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章別会話

英雄の条件

英雄の条件

オープニング

[アンナ]
よし…と。
これで城の中は一通り案内したわね。▼
なにか必要な武具や物資があったら
遠慮なく言ってね。▼
[フォルス]
ありがとうございます、アンナ隊長!
僕たち新参の兵も手厚く迎えて頂き
感謝の言葉もありません。▼
[シルク]
最初は見知らぬ世界に召喚されて
どうなることかと思いましたが…▼
みなさん、とても優しくて
なんとかやっていけそうです。▼
[カチュア]
違う世界から来たとはいえ…
パオラお姉さまやエストが何人もいたのは
ちょっとびっくりしたけどね…▼
[アンナ]
まあ、慣れれば居心地がいいと思うわよ
ヴァイス・ブレイヴは!▼
それじゃ、みんなの活躍
期待しているわね!▼
[パイソン]
……▼
[フォルス]
広間に居並ぶ英雄たち…
すごい面々だったな!▼
[シルク]
はい。物語の中に登場するような
伝説の英雄の姿もお見かけして
思わず息を呑んでしまいました。▼
[フォルス]
ソフィアの王族の方やクレーベ様と
再会できたのにも驚いたが…▼
噂に聞くアリティアの英雄王にも
お目にかかれて至極光栄だよ。▼
たしか、カチュアもアリティアの
英雄王とともに、アカネイア大陸で
戦ったことがあるそうだな?▼
[カチュア]
ええ。マルス王子は私が仕えていた
マケドニア王国を救ってくれた恩人。▼
アスク王国でも…その輝きは
まったく失われていなかったわ。▼
[フォルス]
名だたる英雄と肩を並べて戦えるなんて
これ以上に光栄なことはないぞ!▼
なあ、パイソン。
お前も少しは興奮するだろう?▼
[パイソン]
しねーよ。
お前は相変わらずだなぁ。▼
光栄って、それで腹が膨れるわけ?
一緒に戦えばお前は騎士になれるわけ?▼
王様や貴族さまがあんだけ揃ってんだ。
俺たちが必死にならなくても
自分たちで何とかしてもらいたいね。▼
[フォルス]
あっ、待て! パイソン!▼
まったく、自分こそ相変わらずだな…▼
[カチュア]
……▼

C

[フォルス]
パイソン…!
ここにいたのか!▼
[パイソン]
ふぁ~…なんだ、フォルスか。
で、なんか用?▼
[フォルス]
どうして訓練に参加しないんだ!
名だたる英雄たちとともに
己を鍛えられる好機なんだぞ…!▼
エクラどのも
お前を英雄と見込んで
この世界に呼んでくれたんだ。▼
その期待に応えたいとは
思わないのか?▼
[パイソン]
んなこと言われてもなぁ…▼
俺はエクラに
召喚してくれって頼んだわけじゃないし。▼
[フォルス]
パイソン、そういう問題では…!▼
[パイソン]
まあ、聞けよ。
そもそも、ピンとこないのよ。
英雄だなんだと持ち上げられてもさ。▼
絵物語とかに出てくる英雄ってのは
高貴な血筋だったり
伝説の武器を持ってたり▼
それなりの由来があるじゃん。▼
でも俺たちはさぁ
なにも持ってない
庶民中の庶民なわけ。▼
お前は学者崩れで、
俺なんてただの穀潰しよ?▼
それなのに英雄とか持ち上げられて
この世界を救えとか言われても…
正直、荷が重すぎない?▼
[フォルス]
し、しかし…だからと言うて
苦難にあえぐ人々に
見て見ぬ振りはできないだろう。▼
[パイソン]
ソフィア王国の話なら
まあ俺の人生にも関わってくるけど、
異世界のことまではなぁ…▼
[フォルス]
またお前はそんなことを!▼
[シルク]
あ、パイソンさん
ここにいらしたのですね。▼
[カチュア]
…なにかあったの?
なにやら言い争ってるような声が
聞こえたんだけど…▼
[パイソン]
いーや別に。
他愛のない話さ。▼
フォルス、お前も勘違いするなよ。
庶民はどこまでいっても庶民なんだよ。
たとえ世界が変わってもね。▼
王子様でもあるまいし、
すべての民を守る気高い志、なんて
求められても困るっつーの。▼
[フォルス]
お、おい! 待て、パイソン!
まだ話は終わって…▼
[シルク]
行ってしまわれましたね。▼
[カチュア]
……▼

B

[アンナ]
カチュア! 訓練、お疲れさま。
アスク王国の生活には慣れたかしら?▼
[カチュア]
ええ。もうすっかり。▼
見知った顔と肩を並べて戦うのは
なんだか安心します。▼
違う世界から来ていても…
魂は同じなんだなって
そう…感じるんです。▼
……▼
[アンナ]
どうしたの…?
なにか悩み事かしら?▼
[カチュア]
いえ、悩み事というわけでは…▼
……▼
あの、ヴァイス・ブレイヴを
率いているということは▼
アンナ隊長も貴族か王族の出身…
なのでしょうか?▼
[アンナ]
いやいや、全然違うわよ!
まあ、私から感じる高貴なオーラが
そう感じさせているのかもしれないけど。▼
私の一族は代々商人の家系よ!
王族でも貴族でもなんでもなく
むしろ、庶民に近い感じ?▼
[カチュア]
そう…だったのですね。▼
ヴァイス・ブレイヴにいる英雄たちは
名だたる王族や貴族ばかり…▼
隊長を務めていて気後れしたり
しないのでしょうか…?▼
[アンナ]
全然! 気後れしたこともなければ
遠慮したこともないわよ!▼
だって、平和を願う心は庶民も王族も
そして商人だって関係ないでしょ?▼
英雄にとって大切なことは
身分や出自じゃないわ。▼
大切なもののために戦えるかどうか…
それがすべてだと思うの。▼
[カチュア]
大切なもののために
戦えるかどうか…▼
[アンナ]
大切なものの定義は
英雄によって変わると思うけど…▼
ヴァイス・ブレイヴに集ったみんなは
大切なもののために戦った結果
英雄と呼ばれる存在になった。▼
私も大切なもののために戦ううちに
ヴァイス・ブレイヴの隊長になったって
感じかしら?▼
カチュア、あなたにもあるんじゃないの?
大切なものが。そして…
大切なものを守るために戦う心が。▼
[カチュア]
ええ、私にもあります。
大切なものが…▼
大切なものを守るために戦う覚悟も。▼
[アンナ]
私たちヴァイス・ブレイヴは
出自なんて関係ない。▼
一人ひとりの覚悟が集まって
ひとつの大きな力になれることこそが
最大の強みなんだから。▼
って、絆の力で戦い抜いてきた
ペガサス三姉妹には
今さらな話だったかな?▼
[カチュア]
いえ、話を聞かせてくれて
ありがとうございました、アンナ隊長。▼
私の覚悟も…ヴァイス・ブレイヴを支える
力のひとつになれればと思います。▼
[アンナ]
うんうん、頼りにしてるわよ!▼

(暗転)
[パイソン]
………………▼
うわ寒っ!!
なにあのノリ!?
俺が一番苦手なやつだわ。▼
ほんっと、やべえところに
呼ばれちまったなあ……▼

A

[シルク]
パイソンさん、最近はちゃんと
訓練に参加されていますね。▼
もしかして、なにか心変わりでも?▼
[パイソン]
…別に。▼
[シルク]
そうですか…。▼
まあ、以前からパイソンさんは
お心の中をあまり
お話しされませんものね。▼
でも、こうして訓練に
精を出されているということは
何か思うところがおありなんでしょう?▼
それが何かはわかりませんが…
私はとても嬉しく思います。▼
[パイソン]
はいはい。
クサい話はそれくらいにして。
恥ずかしくなっちゃうから。▼
[シルク]
クサい…?
どういう意味でしょう?▼
[パイソン]
何でもかんでも
口に出さないでってこと。
あのね、俺だって鬼じゃないんだから。▼
人並みに、辛い思いをしてる人に
可哀そうだなーって
思う心くらいあるわけよ。▼
それをいちいち
何で助けるんですか?
どんな気持ちで助けるんですか?▼
可哀そうだと思ってるんですね!
優しい! 正しい! 尊い!▼
…とか言われてみ?
うるさいわ恥ずかしいわで
気が狂うっつーの!!▼
[シルク]
は、はあ…▼
[パイソン]
だから、そんなもん
詮索され続けるくらいなら▼
黙って戦うほうがマシだって
気づいたの。そんだけ。▼
[シルク]
そ、そういうものですか。▼
[フォルス]
…話は聞かせてもらったぞ!▼
[パイソン]
うわ…お前はどうしていつも
いきなり出てくんの?▼
[フォルス]
人を化け物みたいに言わないでもらおう。▼
パイソン、理由はどうあれ
少しでもやる気を出してくれたみたいで
僕はうれしいぞ!▼
[パイソン]
お前、人の話ちゃんと聞いてた?▼
[フォルス]
聞いていたとも。
それに、お前に言われて
考えてみたんだ。▼
確かに僕たちには立派な血筋も
伝説の武器もない。▼
民を統べる者として
教育を受けた訳でもない。▼
でも、目の前の人を哀れみ
助けたいと思うその心…▼
それさえあれば、戦う理由は
十分なんじゃないか。
僕も、お前も。▼
[パイソン]
…はいはい、そーね。
だからもういいでしょ。▼
[フォルス]
さあ! ならば僕たちは
志を持って一歩ずつ前に進むだけだ。
ともに手を取り合ってな…!▼
[シルク]
はい…! おふたりのお話、
私の胸にもしかと響きました。
これからも頑張りましょうね! 一緒に!▼
[パイソン]
…やっぱやめとこっかな…▼

(暗転)
[カチュア]
まったく…パイソンったら。
ただ素直じゃないだけじゃない。
勝手に気を揉んで損しちゃった。▼
でも、それでいいのよね。
大切なものなんて人それぞれ。
戦う理由も…。▼
私の夢は、もしかすると
永遠に叶わないのかもしれない。▼
だけど、大切な人たちの
夢を守るためなら…私は戦える。▼
私も、それで十分。
そうですよね、マルス様…▼

冷静な次女 カチュア

C

[フロリーナ]
あっ、お姉ちゃん…!
お姉ちゃんもアスク王国に
来てたのね…!▼
[カチュア]
……?▼
あなたは…?▼
[フロリーナ]
ファリナお姉ちゃんじゃ…ない。▼
あ、あの…ご、ごめんなさい!
人違い…でした。▼
[カチュア]
その装備…
あなたも天馬騎士かしら?▼
[フロリーナ]
は、はいっ!
イリア天馬騎士団に所属していた
フロリーナと言います。▼
[カチュア]
私はカチュア。
あなたと同じ天馬騎士よ。▼
まあ、この城には
大勢の英雄がいるんですもの。
人違いすることもあるわよね。▼
[フロリーナ]
す、すみませんでした…
これからは気をつけます。▼
[カチュア]
いいのよ。
同じ天馬騎士同士
これからもよろしくね。▼
[フロリーナ]
は、はいっ、こちらこそ!
それでは、失礼します…▼
[カチュア]
……▼
お姉ちゃん…か。
あの子、きっと甘えん坊なのね。
なんだかエストみたい。▼

B

[シャニー]
あっ、お姉ちゃん!▼
[カチュア]
……?▼
あなたは…?▼
[シャニー]
あーっ! ご、ごめんなさい!
ティトお姉ちゃんと間違えちゃった!▼
あたし、イリアの天馬騎士見習いの
シャニーと言いますっ。▼
[カチュア]
私はカチュア。
マケドニア白騎士団の天馬騎士よ。▼
なんだか、先日もこんなふうに
自己紹介したような…▼
[シャニー]
騎士団に所属されている天馬騎士…
すごいです、憧れます!▼
[カチュア]
でも、このアスク王国では
あなたと立場は変わらないわ。
これから、よろしく頼むわね。▼
[シャニー]
こちらこそ、カチュアさん!▼
そのっ、あたしには二人の
お姉ちゃんがいるんだけど…▼
カチュアさんの後ろ姿が
ティトお姉ちゃんに似ていたの。▼
[カチュア]
……▼
そのティトというお姉さんは
もしかして次女かしら?▼
[シャニー]
うん! とってもしっかり者で
頼りになるお姉ちゃんなの!▼
でも…よくわかりましたね?
もしかしてカチュアさんも
三姉妹の次女だったりして…!?▼
[カチュア]
え、ええ…
まあ、そんなところかしら。▼
……▼

A

[シャロン]
えっ? カチュアさん…
二度も他人と間違われたんですか?▼
[カチュア]
ええ。ここにはたくさんの
英雄がいるけれど…▼
人違いで声をかけてきたのは
二人とも天馬騎士の子だったの。▼
これって偶然なのかしら…▼
[シャロン]
いえ、もしかすると
偶然ではないかもしれませんよ!▼
これを見てください。
アスク王国にやってきた
英雄について記された書です!▼
[カチュア]
……▼
[シャロン]
この書によりますとね…
カチュアさんたちマケドニア白騎士団の
ペガサス三姉妹のほかにも…▼
異界にはペガサス三姉妹と呼ばれる
英雄さんがいるそうなんです!▼
そして、このアスク王国にも
いろんな世界のペガサス三姉妹が
召喚されているんですよ!▼
[カチュア]
三姉妹、ペガサスナイト…
なるほど。境遇は似ているわね。▼
[シャロン]
しかもですね…▼
ペガサス三姉妹は優しい長女
しっかり者の次女、前向きな三女と
性格まで似ているそうなんですよ!▼
[カチュア]
……!?
偶然にしては
ちょっと出来過ぎてないかしら。▼
三姉妹というものは
往々にしてそういう性格に
なるのかもしれないけど…▼
[シャロン]
えへへ、世界の垣根を超えて
いろんなペガサス三姉妹が
活躍していたなんて…▼
不思議なこともあるものですね!
なんだかロマンチックだなあ…▼
[カチュア]
でも、それって本当に
偶然…なのかしら…▼

S

[ティト]
訓練中に失礼するわ。
あなたが…カチュアかしら。▼
[カチュア]
ええ。あなたは…?▼
[ティト]
私はティト。シャニーの姉よ。
先日は、妹が失礼したそうね。
ごめんなさい。▼
[カチュア]
いえ、謝るようなことでは…▼
……▼
[ティト]
……▼
[カチュア]
失礼だけれど、あなた…
真面目で融通がきかないって
言われたことはない?▼
[ティト]
あるわ…
あなたのほうこそ
真面目で一途だと言われたことは?▼
[カチュア]
よく言われるわね…▼
[ティト]
……▼
[カチュア]
なるほど…
シャニーが間違ったのも
無理はないわね。▼
[ティト]
ええ。私たち
どこか…似ている気がするわ。▼
[カチュア]
私は…優しい姉と
元気で奔放な妹に挟まれて育ったの。▼
姉妹仲は良くて
とても幸せだったけど…
次女ならではの苦労もあったわ。▼
[ティト]
姉を支え、妹を助け…
私がなにかを言う前に
姉か妹が先に言ってしまう。▼
結果、私は姉と妹の間に
埋もれがちになってしまうけど…▼
[カチュア]
それでも姉と妹が笑顔でいられるなら
まあいいか…でしょ?▼
[ティト]
ええ、その通りよ。▼
うれしいわ。次女の気持ちを
分かち合える英雄に出会えて。▼
[カチュア]
もう一組のペガサス三姉妹の次女も
きっと私たちに似てるんでしょうね。▼
[ティト]
おそらく…ね。
いつか会えるときが楽しみだわ。▼
[カチュア]
私たち、別の世界のペガサス三姉妹が
こうして出会ったのもなにかの縁。▼
三姉妹同士、お互いに
高め合っていけるといいわね。▼
[ティト]
こちらこそ、望むところよ。▼
そして…時々は次女としての悩みも
交換し合えるとうれしいわ。
もう一人の次女も交えてね。▼
[カチュア]
ペガサス三姉妹次女の会ね。
ふふっ、いつか実現するといいわね。▼

教えを胸に シルク

C

[アルフォンス]
シルク、今日はありがとう。
君のおかげで助かったよ。▼
[シルク]
礼には及びません、アルフォンス王子。▼
傷ついた者を癒すのが
ミラ様に仕える私の役目ですから。▼
[アルフォンス]
ミラ様…というのは
バレンシア大陸の繁栄に寄与したとされる
大地母神ミラのことだね。▼
たしかセリカやメイも
大地母神ミラを信奉する修道院で
教えを受けていたとか。▼
[シルク]
はい。セリカ様たちとは
同じノーヴァ島の修道院で学びました。▼
ミラ様のご加護は、この世界でも
光を失うことはありません。▼
傷ついた人々を癒し、支えること…
それが私たちに課せられた使命です。▼
もっとも、誰も傷つくことのない
平和な世界になればよいのですが…▼
[アルフォンス]
その通りだよ。▼
僕たちヴァイス・ブレイヴは
そうした世界を築くために
戦っているんだ。▼
[シルク]
先ほどの戦いでもアルフォンス王子は
自ら率先して陣頭指揮に立ち
剣を振るわれていましたね?▼
[アルフォンス]
異界の英雄たちに力を借りる以上
僕もアスクの王族として
覚悟を示しておきたいからね。▼
[シルク]
なるほど…
アルフォンス王子は
とても勇敢なお方なのですね。▼
しかし、くれぐれも無理はなさらぬよう。
微力ながら、私もお支えいたします…▼
[アルフォンス]
心配してくれてありがとう、シルク。
頼りにしているよ。▼

B

[アルフォンス]
やあ、シルク。
今日の訓練は終わりかい?▼
[シルク]
ええ、ほかの英雄の方々…
いろいろな世界の癒し手の方と
訓練をご一緒させて頂きました。▼
みなさん、信じる神は違えど
誰かを救い、癒したいという気持ちは同じ…
とても勉強になりました。▼
[アルフォンス]
なるほど。いい時間を過ごせたようだね。▼
[シルク]
『訓練と称して、笑いながら杖で
ボコボコにしてくる坊さんがいるから
気をつけろ』と忠告を頂いたのですが…▼
みなさんとても穏やかで
素晴らしい人格をお持ちの方
ばかりでした。▼
[アルフォンス]
そ、そうか。それならよかった…▼
そういえばこの前に話した
僕が最前線で戦う理由だけど…▼
あれは覚悟を示すだけじゃなく
みんなを鼓舞し、勇気付けたいという
気持ちも込めているんだ。▼
少しでも、みんなの士気を上げたい…
英雄たちが奮起するきっかけになれば…
そういう狙いもあるんだ。▼
[シルク]
なるほど…▼
アルフォンス王子の勇敢さは
多くの英雄たちの心に
きっと響いていると思います。▼
[アルフォンス]
逆に言うと…
僕が英雄たちの誠意に報いるには
これくらいしか思いつかないんだ。▼
誠意には命を懸けた誠意で返したい。
それができているかどうかは…
まだ疑問ではあるんだけど。▼
[シルク]
アルフォンス王子の勇気は
とても立派だと思います。▼
戦うあなたの背中を見て
奮起する英雄はたくさんいるでしょう。▼
でも…勇気以外にも
仲間を支えることができるものが
あることをご存知ですか?▼
[アルフォンス]
勇気以外に仲間を支えられるもの…
シルク、どういうことかな?▼
[シルク]
それは…
あなたの笑顔だと思うのです。▼

A

[アルフォンス]
笑顔が仲間を支える…
それがシルクの考えなんだね。▼
[シルク]
はい。笑顔とは戦いの対極に
あるものかもしれません。▼
しかし、笑顔は時に宝石のように輝き
人々の心に温かさを与え
前へと進む力となるのです。▼
[アルフォンス]
前へと進む力…▼
[シルク]
私は旅を続け、いろいろな場所で
ミラ様の教えを説いてきました。▼
私が旅を続けられた理由のひとつが…
人々の笑顔に出会えることだったのです。▼
辛く、厳しい旅でも
次はどんな笑顔に出会えるだろう…
どんな笑顔が待っているだろう…▼
そう考えると
私の足は前へ前へと進んだのです。
まるで笑顔に引き寄せられるように。▼
[アルフォンス]
シルクにとって、人々の笑顔が
原動力だったというわけだね…▼
[シルク]
旅先で出会った人々の笑顔は
私の宝物でもあり、旅を続ける
理由のひとつでもありました。▼
ですから、アルフォンス王子…
厳しい戦いが続いても
どうか笑顔を忘れないでくださいね。▼
アルフォンス王子の優しい笑顔もまた
仲間を鼓舞する輝きなのですから。▼
[アルフォンス]
思い起こせば…僕も戦場では
シャロンやアンナ隊長の明るさに
救われたことが何度もあった。▼
勇敢さだけが、仲間を支えるものではない。
シルクの言葉の意味、よくわかったよ。▼
[シルク]
アルフォンス王子…▼
[アルフォンス]
辛く厳しいときこそ笑顔は心に響くもの。
僕はそのことを忘れていたみたいだ。
シルク、思い出させてくれてありがとう。▼

S

[アルフォンス]
シルク、今日もまた助けられたね。
ありがとう。▼
[シルク]
みなさん、ご無事でなによりです。
アルフォンス王子のご活躍が
あってこそですね。▼
……▼
今のアルフォンス王子からは
とても柔らかい印象を受けます。▼
厳しさだけでなく
おおらかな優しさも…▼
[アルフォンス]
僕はこれまで王族として
強くあらねばならない…
そうした気持ちで日々を重ねてきた。▼
だけど、民とともに歩むには
強さだけではなく優しさも必要…▼
笑顔を忘れた人間には
人は付いてこないだろうからね。▼
[シルク]
アルフォンス王子…
とても良い顔をされています。▼
まわりの人間の心を温め
支えてくれるような…
すごく素敵な笑顔ですよ。▼
[アルフォンス]
そ、そうかな?
自分ではよくわからないんだけど…▼
[シルク]
アルフォンス王子、その優しさを
いつまでも大切にしてくださいね。▼
どんな困難がアスク王国や
仲間たちに降り掛かったとしても…▼
アルフォンス王子の笑顔があれば
きっと活路を見いだすことが
できると思うのです。▼
[アルフォンス]
わかった。努力してみるよ。
強さだけじゃなく、優しさで
英雄たちの支えになれるように。▼
そして、いつも笑顔を絶やさぬ
王になれるように。▼
[シルク]
アルフォンス王子なら…
きっと立派な王になれると思います。▼
あなたにもミラ様のご加護が
ありますように。▼

冷笑の弓使い パイソン

C

[パイソン]
あー、だめだ。
かったるい…▼
なんで異世界くんだりまで
呼び出されて、訓練まで
やんなきゃなんないわけ?▼
……▼
よし、今日はサボろう。
いや、今日もサボろう。▼
実は張り切ってるとか
思われるとやだし。
どっか昼寝でもしとこ…▼

(暗転)
[フィヨルム]
ん…? あれはたしか
パイソンさん…でしたよね?▼
隊列から一人で離れて
どこに行かれるのでしょう…▼
……!? もしかして
体調を悪くされたのでは?▼
ほかには誰も気づいてないみたいです。
大丈夫でしょうか。心配ですね…▼

(暗転)
[フィヨルム]
パイソンさん。たしか、こっちの
林に入ったように見えたのですが…▼
[パイソン]
……▼
[フィヨルム]
あんなところに…
あの、パイソンさん
お、お身体は大丈夫…ですか?▼
[パイソン]
ぐぅ…すぅぅ…▼
[フィヨルム]
ああ…
眠ってらっしゃるようですね。▼
……▼
今日はこのまま
そっとしておくのがよさそうです。
では、失礼します…▼
[パイソン]
……▼

B

[パイソン]
……▼
[フィヨルム]
おや…パイソンさん?
訓練中なのに、またどこかへ…▼
……▼
万が一、ということもあります。
追いかけましょう。▼

(暗転)
[パイソン]
ふぁ~。朝まで飲んだせいか
身体中がダルいのなんのって…
ったく、付き合ってらんないわ。▼
どうして別の世界に来てまで
ルカやフォルスの小言を
聞かなきゃなんねぇの。▼
[フィヨルム]
……▼
[パイソン]
おわっ! な、なんだ…!?
って、またあんたか。
フィヨルム王女だっけ?▼
[フィヨルム]
また? ということは、この間は
起きてらしたということですね。▼
今は訓練中ですが、いったいここで
なにをなさっているのですか?▼
[パイソン]
なにって…サボってんの。▼
[フィヨルム]
よかった。体調が悪いゆえに
休んでいたわけではないのですね…▼
でも、パイソンさん…
訓練されなくてもよろしいのですか?▼
[パイソン]
どこぞの王子様じゃあるまいし
陣頭で指揮を執るわけでもなし。
そんなに鍛える必要ある?▼
俺は自分の身を守れて
役割さえこなせりゃ
それ以上働く気はないの。▼
心配しなくても
現場じゃちゃんとやってやるよ。
だからほっといて。▼
[フィヨルム]
そ、そういうものでしょうか…▼
[パイソン]
うん。そーゆーもの。▼
[フィヨルム]
は、はい、わかりました!
頑張ってくださいね、失礼します。▼
[パイソン]
頑張れって…
ほんとにわかってんのかね。▼
ふぁ~あ…
やっぱ王子様とか王女様とか
ほんっと訳わかんねえな…▼

A

[パイソン]
ふぁぁぁ~。▼
眼帯したドラゴン乗りの兄ちゃんに
教えてもらった昼寝ポイント…
なかなか快適だなこりゃ。▼
戦いのあるときはともかく…
訓練訓練ってよく飽きねえな。
もっとのんびり生きらんないのかね。▼
[フィヨルム]
パイソンさん!
ここにいらしたのですね。▼
[パイソン]
げっ、フィヨルム王女…!?
なんだよ、今は訓練中のはずだろ?▼
それともわざわざ、ご忠告に来たの?
説教の押し売りなら結構だよ。▼
[フィヨルム]
いえ、忠告だなんてそんな…!▼
その…私も…サボってみようかと
思いまして…▼
[パイソン]
……はい?▼
[フィヨルム]
私は今まで王女としてつねに学び
鍛錬し、ニフルの民のために
より前に進むことを是としてきました。▼
[パイソン]
ふーん。そりゃご苦労なことだ。
まあ、王族なら当然か。▼
[フィヨルム]
私は今まで努力を怠る…サボろうと
考えたことは一度もありません。▼
なので、パイソンさんのような考え方は
とても新鮮で、
正直理解の及ばないものでした。▼
なので、頭で考えて理解できないのなら
実践してみようかと思いまして。▼
[パイソン]
…はあ…
いや別に、理解する必要ないと思うけど…▼
[フィヨルム]
パイソンさん、
教えて頂けないでしょうか。
どんなふうにサボればいいのか…▼
[パイソン]
おいおい、あんた王女様だろ?▼
俺と違って
見つかったら叱られる上に
周囲の信用ガタ落ちだぜ。▼
[フィヨルム]
大丈夫です!
これも王女として人心を知るためだと
兄様も姉様も分かってくださいます。▼
[パイソン]
マジかよ…
どんだけおめでたいんだ、あんたら。▼
[フィヨルム]
さあ教えてください、パイソンさん!
私、頑張ってサボりますから!▼
[パイソン]
うぅ…勘弁してくれ…
俺は一人で静かにサボりたいんだ…!▼

S

[フォルス]
どうした、パイソン?
サボり常習犯のお前が
真面目に訓練に顔を出すなんて。▼
[パイソン]
……▼
[フォルス]
ようやくお前も
やる気を出してくれたのか!▼
昔からお前は目標も持たず
与えられた役割をそれなりに
こなしていくだけだったが…▼
この世界に来て、
ようやく目覚めたんだな。▼
いやあ、僕は信じていたぞ!
お前はやればできる奴なんだって!▼
[パイソン]
…そんなんじゃねーし。
サボりたくてもサボれない
込み入った理由があるんだよ。▼
[フォルス]
サボれない理由?
なんだ、それは…▼
[フィヨルム]
パイソンさん…!
今日は、真面目に頑張る日なんですか?▼
[パイソン]
うわっ、また出た!▼
[フォルス]
こ、これはフィヨルム王女!▼
お、おい、パイソン!
フィヨルム王女に対して
その言い方は失礼だろう!▼
[パイソン]
失礼もなにも…
俺がサボれないのは
この王女様のせいなんだって。▼
[フィヨルム]
パイソンさん、おかげさまで
この間はいい気分転換になりました。▼
成長するためには、時には立ち止まって
まわりをゆっくり見渡すことも大切…
そんなことを学べた気がします。▼
[フォルス]
パイソン…フィヨルム王女は
いったいなにを仰られているのだ?▼
[パイソン]
さあな。俺が聞きてえよ。▼
[フィヨルム]
だから、また一緒にサボりましょうね。▼
それでは失礼します。パイソンさん!
フォルスさんも訓練、
頑張ってくださいね。▼
[フォルス]
一緒にサボるって…
フィヨルム王女とお前の間に
いったいなにがあったんだ?▼
[パイソン]
俺が訓練をサボってると
どこからともなく
あの王女様が現れるんだよ。▼
それで、せっかくの昼寝タイムが
いつも台無しにされちまう…▼
[フォルス]
もしかしてそれがお前の
サボれない理由…というやつか。▼
…はははっ、そりゃあいい!
さすがフィヨルム王女、
よい働きをしてくださるものだ。▼
[パイソン]
…フォルス。
てめえ、覚えてろよ。▼
はぁ~あ…やっぱ俺、
王族や貴族って苦手だわ…▼

忠実なる副官 フォルス

C

[フォルス]
クレーベさま!
ここにいらっしゃいましたか。▼
[クレーベ]
フォルスか。
お前もヴァイス・ブレイヴに
力を貸すことを承諾したんだな。▼
[フォルス]
はい!
また、クレーベさまのお側で
戦えること、うれしく思います!▼
クレーベさまの片腕として
誠心誠意、お仕えさせて頂ければと。▼
[クレーベ]
頼もしいな、期待しているぞ。▼
我らはソフィア王国を取り戻すために
義によって立ち、解放軍として戦った…▼
しかし、ここにはソフィアもリゲルもない。▼
[フォルス]
……▼
[クレーベ]
だが、このアスク王国も
ソフィアと同じく
侵略の脅威に晒されている。▼
一人の騎士として…
それを見て見ぬ振りができようか。▼
[フォルス]
さすがクレーベさま…
おっしゃる通りだと思います。▼
[クレーベ]
ソフィア奪還を旗印にしていた以前とは
勝手の違う戦いになるとは思うが…▼
この世界の安寧のため
お前も尽力してほしい。▼
[フォルス]
お任せを…クレーベさま!▼
クレーベさまは身分に関わらず
僕やパイソンを取り立ててくれました。▼
あのときのご恩に僕は報いたいのです!▼
どんな困難が待ち受けていようとも
これも騎士になるための試練。
必ずやお力に…▼
……▼
[クレーベ]
ん? どうしたフォルス。
なにか気になることでも…?▼
[フォルス]
い、いえ…なんでもありません!▼
このフォルス、
クレーベさまの副官として
助力を惜しまぬ所存です!▼

B

[フォルス]
……▼
[クレーベ]
フォルス。なにか考え事か?
訓練に身が入っていないようだが…▼
[フォルス]
クレーベさま…▼
実は…情けないことに
引っかかっていることがありまして…▼
[クレーベ]
ふむ…
よければ聞かせてもらえるか?▼
[フォルス]
……▼
僕が解放軍に加わったのは
ソフィア王国を取り戻したいという
国を愛する気持ちのほかにも…▼
戦場で活躍することができれば
庶民でも騎士になれるんじゃないか…▼
そんな考えがあったからなんです。▼
[クレーベ]
そうだったな。お前は事あるたびに
騎士への憧れを口にしていた。▼
[フォルス]
ですが、この世界…
アスク王国で活躍しても
僕はソフィアの騎士にはなれません…▼
[クレーベ]
……▼
[フォルス]
アスク王国に迫る侵略者と
戦わなくてないけないことは
頭ではわかっているんです。▼
しかし、情けないことに…
以前の世界にいた頃の情熱が
なくなってしまった気がして…▼
申し訳ありません、クレーベさま。
お恥ずかしい限りです…▼
[クレーベ]
なるほどな…▼
よし、フォルス。私に付いてきてくれ。
お前に見せたいものがある。▼
[フォルス]
僕に、見せたいもの…?▼

A

[フォルス]
クレーベさま…
城下町にどんなご用でしょうか?▼
[クレーベ]
フォルス、そこからなにが見える?▼
[フォルス]
大通りを行き交う人々…
遠くには市場も見えますね。▼
子どもたちの声も聞こえます。
活気があっていい国ですね、この国は。▼
[クレーベ]
お前の目に映っているのは
アスク王国の日常だ。▼
ありきたりで日々繰り返される
平和な日常の風景だ。▼
だが、これこそが
我々が命を懸けて守るものだ。▼
[フォルス]
……▼
[クレーベ]
アスクの民には、ソフィアのように
戦火に追われるようなことなく
平和に暮らしてほしい。▼
しかし、平和とは代償なしで
手に入るものではない…▼
侵略者を退け、平和のために戦うことで
はじめて手に入るものなのだ。▼
フォルス、お前は騎士でなければ
平和は守れないと思うか?▼
[フォルス]
い、いえ…
そんなことはないと思います。▼
[クレーベ]
そうだ。騎士であろうが、傭兵であろうが
義勇兵であろうが…平和のために
戦える者は、みな等しく尊い。▼
誰かのために戦える志を持つ者。
それが英雄であると私は思う。▼
そしてその英雄としてお前は
この世界に呼ばれたのだ。▼
その意味を、今一度
よく考えてみるといい。▼
[フォルス]
クレーベさま…
…………▼

S

[クレーベ]
フォルス、先ほどの戦場での働き
実に見事だった。▼
アルフォンス王子もお前の勇敢さに
感心しておられた。私も鼻が高いぞ。▼
[フォルス]
クレーベさま、もったいないお言葉…!▼
今の僕には力がみなぎっています!
先日までの迷いが嘘のようで…
クレーベさまには感謝してもしきれません!▼
[クレーベ]
私はなにもしていない。
お前自身が答えを見つけ
自ら歩き出したのだ。▼
[フォルス]
はい!
騎士は王を守り、王は国を…
民を守るもの。▼
彼らこそが国の姿。
ひいては王の姿なのです。▼
それを守るという使命の
何が騎士の立場に劣るというのか。▼
僕は危うく、そのことを
見失うところでした…▼
[クレーベ]
そうだな。ソフィア王国だろうと
アスク王国だろうと…
国を作るのは、そこに暮らす人々だ。▼
彼らを守るために戦い
努力を重ねるべきなのは
この世界でも変わらない。▼
[フォルス]
何だか…そのことを伝えるために
この世界の人々が、僕を呼んで
くれたように思います。▼
そう! 歴史に残る数多の
英雄たちの中から
他でもないこの!! 僕を!!!▼
[クレーベ]
…ん?
あ、ああ。そうだな。▼
[フォルス]
そうですよね!
ふ…ふふふ……▼
たとえ騎士になれずとも
この栄誉は騎士にふさわしい…▼
いや、もうほぼ騎士と言っても
過言ではないのでは?▼
だとしたら僕は!
この栄誉に恥じない働きを
しなければなりませんね!!▼
よぉーし、やるぞーーーー!!▼
[クレーベ]
…………▼
ま…まあ、お前がやる気を
出してくれて何よりだ。▼
共にこの世界の人々の未来を守ろう。
頼りにしているぞ、フォルス。▼
[フォルス]
はい!
お任せください、クレーベさま!!▼

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Last-modified: 2021-06-27 (日) 13:45:02
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