[広告]

章別会話
解放の希望を胸に†
解放の希望を胸に†
オープニング†
- [リーフ]
- みんな、久しぶりだね。
アスク王国に召喚されて以来だけど
なにか気付いたことはあるかい?▼
- [マチュア]
- 外敵の脅威に絶えず晒されながら
それでもこの国には活気があります。▼
みな、希望を失っておらず
懸命に生きている気がします。▼
- [ホメロス]
- そうだな、召喚される前に
脱出したターラに比べると
城下町もずいぶんにぎやかだな。▼
- [リノアン]
- 私も城下町を歩いてみましたが
英雄たちに対する厚い信頼を
人々から感じました。▼
- [マチュア]
- リーフ王子…
アスク王国に召喚されたのは
よい機会かもしれません。▼
帝国と対決するには
私たちはまだまだ力不足。▼
この地で修行を重ね
力をつけて北トラキアに戻れば
おそらく戦況を覆せるのでは?▼
- [リーフ]
- 実はぼくもマチュアと
同じことを考えていたんだ。▼
北トラキアの解放…
そしてトラキア半島の統一のため
このアスクの地で鍛錬に励みたい。▼
- [リノアン]
- ……。▼
- [リーフ]
- リノアン?
どうかしたのかい?▼
- [リノアン]
- い、いえ…
帝国に立ち向かうために
鍛錬は必要なことだと思います。▼
- [リーフ]
- ここには偉大な英雄たちがいる。
彼らからさまざまなことを学び
腕を磨かせてもらおう。▼
- [ホメロス]
- ちょ、ちょっと待ってくれよ!
異界に来てまで軍や規律に縛られるなんて
俺はまっぴらごめんだぜ。▼
もとの世界では成り行きで
あんたらを手伝うことにはなったが
俺はしがない吟遊詩人だからな!▼
- [リーフ]
- もちろん強制はしないよ。
おのおの、今の自分に必要な
行動をとってほしい。▼
- [ホメロス]
- ああ、そうさせてもらえると
ありがたいね。▼
- [リノアン]
- ……。
今の自分に必要なこと…▼
- [リーフ]
- はあっ! せいっ!▼
- (白く光る)
- [リーフ]
- ふう…。
もう太陽があんなに高い。
少し休憩しよう。▼
- [マチュア]
- リーフ王子、ずいぶん訓練に
熱が入っているようですね。▼
- [リーフ]
- うん、英雄たちと共に
汗を流すだけでも学びが多いよ。▼
- [マチュア]
- 同感です。ここで力をつけ、
レイドリックを必ずや打ち倒しましょう。▼
- [リーフ]
- そのためにもまずは鍛錬だ。
アスク王国で過ごす時間は
一刻たりとも無駄にはしない。▼
- [リノアン]
- あの、リーフ王子…。
少しお話があるのですが。▼
- [リーフ]
- どうしたんだい、リノアン?
ぼくも君に聞きたいことがあるんだ。▼
アスク王国に来てからなにか
思い悩んでいるようだったから。▼
- [リノアン]
- すみません、ご心配をおかけして。
実は、ターラに残してきた
市民のことを考えていたのです。▼
アスク王国とトラキアでは
時の流れが違うとも聞きましたが…
それでも気になってしまうのです。▼
私を頼り、召喚してくれた
エクラ様には
申し訳ないのですが…。▼
トラキアに還してもらえるよう
頼もうと思っています。▼
- [リーフ]
- そうか…。
それが君の決断なんだね?▼
- [マチュア]
- 為政者として立派な心掛けだと思います。
あなたとともに戦えないのは残念ですが
致し方ありません。▼
- [リノアン]
- ありがとう、マチュア。
私もアスク王国のために
戦いたいとは思うのですが…。▼
- [リーフ]
- リノアンの考えを尊重するよ。
君の気持ちはわかるからね。▼
- [リノアン]
- ありがとうございます、リーフ王子。▼
- [ホメロス]
- それがターラの市長様の選択か…。
皆様方がお揃いでちょうどよかったぜ。
俺も伝えておきたいことがあったんだ。▼
- [リーフ]
- なにかな?
遠慮なく話してほしい。▼
- [ホメロス]
- 悪いが俺もアスク王国にいる間
好きにさせてもらおうと思ってさ。▼
- [リーフ]
- この世界でなにか
やりたいことでもあるのかい?▼
- [ホメロス]
- 俺は吟遊詩人だ。
風任せにこの世界を旅してみたい。
うまい酒を片手にな。▼
- [マチュア]
- おはようございます、リーフ王子。
今日も訓練に向かわれるのですか?
朝から精が出ますね。▼
- [リーフ]
- ああ。今できることは
精一杯やっておきたいからね。▼
そう言うマチュアだって
ずいぶん早いじゃないか?▼
- [マチュア]
- はい、さきほどリノアン様が
エクラに
会いに行くのをお送りしましたので。▼
- [リーフ]
- そうか。ホメロスも今ごろは
気ままな旅に出たんだろうね。
本当は彼を引き留めたかったけど…▼
- [マチュア]
- リーフ王子はご立派です。
北トラキア解放のため、命を懸けて
戦われているではありませんか。▼
- [リーフ]
- いや、アスク王国で力をつけて
北トラキアのために戦おうと言ったのは
間違いだったのかもしれない。▼
まずはアスク王国を平和にするために
力をあわせようと伝え、
みんなをまとめるべきだった。▼
そうすればホメロスだって
一緒に残ってくれたかもしれない。
ぼくの器量が足りないせいだ。▼
- [マチュア]
- リーフ王子…。▼
- [リーフ]
- ホメロスだけじゃない。
リノアンにもアスク王国に残って
力を貸してほしかった…。▼
彼女の気持ちを尊重しつつ
ぼくもそうした本心を
伝えるべきだったのかもしれない…。▼
- [マチュア]
- ……?
リーフ王子、お話の途中ですが
なにやらあちらが騒がしいような…。▼
- [リーフ]
- うん、なにかあったみたいだね。
ぼくたちも行ってみよう。▼
- (暗転)
- [リノアン]
- エクラ様…
どこにいらっしゃるのでしょう。▼
どなたか、居場所を知っている方が
いればよいのだけど…。▼
- [シャロン]
- あっ! リノアンさん!
ちょうどよかったです!▼
- [リノアン]
- シャロン王女?
ずいぶん慌てていらっしゃいますが
なにかあったのでしょうか?▼
- [シャロン]
- 辺境の村に盗賊の集団が
押し寄せてきたとの報告が!▼
ヴァイス・ブレイヴの本隊が
出払っているのを見越して
村を襲ったに違いありません!▼
- [リノアン]
- これから
救援に向かわれるのですか?▼
- [シャロン]
- もちろんです!
アスク王国の民を守ることが
私たちの役目ですから!▼
- [リノアン]
- ……。
シャロン王女、ご一緒させてください。
微力ながら力添えさせていただきます。▼
- [盗賊]
- ゲハハハ!
金目のものは片っ端から巻き上げちまえ!
村から一人も逃すんじゃねえぞ!▼
- [ホメロス]
- まったくついてないぜ。
気ままな一人旅に出たと思ったら
さっそくケチがつくなんてな。▼
おいっ! 爺さん!
そっちは行っちゃダメだ!
盗賊たちが待ち伏せしてるぞ!▼
くそっ、仕方ねえ!
おい! ケチな盗賊ども!
お宝はこっちだぜ!▼
- [盗賊]
- ああん? なんだてめえは!
お前ら! あの優男をとっ捕まえろ!▼
- [ホメロス]
- そうだ、俺を追ってこい!
この隙に一人でも多く
逃げてくれるといいんだがな!▼
ほら、こっちこっち!▼
- (暗転)
- [ホメロス]
- ちっ! 盗賊どもが次から次へと…
うおっ、あぶねえ!?▼
- (白く光る)
- [盗賊]
- ゲハハハ!
追い詰めたぞ優男!
てめえはここで終わりだ!▼
- [ホメロス]
- 品のない笑い方をするのは
どの世界の盗賊も一緒だな。▼
- [盗賊]
- ぬかしやがれ。てめえは
その盗賊に殺されちまうんだ。
もうどこにも逃げ場はねえぜ!▼
- [ホメロス]
- 囲まれたか。
どうやらここまでのようだ。
慣れないことはするもんじゃねえな…。▼
- [???]
- やあっ!!▼
- (白く光る)
- [盗賊]
- げぇっ!? な、なんだぁ!?▼
- [リーフ]
- 大丈夫かい、ホメロス!▼
- [ホメロス]
- 誰かと思えばリーフ王子かい?
それにマチュアも!▼
- [マチュア]
- ホメロス!
ここからは私たちに任せて!▼
- [リノアン]
- ケガ人はいますか?
いたら、すぐに手当てを!!▼
- [ホメロス]
- リノアン様!?
還ったんじゃないのか?▼
俺の運はまだ尽きてなかったみたいだな。▼
- (暗転)
- [盗賊]
- ずらかるぞ!
てめえら、覚えてやがれ!▼
- [ホメロス]
- ふぅ、どこの世界の盗賊も
捨て台詞は似たり寄ったりだな。
独創性に欠けるねぇ。▼
- [マチュア]
- 盗賊はすべて撃退したようね。
村人も全員無事みたい。▼
- [リーフ]
- ホメロス、ありがとう。
君が一人で村を守ってくれなければ
きっと犠牲者が出ていただろうね。▼
- [ホメロス]
- たいしたことはしてねえよ。
下品な連中に好き勝手されるのが
気に食わなかっただけさ。▼
それはさておき…
なんでリノアン様がここにいる?
トラキアへ還るんじゃなかったのか?▼
- [リノアン]
- そのつもりでしたが…
この世界で助けを求める人たちを
どうして見捨てられましょう。▼
- [マチュア]
- リノアン様、私も同じ考えです。
アスク王国の民の期待に応え
まずはその心に寄り添うこと。▼
それがリーフ王子の望みでもあります。▼
- [リーフ]
- ホメロス、改めてお願いしたい。
アスク王国を守るために
君の力を貸してくれないか。▼
ぼくはまだ英雄としても
指導者としても未熟…。
だからこそ仲間の力が必要なんだ。▼
- [ホメロス]
- はぁ、揃いも揃って
底抜けのお人よしばかりだな。▼
仕方ねえ…。
俺も一肌脱がせてもらうとするか。
リーフ王子、よろしく頼むぜ。▼
- [リーフ]
- ありがとう、ホメロス。
そしてリノアンも…。▼
アスク王国に残ってくれた
二人の決意は無駄にはしないよ。▼
一刻も早くアスク王国の平和を取り戻し
北トラキアの民を助けに行こう。▼
- [リノアン]
- はい。私も全力を尽くします。▼
- [リーフ]
- ぼくたち四人が力を合わせれば
どんな困難も乗り越えられるはず。
アスク王国とトラキアのために共に戦おう。▼
疾風の女剣士 マチュア†
- [マチュア]
- ふん! はっ! せいっ!▼
- [シャロン]
- マチュアさん、すごい!
あんなに大きな丸太を
軽々と持ち上げちゃうなんて!▼
- [マチュア]
- こんにちは、シャロン王女。
丸太相手になにをやってるかと言うと
これは訓練の一環なの。地味だけどね。▼
- [シャロン]
- 地味どころか、すごい迫力ですよ!
これって、トラキアに伝わる
鍛え方なんですか?▼
- [マチュア]
- そういうわけではないんだけど…
どんな効果があるかは
実践してみせたほうが早そうね。▼
失礼します、シャロン王女。はあっ!▼
- (白く光る)
- [シャロン]
- わわっ!? わたしの身体が
簡単に持ち上げられてしまいました!▼
あわ、あわわ、すごい力!?
まったく身動きが取れません!▼
- (暗転)
- [マチュア]
- これでわかってもらえたかしら?▼
- [シャロン]
- えーっと、つまり…
どういうことでしょうか?▼
- [マチュア]
- こうやって敵を捕らえて
自由を奪うことで降伏させる…。
トラキアに伝わる戦い方のひとつなの。▼
- [シャロン]
- な、なるほど!
無駄な血を流すことなく勝敗を決する…
目から鱗が落ちました!▼
- (暗転)
- [???]
- 大地に根を張る巨木のような安定感。
なるほど、よい足腰をしている。
面白い逸材が召喚されてきたものだ。▼
- [マチュア]
- ふっ! はっ!▼
こうして丸太を持ち上げていれば
たしかに力は身につくけど…。▼
はっ! ふんっ!
やっぱり動く相手じゃないと
戦いの勘は鈍ってしまうわね。▼
- [リンカ]
- 生身の相手が欲しいのか?
そういうことならあたしが
あんたの力になれるぞ。▼
- [マチュア]
- その鋼のような身体…。
ひと目見ただけで惚れ惚れするわね。
あなたは…?▼
- [リンカ]
- あたしは白夜王国から来た
炎の部族のリンカだ。▼
丸太を持ち上げている
あんたの姿を見て興味が湧いてな。▼
- [マチュア]
- ありがとう。
でも、力になれるというのは?▼
- [リンカ]
- マチュア、あんたのその力を
存分に活かせる場所に案内したい。
そこならあんたの望む訓練ができる。▼
- [マチュア]
- ……。▼
- (暗転)
- [リンカ]
- 着いたぞ。
ここがあたしたちの稽古場だ。▼
あたしたちはここで日々
肉体を鍛え上げているんだ。▼
- [マチュア]
- 土を固めて作られた舞台?
このような場所があったとは…。▼
- [ムスペル]
- どらあっ!▼
- (白く光る)
- [モゥディ]
- ドっセいっ!▼
- (白く光る)
- [マチュア]
- な、なんという激しさ!
目の覚めるような力のぶつかり合い。
これはいったい!?▼
- [マチュア]
- リンカ、彼らはなにをしているの?
ただの力比べじゃなさそうだけど…。▼
- [リンカ]
- こいつは相撲といってな。
あたしたち炎の部族の神聖な闘技だ。▼
限界まで鍛え上げた肉体をぶつけ合い
神に豊穣を感謝しているんだ。▼
- [ムスペル]
- おらぁっ!
もっと本気でこんかい!▼
- (白く光る)
- [モゥディ]
- ガァァァッ!
ブんナげるっ!▼
- (白く光る)
- [リンカ]
- この盛り土を固めた舞台…
土俵から相手を押し出したり
足裏以外を地面に触れさせれば勝ちだ。▼
- [マチュア]
- 殴り合ったりするのではなく
正面からぶつかり合って
力で圧倒すればいいのね?▼
- [リンカ]
- ふふ、l興味を持ったみたいだな。
どうだ、あんたもやってみるか?▼
- [マチュア]
- 限りなく実戦に近い力比べ…
これこそ私が求めていたものよ!
ぜひ、お願いするわ!▼
- (暗転)
- [マチュア]
- はああっ!▼
- (白く光る)
- [ターナ]
- マチュアが仕掛けたわね。
リンカはどう出るのかしら?▼
- [リンカ]
- なんのっ!
だらぁぁぁっ!▼
- (白く光る)
- [リン]
- さすがリンカね。
冷静に上手を切ったわ。▼
- [マチュア]
- ぐっ…まだまだっ!!▼
- (白く光る)
- [ピアニー]
- マチュアさんも負けてないわ。
二人とも頑張ってー!▼
- (暗転)
- [マチュア]
- はあ、はあ!▼
- [リンカ]
- いい気迫だったぞ、マチュア。
鍛えれば、もっと伸びそうだ。▼
- [リン]
- やるじゃない、マチュア。
リンカが連れてきただけあって
とっても筋がいいわ!▼
- [マチュア]
- ふふっ、ありがとう。
次はあなたと勝負できるかしら?▼
- [リン]
- ええ、もちろん。
好敵手が増えて私もうれしいわ!▼
- [シャロン]
- あっ、マチュアさーんっ!
これから訓練ですか?▼
- [マチュア]
- シャロン王女!
ええ、今日も全力で鍛えるつもりよ。▼
- [シャロン]
- ん? マチュアさん
なんかいいことあったんですか?
お顔がなんだか明るいです。▼
- [マチュア]
- ここ最近、リンカの誘いで
相撲の稽古に励んでいるの。▼
- [シャロン]
- 相撲って
炎の部族の力比べですね?▼
- [マチュア]
- 丸太相手と違って
相撲は互いにぶつかり合うからね。
おかげで訓練も充実しているの。▼
これなら敵をどんどん持ち上げて
アスク王国の脅威を取り除けるわ!▼
- [シャロン]
- えっ?▼
- [マチュア]
- 相撲の稽古のおかげで
身体のキレも絶好調だし。▼
今ならどんなに大きい相手でも
軽々と持ち上げられる気がするわ!▼
- [シャロン]
- あ、あのー。▼
- [マチュア]
- どうかしましたか、シャロン王女。▼
- [シャロン]
- その…とても申し上げにくいのですが
この世界の敵は
持ち上げただけでは降伏しないんです…。▼
- [マチュア]
- えっ?▼
- [シャロン]
- す、すみません! まさか戦場で
敵を持ち上げるつもりだったとは
思ってもみなかったんです。▼
丸太を持ち上げているのも
あくまでトレーニングの
一環に過ぎないのかと…。▼
- [マチュア]
- そ、そんな!?
じゃあ、私がやっていた訓練は…。▼
- [シャロン]
- わわっ、がっかりしないでください!
それにマチュアさんは立派な剣を
お持ちではないですか!▼
鍛えた腕力をその剣で振るえば
どんな強敵だって倒せますよ!▼
- [マチュア]
- すっかり相撲に熱中してたけど
まず鍛えるべきは剣術だったのね…。▼
こ、こうしてはいられない!
すぐに訓練場で剣を特訓しなきゃ!
失礼します、シャロン王女!!▼
- [シャロン]
- おおっ!猛烈な勢い!▼
足腰は鍛え上げられているようですし
相撲の稽古も無駄ではないと思いますよ!▼
ターラの公女 リノアン†
- [リノアン]
- ここがアスク王国のお城…。
なんだか自由だった頃のターラと
雰囲気が似ている気がします。▼
ここには異界の英雄の皆さんが
たくさん集まっているそうですが
私が知ってる人に会えるのかしら。▼
- [アリオーン]
- リノアン!
探したぞ。
変わらず元気そうだな。▼
- [リノアン]
- アリオーン様!? お久しぶりです。
まさかこの地でお会いできるなんて。
そちらもお元気そうでなによりです。▼
……。▼
- [アリオーン]
- どうかしたのか?
私の顔をまじまじと見て。▼
- [リノアン]
- いえ、なんだか少し雰囲気が
変わられたような気がして
表情から険が取れた印象です。▼
- [アリオーン]
- そうか。それはきっと私が
リノアンより少し先の未来から
召喚されたからだろうな。▼
城塞都市ターラを
トラキアが占領した後
私にもいろいろとあってな…。▼
- [リノアン]
- そうだったんですね。
私の知らない未来がある、と…。▼
- [アリオーン]
- 積もる話もあるが、
それはまたにしよう。
よければ明日、城を案内しよう。▼
アルテナも会いたがっていた。▼
- [リノアン]
- アルテナ様も
アスク王国にいらっしゃるのですか?▼
- [アリオーン]
- シアルフィのセリス公子や
勇者セティも
ヴァイス・ブレイヴの一員だ。▼
かつて私にとっては敵だったが
今はアスク王国のために共に戦う
心強い味方となってくれている。▼
ん? どうしたんだ?
浮かない顔をしているが…。▼
- [リノアン]
- あの、私のような者が
そのような英雄たちとご一緒しても
大丈夫なのでしょうか。▼
そもそも戦う力のない私が
アスク王国に貢献できることが
あるのでしょうか?▼
- [アリオーン]
- 君は城塞都市ターラの市長として
立派に務めを果たしてきた。
その経験はアスク王国でも活きるはず。▼
自分が役に立てるかどうかよりも
この先、忙しくなりすぎることを
心配したほうがいい。▼
なにせ、ここの連中は
人使いが荒いからな…▼
- [リノアン]
- ヴァイス・ブレイヴの隊長との面会…
さすがに緊張します。
厳しいご鞭撻をいただくかも…。▼
- [アリオーン]
- 大丈夫だ、かしこまらなくていい。
彼女はとても気さくな人物だ。▼
- [アンナ]
- あらー、いらっしゃい!
あなたがリノアンね?
アリオーン王子から聞いているわ。▼
- [リノアン]
- はじめまして、アンナ隊長。
これからお世話になります。▼
私のような戦う力がない者でも
皆さんのお力になれるのでしょうか?▼
- [アンナ]
- もちろんよ!
戦場に立つだけが英雄の仕事じゃないわ。
ヴァイス・ブレイヴにはいろいろな…。▼
- [アーダン]
- おーい、アンナ隊長!
うちの部隊の武器が足りねえんだ。
補充を頼めるか?▼
- [アンナ]
- 了解! あとで手配しておくわ。▼
- [セネリオ]
- アンナ隊長、次の作戦での
部隊編成と行軍予定表になります。
皆に周知しておいて頂けますか。▼
- [アンナ]
- はいはいー! そこの机に置いといて!▼
えーと、なんの話してたっけ?
そうそう! 仕事の話ね?▼
- [エリーゼ]
- アンナたいちょうー!
あのねあのね、たいへんなの!▼
お城の近くにある木から
猫さんがおりられなくなってるの!
助けてあげて!▼
- [アンナ]
- それは門番さんに頼みなさーい!
ぜぇ…ぜぇ…。▼
- [リノアン]
- た、大変なのですね。
ヴァイス・ブレイヴ隊長のお仕事は…。▼
- [アリオーン]
- もはや軍務の枠から
はみ出ている気もするな。▼
- [アンナ]
- ご覧の通り、ここには
細かい仕事がたっくさんあるわけよ!▼
と・い・う・わ・け・で
さっそく手伝ってもらえない?▼
- [リノアン]
- はい、もちろんです!
私にできることなら
なんでもお申し付けください。▼
- [アンナ]
- ありがとう、助かるわ!
どこに行ってもらおうかしら。
人手が足りないところと言えば…。▼
- [アリオーン]
- アンナ隊長。
私にひとつ考えがあるのだが
聞いてもらえるだろうか?▼
- [アンナ]
- なになに…ふむふむ…。▼
ほほう! なるほど!
たしかにあそこなら適任かもね!▼
- (暗転)
- [リノアン]
- アリオーン様、あの教会が
アスク王国での私の仕事場ですか?▼
- [アリオーン]
- そうだ。もしかしたら王国でも
一番忙しい仕事場かもしれない。▼
- [ナターシャ]
- あ、あ、あ…! ダメですよ!
そんなに走っちゃ転んじゃいます!▼
- [レナ]
- 泥なんか口に入れてはいけません!
吐き出してください!
ほら、ぺっ!…て。▼
- [チャド]
- おーい、チビども! 勉強の時間だぞ。
ルゥの言うことをちゃんと聞いて…
おい! そっちに行くな!▼
- [ルゥ]
- 怒ったらダメだよ、チャド!
さあ、みんな。
いい子だから席について。▼
- [リノアン]
- 元気な子がたくさんいますね。▼
- [アリオーン]
- この教会では、
さまざまな理由で家族を失った
子どもたちを預かっている。▼
アスク王国は戦乱のさなかにある。
そして争いのしわ寄せは
いつも弱き者に及ぶ…▼
- [リノアン]
- ……。▼
- [アリオーン]
- 戦いが続く限り
不幸な子どもたちが
減ることはないだろう。▼
- [エメリナ]
- あら、あなたは?
新しい方がいらっしゃると
聞いていましたが、もしかして…。▼
- [リノアン]
- はい、リノアンと申します。
よろしくお願いいたします。▼
- [リノアン]
- うーん…なるほど…
ここがこうで…ふむふむ…
ということは…。▼
- [エメリナ]
- まあ、リノアン。
まだ起きていたのですか?▼
あなた、ここに来てから
毎日朝から晩まで働きづめで…。▼
しかも、こんな遅くまで
なにをなさっているのですか?▼
- [リノアン]
- いえ、子どもたちのお世話で
私なりに気になったことを
書き留めているんです。▼
- [エメリナ]
- 孤児院に出入りする英雄の名簿…
子どもたちに出す食材の一覧…
それに建物の修理に関するメモ…。▼
こんなに細かいところまで
まとめてくださったのですね。▼
- [リノアン]
- はい、倉庫の床板もかなり傷んでいます。
このまま放っておくと、誰かが誤って
踏み抜いてしまうかもしれません。▼
- [エメリナ]
- あそこは子どもたちが
いつもかくれんぼをする場所ですね。▼
よく気付いてくれました。
早急に修理いたしましょう。▼
- [リノアン]
- エメリナ様、あとはこれを…。
孤児院運営に関する
改善案をまとめてみました。▼
- [エメリナ]
- まあ、これは!?
私たちが見落としていたことが
こんなにもたくさん…。▼
リノアン、あなたに
折り入ってお願いがあります。▼
この孤児院をより良くするために
あなたにリーダーシップを
とってほしいのです。▼
大変なお仕事となりますが
引き受けてもらえませんか?▼
- [リノアン]
- そんな…いいのでしょうか?
まだ召喚されて日が浅い私が
そんな大役を任されるだなんて…。▼
- [エメリナ]
- あなたが善良で優秀であることは
ここにいる誰もが気付いています。
みなさん、快く協力してくれますよ。▼
- [リノアン]
- わかりました。僭越ながら
その役目、お受けいたします。▼
- [ゴンザレス]
- たのまれた、
木、きってきた。
ここにおけばいいか?▼
- [リノアン]
- はい、いつもありがとうございます。▼
- [ゴンザレス]
- お、おお。
…またこどもたちと
あそんでもいいか?▼
- [リノアン]
- もちろんです。
ゴンザレスさんが来てくれると
子どもたちも喜ぶんですよ。▼
- [ゴンザレス]
- おれ、いってくる!
まきわりもやっておくぞ!▼
- [ジュリアン]
- ははは、ゴンザレスのやつ!
うれしそうに走っていったな。▼
孤児院の補修も手伝ってくれて
子どもたちの世話もしてくれる。
本当に助かるぜ。▼
- [リノアン]
- ええ。お力をお借りできて
本当に良かったです。▼
- [ジュリアン]
- それにしてもリノアンさんが来てから
この孤児院の雰囲気が変わったな。
前よりもずっと明るくなった。▼
- [レナ]
- はい。子どもたちも
より元気になったと思います。▼
- [サウル]
- おお、リノアンさん!
今日も輝くような美しさですね!▼
- [リノアン]
- 神父様、お願いしていた件
どうなっていますでしょうか?▼
- [サウル]
- ええ、アスク王国の方々から
寄付が集まっておりますよ。
子どもたちは国の宝ですからね。▼
- [リノアン]
- まあ! それはなによりです。▼
- [サウル]
- そうでしょう! そうでしょう!
それもこのサウルが身を粉にして
働きましたので!▼
つきましては
その労をねぎらうために
一緒にお茶でもどうでしょう?▼
- [ドロシー]
- 神父さま!
そういうお話は控えてください。▼
今日はここの子どもたちに
文字を教える約束でしょう?▼
- [サウル]
- うっ、そういえばそうでした。
お茶はまた次の機会に…。▼
- [チャド]
- あの方もすっかりタジタジだな。
リノアンさんはきっと
人の扱い方が上手なんだな。▼
- [ルゥ]
- リノアンさんは出会った人のことを
よく見ているんだと思う。▼
その人がどんな性格で
どんなことが得意なのか…
それを見抜く力がすごいんだね。▼
- [エメリナ]
- ふふ、リノアンが来てくれて
本当に助かりました。▼
- [リノアン]
- みなさん、褒めすぎですよ!
たまたまターラ市長としての経験が
役に立っているだけで…。▼
- [エメリナ]
- 大人である私たちの誉め言葉よりも
子どもたちが見せる笑顔が
あなたの優秀さを物語っていますよ。▼
- [リノアン]
- 戦う力のない私に
この国でなにができるのか
悩みましたが…。▼
自分が役に立つ場所があるのなら
こんなにうれしいことはありません。▼
ターラと変わらずアスク王国でも
子どもたちの笑顔が増えるよう
精一杯、頑張りますね。▼
救国の誓い リーフ†
- [リーフ]
- フィン、こうして異界の地でも
再会できたことをうれしく思う。▼
- [フィン]
- …リーフ王子。
私も同じ想いです。▼
- [リーフ]
- 思えばフィンとは
長く辛い時間を過ごしてきたな。▼
- [フィン]
- 帝国の手からの逃避行…
気の休まることのない日々。▼
まだ幼いリーフ王子にとっては
さぞ厳しかったことでしょう。▼
- [リーフ]
- フィンこそ、幼いぼくを抱えて
苦労も多かったはずだ。▼
厳しい旅だったとは言え
ぼくは一度として
空腹にあえいだことはない。▼
それはフィンが自分を差し置いて
食べ物をわけてくれたからだろう。
迷惑を掛けたな。▼
- [フィン]
- とんでもありません。
リーフ王子の存在こそが
レンスターの希望なのです。▼
私は成すべきことをしたまで。
どうぞお気になさらないでください。▼
- [リーフ]
- フィンに恩返しするためにも…
今度はぼくがフィンの助けになりたい。▼
そのために、ぼくには力が必要だ。
どんな敵にも負けない力が…。▼
だから、ぼくはこのアスク王国で
さらに成長してみせるよ。▼
- [フィン]
- リーフ王子、大丈夫ですか!▼
- [ラタトスク]
- あっ、良かった!
ちょうど今、リーフ王子が
目を覚ましたところで…▼
- [リーフ]
- フィン、すまない…。
訓練所で倒れたところを、ここにいる
ラタトスクに助けてもらったようで…。▼
- [ラタトスク]
- びびび、びっくりしちゃった…
フラフラしてると思ったら
いきなり倒れちゃって…。▼
- [フィン]
- ラタトスク、恩に着る。
リーフ王子のことは
私が引き継ごう。▼
- (暗転)
- [リーフ]
- ぼくは焦っていたのかもしれないな…
早く強くならなくてはと思って。▼
ヴァイス・ブレイヴにいる
ほかの英雄たちと比べると
ぼくは本当にまだまだ未熟だ。▼
- [フィン]
- お気持ちはわかりますが
身体を壊しては元も子もありません。▼
- [リーフ]
- でも、このままでは
いつまで経っても
フィンに恩が返せない…。▼
ぼくにもっと力があれば
フィンの助けになれるのに。▼
- [フィン]
- リーフ王子のお考えになる力とは
どのようなものなのでしょうか?▼
- [リーフ]
- えっ?▼
- [フィン]
- 相手を圧倒するような武の力。
戦術をめぐらせ敵を陥れる知の力。
力には、さまざまな種類があります。▼
いったいリーフ王子が欲しているのは
どのような力でしょうか?▼
- [リーフ]
- ぼくが欲している力…。
武を鍛えればフィンの力になれると
思っていたの事実だ。▼
いや、その方法しか思いつかなかった。
もしかすると、ほかのやり方で
力を得る方法があるのだろうか。▼
- [フィン]
- アスク王国には
さまざまな英雄がいます。▼
もしかすると彼らの中に
王子が求める答えを持っている
英雄がいるかもしれません。▼
- [リーフ]
- そうだね…。
偉大な英雄の言葉に耳を傾けることで
足りないものが見えるかもしれない。▼
フィン、手間を取らせるが
是非とも紹介してもらえないか?
ぼくに足りない力を持つ英雄を…▼
- [リーフ]
- はじめまして。
レンスターの王子リーフと申します。▼
- [マルス]
- ぼくはアリティアの王子マルス。
君のことはフィンから聞いているよ。▼
- [フィン]
- マルス王子は
戦乱の大陸を平和へと導いた
英雄王と呼ばれるお方。▼
リーフ王子の求める力を
知りえる人物かと思います。▼
- [リーフ]
- ぜひ知りたいんです。
なにがマルス王子を支え
宿願を果たす後押しになったのか。▼
ぼくにも必要なんです。
レンスターに…いやトラキア全土に
平和をもたらす強い力が!▼
- [マルス]
- リーフ王子、君にはぼくが
凄腕の剣士や、
強い魔力の使い手に見えるかい?▼
- [リーフ]
- …正直に申し上げて
そのようには見えません。▼
むしろ、とてもお優しい方に見えます。
その瞳から感じるのも慈しみの光です。▼
- [マルス]
- うん、ぼくは特別な力を
持っていたわけではないんだ。▼
ぼくは、自分のもとに集った
仲間を信じて戦ってきただけだよ。▼
- [リーフ]
- 仲間を…信じて…。▼
- [マルス]
- 些細なことだと思うかもしれない。
だけど、仲間を信じる力なら
誰にも負けるつもりはないよ。▼
そして、仲間たちも
ぼくの信頼に応えるように力を尽くし
戦い抜いてくれた。▼
- [リーフ]
- 信じる力…。▼
確かにそうです。
ぼくが今日まで生き残れたのは
フィンのことを信じていたから…。▼
同じように
ほかの仲間たちを信じることで絆を育み
それを強さに変えることができます。▼
- [マルス]
- ときには誰かに
裏切られることもあるかもしれない。▼
それでも信じるんだ。
まずは自分から相手のことを。
その先にきっと希望は見えるはずだよ。▼
- [リーフ]
- ありがとうございます、マルス王子。
英雄の力とはなんなのか…。▼
おぼろげながら
ぼくにも見えてきた気がします。▼
- [マルス]
- それはよかった。
君の支えになれてうれしいよ。▼
フィンをはじめ、君のまわりには
素晴らしい仲間たちがいる。▼
彼らを信じ抜くことで
必ず未来は拓けるはずだよ。▼
- [フィン]
- いかがでしたか?
あれが英雄王と呼ばれる
マルス王子です。▼
- [リーフ]
- 引き合わせてくれてありがとう、フィン。
ぼくの中でもやもやとしていたものが
はっきりと見えてきた気がする。▼
ぼくの求める力…それは
希望にあふれた未来を信じる力だ。
今ならそう断言できるよ。▼
武の力だけを求めてはダメだ。
仲間を信じ、それぞれの力を
ひとつにまとめていく…。▼
それは必ずぼくたちの…
フィンの助けになるはずだ。▼
- [フィン]
- 素晴らしいお考えです。
その未来への道程
どこまでもお供いたします。▼
- [リーフ]
- ありがとう、フィン。▼
- [キュアン]
- リーフ…
よい経験を積めたようだな。▼
- [エスリン]
- ええ、本当に…。▼
- [リーフ]
- あなたは父上!
それに…母上!?▼
- [キュアン]
- 不思議なものだ。
異界で成長したお前の姿を
目にすることができるとはな。▼
- [エスリン]
- リーフ…
生きていてくれただけでも
私たちにとっては幸せなことです。▼
- [リーフ]
- 父上! 母上!
本当なら、ぼくの口から
もっとよい報告を伝えたかった。▼
だけど、ぼくの戦いはまだ道半ば。
英雄としてもまだまだ未熟…。▼
- [キュアン]
- 顔をあげてくれ、リーフ。
私たちはお前を信じている。▼
トラキア半島の民のために
成すべきことを成し
必ずやり遂げてくれるとな。▼
- [エスリン]
- ええ。私も信じています。
あなたの歩む先に必ず希望があると。▼
- [リーフ]
- 父上、母上…ぼくは、
あなたたちに恥じぬ生き方が
できているのでしょうか?▼
- [キュアン]
- もちろんだ。今のお前なら
トラキア半島の未来を託すことができる。▼
これからもフィンと力を合わせ
ともに困難を…▼
- [エスリン]
- あら?
あら?そういえば
フィンはどこに行ったのかしら。▼
- [キュアン]
- 親子水入らずの再会…
フィンも気を利かせてくれたのだろう。▼
- (暗転)
- [フィン]
- トラキアでは決して叶わぬ再会。
きっとリーフ王子の力に
なってくれると思います。▼
- [アルテナ]
- ありがとう、フィン殿。
あなたにはこれからも見守ってほしいの。
弟の…リーフの成長を。▼
- [フィン]
- もちろんです、アルテナ様。
リーフ王子の信頼に応え
ともに戦い抜くことを誓います。▼
旅の吟遊詩人 ホメロス†
- [ホメロス]
- そこのお嬢さん…
ちょっといいかな?▼
- [フロリーナ]
- え? 私…ですか?▼
- [ホメロス]
- ああ、麗しの君よ…。
異界に浮かぶ月の下で
俺と宴を楽しまないか?▼
- [フロリーナ]
- あ、あの…私…
その…ご、ごめんなさい!▼
- [ホメロス]
- ありゃ、行っちまった。
気に障ることでも言ったかね…。▼
- [ファリナ]
- あーダメだよ、お兄さん!
あの子、男の人が苦手みたいだからさ。▼
その点、私はイケる口だし宴も大歓迎!
奢ってくれるなら、いつでもご一緒に…
って、あれ? いないし!?▼
- (暗転)
- [ホメロス]
- もし!? そこのお嬢さん!
俺と一緒に宴でも…。▼
- [ニーズヘッグ]
- 宴~?
あたしはね~この実さえあれば
ご機嫌なのよ~。ひぃっく。▼
- [ホメロス]
- おっと、完全に出来上がってるな。
うっかり関わると
面倒なことになりそうだ。▼
- [ジスト]
- どうしたよ、大将?
宴の相手が見つからねえのか。▼
- [ホメロス]
- えっ? ああ。いや…
今日は巡り合わせが悪いっていうか。▼
- [ドズラ]
- ならば、わしらの卓に来い。
こっちも宴の真っ最中だ!
遠慮はいらんぞ、ガハハハハ!▼
- [ドズラ]
- なんじゃ若いの、早く座らんか。
ほれほれ、ここじゃここ!▼
- [ホメロス]
- う~ん、野郎と卓を囲んでもなあ。
飲んだところで味も三割落ちだ。▼
…けどまあ、
空腹は一番の調味料っていうしな。
騙されたと思って付き合うか。▼
- (暗転)
- [ジスト]
- おお! なかなかの飲みっぷりだな。
じゃあ次はこいつはどうだ?
アスク王国でもとびきりの一杯だぜ。▼
- [ホメロス]
- …いい色だな。それに香りもいい。
おおっ!? こいつは見事な味だ!▼
驚いたな。アスク王国には
こんな極上の一杯があるのか!?▼
- [ジスト]
- 気に入ってもらえたようだな。
遠慮はいらねえ。
じゃんじゃん飲め。▼
- [ドズラ]
- むうっ?
肝心の飲み物がすっかり空のようじゃ。
今日の宴はもう終いかのう…。▼
- [ホメロス]
- なんだって?
まだ飲み始めたばかりなのに。
これじゃ全然足りねえな。▼
- [ドズラ]
- 新しい仲間が気に入ってくれたんじゃ。
なんとかならんものかの?▼
- [ジスト]
- 食堂に卸す食材や飲み物は
マリナスのじいさんが
管理しているはずだが…。▼
- [ドズラ]
- だったらマリナスに相談すれば
なんとかなるかもしれんぞ?▼
- [ホメロス]
- よし、俺が直談判してくるぜ!
そのじいさんにはどこで会える?
極上の一杯を譲ってもらってくるぜ。▼
- [マリナス]
- ふう、これで在庫の確認は終わり。
あとは不足分の手配じゃが…む?▼
- [ホメロス]
- おっ、いたいた。
あんたが食堂に飲み物を卸している
マリナスじいさんだな?▼
- [マリナス]
- いかにも、わしがマリナスじゃ。
見知らぬ顔じゃな? 新入りかの?▼
- [ホメロス]
- 俺は吟遊詩人のホメロス。
食堂で飲んだ極上の一杯…
あれを譲ってもらえないか?▼
- (暗転)
- [ホメロス]
- なんだって!
譲れないってのはどういう了見だ!?
金ならちゃんと払うぜ!▼
- [マリナス]
- さっきも説明したじゃろ?
金の問題ではないじゃ。▼
- [ホメロス]
- そこの樽に入ってんだろ?
たくさんあるみたいだし、少しくらい
融通してくれてもいいじゃねえか!▼
- [マリナス]
- 食材は毎日決められた量を
食堂に卸すようにしている。▼
英雄の中にはおぬしのように
底なしに求めるやつもいるからの。▼
なんと言われようと
決まった量しか出せんのじゃ。▼
- [ホメロス]
- 話のわからないじいさんだな。
なんでこんな偏屈なやつが
英雄として召喚されたんだ?▼
- [マリナス]
- わしは自分を英雄と思っておらんし
おぬしにどう思われようと構わん。▼
じゃが、英雄たちを支える仕事には
誇りを持って取り組んておる。▼
- [ホメロス]
- ……。▼
- [マリナス]
- まだ用があるのかの?▼
- [ホメロス]
- いや、騒がせたな。
今日は帰ることにするよ。▼
マリナスじいさん、さっきは
あんなことを言って済まなかったな。▼
- [ホメロス]
- よう、マリナスじいさん。
相変わらず精が出るな。▼
- [マリナス]
- なんじゃ、またおぬしか。
頼みなら聞けんぞ。
さっさと持ち場に戻らぬか。▼
- [ホメロス]
- まあまあ、そう邪険にするなって。
今日は極上の一杯をせびるんじゃなく
代わりにいい話を持ってきたんだ。▼
- [マリナス]
- いい話? なんだか胡散臭いのう…。▼
- [ホメロス]
- 俺は吟遊詩人だ。
吟遊詩人の仕事はわかるよな?▼
- [マリナス]
- おぬしのように軽口を叩いたり
真面目に倉庫の整理をしている
年寄りの邪魔をすることか?▼
- [ホメロス]
- まったく誤解もいいところだぜ。
各地に残る伝説や英雄の物語を歌い
人々の心に残すのが吟遊詩人の仕事だ。▼
- [マリナス]
- で、その吟遊詩人がこの年寄りに
いったいなんの用があるのかの?▼
- [ホメロス]
- ああ、話は簡単だ。
あんたの歌を作ってやろうと思ってな。▼
- [マリナス]
- ふむふむ、そうかそうか…。
あんたの歌…わ、わしの歌を作る?
なにを言っとるんじゃ、おぬしは!?▼
- [ホメロス]
- 俺があんたを讃える歌を作る。
それを聞いて気に入ってくれたら
例の極上の一杯を譲るってのはどうだ?▼
- [マリナス]
- わしの仕事は英雄を支えること。
いわば裏方ということじゃ。▼
そんな地味な仕事を歌ったところで
面白くもなんともないじゃろ?▼
- [ホメロス]
- いいや、だからこそだ。
英雄を讃える歌はそこらに溢れている。▼
だが、それを支える裏方の歌ってのは
正直、俺も聴いたことがない。▼
- [マリナス]
- ……。▼
- [ホメロス]
- マリナスじいさんも言っただろ?
英雄たちを支える仕事に
誇りを持って取り組んでるってさ。▼
それは英雄たちになんら見劣りはしない。
少なくとも俺はそう感じたよ。▼
- [マリナス]
- ふん、ずいぶんと風変わりな
吟遊詩人もいたものじゃの。▼
- [ホメロス]
- それにさ、ほかの吟遊詩人が
歌わないような歌を奏でれば…。▼
「不思議な歌を歌うのね!」なーんて
美人に褒められるかもしれねえしな。▼
- [マリナス]
- ……。▼
- [ホメロス]
- さあ、どうする?
よければさっそく歌うぜ?▼
- [マリナス]
- いいや、わしの歌なぞ誰も喜ばん。
だったらエリウッド様の
活躍を歌にしてくれ。▼
- [ホメロス]
- 遠慮するなって!
俺はみんなのために頑張る
マリナスじいさんの歌を歌いたいんだよ!▼
- [マリナス]
- まったく変わったやつじゃ…。
まあ、気持ちだけは受け取っておくかの。▼
おぬしの目的は取引じゃろ?
だったら倉庫の整理を手伝っとくれ。
少しなら目当ての品も分けてやる。▼
- [ホメロス]
- 本当か!? 力仕事は苦手だが
背に腹は代えられねえな。▼
俺は見た目以上に繊細で
身体も頑丈じゃないからな。
あんまりこき使わないでくれよ!▼
コメント
Last-modified: 2025-07-21 (月) 11:05:16