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章別会話
駆けよ理想と共に†
駆けよ理想と共に†
オープニング†
- [ウルフ]
- なるほどな…
アスク王国の状況は理解した。▼
- [ザガロ]
- 異界から絶え間なく
敵の勢力が現れる、か…▼
- [ロシェ]
- 大変な戦いを
ずっと続けてきたんだね。▼
- [ビラク]
- これほどまでに豊かな国だ。
狙われるのは無理もない。▼
- [ピアニー]
- エクラさんも
この国のことを思って
あなたたちに助けを求めたと思うの。▼
- [アルフォンス]
- アスク王国を守るために
今は一人でも多くの英雄に
力を貸してほしいんだ。▼
困難を伴う申し出であるのはわかってる。
そのうえで、みんなの協力を
お願いできないだろうか?▼
- [マリス]
- 俺は構わないぜ。
金払いのいい雇い主なら
喜んで働かせてもらう。▼
- [ロシェ]
- 戦争が続いているってことは
当然、親を失った子どもたちも
たくさんいるってことだよね。▼
ウルフ、ぼくたちも…▼
- [ウルフ]
- ……▼
わかった、我ら【狼騎士団】も
ヴァイス・ブレイヴに力を貸そう。▼
- [ピアニー]
- ほんとに!? ありがとう…!▼
- [ウルフ]
- だが、我らが主と仰ぐのは
ハーディン様のみ。▼
協力はするが、主への忠誠を
違えるつもりはない。▼
- [ロシェ]
- あっ、ウルフ…!
ザガロもビラクも待ってよ。
アルフォンス王子、失礼します…▼
- [ピアニー]
- ……。
行っちゃった…▼
- [マリス]
- 騎士ってのは、いろいろと
背負っているものがあるんだろうが
なんだか生きづらそうだな。▼
- [ピアニー]
- あの、アルフォンスさん…
彼らが慕うハーディン様って?▼
- [アルフォンス]
- うん。彼はウルフたちより前に
アスク王国に召喚されているよ。▼
でも、マルス王子とともに戦い
【草原の狼】と呼ばれていた
ハーディン王子ではない。▼
この世界にいるのは
闇のオーブで暗黒皇帝となった
ハーディンなんだ…▼
- [ビラク]
- 待たせたな。
情報を集めてきたぞ。▼
- [ザガロ]
- どうだ、ハーディン様について
なにかわかったか?▼
- [ビラク]
- 噂は本当だった。▼
この世界にいるのは
アカネイア神聖帝国皇帝の
ハーディン様のようだな。▼
- [ウルフ]
- ……。▼
- [ビラク]
- だが、所在は誰も知らないらしい。
戦いとともに現れ、またいずこかへ
姿を消されるということだ。▼
- [ロシェ]
- ハーディン様…
戦いに呼び寄せられているのかな。▼
- [ザガロ]
- で、どうする。ウルフ?
【狼騎士団】の長はお前だ。
俺たちはお前の決定に従う。▼
- [ビラク]
- アルフォンス王子に伝えたとおり
ハーディン様に付き従うことを
なによりも優先させるか…▼
- [ロシェ]
- それとも、それぞれが一人の英雄として
アスク王国の民のために戦うのか。▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ピアニー]
- あっ! いたいた。
【狼騎士団】のみんな!▼
- [ロシェ]
- ええと、君はピアニーだっけ。
本物の妖精…なんだよね?▼
- [ウルフ]
- 我々にいったい、なんの用だ?▼
- [ピアニー]
- えっとね…ちょっと話を
聞かせてほしいなって思ったの。▼
みんなが忠誠を誓っている
ハーディン様のこと。▼
- [ビラク]
- ハーディン様の…話?▼
- [マリス]
- そいつは俺も聞きたいね。▼
一緒にアスクに呼ばれたよしみ…
戦場では、お前らに背中を預けることに
なるかもしれないしな。▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ウルフ]
- 俺たち草原の民は
長い間、虐げられてきた。▼
そんな俺たちを助けてくれたのが
ハーディン様なのだ。▼
- [ザガロ]
- ハーディン様は、身体の弱い兄王を支え
国と民のために全身全霊を尽くされてきた。▼
そして、暗黒竜メディウスとの戦いでは
占領されたオレルアンを
マルス王子とともに奪還されたのだ。▼
- [ビラク]
- ハーディン様は
我ら【狼騎士団】を率い
つねに先陣を切られた…▼
王族の誇りと民への慈愛。
そして、武人としての高潔さ。▼
ハーディン様はそれらすべてを
兼ね備えたお方だ。▼
- [ピアニー]
- わ、すごい人。
聞けば聞くほど、
すごい英雄なのね。▼
- [マリス]
- 稼いだ金を片っ端から博打でスッちまう
ウチの親父とはえらい違いだぜ。
いや、比較するのも失礼だな。▼
- [ロシェ]
- ぼくたちは元々孤児だったんだ。
それをハーディン様が目をかけて
騎士にまで取り立ててくれた。▼
- [ザガロ]
- ハーディン様がいなければ
とうの昔にのたれ死んでいたかもな。▼
- [ビラク]
- 一生かかっても返せないほど
俺たちが受けた恩義は大きい。▼
- [ピアニー]
- とても大切な恩人なんだね。▼
- [ウルフ]
- ハーディン様は俺たちに
家族のように接してくれた。▼
いや、俺たちだけではない。
オレルアンの民すべてが
ハーディン様の家族だった。▼
- [マリス]
- けどな、俺が聞いてた
皇帝ハーディンの噂は
ちょっと違うような感じがするぜ?▼
アカネイアのニーナ王女と結婚して
皇帝に即位されてからだったか。
悪い噂ばかり聞くようになった…▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [マリス]
- あ、悪いな。
お前たちが尊敬する方を
悪く言うつもりはないんだが…▼
- [ロシェ]
- …確かにハーディン様は
お変わりになったと思う。▼
- [ウルフ]
- ロシェ…!▼
- [ロシェ]
- みんな、口にはしなかったけど
感じていたはずだよ。▼
大陸の平和を願われていた
ハーディン様の優しさが…
失われてしまったことを。▼
- [ピアニー]
- 大陸の平和…
それがハーディン様の夢なの?▼
- [ビラク]
- そうだ。それがハーディン様の夢。
陛下はつねに平和を願われていた。▼
- [ピアニー]
- ハーディン様の夢か…▼
でもね。夢っていうのは
一人で見るだけじゃないと思うの。▼
みんなで見る夢。
みんなと一緒に目指す夢。
みんなと叶える夢だってあるの。▼
きっと【狼騎士団】のみんなの夢も
ハーディン様が見ていた夢と
同じだったでしょう?▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ザガロ]
- 我らはハーディン様とともに
たくさんの戦場を駆けた。▼
それは覇道のためではなく
ハーディン様の夢を形にするため…▼
- [ロシェ]
- ウルフ、ぼくたちは
なんのために大地を駆けてきたのか。
忘れてはいけないと思うんだ…。▼
- [ウルフ]
- 国のためでも王族のためでもなく
民のためにこそ血を流せ、か。▼
……。▼
- [ロシェ]
- ふぅ、激しい戦いだったな。
マリス、さっきはありがとう。
助かったよ。▼
- [マリス]
- 礼はアルフォンス王子に言いな。
俺は報酬の分、働いているだけだ。▼
- [ビラク]
- ウルフ。西の戦場に
ハーディン様のお姿が…!▼
- [ウルフ]
- なにっ!?▼
- (暗転)
- [ウルフ]
- ハーディン様…!▼
- [ハーディン]
- ……▼
- [ロシェ]
- …アスク王国に召喚されていたのは
以前のハーディン様じゃない…▼
- [ウルフ]
- ウルフ以下、我ら【狼騎士団】。
遅ればせながら馳せ参じました。▼
- [ザガロ]
- ザガロ、ここに。▼
- [ビラク]
- ビラク、参上しました。▼
- [ロシェ]
- ……▼
- [ハーディン]
- ……▼
- [ウルフ]
- ハーディン様にお願いがございます。▼
我ら【狼騎士団】一同、この地に
生きる人々の未来のために…。▼
アスクの民のために
血を流し、大地を駆けることを
なによりも重んじる旨をお許しください。▼
- [ハーディン]
- …………▼
- [ウルフ]
- …ハーディン様…?▼
- [ザガロ]
- ハーディン様!▼
- [ビラク]
- ……。
行ってしまわれた…
何も仰ることなく…▼
- [マリス]
- はー、近くで見ると
なんだかすげえ威圧感だったな!▼
何も言わないってことは
お前らで勝手にやれってことか?
ざっくりまとめるとさ。▼
- [ザガロ]
- …今のハーディン様は
我らのことを憶えておられないのか、
それとも…▼
- [ロシェ]
- ぼくたちの想いをお許し下さったのか…
ぼくは、そう信じたい。▼
ぼくの中にはまだ残っているんだ。
あの日、ハーディン様と見た
夢のかけらが…▼
- [ビラク]
- 俺たちはその夢に…
誰よりも速く、誰よりも強く
理想に向かって駆け続ければいい▼
- [マリス]
- …ふぅん。
騎士の連中は余計なものを背負って
生きづらそうだなと思っていたが…▼
それがあんたらを強くする
力の源なのかもな。▼
- [ウルフ]
- ……▼
我ら【狼騎士団】は、これより
ヴァイス・ブレイヴの一員として
民のためにこの地を駆ける。▼
それが、あの日ともに夢見た
ハーディン様の理想に
重なると信じて…▼
剣舞の傭兵 マリス†
- [バルタザール]
- うぉぉぉ! また負けた!
なんで勝てねぇんだ!
もう一回だ! 次こそ勝つ!▼
- [ヒルダ]
- バル兄、もうやめときなよー。
軍資金だってもうないんでしょー?▼
- [バルタザール]
- そりゃそうだけどよ。
このままじゃ引っ込みがつかねえ。▼
次こそは勝つ! 勝てる気がする!
だからヒルダ…
ちいとばかし種銭を貸してくれ!▼
- [ヒルダ]
- はぁ、そうやってどんどん
沼にはまるのがわかんないかなー。▼
- [マリス]
- 悪いな。横から口出させてもらうぜ。
バクチは胴元が勝つようにできてんだ。
ほどほどにしときなよ。▼
- [バルタザール]
- ん? あんたは…?▼
- [マリス]
- 俺はマリス。安くない傭兵さ。
今はアスク王国に世話になってる。▼
心配してくれる奴がいるってのに
まだ深みにハマるつもりなのかい?
そいつはいただけねえな。▼
- [バルタザール]
- お、おう。まあなんだ。
おれも熱くなりすぎたみたいだな。▼
- [マリス]
- それでいい。
お節介かと思ったが放っておけなくてさ。
じゃあ、またな。▼
- [バルタザール]
- ああ、ありがとよ。▼
- [ヒルダ]
- マリスさんか。
バル兄、今の話…
ちゃんと心に刻んでおいてよ。▼
- [バルタザール]
- わかったわかった。
ま、あいつの言う通りかもしれん。
ちと頭を冷やしてくるか…▼
- [ヒルダ]
- あっ! マリスさ~ん!!▼
- [マリス]
- あんたは…この間の…▼
あいつのことを兄と呼んでたが
兄妹なのに、全然似てねえな。▼
- [ヒルダ]
- バル兄って呼んでますけど
ほんとの兄妹じゃないんですよー。▼
あたしのほんとの兄さんは
もっとキリッとしてますから!▼
- [マリス]
- ふーん。
まあ仲がいいのはいいことさ。
んじゃな。▼
- [ヒルダ]
- ちょ、ちょっと待ってください!
この間はありがとうございました。
ちゃんとお礼が言いたくて…▼
- [マリス]
- あんた、見かけによらず義理堅いな。
俺も黙って見てればよかったのに
ついお節介しちまった。▼
ま、本当にダメな奴は
外からやいのやいのいっても
絶対にやめねえだろうし。▼
聞く耳もってるぶん
まだマシだよ。▼
- [ヒルダ]
- でも、バル兄はあたしが言っても
全然聞いてくれないんで
とっても困ってたんですよー。▼
あの、もしかしてマリスさんも
賭け事に詳しいんですか?▼
賭け事は胴元がなんとか~とか
言ってたと思うんですけど。▼
- [マリス]
- 俺はやらねえよ。▼
でも、勝負事はからっきしなくせに
三度の飯より博打が好きなやつが
身内にいるんだよ。▼
- [ヒルダ]
- あー、それでバル兄を見て
黙っていられなかった…みたいな。▼
なんだかあたしたち
境遇が似てるかも!▼
また、機会があったら
相談に乗ってもらえると嬉しいです!▼
- [マリス]
- 金を取るぜ…と言いてえところだが
知り合ったのもなにかの縁だ。
俺でよければ相談に乗ってやるよ。▼
- [ヒルダ]
- 本当ですか!?
ありがとうございますー!▼
- [マリス]
- あいつに本格的に
博打を辞めさせたい?▼
- [ヒルダ]
- そうなんです。気晴らしなら
問題ないとは思うんですけど…。▼
なんかもー最近は
アスク王国に博打をやりにきたのかって
言うくらいに没頭しちゃって!▼
- [マリス]
- …重症だな。▼
- [ヒルダ]
- 元々フォドラでも
賭け事で借金とか作りすぎて
肩身の狭い思いをしてたのに…▼
アスク王国に召喚されて
最初はいろいろ張り切ってたのに
また賭け事にのめり込んじゃって。▼
もー、どうすればいいのか
わかんないんですよー!
なにか良い方法ないですかね?▼
- [マリス]
- ねえな。▼
- [ヒルダ]
- 結論早っ!?▼
- [マリス]
- いい助言のひとつでもあればいいが
俺だって親父に賭け事を
やめさせることはできなかったしな。▼
- [ヒルダ]
- 賭け事が好きな身内って…
お父さんのことだったんですね。▼
うーん、やっぱり賭け事を
やめさせるのは難しいのかー。▼
- [マリス]
- まあ、俺の場合は
もう諦めちまったけどな。▼
っていうか、博打をやめさせたら
親父は親父じゃなくなっちまう…
そんな気がしてな。▼
- [ヒルダ]
- ……。▼
- [マリス]
- ダメな親父だけど、たった一人の肉親だ。
好きなことをやって
いつも笑っていてほしいんだよ。▼
しょっちゅう金をスッちまうけど
賭け事をやっているときは
本当に楽しそうなんだ。▼
スッちまった金はまた稼げばいい。
だけど親父の笑顔は金じゃ買えねえ。▼
きっとああいうやつらはさ、
大金が欲しいんじゃねえんだよ。▼
賭けているときの緊張感や駆け引き、
そういうのがたまんねえんだろうな。▼
- [ヒルダ]
- な、なるほどー。▼
- [マリス]
- 賭け事は好きじゃねえけどな。
俺は親父の好きなことを
やらせてやりたいだけさ。▼
- [ヒルダ]
- 賭け事をやめるとらしくなくなる、か。
そう言われると
なんだか難しいですね…▼
- [バルタザール]
- くっそーっ!
また負けたー!▼
だが問題ねえ、流れは来ている。
次こそは…。▼
- [ヒルダ]
- ……。▼
- [バルタザール]
- あ、あれ? 珍しいな。
ヒルダのお小言はなしか?▼
- [ヒルダ]
- 本当は怒りたいんだけど?▼
でも、賭け事を我慢している
バル兄はバル兄らしくないしなー。
はぁー、複雑。▼
- [バルタザール]
- そうか。ようやくわかってくれたか!
やっぱおれといえば博打。この瞬間に
おれの魂は一番光り輝くからな!▼
そこでものは相談だが
ちいとばかし種銭を…って。
いてっ! いてててて!▼
だ、誰だ! レスターの
格闘王の首根っこを掴むヤツは!?▼
- [マリス]
- 博打の種銭くらい自分で稼ぎな!
ダメなところは親父にそっくりだ。
他人とは思えねえな。▼
- [ヒルダ]
- マリスさん…!▼
- [バルタザール]
- ちょ…あんたはこの間の…
ぐっ…首! いて、いてて!
首が変な方向に曲がっちまう!?▼
- [マリス]
- 今しがた、アンナ商会に
傭兵の仕事を回してもらったんだ。▼
ほらっ、お前も一緒に来な!
たっぷり稼がせてやるぜ!▼
- [バルタザール]
- いてっ、いててててっ!
きょ、強制連行かよ。
おれに選択の余地はねえのか?▼
- [ヒルダ]
- バル兄、汗水流して稼いだお金なら
きっと無駄遣いはしないよね?
頑張って稼いできてね。▼
- [バルタザール]
- くそっ! 次こそ勝てる勝負なのに!
やめろー! 返せー!▼
- [ヒルダ]
- …いや、ないわ。
やっぱ、稼いだそばから
無駄遣いするかも…▼
忠義の狼 ウルフ†
- [ウルフ]
- せいっ…!▼
- [シャロン]
- すごい!
またど真ん中に命中ですよ!▼
- [アンナ]
- 馬上からあんなに正確に
的を射ることができるなんて。
さすが【狼騎士団】の長ね。▼
- [シャロン]
- いやー、訓練の手を止めて
つい見惚れてしまいますっ!▼
- [ウルフ]
- …よし。
弓の調子は問題ないな。▼
? あれは…?▼
- [ラス]
- ……▼
- [シャロン]
- 向こうではラスさんも
弓の訓練をやっていますね。▼
ラスさんの弓の腕前も見事ですね。
まさに百発百中ですよ!▼
- [アンナ]
- 的のほうから
当たりに行ってるって感じね。▼
- [ウルフ]
- ヴァイス・ブレイヴにも
腕のよい英雄がいるのだな。
だが…!▼
- [ウルフ]
- ヴァイス・ブレイヴにも
腕のよい英雄がいるのだな。
だが…!▼
- [シャロン]
- ひゃあああ!
あんなに速く馬を走らせても
命中するなんて!▼
- [ラス]
- ……!▼
- [アンナ]
- ラスも飛ばしてる。
もしかしてあの二人…
張り合ってる?▼
- [ウルフ]
- せいっ、はぁっ!▼
- [ラス]
- …………!▼
- (暗転)
- [シャロン]
- うーん、両者ともに甲乙つけがたく
引き分けという感じでしたね!▼
- [アンナ]
- ほかの英雄たちも勝負が気になって
訓練が中断しちゃってたみたい。▼
- [ウルフ]
- …馬に乗りながら
これほどまで鋭い矢を放つとは
…只者ではないな…▼
- [ラス]
- ……▼
- [ウルフ]
- ……。▼
- [ラス]
- ……。▼
- [ウルフ]
- お前は…この間の…
よい腕をしているな。
実に見事な弓術だった。▼
- [ラス]
- …そちらもな。▼
- [ウルフ]
- 俺はオレルアンの大地で育った草原の民。
【狼騎士団】のウルフだ。よろしく頼む。▼
- [ラス]
- クトラ族のラス。
サカの大草原で生まれた。▼
- [ウルフ]
- サカの大草原…
よい土地なのだろうな。▼
- [ラス]
- そうだ。天と地の恵みに感謝しながら
いくつもの部族が暮らしていた。▼
クトラ族もそのひとつ…
風とともに誇り高く命を繋いできた。▼
- [ウルフ]
- 風とともに誇り高く…か。
そうだな、我らもかつて…▼
- [ラス]
- ……。
なにか事情があるようだな。
よければ、聞かせてくれ…。▼
- [ウルフ]
- ……。
俺たち草原の民は
長い間、虐げられて生きてきた。▼
草原は炎で焼かれ
争いによって人と人との絆は
断ち切られた。▼
- [ラス]
- ……▼
- [ウルフ]
- 草原は大国に占領され
俺たちは誇りを持つどころか
明日をもしれぬ日々を送っていた。▼
だが、そんな俺たちに
未来をくれた英雄がいた。
それが…ハーディン様なのだ。▼
- [ウルフ]
- ハーディン様の手によって
草原の民は
誇りを取り戻すことができた。▼
そして身寄りのなかった俺たちを
ハーディン様は草原の戦士へと
成長させてくれたのだ。▼
- [ラス]
- その出会いが…
天の導きだったというわけか。▼
- [ウルフ]
- ハーディン様は草原の民に
生きる道を与えてくれた。▼
俺たちはハーディン様の背中を見て
幾多の戦場を駆け抜け…。▼
はじめて草原の民としての
生き方を実感することができたのだ。▼
- [ラス]
- 人生においてそのような
存在がいることは幸せだ。▼
命は受け継がれ
誇りは未来へと繋がる。▼
季節が巡り、草原が何度も蘇るように
人々の想いも脈々と受け継がれていく。▼
- [ウルフ]
- ……。
だが、ハーディン様は
変わられてしまった。▼
力による大陸平定を望まれ
俺たちを救ってくれた優しさは
失われてしまった…▼
- [ラス]
- それはかつて
お前たちを抑圧した大国と
同じ道を歩もうとしているのではないか?▼
- [ウルフ]
- …たとえどのようなことがあろうとも
ハーディン様に付き従うのが務め。
それが【狼騎士団】のあり方…▼
- [ラス]
- ……▼
- [ウルフ]
- だがハーディン様はこうも
おっしゃられていた。▼
もし自身が過ちを犯すことがあれば
お前たち【狼騎士団】の手で
正してほしい、とも…▼
- [ラス]
- 同族の命を守るのが
サカの戦士の掟。我々は決して
同胞を見捨てたりはしない。▼
- [ウルフ]
- ……▼
- [ラス]
- 守るのは命だけでない。
生き様や誇りを守り抜くこと。
それもまた、同族の務めだ…▼
- [ウルフ]
- 生き様や誇り…▼
- [ラス]
- お前がどう生きるかは
俺が口を出せることではない。
だが、もしも俺たちのサカの民なら…▼
真に守るべきのものはなんなのか、
それを考えるだろう。▼
- [ウルフ]
- 真に守るべきもの、か。▼
ラス、礼を言う。
【狼騎士団】が駆けるべき明日が
おぼろげながらに見えてきた。▼
- [ラス]
- 俺の前にも【灰色の狼】という
偉大な先達が駆けていた。
俺はその生き方に習ったに過ぎない。▼
- [ウルフ]
- あの日すでに、俺たちの心に
託されていたのかもしれんな。
ハーディン様の理想と希望が。▼
- [ラス]
- 迷ったときは風に聞くといい。▼
草原を駆け抜ける風に
つねに未来に向かって吹いている。
過去に吹くことはないのだ。▼
風は我らの魂に
進むべき道を教えてくれるのだから。▼
- [ウルフ]
- そうだな、その通りだ。▼
アスク王国に吹く風にも
俺は懐かしい匂いを感じる。▼
草原の民としての誇りを守るべく
俺たちは未来へと駆けるとしよう。▼
- [ラス]
- 祈らせてもらおう。
父なる天と、母なる大地の恵みが
お前たちの未来にあらんことを。▼
律儀の狼 ビラク†
- [フィヨルム]
- ビラクさん、ここにもいませんね。
もしかして、西の戦場に
一人で向かわれたのでしょうか。▼
あっ、スーさん!
ビラクさんを見ませんでしたか?▼
- [スー]
- フィヨルム王女、
ビラクを探しているの?▼
…いたわ。
西の戦場に向かって単騎で走ってる。
ほら、あそこ…。▼
- [フィヨルム]
- ええっ!?
あの豆粒みたいに小さい姿が
ビラクさんだとわかるのですか?▼
- [スー]
- 私たちクトラ族は目がいいから。
でも…突出しすぎね。
あれでは敵に囲まれてしまうわ。▼
- [フィヨルム]
- た、助けに行かないと!
でも、ほかの【狼騎士団】のみなさんは
東の戦場で陽動作戦に出ていて…▼
- [スー]
- 歩兵では追いつけない…私が行く。▼
- [フィヨルム]
- あっ、スーさん…!
私たちもすぐに駆けつけますから!▼
- (暗転)
- [フィヨルム]
- はぁ、はぁ…よ、よかった。
間に合いました…。▼
- [ビラク]
- …助かった。礼を言う。▼
- [フィヨルム]
- いえいえ、ビラクさんも
怪我がなくてなによりでした。▼
- [スー]
- ……。
単騎で敵陣に切り込む
勇気は認める。▼
でも、命を顧みないような
戦い方は賛同できないわ。▼
- [ビラク]
- ……。
ああ、心に留めておく。
失礼する…▼
- [フィヨルム]
- 命を顧みない…。
確かにビラクさんの戦い方は
無理をしている気がしますね。▼
- [スー]
- ……▼
- [スー]
- フィヨルム王女…
この場を任せても?▼
- [フィヨルム]
- え? は、はい、大丈夫です!
もう敵の数も減っていますし
なんとか支えられるかと。▼
でも、どうされました?
なにか問題でも?▼
- [スー]
- あそこを…。
またビラクが突出している。▼
- [フィヨルム]
- ……!
ぜ、ぜんぜん見えませんが
土煙が上がっているのはわかります。▼
- [スー]
- …急げば間に合うわ。▼
- (暗転)
- [ビラク]
- 周囲に敵影なし…
賊は追い返せたようだな。▼
- [フィヨルム]
- はぁ、はぁ…。
な、なんとかなりましたね。▼
- [ビラク]
- 今日も助けられたな、礼を言う。▼
- [スー]
- ……。
ビラク、どうしてあなたは
危険な戦い方を?▼
- [ビラク]
- ……。
俺の役目は、誰よりも早く
敵陣に切り込むことだ。▼
- [スー]
- ……。
私も部族の仲間を逃がすために
敵陣に一人で切り込んだことがある。▼
自分の命と引き換えにしてでも
仲間の命を守ろうとした。▼
でも、私が戦った相手は囮で
仲間が逃げた先に敵の本隊が…
結局、私は誰も救えなかった…▼
- [フィヨルム]
- スーさん…▼
- [スー]
- 命を犠牲にするような戦い方では
天も地も味方してくれない。▼
私はもう仲間の命を失いたくない。
誰一人、失われていい命なんてない…▼
- [ビラク]
- 心配をかけてすまない…▼
だが、誤解されているようだが
俺は死ぬつもりで戦ってはいない。▼
みんなで生き残るために
俺は俺にできることを
全力でやっているつもりなんだ。▼
- [ビラク]
- 【狼騎士団】の戦いは、一撃離脱…
本隊の攻撃と同時に攻めることで
真価を発揮できる。▼
敵陣を切り崩し、
今戦っている仲間たちが
戦いやすい状況をつくる…▼
仲間たちを信じているからこそ
俺は勇気を持って切り込めるんだ。▼
- [スー]
- ……▼
仲間たちを信じているからこそ
勇気をもって敵陣に切り込める…
あなたはそう言ったわね?▼
- [ビラク]
- ああ…。▼
- [スー]
- その言葉は本心から出たものね。
風が…教えてくれたわ。▼
- [ビラク]
- おお、お前も風の声が聞こえるのか。
なるほどな。
俺たち草原の民に近いようだ。▼
- [フィヨルム]
- よい仲間に恵まれたからこそ
ビラクさんはそういった思い切った
戦い方ができるのですね。▼
- [ビラク]
- ああ。
【狼騎士団】の仲間は強い。
俺の命を預けられるほどに。▼
無論、
ヴァイス・ブレイヴも同じだと、
俺は思っている。▼
- [スー]
- ……▼
- [スー]
- ビラク!▼
- [ビラク]
- スー、どうした?
俺はこれから敵陣に…▼
- [スー]
- あなたが攻撃を仕掛けるときは、
【狼騎士団】の仲間たちも
連携していたと聞いたわ。▼
だから、私が行く。
あなたと一緒に。▼
- [ビラク]
- ……。▼
- [スー]
- 私も草原の民よ。
馬の扱いには慣れている。▼
あなたの馬についていけるのは
私たちクトラ族くらいだと思うから。▼
- [ビラク]
- ……。
ならば、ともに行こう。
よろしく頼む。異界の草原の民よ。▼
- (暗転)
- [ビラク]
- せいっ!▼
- [スー]
- はぁっ!▼
- [アルフォンス]
- 向こうで戦っているのは
ビラクとスーかな?
ずいぶん息が合っているようだね。▼
- [フィヨルム]
- 二人とも草原の民ですからね!▼
- [アルフォンス]
- 馬を手足のように操り
緩急をつけた攻撃…
人馬一体とはこのことか。▼
- [フィヨルム]
- ええ、不思議ですね。
あの二人の後ろに広大な草原が
見える気がします。▼
- [アルフォンス]
- よし…敵陣が大きく崩れた!
ビラクとスーの勇敢さに
今度はこちらが応える番だ!▼
- [フィヨルム]
- はい! 仲間を信じて命を
賭けてくれるビラクさんたちの
頑張りを無駄にはしません!▼
- [ビラク]
- 戦う世界が変わろうと
俺のやることは変わらない。▼
仲間を信じて
誰よりも速く駆けるのみ!▼
信義の狼 ロシェ†
- [ロシェ]
- ここかな。例の孤児院は…。▼
- [エスリン]
- あら? あなたは?▼
- [セーラ]
- んんっ? 見ない顔ね?
この孤児院になにか用?▼
- [ロシェ]
- あっ、あのっ…!
怪しい者ではありません。
ぼくは最近、召喚されてきた…。▼
- [レナ]
- まあ、あなたはオレルアンの…▼
- [ロシェ]
- シスターレナ…
お久しぶりです!▼
- [レナ]
- みなさん、安心してください。
この方はれっきとした英雄です。▼
- [リズ]
- なーんだ、
そうだったんだー。▼
- [ロシェ]
- す、すみません
いきなり訪ねてしまって。▼
ヴァイス・ブレイヴのみなさんで
世話をしている孤児院があると聞いて
覗きに来てみたんです。▼
- [ルゥ]
- みんな!
マリナスさんから新鮮なお野菜を
分けてもらってきたよ。▼
- [チャド]
- ? 見ない顔だな…▼
- [レナ]
- ルゥ、チャド。
この方は【狼騎士団】のロシェ。
つい最近、アスク王国にいらしたの。▼
- [ルゥ]
- はじめまして! ぼくはルゥ。
こっちのチャドと一緒に
この孤児院の手伝いをしてるんだ。▼
- [チャド]
- チャドだ。
で、騎士様がこんなところに
なんの用だ?▼
- [ルゥ]
- ロシェさん、
なにを読んでいるんですか?
手紙…ですか?▼
- [ロシェ]
- これは、ぼくが世話をしていた
オレルアンの子どもたちから
もらった手紙だよ。▼
召喚されたときに
失くさないでよかった…▼
- [チャド]
- へえ。ニヤけてるから
恋人からの手紙かと思った。▼
- [ルゥ]
- ダメだよ、チャド。
茶化したりしたら…▼
- [ロシェ]
- 覚えたての字で
一生懸命に書いてくれたんだろうな。
これは、ぼくの宝物だよ。▼
- [ルゥ]
- ぼくたちも孤児だったから
優しくしてくれる人への
感謝の気持ち、よくわかるよ。▼
- [ロシェ]
- え? ぼくたちということは
チャドも…?▼
- [チャド]
- ああ、ヴァイス・ブレイヴには
レイっていうルゥの双子の弟もいる。▼
オレたちはリキアの孤児院で
とびきりお人好しな院長先生に
育ててもらったんだ。▼
- [ロシェ]
- じゃあ、ぼくと同じだね。
ぼくたち【狼騎士団】は
戦争で家族を失っているんだ。▼
そんなぼくたちに
ハーディン様が手を差し伸べてくれて
騎士にまで取り立ててくれて…▼
- [ルゥ]
- いい出会いをしたんですね。▼
- [ロシェ]
- だけど、子どもの頃の
辛い記憶はやっぱりまだ残っている。▼
時々、夢で見ることがあるんだ。
寒い夜、ひもじくて
涙が止まらなかった記憶。▼
だから、くじけそうになったときは
この手紙を読んで元気を出すんだ。▼
ハーディン様のようになれなくても
せめて少しでも子どもたちを
助けてあげることができてらって。▼
- [チャド]
- あんたがお人好しだってことは
よくわかった。▼
それに…オレたちと同じ目線で
世界を見ている人間だってこともな。▼
- [ロシェ]
- でも、こう言われたことがあるんだ。
お前のやっていることは偽善だ。
戦場で人を殺しているくせにって。▼
- [ルゥ]
- ……。▼
- [ロシェ]
- 確かにぼくは罪悪感から逃げるために
子どもたちに手を差しのべようと
していたのかもしれない。▼
- [チャド]
- それのどこが悪いんだ?▼
- [ロシェ]
- …え?▼
- [チャド]
- 偽善でもなんでも…
あんたのおかげで子どもたちは
腹を満たし、文字を覚えたりしたんだろ?▼
オレたちは、
そういう人のおかげで
生きてこれたんだ。▼
- [ロシェ]
- ……。▼
- [チャド]
- オレたちが孤児院にいた頃
戦争がはじまって、食うものも
着るものもなくなっちまった。▼
物乞いみたいなこともやったし
院長先生に隠れて、盗みもやった。▼
そうでもしないと…
食っていけなかったからな。▼
けど、人の好意を
偽善だなんだと決めつける奴らが
なにをしてくれたんだ?▼
- [ルゥ]
- チャド…。▼
- [チャド]
- あのとき、オレたちにパンをくれた
お人好しのおかげでオレたちは今
こうして生きていられるんだ。▼
- [ルゥ]
- うん、そうだね。▼
そこにパンがあって
あったかい服があれば
ぼくたちはそれだけで笑顔になれた。▼
ロシェさんの想いは
きっと子どもたちにも
伝わっていると思うな。▼
- [ロシェ]
- そうか…
うん、そうだといいね。▼
- [ルゥ]
- アスクの平和を脅かす敵と戦うことは
英雄の立派な使命だと思う。▼
でも、戦争のせいで辛い目に遭っている
子どもたちに手を差し伸べることも
英雄の使命じゃないのかな。▼
- [ロシェ]
- そうだね。ぼくもそう思うよ。▼
孤児院を世話している
シスターたちを見ても
一生懸命さは伝わってくるしね。▼
戦場以外でも
シスターたちは戦っているんだって。▼
- [チャド]
- ま、一番いいのはとっとと
戦争を終わらせて、オレたちのような
孤児を増やさないことだ。▼
- [ルゥ]
- うん。たぶんレイもそのことを
わかっているんじゃないかな。▼
だから、魔道の研究に
あんなに一生懸命なんだろうね。▼
- [チャド]
- いや、それはちょっと
あいつのことを好意的に
評価しすぎじゃないのか…?▼
- [ロシェ]
- ぼくは戦いが好きじゃないけど
子どもたちを守るためなら
頑張ることができるよ。▼
ルゥ、チャド、これから
ぼくと一緒に戦ってくれるかい?▼
- [ルゥ]
- はい! アスク王国で
あなたのような優しい人に
出会えてよかったです。▼
- [ロシェ]
- …ぼくは、ハーディン様のような
英雄にはなれないけれど…▼
家族のいない子どもたちを
一人でも多く笑顔にしたい…▼
それがハーディン様への
ぼくなりの恩返しだと思っています…▼
涙じゃなくて
子どもたちの笑顔がこぼれる未来。
そんな明日にぼくは駆けていきたい…▼
コメント†
Last-modified: 2022-08-01 (月) 17:27:23