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章別会話
あの笑顔のために†
あの笑顔のために†
オープニング†
- [リョウマ]
- 見えてきたぞ。
あれが目的地の村だ。▼
- [クリムゾン]
- 辺境だとは聞いていたけど
ずいぶんと険しい場所に
村を作ったもんだね。▼
- [ヒノカ]
- 深い谷に隔たれて
村に通じるのは一本の
細く切り立った道のみ、か。▼
- [クリムゾン]
- だから少しでも
便をよくするために
新しい橋を作っているところさ。▼
- [アシュラ]
- ここまで孤立していると
なにかあったときに
助けも呼べやしねえ。▼
盗賊の標的にされちまったのは
それが理由なんだろうよ。▼
- [リョウマ]
- 作っている橋が完成すれば
村になにかあっても
すぐに助けに駆けつけられる。▼
だが、盗賊も
橋が完成するのを
指を咥えて見てはいないだろう。▼
- [ヒノカ]
- …小悪党の考えそうなことだな。
この程度の任務であれば
ほかの英雄でも事足りると思うが…▼
- [リョウマ]
- 俺たちは民を守るために来た。
盗賊退治も大事な任務には違いない。
そうだろう、ヒノカ?▼
- [ヒノカ]
- …兄様の言うとおりだ。
すまなかった。▼
- [クリムゾン]
- さっすがリョウマだね!
いいことを言うじゃないか。▼
民を守るために私たちはここにいる。
こっちもやる気が湧いてきたよ。
なあ、アシュラ?▼
- [アシュラ]
- さあ、どうだろうな。
英雄として召喚されはしたが
そもそも俺はそんな器じゃない。▼
- [クリムゾン]
- おいおい、
ずいぶんと弱気じゃないか。▼
- [アシュラ]
- もちろん任務は続けるが
俺にはあまり期待しないでくれ。▼
- [リョウマ]
- ……▼
- [ヒノカ]
- 逃がさんぞ、盗賊ども。
はあっ!▼
- (白く光る)
- [クリムゾン]
- 略奪に飽き足らず
橋の建設まで妨害するなんて…
これ以上、悪さはさせないよ!▼
- (白く光る)
- [リョウマ]
- お前で最後のようだな…
ふんっ!▼
- (白く光る)
- [アシュラ]
- ふぅ、どうやら片付いたか。▼
- (暗転)
- [クリムゾン]
- 数だけは揃えてきたみたいだが
あらかた追い払えたみたいだね。▼
- [ヒノカ]
- 村や橋を守れたことは喜ばしいが
手応えのない連中だったな。
正直なところ、不完全燃焼だ。▼
- [リョウマ]
- そう言うな。
村人の血が一滴も流れなかった…
それだけでも大きな成果だ。▼
- [クリムゾン]
- 私もそう思うよ。
アシュラも辛気臭い顔してないで
この勝利を喜んだらどうだい?▼
- [アシュラ]
- 悪いが…ここでいくら
戦ったところで祖国の…
コウガ公国の復興には繋がらない。▼
早いとこ元の世界に
戻してほしいもんだぜ。▼
- [リョウマ]
- たしかにこの異界の村は
コウガ公国とはなんの関係もない。▼
しかし、お前の知る
コウガ公国と同じものが
この村にもあるはずだ。▼
- [アシュラ]
- 同じもの?
リョウマ様、それはいったい…。▼
- [リョウマ]
- 見ろ、あの子どもたちの笑顔を。
盗賊たちが逃げ帰ったと知るや
無邪気に駆け回っている。▼
なあ、アシュラよ。
あの子どもたちの笑顔は、
コウガ公国とは違うのか?▼
- [アシュラ]
- そう…ですね。
俺はあの笑顔を知っている。
いや、忘れるはずがない。▼
かつてコウガ公国にも
あんな無邪気な笑顔があった。▼
俺が取り戻したいものは
あんな笑顔だった…▼
- [ヒノカ]
- ふんっ!
はあっ!
せええいっ!!▼
- [クリムゾン]
- 憂さ晴らしに素振りかい?
ずいぶんと気合が入ってるな。▼
- [ヒノカ]
- 昨日の盗賊どもとの戦いは
張り合いがなかったからな。▼
こうして訓練に励んだほうが
まだ実りがあるというものだ。▼
- [クリムゾン]
- ははっ、そうかい。
私も強敵との戦いには心が躍るからね。
ヒノカの気持ちはよくわかるよ。▼
だけどさ、私も時々忘れちまうんだ。
毎日訓練して強さを求めて…。▼
そうして得た力は、なんのために
あるんだろうってことをさ。▼
- [ヒノカ]
- なんのための力か。
そうだな…私はこの力を
民を守ることに使いたい。▼
武器を手にしたきっかけは
カムイがいなくなったからだが…今は
民のためにも強くなりたいと思っている。▼
- [クリムゾン]
- ということは
昨日の戦いでは
目的を達成できたわけだ。▼
強い敵を戦うためじゃない。
民を守るために戦ったんだから。▼
- [ヒノカ]
- そうか…そうだな。
相手が強かろうが弱かろうが関係ない。▼
望んだ通りに力が使えたか…
それが一番大事なんだな。▼
- [クリムゾン]
- 手応えのない敵?
いいじゃないか。それだけ民に
被害が出なかったってことだ。▼
- [ヒノカ]
- そのとおりだ。
手応えのある敵に手間取って
民に被害が出たら本末転倒だ。▼
礼を言う、クリムゾン。
私は新しい力を手にして
舞い上がっていたのかもしれない。▼
- [クリムゾン]
- 大したことは言ってないさ。
ん? なんだ…?
むこうが騒がしくないか?▼
- [リョウマ]
- ヒノカ! クリムゾン!
すぐに出陣の用意だ。▼
- [クリムゾン]
- どうしたんだい、血相を変えて。
また盗賊でも出たのかい?▼
- [リョウマ]
- そうだ。
昨日以上の数で
村に迫っている。▼
偵察に出ていたアシュラから
狼煙で連絡が入った。▼
- [ヒノカ]
- くそっ、性懲りもなく…。
行くぞ、兄様!▼
- [リョウマ]
- ああ、村と橋を守り抜くぞ!▼
- [アシュラ]
- せいっ! はぁぁぁっ!▼
村が荒らされれば
子どもたちは故郷を失う。
そんなのは俺だけで十分だ。▼
- (暗転)
- [アシュラ]
- ちっ…囲まれたか。
ここで倒れるわけにゃいかねえ。▼
俺にはコウガ公国を復興させる
大事な使命がある。▼
多勢に無勢だが
必ず生き残ってみせる!
はぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [ヒノカ]
- アシュラ! 無事か!?▼
- [アシュラ]
- 空から聞こえるこの声は…
ヒノカ様!?▼
- [ヒノカ]
- 安心しろ! リョウマ兄様たちも
そこまで来ている。▼
- [リョウマ]
- はあっ!!▼
- [クリムゾン]
- ここは任せな!▼
- [リョウマ]
- ケガはないか、アシュラ。
まだ戦えるか?▼
- [アシュラ]
- リョウマ様! もちろんです!▼
- [リョウマ]
- この橋が完成すれば
未来への架け橋となるのだ。▼
皆、俺に続け!
ここで一気に片付けるぞ!▼
- (暗転)
- [クリムゾン]
- どうやら盗賊たちは
逃げ帰ったようだね。▼
これだけ痛めつければ
もう悪さもできやしないさ。▼
- [ヒノカ]
- 未来への架け橋か。
リョウマ兄様はすごいな。▼
- [クリムゾン]
- なんだい、いきなり。
そりゃあリョウマはすごいだろ!▼
- [ヒノカ]
- 盗賊を退治するだけじゃなく
その先のことも見据えている。
私も見習わないとな。▼
- [クリムゾン]
- ヒノカはいいきょうだいを持ったね。
うらやましいよ。▼
- (暗転)
- [アシュラ]
- 見てください、リョウマ様。
子どもたちの楽しそうな顔…。▼
- [リョウマ]
- その笑顔を守ったのは
間違いなくお前の力だ。▼
子どもたちの笑顔を守れるもの。
それこそが英雄だ。▼
- [アシュラ]
- リョウマ様…▼
こんな俺の力でよければ
これからも使ってください。▼
- [リョウマ]
- 期待しているぞ、アシュラ。
これからも共に力を合わせよう!▼
誠道紐帯の武神 リョウマ†
- [カゲロウ]
- リョウマ様…
アスク王国でも臣下として
こうしてお迎えできるとは…。▼
- [サイゾウ]
- お待ちしておりました。▼
- [リョウマ]
- 二人とも出迎えすまないな。
異界の地でも、お前たちが
仕えてくれてうれしく思う。▼
- [サイゾウ]
- もったいなきお言葉…
むっ!?▼
- [カゲロウ]
- そのお召し物は…?▼
- [リョウマ]
- ああ、これは新たに
用意してもらった鎧だ。▼
きょうだいたちとの…
とりわけカムイとの絆を
あらわしたものだそうだ。▼
- [カゲロウ]
- いかにカムイ様を大切にされているか
その鎧をまとうリョウマ様の想い…
このカゲロウにもしかと伝わった。▼
- [リョウマ]
- 幼き頃、カムイは
白夜王国から暗夜王国に
連れ去られてしまった…▼
ヒノカ、タクミ、サクラたち…
俺たちきょうだいとは
ずっと離ればなれだった。▼
- [サイゾウ]
- ……。▼
- [リョウマ]
- だが、今は違う。
カムイと俺たちきょうだいは
同じ時を刻みはじめた。▼
これからはより絆を深め
同じ未来へ向かって
歩いて行くことになる。▼
カムイが白夜王国に戻ってきた今
もう二度と離れて暮らすことは
あってはならない。▼
ところで、そのカムイはどこだ?▼
このアスク王国にも
召喚されているのだろう?▼
- [カゲロウ]
- カムイ様は現在、遠征に。
そう遠からぬうちに
城に戻ってくるかと。▼
- [リョウマ]
- そうか。ならば再会できる日を
心待ちにするとしよう。▼
- [リョウマ]
- タクミ、サクラ…
お前たちも元気だったか。▼
- [タクミ]
- 白夜王国の仲間たちもいるからね。
なんとか頑張れていたよ。▼
- [サクラ]
- あ、あの、
リョウマ兄様の、そのお姿…。▼
- [タクミ]
- その鎧って、もしかして…?▼
- [リョウマ]
- やはり気になるか。▼
- [タクミ]
- …別に。
ただ、ちょっと
贔屓しすぎなんじゃないの?▼
- [サクラ]
- お似合いですよ、リョウマ兄様。▼
- [リョウマ]
- カムイを贔屓している、か。
だが、俺はそれぐらいで
ちょうどいいと思っている。▼
あいつが暗夜王国に連れ去られ
心細い思いをしていたとき
なにもしてやれなかったからな。▼
- [サクラ]
- リョウマ兄様…。▼
- [リョウマ]
- だから、俺たちのもとに戻った今
カムイとの絆を育みたい。▼
そのきっかけになるのなら
俺はなんだって試そう。▼
- [サクラ]
- ふふっ、そうですね。
私にもお手伝いできることがあれば
なんでも仰ってくださいね!▼
- (暗転)
- [アクア]
- カムイとの絆…。
それがリョウマの…
きょうだいたちの願い…▼
- [アクア]
- リョウマ、少しいいかしら。▼
- [リョウマ]
- おお、アクアか。
お前の元気そうでなによりだ。▼
- [アクア]
- …話をしても?▼
- [リョウマ]
- ああ、もちろんだ。
何を遠慮することがある。▼
- [アクア]
- 話したいのは…
その鎧のこと。▼
正しくはカムイに対する
あなたの気持ちについて…かしら。▼
- [リョウマ]
- ふむ…。聞こうか。▼
- [アクア]
- リョウマがカムイを
大切に思っていることは
私にも伝わってくる。▼
離ればなれになったカムイに
なにもしてやれなかったという
あなたの後悔も…。▼
でも、それらの想いが
心に重くのしかかり
負い目になってないかしら?▼
- [リョウマ]
- 俺のことを心配してくれるのか。
ありがとう、アクア。▼
カムイは白夜王国に戻って日が浅い…。
俺たちきょうだいと
過ごした時間はわずかだ。▼
きょうだいたちが昔話をしているとき
カムイはふと寂しげな表情を
浮かべることがある。▼
俺たちきょうだいの思い出に
あいつはいなかったからな。▼
- [アクア]
- ……。▼
- [リョウマ]
- そんなカムイのために
俺はなんだってしてやりたい。▼
きょうだいと共に生きていくカムイに
思い出を作ってやりたいんだ。▼
- [アクア]
- そう…それなら、
その鎧は贖罪ではなく…
思いやりそのものだったのね。▼
- [リョウマ]
- お前とこうして話したことでも
俺たちにとってこの鎧は
思い出のひとつになっただろう?▼
この鎧はカムイとの絆だけじゃない。
俺たちきょうだい、そしてアクアとの
絆を深めてくれると信じている。▼
- [リョウマ]
- カムイが城に戻ってくるのか?▼
- [ヒノカ]
- アンナ隊長から聞いた。
遠征は成功、
カムイも無事とのことだ。▼
- [タクミ]
- どうせ出迎えるのなら
きょうだい揃って出迎えてやろうよ。▼
- [サクラ]
- ふふっ、楽しみですね。
アクア姉様。▼
- [アクア]
- そうね。カムイが戻れば
もっと賑やかになると思うわ。▼
- [ヒノカ]
- カムイは
リョウマ兄様の鎧を見て
どんな顔をするだろうか?▼
- [アクア]
- まずは驚くんじゃないかしら。▼
- [タクミ]
- 顔を真っ赤にして
恥ずかしがるかもよ?▼
- [サクラ]
- 私は、きっと喜んで
笑顔を見せてくれると思います!▼
- [リョウマ]
- はっはっは、どうだろうな。▼
間違いなく言えるのは、
俺たちにとってよき思い出が
増えるということだ。▼
- [タクミ]
- 僕たちきょうだいの
一番新しい思い出になるね。▼
- [ヒノカ]
- 失われた時間は戻ってこなくても
思い出は増やしていける。▼
- [アクア]
- そのために…私たちは
みんな揃ってこのアスク王国に
呼ばれたのかもしれないわ。▼
- [サクラ]
- あっ、見てください!
遠征隊が戻ってきたようです。▼
- [リョウマ]
- では、出迎えるとしよう。
きょうだい皆でな!▼
名を捨てた賊 アシュラ†
- [ゼト]
- では、エフラム様。
ルネス騎士団、出撃いたします。▼
- [エフラム]
- 明日には俺とエイリークも合流する。
露払いは頼んだぞ。▼
- [カイル]
- 参りましょう、ゼト将軍。
フォルデも遅れるなよ。▼
- [フォルデ]
- はいはい。さっさと片づけて
絵の続きでも描くとしようか。▼
- [アシュラ]
- ……。▼
- [シャニー]
- ディークさん、あたしたちも
出撃だよ! 早く早くー!▼
- [ディーク]
- わかってる。そう急かすんじゃねえ。▼
- [クラリーネ]
- お待ちなさい、私も行きましてよ!
クレイン兄様も…あら?
お兄様はどちらに?▼
- [クレイン]
- クラリーネ、杖を忘れているよ。
気持ちがはやるのもわかるけど
落ち着かなきゃ。▼
- [アシュラ]
- ……。▼
- [シャロン]
- どうしたんですか、アシュラさん?
なんだか難しい顔をしていますが…。▼
- [アシュラ]
- シャロン王女…。▼
- [シャロン]
- あっ! もしかして
お城で迷っています?
行きたい場所があれば案内しますよ!▼
- [アシュラ]
- あ…いや…そうじゃないんだ…。
ただ、その、なんだ…。
この城は…せわしないな。▼
- [シャロン]
- そうですね。今日は出撃も多くて
いつもよりせわしない気がします!▼
ですが、みなさんやる気に満ちて
こっちまで元気になりますよね!▼
- [アシュラ]
- 申し訳ないがシャロン王女…
俺はそういうのが苦手なんだ。▼
- [シャロン]
- えっ!?
そ、そうなんですか?▼
- [アシュラ]
- この城のせわしない空気は
俺みたいな日陰者には落ち着かなくてな。
なんだか居心地が悪いんだ…。▼
- [シャロン]
- むむっ!
落ち着ける場所をお探しですか?
それなら図書館とか中庭が…。▼
- [アシュラ]
- いや…
心遣いは感謝する、シャロン王女。
だけど、俺には構わないでくれ。▼
- [シャロン]
- アシュラさん…。▼
- [アシュラ]
- 俺はここにいる英雄たちとは違う。
あまり期待されても困るんだよ…。▼
- (暗転)
- [アシュラ]
- 祖国を失い、誇りを失った俺は…
長い間、陽の当たらない世界にいた。▼
…そんな俺にとっちゃ、
ここにいる英雄たちはまぶしすぎる…▼
……。▼
おい! 柱の陰にいるお前。
そこにいるのはわかっている。
俺に…なんの用だ?▼
- [フォルカ]
- よく俺の気配に気付いたな。
ただの盗賊ではない、か。▼
- [アシュラ]
- なにをいけしゃあしゃあと。
あれだけ露骨に殺気を出してりゃ
気づかないほうがおかしいぜ。▼
お前は何者だ?
俺になんの用がある?
答えろ!▼
- [フォルカ]
- 俺が何者か知りたい、か。
そうだな…だったら代金として
3万ゴールドほど用意してもらおう。▼
- [アシュラ]
- ふざけたやつだ…。
城の食堂で聞いたことがあるぜ。
金さえ積めば何でもやる情報屋の噂を。▼
そいつはえらく高い代金を
ふっかけてくるって言ってたな。▼
名前は…そうだ!
【火消し】のフォルカだ。
お前がそうなんだろう?▼
- [フォルカ]
- ヴァイス・ブレイヴと
距離をおいてはいるが…
そんな俺を知っていたか。▼
自分の役立ちそうな情報は
抜かりなく集めているというわけか。▼
- [アシュラ]
- で、その【火消し】がなんの用だ?
役立たずの俺を城から追い出す仕事でも
請け負いやがったか?▼
- [フォルカ]
- そんな金にならん仕事はしないさ。
アシュラ、お前に興味があってな。▼
- [アシュラ]
- 俺に興味が?
…怪しいな。【火消し】は
誰とも組まないと聞いたぞ。▼
ヴァイス・ブレイヴでも
独自に動いているんだろ?
なにか裏がありそうだな。▼
- [フォルカ]
- 俺は誰とも組まん主義だが
仕えるものがあれば使う。▼
お前は使えそう…
そう感じただけだ。▼
- [アシュラ]
- お眼鏡に適ってうれしいが
俺に価値なんてないさ。
ほかを当たってくれ。▼
- [フォルカ]
- 無理強いはせん。
もし気が変わったら
ユリシーズという男を訪ねてみろ。▼
おあつらえ向きな仕事を
回してくれるはずだ。▼
どうせ暇を持て余しているんだろう。
気晴らしにはなるかもしれんな。▼
- [アシュラ]
- ……。▼
- [ユリシーズ]
- おお、よくぞ参られたアシュラ殿。我輩は
クリミア王国のフェール伯ユリシーズ。
以後、お見知りおきを。▼
話は【火消し】から聞いております。
とても腕の立つ密偵であると!▼
- [アシュラ]
- 世辞はいい。
俺に依頼したいことがあるらしいな。▼
なにをすればいい?
盗みか? それとも殺しか?▼
- [ユリシーズ]
- そんな物騒な仕事ではありませぬ。
ですが…ある意味それよりも難しく
危険な仕事かもしれませぬな。▼
そう…腕利きの英雄でなくては
果たせぬ仕事と言えましょう。▼
- [アシュラ]
- もったいぶるじゃないか。
少し興味が出てきたぜ。
その仕事とやらを聞かせてくれよ。▼
- [ユリシーズ]
- その前に、ひとつお約束を。
今からお話しすることは他言無用。
誰にも話してはなりませぬ。▼
アルフォンス王子やシャロン王女
アンナ隊長はもちろん
(プレイヤー名)殿にも…。▼
- [アシュラ]
- 一度受けた仕事の秘密は守る。
裏の世界で生きる者の鉄則だ。▼
- [ユリシーズ]
- 話が早くて助かります。
さて、ここからが本題。▼
ヴァイス・ブレイヴには異界から
年齢、性別、人種、身分を問わず
さまざまな英雄が集まっています。▼
(プレイヤー名)殿が
言うには、その誰もがアスク王国に
不可欠な英雄とのことですが…▼
ヴァイス・ブレイヴに仇なすような
不穏な動きを見せる英雄も
なかにはいるようなのです。▼
- [アシュラ]
- ……。▼
- [ユリシーズ]
- もうおわかりですな?▼
誰にも悟られぬように
その者たちが怪しい動きをしていないか
探っていただきたいのですよ。▼
- [アシュラ]
- 身内の身辺調査ってわけか。
たしかに俺にうってつけな
品があるとは言えない仕事だな。▼
引き受けてやるよ。
探ってほしいヤツの名前を教えてくれ。▼
- (暗転)
- [アシュラ]
- …………▼
- [ナーシェン]
- な、なんだ、おまえらは!
口を開けば無礼なことばかり!
帰れ帰れ! 消えろ! シッシッ!▼
- [コルネリア]
- あら、それは残念ですわ。
私たちのもとに来れば
あなたが望む力をお渡しできますのに…。▼
- [クロニエ]
- キャハハハ! そうだよ!
新しい力を手に入れれば
もう誰にも舐められずに済むよ?▼
- [ナーシェン]
- な、なにを言っている!
私は誰にも舐められてはいないっ…!▼
私は強い…私は賢い…私は美しい…
私は正しい…誰よりも…誰よりもだっ!
わかったらさっさと消えろ!▼
- [コルネリア]
- …仕方ありませんね。
出直しましょう、クロニエ。▼
- [クロニエ]
- あーあ、残念!
断られちゃったねー。▼
あいつ単純そうだから
ちょっと自尊心を刺激してやれば
誘いに乗ってくると思ったんだけど。▼
- [コルネリア]
- おいおい、クロニエ!
デカい声で単純そうとか言うんじゃねえ!
誰かに聞かれるかもしれねえだろ!▼
- [クロニエ]
- あんたこそ地を隠しなさいよー!
聖女様が汚い言葉を使っているのを
人に聞かれたらどうすんの?▼
- [アシュラ]
- ……。
この場はここまでだな。
次に行くか…▼
- (暗転)
- [アシュラ]
- …これで一通り探ったか。
たしかに警戒が必要な連中は多い。
一度戻って報告だな。▼
- [ユリシーズ]
- ご報告、ありがとうございます。
ひとまず危険な兆候はなしとのことで
一安心でありますな。▼
- [アシュラ]
- それにしても味方であるはずの
連中を探らなきゃいけないなんて
あんたも難儀な立場だな。▼
- [ユリシーズ]
- このような仕事をアルフォンス王子や
シャロン王女にやらせるわけには
まいりますまい。▼
お二人には集った英雄を心から信じ
そのうえで平和を目指し
率いていただかなくてはなりませぬ。▼
- [アシュラ]
- 仲間を疑うような
猜疑心の強い指導者には
誰もついてこないから…か。▼
- [ユリシーズ]
- ご明察です。
ですが、それだけでは
国家の安全は担保できませぬ。▼
よって我輩たちのような
裏から立ち回れる
英雄が必要なのです。▼
- [アシュラ]
- それがあんたの存在意義ってわけか。
陽の当たらない役回りだが…
仕事に誇りを持ってるんだな。▼
- [ユリシーズ]
- 僭越ながら申し上げますと
そなたからは我輩たちと
同じ匂いを感じますな。▼
そこでひとつ提案なのですが
これからも我輩たちに力を
貸してくださいませんか?▼
そなたのなかには
祖国への想いや誇りが感じられます。▼
大切なものを守り抜こうとする
その意思と力をお貸しいただきたい。▼
- [アシュラ]
- なるほどな。
俺についてもいろいろ調べたうえで
話を持ちかけてきたってことか。▼
いいぜ。手伝ってやるよ。▼
- [ユリシーズ]
- おお、これは意外! 失礼ながら
すんなりと引き受けてくれるとは
思っておりませんでした。▼
- [アシュラ]
- 似た者同士の縁、とでも言うかな。
調べさせてもらったが、あんたも戦争で
一度は祖国を失ったそうだな?▼
- [ユリシーズ]
- いかにも。艱難辛苦の果て
仲間たちと死線を潜り抜け
我々は祖国を取り戻しました。▼
- [アシュラ]
- 俺も今はくすぶってばかりで
祖国最高なんて夢のまた夢だが…。▼
その…なんだ…
あんたのそばで仕事をしながら
いろいろ学ばせてもらおうと思ってな。▼
祖国を取り戻すために必要なことを
俺にも教えてくれないか。▼
- [ユリシーズ]
- なるほど、そういうことでしたか。
お任せあれ! 我輩が用いた策謀の数々
喜んでお教えいたしましょう。▼
- [アシュラ]
- 助かるぜ。よろしく頼む。▼
- (暗転)
- [フォルカ]
- フェール伯から連絡が来た。
無事に話がついたようだ。
これで依頼は完了だ。▼
- [リョウマ]
- そうか、ご苦労だった。▼
アシュラは英雄の器を持ちながら
自信を失い、己が持つ力や
可能性から目を背けていた。▼
だが、もう心配はいらないようだな。
今のアシュラは自分を活かす道を
見つけられたようだ。▼
- [フォルカ]
- 自分の価値を決めるのは自分。
そのことに気づいたのだろう。▼
- [リョウマ]
- 彼の背中を押してくれて助かった。
これは約束した報酬だ。▼
- [フォルカ]
- …確かに。だが多いようだ。
半分返そう。▼
- [リョウマ]
- む? どういう意味だ?▼
- [フォルカ]
- 今回の依頼を通じて
アシュラは使える男だとわかった。
それは俺にも価値のある話だからな。▼
この依頼で見極められた。
礼を言うぞ、リョウマ。▼
豪快な女竜騎士 クリムゾン†
- [ザガロ]
- いつ来ても気分が落ち着く…。
誰もいない夜の武器庫で
武具の手入れするのも嫌いではないな。▼
ふむ、この弓は弦が緩んでいるな。
補修の素材は…。▼
- [クリムゾン]
- おや、こんな時間に
武器庫にお客さんがいるとはね。▼
- [ザガロ]
- オレルアン狼騎士団、ザガロだ。▼
- [クリムゾン]
- これはご丁寧にどうも。
シュヴァリエ公国騎士のクリムゾン。
以後、よろしくな。▼
で、ザガロは武具の
手入れをしていたのかい?▼
- [ザガロ]
- そうだ。予備の武具や
新しく補充されたものに
不備がないか調べていた。▼
- [クリムゾン]
- おや?
その弓はあんたが手入れを?▼
- [ザガロ]
- 弦の緩みがあったので調整した。
確認してみるか?▼
- [クリムゾン]
- へえ! いいじゃないか。
はじめて持つ弓なのに
長年使っていたようにしっくりくるよ。▼
- [ザガロ]
- 武具は自分の命を預ける大事な相棒だ。
念入りに手入れをすれば
そのぶん力になってくれる。▼
- [クリムゾン]
- なるほどね。
それがあんたの信念か。▼
こっちの槍もよく磨かれてて…。
うん、この盾もいいな。
これもあんたが手入れしたんだろ?▼
- [ザガロ]
- そうだ。▼
- [クリムゾン]
- どれもこれもゴキゲンな武具だ。
あんたの武具への愛情が伝わってくるよ。▼
- [ザガロ]
- そうか。不備がなければ幸いだ。▼
- [クリムゾン]
- だけど、うーむ…。
気になることもあるんだよなぁ。▼
- [ザガロ]
- なに?
なにか不具合でもあったか?▼
- [クリムゾン]
- いや、あんたの手入れは完璧さ。
けどね、ここにある武具はどれも
少しばかり派手さに欠けるね。▼
- [ザガロ]
- 派手さ、だと?▼
- [クリムゾン]
- 手入れのおかげで性能は申し分ない。
けど、キラキラ輝く石とかで飾れば
もっと見栄えがよくなるよ。▼
- [ザガロ]
- 輝く石で…飾る?
魔力の宿った宝玉で
新たな力を…といった話か?▼
- [クリムゾン]
- いやいや、あくまで見た目の話さ。
綺麗で派手なら石はなんだっていいんだ。
そのへんに落ちてる石でもね。▼
- [ザガロ]
- 武具を飾ると…どうなる?▼
- [クリムゾン]
- 見た目がいいと
やる気が出るだろ?▼
- [ザガロ]
- …すまない。
俺にはよく理解できない話のようだ…▼
- [リズ]
- きゃーっ! なにこの槍!
うわわっ、可愛い!
アメリア、もっと近くで見せて!▼
- [アメリア]
- もちろんです。
どうぞ、リズ王女。▼
- [レオ]
- へえ。槍の柄の部分に
色の違う石を埋め込んでいるのね。▼
- [アメリア]
- あたしの生まれ故郷のグラド帝国には
石の名前を冠した高名な将軍が
いらっしゃるのですが…。▼
この石はあたしが尊敬する将軍の石を
モチーフにしたものなんです。▼
- [レオ]
- なるほどね、憧れの人の石で
自分の武具を飾るなんて
なかなかステキじゃないの。▼
- [リズ]
- そういうレオさんだって
矢筒にバルボさんの鎧に似た
飾りをあしらってるよね?▼
- [レオ]
- よく気づいたわね!
そうよ、これでいつでも
兄貴と一緒なの。うふふ…。▼
- [アメリア]
- リズ王女の杖は、キラキラ光る
細かい石がたくさん張り付けてあって
とっても可愛いです!▼
- [リズ]
- えへへ、フレデリクが拾い集めた石から
綺麗なものを選んでみたんだ!▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- [レオ]
- あら、ザガロじゃない。
あんたもアタシたちの
武具に興味あるの?▼
- [ザガロ]
- 近ごろはこういうのが
流行ってるのか?▼
- [リズ]
- うん! ヴァイス・ブレイヴで
ちょっとした流行なんだ!▼
- [アメリア]
- クリムゾンさんに鉱石を持っていくと
魔法の液体を使って
武具を可愛く飾り付けてくれるんです。▼
- [ザガロ]
- クリムゾンが?▼
- [アメリア]
- 鉱石が足りないときは
クリムゾンさんが岩を砕いて
調達してくれたりもしますよ。▼
- [レオ]
- 興味あるならザガロもやってもらえば?
クリムゾンなら武器庫に行くと言ってたわ。▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- (暗転)
- [ザガロ]
- なんだ?
武器庫に行列が出来ている…。▼
- [クリムゾン]
- 槍の柄には青の光石を散りばめて
仕上げにピンクの粉でまわりを固めてと。
こんな感じかな。▼
あとは魔法の液体が乾くのを待てば完成だ。
どう? 気に入ってくれた?▼
- [エスト]
- すっごく気に入ったわ!
わたしの槍、可愛くしてくれてありがとう!▼
今度、ペガサスの馬具も
飾り付けてもらえるかな?▼
- [クリムゾン]
- 馬具の飾り付けか…わかった。
それまでにいい石を探しておくよ。
じゃあ次の人!▼
- [セーラ]
- 次は私ね! この杖を
もーっと素敵にしてほしいの!
私の可愛さに負けないくらいに!▼
- [クリムゾン]
- そいつは大仕事だね。
よし、やってみようか。▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- [クリムゾン]
- おっと、魔法の液体が
切れちまったみたいだね。▼
せっかく並んでもらったけど
今日は店じまいにさせてくれ。
また明日な。▼
- (暗転)
- [ザガロ]
- ずいぶん盛況だな。▼
- [クリムゾン]
- おっと悪いね、ザガロ。
武器庫の隅、借りてたよ。▼
- [ザガロ]
- 俺は武器庫の主じゃない。
どうこう言う資格はない。▼
- [クリムゾン]
- もしかして、あんたも興味ある?
それなら明日来てくれないか。▼
あんたのカッコいい弓に合う
鉱石を見繕っておくからさ。▼
- [ザガロ]
- いや、遠慮しておく。
俺にとって武具は
運命をともにする相棒だ。▼
その相棒を飾り立てることに
俺は意味を見出せなくてな。▼
- [クリムゾン]
- なるほどねえ。
ザガロの考えもよくわかるよ。▼
でも、そんなザガロにこそ
見てもらいたいものがあるんだ。
ついてきてもらえるかい?▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- (暗転)
- [ザガロ]
- ここは訓練場か。▼
- [クリムゾン]
- えーと、誰かいるかい?▼
- [シャーロッテ]
- でいっ! っしゃあこのっ!▼
- [クリムゾン]
- おっ、シャーロッテだ。
彼女の斧の柄のところ
見えるかい?▼
- [ザガロ]
- 小さいが…
輝く石が何個か付いているな。▼
- [クリムゾン]
- あの斧、先日私が
飾り付けてあげたんだ。▼
- [シャーロッテ]
- ぜぇぜぇ…あーしんどい!
もう動きたくねえが、一発くらいは
当てねえと気がおさまらねえ…ぞっと!▼
- [ブノワ]
- 遅い! むんっ!▼
- (白く光る)
- [ブノワ]
- どうした、シャーロッテ…
もうへばったか…?▼
- [シャーロッテ]
- ま、まだまだっ!
今日の私には可愛く生まれ変わった
この相棒がついてるんだ。▼
このくらいなんでもねーよ!
そらっ、まだまだいくよ!▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- [クリムゾン]
- 向こうにいるのはアメリアだね。
彼女の槍も飾り付けてあげたんだ。▼
- [アメリア]
- 槍の基本!
右回し! 左回し! 突き!
せいっ! やぁっ! とぉ!▼
- [セライナ]
- アメリア。
その槍についている石は…?▼
- [アメリア]
- セ、セライナ将軍!
これはその…。▼
セライナ将軍の二つ名は【蛍石】。
あたしもセライナ将軍のように
強くなりたくて。▼
あ、それからこっちの石は…▼
【黒曜石】のデュッセル将軍と
【日長石】のグレン将軍です!
お二人もあたしの目標なんです!▼
- [セライナ]
- 若い英雄の道しるべになることは
武人としての誉。▼
デュッセル将軍とグレンも
きっと誇らしく思うはず。
その槍と一緒に励みなさい。▼
- [アメリア]
- は、はいっ!
精進しますっ!▼
- [ザガロ]
- ……。▼
- [クリムゾン]
- どうだい、ザガロ。
飾り付けた武具を使う英雄たちを見て
なにか感じなかったかい?▼
- [ザガロ]
- …武具に愛着を持つことで
いつも以上の力が出せる…
俺にはそう見えた。▼
- [クリムゾン]
- そうだね。
私もそうだと思うよ。▼
- [ザガロ]
- …すまなかったな。▼
- [クリムゾン]
- どうしたんだい、急に?
こっちは謝られるようなことは
してないはずだけど。▼
- [ザガロ]
- 武具というものは
求められる性能さえ発揮できれば
それで十分だと思っていた。▼
だが、俺は見落としていたようだ。
武具を使う者の想いに
心を砕いていなかった。▼
- [クリムゾン]
- まあ、理想の武具は人それぞれ。
ザガロの考え方だって
間違っちゃいないさ。▼
でも、どうせ思うなら
カッコイイ武具やイカす武具
可愛い武具のほうがいいだろ?▼
私が武具を飾り立てるのは
それが理由さ。▼
- [ザガロ]
- 感謝する、クリムゾン。
お前のおかげで
視野が広がった気がする。▼
- [クリムゾン]
- いいよいいよ、気にしないで。▼
そうだ! もしよければ
あんたや狼騎士団の武具も
私が飾ってあげるけど?▼
- [ザガロ]
- 俺たちの武具を…?▼
- [クリムゾン]
- 遠慮しなくていいからさ!
お揃いのカッコいい
狼の飾りを考えてやるよ!▼
- [ザガロ]
- いや、遠慮しておく。
俺はなんの飾りもない
地味な武具が好きだからな。▼
- [クリムゾン]
- ふふ、気が変わったらいつでも言ってよ。
とっておきの石を用意して
待ってるからさ!▼
勇躍飛翔の戦姫 ヒノカ†
- [ヒノカ]
- アサマ、セツナ!
お前たちもアスク王国に
召喚されていたか!▼
- [アサマ]
- これはこれはヒノカ様。
その装束…新調されたのですか?▼
馬子にも衣装。
今、私はその言葉の意味を
嚙み締めておりますよ。▼
- [セツナ]
- うん、アサマ…
私もよく似合ってると思う…。▼
- [ヒノカ]
- いや、セツナ。
今のは誉め言葉ではないぞ。▼
- [アサマ]
- ところでセツナさん。
這いつくばって主君をお迎えするとは
なかなか独創的ですね。▼
- [セツナ]
- 地面が泥だらけで
足を取られて転んでしまったの…。
滑って起き上がれない…助けて…。▼
- [アサマ]
- あっはっは、もちろん嫌ですよ。
だってあなた、泥だらけじゃないですか。
私まで汚れるのはご免です。▼
- [ヒノカ]
- ええい、まったく!
セツナが困ってるじゃないか。
ほら、私の手を取るんだ。▼
- [セツナ]
- ありがとうございます、ヒノカ様…。
あっ…武器も新しくなったんですね?
かっこいい…よく見せてください…。▼
- [ヒノカ]
- うわっ、やめろ! お前から
泥だらけの手で触ってきてどうする!▼
- [アサマ]
- ふーむ、たしかに立派な武器ですねえ。
まあ、使いこなさなければ
宝の持ち腐れなのですが。▼
- [ヒノカ]
- 素直に褒めることはできんのか!
まったく、お前たちは
異界に来ても相変わらずだな…。▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- …はあ。▼
- [ピアニー]
- ど、どうしたの、ヒノカ王女?
頭なんか抱えちゃって…。▼
- [ヒノカ]
- ピアニー…だったか。
すごいな、アスク王国は。
妖精までいるとは。▼
- [ピアニー]
- ふふ、
妖精をはじめて見た英雄は
みんなそう驚くわ。▼
ところで…
なにか悩み事?
私でよければ相談にのるわ!▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- …というわけでな。
白夜王国から変わらずアスク王国でも
臣下に振り回されっぱなしなんだ。▼
異界に来てもこの調子とは…
はあ…。▼
- [ピアニー]
- なるほどね…▼
そうだ!
ヒノカ王女、私いいこと
思いついちゃった。▼
せっかくだから
アスク王国にいる間に
新しい臣下を見つけるのはどう?▼
- [ヒノカ]
- ここで出会った英雄を
新たな臣下に
迎え入れるということか?▼
- [ピアニー]
- ものは試し!
ヒノカ王女の臣下に合いそうな
英雄を紹介してあげる!▼
- [クロエ]
- はじめまして。
フィレネ王国の王城騎士、クロエです。
あなたがヒノカ王女ですか?▼
- [ヒノカ]
- あ、ああ、私がヒノカだ。
ピアニー、この方は?▼
- [ピアニー]
- アサマさんの嫌味で
いつも心がすり切れちゃうって
言ってたでしょ?▼
それなら、いつでも温かく励まして
支えてくれるような英雄を
臣下に迎えればいいと思ったの!▼
- [ヒノカ]
- そういうことだったか。▼
- [クロエ]
- わたしは既に主君を持つ身では
あるのですけれど…▼
セリーヌ様に事情を話したところ、
ぜひ協力して差し上げなさいとの
お言葉を賜りました。▼
暫くはヒノカ王女の臣下としても
尽力させていただきます。▼
- [ヒノカ]
- そうか、ありがとう。
だが、あいにく
これから戦場へ出るところでな…▼
- [クロエ]
- それなら、わたしもご一緒いたします。
すぐに準備をしてきますね。▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- やあっ!
せぇぇぇっ!▼
- (白く光る)
- [ヒノカ]
- ふう、あたりの敵は一掃できたか。▼
- [クロエ]
- 素敵な太刀筋でした、ヒノカ王女。
まるで御伽噺に登場する
勇ましい救世主のようでした。▼
- [ヒノカ]
- そ、そうか?
なんだか照れるな…。▼
- [クロエ]
- 汗をかかれたのではありませんか?
拭かせていただきますね。▼
- [ヒノカ]
- わ、悪いな、助かる。▼
- [クロエ]
- それでは、次の戦場に行く前に
お弁当にいたしましょうか。▼
- [ヒノカ]
- 弁当?
クロエが用意してくれたのか?▼
- [クロエ]
- はい、ヒノカ王女にはもっともっと
頑張っていただきたいですから。▼
おすすめの珍味を詰め合わせたものに
しようかと迷ったのですが、
本日は白夜風のお弁当にしました。▼
お味のほうはいかがですか?▼
- [ヒノカ]
- ああ、美味しいよ。▼
- [クロエ]
- うふふ良い食べっぷりです。
たくさん食べてくださいね。
まだまだありますから!▼
あら、お口元が汚れていますね。
わたしにお任せを。▼
この手ぬぐいで、
ヒノカ王女の口元をきゅっきゅ…▼
- [ヒノカ]
- だ、大丈夫だ、自分で拭ける!▼
- [クロエ]
- あら。ヒノカ王女の愛らしいお顔を
この手でさらに愛らしく…と
思ったのですが。▼
ところで寒くはありませんか?
でしたら上に一枚羽織れるものを
用意していますよ。▼
- [ヒノカ]
- 大丈夫、大丈夫だから!▼
- [クロエ]
- あっ、暑いのでしたら
おあおぎいたしますよ。
ペガサスの翼を使って…はい。▼
- [ヒノカ]
- うわっ! いいから!
そこまで世話してくれなくて
大丈夫だからっ!▼
- (暗転)
- [クロエ]
- ヒノカ王女ー!
どこにおいでですかー。▼
お疲れでしょうから
身体を揉みほぐして差し上げようと
思ったのだけれど…。▼
- [ヒノカ]
- ……。
行ったか…。▼
この数日、行動を共にしてきたが
クロエは至れり尽くせりすぎる!▼
自分で言うのもなんだが
いくらなんでも甘やかされ過ぎだ。▼
まあ、たまに屋台で
買ってきたという
珍妙な食べ物を勧められもするが…。▼
それを差し引いても
私はきっと堕落しきってしまう!▼
クロエとピアニーには申し訳ないが
この話はなかったことにしてもらおう。▼
- [ミリエル]
- ご紹介にあずかりました、
クロム自警団のミリエルです。▼
- [ヒノカ]
- あ、ああ、私がヒノカだ。
ピアニー、この方は?▼
- [ピアニー]
- セツナさんがマイペース過ぎるって
言ってたでしょ?▼
だからヒノカ王女を補佐してくれる
しっかり者の英雄を
紹介しようと思って!▼
- [ヒノカ]
- そういうことか。
ミリエル、よろしく頼む。▼
- [ミリエル]
- お任せください。
計算に基づいた無駄のないサポートを
お約束いたしましょう。▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- さて、明日は昼まで
鍛錬に励むとするか。▼
- [ミリエル]
- 訓練場はすでに押さえてあります。▼
模擬戦の相手として
スミア、ティアモのペガサスナイト両名も
同時刻に訓練場へ来る予定です。▼
訓練の終了にあわせて
食堂も予約しておきましたので
そこで昼食を取られてください。▼
- [ヒノカ]
- 毎日すまないな、ミリエル。
おかげで物事が順調に進む。▼
お前の手際のよさには、
感心するばかりだよ。▼
- [ミリエル]
- 効率を考えるのは
当然のことですので…▼
- [ヒノカ]
- 予定を無駄なく進める管理能力…。
これだ! 私が求めていたものは!
臣下はこうあるべきなのかもしれないな。▼
- (暗転)
- [ミリエル]
- ところでヒノカ王女。
先ほどの戦場での行動ですが
単騎での突撃は非常に危険です。▼
- [ヒノカ]
- あ、ああ、そうだったかもな。▼
- [ミリエル]
- 結果的にはうまくいきましたが
リスクを伴う行動は控えるべきかと。▼
その前の局面でも周囲への注意力が
欠けていたように存じます。▼
問題はすぐに改善を図るべきです。
行動に出る前に、周囲との連携や
協調を十分に心がけてください。▼
- [ヒノカ]
- ぜ、善処しよう…。▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- ふう、いい湯だった。
一日の終わりは風呂に限る…。▼
- [ミリエル]
- ヒノカ王女、よろしいですか?▼
- [ヒノカ]
- うわっ!
誰かと思えばミリエルか。▼
- [ミリエル]
- ここ一週間、ヒノカ王女の
入浴時間を記録しておりました。▼
ヴァイス・ブレイヴにおける
平均入浴時間と照らし合わせても
かなり長いかと。▼
もう少し早くお済ませになるのが
適切かと思われます。▼
- [ヒノカ]
- そうか? 風呂くらいは
ゆっくり入りたいのだが…。▼
- [ミリエル]
- こうして夕涼みされるのも結構ですが
先日お勧めした戦術書の
読み進めのほうもお忘れなく。▼
それと…ヒノカ王女の部屋の明かりが
消えるのがすこし早いですね。▼
睡眠時間をもう少し削り
そのぶん一日の振り返りや
座学にお当てください。それから…。▼
- [ヒノカ]
- わ、わかった、わかったから!
そう一気に詰め込まれても
混乱してしまう!▼
- (暗転)
- [ヒノカ]
- 明日の予定のすり合わせをしただけで
ドッと疲れてしまった…。▼
たしかにミリエルは有能だ。
時間の使い方をよくわかっている。▼
…しかし、あまりにも息苦しい!
私の性分とは
合わないのかもしれないな…。▼
- [ピアニー]
- えーっ?
新しい臣下探しをやめる?▼
- [ヒノカ]
- いろいろ手を尽くしてくれたのに
ピアニーには申し訳ないことをした。
ただ、どうにも合わなくてな…。▼
言っておくが、紹介してくれた英雄たちが
悪いわけではない。その、なんというか
相性というものがあるのだろうな…。▼
- [ピアニー]
- そう、わかったわ。
なにかあったらまた相談してね!▼
- [ヒノカ]
- ああ。ありがとう、ピアニー。▼
- (暗転)
- [セツナ]
- あの、ヒノカ様…
どうぞ…お茶です…。▼
- [ヒノカ]
- むっ、セツナか。
お前が淹れた茶か…ま、まあいい。
せっかくだからいただこう。▼
むっ…。
アスク王国で淹れる茶も
なかなか刺激的な味だな。
しかし、以前の壊滅的な味と比べると
だいぶマシになっている気がする…。▼
- [セツナ]
- そんなに褒めていただけて
うれしいです…。▼
ヒノカ様のために
コツコツ練習してよかった…。▼
- [ヒノカ]
- 褒めるというか
感想を述べただけだが…そうか。
私のために努力してくれたのだな。▼
- [アサマ]
- これはこれはヒノカ様。
臣下探しは失敗したようですねぇ。
いや、面白かったですよ。▼
- [ヒノカ]
- お、お前、全部見ていたのか?▼
- [アサマ]
- これ以上ない見事なまでの
骨折り損のくたびれ儲け。
様式美というやつですねえ。▼
- [ヒノカ]
- くっ…このっ…
しかし、お前たちといると
疲れはするが心は楽…。▼
そうだな、そんな気もするな。
世界が変わろうが、私の臣下は
お前たちしかいないようだ。▼
- [アサマ]
- 最初からわかりきっていたことですよ。
あなたの臣下が務まるのは
我々ぐらいのものです。▼
- [セツナ]
- これからも…ヒノカ様には
助けてもらわないと困ります…。▼
- [ヒノカ]
- まあ、お互いさまというやつか。
お前たちの主君が務まるのも
私ぐらいのものだからな!▼
- [アサマ]
- 素晴らしい。
これからも私たちの面倒を
見させてあげてもいいですよ。▼
- [セツナ]
- ヒノカ様…、
見捨てないでくださいね…。▼
- [ヒノカ]
- 抱きつくなセツナ! あっ!
お前、またどこかで転んだな?
汚れがついたじゃないか!?▼
まったく…。
アスク王国でも
先が思いやられるな。▼
コメント
Last-modified: 2025-10-18 (土) 18:58:53