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章別会話
託された志†
託された志†
オープニング†
- [レギン]
- はぁっ、はぁっ…
うう、全力で急いだけど
間に合わなかったの…▼
- [ハーケン]
- 村が…荒らされている。
一足遅かったか。▼
- [イサドラ]
- すでに盗賊の姿はありませんね。
略奪を終えて
引き上げたのでしょうか?▼
- [ウィル]
- ちくしょう!
おれたちがもう少し早く来てれば…▼
- [ニノ]
- あっ! 向こうに
村の人たちがいるよ。
みんな、無事だったのかな?▼
- [イサドラ]
- まずは皆さんの
安否を確認しましょう。▼
- [ニノ]
- ……▼
- [レギン]
- ニノ、どうかした?▼
- [ニノ]
- なんだか村の様子がおかしくない?
静かすぎるっていうか…▼
- [ウィル]
- そりゃあ盗賊に荒らされたんだぜ?
気持ちも暗くなるってもんだろ。▼
- [ハーケン]
- いや、確かに妙だ。
ニノの言う通り静かすぎる。
これはいったい?▼
- [ニノ]
- あっ! 子どもだ!
子どもの姿が見えないんだ!▼
- (暗転)
- [ハーケン]
- なんということだ。
盗賊は村の蓄えだけでなく
子どもたちまで連れ去るとは…▼
- [レギン]
- 盗賊をやっつけて
早く連れ戻してあげるの!▼
- [イサドラ]
- そうしたいのは山々ですが
子どもたちを人質にされる
可能性もありますね。▼
- [ウィル]
- せめて子どもたちがどこにいるか
居場所だけでもわかるといいんだけど。▼
- [ハーケン]
- 盗賊の根城は、山の中腹にある洞窟。
内部は入り組んでいて
外から様子を知るのは難しそうだ。▼
- [ウィル]
- 下手に手出しできないってわけか。
こいつはやっかいだな。▼
- [ニノ]
- あのね、ひとつ考えがあるんだけど。▼
あたしが村の子どものふりをして
根城に近づいて、
盗賊に捕まるのはどうかな?▼
- [レギン]
- えっ? 捕まるって…
ど、どういうことなの?▼
- [ニノ]
- 子どもたちのいる場所を
あたしが見つけ出して
隙を見て、みんなを連れて逃げるから!▼
- [ウィル]
- だ、大丈夫か、その作戦?
危なくないか?▼
- [ニノ]
- まさか盗賊も、あたしみたいな子どもが
ヴァイス・ブレイヴだとは
思わないんじゃないかな。▼
大丈夫だよ! なにかあったら
みんなが助けに来てくれるって
あたし、信じてるから。▼
みんなとアスク王国に召喚されて
一緒にいた時間は
そんなに長くはないけど…▼
みんなは何度も助けてくれたよね?
だからあたしはみんなを
とーっても信用してるんだよ。▼
もちろん、レギン王女も!▼
- [レギン]
- ニノ…ありがとうなの!▼
- [ハーケン]
- 絆を信じるというわけか。
ならば、その期待には応えねばなるまい。▼
ニノが我々を信じるというなら
私もニノを信じたい。
どうだろうか?▼
- [イサドラ]
- …わかったわ、ニノ。
あなたにアジトへの潜入を任せます。▼
みんなで力をあわせて
子供たちを救い出しましょう。▼
- [ウィル]
- 一人で大丈夫かなあ、ニノ?
もしかして身元が割れて
ひどい目に遭ってるんじゃ…▼
- [レギン]
- だ、大丈夫なの!
今は信じて待つよりほかはないの。▼
- [イサドラ]
- ニノから合図があったら
我々は盗賊のアジトを正面から急襲。▼
その際にニノとレギンが
子どもたちを安全な場所まで逃がす。
これが作戦の流れよ。▼
- [レギン]
- 任せて!
私のグリンブルスティなら
たくさんの子供たちを乗せられるから!▼
- [ウィル]
- やっぱ、おれも一緒に
行けばよかったんじゃないですかね?
きっと普通の村人にしか見えないだろうし。▼
名だたる英雄が揃う
ヴァイス・ブレイヴの一員とは
思われない自信がありますよ!▼
- [レギン]
- 大人が行っても
人質にされるどころか
酷い目にあわされるだけなの。▼
- [ウィル]
- そ、そうか。
俺は弓で頑張ることにします。▼
- [ハーケン]
- ニノも【黒い牙】の一員だった。
潜入任務に関しては
それなりの心得はあるはずだ。▼
それに元【黒い牙】だとしても
ニノは信ずるに足る英雄だ。
私はそう思っている。▼
- [イサドラ]
- ハーケン、
あなたはまだ【黒い牙】のことを…▼
- [ハーケン]
- ……。▼
- [レギン]
- あの、聞いてもいい?
ハーケンと【黒い牙】はどんな関係なの?▼
- [ハーケン]
- 私がいた…フェレ騎士団の
仇である魔道士ネルガル。
【黒い牙】は奴と繋がる暗殺組織です。▼
私は仲間の仇を討つために
【黒い牙】に潜入し
復讐の機会を窺っていたのです。▼
- [レギン]
- そんなことが…
でも、ヴァイス・ブレイヴには
【黒い牙】のメンバーもいるよね?▼
- [ハーケン]
- 存じております。
しかし、今は過去にこだわるより
成すべきことがあります。▼
まずはニノと村の子どもたちを
助け出すことだけを考えましょう。▼
- [レギン]
- はい、なの!
私も頑張るの!▼
- [ハーケン]
- 私はこれから別行動を取る。
皆は手筈どおりに動いてくれ。▼
- [イサドラ]
- ハーケン、約束してほしいの。
決して無茶はしないで…▼
- [ハーケン]
- 無論だ。私の身勝手な行動で
誰かを悲しませるわけにはいかない。
心配させてすまない、イサドラ…▼
- [ニノ]
- むー。
捕まったのはいいけど
手足をきつく縛りすぎだよ、もう。▼
だけど、
捕まっている子どもたちの数と
居場所はだいたい予想ついたし…▼
あとはこの縄を切って
こっそり脱出するだけ…▼
んしょ、んしょ。
もう、本当に硬いんだから!▼
魔道書も手元にないし
なにか利用できそうなものは、と。▼
- [ハーケン]
- それならば
私の剣がうってつけだろう。▼
- [ニノ]
- あ、ありがとう!
これで自由に動けるよ。▼
…って、ハーケンさん!?
もう助けに来てくれたの!?▼
- [ハーケン]
- しっ、声が大きい。
単独で潜入して敵将を討ち取る…
私の得意とする戦い方のひとつだ。▼
盗賊の注意が
ニノに向いている間に潜入した。▼
騎士ならば正面から攻め入るのが
正道だが、仲間を助けるためだ。
手段など選んでいられない。▼
- [ニノ]
- ありがとう!
やっぱりハーケンさんは
信頼できる人だね!▼
子どもたちの居場所はわかってるよ!
すぐに助けにいこう!▼
- [ハーケン]
- 通路の奥に私が通った抜け穴がある。
脱出の準備が整ったら
そこから合図を送るんだ。▼
- [ニノ]
- うん! 急ごう!▼
- (暗転)
- [ウィル]
- おっ、上がった! 上がりました!
ほらほら、間違いないですよ!
ニノからの合図ですって!▼
- [レギン]
- そんなに騒がなくても
ちゃんと見てるの!▼
- [イサドラ]
- うまくいったみたいね、ハーケン。
さあ! このまま私たちも
アジトへ攻め入りましょう!▼
- [ウィル]
- 了解です!
「兵士強化マニュアル」で鍛えた弓の腕
存分に見せてやりますよ!▼
- [レギン]
- 兵士強化マニュアル?
なにそれ? 気になるの…▼
- [イサドラ]
- ヴァイス・ブレイヴの一員として
アスク王国の平和を乱す不逞の輩
許すわけにはいきません!▼
- [ウィル]
- 出てきた出てきた!
こっちの数は少ないが精鋭揃いだぜ!▼
盗賊め、村を荒らした罪は
しっかりと償ってもらうからな!▼
- [レギン]
- 私はニノたちと合流して
子どもたちを運ぶの!▼
- [イサドラ]
- お気をつけて、レギン王女…!▼
- [ウィル]
- おれが後ろから弓で援護しますよ!
安心して突撃してください!▼
- [レギン]
- よろしく頼むの!
いっくぞー!▼
- (暗転)
- [ハーケン]
- 外からの攻撃がはじまったようだな。
ニノ、子どもたちは…▼
- [ニノ]
- 全員無事!
いつでも脱出できるよ。▼
- [レギン]
- ニノ、ハーケン!
お待たせ!▼
- [ニノ]
- レギン王女!
これで準備が整ったね!▼
さあみんな、鉄の馬に乗って!
慌てなくていいからね。▼
- [ハーケン]
- レギン王女と一緒に
ニノも脱出するんだ!▼
私はしんがりを務める。
追ってくる敵は全て食い止めよう。▼
- [ニノ]
- う、うん、わかった!
無理しないでね!
行こう、レギン王女!▼
- [レギン]
- はい、なの! みんな
振り落とされないように
しっかりつかまってるの!▼
- [ハーケン]
- …賊どもがこちらに気づいて
集まってきたか。▼
ニノが危険を冒して実行した作戦…
つまずかせるわけにはいかない。▼
さあ、かかってくるがいい。
フェレ騎士として正々堂々
この剣を振るおう!▼
- (暗転)
- [ウィル]
- 盗賊の抵抗が止んだ…。
どうやら片付いたみたいだな!▼
- [レギン]
- 子どもたちも安全なところに
逃がしたし、あとは…▼
- [ハーケン]
- みんな、無事か。
洞窟の中にいる盗賊は
全員武器を捨てて降伏した。▼
- [ニノ]
- ハーケンさん!
無事だったんだね!▼
- [ウィル]
- よっしゃ!
おれたちの勝ちだー!▼
- [イサドラ]
- みんな、お疲れ様…。
一人の犠牲もなく作戦は成功よ。▼
- [ニノ]
- お互いを信じたおかげで
作戦がうまくいったんだよね。▼
あたし、思うんだ。
伝説の剣や強力な魔道書も
すごいと思うんだけど…▼
仲間を信じて戦うこと。
みんなとの間にある絆が
一番強い武器だと思う!▼
- [イサドラ]
- その武器を使いこなせるのは
仲間を大切に思うニノだからこそ。
私はそう感じるわ。▼
- [ニノ]
- そ、そう?
あたしはヴァイス・ブレイヴの一員として
できることをやってるだけだよ。▼
これからもヴァイス・ブレイヴの
みんなと一緒に
もっともっと活躍できるといいな!▼
- [ウィル]
- おーい、ニノ!▼
村長さんが子どもたちを
助けてくれたお礼がしたいって
来てくれたぜ!▼
- [レギン]
- 子どもたちがニノに
直接お礼を言いたいって!▼
- [ニノ]
- ホント? 待ってて!
すぐ行くからー!▼
- [イサドラ]
- いい子ね、ニノは。
まっすぐで迷いがない。▼
仲間を大切に思っているから
信頼しているからこそ…▼
今、自分がなにをすればいいのか
自分になにができるのか、はっきりと
わかっているのかもしれないわね。▼
- [ハーケン]
- 自分の成すべきことが
見えている、か…。▼
ニノは言っていたな。
ヴァイス・ブレイヴの一員として
できることをやっている、と。▼
- [イサドラ]
- ええ。たしかにそう口にしていたわね。▼
- [ハーケン]
- 【黒い牙】は私の仇だ。▼
しかし、この世界においては
アスク王国に暮らす
民のために戦っていると聞いた。▼
今はヴァイス・ブレイヴの一員として
アスク王国の民のために
覚悟を持って剣を掲げようと思う。▼
- [イサドラ]
- あなたがそう決めたのなら…
私はあなたの選択を支えるわ。▼
- [ニノ]
- ハーケンさん、イサドラさんもおいでよ!
みんながお礼をしたいって!▼
- [ハーケン]
- 私たちも行こうか、イサドラ。
今は仲間たちと
ひとときの勝利を祝おう。▼
- [イサドラ]
- ええ。この勝利を通じて
みんなの絆が深まることを
祈りつつ、ね。▼
影の勇者 ハーケン†
- [ハーケン]
- せやあっ! はぁっ!▼
- (白く光る)
- [ハーケン]
- ふう…。
片付いたか。▼
- [ディーク]
- やるなあ、お前。
見事なもんだ。▼
盾で相手の視線を遮って
死角からの一撃で敵を仕留める。
どこの傭兵だ?▼
- [ハーケン]
- 申し訳ないが…
私は傭兵ではない。▼
私はフェレ侯爵家に
忠誠を誓った騎士だ。▼
- [ディーク]
- なんだって?
てっきり歴戦の傭兵だと思ったんだが
まさか騎士様とはな…▼
- [ハーケン]
- ……▼
- [ディーク]
- おっと、気を悪くするな。
お前の戦い方について
どうこう言うつもりはねえさ。▼
- [ハーケン]
- いや、構わない。
申し遅れたが、私はハーケン。▼
- [ディーク]
- 俺はディーク。
お前と同じエレブ大陸の出身で
傭兵団の頭をやってる。▼
お前みたいな腕利きが味方だと
俺たちも心強い。
これからもよろしく頼むぜ。▼
- [シャニー]
- たいちょー!
アルフォンス王子が呼んでるよ!▼
- [ディーク]
- おっと、お呼びがかかったか。
邪魔したな、またな。▼
- [ハーケン]
- ……。
わかる者から見れば…
素性など隠せないものだな。▼
過去の自分は
そう簡単に消えない、か…▼
- [ディーク]
- よう、また会ったな。▼
- [ハーケン]
- ディーク、きみも
この戦場に来ていたのか。▼
- [ディーク]
- また同じ戦場に配属されたらしい。
お前のことは信用している。
今回もよろしく頼むぜ。▼
- [ハーケン]
- ああ、こちらこそ。
だが、戦いがはじまる前に
ひとつ伝えておきたいことがある。▼
- [ディーク]
- なんだ? あらたまって。▼
- [ハーケン]
- 先日、きみは私の戦い方が
傭兵のようだと言っただろう?▼
- [ディーク]
- ああ、言った。
実践向きで無駄がない。
様式や型にとらわれない。▼
敵を倒すための戦い…
手練れの傭兵のもんだ。▼
- [ハーケン]
- 私はフェレ騎士団に入る前
別の主の下で働いていたことがある。▼
まだ人間として未熟で…
剣を握る手に
誇りも良心もなにもない。▼
ただ、命じられるまま
血にまみれた…
薄汚い仕事ばかりをやっていた。▼
- [ディーク]
- なるほどな。
あの戦い方はその名残ってわけか。▼
- [ハーケン]
- 前の主は最後に私を裏切り…
使い捨てにしようとした。▼
エリウッド様のお父上である
エルバート様に拾っていただかなければ
私はむごたらしい死を迎えていただろう…。▼
- [ディーク]
- リキア同盟諸侯のエリウッド様なら
俺も話には聞いたことがある。▼
あの方のお父上なら
きっと立派な方だったんだろうな。▼
- [ハーケン]
- 私にはもったいない方だった。
だが、私はエルバート様を…▼
- [ディーク]
- ……。▼
それにしても、お前の前の主ってのは
なかなかのクズ野郎だったんだな。▼
俺もロクでもない雇い主に
酷い目に遭わされたことがある。
お前の気持ちも多少は理解出来るぜ。▼
ところで
なんで俺にその話をしたんだ?▼
- [ハーケン]
- きみほどの男なら
いずれ私の過去に気付く。
先に話しておいたほうが誠実だ。▼
- [ディーク]
- おいおい、そりゃ
買いかぶりってもんだぜ。▼
でも、そのバカ正直さは…
文句なしの騎士様だな。
嫌いじゃないぜ。▼
- [ディーク]
- ところで、お前の主の
エリウッド様は
その話を知っているのか?▼
- [ハーケン]
- いや、ご存じないはずだ。▼
だが、エリウッド様は
今の私を信頼してくれている。
私はその信頼に全力で応えるまでだ。▼
- [ディーク]
- なるほどな。今はいい主に
恵まれているというわけだな?▼
- [ハーケン]
- 今の私はフェレ侯爵家の騎士。
フェレ家の名に泥を塗らないよう
正々堂々戦わなければならない…。▼
しかし、いざ戦場に臨むと
無意識に昔の戦い方の癖が出る。▼
- [ディーク]
- …戦い方なんざ
どうでもいいんじゃねえか?▼
騎士様の振る舞いなんざ俺は知らねえが
主の身を守りきることが
一番大事なんだろ?▼
お行儀のいい戦い方をしたところで
守るべき主や自分が死ねば
元も子もねえからな。▼
戦って、勝って、生き残る…
それは騎士も傭兵も変わんねえはずだ。▼
- [ハーケン]
- たしかにきみの
言うとおりかもしれないな。▼
結果が伴わなければ…
守るべきものを守れなければ
なんの意味もない。▼
- [ディーク]
- ま、考えすぎるのもよくねえ。
逆に剣を鈍らせちまうからな。▼
- [シャニー]
- たいちょー!
もうすぐ軍議が始まるって!
早く早く!▼
- [ディーク]
- …だそうだ。
さあ、行こうぜ。▼
- [ハーケン]
- ……▼
- [エリウッド]
- よし、敵の攻勢は弱まったようだな。
今のうちに休める者は休んでくれ。
ケガをした者には手当てを。▼
ハーケン、さきほどの戦いは見事だった。▼
よく味方を守り抜いてくれた。
ありがとう。▼
- [ハーケン]
- エリウッド様…
もったいないお言葉です。▼
- [エリウッド]
- しかし、まだ戦いはこれからだ。
引き続き、みんなを守ってくれ。▼
- [ハーケン]
- はっ!
必ずやご期待に応えてみせます。▼
- (暗転)
- [ディーク]
- 見てたぜ、ハーケン。
いい戦いぶりだった。▼
- [ハーケン]
- ディーク、きみも無事だったか。▼
- [ディーク]
- あれだけの敵が押し寄せて来たのに
エリウッド様にはいっさい近寄らせず
すべて押し戻すとはな。▼
- [ハーケン]
- 騎士として成すべきことを
しているだけだ。▼
- [ディーク]
- どうやら吹っ切れたようだな。
俺は好きだぜ、お前の戦い方。▼
なにがなんでも大事なものを守る…
そんな強い意志が伝わってくる。▼
- [ハーケン]
- きみの言うとおり、勝って生き残ること
そして守るべきものを守り抜くこと。
それが騎士として成すべきことなのだろう。▼
私は物語の主人公でも
選ばれた勇者でもない。▼
どんな力であろうとも
持てる力は全部使わなければ…
大事なものは守れない。▼
- [ディーク]
- 持てる力は全部使う、か…。
なら次は、俺の力も使ってくれ。▼
- [ハーケン]
- きみの力を?▼
- [ディーク]
- ああ、俺がお前の背中を守る。
お前は俺を信じて全力で戦ってくれ。▼
- [ハーケン]
- ありがとう。心強いな。
そういうことなら
ぜひきみの力も貸してくれ。▼
- [ディーク]
- なぁに。お前と組むのは
俺にとっても益がある。お互い様だよ。▼
- [シャニー]
- たいちょー!
もうすぐ進軍を再開するって!▼
- [ディーク]
- おう、ちょうどいいところに来たな。▼
シャニー、次の戦いで俺たちは
あのフェレ騎士様とともに進む。▼
死にたくなけりゃ
死ぬ気でついてこい!▼
- [ハーケン]
- その期待、応えなくてはならないな。
私が持ちうる、すべての力を使って。▼
…エルバート様、あなたに
拾っていただいたこの命…▼
…フェレとアスク王国の未来のために
そして大切な仲間のために…
使わせていただきます…▼
稀代の弓使い ウィル†
- [フィヨルム]
- ウィルさん、訓練ご苦労様です。
アスク王国の生活には慣れましたか?▼
- [ウィル]
- いやーいいですねえ、アスク王国は。
飯もうまいし町の人たちも親切で
召喚されてよかったなーって…。▼
うわっ!?
誰かと思えば、フィヨルム王女!?▼
- [フィヨルム]
- え、ええ。私は
フィヨルムですが…▼
- [ウィル]
- い、いやそのっ!
王女様直々にお声がけとは…!▼
- [フィヨルム]
- その慌てよう、もしかして
お取り込み中でしたでしょうか?▼
- [ウィル]
- 驚いているんですよ!
おれみたいな村人その3に
王族だったら声をかけないでしょ?▼
- [フィヨルム]
- おっしゃる意味がよくわかりませんけど…。
なにかお困りのことがあれば
力になろうと思ったのです。▼
- [ウィル]
- いえ、ぜんぜんっ!
逆にいたれりつくせりで
申し訳ないっていうか…▼
さっきも立派な訓練場で
弓お練習をさせてもらったところですし
ご心配には及びませんとも!▼
- [フィヨルム]
- そうですか、安心しました。
それで弓のお手入れを
されていたのですね。▼
- [ウィル]
- ああ、これですか?
はい、弓があっての弓兵ですから
万全の状態にしておかないと!▼
- [フィヨルム]
- そうですね、大切なことだと思います。
でも、ご無理なさらず。ウィルさん自身の
お身体もご自愛くださいね。▼
- [ウィル]
- あ、ありがとうございますっ!
もったいないお言葉!
- [フィヨルム]
- それでは失礼します。▼
- [ウィル]
- ああっ、はい!
こちらこそ失礼しますであります!
……。▼
はああ、びっくりした!
王族の方がおれなんかに
声をかけてくれるとはなあ…▼
- [レベッカ]
- あら、ウィル。なんだか
ぼーっとしてるけどどうかしたの?
風邪でもひいた?▼
- [ウィル]
- おおっ、レベッカ! 聞いてくれよ!
今、フィヨルム王女がいらっしゃってさあ。▼
わざわざ話しかけてくれたんだよ!
おれなんか、村人その3だってのに!▼
- [レベッカ]
- 村人その3ってどういう意味?▼
- [ウィル]
- まあ、そのくらいの
存在感しかないって意味だよ。▼
しかし、ヴァイス・ブレイヴの
王族って村人にも優しいんだな。▼
召喚されたときお会いした
アルフォンス王子やシャロン王女も
親切だったし…▼
- [レベッカ]
- そうね。エレブ大陸にいたときより
距離が近く感じるのは事実ね。▼
でもウィル。村の出身だからって
引け目を感じる必要はないわよ。▼
ヴァイス・ブレイヴには
もとは村人だった英雄もたくさんいるし。▼
- [ウィル]
- えっ!? 村人出身なのは
おれとレベッカくらいだと思ってたのに!▼
- [レベッカ]
- んー、ピンと来てないって感じね。
そうだ、ちょうどいいわ。
明日の訓練、一緒に来る?▼
わたしたちみたいに
もとは村人だった英雄に会えるわよ。▼
- [ウィル]
- おっす!
おれ、弓使いのウィル!
よろしくな!▼
- [レベッカ]
- 彼は私の同じ村の出身で
幼なじみなの。▼
口を開けば余計なことばかり
言っちゃうけど、根は悪くないから。
みんな、よろしくね。▼
- [ウィル]
- 誰が失言大将だよ!?
まだ村人その3として
紹介されたほうがマシだよ!▼
- [ロビン]
- 俺はロビンっていうんだ。
村人出身同士、仲良くしようぜ!▼
- [クリフ]
- 僕はクリフ。
まあ、適度によろしく。▼
- [エフィ]
- エフィよ。▼
- [グレイ]
- 俺はグレイ。俺たちはみんな
バレンシア大陸にあるラムの村の出身さ。▼
- [ウィル]
- そっかあ。おれとレベッカみたいに
みんなも幼なじみってわけだな。▼
- [レベッカ]
- こちらはネフェニーさん。
テリウス大陸の出身なの。▼
- [ネフェニー]
- あたし、オマ村って
田舎の出身じゃけど…▼
村を守るために
クリミア王国軍に志願して…▼
- [ウィル]
- あっ! なんだか
おれと境遇が似てますね!▼
おれも一緒に旅をした
リンディス様のご実家
キアラン家に騎士として仕官したあと…▼
そのままリンディス様と一緒に
世界を左右する戦いに赴いたんですよ。▼
- [レベッカ]
- 今日集まってくれたみんなは
もともとは普通の村人だったわ。▼
だけど、戦場を命がけで戦って
英雄と呼ばれるまでになったのよ。▼
- [ウィル]
- そうか。ネフェニーさん以外も
全員似たような境遇なのか。
なんだか心強いよ。▼
ヴァイス・ブレイヴは王族や貴族だけ
じゃなくて、村人だって仲間として
受け入れてくれるんだな!▼
- [レベッカ]
- それだけじゃないわよ。
一部の英雄からは、元村人ってだけで
なぜか一目置かれちゃうのよね。▼
- [ウィル]
- はあ? 村人なのに?▼
それはアレか?
努力して英雄になったのはすごい!
みたいに尊敬の目で見られるとか?▼
- [クリフ]
- そのうちわかると思うよ。
ヴァイス・ブレイヴには…いるんだよ。
「最強村人」とか呼ばれている英雄がね…。▼
- [ウィル]
- よし、こちらの軍が優勢みたいだ。
このままいけば
おれたちの勝利で間違いないな!▼
にしても、敵が急に減った気がするな。
おれ、そんなにやっつけたっけ?▼
- [ドニ]
- ……▼
- [ウィル]
- ん!? まずいな…!
ドラゴンナイトの集団に
孤立した英雄が囲まれてる!!▼
- [ドニ]
- ……!▼
- [ウィル]
- しかも、あいつ…
鍋なんかかぶって戦ってるじゃないか!
危ねえったらありゃしねえ!▼
敵が空を飛んでいるなら
弓の出番だな!
おれがすぐに助けてやるからな!▼
- [ドニ]
- でぇぇぇい!▼
- (白く光る)
- [ウィル]
- え…?▼
- [ドニ]
- そいやぁ!▼
- (白く光る)
- [ウィル]
- す、すげぇ…。
なんて鋭い槍さばきなんだ!▼
- [ドニ]
- ていっ!▼
- (白く光る)
- [ウィル]
- お、おいおい、うそだろ?
あっという間にドラゴンナイトを
全滅させちまったぞ…。▼
おーい! だ、大丈夫か!?
たった一人ですごいな!
加勢する暇もなかったぜ。▼
きみ、いったい何者だ?
さぞかし名のある英雄…▼
- [ドニ]
- ん? おらのことだか?
英雄かどうかはわからねえけど
おらはドニって言うだ。▼
イーリス聖王国の
端っこの島から来た村人だべ。▼
- [ウィル]
- 村人!? さっきの動き
村人の常識を越えてたぞ!▼
あっ! きみが
噂の「最強村人」ってやつか!?▼
- [ドニ]
- 最強…? なんのことだべ?▼
- [ウィル]
- い、いや、ヴァイス・ブレイヴの
村人仲間から聞いたんだよ。▼
ここには最強村人と呼ばれる
すげえやつがいるって…。▼
- [ドニ]
- うーん…
それは別の英雄かもしれないべ。▼
- [ウィル]
- で、でもさっきの動き、すごかったよ。
ドラゴンナイトたちをババババってさ!▼
特にすごくもなんともないべ。
おらのしてることは畑仕事と同じでよ…▼
その日にやらなきゃなんねえことを
一生懸命やってるだけだべ。▼
- [ウィル]
- は、畑仕事と同じ!?▼
そ、そうか。
考えようによっては畑仕事も
死ぬか生きるかの大事な仕事だもんな。▼
きみにとっては戦いも同じ。
やるべき仕事をやってるってことか…。▼
- [ドニ]
- おらには立派な血筋も伝説の武器もねえ。
あるのは、この鍋くれえだ。▼
だから、自分のできることを探して
がむしゃらに頑張ってるってだけだべ。
へへっ。▼
- [ウィル]
- きみの強さの理由が
わかったような気がするぜ。▼
戦うのも畑仕事も同じか…
きみは村にいたときから
生き方を変えてないんだな。▼
うん、間違いない。
きみは最強の村人だ!▼
- [ウィル]
- よう、レベッカ。
昨日、噂の「最強村人」に会ったぜ!▼
- [レベッカ]
- へえ、よかったじゃない!
それで、どうだった?▼
- [ウィル]
- おれさ、自分が村人だってことを
気にしすぎてたのかもしれないな。▼
村人だとか王族だとかは関係なくて
やるべきことをやっていれば
結果はついてくるんだよな。▼
自分を見失わず
ぶれずに進み続けることが
強さに繋がるって思ったよ!▼
- [レベッカ]
- …驚いた、ウィルの口から
そんなまともな言葉が聞けるなんて。
もちろん、わたしも同じ意見だよ。▼
村人でも王族でも関係ない。
みんな自分ができることを探して
ヴァイス・ブレイヴで頑張ってる。▼
だからこそ王族の方々も
私たち村人にも分け隔てなく
接してくれるんじゃないかな。▼
- [ウィル]
- おれが家出同然に村を出たのって
一旗掲げて一獲千金を目指したから
なんだけどさ…。▼
案外、地道に日々の努力を重ねることが
成功への近道なのかもしれないな。▼
- [レベッカ]
- ふふっ…。
それがわかっただけでも儲けものね。▼
- [ウィル]
- なんだよそれ。
まるで自分はわかってたとでも
言いたそうじゃないか。▼
- [レベッカ]
- 言っとくけどね、
わたしは村で毎日狩りをして
弓の腕を磨いていたんだからね?▼
ウィルが一獲千金を夢見て
フラフラしてた間、ずーっとね。▼
- [ウィル]
- うっ、別にフラフラしていたわけじゃ
ないんだけどさ。▼
これからは無謀な一攫千金にこだわらず
真面目に努力するかな!▼
- [レベッカ]
- しっかりしてよね。
じゃないと、村人その3に
逆戻りしちゃうわよ?▼
- [ウィル]
- 任せとけって!▼
今はキアラン家に仕官できたし
ここで活躍できれば今後の人生が
大きく変わるかもしれないな!▼
まずはアスク王国を救うほどの
大活躍をするだろ?▼
エレブ大陸に戻ったとき
キアラン騎士団にウィルありと
吟遊詩人にうたわれちゃったりして…。▼
- [レベッカ]
- …は?▼
- [ウィル]
- 活躍を讃えられて
ウィル騎士団とかできちゃったら
エレブ大陸に名前が残るじゃん!▼
よっし! 故郷に錦を飾るチャンス!
やる気が出て来たぁ!▼
- [レベッカ]
- 地道に努力を重ねるって話は
どこに行ったのよ、もうっ!▼
心は牙と共に ニノ†
- [ニノ]
- あ…▼
- [ライナス]
- ニノ…▼
- [ニノ]
- ライナスにいちゃん…
あ、あのね…▼
- [ライナス]
- …黙れ。▼
気安く呼ぶんじゃねえ。
言ったはずだ…
てめーを許した覚えはねえ。▼
- [ニノ]
- う、うん…
そうだよね…わかってる。▼
あたしは…
牙の裏切り者だもん。▼
で、でも…
あのね、あの…▼
あの…
…あ…の…っ…▼
- [ライナス]
- …ちっ。▼
何泣いてやがる…
牙を裏切ったのは
てめーの方だろうが。▼
- [ニノ]
- …ち…がうの……
あたしは…▼
ご、ごめんっ…
あたし行くからっ…
ごめん…ね…▼
- [ライナス]
- …………▼
- [ロイド]
- ライナス、ここにいたか。▼
- [ライナス]
- 兄貴…▼
- [ロイド]
- 例の標的の居場所がわかった。
行くぞ。▼
…どうかしたか?▼
- [ライナス]
- ……。
…いや、なんでもねーよ。▼
- [ニノ]
- …………▼
- [ジャファル]
- ニノ…▼
- [ニノ]
- …あ、ジャファル。
どうかした?▼
あ、そっか、
もう訓練の時間!
急がなきゃ…▼
- [ジャファル]
- ニノ…
泣いていたのか?▼
…何があった?▼
- [ニノ]
- う、ううん、なんでもないよ。
あたし、ただ…▼
- [ラガルト]
- よう、ニノ、ジャファル。▼
- [ニノ]
- あ、ラガルトおじさん!▼
- [ラガルト]
- もういい加減慣れたから
おじさんで別に構わねえが…▼
ん?
ニノ…ライナスたちと
何かあったのか?▼
- [ニノ]
- え、な、なんで…?▼
- [ラガルト]
- お前の顔みりゃすぐわかるさ。▼
で、何があったんだ?
話してみな。▼
- [ラガルト]
- …ってわけだ。
泣いてるニノを宥めるのに
ジャファルも苦労してたぜ。▼
- [ロイド]
- …………▼
- [ラガルト]
- 余計なお節介だと
わかっちゃいるが…
どうにもやりきれなくてな。▼
昔は…
ライナスはあんなに
ニノを可愛がってたってのに…▼
- [ロイド]
- 【疾風】、悪いが…▼
俺から弟に
何か言ってくれという話なら、
諦めてくれ。▼
ライナスと、ニノ…
あいつら二人の気持ち次第だ。
俺が口を挟むことじゃない。▼
- [ラガルト]
- ロイド…▼
なあ、お前は今どう思ってる?
牙を裏切った
オレたちのことを。▼
- [ロイド]
- そうだな…▼
妙な気分だ。▼
- [ラガルト]
- 妙?▼
- [ロイド]
- 弟を殺した仇は…
必ず仕留める。▼
この命がどうなろうと、
復讐以外の道はない。▼
- [ラガルト]
- …………▼
- [ロイド]
- だが、この世界では…
今も弟は生きている。▼
俺と弟の二人で、
牙の名のもとに裁きを下す…
まるで昔のような日々だ。▼
どう考えたらいい?
今俺たちが生きているこの世界を。
夢か何かだと思うべきか?▼
…答えが出ない。
だから、妙な気分だ。▼
- [ラガルト]
- …なるほどな。
もしかしたらそいつは…▼
- [ロイド]
- ああ、弟も
同じ気持ちだろう…▼
- [ニノ]
- あ、あの…▼
- [ライナス]
- ニノ…▼
- [ニノ]
- ま、待って!
お願い…▼
ひとつ、ひとつだけ…
最後にどうしても、
言いたかったの。▼
あの時、
あたしが泣いてたのは…▼
にいちゃんにまた会えて…
嬉しかったから…▼
- [ライナス]
- …………▼
- [ニノ]
- 【黒い牙】にいた頃、
にいちゃんたちはみんな、
あたしをすごく大切にしてくれた…▼
それなのに、あたしは…
にいちゃんたちと
戦うことになって…▼
最後には、
にいちゃんたちは…
二人とも…▼
- [ライナス]
- …………▼
- [ニノ]
- でも、この世界では、
にいちゃんたちが生きてて…▼
それが、それが…
うれしくて…
涙が…止まらなくて…▼
- [ライナス]
- …………▼
- [ニノ]
- あたしは…
【黒い牙】の裏切り者。▼
でも、あたしは今も…
【黒い牙】の…
みんなのおかげで生きてる。▼
だから…どうしても、
ライナスにいちゃんにも
お礼言いたかったの。▼
ありがとう…今まであたしを
にいちゃんたちの
家族でいさせてくれて。▼
それから…
今もこの世界にいてくれて…▼
ありがとう…▼
- [ライナス]
- ……ニノ……▼
- [ニノ]
- じゃ、じゃあ、
あたし行くね!▼
- [ライナス]
- …………▼
兄貴をやった奴の仲間は、
みんな始末する…
そいつが誰であろうと必ずだ。▼
けど、
この世界では…
兄貴に、また会える…▼
ちっ、わけわかんねーぜ!
こんな時、兄貴が決めるなら
間違いねーんだろうが…▼
けど兄貴は言うだろうな。
どうするかは、
自分で決めろ、ってな…▼
フェレの守護騎士 イサドラ†
- [ドロシー]
- エリミーヌ様…
今日も無事に終えられたことに感謝を。▼
- [イサドラ]
- あの…少しよろしいですか?▼
- [ドロシー]
- はい、なにか御用ですか?▼
- [イサドラ]
- 今の祈りの言葉…。
あなたはもしかして
エリミーヌ教の信徒でしょうか?▼
- [ドロシー]
- は、はい! そのとおりです!
あなたも信徒の方なのですね。▼
私、ドロシーっていいます。
もしかしてあなたも
エレブ大陸から…?▼
- [イサドラ]
- はい。
私はフェレ侯爵家に仕えるイサドラ。▼
異界でも、こうして
同じエリミーヌ教の方とお会いできて
とてもうれしく思います。▼
これもエリミーヌ教のお導きですね。▼
- [ドロシー]
- はい! 私もそう思います。
よろしくお願いしますね、イサドラ様。▼
このアスク王国には私以外にも
エリミーヌ教の司祭様や信徒が
何人も召喚されているのです。▼
よろしければ、みなさんをご紹介しますね。
まあ、紹介したくない司祭様も
一人だけいますけども…。▼
- [イサドラ]
- お気遣いありがとうございます。
ですが…。▼
- [ドロシー]
- …どうかしましたか?▼
- [イサドラ]
- 私はエリミーヌ教の信徒ではありますが
祈るよりも剣を握ることに
心を砕いてしまった不信心者です。▼
それゆえ祈りとともに生きる
信徒の方々に申し訳なく…。▼
- [ドロシー]
- それは私も同じです。▼
私は杖を使う才がなかったので
せめて教団の力になりたいと
弓の技を修めたのです。▼
あ! ごめんなさい…。
私みたいな村娘がフェレ侯爵家の
騎士様と同じだなんて失礼ですよね。▼
- [イサドラ]
- いえ、そんなことはありません。
今は同じアスク王国のために戦う身。
どうか気負わずにお話しください。▼
- [ドロシー]
- ありがとうございます。
イサドラ様、お優しいのですね。▼
- [イサドラ]
- 今後とも、あなたとは
いろいろとお話しできたら幸いです。
よろしく、ドロシー。▼
- [ドロシー]
- こ、こちらこそよろしく
お願いいたします!▼
あ、そうだ…。
お話といえばこの前
気になる話を聞いたのです。▼
とある司祭様が「この世界では
エリミーヌ様を身近に感じる」と
おっしゃっていたんです。▼
- [イサドラ]
- アスク王国でエリミーヌ様の
御心を感じる…
ということですか?▼
- [ドロシー]
- 実はアスク王国には
英雄だけではなく時折
神様も召喚に応じられるそうなのです。▼
もしかするとこの世界にも
エリミーヌ様が
いらっしゃっているのかも…なんて。▼
- [イサドラ]
- エリミーヌ様がアスク王国に…
もし本当にいらしていたら
一度お会いしたいものですね。▼
- [イサドラ]
- はぁっ! せいっ!
ふう、このあたりの敵は
倒したけれど…▼
……。
剣を通して伝わるこの感覚。
奪ってしまった、命の震え…▼
エレブ大陸から遠く離れた戦場でも
この苦しみからは逃れられないのね。▼
…いけない。
本隊と離れすぎた。
すぐハーケンたちに合流しないと…▼
!?
…敵の新手…!
あの人数、私一人では…▼
- [???]
- もし、そこのあなた。▼
- [イサドラ]
- ……!?
何者ですか!▼
- [???]
- 私は敵ではありません。▼
- [イサドラ]
- …はじめて会うはずなのに
懐かしい空気を感じる。
あなたは、いったい…?▼
- [エリミーヌ]
- 私はエリミーヌ。
世界の安定と平和を望むものです。▼
- [イサドラ]
- エリミーヌ…!?
ま、まさかあなたは
本物のエリミーヌ様!?▼
- [エリミーヌ]
- 私のことよりも、
今は無事に戻ることが先決。
違いますか?▼
- [イサドラ]
- は、はい!
たしかにそのとおりですが…▼
- [エリミーヌ]
- 私が援護します。
必ず仲間のもとに帰りましょう。
いいですね?▼
- [イサドラ]
- 承知しました!
私の全力をもって必ず…!▼
- [イサドラ]
- 地上に降臨せし最期の女神と
うたわれたエリミーヌ様…。▼
多くの人を癒し
未来をお与えになったと聞きます。▼
失礼を承知でお尋ねします。
あなたは本当に…
エリミーヌ様なのですか?▼
- [エリミーヌ]
- ここにいる私は
女神などではありません。
あなたと同じです。▼
ですが、あなたと力を合わせることで
道は開けるかもしれません。
さあ、参りましょう。▼
- [イサドラ]
- お、お下がりください!
私が前に出ますので!▼
- (暗転)
- [イサドラ]
- たぁっ! せいやっ!
はぁ、はぁ…。▼
- [エリミーヌ]
- あと少しで
敵を突破できそうですね。▼
- [イサドラ]
- ……。
あのエリミーヌ様…。▼
- [エリミーヌ]
- なにか?▼
- [イサドラ]
- ひとつ、お伺いしても
よろしいでしょうか?▼
- [エリミーヌ]
- …私で答えられることであれば。▼
- [イサドラ]
- 私は不信心者です。
祈りではなく剣を選んだ
罪深き人間です。▼
これまでいくつもの戦場で剣を振るい
たくさんの敵の命を奪ってきました。▼
- [エリミーヌ]
- ……。▼
- [イサドラ]
- こんな私がエリミーヌ様の教えを
心に抱く資格があるのでしょうか?▼
- [エリミーヌ]
- ……。▼
心優しき騎士、イサドラ。
私の言葉があなたの
救いになるかはわかりません。▼
ですが、私が得た
一つの答えを伝えましょう。▼
祈りだけでは
世界は変わりません。▼
- [イサドラ]
- ……!!▼
- [エリミーヌ]
- どんなに世界の安定を願ったところで
それを実現し、保つ力がなければ
意味はありません。▼
人の心は弱いものです。
時には迷い、時には過ちをおかすもの。▼
しかし、だからこそ人々は集い
みなで力を合わせて
理想に歩いていくのです。▼
そして、そこに集う人々を
剣で守る勇士も
また必要なのです。▼
- [イサドラ]
- そう…なのでしょうか?▼
- [エリミーヌ]
- 邪悪に向けられる剣は救いの力。
あなたが良心と誇りをもって振るうなら
その剣は弱き人々を救う力になりましょう。▼
- [イサドラ]
- 私の剣が人々を救う力に…▼
はっ…!
エリミーヌ様、敵の新手です!
お下がりください!▼
- [イサドラ]
- はぁ、はぁ…!
ここまで来れば
もう敵も追ってこないはず…。▼
- [エリミーヌ]
- そのようですね。
あとは仲間のもとに帰るだけです。▼
- [イサドラ]
- エリミーヌ様のご加護に感謝します!
まさか生きて帰れるだなんて…。
あら…あれは?▼
- [ドロシー]
- ハーケン様! イサドラ様です!
イサドラ様を見つけましたー!
ご無事なようですよ!▼
イサドラ様ー!
お怪我はありませんか!▼
- [ハーケン]
- イサドラ、よかった!
よく無事に戻ってきてくれた。▼
- [イサドラ]
- ハーケン、ごめんなさい。
心配させてしまって…▼
- [ドロシー]
- でもご無事でよかった!
これもエリミーヌ様のご加護ですね。▼
- [イサドラ]
- ええ、まさにそのとおりなの。
こちらにエリミーヌ様が…▼
あ、あれっ?
いらっしゃらない…?▼
- [ハーケン]
- どうしたんだ、イサドラ?▼
- [イサドラ]
- 私はエリミーヌ様に助けられて
敵の包囲を突破できたのです。
さっきまで後ろにエリミーヌ様が…!▼
- [ハーケン]
- きみ以外は見かけなかったが…
ドロシーはどうだ?▼
- [ドロシー]
- 私が遠くから
イサドラ様を見つけたときには
お一人で歩いていたような…▼
- [イサドラ]
- なんですって…?
たしかにエリミーヌ様にお会いしたはず。
それとも私が見た幻だったというの…?▼
- [ハーケン]
- イサドラ、とりあえず城に戻ろう。
まずはゆっくり休むことだ。▼
- [イサドラ]
- そ、そうね…。
そうさせてもらおうかしら。▼
- [ドロシー]
- なにはともあれイサドラ様が
無事だったのはきっとエリミーヌ様の
ご加護があったからだと思います!▼
- [イサドラ]
- …邪悪に向けられる剣は救いの力。▼
- [ハーケン]
- ん? なんだい、その言葉は?▼
- [イサドラ]
- 私が見たエリミーヌ様から贈られた
救いの言葉なの。▼
祈ること以外にもエリミーヌ様の
御心に沿った生き方はできる。
剣でも命を救うことができる…▼
- [ハーケン]
- そうか。その言葉が君の心に救いを
もたらしたというのなら、きっと
そのエリミーヌ様は本物だったのだろう。▼
- [イサドラ]
- ええ、少なくとも私はそう信じてる。
お導きくださりありがとうございます。
エリミーヌ様…▼
コメント
Last-modified: 2023-11-20 (月) 10:13:40