑え…られない…▼
- (画面が点滅する)
- [エイトリ]
- 白き竜!
こちらも竜種だったか!▼
- [ニニアン]
- 来ないで…! わたし…は…
わたしは…!▼
- [レア]
- ぐ…ううっ!
我らに仇なす…敵…!
ガァァァッ!▼
- [オッテル]
- 2匹の竜が組み合った…
同士討ちをはじめただと!?▼
- [グスタフ]
- なんと荒々しい力か…
このままでは我々も巻き込まれる。▼
- [リリス]
- 勝手に殺しあってください。
私はハイドラ様の元に戻る方法を
探すとしましょう。▼
- [オッテル]
- どういうことだ…。
召喚された英雄たちを
まったく制御できないじゃないか!▼
- [エイトリ]
- 本物の【ブレイザブリク】には
英雄たちを召喚するだけでなく
契約する力があるというが…▼
その契約に秘密があるのだろうね。
英雄たちを従えることができる
なんらかの方法が…▼
- [グスタフ]
- 【ブレイザブリク】?
我がアスク王国に伝わる神器が
ここにもあるというのか?▼
- [エイトリ]
- ……。
あなたは…なるほど。▼
どこかで見た顔だと思ったら
アスク王国を治める
グスタフ王ではありませんか。▼
- [グスタフ]
- いかにも…わしはグスタフだ。
だが、今は王ではない。▼
- [オッテル]
- 王ではないだと?
それはどういう…▼
- [エイトリ]
- 待つんだ、オッテル。
彼の肌をよく見てごらん。▼
まるで生気がない。
これでは死人同然だ。▼
- [グスタフ]
- ……▼
- [エイトリ]
- そうか…アスク王国は
死の国ヘルに侵攻されていると聞いた。▼
グスタフ王、あなたはそのとき
命を落とされたというわけだ。▼
- [グスタフ]
- ……▼
- [エイトリ]
- 今のあなたは操られているのだな。
死の国の王は死人を操る力を
持っているらしい。▼
オッテル、これは好機かもしれない。
王を失ったアスク王国は混乱しているはず。
今こそ侵攻するチャンスだよ。▼
- [グスタフ]
- …わしはもやは王にあらず。
朽ちゆく死人にすぎぬ。
だが…▼
おおおぉぉぉっ!▼
- [オッテル]
- さがれ、エイトリ!
彼は自分を制御できてはいない!▼
- [グスタフ]
- おおおぉぉぉっ!▼
- [オッテル]
- くっ…!
己を御せていないとはいえ
なんという豪腕!▼
エイトリ! こいつら
本当に使い物になるのか!?▼
- [エイトリ]
- 本物の【ブレイザブリク】は
英雄たちとどうやって契約している?
その仕組みさえわかれば…▼
- (暗転)
- [リリス]
- そこにいるのは何者です…
それで隠れているつもりとは
笑わせますね。▼
姿を見せなさい。
さもなくば捻り殺しますよ。▼
- [ロキ]
- あらん。さすが透魔竜の血族。
なかなか鋭いわね。▼
- [リリス]
- ……▼
- [ロキ]
- なるほどねぇ。
今は透魔竜の支配下…ある意味、
正気ではないと言えるのかしら?▼
- [リリス]
- ハイドラ様のことを…
知っているのですか。▼
- [ロキ]
- 知っているとも言えるし
知らないとも言えるわねぇ。▼
- [リリス]
- 殺しますか…▼
- [ロキ]
- せっかちねぇ。
少しは話を聞いてからでいいんじゃない?▼
あなた、元の世界に戻りたいのでしょう?
じゃあ、私と力を合わせない?▼
- [リリス]
- 力を…合わせる?▼
- [ロキ]
- そう。エイトリが持っている
偽の召喚器…▼
アレを奪えば
なんとかなるかもしれないわよ?
うふふ…▼
- [ニニアン]
- いや…です…わたしは…
ああ…▼
- [レア]
- はぁっ、ああっ…心が…溶け…る!?
ぐぅぅっ! お、おおーっ!▼
- [オッテル]
- くっ…! あの2匹
完全に暴走している…!▼
このままでは賢者の森だけでなく
ニザヴェリルに多大な被害が出るぞ!▼
- [グスタフ]
- ぬぅぅ…!
させぬ…ぞ…アスクへ
新たな火種を…持ち込ませはせぬ…▼
- [エイトリ]
- おっと…
死者とは思えない猛々しさだね。▼
これまで積み重ねだ。
戦いの記憶が残っているだけに
これは少々手を焼きそうかな。▼
- [ロキ]
- そうねぇ。いっそ
記憶が全部飛んでくれたほうが
よかったんじゃないかしら?▼
今、この国の玉座に座っている
お飾りの王様みたいにねぇ。▼
- [オッテル]
- 貴様…ッ! 何者だ…!?▼
- [エイトリ]
- ロキか…。
何をウロウロしているんだい?
この国に干渉してほしくはないんだが。▼
- [ロキ]
- それなら、余計な野心は
持たないほうがいいわよ。▼
干渉される原因を作っているのは
あなたのほうなんだから。▼
- [リリス]
- その妙な形の神器を…
召喚器を渡してもらいましょうか。▼
- [エイトリ]
- ロキに妙なことを
吹き込まれたかな?▼
信用しないほうがいいよ。
彼女が100並べた言葉のうち
99は虚言のようなものだ。▼
- [ロキ]
- あらん。それって
全部が全部嘘じゃないって
保証してくれるってこと?▼
- [リリス]
- そんなことはどうでもいい…
さあ、早く渡しなさい。▼
その神器によって召喚されたなら
元の世界に戻る手がかりを
きっとあるはずです! はぁぁっ!▼
- [オッテル]
- くっ…!
来い、グリンブルスティ!
この壊れた英雄たちを踏み潰せ!▼
- [グスタフ]
- おまえたちも…アスクの敵か…
敵ならば…ここで…▼
- [リリス]
- 邪魔するなら消し去るまでです。
はぁぁぁっ!▼
- [オッテル]
- くっ…!
2匹の竜が暴れているうえに
余計な邪魔者まで…!▼
- [エイトリ]
- なんだか面倒くさいことに
なっちゃったかなあ…▼
このニザヴェリルで
勝手なことはしないでほしいのだけど…!▼
- [ロキ]
- それを決めるのは
エイトリ、あなたではないはずよ。▼
ふふっ、あの竜たちもそろそろ限界。
理性が完全に消え去って…
誰も手をつけられなくなるわ。▼
- [レア]
- ぐぅぅぅっ! ううっ!
ああああーっ! お母…さま…!▼
- [ニニアン]
- いやっ、いやっ……!
誰か…たすけ……!▼
- [オッテル]
- まずいぞ、エイトリ!
このままでは…!▼
- [エイトリ]
- いや待て! この光は…▼
- [リリス]
- 無駄な抵抗はやめて
早くその神器を渡しなさい!▼
ん? なんですか、これは。
身体が光に…包まれて…▼
- (画面が光る)
- [グスタフ]
- …………▼
アルフォンス、シャロン…
ヘンリエッテ…▼
- [レア]
- あ、ああ…光が…満ちて…▼
- [ニニアン]
- ニル…ス…
エリウッド…さ…ま…▼
- [オッテル]
- な、なんだ!?
なにが起こっている…!?▼
召喚した英雄たちが
光の柱の中に…!▼
- [エイトリ]
- ……!?
まさか、これは…!▼
このまま行かせるわけにはいかない!
閃け、魔銃ブロックよ…!▼
- [オッテル]
- 英雄たちが消えた…?
どういうことだ?
さっきの光はいったい…▼
- [エイトリ]
- 誰かが彼らを再召喚したんだよ。
先ほどの光は異界を超えて放たれた
召喚器の光だ。▼
そして、そのようなことができるのは
広い異界といえど一人しかいない。▼
- [オッテル]
- そう、アスク王国の召喚師。
偽の神器では英雄たちを
呼び出せたとしても契約には至らない。▼
でも、アスク王国の召喚師は
きっと彼らとも契約し
絆をつなぐでしょうね。▼
- [エイトリ]
- 絆をつなぐ…だって?
契約により英雄たちを強制的に
制御するのではなかったのか?▼
- [ロキ]
- あなたはいろいろ
勘違いをしているみたい、ねえ。▼
まあ、そんなオモチャは混乱を招くだけ。
さっさと壊してしまいましょう?
こんなふうに…ね!▼
- [オッテル]
- させるか!▼
- [ロキ]
- ……!
その機械仕掛けの鎧…
ガラクタかと思ったら使えるじゃない。▼
- [エイトリ]
- そういうことだ。
ニザヴェリルの…いや
私の技術力を侮らないでもらおう。▼
- [ロキ]
- 今日はここまでにしておくわ…
でも、混乱を呼ぶだけの偽の神器は
いつか叩き壊させてもらうから。▼
- [オッテル]
- 逃がすかっ!▼
- [エイトリ]
- 追わなくてもいい。
時間の無駄だよ。▼
オッテル、エンブラ帝国に侵入して
この召喚器を鮮血の神殿に画すんだ。▼
あの場所ならロキにも
おいそれと手出しはできないだろう。▼
- [オッテル]
- …了解した。▼
- [エイトリ]
- やはり、アスク王国は脅威だね。
【ブレイザブリク】と召喚師がいる
あの国は抜きん出て危険な存在だ。▼
- [オッテル]
- ニザヴェリルの未来のためにも
叩き潰しておく必要がある、か。▼
- [オッテル]
- しかし、アスクの召喚師が
再召喚した英雄たちから
侵攻計画が漏れたらどうする?▼
- [エイトリ]
- それは心配ない。
彼らが消える前に魔銃ブロックで
記憶に空白を刻んでおいた。▼
ニザヴェリルに召喚された出来事を
彼らは覚えてはいないさ。▼
そもそも、彼らを召喚したのは
今から1年後の召喚師かもしれないし…▼
私たちが知らない
遠き異界の召喚師かもしれない。▼
- [オッテル]
- わかった。直ちに
アスク王国への侵攻計画を整えよう。▼
ファフニール兄さんの野望の矛先を
うまくアスク王国に向ければ…▼
- [エイトリ]
- ニザヴェリルだけではなく
ヨトゥンも引き込む
算段も立てておくといい。▼
戦闘力だけなら、あの巨人たちにも
見るべきところがあるからね。▼
- [オッテル]
- アスク王国にある
異界の扉を破壊できれば
兄さんも元の世界に戻ることはない。▼
- [エイトリ]
- すべてはニザヴェリルのためだ。
この国が未来永劫続いていくように…
私たちは最善を尽くそうじゃないか。▼
透魔竜の娘 リリス†
- [リリス]
- ふん…のんきなものですね。
ヴァイス・ブレイヴとかいう連中は…▼
私が召喚に応じる形で
この世界に来たとでも
思っているのでしょうか。▼
私の目的は、ただひとつ…
ハイドラ様のまがい物が逃した
あの3人の英雄たち。▼
彼らの息の根を止めて
ハイドラ様に危害を加える存在を
あらゆる異界から消し去る…▼
そのためにハイドラ様にお力を借り
この世界に…▼
- [ルーク]
- おーい、リリス!
こんなところにいたのか。▼
- [リリス]
- ……!?
私の名を気安く呼ぶとは
何者ですか?▼
- [ルーク]
- ん? どうしたんだ。
なんか今日、ご機嫌ななめだな。
そんなに眉間にシワ寄せちゃってさ。▼
- [リリス]
- か、顔が近い!
なんという馴れ馴れしさ!?▼
- [ルーク]
- そりゃ可愛い子には
馴れ馴れしくするだろ。
それが礼儀だからな!▼
ところで、いい飼い葉がないか
ずっと探してただろ?▼
アンナ商会で見つけたから買っておいたぜ。
気が利くだろ? 惚れ直してもいいぜ!▼
- [リリス]
- 飼い葉? 惚れ直す?
言っている言葉が…
かけらほどもわかりませんね。▼
- [ルーク]
- まあ、調子の悪い日もあるよな。
とにかく、早く厩舎に戻ろうぜ。
飼い葉はもう運んであるんだ。▼
みんなの馬にも食べさせよう!
きっと喜ぶぞ~。▼
- [リリス]
- な、なにをするのです!?
誰の許しを得て
背中を押しているのですか!▼
ど、どうしてこの私が…
厩舎などに行かなくては…
話を聞いているのですかっ?▼
- [ソワレ]
- やあ、リリスにルーク。
キミたちが来るのを待ってたよ。▼
- [ターナ]
- ルークにもらった飼い葉
アキオスも気に入ってるみたい!▼
- [ジル]
- デインにも持ち帰りたいくらい
質のいい飼い葉ですね。▼
- [ソワレ]
- リリスも食べさせてみるといい。
きっとみんな、喜んでくれる。▼
- [リリス]
- ど、どうして私がそのようなことを…▼
- [ターナ]
- どうしてって…
わたしたち、厩舎係だから?▼
- [リリス]
- わかりました…
あの3人を屠るまでは
迂闊に動くつもりはありませんでしたが…▼
もういいです。
全員、葬ってしまいましょう。
ええ、それがいいです…▼
- [ソワレ]
- おや、リリス。
今日はなんだか雰囲気が違うね。▼
- [ルーク]
- ちょっと調子が悪そうなんだよ。
寝不足かな?▼
- [ソワレ]
- まあ、そういう日もあるよね。
ブラシをかけるならボクも手伝うから。▼
- [リリス]
- あなたたち、そもそも私を
誰かと間違えているのでは?▼
- [ジル]
- 間違う?
私の目の前にいるのは
どう見てもリリス…▼
- [アキオス]
- ブルルル…▼
- [リリス]
- ひっ! な、なんですかっ、
いきなり!?▼
- [ターナ]
- あっ! ダメよ、アキオス!
リリスの頭を舐めちゃ!▼
- [アキオス]
- ブルッ、ブルルル…▼
- [リリス]
- くっ、こ、こらっ…!
餌ならもうすぐですから
ちゃんと待ちなさい!▼
- [ルーク]
- なんだ。
ちゃんと馬の言葉もわかるし
いつものリリスじゃん。▼
- [リリス]
- そ、それくらい誰だって…
ちょ、ちょっと! やめっ!
頭をかじるのはやめなさい!▼
- [リリス(通常)]
- あら? なんだかにぎやかですね。
新しい英雄の方が
お見えになられたのですか?▼
- [リリス]
- え…?▼
- [リリス(通常)]
- おや…?▼
- [リリス(通常)]
- ……▼
- [リリス]
- ……▼
- [ルーク]
- リリスが2人!
どういうことだ!?▼
- [ターナ]
- あっ! もしかして
あなたは最近、別の異界から
召喚されたリリスってこと?▼
- [リリス]
- 言いましたよね、私は何度も。
人違いだと…▼
- [ソワレ]
- 確かに姿形はリリスだけど
雰囲気が違うな…▼
- [リリス]
- よくも私に馬の世話を
させようとしましたね?▼
私を侮ることは
ハイドラ様への不敬と同じ…
全員、消し去ってあげます。▼
- [リリス(通常)]
- …あなたは、
あの頃の私なのですね。▼
まだ、闇の中にいた頃の私…▼
- [リリス]
- なにを言っているのです…。
あなたもハイドラ様のまがい物に
そそのかされたのですか!?▼
- [リリス(通常)]
- はいはい、ここで暴れると
この子たちが怖がってしまいますよ。▼
あなたにも聞こえていますよね?
この子たちの声が。▼
- [リリス]
- そ、それがどうしたというのです。
私は…!▼
- [リリス(通常)]
- はい。手分けして飼い葉を配りましょう。
みんな、お腹を空かせてますから。▼
- [リリス]
- くっ、離しなさい!
私は…!▼
なぜです? 力が…
思うように出せない!?
透魔兵も呼べない…▼
もしや、透魔王国を離れたことで
力が…くっ…▼
- [ルーク]
- よし!
餌やりも
ブラッシングも終わったぜ!▼
- [ターナ]
- ふふっ、アキオスもうれしそう。▼
- [ソワレ]
- ありがとう、リリス。
えーと、この場合はリリスたち…
と言うべきかな?▼
- [リリス]
- どうして私がこんなことを…▼
- [ジル]
- じゃあ、また明日。
おつかれさま!▼
- [リリス(通常)]
- はい、おつかれさまでした。
あなたも、おつかれさまでした。
異界の私。▼
- [リリス]
- ……▼
- [リリス(通常)]
- 誰かに必要とされるということは
うれしいですよね。▼
- [リリス]
- なにが言いたいのです?▼
- [リリス(通常)]
- 誰かのために頑張って
ありがとうっていう言葉をもらえる。▼
私はそれがうれしいんです。
心から出た感謝の言葉を受け取ること。
とても幸せだと思いませんか?▼
- [リリス]
- ……。
感謝の言葉なんて
私の人生には、必要ありません。▼
ただ、ハイドラ様に尽くすこと。
それだけが私の存在理由ですから。▼
- [リリス(通常)]
- わかります。
私も以前は、そうでしたから。▼
でも、大切なものを知って
大切な想いに触れて…▼
自分が生きる意味を知ったとき
世界はもっと輝いたんです。▼
- [リリス]
- ……▼
- [リリス(通常)]
- アスク王国には
さまざまな生き方と可能性があります。
あなたも探してみてはどうでしょうか。▼
- [リリス]
- 余計なお世話です。▼
私は、この世界においても
自分の成すべきことを成すだけ。
ハイドラ様のために…▼
- [リリス(通常)]
- あ、そうそう。
明日も日の出前に厩舎が開くので
お手伝いをお願いしますね。▼
- [リリス]
- だから! 私はそういうことは
やらないと…!▼
- [リリス(通常)]
- あなたの力が戻るまででも
いいですから、ね?▼
- [リリス]
- 気づいていたのですか。
し、仕方ありませんね…▼
力が回復するまでの間
手伝ってあげますよ。▼
力が戻った暁には
私は、私の使命を果たします。▼
- [リリス(通常)]
- はい。それで結構です。▼
- [リリス]
- 別に私は感謝の言葉などなくても
生きて…いけるのですから…▼
……。
ありがとう…ですか。
ふん、おかしな言葉ですね…▼
白きもの レア†
- [レア]
- くっ…ううっ…。
あ、ああああ…っ!▼
- [シャロン]
- レ、レアさんっ、しっかり!
大丈夫ですかっ!?▼
- [レア]
- 近づいては…いけません。
もう、これ以上…
紋章の力を抑え…きれな…▼
くっ、うううううっ!▼
- [アルフォンス]
- いったい、なにが起こって?
くぅっ! この白い光は!?▼
- (画面が光る)
- [レア]
- グゥゥゥッ!
オ、オオオオーッ!▼
- [レギン]
- な、なにこれ!?
レアさんが真っ白な竜になったの!?▼
- [レア]
- オオッ! オオオオーッ!▼
- [アルフォンス]
- 飛んだ!? くっ!
なんて…風圧…!▼
- [シャロン]
- レアさんっ!?
どこに行くんですかーっ!▼
- [レギン]
- と、飛んでいっちゃったの…▼
- [セテス]
- くっ! 一足遅かったか…!▼
- [アルフォンス]
- セテス! 召喚されたばかりの
大司教レアが巨大な竜の姿に…!▼
- [セテス]
- ……▼
もはや隠すことは得策ではないか。
君たちが見た白い竜、【白きもの】。
あれがレアの本来の姿だ。▼
- [レギン]
- レアさんも竜に化身できる
英雄だったんだね…▼
- [シャロン]
- でも、さっきのレアさん。
なにか様子がおかしかったですよ。
突然苦しみ出して…!▼
- [セテス]
- おそらく、なにか理由があって
自らの中にある紋章の力を
制御できなくなったのだろう。▼
- [レギン]
- 力を制御できない…
暴走しているってこと?▼
- [セテス]
- アスク王国には
フォドラから召喚された
英雄達も多い。▼
彼らにセイロス聖教会…
その大司教の秘密を知られてしまうと
大きな動揺を生むことは間違いない。▼
アルフォンス王子。
この事が広まってしまう前に
レアを止めてもらえないだろうか。▼
- [レギン]
- でも、あんな強そうな竜を
どうやって止めれば…▼
- [セイロス]
- 私も協力しましょう。
フォドラから来た一人の英雄として
尽力させていただきます。▼
- [セテス]
- セイロス!
そうか、君の言葉になら
彼女も耳を傾けるかもしれない。▼
- [アルフォンス]
- セイロス…
フォドラにその名を刻んだ
聖者の助けを得られるなら心強いよ。▼
- [ニイメ]
- ちょいといいかい、ご一同。
わたしも連れていってくれないかね。
ちと、確かめたいことがあるんでね。▼
- [シャロン]
- レアさんは北西の方角に飛び去りました!
追いかけましょう!▼
- [レギン]
- じゃあ、ニイメおばあちゃんは
私のグリンブルスティに乗るの!▼
振り落とされないようにね!
しゅっぱーつ!▼
- [セイロス]
- 力の暴走…。
私の知り得ぬ未来のフォドラに
なにが起こったのでしょうか…▼
- [セテス]
- 私が知る限り、レアが大司教となって
ガルグ=マク大修道院を建立したあと
あの姿をとったことは一度もなかった。▼
- [アルフォンス]
- つまり、彼女はセテスよりも
あとの時代のフォドラから
召喚された可能性が高いんだね。▼
- [セテス]
- レアが力を抑えきれず
【白きもの】に化身したということは…▼
フォドラの行く先に
なにか重大な異変が起こるのかもしれない。
そう遠くない未来に。▼
- [セイロス]
- 自らの中にある紋章の力を
制御できなくなるほどの出来事…▼
……▼
- [ニイメ]
- 具体的な事件が
発端とは言い切れないね。▼
月日を重ねた竜族が
自我を失い暴走をはじめる…
いろんな異界であることさ。▼
アスクの大図書館にある
いくつもの文献にそう記されていたよ。▼
- [シャロン]
- じゃ、じゃあ、レアさんも
永く生きた竜だから
暴走しちゃったってことですか?▼
- [ニイメ]
- 永劫に等しい時間を生き
その果てに待ち受けていたのは
暴走による滅びの運命…▼
竜というものが
滅びを約束された種族だとしたら…
あんまりにも悲しい話じゃないか。▼
- [セテス]
- しかし、歳月を重ねることだけが
心身に歪みを与えるとは考えにくいな。▼
現に、レアは永きにわたって
フォドラの地を理性とともに
導いてきたのだ。▼
信者にも真摯に実直に
愛を持って接し続けていた。
そこに心身の歪みなどなかったはずだ。▼
- [シャロン]
- うーん。
じゃあほかにどんな原因が…▼
- [セイロス]
- 永き刻の中で心身を蝕むのは
おそらく、絶望…▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [セイロス]
- ほんのわずかな…
絶望につながるような感情でも
永き刻を生きれば、それは山と積もる。▼
なにかのきっかけで
積もった絶望が魂の許容量を越え…
力の暴走に繋がったのかもしれません。▼
- [アルフォンス]
- 積もった絶望を
魂が受け止めきれず、か。▼
- [レギン]
- あっ、見て! あそこ!
レアさんに追いついたの!▼
- [レア]
- はぁっ、はぁぁっ…
ぐっ、うううっ!▼
- [セテス]
- アルフォンス王子、セイロス。
まずは彼女の足を止めなければ…!▼
- [レア]
- どうして…追いかけてきたの…です。
私に…近寄っては…ぐぅぅぅっ!▼
- [シャロン]
- レギン王女!
右手に回ってください!
わたしは左手から!▼
- [レギン]
- 任せるの!
リュングヘイズで足止めを!▼
- [レア]
- お、おおっ! ぐぅぅぅっ!
私…は…私は……!▼
- [セテス]
- なんという圧だ!
これほどまでに荒々しい力を
これまで抑え続けていたとは!▼
- [セイロス]
- フォドラを守るために
神祖より与えられた女神の眷属の力が
破壊の衝動に彩られて…▼
あなたは力に呑まれてはなりません!
思い出すのです。ナバテアの誇りを!▼
- [セテス]
- レア! 気を鎮めるのだ!
いつもの穏やかな
君に戻ってくれ!▼
- [レア]
- グゥゥゥっ! ううっ!
ああああーっ!▼
- [ニイメ]
- こちらの声が届かないのかい?
いや、自ら心を閉ざして
耳を塞いでいるようにも見えるね。▼
- [アルフォンス]
- どうにかして
彼女に僕たちの言葉を
届けることができれば…▼
- [レア]
- ぐっ、うっ、ううううっ…
お母様…さえ…▼
- [セイロス]
- ……!▼
- [レア]
- お母様さえ…蘇れば…▼
私は…すべてを取り戻せると
失ったもの…すべてを…
取り戻せると…思っていたのに…▼
- [セテス]
- お母様…? まさか!?
まさか君は…禁忌を犯したというのか。▼
- [アルフォンス]
- 禁忌? それはいったい…▼
- [セテス]
- 恐らく、レアには
秘めたる悲願があったのだ。▼
それは彼女を生んだ母なる存在…
神祖ソティスを復活させること。▼
- [セイロス]
- ……▼
- [セテス]
- 彼女はそのために長い年月かけ
希望を積み上げ続けた。
だが、それは最大の禁忌だったのだ。▼
神祖の復活を望むこと、それは他ならぬ
神祖自身により固く禁じられたことだった。▼
これが、禁を破った
結果だとでもいうのか…▼
そして、彼女の口からあのような言葉が
漏れたということは…▼
- [ニイメ]
- 望みは絶たれたというわけかい。▼
- [レア]
- くうううっ! お母様、お母様!
私が…やってきたことは…
私の…願いは…くぅぅっ、あああっ!▼
- [レギン]
- きゃぁぁぁっ!
吹き飛ばされてしまいそうなの!▼
- [ニイメ]
- やはり、絶望が理性を奪い
竜の暴走に導いたんだね…▼
- [セイロス]
- くっ…! このままでは!▼
- [シャロン]
- セ、セイロスさん!
正面に立つのは危ないですよっ!▼
- [セイロス]
- 私の言葉を魂で聞くのです。
感じませんか?
この世界に…お母様の気配を…▼
- [レア]
- ぐっ…!? う、うう…っ。▼
- [セイロス]
- あなたは、絶望の果てに
この世界に流されてきたのでは
ありません。▼
希望とともに蘇るために
この地、アスク王国に
導かれたのです…▼
- [セイロス]
- ここは、神祖ソティスが
見守ってきた大地ではありません。
フォドラから遠く離れた異界の地。▼
ですが、感じるのです。
この世界に、お母様…神祖の気配を。▼
- [レア]
- くっ…う、ううっ…
お母様の…気配…
ぬく…もり…▼
- [セテス]
- レアの動きが止まった?▼
- [ニイメ]
- 言葉が…
届いたっていうのかい。▼
- [セイロス]
- 降り注ぐ陽光の中に
お母様の温かな眼差しが…▼
そよぐ風に乗って
お母様の心地よい声が…▼
確かに、感じるのです。
私たちのすぐそばに
お母様がいらっしゃることを。▼
- [レア]
- あ、あ、ああああ…▼
感じ…る…確かにここに…
お母様…あ、ああ…▼
- [セテス]
- 立ち上がっていた闘気が消えていく…▼
- [レア]
- わ、私は…この世界で…
また、お母様に…会うことが…
できるの…でしょうか。▼
- [セイロス]
- この世界から戦いが消え去り
アスク王国が平和になれば
その可能性を探れるかもしれません。▼
- [アルフォンス]
- その通りだよ。
僕たちも喜んで力を貸そう。▼
- [レギン]
- だから今は、戦いを終わらせるために
私たちに協力してほしいの!▼
- [セテス]
- 確かにこの世界には我々の想像を越えた、
大きな可能性が合うように思える。▼
すべてをあきらめるのは
まだ早い…! レア!▼
- [レア]
- ぐっ…うっ、ううっ…
まだ…希望が…
潰えていないというのなら…▼
私も…自分自身の中の…力と…
戦ってみようと…思います。▼
- [セイロス]
- ……▼
- [レア]
- そして…自分自身の力を…
律することが…できたなら…▼
必ずや…あなたたちの…力に…
くっ、うううっ…!▼
- [シャロン]
- あっ、レアさん!▼
- [レギン]
- すごい速さで
飛んでいっちゃったの…▼
- [セイロス]
- 大丈夫です。彼女の心には
すでに希望が芽吹いています。▼
必ず、自分の中の力に打ち勝ち
私たちの元に戻ってくるでしょう。▼
- [ニイメ]
- それはそうと…髪の色こそ違えど
あんた似ているね。大司教様と。▼
子孫か血族…
いや、もっと深い繋がりを感じるよ。▼
- [セテス]
- 話しておこう。
この聖者セイロスは…▼
- [セイロス]
- セテス、語らずともよいのです。
私は一人の英雄としてアスク王国に
力を貸している。それだけなのですから。▼
- [ニイメ]
- ふむ…
竜の心を歪めるのは絶望…▼
けれど、竜の心は希望により蘇る。
必ずしも、滅びを約束された
種族ではないってことかね…▼
まだまだ調べる必要がありそうだね。
竜という存在について。▼
- [セイロス]
- 私たちがこの地に導かれたのは
アスク王国に平和をもたらすため。▼
ですが、それだけではありません。
フォドラの未来に希望を
繋いでいく術を見出すため。▼
そのために今、私たちはこの地にいる。
そういう気がして…ならないのです。▼
死せる王 グスタフ†
- [ヘンリエッテ]
- はいはーい。
今日の炊き出しはこれで終了!▼
また来週やりますからねっ。
みんな、気をつけて帰るんですよ。▼
- [エイル]
- お疲れさまでした、ヘンリエッテ様。▼
- [ヘンリエッテ]
- エイル王女もお疲れさまっ!
炊き出しに来る人が日に日に増えてるから
お手伝いしてもらえて助かるわ。▼
でもそれって
戦争で困っている人たちが
増えているってことなのよね。▼
- [エイル]
- ……。▼
- [ヘンリエッテ]
- 本当はもっと根本的な問題…
戦争そのものを終わらせないと
いけないのだけれど…▼
でも、今はみんながそれぞれ
やれることを頑張っているわ。
私も頑張らないとね!▼
- [エイル]
- 私にもできることがあれば
なんなりと申し付けてください。▼
- [ヘンリエッテ]
- ありがとう、エイル王女。
あなたにはお世話になりっぱなしねっ!▼
- [エイル]
- ですが、私は…私たちは…
ヘンリエッテ様の大切な人を…▼
- [ヘンリエッテ]
- あなたは悪くないわ。
あの人は、アスクの王として
最後まで務めを果たしたの。▼
そして今、あなたもちゃんと
自分の人生を生きている。
それでいいのよ。▼
- [エイル]
- はい…
そのお言葉に
私も、救われます。▼
- (暗転)
- [ヘンリエッテ]
- うーん…。
なんだか今日は寝られないわ。
エイル王女とあんな話をしたからかしら。▼
あら、今日はずいぶんと月が綺麗ね。
湖畔に船を浮かべて見上げたら
とっても素敵かも。▼
そう言えば城の近くの…
あの湖には
伝説があったわよね。▼
あまりに透き通って美しくて…
生者も死者も
そこに留まるって…▼
……。
私ももう子どもじゃないんだから、
そろそろ寝ましょう…▼
- [ヘンリエッテ]
- 寝ましょう、と言っておきながら
どうして私は伝説の湖に
いるのかしら?▼
でも、湖面に映る月も綺麗ねっ。
これを見られただけで
足を運んだ甲斐はあったわ。▼
……。▼
死人すら見惚れるって言っても
あの人は、そういうものに
執着する人じゃなかったものねえ。▼
- [グスタフ]
- ……。▼
わしとて
美を解さぬわけではない。▼
- [ヘンリエッテ]
- あら、あなた。▼
- [グスタフ]
- ……。
驚かぬのか?▼
- [ヘンリエッテ]
- ええ。
ここで、あなたに
出会える気がしたのです。▼
それに、嬉しくて
驚いている暇はないわ。
これが夢でも現でも幻でも…▼
- [グスタフ]
- お前は、あいかわらずだな。▼
わしはヘルの呪いにより命を落とし
死人としてアルフォンスの前に
立ちはだかった。▼
しかし、アルフォンスは
見事にわしを討ち果たし
己の足で一歩を踏み出した。▼
その一歩こそが
ヘルとの戦を勝利に導いたと
わしは考える。▼
自分が背負っているもの。
民に対して果たさねばならぬ責。
アルフォンスはそれをわかっていた。▼
- [ヘンリエッテ]
- 最初にその話を聞いたときは
父と子を殺しあわせるなんて
なんてむごい、と思ったけれど…▼
あなたはその悲劇すら
あの子たちを成長させる機会と
捉えていたのね。▼
- [グスタフ]
- ……▼
- [ヘンリエッテ]
- 命が失われる悲しみを
肯定したくはないけれど…▼
あなたを尊敬します…
父として
立派な最期だったと思うわ。▼
- [グスタフ]
- 王族として
アスク王国を担う者として
なにが必要なのか。▼
アルフォンスとシャロンには
伝えたつもりだ。
だが、お前には苦労ばかりかけた。▼
- [ヘンリエッテ]
- そうかしら?
私は苦労した覚えは
ないけれど…▼
だって、
二人で秘宝砦の周囲を
探検したときとか…▼
ほら、国境で
新しい異界への扉を
見つけた時だって…▼
- [グスタフ]
- ふ…今になって思えば
よく生きて戻れたものだ。▼
- [ヘンリエッテ]
- ふふっ、たくさんあるわ。
あなたとの思い出は…▼
- [グスタフ]
- ……。▼
願わくば、争いのない世で
お前には王妃として、
母として暮らしてほしかった。▼
わしや民の前で
絶やさなかった笑顔の後ろには…▼
お前なりの気丈さがあったことも
わしは知っている。▼
- [ヘンリエッテ]
- ……▼
- [グスタフ]
- わしは争いが続く時代に
お前たちを遺して
先立った…▼
そのことがわしの心残りだ。
すまぬな、ヘンリエッテ。▼
- [ヘンリエッテ]
- いいえ、いいえ。
あなたが謝ることは
なにもありません。▼
私は世界一幸せな王妃…▼
世界で一番立派な夫を持ち
世界で一番素敵な子どもたちを授かった
幸せな王妃ですよ。▼
- [グスタフ]
- ……▼
- [ヘンリエッテ]
- アルフォンスとシャロンという
かけがえのない宝を授かり…▼
ともに未来に歩める
民たちもいる。▼
すべて、
あなたが遺してくれたもの…▼
- [ヘンリエッテ]
- ところで、あなた。
今、どんな感じなのかしら?▼
お腹は減るの?
暑いとか寒いとかって感じるの?
何か欲しいものはある?▼
- [グスタフ]
- お前は…変わらんな。▼
- [ヘンリエッテ]
- あなたがどんな姿になろうと…
こうして話せること以上の
幸せはありません。▼
- [グスタフ]
- ふっ…▼
- [ヘンリエッテ]
- ん? あら、あらあらっ?
この足音は…。▼
- [アルフォンス]
- 母上!
どこにいらっしゃるのですか!
返事をしてください!▼
- [シャロン]
- お母様ー! どこですかー!▼
- [グスタフ]
- ……▼
- [ヘンリエッテ]
- アルフォンス、シャロン。
私はここよ。▼
ごめんなさいね
探しに来てくれたの?▼
- [アルフォンス]
- 城外に出られたと聞いたのですが
戻りが遅いので気になって…▼
- [ヘンリエッテ]
- ちょっと懐かしい人に会っていてね。
ふふっ…。▼
- [シャロン]
- そういえば、
この湖、幽霊が出るって噂ですよね。▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [シャロン]
- ど、どうしたんですか、お兄様。
森の奥に何か…?
あ、お兄様はお化け苦手でしたね。▼
- [アルフォンス]
- あ、いや、お化けじゃなくて…▼
懐かしい声が…
聞こえた気がして…▼
心を奪われし氷竜 ニニアン†
- [ニニアン]
- わたしは…わたし…は…。▼
竜の門に…
近づいてはいけなかった…。▼
いえ…
人間の世界に…
来てはいけなかった。▼
わたしが…関わらなければ…
誰かが戦いで傷つくことも…
命を落とすことも…▼
リン様…。
エリウッド…様…▼
わたしに手を差し伸べてくれた
優しい…人々…▼
でも、わたしは…その優しさに
応えることができなかった…▼
わたしの力を狙われ…
争いは広がり…▼
エリウッド様の
お父上の命まで…▼
わたしは…取り返しの…
つかないことを…▼
うっ…うううっ…
もう、わたしは…
誰とも…関わりたくないの!▼
消えて…なくなりたい…
この力と一緒に…▼
氷の精霊ニニスの加護も及ばぬ
冷たく暗い闇に…深く…沈んで…▼
- [???]
- ニニ…アン…▼
ニニアン!▼
- [ニニアン]
- この…声は…
誰が…わたしを呼んでいるの?▼
- [???]
- 応え…て…
この…声に。▼
必要…あなた…が…
世界…に…▼
- [ニニアン]
- ダメ…わたしは…
もうどこにも行かない。▼
わたしが行けば…
また争いが起きて…
悲しみが広がってしまう…▼
- [???]
- 手を…その手を…
こちら…に…▼
- [ニニアン]
- ダメなの…
わたしは…応えられない。▼
もう…そっとしておいて…
誰もわたしに…触れないで…▼
- [ニニアン]
- ダメ…。
また、わたしはもたらしてしまう。
争いを…不幸な連鎖を…▼
- [???]
- ニニアン…ニニアン!▼
- [ニニアン]
- さっきの声とは…違う…
その声は…ニルス…
ニルスなの?▼
- [ニルス]
- ニニアン!
聞こえるんだね!
伝えたいことがあるんだ。▼
確かにぼくたちは人間たちとは違う。
普通の存在じゃない。▼
- [ニニアン]
- ええ。だから人間とは…
関わってはいけないの…▼
- [ニルス]
- でも、普通じゃないからって、
それが悪いわけじゃない。▼
世界には、さまざまな命が
さまざまな形で存在している。▼
ぼくたちもそのひとつなんだ。
ほかと違うからって
悪いはずなんてないよ!▼
- [ニニアン]
- でも…
わたしたちの力は
人を惑わせ…争わせる…▼
わたしには…悲しみを生む力があっても
悲しみを止める力は…ないの…▼
悲しみをもたらすくらいなら…
これ以上…広げるくらいなら…▼
わたしは…消えたほうがいい…
すべてを…消して…
すべてを…忘れ…て…▼
- [ニルス]
- ニニアン!
生きることに背を向けちゃだめだ!▼
思い出して…
ぼくたちは、悲しみだけを
もたらしたわけじゃない!▼
もっといろいろなものを
人間たちから受け取った。▼
ぼくたちが与えることも
できたはずなんだ!▼
- [ニニアン]
- ……▼
- [ニルス]
- ニニアン。
すべてを忘れて、すべてを消して…
全部、なかったことにしてもいいの?▼
リンさまたちとの旅の思い出も
エリウッドさまの言葉も想いも
全部なかったことにするってことだよ!▼
- [ニニアン]
- リン様…
エリウッド様…▼
でも、わたしは…
もう悲しみを広げたくはないの。
これ以上、わたしは…▼
- [ニルス]
- ニニアン! しっかり!
気持ちを強く持つんだ!▼
- [ニニアン]
- このまま、わたしは…
深い闇の…中に…▼
- [???]
- あきらめてはいけない…▼
- [ニニアン]
- この…声は…!?
わたしと同じ…声?
どこから…響いて…。▼
- [???]
- 未来は…まだ決まってないの…▼
あきらめなければ…
歩みを止めなければ…
光は…必ず見えるはず…▼
- [ニニアン]
- あなたは…誰?
もう一人の…わたし…
異界のわたし…なの?▼
- [???]
- どうか、あなたを呼ぶ声に
応えてあげて。▼
その先にきっと…歩むべき
未来があるはずだから…▼
- [ニニアン]
- でも、今のわたしは…
振り払えない…闇が…
まとわり…ついて…▼
- [ニルス]
- ネルガルがかけた術なんかに
負けちゃだめだよ、ニニアン!▼
- [???]
- 未来を…あきらめないで。
闇を乗り越えた先に…
あなたを待つ人々がいるのです。▼
さあ、あなたを呼ぶ声に応えて…
その手を…とって…▼
- [ニニアン]
- わ、わたし…は…わたしは…!▼
あ、ああっ…この…光は…
柔らかく…温かい…
魂を包み込んでくれるような…▼
- [ニルス]
- ニニアン!
しっかりして…!
大丈夫、もう大丈夫だよ。▼
- [ニニアン]
- ニル…ス…わたしは…!?▼
- [ニルス]
- ニニアンは召喚されたんだよ。
エレブ大陸とは違う別の異界…
アスク王国にね。▼
- [ニニアン]
- アスク…王国…▼
- [アンナ]
- よかった。気がついたみたいね。
私はアスク王国の特務機関
ヴァイス・ブレイヴの隊長、アンナよ。▼
今、この国は多くの脅威に
晒されているの。▼
アスクの民を守るために
私たちヴァイス・ブレイヴは
異界の英雄の力を借りて戦っているのよ。▼
- [ニルス]
- ニニアンにも力を貸してほしいんだ。
この世界から笑顔を消さないために。▼
- [ニニアン]
- …………▼
- [ニルス]
- まだ、本調子じゃないんだね。
でも…▼
- [ニニアン(花嫁)]
- 大丈夫です。
あなたの魂も…きっと救われる。▼
- [ニニアン]
- もう一人の…わた…し?▼
- [ニニアン(花嫁)]
- エクラ様の
呼びかけに応えてくれて
感謝します。▼
- [ニニアン]
- あの不思議な空間で…
わたしに語りかけていたのは…▼
- [ニニアン(花嫁)]
- わたしはただ、祈っていただけです。
あなたの悲しみが…異界を超えて
わたしにも…届いていたから。▼
- [ニニアン]
- ……▼
- [ニニアン(花嫁)]
- わたしも以前、あなたと同じように
心から光を失ったことがありました。▼
ですが、わたしはアスク王国で
さまざまな出会いを重ねて
再び光を取り戻し…▼
新たな可能性を
得ることができたのです。▼
- [ニニアン]
- 新たな…可能性…▼
- [ニルス]
- そう。あきらめなければ
きっと道は拓けるはずだよ。▼
そのために、ぼくたちは
アスク王国に召喚されたと思うんだ。▼
- [アンナ]
- エリウッドやリン、ヘクトルたちも
あなたが目覚めるのを
待っていたわよ。▼
- [ニニアン]
- エリウッド様…たちも…
この世界にいらっしゃるのですか?▼
わたしは…ここにいても…
大切な人々のそばにいても…
いいのでしょうか?▼
- [ニルス]
- もちろんだよ。
もう、冷たい暗闇の中に
逃げ込む必要はないんだ。▼
- [ニニアン(花嫁)]
- あなたがこの世界にやってきたのは
悲しみを広げるためではありません。▼
きっと大切な人々と一緒に
未来へ歩き出せる方法が
見つかります…▼
- [ニニアン]
- ……。
わたし自身が広げた悲しみから…
目をそらすことは…できません…▼
けれど…闇の向こう側…
そこに未来があると…
信じられる日が来るのでしょうか…▼
コメント†
Last-modified: 2022-05-20 (金) 14:39:49