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章別会話
血と鉄の彼方に†
血と鉄の彼方に†
オープニング†
- [アルフォンス]
- これが戦神トールの軍勢…
なんて数だ…
いくら倒してもキリがない!▼
- [アンナ]
- 英雄たちの疲労も厳しいわ…
ここは一度退いて態勢を
立て直したほうがよさそうね。▼
- [シャロン]
- 待ってください、アンナ隊長!
西の盆地で、まだ友軍が
戦っているとの報告が…!▼
- [アンナ]
- なんですって!?
まずいわね…西の盆地には
敵の新手が近づいているはずよ。▼
- [シャロン]
- 誰かを向かわせて
撤退命令を伝えないと
包囲されてしまいます!▼
- [アルフォンス]
- しかし、
これほど危険な戦況で
誰を向かわせれば…▼
- [アシュナード]
- その役、我に任せるがいい。▼
- [アルフォンス]
- あなたは…
アシュナード王…!▼
- [アシュナード]
- 孤立している友軍が
死体になる前に
連れ戻せばよいのだろう?▼
- [アルフォンス]
- ……▼
お任せしてよいでしょうか
アシュナード王。▼
敵の新手が迫っているとの
知らせもあります。
くれぐれもお気をつけて。▼
- [アシュナード]
- ククク…それは好都合だ。
向こうから獲物が
命を捨てにくるとはな…▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [アシュナード]
- 手勢を連れていく。
本隊は
早々に退くがよい。▼
- [アルフォンス]
- いえ、僕たちも態勢が整い次第
すぐに救援に向かいます。▼
- [アシュナード]
- ククク…戦神トールの軍勢とやら
我を愉しませてみせよ。
その力、とくと示してもらうぞ…▼
- [リオン]
- デイン王アシュナードよ。
なにゆえ同行者に我を指名した?▼
- [アシュナード]
- 知れたことよ…
お主は他者の命を奪うことに
一切の躊躇をせぬ。▼
その迷いのなさは
強さ以外のなにものでもない…▼
- [カムイ]
- ……▼
- [アシュナード]
- 迷いを捨てよ、獣の王子よ。
耐えに耐えてきた貴様の衝動も
もはや限界が近かろう?▼
味方を殺し尽くすより、
敵を殺し尽くすほうが
遥かに良いではないか。▼
- [ユリア]
- …サカラウモノ、ミナ殺ス…▼
- [アシュナード]
- この小娘に至っては
自我を失い、ただ敵を倒すだけの
純然たる力となった存在。▼
敵を蹂躙するにあたり
貴様ら以上の適任はおるまいよ。▼
- [ユリア]
- ……。
敵…近イ…▼
- [リオン]
- む…あの土埃は…▼
- [アイク]
- ぐぅぅっ!
おおおおおおおおおっ!▼
敵は…倒す…!
敵は…すべて…!▼
- [アシュナード]
- ほう、取り残されていたのは
あやつであったか。▼
力を求め続けた英雄の果て…
しかし、闘争に人生を捧げし魂の
到達点のひとつでもある。▼
ククク…ここで失うには惜しいな。
この先、どれほどの屍の山を築くか
見ものではないか。▼
では…行くとするか。
我を存分に楽しませてみせよ!▼
- [ユリア]
- 敵ハ…モウイナイ…
スベテ…殲滅……▼
- [アイク]
- はぁっ…はぁっ…
終わった…か。▼
- [アシュナード]
- フフフ…ガウェインの息子よ。
良い戦いだったぞ。▼
- [アイク]
- アシュ…ナード…▼
- [アシュナード]
- 貴様の父は…力を畏れ
メダリオンを拒んだ。▼
我は…力を求め
メダリオンを受け入れた。▼
貴様はどちらだ?▼
- [アイク]
- …俺は…▼
- [アシュナード]
- すべての力を使い果たし
敵を殺し尽くすまで戦え。▼
そのときにわかるであろう。
自分が到達した強さの意味をな。
貴様はそのために、この世界に来たのだ。▼
- [リオン]
- さて、狂王よ。
目的と役目は果たしたが
これで終わりではないだろう?▼
- [アシュナード]
- 敵の増援が間もなく
到着するとのことだが…
奴らの到着を待つまでもない。▼
こちらから打って出て
奴らの命刈り取ってくれるわ!▼
- [アルフォンス]
- 急ごう、みんな!
態勢を立て直すのに
ずいぶん時間がかかってしまった…▼
- [アンナ]
- 敵の増援が来る前に
アシュナード王に合流できれば
確保した退路で撤退を…▼
- [シャロン]
- ……!?
あ、あれって…▼
(暗転)
- [アンナ]
- こ、これはいったい…!?
倒れているのは全員トールの軍勢!?▼
- [シャロン]
- お兄様、あそこに!▼
- [アイク]
- はぁっ…はぁっ…
まだだ…まだ…敵を…▼
- [アルフォンス]
- アイク将軍!?
こんなに深手を…
なんて無茶な戦い方を…▼
まさかこれだけの敵を
アシュナード王たちだけで
撃破したというのか…▼
でも、この戦場の様子は
まるで…▼
- [アシュナード]
- 虐殺…とても言いたいのか?
今さらだな、アルフォンス王子。▼
戦いがある限り、死は
こうして積みあがっていくのだ。▼
王子が平和とやらを求める限り
それはより大きな力を呼び込み
世界は血と鉄で満たされるであろう。▼
- [アルフォンス]
- アシュナード王…▼
- [アシュナード]
- 力に抗することができるのは力のみ。
正義や愛といった題目を掲げても
力の前では役に立たぬ。▼
我が欲するのは
力ある者が善となる世界。▼
強き者がすべてを統べ
弱き者は従属する。▼
それが…世界の正しきあり方よ。
どのような異界にあろうとも
その心理は歪むことはない!▼
- [アルフォンス]
- 僕は…力を持つ者、持たざる者が
誰も傷つくことのない世界を目指して
戦っています。▼
それはただの理想かもしれません。
でも、僕はその理想を
諦めたくはないのです。▼
- [アシュナード]
- どのような世界を目指すかは
王子の勝手だ。▼
しかし、その理想を
叶えるためには力が必要なのだ。
それをゆめゆめ忘れるな。▼
- [アルフォンス]
- ……▼
- [アンナ]
- 今回は、アシュナード王に
助けられたわね…▼
- [アルフォンス]
- はい。僕たちだけじゃ
この窮地を切り抜けることは
できなかったと思います。▼
- [アンナ]
- 彼らの力は絶大だわ。
味方の私たちですら恐れを抱くほどに…▼
だけど、アスク王国のためには
彼らの力も使っていかなくては
ならないのよ。▼
- [アルフォンス]
- 僕とエクラ…
ヴァイス・ブレイブに
彼らを御することができるのだろうか。▼
いや、できるかではない…
やらなければならないんだ。▼
- [アンナ]
- そうね。手にした力をどう活かすかは
私たち次第。彼らの力を
間違った方向に向けてはいけないわ。▼
- [アルフォンス]
- 強き者が世界を統べ、弱き者が隷属する…
アシュナード王はそれが世界の
真理だと言っていた。▼
でも僕は…僕たちは…
誰もが平等に
明日を迎えられる世界を作りたい。▼
僕たちの手にあるのは
そのための力であるはずなんだ。▼
そのための力でなくては
いけないんだ…▼
暴走の闘気 アイク†
- [アイク]
- ぐっ…おおお…
おおおおおおおおおぉぉっ!▼
- [ティアマト]
- アイク、やめなさい!
正気に戻って…!▼
くっ! きゃぁぁぁぁっ!▼
- [ワユ]
- 大将、なにやってんのさ!
仲間に剣を向けるなんて!▼
- [アイク]
- ぐぅぅっ、おおおお!
敵を…!
俺が倒す…敵を…!▼
- [ミスト]
- お兄ちゃん…!
どうしちゃったの…!?▼
わたしたちが頑張ってきたのは
仲間を守るためだよね?
それが…こんな…こんなのって…!▼
お兄ちゃんっ…!
きゃぁぁぁぁーっ!▼
(画面が白く光る)
- [ミスト]
- ……!▼
はぁ、はぁっ…
び、びっくりしちゃった…
さっきのは…夢?▼
うん、そうだよね。
お兄ちゃんが仲間を傷つけるなんてこと
絶対にするわけないよ…▼
でも、なんだろう。
この胸騒ぎ…▼
- [セネリオ]
- アイクが仲間たちを
襲っている夢…ですか。▼
- [ミスト]
- 夢の中のお兄ちゃんは
まるで自分を見失ったように
剣を振り回して…▼
お兄ちゃんが
絶対にするわけないのに…
どうしてあんな夢を見たんだろ…▼
- [セネリオ]
- そのことは
アイクに話しましたか?▼
- [ミスト]
- ううん、話してないよ。
気にはなったんだけど…▼
お兄ちゃんはいつも通り
朝ごはんをもりもり食べて
特に変わったところはなかったし…▼
- [セネリオ]
- 人間が見る夢は記憶の整理…
またはある種の予兆を孕んでいるとも
言われています。▼
たとえば、夢を見ることで
未来を予見できる英雄もいるとか。▼
- [ミスト]
- 夢で未来を…予見?
でも、わたしにそんな力はないよ?▼
- [セネリオ]
- 特別な力はなくても、
夢を見ることができるかぎり…▼
誰もが虫の知らせ…
なにかの前触れのようなものを
受け取れるのかもしれませんね…▼
そして、ミストが見た夢は
アイクがたどる可能性の
ひとつなのかもしれません。▼
- [ミスト]
- ……!?
夢で見たお兄ちゃんが
現実になるかもしれないってこと?▼
- [セネリオ]
- 心配はありませんよ…
アイクが自分を見失って
力に溺れるようなことなどありません。▼
アイクを一番近くで見てきたあなたなら
そのことがわかるのではありませんか。▼
- [ミスト]
- う、うん…そうだよね。▼
- [セネリオ]
- ……▼
- [セネリオ]
- ……▼
手足に重さを感じられない…
ここはいったい…▼
- [アイク]
- ぐおおおおおおおおおっ!
戦わせろ…
俺を…戦わせろ!▼
- [セネリオ]
- くっ! アイク!?
僕がわからないのですか?▼
- [アイク]
- 敵は…どこだ…
俺の…敵は…!
おおおおおおおおぉぉっ!▼
- [セネリオ]
- …なるほど、これではっきりしました。▼
本物のアイクが仲間に
剣を向けるはずはない。
ここは…夢の中ですね。▼
- [アイク]
- ぐぅぅっ!
おおおぉぉぉっ!▼
- [セネリオ]
- アイク、あなたが
グレイル団長の仇に
遅れをとって以来…▼
力を求め続けていたのは
わかっていました。▼
…ですが、今のあなたは偽物です。
夢の中の幻にすぎない…▼
- [アイク]
- うおおおおおおおぉぉぉっ!▼
- [セネリオ]
- アイクは強い人です。
本物のあなたならば
たとえ混沌の力に支配されてなお…▼
その力に抗い、戦い、挑み続けるでしょう。
すべてを自らの背負うべきものとして…▼
- [ミスト]
- ね、お兄ちゃん…
お兄ちゃんは怖い力に溺れて
自分を見失ったりはしないよね?▼
- [アイク(伝承)]
- この間の夢の話か…
当たり前だ。心配するな。
俺は、俺自身の努力で強くなる。▼
得体の知れない力に
頼るつもりは毛頭ない。▼
そして、俺一人の力で足りない分は
仲間たちが補ってくれると
そう信じている。▼
- [セネリオ]
- ええ、その通りです。
そのために僕たちがいるのですから。▼
- [ミスト]
- よかった、いつものお兄ちゃんだ!
もう怖い夢なんてこりごりだよ。▼
- [セネリオ]
- ええ。
もし、僕やミストが夢で見たアイクが
可能性のひとつだとしても…▼
…決して現実にはさせません。▼
(暗転)
- [アイク(伝承)]
- 力に溺れる…か。▼
……▼
俺は…力が欲しい。
大切な者を守れる力が。▼
親父…俺は強くなる。
強くなって…いつか必ず…▼
!?▼
お前、は…▼
- [アイク]
- …………▼
奪われた心 ユリア†
- [メイ]
- ユリア、ちょっといいかな?▼
- [ユリア]
- ……?▼
- [セシリア]
- 今日はあなたに
お願いがあってきたのよ。▼
- [エリーゼ]
- 今度、近くの孤児院で劇をやるの!
よかったら、ユリアさんも
協力してくれないかなー?▼
- [セシリア]
- 劇の名前は「魔法少女の聖域」。
私たちが魔法少女を演じて
大活躍するお話よ。▼
- [ユリア]
- 魔法…少女…?▼
- [メイ]
- 実は魔法少女役を
サーリャさんに頼んでいたんだけど…▼
「舞台なんて嫌。私は物陰から出たくない」
とか言って、協力してくれないの。▼
- [エリーゼ]
- ユリアさんなら、その役柄に
雰囲気もぴったりだなーと思って!
ね? 協力してくれないかな。▼
- [ユリア]
- 興味ハ…ナイ…▼
- [メイ]
- そう、それ! その雰囲気がいいの!
うんうん、見込んだ通り!▼
- [セシリア]
- ええ、いい感じね。
どうかしらユリア…
私たちに力を貸してくれない?▼
- [エリーゼ]
- ね、お願い!
ユリアさんの力が必要なの!
みんなを喜ばせるためにも…▼
- [メイ]
- みんなを助けると思ってー!
ねっねっ?▼
- [ユリア]
- 近イ…顔ガ…近イ…▼
……▼
- [ユリア]
- ウウ…ッ…
クゥ…ッ…▼
(暗転)
- [???]
- お前はここで死ぬのだ…!▼
- [???]
- させません…!
あなただけは…私が守ります…!▼
生きて…ユリア…▼
(暗転)
- [ユリア]
- クッ! ウウッ…
ア、アアア…ッ!▼
ハァッ…ハァッ…
イマノハ…夢…?▼
頬ガ…濡レテイル…
ドウシテ…▼
……▼
(暗転)
- [セシリア]
- それではメンバーも揃ったことだし
さっそく稽古をはじめましょうか。▼
- [リリーナ]
- 今回の劇は、日々を守る魔法少女が
闇に囚われた少女たちと戦う物語です。▼
- [ニノ]
- それも、ただの劇じゃないよ!
歌うようにお芝居をする
ミュージカルという劇なの。▼
- [ユリア]
- ミュージ…カル…?▼
- [ティルテュ]
- はじめは難しいと思うかもしれないけど
音楽に合わせて身体を動かすだけで
それっぽく見えるから大丈夫!▼
- [メイ]
- 習うより慣れろって言うし
とにかくやってみよう!▼
ユリアは闇に囚われた少女の
気持ちになって、陽の当たる世界への
恨みをぶつけるような感じで…!▼
- [ユリア]
- ……▼
闇ヲ拒ム…愚カ者ドモヨ…
ソノ身ニ…報イヲ受ケヨ…!▼
- [エリーゼ]
- ……! いい!
それすっごくいい!
役柄のイメージ通りだよ!▼
- [リリーナ]
- 少女の雰囲気だけじゃなく
光の世界への憎しみが
こちらにまで伝わってきますね。▼
- [ニノ]
- ひょ、ひょっとしてユリアは
お芝居の天才なの?
これは負けてらんない…▼
- [ユリア]
- ……▼
- [セシリア]
- この調子でどんどん稽古を進めましょう。
ユリアは重要な役どころだから
その調子で頼むわね。▼
- [ユリア]
- ……▼
- [エリーゼ]
- 本番まであと1日…
なんだか緊張しちゃうね!▼
- [ユリア]
- ……▼
- [エリーゼ]
- ユリアさんはセリフを覚えるのも早いし
お芝居の才能があると思うよ!▼
- [ユリア]
- ……▼
- [エリーゼ]
- みんな、ユリアさんの演技に影響されて
以前より熱が入っているみたい。
リリーナも迫真の演技だよ!▼
- [リリーナ]
- 「大切な仲間たちが、一人、また一人と
倒されて…残るはもう私一人…!」▼
「ですが、たとえ千の絶望があっても
一の希望があれば、人は歩いていけるの!」▼
- [ユリア]
- 千ノ絶望…一ノ希望…▼
(画面が白く光る)
- [セリス]
- ユリア、
心細いだろうけど、心配はいらないよ。
ぼくがきみを守るから…▼
(画面が白く光る)
- [ユリア]
- …………▼
…アナタハ…ダレ…ナノ?…▼
…セカイニ…キボウナンテ…
…アルハズガ…ナイノニ…▼
- [エリーゼ]
- ユリアさん、どうしたの?
顔色が悪いようだけど…
少し休憩する?▼
- [ユリア]
- …必要…ナイ…▼
- [エリーゼ]
- ユリアさんは頑張り屋さんなんだね。▼
よーし、あたしも頑張らなきゃ!
絶対に劇を成功させて
みんなに喜んでもらいたいしね!▼
- [ユリア]
- ヨロコ…ブ…▼
私ニハ…ワカラナイ…
人ハイズレ…ミナ…
闇ニ…沈ム…▼
- [エリーゼ]
- ええっと…それって
人はいつか死んじゃうから
日々の喜びに意味はあるのかってこと?▼
人として生まれた以上
寿命があるのは仕方ないよ。▼
だけど…一日でも多く
楽しく笑って過ごせる日があるほうが
素敵じゃない!▼
- [ユリア]
- ……▼
- [エリーゼ]
- ユリアさんとこうして話している時間も
楽しい時間の積み重ねなんだよ。▼
その積み重ねがいつか
大切な輝く希望となってくれるって
あたしは思うよ。▼
- [ユリア]
- 輝ク…希望…▼
……▼
- [リリーナ]
- 「私が…最後に残った魔法少女…
そして私の命も…尽きようとしている…」▼
「ですがまだ…望みはあるの。
あなたこそが…最後の希望なのです」▼
- [ユリア]
- 「私ガ…最後ノ…希望?」▼
- [リリーナ]
- 「ええ。深い闇を知る者こそ
光の大切さを本当の意味で理解できる…」▼
「さあ、目覚めて…誰も立ち入れぬ深き闇…
魔法少女の聖域に生きる魂よ。
あなたが…世界の希望となるの…!」▼
(暗転)
- [ティルテュ]
- みんな、お疲れさま!
お芝居大成功だったね!▼
- [ニノ]
- いいお話だったね!▼
- [メイ]
- 子どもたちも楽しんでくれたみたい!
お稽古を頑張った甲斐があったな。▼
- [エリーゼ]
- ユリアさんも見たでしょ?
みんなの幸せそうな顔。
笑顔で拍手してくれていたよね。▼
子どもたちの笑顔を見ると
こっちまで心が温かくなるでしょ?▼
- [ユリア]
- …ワカラ…ナイ…▼
……▼
(暗転)
- [ユリア(伝承)]
- ありがとうございます、セシリア様。
とてもいい劇でした。▼
- [セシリア]
- みんなが子どもたちのために
頑張ってくれたおかげです。
もちろん、ユリアも。▼
- [ユリア(伝承)]
- これが心を取り戻すきっかけになると
いいのですが…▼
無理に闇を引き剥がそうとすれば
心は壊れてしまいます。▼
最終的には…私が…
いえ、あの子自身が自らの心の強さで
乗り越えるべき試練なのでしょう。▼
- [セシリア]
- きっと大丈夫です。
あの子の中に残っている希望は
まだ潰えていないと思います。▼
彼女が光を取り戻すきっかけを…
背中を押してあげることができれば
いつか心は蘇るのではないでしょうか。▼
現にあなたは、こうして光を取り戻し…
新しい希望となったのですから。▼
- [ユリア(伝承)]
- 闇に囚われた私が
この世界に現れたのは
きっと導きによるものなのでしょう。▼
私は祈りを捧げます。
長い闇を抜け、
光を宿せることを信じて…▼
蘇りし魔王 リオン†
- [リオン(闇)]
- ……▼
- [リオン]
- 混じるよ…その身体の端々から。
ぬぐいきれない…闇の力を。▼
- [リオン(闇)]
- ふっ…やはり来たか。
哀れな皇子よ。▼
今の我が身は、
貴様がいずれ辿る未来…
なれの果てといったところか。▼
- [リオン]
- 僕は…闇の力を
拒めなかったんだね。▼
そこに…僕の中にいるんだろう?
魔王フォデス。▼
- [リオン(闇)]
- フフ…いかにも。
貴様の魂はすでに
我が食らい尽くした。▼
- [リオン]
- ……。
…君はなぜここに?▼
- [リオン(闇)]
- 知れたこと。
すべての世界を
暗黒へと沈めるのだ。▼
貴様が聖石の力を
利用しようと企んだおかげで
成し得た望みだがな。▼
- [リオン]
- 僕は…僕は私利私欲のために
聖石を利用しようなんて思っていない。▼
民たちのため…
みんなのために…▼
- [リオン(闇)]
- ククク…なんと言い繕おうと
貴様もいずれ
禁忌を犯すことに変わりはない。▼
世界が暗黒に沈むさまを
指をくわえて見ているがいい。▼
- [リオン]
- ……▼
- [リオン]
- …答えてくれ、魔王フォデス。
どうして君は
エクラに協力を?▼
- [リオン(闇)]
- 我があやつに手を貸すのは
召喚の約定があるがゆえ…▼
だが、それだけではない。
戦いを重ねれば
この身体は我にさらに馴染む。▼
そのためにこの地、この戦を
利用しているだけのこと。▼
求めるは
人の滅び…世の滅び…▼
- [リオン]
- ……▼
- [リオン(闇)]
- 異界の皇子よ。
貴様が生を受けた世界と我がいた世界は
完全に同一ではなかろう…▼
しかしいずれ、貴様の世界でも
貴様は同じ運命を辿るであろう。
未来はすでに決まっているのだ。▼
- [リオン]
- ……▼
- [リオン(闇)]
- ククク…そう悲観することもない。
貴様はすべてを手に入れることが
できるのだぞ。▼
富も名声も…
マギ・ヴァル全土も…
そしてエイリークもな。▼
- [リオン]
- 違う…
僕は…▼
- [リオン(闇)]
- フフフ…
どうあがこうが、すべては無駄だ。
力なき哀れな皇子よ…▼
- [リオン(闇)]
- ……▼
リオ…ン…
もう一人…の…僕…▼
- [リオン]
- ……!▼
君は…
もしかして…
僕の意識…なのかい?▼
- [リオン(闇)]
- ああ…
僕は…闇に抗えず
フォデスに…飲まれた…▼
いや…違う。
僕が…僕の邪心が
魔王を取り込んだのか…▼
わからない…もう
僕は…どちらなのか…▼
- [リオン]
- ……▼
- [リオン(闇)]
- 僕は善良な人々の命を
たくさん犠牲にした…▼
昔の僕が持ってた心は
もう死んでしまった…▼
でも、君はまだ…戻れるんだ。
だから、どうか、君は…
くっ…ぅぅ…▼
- [リオン]
- …リオン…▼
…すまない。
でも、君の願いはかなえられない。
なぜなら、僕は…▼
- [リオン]
- 魔王フォデス…
今まで君と話をして…
君が何者かよくわかったよ。▼
だから…僕から君に
伝えておくことがある。▼
- [リオン(闇)]
- ほう、なんだ?
申してみよ、
哀れな皇子よ。▼
- [リオン]
- 僕に従え。▼
僕の指図なしに人を傷つけるな。
エクラと
僕に服従を誓うんだ。▼
さもなければ、
君を滅ぼす。▼
- [リオン(闇)]
- クク…ククク…
気でも違ったか?▼
貴様ごとき矮小な存在が
大層な口を…!▼
!?▼
- [リオン]
- …………▼
- [リオン(闇)]
- 貴様…▼
まさか…
貴様は…▼
- [リオン]
- 君も、リオンも…
ずっと勘違いをしていたんだ。▼
僕は、君のように
なる前の僕じゃない。▼
魔王の力を得て、
数々の罪を犯し、
エイリークやエフラムと対峙した…▼
その先の未来の、僕だ。▼
- [リオン(闇)]
- !▼
- [リオン]
- 僕は討たれ、力を失った…
今の君のような強さはない…▼
でも、僕は君だ。
この身を犠牲にすれば、
君を滅ぼすことくらいはできる…▼
そう思わないかい?▼
- [リオン(闇)]
- 貴様…▼
- [リオン]
- 君に伝えておくよ。
僕にも、君にも
望みの未来など訪れはしない…▼
せめてこの世界で
エクラのために
敵を葬るがいい。▼
わかったね?
哀れな…僕自身よ。▼
その血に眠る獣 カムイ†
- [カムイ]
- あ、エクラ…
今日も来てくれて嬉しいよ。▼
こんなに
いっぱいの食べ物まで…
君にはいつも感謝してもしきれないよ。▼
うん、体調は大丈夫。
この森…最初は不気味だったけど、
暮らしてみると意外と良い所だね。▼
ここにいると、気持ちが落ち着くんだ。
きっと、竜脈のような
不思議な力が眠っているのかも…▼
不自由はしてないよ。
僕は昔から、引き籠って
暮らすことには慣れてるからね。▼
…それに、
ここにいれば大切な人を
傷つけずにすむ…▼
…でも、君には申し訳なく思うよ。
せっかく君が召喚してくれたのに、
何の役にも立てなくて…▼
…そろそろ日が暮れるね。
森の入り口まで送ろう。▼
- [カムイ]
- はぁ、今日は寒いな…
こんな時、
暖かいベッドがあったら…▼
エクラの前では
強がってみせたけど…▼
森で一人きりで暮らすのが
こんなに大変だったなんて…▼
…当たり前か。以前の僕が
何不自由なく暮らせたのは、
みんなが傍にいてくれたから…▼
…!▼
女の子の…悲鳴…?▼
(暗転)
- [カムイ]
- …怪我はない?
このあたりは獣が多い。
近づかない方がいいよ。▼
- [アクア]
- …あ…ありがと。
助けてくれて…▼
- [カムイ]
- 君は…
アクア…?▼
- [アクア]
- …私のこと、知ってるの?▼
- [カムイ]
- あ、ごめん…
実は、君によく似た人を
知ってるんだ。▼
- [アクア]
- そう…▼
あなたは…
ここで何をしてるの?▼
- [カムイ]
- え?
えっと…それは難しい質問だね。
何もしてないわけじゃないんだけど…▼
- [アクア]
- 一人ぼっちでここにいるの?▼
- [カムイ]
- …うん、まあね。▼
- [アクア]
- そう…▼
それなら、
私も一緒にいるわ…▼
- [カムイ]
- え?
いや、駄目だよ。危ないよ。
この森には危険が…▼
- [アクア]
- 一人ぼっちは寂しい…そうでしょ?
私…よく知ってるもの。▼
二人でいれば…
あなたも私も、
一人ぼっちじゃないわ。▼
- [カムイ]
- こ、困ったな…▼
- [カムイ]
- …獣の衝動は…
今もぼくの中を渦巻いている…
だから、僕は一人でいた方がいいんだ。▼
…でないと、
僕はまた大切な人たちを
傷つけてしまう…▼
獣の衝動に我を失って…
アクアを…
彼女を殺そうとした時のように…▼
- [アクア]
- ……▼
- [カムイ]
- …………▼
『殺してもいい…
だから、戻ってきて…』
あの時、彼女はそう言ったよ。▼
自分を殺そうとした相手に…▼
- [アクア]
- そう…▼
あの人がそう言ったなら、
気にすることないのに。▼
- [カムイ]
- え…?▼
- [アクア]
- 私、あなたが話してくれた
アクアのこと…知ってるわ。
前に会ったことがあるの。▼
人の心の中に
ずかずか入ってくるような人…
でも、うそつきじゃないわ。▼
あの人がそういったのなら…
それがあの人の気持ち。▼
自分はどうなってもいいから…
あなたにもどってきてほしかったの。▼
- [カムイ]
- …………▼
あっ、大変だ。
いつの間にか
日が暮れそうになってる…▼
さあ、お話はおしまいだよ。
もうお家にお帰り。
僕が送っていくから…▼
- [アクア]
- あなたは一人ぼっちで…
寂しくないの…?▼
- [カムイ]
- 大丈夫だよ。
僕はもう立派な大人だからね、
大人は一人きりでも寂しくなんて…▼
- [アクア]
- …………▼
- [カムイ]
- …ごめん。▼
寂しいよ。
みんなやきょうだいたちと…
永遠に離れ離れになるのは寂しい。▼
でも、こうしていないと僕は…▼
- [アクア]
- あなたが
寂しいと思ってるなら…▼
あなたの大切な人だって、
あなたがいなくて寂しい…▼
寂しくて…
悲しいって…
きっと思ってるわ…▼
- [カムイ]
- …………▼
- [カムイ]
- やあ、エクラ。▼
あ、ごめん。驚かせたかな?
いつもと違う場所から
急に出てきたから…▼
うん…あの森を出てみたんだ。
不安がないわけじゃないけど…▼
いつまでも君に
頼りっぱなしじゃいけないしね。▼
僕は…大切な人を
傷つけるのが怖かった。▼
傷つけるくらいなら、
自分が消えてしまった方が…
そう思っていた。▼
でも、そうすることで…
僕の大切な人たちを…もっと
傷つけてしまっていたのかもしれない…▼
だから僕は、選んだんだ。
君と…みんなと共にある道を。▼
大丈夫だよ。
僕は甘いってよく言われるけれど、
一つだけ約束できることがあるんだ。▼
自分で選んだこの道は…
必ず最後まで歩き通す。▼
獣の衝動を抑え、自分を保つ戦いが、
どれほど辛く苦しくても…
僕は絶対に折れたりしない。▼
だから、エクラ…
どうか見守っていて欲しい。
これからの、僕の歩みを…▼
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Last-modified: 2024-07-28 (日) 08:37:39