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章別会話

象られる力

象られる力

オープニング

[フィレイン]
山中を上空から見回ったが
賊の姿は見えないようだ。▼
[グレゴ]
ってことは、山賊の討伐は
これで完了ってやつか。▼
[リヒト]
やった! アスク王国での
はじめての任務は大成功だね!▼
[ルフレ(通常)]
みなさん、お疲れ様でした。
ケガ人を出すことなく
任務を終えられて幸いでした。▼
[フィレイン]
ルフレの策には助けられたよ。
君の助言がなければ
討伐は手間取っていたはずだ。▼
[グレゴ]
なんにせよ、これで
大手を振って城に帰れるなー。▼
[リヒト]
アスク王国の役に立てて
僕もうれしいよ!▼
[グレゴ]
あんだけの歓迎を受けたらな。
いっちょ頑張りますかって
気持ちになるよな。▼
[フィレイン]
ああ。アスクの民は
我々を英雄として迎え入れてくれた。
その期待を裏切るわけにはいかない。▼
[ルフレ(通常)]
アスク王国であっても
イーリスであっても…▼
私たちがなすべきことは
かわらないということですね。▼
[グレゴ]
んじゃー、さっさと城に戻って
かわいこちゃんのいる店に…▼
[フィレイン]
……▼
[グレゴ]
…………
今日はここで野営するとしようか。▼
[ルフレ(通常)]
それがいいでしょう。
では、見張りの順番を決めて
交代して休むことにしましょうか。▼

(暗転)
[リヒト]
…うーん、むにゃ。
なんだか眠れないなあ。▼
あれ、ルフレさんがいない。
見張りをしているはずなのに
どこいったんだろ?▼
あ、あれっ!? なんだろ?
今、向こうでなにか
光ったような…▼

(暗転)
[盗賊頭]
ひ、ひいっ! やめろっ!
おれはこの山の賊とは関係ねえ!
たまたまうろついてただけだ!▼
な、なにも悪さはしてねえぞ!▼
[ルフレ]
あなたが何者で
なにをしていようが
私には関係ありませんよ。▼
そうですね。
剣で言うなら試し斬り…▼
私の力がどれほど戻っているのか
それを確かめるだけですよ。
あなたの身体を使ってね。▼
[盗賊頭]
だーっ! いたっ! いてててて!
な、なんだこりゃあ!?
身体が締め上げられるように痛ぇっ!▼
[リヒト]
……!
な、なにをしてるの!?
ルフレさん、その姿は…▼
[ルフレ]
見られてしまいましたか。▼
[リヒト]
どういうことなの?
その力はいったい!▼
[ルフレ]
この力が身体に馴染むまでは
正体を隠しておこうと思ったのですが…。▼
見られたからには仕方がありません。
その口を封じさせてもらいましょう。▼
[リヒト]
ルフレさん、まさか僕を!?
わわっ! うわあああーっ!▼

(白く光る)
[スラシル]
…そこまでよ。▼
[ルフレ]
くっ…誰です?
邪魔をするのは…!▼

C

[リヒト]
グレゴさんとフィレイン団長は
ルフレさんの様子が変だって
気付いていたの?▼
[グレゴ]
んー、まーな。▼
[フィレイン]
私もグレゴの報告を受けて
ルフレの動向を密かに探っていたのだ。▼
[グレゴ]
なーんか変だって思ったんだよ。
俺の知っているルフレと
いろいろ違っていたからさ。▼
息遣いや視線の動かし方…
そのほかにも、いろいろとな。▼
[リヒト]
す、すごい…
グレゴさん、そんなところまで
観察していたんだ。▼
[グレゴ]
ま、そうした観察力ってのも
デキる傭兵の処世術ってやつよ。▼
[リヒト]
ルフレさんが使っていた
禍々しい力…▼
あれって多分、邪竜の力だよ。
ルキナさんから聞いたことがあるんだ。▼
[フィレイン]
ルキナ…マルスと名乗っていた
仮面の剣士のことか。▼
[グレゴ]
あの子、実はクロムの娘なんだよ。
運命を変えるために
未来からやって来たんだと。▼
[フィレイン]
な、なんと!?
ならば彼女もイーリスの王族
私が守るべき存在ではないか!▼
[リヒト]
えーと、話を続けてもいいかな?▼
[フィレイン]
すまん。続けてくれ。▼
[リヒト]
僕たちの世界に来たとき
ルフレさんは記憶を失っていたけど…▼
ルキナさんたちが暮らしていた未来では
邪竜ギムレーの力を宿したルフレさんが
世界を滅亡に導いたって。▼
[フィレイン]
で、では、さっきまで
私たちと一緒にいた彼女は…▼
[グレゴ]
外見こそルフレだが
中身は邪竜ギムレーの影響を
受けた魂、ってことだなー。▼
[フィレイン]
このことは急ぎアルフォンス王子や
アンナ隊長に伝えるべきではないのか?▼
[グレゴ]
けどやっこさん、生きて俺たちを
ここから帰すつもりはないらしい。
一筋縄ではいかないだろうな。▼
そもそも、あそこに居合わせた
仮面のねえちゃんは何者だ?▼
[リヒト]
一応、僕を
助けてくれたことになるのかな?▼
[グレゴ]
いい女ってこと以外
なにもわからんなー。▼
[フィレイン]
……▼
[グレゴ]
ごほん。なにはともあれ
まずはこの山を下りないとな。▼
[フィレイン]
一瞬、垣間見ただけだったが
ルフレの力は恐ろしいものだった。
私たちだけで勝てるだろうか。▼
[リヒト]
……▼
あのとき、ルフレさんは
力が身体に馴染むまで正体を
隠しておきたいって言っていた…▼
もしかすると、僕たちだけで
なんとかできるかもしれない。
探そう、ルフレさんを!▼
[グレゴ]
軍師様相手に下手な小細工が
通用するかどうかは微妙なところだが…▼
逃げ回って後ろからやられるよりは
こっちから出向いたほうが
まだマシかもしれんな。▼

B

[ルフレ]
……。
張り切ったと思いましたが
なかなかにしつこいですね。▼
[スラシル]
…言ったでしょう。
せっかく見つけた手がかり。
逃すわけにはいかない。▼
その禍々しい力…
あなたはどこで手にいれたの?▼
[ルフレ]
この力は本来、私が有していたもの。
与えられたものではありませんよ。▼
[スラシル]
……。
その【魔器】の名は?▼
[ルフレ]
知りませんよ、名前など。
もっとも、知っていたとしても
教える義理はありませんが。▼
これ以上つきまとわれるのもやっかいです。
ここでボロくずにしてあげましょう。
この…邪竜の力でね!▼
[リヒト]
ま、待って! ルフレさん!▼
[ルフレ]
おや? わざわざ私の前に出向くとは。
手間が省けますね。▼
あなたたちも片付けてあげましょう。
口封じというやつですよ。▼
[リヒト]
あ、あのね、お願いがあるんだ!▼
僕たちに力を貸してほしいんだ。
それだけの力があれば
アスク王国を救えるはずだよ?▼
[ルフレ]
……▼
[スラシル]
……▼
[ルフレ]
道理をわきまえていないのは
子どもゆえに仕方ありませんが
…その願いは浅はかですね。▼
人間を助けるために私に力を貸せと?
私は滅びをもたらす者ですよ。▼
[グレゴ]
ちょ、ちょっと待ってくれよ!
あんたが滅ぼそうとしていたのは
俺たちのいた世界だろ?▼
だったら、この世界まで
滅ぼす必要はないじゃねーか。▼
[ルフレ]
……▼
[グレゴ]
俺たちと決着をつけてえってんなら
元の世界に戻ってからでもいいだろ。▼
[ルフレ]
…これ以上は時間の無駄です。
そこの仮面の女ともども
片付けるとしましょうか。▼
[スラシル]
くっ…!▼
[リヒト]
あ、あの、ルフレさん!
もうひとつ聞きたいことが…▼

A

[リヒト]
僕はルフレさんが
世界に破滅をもたらした瞬間を
見たわけじゃないから…▼
ルキナさんの話を聞いても
ルフレさんが邪竜の力を持ってるなんて
信じられないんだ。▼
[ルフレ]
信じるかどうかはあなたの勝手ですよ。
でも、その邪竜の力によって
あなたたちは倒されるのですから。▼
[グレゴ]
くっ! アスク王国に召喚された英雄は
互いに傷つけ合えないって話だろ!▼
[リヒト]
ルフレさんは僕に言ったよね?
力が身体に馴染むまでは
正体を隠しておきたかったって。▼
力が完全じゃないうちに
ヴァイス・ブレイヴと事を構えるのは
危険だから正体を隠してたんじゃ…▼
[ルフレ]
おしゃべりはここまでですよ。▼
[フィレイン]
リヒト、私の後ろに隠れろ!▼
[リヒト]
じゃあ、力を貸してくれなくてもいいから
僕たちの敵にならないで!▼
たとえ邪竜であっても
僕はルフレさんと戦いたくないよ!▼
[ルフレ]
これ以上、子どもの駄々に
付き合う必要はありません。
消えてください…!▼
[リヒト]
うわっ! わわっ…!
あ、あれ? どうして僕、無事なんだろ?▼
[ルフレ]
……。
おかしい…本気で殺そうとしたのに。
力がなにかに抑制された?▼
ふん、あの召喚師…
私をこの世界に呼んだときに
なにか小細工でもしたようですね。▼
[グレゴ]
ルフレの攻撃が届かなかった?▼
[ルフレ]
まあ、いいでしょう。
私の正体が知られたからといって
あなたたちにできることはありませんよ。▼
この世界とどう関わるかは私が決めます。
私の前に立つものには容赦しない。
アスク王国でもイーリスであってもね…▼
[フィレイン]
ま、待てっ! まだ話は…▼
[グレゴ]
ありゃ、闇に溶けるみたいに
消えちまったな。▼
[スラシル]
……▼
[リヒト]
あの…ルフレさんが正体を現したとき
助けてくれてありがとうございました。▼
[スラシル]
礼を言われるために
助けたわけじゃないわ…▼
[グレゴ]
ねーちゃんは何者なんだい?
見たところ ヴァイス・ブレイヴの
一員じゃないようだが…▼
[スラシル]
人を探していただけ…▼
彼女…ルフレが発していた禍々しい魔力。
あれと似た力を持つ者がいたら
注意することね…▼
[フィレイン]
似た力?
あのような恐ろしい力を行使する者が
ほかにも存在しているというのか?▼
[スラシル]
【魔器】は世界のことわりと
生者の運命を歪める…
関わり合いにならないことね…▼
[グレゴ]
おいおい、ねーちゃん!
あちゃー、こっちも消えちまった。▼
【魔器】とか言ってたが
この世界にはなんだか物騒なモンも
入り込んでるってワケか。▼
[フィレイン]
…私たちをこの地に呼んだ
召喚師殿は、ルフレの中身が
邪竜だと知っていたのだろうか?▼
[グレゴ]
さあね。一介の傭兵には見当もつかんよ。
でも、リヒトはあの場でよく言えたな。
力を貸してくれなんてさー。▼
[リヒト]
言うだけならタダだと思って。
それに戦いたくはなかったんだ。
ルフレさんとは…▼
[グレゴ]
なるほどなー。駆け引きとかじゃなく
嘘偽りのない本心だったというわけか。▼
[フィレイン]
私たちはリヒトの真っ直ぐさに
助けられたのかもしれんな。▼
[リヒト]
でも、あれだけの力…
世界を滅ぼすためじゃなくて
守るために使ってくれればいいのに。▼
ルフレさんと戦わないで済む
未来があるといいのにな…▼

不敵なる傭兵 グレゴ

C

[ノノ]
おじさん、待ってたよ!
やっとアスク王国に来てくれたんだね!▼
[グレゴ]
だから前に言ってるだろ。
おじさんじゃなくて、
グレゴさんって呼べって。▼
ノノもその様子じゃ
元気にしていたみたいだな。▼
[ノノ]
うん! お友達もたくさんできたよ!
でもね、アスク王国のまわりには
怖い敵がたくさんいるの。▼
だから、おじさんも早く来ないかなーって
ずっと待ってたの。▼
[バジーリオ]
へへっ、頼りにされてるじゃねえか。▼
[グレゴ]
お?
あんたもアスク王国に来てたのか。▼
[バジーリオ]
俺だけじゃねえよ。
フラヴィアもロンクーもいる。
フェリアの大物が勢揃いだ。▼
でもって今は
ペレジアのムスタファー将軍とも
肩を並べて戦っているときたもんだ。▼
[ノノ]
ムスタファーおじちゃん、優しいんだよ!
いつもノノにアメをくれるの!▼
[グレゴ]
へえー。そうそうたる
面子が揃ったもんだな。▼
[バジーリオ]
お前だって剣の腕前は
錆びついちゃいないんだろ?
久しぶりに真剣勝負で戦ってみるか?▼
[グレゴ]
いや、今の俺はただの傭兵だぜ。
金にならねー勝負なんてお断りだね。▼
それに頑張りすぎると次の日
身体がしんどくてなー。▼
[バジーリオ]
なにをおっさんくさいことを…
いや、立派なおっさんか。▼
[ノノ]
うん。完璧なおじさんだねー。▼
[グレゴ]
おじさんじゃなくて、おにーさん!
見てろよ。身体にガタがきてようが
心意気は若いもんに負けるつもりはねえ。▼
[バジーリオ]
言うじゃねえか。その心意気とやら
ぜひとも見せてもらいたいもんだな。▼
[グレゴ]
俺は俺のやり方でやらせてもらうぜ。
次の戦場での活躍、しっかり見とけよー。▼

B

[グレゴ]
心意気は若いもんに
負けるつもりはねえ、か。
つい大見得を切っちまったが…▼
頑張ったところで
給金が増えるわけでもなし。
どうしたもんか…▼
[ラクチェ]
スカサハ、遅れないで!
私たちで突破口を開くわよ!▼
[スカサハ]
了解だ。
日頃の鍛錬の成果
ここで形にする!▼
[キヌ]
ベロア、どっちがいっぱい
敵をやっつけられるか、競争しよ!▼
[ベロア]
面倒ですが…
そのほうが早く帰れるというなら
頑張らないこともないです。▼
[オーシン]
せりゃあ!
俺とプージは今日も絶好調だ!
どっからでもかかってこい!▼
[タニア]
オーシン、前に出過ぎだってば!
援護するこっちの身にもなってよね!▼
[グレゴ]
……。
いやー、若いってすげえなー。▼
恐れを知らねえっていうか
まわりを見てねえっていうか。
若さとは熱さなりってところか。▼
おおっと、いかんいかん。
感心している場合じゃねえなー。
俺も負けてらんねーぞ。▼
ん? あれは…。▼
[セーバー]
はっ! おらよっ!▼
あいつら、勢いだけで
突っ走るのはいいけど
討ち漏らしが多過ぎやしないか?▼
[セテス]
そう言うな。
勢いに任せた戦いは若者の特権だ。▼
[ラガルト]
暗殺者は矢面に立つ存在じゃない。
あいつらの後ろで戦うほうが
オレにはやりやすいがね…▼
[グレゴ]
……。
へえー。突っ走る若いもんを
あいつらが支援しているのか。▼
ヴァイス・ブレイヴには
渋い戦い方をする連中もいるんだなー。▼

A

[グレゴ]
よお。お疲れさん。▼
[セーバー]
ん? あんたは…▼
[グレゴ]
俺はグレゴ。あんたと同じ傭兵だ。
司教さんと盗賊稼業ってところか。
珍しい組み合わせだな。▼
[ラガルト]
盗賊稼業ってわけじゃないが…
ま、どっちでもいいさ。
よろしくな、グレゴ。▼
[セテス]
私はセテス。
フォドラのガルグ=マグ大修道院で
大司教補佐の職を預かっている。▼
ヴァイス・ブレイヴにはさまざまな
異界からいろいろな立場の人間が集まり
一丸となって敵と戦っている。▼
グレゴ、君の来訪も歓迎しよう。
是非、アスクの民のために
力を貸してくれ。▼
[グレゴ]
あー、そいつは問題ねえよ。
今の雇い主はヴァイス・ブレイヴだ。
報酬さえもらえれば仕事はこなすぜ。▼
でだ。さっきの戦い、見事だったな。▼
突っ走る若いもんを支える立ち回り。
戦場のすべてがよく見えてないと
ああいう戦い方はできねえ。▼
[ラガルト]
若手を支える立ち回り、ねえ。
そんな大層な目的じゃないが、
結果としてそうなっちまっているな。▼
[セーバー]
危なっかしくて見てられないってのが
正直なところだけどな…▼
あいつらが戦いやすい場面を作ることで
いい結果に繋がることが多いのさ。▼
ノーヴァの港であのお嬢ちゃんに力を
貸してやってから、なぜか最近は
そんな役割ばっかりな気がするぜ。▼
[グレゴ]
なるほどなー。つまるところ
面倒見がいいってことか。▼
[ラガルト]
オレは真正面から戦わないってだけさ。
討ち漏らした敵の
後始末には慣れているしな。▼
[グレゴ]
でもよー、あんたらほどの腕前があれば
戦場の主役にもなれるだろうに。▼
もう少し目立つような戦い方も
できるんじゃないのか?▼
[セテス]
戦場の主役か…。
私はそのようなものに
こだわるつもりはない。▼
若手が活躍できるのは喜ばしいことだ。
彼らには伸びしろがある。▼
[セーバー]
金なんぞ積まれなくても
若い奴らには勢いがあるしな。▼
そして俺たちには経験がある。
あいつらの勢いを俺たちの経験で
活かしてやれれば御の字だろ?▼
[グレゴ]
おっさんにはおっさんなりの
戦い方があるってことか?▼
[ラガルト]
おいおい。
おっさん扱いしないでくれ。
こう見えてもまだ二十代なんだぜ。▼
[セーバー]
でも、雰囲気がおっさんなんだよなあ。
落ち着き過ぎてるっつーか。▼
[セテス]
ふむ。ヴァイス・ブレイヴでは
見かけと年齢が当てはまらないことが
往々にしてあるようだな。▼
[グレゴ]
まあ、数百年も生きている
小さい女の子とかもいるしなー。▼

S

[グレゴ]
若いもんの勢いを経験で活かす…。
なるほどな。互いの長所を活かさねーと
戦場じゃ生き残れねえしな。▼
若いもんには負けねーぜとか言ったものの
戦う相手が違うよなー。▼
[ノノ]
あっ! グレゴ!
探してたんだよ!▼
[グレゴ]
今度は呼び捨てかよ!
いや、おじさんよりはましか。
で、俺を探したっていったいなんだ?▼
[ノノ]
グレゴ、若いもんには負けないーって
張り切っていたよね?▼
いっぱい戦うなら
また、竜のうろこで作った腹巻きが
必要かなーって思って。▼
[グレゴ]
ありがとな。でも心配するような
無茶な戦い方はしねーから。▼
そもそも前にもらった腹巻きは
まだ大事に巻いているしな。▼
[ノノ]
ほんと? 無理はしないんだね?▼
[グレゴ]
戦場で目立ちたいとか
若いもんには負けないとか
そういうのはどーでもよくなった。▼
できることをやる。
積み上げてきた経験を活かすことが
一番、役に立つと思うしな。▼
[ノノ]
おじさんはおじさんらしく
戦うってこと?▼
[グレゴ]
だから、おじさんじゃなくて
グレゴさんだっつーの!▼
ま、なんだ…。これからも
ノノの背中は俺が守ってやるよ。▼
だからノノは
前を向いて全力で戦いな。▼
[ノノ]
うんっ、ありがとう!
グレゴ…グレゴおじさん!▼
[グレゴ]
だから、どーして素直に
グレゴさんって呼んでくれないわけ?▼

絶望へ導くもの ルフレ

C

[アルフォンス]
よしっ! 敵が一箇所にまとまった。
このまま一気に勝負をつけよう!▼
[エイル]
……!?
この気配は…
皆、伏せてっ!▼
[アルフォンス]
えっ…?▼
前方で…爆発…!?▼
[シャロン]
わ、わわわ!
爆風がこっちにまで!
みなさん、身を守ってくださいー!▼
[アルフォンス]
くっ…!▼
[エイル]
なんて威力…
これは魔道の…
いえ、もっと異質な力…▼
[アルフォンス]
みんな、無事か!?▼
[アンナ]
けほっ、こほっ!
な、なんなのよ、もうっ!?▼
[シャロン]
ひゃあっ! 見てください!
敵の陣地がほとんど
吹き飛んじゃっています!▼
[アルフォンス]
では、さっきの攻撃は…
味方がやったもの…?▼
[アンナ]
私たちも
巻き込まれそうだったけど?▼
[シャロン]
い、いったい誰なんでしょう?
アスク王国に召喚されたばかりの
英雄さんでしょうか…▼
[エイル]
……▼

(暗転)
[マーク]
特務機関の連中は…
巻き込まれなかったようですね。
素晴らしいお力です。ギムレー様…▼
[ルフレ]
感じますか?
私の中に満ちている、この力を。▼
[マーク]
はい。絶望を運ぶ強大な力…
邪竜の力をその身にすべて
宿されたのですね。▼
[ルフレ]
器に残っていた心は
抵抗しましたが…▼
もはやその残滓も消えたことでしょう。
この身体は完全に
邪竜ギムレーの現し身となり…▼
この世界に降り立つ過程で
私はさらなる強大な力を
この身に宿すことができたのです。▼
[マーク]
それが…ギムレー様が
召喚に応じた理由なのですか?▼
[ルフレ]
異界を渡ることで
新たな力を獲得できる可能性…
そう、私は予想していたのです。▼
この身に
さらなる破滅の力が宿る未来を。▼
[マーク]
ギムレー様…▼
[ルフレ]
まずは情報を。
それが今の私に必要なものです。▼
邪竜の力を得た今の私に
成し得ぬことはなにもありません。▼
さりとて、わずかな慢心がすべてを
崩壊させる可能性もあります。▼
万全を期すため、些細な棘も
見逃すつもりはありませんよ。▼

B

[マーク]
ギムレー様、失礼致します。
? そのお姿は…▼
[ルフレ(通常)]
……▼

(白く光る)
[ルフレ]
ヴァイス・ブレイヴとやらを
自分の目で検分してきました。▼
彼らが見知った姿のほうが
無用な詮索は防げますから。▼
[マーク]
なるほど。だから
先ほどのようなお姿に…▼
ギムレー様、ご報告を。
アスク王国の現状について
まとめたものがこちらです。▼
[ルフレ]
ずいぶんと分厚い…
あなたを先にアスク王国に
送り込んで正解だったようですね。▼
[マーク]
詳細はその報告書にも
記しておりますが…▼
この世界の特筆すべきことは
数多くの異界が交わる
特別な場所であること。▼
開かれた世界として
存在し続けることを宿命づけられ
創造された世界であるということです。▼
[ルフレ]
開かれた世界…ですか。▼
[マーク]
あらゆる異界と交わる
開かれた世界であるがゆえに…▼
この世界は様々な勢力に狙われ
常に危機に瀕した状態にあります。▼
[ルフレ]
戦いの終わらぬ世界というわけですか。
面白いですね。▼
[マーク]
そしてひとつ、やっかいな問題が。
神竜ナーガの息がかかった英雄たちが
数名、召喚されているようです。▼
今のギムレー様のお力をもってすれば
取るに足らない存在かもしれませんが…▼
[ルフレ]
ふん。想定していたこととはいえ
忌々しい存在ではありますね。▼
[マーク]
それだけではありません。
この世界には世界を創生する力を持つ
存在も呼び寄せられているのです。▼
[ルフレ]
……▼

A

[ルフレ]
世界を創生する力を持つ者…
すなわち、人間が神と呼ぶ存在も
特務機関に力を貸しているのですね?▼
[マーク]
はい。ギムレー様と同様に
世界を滅ぼせるだけの力を有した英雄も
アスク王国に降り立っているようです。▼
堕落した人間に終焉をもたらす女神や
神の力を簒奪し、
欲望のために行使する者。▼
彼らが振るうのは理を超えた力。
事を構えるのは
得策ではないかもしれません。▼
[ルフレ]
どんな存在が立ちはだかろうと
私の歩みを止めることはできませんよ。
ですが、腑に落ちませんね…▼
アスク王国の召喚師は
なにゆえにそれらの神々を集めたのか。▼
[マーク]
……▼
特定の力を突出させぬよう
互いに牽制させ
抑止力としているのでは?▼
[ルフレ]
抑止力というものは
完全に制御下に置かないと
正しく機能しません。▼
召喚で結んだ契約があるとはいえ
あの召喚師にそれだけの力が
あるようには思えませんね。▼
[マーク]
自分が調べた限りでは
あの召喚師は一介の人間。▼
元々はアスク王国の者ではなく
異界からこの地にやってきて
特務機関に手を貸しているそうです。▼
[ルフレ]
……▼
[マーク]
手にした神器に計り知れぬ力を感じますが
神をもしのぐ力を有するとは思えません。▼
[ルフレ]
力は行使されずとも
存在するだけで脅威となります。▼
力を有した神々や英雄が集うことで
脅威を感じる異界も存在し
それが戦いの火種となる可能性もある。▼
……▼

S

[ルフレ]
邪竜の力を取り戻し
さらなる力を得た私を召喚する危険…
召喚師も理解していたはずです。▼
それでも私を呼ぶ必要があった。
なぜでしょうね…▼
[マーク]
……。
召喚師の背後に
もっと大きな意思があるとしたら…▼
召喚師も自らの意思で動いているのではなく
見えない力に動かされている可能性が?▼
[ルフレ]
私も同じことを考えていました。
一介の人間が世界の運命を
握ることなどありえません。▼
この世界を俯瞰して見ている存在が
どこかにいるはずです。▼
[マーク]
その存在の…
アスク王国における代理人が
あの召喚師だと?▼
[ルフレ]
ええ。
何者かが異界の神々をこの地に集め
争わせようと目論んでいるのか…▼
異界の神々が力を合わせれば
抗えないほどの大いなる危機が
アスク王国に迫っているのか…▼
いずれにせよ、
邪竜の力をそう易々と
利用できるとは思わないことです。▼
[マーク]
はい。この身が砕け散ろうとも
ギムレー様のため、尽力いたします。▼
[ルフレ]
神に並び立つ存在が立ちはだかろうと
一歩も譲るつもりはありません。
誰も私に指図も強要もできませんよ。▼
私がこの力を得て
アスク王国に降り立った意味は
私自身が見つけてみせます。▼
邪竜として、私がこの世界に
なにをもたらすのか、実に楽しみですね。
ふふ…ふふふ…▼

自警団見習い リヒト

C

[フィヨルム]
それではいきますね。
私が攻撃する前に
魔道を発動させてみてください。▼
[リヒト]
で、でも、もし攻撃が
フィヨルム王女に当たっちゃったら…▼
[フィヨルム]
私のことは心配しなくても大丈夫ですよ。
こう見えても守りには自信があります。
精神を集中してください!▼
[リヒト]
…わかりました!
お願いします!▼
[フィヨルム]
いきます…! やあっ!▼
[リヒト]
ファ…ファイ…うわわっ!▼
[フィヨルム]
だ、大丈夫ですか?
攻撃は当たっていないはずですが…▼
[リヒト]
だ…大丈夫です!
フィヨルム王女のせいじゃなく
僕がよろけただけだから…。▼
攻撃が来るってわかっていても
槍が迫って来ると
つい焦っちゃって…▼
はぁ…こんなんじゃダメだ。
もっともっと魔道の
腕をあげないと…▼
[フィヨルム]
気落ちしなくとも
訓練を積み重ねれば
きっと成果は出せますよ。▼
[リヒト]
でも、僕は早く強くなって、
クロムさんの…ヴァイス・ブレイヴの
みんなの役に立ちたいんだ!▼
どうすればもっと成長できるのかな。
今の僕になにが足りないんだろ…▼
[フィヨルム]
成長するために
足りないものですか。▼
そうだ、ここはひとつ
ヴァイス・ブレイヴの魔道士に
師事してみては?▼
[リヒト]
魔道を習ってみるってこと?
でもみんな、忙しいんじゃ…▼
[フィヨルム]
英雄のみなさんはいつも
戦いに出ているわけではありませんよ。▼
仲間の成長のためなら手助けしてくれる
魔道士もきっといらっしゃるかと。▼
[リヒト]
ホント? なら、教えてもらいたいな!
子ども扱いしない先生だとうれしいけど。▼
[フィヨルム]
まずはアンナ隊長に相談してみましょうか。
先生にふさわしい魔道士を
紹介してくれるはずです…!▼

B

[アンナ]
魔道を習う師匠ねぇ。▼
適任なのはパントやセティ…
それにラインハルトあたりかしら。▼
[フィヨルム]
ニイメ様とカナスさんは
どうでしょうか?▼
[アンナ]
教えるのはうまそうだけど
闇魔法専門なのよねぇ…▼
[リヒト]
僕、呪術に興味があるから
呪術の先生でもいいよ!▼
[アンナ]
あれこれ手を出さずに
今のリヒトが習得している
魔道を伸ばすほうがいいと思うわよ。▼
[フィヨルム]
マリクさんはどうでしょうか? 魔道の学院に通われて
若くして高位の魔道士の座に
登り詰められたと聞きました。▼
[アンナ]
なるほど、マリクがいたわね。
彼はアリティアから魔道都市カダインに
留学していた実績があるのよ。▼
人間的にもしっかりしているし
魔道の腕も申し分ないわね。▼
リヒトと歳も離れていないし
相談に乗ってくれるんじゃないかな。▼
[リヒト]
マリクってもしかして
いにしえの英雄王を支えたという
【風の魔道士】のこと!?▼
そんな伝説の英雄から魔道を習えるなら
僕もきっと成長できるよ!▼
[フィヨルム]
決まりですね。
では、さっそく会いにいきましょう。▼

(暗転)
[マリク]
弟子…ですか?
確かにヴァイス・ブレイヴの若い魔道士に
魔道を教えたりすることはありますが…▼
ぼく自身も修行中の身ですから
弟子を取るのは早いかと。▼
[リヒト]
お願いです! マリクさん…
いえ、マリク師匠!▼
僕は命を賭けて助けてくれたクロムさんに
早く恩返しがしたいんです!▼
そのためにはちゃんと成長して…
クロムさんの役に立てるような
立派な魔道士にならなきゃダメなんです!▼
[フィヨルム]
どうでしょう、マリクさん。
前向きに検討していただけると…▼
[マリク]
……。
リヒト、君が抱いている願いは
ぼくにも理解できるよ。▼
わかりました。お受けしましょう。
ぼくが役に立てるなら力になるよ。▼
[リヒト]
わぁっ! ありがとうございます!▼
[フィヨルム]
よかったです! マリクさんなら
きっと理想の先生になれますね。▼
[リヒト]
よろしくお願いします、マリク師匠!
フィヨルム王女もありがとうございます!▼

A

[マリク]
戦いのあとで疲れていると思うけど…
先日教えた風魔法のおさらいをしようか。▼
[リヒト]
はい! お願いします、マリク師匠!▼
[マリク]
あの…師匠という呼び方は
ぼくにはまだ早いよ。▼
[リヒト]
いえ! 魔道を習いはじめて
まだ日は浅いけど…
毎日が発見と気づきの連続です!▼
師匠と呼ぶにふさわしいと
僕は感じています!
師匠がダメなら先生で!▼
[マリク]
じゃあ、せめて
マリクさんあたりでどうかな?▼
[リヒト]
ししょ…マリクさんがそう言うなら。▼
[マリク]
ありがとう。それじゃいくよ。
風魔法のおさらい、はじめよう。▼

(暗転)
[リヒト]
はぁ、はぁ、はぁっ…
あ、ありがとう…ございました。▼
[マリク]
大丈夫かい? 無理は禁物だよ。
魔道を発動させると
気力や精神力を消耗するからね。▼
あまり無理をすると
取り返しのつかないことになる。
自分の身体を労わることを忘れずにね。▼
[リヒト]
はい。肝に銘じておきます。▼
でも、マリクさんはすごいなあ。
あれだけ連続で風魔法を放って
顔色ひとつ変わらない…。▼
これが…高位の魔道士の力…
生まれ持った才能もあるのかなあ。▼
[マリク]
ぼくは、自分に才能があるなんて
一度も思ったことはないよ。▼
高名な魔道士の血筋でもないし、
家柄だって平凡な貴族だ。▼
[リヒト]
僕と一緒だ!
でも、僕の家は貴族とは名ばかりで
両親も肩身の狭い生活をしている…▼
だから早く立派になって
家の名誉を取り戻し、両親を助けるのも
僕の夢のひとつなんです。▼
[マリク]
両親を助ける…か。▼
ぼくの故郷では、貴族が出世したいなら
魔道士になるなんてもってのほか。
最初はみんなにも反対されたよ。▼
[リヒト]
えっ!? そうだったんですか。
マリクさんはそれでも
魔道士の道を選んだんですよね?▼
[マリク]
そんなぼくの志をマルス様と
マルス様の姉上のエリス様が
後押ししてくれたんだ。▼
そのおかげで、ぼくは
魔道都市カダインに
行くことができた。▼
[リヒト]
マルス様たちが…。▼
[マリク]
リヒト、君が持っている
両親の力になりたいという想いは
とても素晴らしいと思う。▼
その思いやりはきっと
魔道の上達の助けになるはずだよ。▼
[リヒト]
ほ、本当ですか…!?▼
[マリク]
そしてリヒト…
君はすでに思いやりの心を持っている。
成長するために一番大切なものをね。▼

S

[マリク]
確かに血筋や才能も
魔道の成長に影響する。▼
でも、ぼくは思うんだ。
魔道の本当の力を引き出すのは
心の強さじゃないかって。▼
それはなにから作られると思う?▼
[リヒト]
心の強さ…うーん、うーん…。
なにかをなしとげたい、守りたいと思う
気持ちから作られる…かな?▼
[マリク]
そのとおりだよ。
クロムさんや両親への想い、それが
君の心を強くしてくれるはずだ。▼
君はすでに手に入れているんだよ。
成長するための才能をね。▼
[リヒト]
……▼
[マリク]
ぼくも魔道の修行をはじめたとき
自分に才能はないと思って
何度も挫折しそうになったよ。▼
[リヒト]
…マリクさんにも
そんなことがあったんですね。▼
[マリク]
でもね、そんなときに支えてくれたのは
マルス様やエリス様の言葉だった。▼
彼らに報いるためにも
ぼくは前に進まなきゃいけない。
立ち止まるわけにはいかない。▼
魔道の才能や血筋がなくても
ぼくが成長することができたのは
その想いがあったからだよ。▼
[リヒト]
マリクさん、僕も成長できるかな?
みんなの期待に応えられるくらい
強くなれるかな?▼
[マリク]
焦らなくてもいいよ。
君はいい魔道士になれる。
だから一歩一歩、着実に進もう。▼
誰かのために戦える思いやり。
それだけを信じて。▼
[リヒト]
ありがとうございます、マリクさん!
がんばります、一歩…
いや半歩ずつでも成長できるように。▼
クロムさんや両親だけじゃない。
この世界にやってきてから
ぼくと友達になってくれたみんな。▼
フィヨルム王女やアンナ隊長
そしてマリクさんに恩返しするために
僕は成長してみせます。▼
誰かのために戦える魔道士に
僕はなるんだ、きっと!▼

天馬の忠臣 フィレイン

C

[フィレイン]
そこ! 雑な飛び方をするな!▼
天馬は乗り手の心を敏感に感じ取る。
怠惰な心持ちは、天馬の羽ばたきに
即座に影響すると心せよ!▼
[マーシャ]
わ、わかりました!▼
[シャニー]
うう、今度来た教官も厳しいなあ。▼
[シーダ]
が、頑張ってついていかないと…▼
[タニス]
感謝する、フィレイン団長。
私の目の届かぬところまで
しっかりと補佐していただいて。▼
[フィレイン]
別に感謝されるようなことでは。
私の責務を果たしているだけです。▼
[タニス]
技術のみならず、心まで鍛えてくれる…
実に見事だ。厳しさが心地いい。▼
貴殿の率いていた
イーリス聖王国天馬騎士団も
さぞや精強な騎士団だったのだろう。▼
[フィオーラ]
ヴァイス・ブレイヴの天馬騎士には
年若い娘も多く、私たち年長の者による
後進の育成が求められています。▼
ですが、彼女たちを支える
教導役が少ないのが目下の悩み…▼
[タニス]
フィレイン団長のような人物に
助力いただけるのは
彼女たちにとってよい機会だろう。▼
[フィレイン]
どの天馬騎士からも
才能の輝きを感じます。
さすが異界から選りすぐられた英雄たち。▼
実に鍛え甲斐がある。
導き手として腕が鳴るというもの。▼
[マーニャ]
それは心強い。
引き続き午後の指導も頑張りましょう。▼
[シャニー]
…なんかあっちのほう
妙に盛り上がってるみたいだね。▼
[シーダ]
フィレイン団長が加わってから
指導に熱を帯びた感じがしますよね。▼
[マーシャ]
結局、鬼教官がまた増えたってこと?▼

(暗転)
[ティアモ]
まさかフィレイン様と
アスク王国で再び出会えるなんて…▼
[スミア]
私は正式な天馬騎士ではなかったので
教えを請えるのはうれしいです。▼
[ティアモ]
でも、あのフィレイン様は
ご自身の運命を知っているのかしら。▼
[スミア]
あ…▼
[ティアモ]
人質にとられたエメリナ様を助けるため
ペレジアの砂漠で命を落とされた…▼
もしその事実を
フィレイン様が知らないとしたら…?▼

B

[フィレイン]
どうした、ティアモ!
イーリスでの訓練を忘れたか!?▼
[ティアモ]
くっ! まだまだ!▼
[フィレイン]
同郷だからといって手加減しないぞ。
本気でかかってこい!▼
[ティアモ]
はい! もう一度お願いします!
あたしならやれるはず! やあっ!▼

(暗転)
[スミア]
やっ…! たぁっ!▼
[フィレイン]
なんだ、その生ぬるい突きは!?
そんなものでは
亀すら仕留められんぞ!▼
[スミア]
はぁ、はぁっ…!
槍を持つ手が重い。でも、私は…!▼
[フィレイン]
もっと腰を入れろ!
その程度の覇気でクロム様やリズ様を
どうやってお守りするつもりだ!▼
それとも、ここで泣いて逃げ出すか?
お前に心を許してくれた
その天馬と一緒に!▼
[スミア]
い、いえ! やりますっ!
私は…逃げません!▼

(暗転)
[ティアモ]
はぁ、はぁ、はぁっ…
ありがとうございました。▼
[スミア]
うう…槍を持つ手に力が入りません。▼
[フィレイン]
二人とも、よくがんばった。▼
アスク王国でも
鍛錬は怠っていなかったようだな。
その点は褒めてやろう。▼
しかし、まだまだ伸びしろがある。
そのすべてを引き出すまで
指導の手を緩めるつもりはない。▼
[ティアモ]
はい! 望むところです。▼
[スミア]
が、頑張って…ついていきます!▼
[フィレイン]
いい覚悟だ。目を見ればわかる。
それがお前たちの本心から
出た言葉だということがな。▼
……。
私も本心を言えば、お前たちに
再びこうして指導できてうれしい。▼
元いた世界ではすべてを伝えきる前に
別れてしまったからな。▼
[ティアモ]
フィレイン様!?
まさかあなたはご自身の運命を…▼

A

[フィレイン]
私が最後に見たのは
屍兵たちが放った
無数の矢だった。▼
[ティアモ]
……▼
[フィレイン]
天馬騎士が空で死ぬのは本望だ。
天馬騎士団に入ったときより
死ぬ覚悟はできていた。▼
しかし、私は果たせなかったのだな。
エメリナ様をお守りするという
なによりも大切な使命を…▼
[スミア]
フィレイン様…▼
[ティアモ]
申し訳ありません、フィレイン様。
あのときあたしは…あたしたちは
あなたのお力になることができず…▼
[スミア]
私たちがペレジアの策略を見抜ければ
もっとうまくやれていたかも…▼
[フィレイン]
自惚れるな。
戦いとはそう簡単なものではない。▼
一人や二人の戦士の力で
趨勢を変えるのは難しいのだ。▼
そして、お前たちが詫びる必要はない。
顔を上げろ、ティアモ、スミア。▼
[ティアモ]
は、はい…。▼
[フィレイン]
この世界に来て
クロム様やリズ様に聞いた。▼
私が去ったあと
お前たちは天馬騎士として
大きく羽ばたいてくれたと。▼
[スミア]
クロム様たちが
そうおっしゃったのですか?▼
[フィレイン]
ペレジアとの戦いで
イーリス聖王国天馬騎士団は
壊滅状態に陥った。▼
しかし、その志は死んではいない。
ティアモ、スミア、お前たちが
引き継いでくれたと信じている。▼
[ティアモ]
は、はいっ!
フィレイン様と交わした最後の言葉を
あたしは覚えています。▼
天馬騎士団の魂は、いつもともにある。
たとえどれだけ離れようとも…▼

S

[フィレイン]
空は一人で飛ぶものではない。
天馬や飛竜…彼らと運命を共有し
我々は大空を翔ける。▼
その翼の先には
仲間たちの姿もあるはずだ。▼
仲間の存在を感じ、支え合うことで
我々はさらに高く羽ばたけるのだ。▼
[スミア]
それが、魂はいつもともにある…
ということなのですね。▼
[フィレイン]
そうだ。イーリスの空でも
異界の空でも関係ない。▼
心の中で想うことで魂はともにある。
空は繋がっているのだ。▼
[ティアモ]
アスクの空もイーリスと繋がっている…▼
[フィレイン]
天馬騎士個人の技量を引き上げようと
一人の強さには限度がある。▼
しかし、仲間たちと絆を育み
ともに大空を翔けることで
その強さは何倍にも大きくなる。▼
いいか、常に仲間の存在を感じるんだ。
それを忘れるな。▼
[ティアモ]
はい! 心に刻んでおきます!▼
[フィレイン]
スミア、正式な天馬騎士ではなくとも
私たちはともに空を翔ける者。▼
そこに生まれた絆を大切に
多くの仲間と想いを育んでほしい。▼
[スミア]
わかりました!
その言葉、忘れません。▼
[フィレイン]
この想いが未来に引き継がれるなら
それは多くの天馬騎士たちの
力となるはずだ。▼
燃やし尽くした私たちの命は
無駄ではなかったと証明してくれ。
ティアモ、スミア。▼
[ティアモ]
フィレイン様の想い
決して無駄にはしません。▼
ヴァイス・ブレイヴの仲間たちとも
天馬騎士として
さらなる高みを目指してみせます。▼
[スミア]
ティアモに全部言われてしまいましたが
わ、私も同じ想いです!▼
[フィレイン]
うむ、期待しているぞ。
私はもう少し訓練をしてくるか。▼
早くアスク王国の空に
慣れておきたいからな。▼

(暗転)
[フィレイン]
いい空だ。
どこまでも青くどこまでも広い。▼
こうして一人で飛んでいるときも
翼の先にいる仲間たちの存在を感じる。▼
ともに行こう。
この青い空に平和が戻るまで。
今度こそ大切なものを守るために。▼

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Last-modified: 2024-07-09 (火) 12:53:04
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