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章別会話
遠き日の誓い†
遠き日の誓い†
オープニング†
- [ユルグ]
- 姉様っ、スリーズ姉様…▼
- [スリーズ]
- まあ、珍しいですねユルグ。
こんな朝早くに起きるなんて…
なにか怖い夢でも見たのですか?▼
- [ユルグ]
- 不思議な夢を…見たの。▼
わたしとフリーズ兄様、
スリーズ姉様、フィヨルム姉様が
夜の森で焚き火を囲んでて…▼
その近くにね…フードを被った
知らない人が立ってたの…!▼
- [スリーズ]
- 焚き火は楽しそうですけど
知らない人…というのは
気になりますね。▼
- [ユルグ]
- その人はわたしたちのことを
じっと見てて、怖くはなかったけど
不思議な気持ちになっちゃった…▼
- [スリーズ]
- もしかしたら、ユルグ。
あなたにも私と同じ
夢見の力があるのかもしれません。▼
あなたが夢で見たその人は
将来、あなたの…いいえ、私たちの
運命に関わる人かもしれませんね。▼
- [ユルグ]
- そうなの!?
今度夢の中で会えたら
なにか話しかけてみようかな!▼
- [フリーズ]
- スリーズ…
ユルグもここにいたのか。▼
- [ユルグ]
- あ、フリーズ兄様!
それにフィヨルム姉様も!▼
- [フィヨルム]
- 珍しいですね。
いつもならユルグは
まだ眠っている時間なのに。▼
- [フリーズ]
- スリーズ、
お前の心配が現実になったようだ。▼
スルトが来る。
ムスペルの炎の軍勢を引き連れて…▼
- [スリーズ]
- そんな…!
ああ、なんということでしょう。
杞憂に終わればいいと思っていたのに…▼
- [ユルグ]
- フリーズ兄様…
もしかして戦争が…
はじまるの?▼
- [フィヨルム]
- 大丈夫ですよ、ユルグ。
私たちは氷竜ニフルの加護に
守られていますから。▼
- [フリーズ]
- 万年雪に囲まれたこの国は
長い間何者の侵略も許していない。▼
- [ユルグ]
- 本当に?
それなら安心だね…!▼
- [フィヨルム]
- ニフルの民、そして私たち兄妹と
お母様が、変わらぬ日々を送れるよう
ユルグも祈ってください。▼
- [ユルグ]
- うん、フィヨルム姉様…!
私も兄様たちのお手伝いを頑張るから
なんでも言ってね…!▼
- [スリーズ]
- なにごともなく、この嵐が
過ぎればよいのですが…▼
- [フリーズ]
- …………▼
- [スリーズ]
- フィヨルム…
毎日の訓練、お疲れ様です。
無理はしていませんか?▼
- [フィヨルム]
- 大丈夫です、姉様。
体調には気をつけています。▼
大事なときに
皆の足を引っ張ってしまうわけには
いきませんから。▼
姉様の方こそ
連日の「夢見の儀式」で
お疲れでありませんか?▼
- [スリーズ]
- ええ。
ありがとう、フィヨルム。▼
なぜか、胸騒ぎがするのです。
私が無事でいられる間に…▼
ニフルの未来のためにも
「夢見の儀式」を執り行わねばならない…
そんな気がするのです。▼
- [フィヨルム]
- そうでしたか…
スリーズ姉様の心配が
思い過ごしであればよいのですが…▼
- [スリーズ]
- 私は夢の中で、運命の人との縁が
紡がれていくのを感じています…▼
きっと、夢見の儀式は成功し
ニフルに明るい未来を
もたらしてくれるはずです。▼
私は戦いは不得手ですから…
このような形でしか
みんなの役に立てません。▼
- [フィヨルム]
- そんな、スリーズ姉様は
私たちの誰より優れた魔力の持ち主…▼
スリーズ姉様が本気を出されたら
私など到底かないません!▼
- [スリーズ]
- そんなことはありませんよ。
あなたは十分に強くなりました。
小さい頃から見てきたのですもの。▼
ニフルの民のために
あなたの武運を祈っています。▼
- [フィヨルム]
- はい、お任せください…!
民の笑顔を曇らせることのないよう
精一杯努力します!▼
- [フィヨルム]
- フリーズ兄様、本日の訓練
滞りなく終了しました。▼
- [フリーズ]
- ご苦労だった、フィヨルム。
兵たちも、日に日に
練度は上がっているが…▼
ここ数年、平和が続いたせいか
ニフルは戦いから遠ざかっていた。
その差を埋められるかどうか…▼
- [フィヨルム]
- あの…兄様、
お伺いしてもよろしいですか?▼
兄様は、どうして私に…▼
- [フリーズ]
- お前に預けたレイプトのことか?▼
- [フィヨルム]
- はい。氷槍レイプトは
大いなる力を秘めたニフルの神器…▼
本来なら私ではなく、
兄様がお持ちになるべきでは…▼
- [フリーズ]
- 前にも言った通りだ。
その槍に一番ふさわしいのは
フィヨルム…お前だ。▼
- [フィヨルム]
- ですが…
現に私は兄様と手合わせして
一度も勝ったことがありません。▼
- [フリーズ]
- 確かに武だけを比べれば
お前より私が上かもしれない。▼
だが、お前は強い。
決して砕けぬ氷のような…
固い意志がある。▼
- [フィヨルム]
- そ、そうでしょうか…?▼
- [フリーズ]
- お前は、私に何度負けても
次に勝つことを諦めたことはない。
勝つための鍛錬を怠ったこともない。▼
どんな強敵も、どんな絶望も、
お前の意志を砕くことはできない。
たとえあの炎の王であろうと。▼
決して諦めず前に進もうとする、
愚直なまでのひたむきな意志…
それがお前の一番の強さだ。▼
- [フィヨルム]
- フリーズ兄様…▼
- [フリーズ]
- もし…私になにかあったときは
フィヨルム、お前が妹たちを
母上を守ってくれ。▼
- [フィヨルム]
- !? そ、そんな…
そのようなことは絶対にありません!
兄様に万が一のことなんて…▼
- [フリーズ]
- そう取り乱すな。
あくまでも仮定の話だ。▼
無論、私も死ぬつもりはない。
目的を果たすその時までは…
なにがあろうと生き延びる。▼
- [フィヨルム]
- はい、兄様…
私も同じ気持ちです。▼
- [フリーズ]
- 今、斥候から連絡が届いた。▼
スルト率いるムスペル本軍が
ニフル王都に向けて進撃を開始した。▼
- [スリーズ]
- ああ…
ついにその時が来たのですね。▼
- [ユルグ]
- ね、ねえ、ムスペルの軍隊は
ニフルの何十倍もいるんでしょ?
スルトって人もすっごく怖いって…▼
- [フリーズ]
- スルトの炎に焼かれ、
既に近隣の村は灰となって消えた。▼
- [フィヨルム]
- これ以上の暴虐は許せません。
迎え撃ちましょう、兄様!▼
- [ユルグ]
- で、でも、勝てるのかな?
スルトの不滅の炎って
絶対に消せないんでしょ?▼
- [スリーズ]
- 大丈夫です、ユルグ。
私たちには
氷竜ニフルの御加護があります。▼
- [フリーズ]
- 我らはなにがあろうと
この地を、民を守り抜かねばならない。
それが…王族たる者の務めだ。▼
スリーズ、フィヨルム、ユルグ。
ここに手を重ねてくれ。
そして、誓いを立てるのだ。▼
- [フィヨルム]
- はい! ニフル王族に伝わる…
誓いの儀式ですね!▼
- [フリーズ]
- 氷神ニフルよ…
我らは汝の子、
汝の血を受け継ぎし者。▼
誓う。
必ずニフルを守り抜き
勝利のためにこの身を捧げると…!▼
- [スリーズ]
- 誓いましょう、民のために。▼
- [フィヨルム]
- 誓います、平和のために。▼
- [ユルグ]
- 誓うよ、未来のために…!▼
- [スリーズ]
- 私たち兄妹が力をあわせれば
きっと道は拓けるはずです。▼
夢見の儀式で出会った運命の人も
必ずや力を貸してくれるでしょう。▼
- [フィヨルム]
- 行きましょう!
ニフルの未来を勝ち取るために。
私たちは絶対に負けはしません。▼
- [ユルグ]
- わたしも力になるから…
できることはなんだってする!▼
- [フリーズ]
- 我らの進む先に…
氷竜ニフルの加護があらんことを!▼
柔らかな新雪 ユルグ†
(白い明滅)
- [ユルグ]
- んんっ…あれ…
なんだか……ふわふわする…▼
もしかしてここって…
夢の中なの…?▼
あっ…! あなたは…
わたし、覚えてるよ。
少し前から夢の中で出会う人…▼
あなたは誰なの?
ニフル王国の人じゃ
ないみたい…だけど。▼
だけど、わたしにはわかるよ。
あなたは悪い人じゃない。▼
どうしてわかるかって?
それはね…▼
あなたから感じるの。
お日様みたいな温かさを。▼
なんだか不思議…あなたのこと
全然知らないのに
そばにいると安心しちゃうの。▼
兄様や姉様…
お母様のそばにいるみたい…
えへへ。▼
ねっねっ、お名前、教えてくれる?
わたしはユルグだよ。
ニフル王国の第三王女なの!▼
エクラ…
それがあなたの名前なんだね。▼
また…会えるかな?
わたし、あなたのこと…
もっと知りたい!▼
次に会ったときは…
もっとおしゃべりしようね。
約束だよ…!▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [ユルグ]
- また会えたね…
エクラさん!▼
でも、不思議なの。
お名前を聞いたはずなのに
目が覚めたら忘れちゃってたの…▼
思い出そうとしても
夢で見たことを
全然思い出せなくて…▼
夢見の儀式ができるスリーズ姉様なら
夢の中の出来事を覚えていられるのに
わたしじゃ無理なのかな…▼
でも、またあなたに会えて
ちゃんとお名前も思い出せた…
それだけでもうれしいよね!▼
やっぱり不思議!
あなたのそばにいると
ぽかぽかした気持ちになっちゃう。▼
ね? ちょっとだけ
手を握ってもいいかな?▼
温かい…
あなたの体の熱が伝わってくる。▼
ふふっ…
エクラさんって
なんだかお日様みたいだね。▼
あなたのそばにいると安心できるの。
心が温かくなってくるのがわかるの。▼
世界が…ゆらゆらしてきちゃった。
きっと夢から覚めるんだね。▼
目が覚めても
エクラさんのこと
覚えていると…いいなぁ…▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [ユルグ]
- もうっ、どうしてかな~。
目が覚めるとやっぱり
あなたのお名前を忘れちゃうの。▼
夢の中でぼんやり誰かに会ったことは
覚えているんだけど…それが
あなただって思い出せないの。▼
ニフル王国はね、
いつも雪が降ってて
お日様はあまり出ないんだよ。▼
だから…お日様が出てる日は
それだけでうれしくなっちゃう。▼
だから、あなたに会えるのは
お日様に出会える日と同じくらいに
うれしいの。ふふっ…▼
え? もっと暖かい国に
行きたくはないか…って?▼
うーん…
本で読んだ「南の島」には
一度行ってみたいな!▼
ううん、南の島だけじゃないよ。
もっといろんな世界を見て
いろんな人と仲良くなりたい!▼
今、ニフルとムスペルは
戦になってるけど…▼
ムスペルにもいい人はいるよね?
お友だちになれる人もいると思うの。▼
みんなが仲良く笑って暮らせる
そんな世界になってほしいな…
あなたも、そう思うよね?▼
うん、だよねっ!
みんなにもぽかぽかした気持ちで
毎日を過ごして欲しいの…▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [ユルグ]
- どうしよう、
エクラさん…▼
ムスペルとの戦…兄様や姉様は
大丈夫だって言ってくれるけど…
わたし、なんだか不安…▼
励ましてくれるの?
ありがとう、
エクラさん。▼
そういえばわたしに聞いたよね?
暖かい国に行ってみたくないかって。▼
夢から覚めてもその話は
なんとなく覚えていたの。▼
でもね、わたし…思ったの。
兄様、スリーズ姉様、フィヨルム姉様、
そしてお母様…▼
家族といれば、わたしの心は
いつもぽかぽかしてくるの。▼
だから、吹雪が続いたって
みんなと一緒なら寒くないよ。▼
いつか夢の中だけじゃなくて
本当のあなたにも
会ってみたいな…▼
わたし、思うの。
もしかしたら遠くない未来に
あなたに会えるんじゃないかって。▼
そのときはみんなを紹介するね!
わたしの大切な人たちのこと!▼
約束だよ…きっと会おうね。
笑顔で会おうねっ!
エクラさん…▼
(白い明滅)
氷刃の王子 フリーズ†
(白い明滅)
- [フリーズ]
- …ここは…▼
この奇妙な感覚…
ここは夢の中…か…▼
!
何者だ、そこにいるのは?▼
そのフード…
ユルグの夢に現れた人物と
同じ…なのか?▼
私はニフル王国の第一王子フリーズ。
すまないが、
名を聞かせてもらえないだろうか。▼
夢の中の出来事とはいえ…
この出会いにはなにか
意味があるのかもしれない。▼
エクラ…?
それが君の名か。▼
君とははじめて会うはずなのに…
なぜか以前から知っていたような
気がしてならない…▼
ひょっとして君は
私のことを知っているのか…?
私に関わりの深い人物…なのか?▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [フリーズ]
- また会えたな…
エクラ。▼
君と会うことができるのは
夢の中だけ、なのだな。▼
不思議なことに、夢が覚めると
君のことはすっかり記憶から
消え失せていた…▼
だが、夢の中ではこうして
君のことを思い出せる…▼
私にはスリーズのような
夢の記憶を持ち帰る力は
備わっていないのだろうな。▼
先日の非礼を詫びよう。
我が国に危機が迫っているためか、
私も神経質になっていたようだ。▼
エクラのような
穏やかな人物のいる世界には
きっと争いはないのだろうな…▼
違う? そうだったのか…
君も戦いに身を置く人間なのか。▼
世界が変わろうとも…
誰しも戦いの宿命から
逃げられないということか…▼
しかし、我が国を…
ニフルの民を戦乱の炎に
焼かれるわけにはいかない。▼
失われていい命など
ひとつとしてないのだから…▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [フリーズ]
- エクラ、
久しぶりだな。▼
不思議なことに君は
私が悩んでいるときに
現れるようだ。▼
ああ…
ムスペルの…
炎の王スルトの侵攻のことだ。▼
あのスルトを
果たしてニフルの力だけで
押し止められるのか…▼
私の双肩にはニフル王国、
母上、そして妹たちの未来が
かかっている。▼
しかし、現実には
ムスペルと対峙するには
戦力も準備も不足している。▼
このような士気に関わる発言は
現実では口にはしないが…▼
どういうわけか君の前では
偽らざる本心が漏れてしまうようだ。▼
夢の中だから許されるのか
それとも君の人柄が
本心を引き出すのか…▼
エクラ、
君が私の前に現れたのは
なにか意味があるはずだ。▼
きっと私たちの…
ニフル王国の運命を
左右するような大きな理由が…▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [フリーズ]
- また会えたな
エクラ。▼
会えてよかった。
こうやって君と話せるのは
今夜が最後になるかもしれない。▼
ついにスルトの侵攻が始まった。
明日、我々は
ムスペル軍を迎え撃つ。▼
戦力差は絶望的だが…
敵軍を率いるスルトさえ討てば
ニフルは生き残れる。▼
私は刺し違えてでもスルトを倒す。
この命を使ってニフルの民を
守り抜いてみせる。▼
私の覚悟はすでに決まっている。
そのために氷槍レイプトも
フィヨルムに預けたのだ。▼
私になにかあったとしても…
妹たちが必ず未来を拓いてくれる。▼
エクラ、
どうして首を振る?
私の考えが間違っていると?▼
なに?
死んではいけない…と?▼
エクラ、
君は命を捨てることを
考えてはならないというのか。▼
しかし、妹たちを守るために
ほかに方法がないなら…
私は迷わずに命を投げ出すつもりだ。▼
…………▼
妹たちは守るべき存在ではなく
力を合わせるべき存在…
君はそう言いたいのか?▼
そうか…そうだな。
妹たちは、いつまでも私に
守られるばかりの存在ではない。▼
ありがとう、エクラ。
おかげで幾ばくか不安が和らいだ。▼
私も生き残らねばならない。
戦いが終わったあとも
ニフル王国は続いていくのだから…▼
いつか夢の中ではなく…
現実で君と会えるだろうか。▼
万が一、
戦火の果てに君と出会えたなら…
そのときは力を貸してほしい。▼
この願いもきっと目が覚めれば
すべて忘れてしまうのだろう。▼
しかし、魂のどこかでは
きっと覚えているはずだ。
私はそう…信じたい。▼
君の言うとおり、
私は生き残ってみせよう。▼
そして必ず…
ニフルの未来を切り拓く。
妹たちとともに…▼
(白い明滅)
夢の中の微笑み スリーズ†
- [フィヨルム]
- スリーズ姉様…
いよいよ今夜から夢見の儀式に
入られるのですね。▼
- [スリーズ]
- ええ。先ほど身を清め
氷竜ニフルの神殿にて
祈りを捧げてきました。▼
- [ユルグ]
- スリーズ姉様が夢で会うのって
どんな人なんだろー。▼
わたしは夢の中の出来事を
ほとんど忘れちゃうけど…▼
夢見の力を持つスリーズ姉様は
ちゃんと覚えていられるんでしょ?
いいなー、すごいなー!▼
- [フリーズ]
- 夢見の儀式は過去にも
ニフル王国の歴史と運命に
大きく関わってきたと聞く。▼
きっと今回もニフルの未来に
光をもたらしてくれるだろう。▼
- [ユルグ]
- 頑張ってね、スリーズ姉様!▼
- [スリーズ]
- ええ、ありがとう、ユルグ。▼
もしかすると…あなたが
夢で出会ったという見知らぬ人が
私の運命の人かもしれませんね。▼
- [フィヨルム]
- 成功をお祈りしています…
スリーズ姉様。▼
- [スリーズ]
- ありがとう、フィヨルム。
まだ見ぬ、私の運命の人…
出会える日を楽しみにしております…▼
(白い明滅)
- [スリーズ]
- ここ…は…
この…世界は…▼
ああ…ようやく会えました。
私の…運命の人…!▼
私はニフル王国第一王女、
スリーズと申します。▼
王国に伝わるいにしえの儀、
夢見の儀式を通じて
あなたと繋がりました。▼
ここは私の夢の中…しかし
あなたの夢の中でもあるのです。▼
私には…あなたの姿が
はっきりと見えています。▼
あなたは今、私のいる世界とは
別の場所にいらっしゃるのですね?▼
そのお顔立ちも
あなたがまとっている装束も…
私にははっきりと見えております。▼
感謝いたします。
私の求めに…あなたが
応えてくださったのですね?▼
私の夢に現れる方は
生涯にただ一人だけ…▼
んっ…ああっ…
…世界が…薄れて…▼
しばしの…お別れです…
必ずまた…あなたと……▼
……………………▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [スリーズ]
- また、お会いできましたね…▼
信じておりました。
私たちは再び…夢の中で
邂逅できるということを。▼
あなたからは…
私とは…私たちとは違う
大いなる力を感じます。▼
あなたが今、見ているのは…
過去の私なのでしょうか?
それとも未来の私でしょうか?▼
あなたは今の私だけではなく
過去、そして未来をも見通せる。
そんな気が…するのです。▼
今、私たちが暮らすニフル王国には
大いなる危機が迫ろうとしています。▼
あなたは私の…ニフル王国の
行く末を知っているのでしょうか?▼
もし、あなたが私たちの未来に
光をもたらす存在だとしたら…▼
私は、私のすべてを捧げ…
あなたに運命を委ねたいのです。▼
私の大切な人々…お母様に兄様、
フィヨルム、そしてユルグ…
みなを導いてほしいのです…▼
それが…私の…願い…▼
どうか、ニフルに…光を…▼
……………………▼
(白い明滅)
(白い明滅)
- [スリーズ]
- 夢の中であなたに出会うのは
これで何度目でしょうか…▼
あなたにとっての私は
数々の異界にいる人々の一人に
過ぎないのかもしれません…▼
ですが、幾多の、幾万の人々の中から
あなたは私を選んでくださいました。
私と出会うことを…選んでくれた。▼
私は…その繋がりを信じたい。
奇跡的な可能性で紡がれた
細くきらめく、絆の糸を…▼
私たちはきっと出会えると思うのです。
私がいる、この世界で…▼
ですから…その日のために
あなたがこの世界に刻むであろう
お名前をお聞かせくださいませんか?▼
エクラ…
エクラ様…
それがこの世界でのあなたの名…▼
その名を…絶対に忘れません。
私とあなたを繋ぐ、絆の架け橋…▼
私たちはいつか必ず出会うでしょう。
そして私は
あなたにすべてを捧げます。▼
そうすることで、あなたはきっと
私たちの未来を拓いてくれる。
そう思うのです…▼
たとえ私にどのような未来が
待ち受けていたとしても…▼
エクラ様…
あなたとお会いできる日を
楽しみにしております…▼
(白い明滅)
氷の姫 フィヨルム†
(白い明滅)
- [フィヨルム]
- くっ…ううっ……
あ、ああっ……!▼
身体が…熱い……焼けるように…
んっ、くぅぅ…っ!▼
ここは…いったい…
まわりが…火の海に…▼
- [スルト]
- ぐははははははははぁっ!
揃いも揃って
なんと脆き者どもよ!▼
貴様ら兄妹まとめて
灰にしてくれるわ!▼
- [フリーズ]
- ぐぅっ……!▼
- [スリーズ]
- あぁぁぁっ……!▼
- [ユルグ]
- きゃあっ! やだぁぁぁっ!
たすけて! 兄様、姉様…!▼
- [フィヨルム]
- フリーズ兄様!
スリーズ姉様!
ユルグっ…!▼
- [スルト]
- ぐはははははははぁっ!
そうだ、燃えるがいい!
魂まで焼かれ、我が炎の贄となれ!▼
- [フィヨルム]
- どうしてこんな惨いことを…!?
笑って人の命を奪おうとするなんて
あなたはそれでも人間なのですか…!▼
- [スルト]
- 弱者は死ぬ。それが理よ。
次は貴様だ。
骨も残さず焼き尽くしてくれるわ!▼
- [シャロン]
- そうはさせませんっ!▼
- [アンナ]
- 私たちが力を貸すわ!▼
- [フィヨルム]
- !?
あなたたちは…▼
- [アルフォンス]
- エクラ、指示を。
フィヨルム王女を守ろう。▼
- [フィヨルム]
- 助けて…くれるのですか?▼
あなたたちは…
いったい…▼
……………………▼
(白い明滅)
- [フィヨルム]
- ユルグ、少しいいですか。▼
- [ユルグ]
- あ、フィヨルム姉様だ!
どうしたの? なにかわたしのご用?
姉様の頼みなら、なんでも聞いちゃうよ!▼
- [フィヨルム]
- ユルグが前に見たという
夢について聞きたいのです。▼
- [ユルグ]
- 夢の中で…
知らない人に会ったこと?▼
- [フィヨルム]
- ええ、ユルグは言っていましたよね。
フードを被った知らない人が
私たち兄妹のそばに立っていたと。▼
- [ユルグ]
- ……あれって誰なのかな?
夢の中でいっぱいおしゃべりしたのに
起きたら全然覚えてないの…▼
最初に姉様たちに話してからも
何回か夢の中で会ってるんだけど…
あの人が誰だか、わからないの…▼
でもフィヨルム姉様、
どうして夢の話のことを聞いたの?
もしかしてフィヨルム姉様も…▼
- [フィヨルム]
- 私も…不思議な夢を見たのです。
でも、ユルグと同じように
ほとんど思い出すことができない…▼
夢の中で、私は誰かに
「恐ろしい出来事」から助けてもらった…
その記憶だけが残っているのです。▼
- [ユルグ]
- フィヨルム姉様…怖い夢を見たの?
じゃあ、怖くないように今日は
わたしが一緒に寝てあげるね!▼
- [フィヨルム]
- 心配してくれてありがとう、ユルグ。
でも、大丈夫です。▼
- [ユルグ]
- フィヨルム姉様の夢に出てきた人と
わたしの夢に出てきた人も…
同じ人かもしれないね。▼
- [フィヨルム]
- 夢見の儀式を執り行える
スリーズ姉様なら、夢に出てきた人の
正体もわかるかもしれませんね…▼
もしかすると
私たちとニフルの運命に深く関わる
人なのかもしれません…▼
- [フィヨルム]
- え? フリーズ兄様も最近
不思議な夢をご覧に…?▼
- [フリーズ]
- ああ。夢の中で
私は誰かと会話を重ねている。
ニフルの未来に関わるような夢だ。▼
しかし、目が覚めると
夢の記憶は一切を忘れている。
頭にモヤがかかったように。▼
- [フィヨルム]
- 私も同じです…
大事な夢を見ているはずなのに
その内容を思い出せないのです。▼
- [フリーズ]
- このことを先日スリーズに
相談してみたのだが…▼
私たち兄妹にも夢見の力の片鱗が
備わっている可能性がある…
スリーズはそう考えているようだ。▼
そして、その夢は
ニフルの未来を暗示する
予知夢のようなものでないかと。▼
- [フィヨルム]
- 私たちは夢の中で
ニフルや兄妹の将来に関わる人物と
出会っているということでしょうか?▼
明日にも
ムスペルの本格的な侵攻が
はじまるかもしれません。▼
国難を前に、私たち兄妹が
似たような夢を見るのは…
なにかの前触れなのでしょうか?▼
- [フリーズ]
- だが、夢はあくまでも夢に過ぎない。
現実を変える力を
持つわけではない。▼
私たち自身、怠りなく戦に備えよう。
夢の意味を考えるのは
そのあとでも遅くはない。▼
- [フィヨルム]
- はい、フリーズ兄様。
ニフルの地も民の未来も…
必ず、守ってみせます。▼
(白い明滅)
- [フィヨルム]
- んっ…んんっ…
ここは…この感覚は…
夢の中…なのでしょうか…▼
…! あなたは…
そう、思い出しました…
エクラ様…▼
エクラ様、
それがあなたの名前…▼
教えてください…!
あなたはニフルの未来に
関わる人なのでしょうか?▼
そして、私が未来に…
出会う人なのでしょうか?▼
- [アルフォンス]
- エクラと君は
いつか出会うことになる…▼
- [フィヨルム]
- !
あなたたちは…覚えています…!
夢の中で私を助けてくれた…▼
- [アンナ]
- フィヨルム王女、
あなたが歩む先には
たくさんの出会いと別れが待っているわ。▼
- [シャロン]
- それはきっと、
まだわたしたちも
知らない未来の出来事です…▼
- [フィヨルム]
- あなたたちはいったい…
私に…私たちに
なにを伝えようとしているのですか!▼
- [アルフォンス]
- 今はまだ…未来は確定していない。
僕たち自身、君とどのように交わるのか
定かには見えていないんだ。▼
- [アンナ]
- だけどひとつだけ、確かなことがあるわ。
私たちはあなたの味方よ。
なにがあっても…あきらめないで。▼
- [シャロン]
- もし出会うことができたら
必ず力になります!
そのことを覚えておいてくださいね!▼
- [フィヨルム]
- あ、ああ…私が見た夢は
悪夢などではなかったのですね…▼
エクラ様…
あなたがまだ見ぬ英雄たちと
私との絆を繋げてくれたのですか?▼
ありがとうございます、
エクラ様…▼
いかにムスペルが猛威を振るおうとも
苛烈な運命が待ち受けていたとしても
私は…決してあきらめません。▼
今、見ている夢のことも
目が覚めればきっとすべて
忘れてしまうのでしょう…▼
しかし、魂のどこかに
あなたたちの言葉は残るはずです。
刻まれていると信じています。▼
私は負けません。
運命に立ち向かい、
必ずや未来を切り拓いてみせます。▼
雪原の先に…希望の明日が
広がっていることを信じて…▼
(白い明滅)
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Last-modified: 2020-09-24 (木) 18:42:09