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章別会話
終末に繋がる門†
終末に繋がる門†
オープニング†
- [セイズ]
- アルフォンス王子、
ネルトゥス様をお連れしました。▼
- [ネルトゥス]
- 久しぶりね、
かわいい人の子たち。
元気そうで嬉しいわ。▼
- [アルフォンス]
- アスク王国までご足労いただき
ありがとうございます、ネルトゥス様。
それで僕たちに伝えたいこととは?▼
- [ネルトゥス]
- 感じたの。
邪な意思が
アスク王国を狙っているのを。▼
異界から何者かが
アスク王国にやってくるわ。
そう遠くない未来にね。▼
- [アルフォンス]
- ……!?
アスク王国に害なす者が
異界から現れると?▼
- [セイズ]
- ネルトゥス様は地を司る女神…
ミズガルズの大地に生きる人の子たちに
迫る危険を予知されたのでしょう。▼
- [シャロン]
- はぁっ、はぁっ…!
お兄様、大変ですっ!▼
国境付近に現れた何者かが
街を焼き払っているとの知らせが!▼
- (暗転)
- [ヴェイル]
- ふふ…世界が変わっても、
街が燃えるさまを見るのは
楽しいものですね。▼
弱き人間たちよ。
死にたくなければ逃げなさい。
そして、特務機関とやらに伝えるのです。▼
これ以上、街を焼かれたくないなら
この世界にある【紋章士】の力を
私たちにすべて渡すように、と。▼
- [ルミエル]
- リュール…ああ…
この世界にも
あなたの存在を感じるわ…▼
どこにいるの…
私とあなたを引き裂くものは…
誰であろうと…許しはしない…!▼
- [ヴェイル]
- …この世界に来ても、あなたの目には
リュールしか映らないようですね。▼
まあいいでしょう。
お父様…邪竜ソンブルより賜った
魔器の力で、存分に暴れなさい。▼
- (暗転)
- [アルフォンス]
- 見えた!
街が燃えている。急ごう!▼
- [アンナ]
- 街の向こうに蜃気楼のような
大きな門も見えるわね。▼
敵はあの門から…?▼
- [セイズ]
- はい。
何者かはわかりませんが…▼
- [アンナ]
- 焼け出された人々が大勢いるみたい。
急いで助けに向かいましょう!▼
- [ウルスラ]
- …そうはさせないわ。▼
- (赤く光る)
- [アンナ]
- 誰!?
いつの間に後ろにっ…!▼
- [シャロン]
- アンナ隊長!▼
- [アンナ]
- なに…を…
身体が…うごかな…。▼
- [ウルスラ]
- 特務機関ヴァイス・ブレイヴ
隊長のアンナ…
私と一緒に来てもらうわ。▼
- [アルフォンス]
- 待て、何者だ!
アンナ隊長を離せ!▼
- [シャロン]
- き、消えちゃいました?
アンナ隊長が…
さらわれちゃったんですか!?▼
ア、アンナ隊長ーっ!▼
- [ウルスラ]
- ただいま戻りました、ネルガル様。▼
- [ネルガル]
- 来たか。
ふむ、首尾は上々のようだな。▼
- [アンナ]
- う…んん…。▼
- [ヴェイル]
- 何者なのです、その女は?▼
エレオス大陸でも
よく似た人物が、神竜とともに
戦っていたような気がしますが。▼
- [ネルガル]
- そやつはアスク王国特務機関
ヴァイス・ブレイヴの柱。▼
この世界で我らの計画を
滞りなく進めるために
邪魔な存在よ。▼
- [ヴェイル]
- 【エーギル】でしたか。
あなたたちが求めるのは?▼
- [ネルガル]
- 【エーギル】は人間が持つ生命力。
生きる意思の力。▼
私の手足となるモルフを
大量に生み出すには
必要不可欠な力よ。▼
このアンナという女も
モルフに仕上げ
我らのために働いてもらうか。▼
- [アンナ]
- く…うう…っ。▼
- [ヴェイル]
- あなたたちが、【竜の門】の
力を捻じ曲げ、アスク王国へ
強引に侵入を果たしたことで…。▼
私たちもエレオス大陸の異界の門から
アスク王国への道が開けました。
その点については感謝しましょう。▼
ですが…
私たちの邪魔をするつもりなら
相応の報いを覚悟してくださいね。▼
- [ネルガル]
- ……。▼
- [ヴェイル]
- 私が求めているのは、
この世界に召喚されている【紋章士】の力、
そしてそれを宿す指輪のみ。▼
あなたたちが人間をどれだけ
殺めようが、興味はありません。
せいぜい世界を蹂躙してください。▼
- [ウルスラ]
- それはこちらとて同じ。▼
あなた方、エレオス大陸からの来訪者が
アスク王国に混乱をもたらせば
私たちの計画は円滑に進むのですから。▼
- [ヴェイル]
- いいでしょう。
互いに干渉せず、利用し合うだけの
共闘関係といきましょう。▼
- [ネルガル]
- しかし、いいのか?
門の外で暴れている
あの竜を放っておいても。▼
- [ヴェイル]
- ルミエルのことなら、問題ありません。▼
かつては聖地を統べる神竜王でしたが、
今は邪竜の力で蘇った異形の兵。
正気を失った哀れな存在です。▼
我が子に会うことだけを求めて、
目に映るものすべてを
破壊してくれるでしょう。▼
- [ネルガル]
- 我が子を求めて…か。▼
くだらんな。
ウルスラ、さらってきた女は
すぐにモルフに変える。▼
- [ウルスラ]
- はい、仰せのままに。
すぐに手筈を整えます。▼
- [シャロン]
- お兄様、街の人々の
避難は終わりました!▼
- [アルフォンス]
- よし、さらわれた
アンナ隊長を取り戻す。
急ごう!▼
- [セイズ]
- はい。
あの蜃気楼のような巨大な門…
おそらくあそこにいるはずです。▼
- [ヴェイル]
- そこまでですよ。▼
さあ、此方に渡してください。
この世界に召喚された紋章士の力…
それが宿る指輪もすべて。▼
- [アルフォンス]
- 君は…ヴェイル!?
街を焼いたのも
君の仕業なのか!▼
- [ヴェイル]
- そうだと言ったら、
指輪を渡してくれるのですか?▼
従わないのであれば、
あなたたちを葬るのみです。
…さあルミエル、出番ですよ。▼
- [ルミエル]
- リュール…
ああ…どこにいるの…▼
あなたたちのせいで、
私とあの子は会えないのね…?
あなたたちがリュールを隠したのね?▼
私とあの子を引き裂くものは…
誰であろうと許さないわ。
すべて…消し去ってあげる!▼
- [シャロン]
- 来ます!
気をつけてください、お兄様…!▼
- [アルフォンス]
- !? この力は…?▼
神竜であるはずのルミエル様が
どうしてこのような禍々しい力を!▼
- [セイズ]
- 姿形は似ていても
魂のあり方はまったく違います…
まるで、別の存在のように…▼
- [シャロン]
- こ、これじゃ門に近づけません!
アンナ隊長を
助けなきゃいけないのに!▼
- [ヴェイル]
- あはは! 私たちの敵ではありませんね!
己の無力さを悔やみながら…
絶望のまま死になさい!▼
- [ヴェロニカ]
- …待って。▼
- [ヴェイル]
- …何者ですか?▼
- [アルフォンス]
- ヴェロニカ皇女!▼
- [ヴェイル]
- ヴェロニカ…?
何人来ようが無駄です。
まとめて踏み躙ってあげますよ。▼
- [ヴェロニカ]
- …………▼
- (暗転)
- [アンナ]
- 【竜の門】? その遺跡を使って
エレブ大陸からアスク王国に
強引に侵入したというの!?▼
- [ネルガル]
- アスク王国…ここには
あらゆる異界から英雄たちが
集まってきている。▼
さぞかし良質な【エーギル】が
手に入ることだろう。▼
- [アンナ]
- くっ!
そんなことさせるものですか!▼
- [ウルスラ]
- 囚われの身で
なにを言っているの?▼
あなたはこれからネルガル様に
モルフに変えられるのよ。▼
そして未来永劫、
私たちの手足になって働くの。▼
- [ネルガル]
- では、はじめるとするか。
我が魔法で、貴様の心を
すべて消し去ってやる。▼
抗えると思うなよ。ククク…。▼
- [アンナ]
- っ! う…うぅぅっ!
あぁぁぁーっ!▼
ま、負けない…
負けるもんですか!
私は…私は…▼
- [ネルガル]
- ククク…無駄だ。
いくらあがこうと
我が魔法には耐えられぬ。▼
- [アンナ]
- くっ…!
私は…特務機関の隊長っ!
アスク王国の…っ…!▼
私にはまだ…やらなくては
いけないことがあるのーっ!▼
- [ウルスラ]
- ……!? し、信じられない!
ネルガル様の魔法に
ここまで抗うなんて!▼
- [ネルガル]
- こやつ、なんという精神力…。▼
- (暗転)
- [ヴェイル]
- さあ、ルミエル。
親子の再会を阻む者は…
すべて滅ぼしてしまいなさい。▼
- [ルミエル]
- 邪魔をしないで…
私はあの子に会いたいだけ…
もう待つのは嫌なの…!▼
- [シャロン]
- ど、どうしましょう!?▼
- [ヴェロニカ]
- …………
『エンブラの名において、
扉よ閉じよ』▼
『いかなる地へ繋がろうと
いかなる時へ繋がろうと』▼
『エンブラはそれを
拒絶する──』▼
- (赤く光る)
- [ヴェイル]
- ……!? これは…。▼
異界の門…エレオス大陸に通じる道が
閉じようとしているのですか?▼
これではお父様の元に、
戻れなくなってしまいます。
…仕方がありませんね。▼
ルミエル、時間切れです。
お父様から賜った魔器、
失うわけにはいきません。▼
- [ルミエル]
- ああ…!!
リュールの気配が遠くなるわ…
リュール…リュール!!▼
- [ヴェイル]
- 紋章士の力…そしてその指輪、
諦めたわけではありません。▼
私はまたいずれ、この地を訪れます。
より強大な恐怖を伴って…。▼
- (暗転)
- [ウルスラ]
- ネルガル様、この振動は!?▼
- [ネルガル]
- …何者かが【竜の門】を
閉じようとしているようだな。▼
- [アンナ]
- この隙に…!
くっ…けど…拘束が…▼
- [セイズ]
- ──人の子よ。さあ、私の手を…▼
- [アンナ]
- ! セイズ…!▼
- [ウルスラ]
- な…
いつの間に…!?▼
- [ネルガル]
- かまうな。
態勢を立て直す必要がある。
ここは退く。▼
- [ウルスラ]
- はっ! 仰せのままに…。▼
- (暗転)
- [アルフォンス]
- 門が…消えていく…!▼
- [シャロン]
- 怖いヴェイルさんと
ルミエル様も撤退したみたいです。▼
- [アンナ]
- おーい!
みんな、無事!?▼
- [アルフォンス]
- アンナ隊長!
お怪我はありませんか?▼
- [アンナ]
- 大丈夫、見てのとおり
ピンピンしてるわ。▼
私をさらった連中も
この世界から撤退したみたい。▼
モルフにされかけたけど
そこはそれ、私の強靭な
精神力で耐え切ったという話よ▼
- [シャロン]
- さすがアンナ隊長です!▼
- [アンナ]
- ま、まあね!
そのくらいじゃないと
特務機関の隊長は務まらないわ!▼
…ずっと心の中で
「任務とお金に勝るものなし!」って
唱え続けてたおかげかしらね…▼
- [ネルトゥス]
- ふふっ、人の子たちが
一生懸命がんばる姿…
とってもかわいかったわ。▼
セイズ、これからも
人の子たちに力を貸してあげて。
私も見守っているから…▼
- [セイズ]
- はい。
私も人の子たちに寄り添い
支えていくつもりです。▼
どのような闇が世界を覆おうとも…
彼らは希望の光を胸に抱き
前に進むと信じていますから…▼
異形なる竜王 ルミエル†
- [ルミエル]
- ここは…どこ……?
聖地リトス…いえ、ソラネル……?
違うわ、そう、違う……▼
ここは、異界…
エレオス大陸から遠く離れた地…
アスク…王国。▼
私がエレオスで命を落とした時、
神竜としての役目を
終えたと思っていたのに…▼
まさか再び蘇り、
異界に召喚されるだなんて…▼
もう一度、あの子との時間を
過ごせるかもしれないだなんて…!▼
ああ、リュール…
私の愛しい子。▼
かつての戦争で深い傷を負い、
深い眠りについてから千年間…▼
いつか目覚めてくれることを信じて、
もう一度親子として過ごせることを願って、
神竜の力を注ぎ続けたわ。▼
それなのに。▼
ついに目覚めたあの子と過ごせたのは、
ほんの僅かな時間だけ…▼
…そんなこと、あっていいはずがない。▼
千年間も待った私が、
あの子を誰より愛している私が、
一番傍にいてあげないといけないのに!▼
けれど…今の私には時間があるわ。
ソンブル様が与えてくださった、
途方もない時間が…!▼
待っていてね、リュール。
母さんが、今行くからね。▼
また会えたら、
ずっとずっと一緒よ。
誰にも邪魔させはしないわ。▼
そう、今度こそ、誰にも……!▼
- [アシュ]
- ヘンリエッテ様、
街の至るところから火の手が
上がっている模様でありまして…▼
- [ヘンリエッテ]
- どうやら例の敵が
この街にも到着したようね。
住民の避難は?▼
- [アシュ]
- すでに完了しています。
ですが、アルフォンス王子の到着は
まだ先と見込まれるのではないかと…▼
- [ヘンリエッテ]
- 私たちで時間を稼ぐしかなさそうね。
力を貸してもらえるかしら?▼
- [アシュ]
- はい、不肖私、
これ以上、街に被害が出ぬように
微力を尽くす所存であります。▼
- (暗転)
- [ルミエル]
- リュール、リュール…!
ああ、間違いない…
あの子の気配を感じるわ…!▼
待っていて、リュール。
母さん、すぐに行くから…!▼
- [アシュ]
- あの、お待ちください。
これ以上、街に被害を出すのは
看過しがたいものがありまして…▼
- [ヘンリエッテ]
- あなたは…神竜王ルミエル!?
エレオス大陸を守護していた神竜が
どうしてこんなことを!?▼
- [ルミエル]
- 邪魔…。▼
- [アシュ]
- え? 今、なんと……▼
- [ルミエル]
- 邪魔よ、そこをどいて…
そこを通れないと…
あの子の元に行けないじゃない…!▼
- (白く光る)
- [アシュ]
- !?
な、なんという力でありましょうか…
ヘンリエッテ様、お下がりください。▼
姿形こそルミエル様に似ておられますが、
その実、まったく異なる存在のように
お見受け致します。▼
- [ルミエル]
- ほら、早く道を開けて…?▼
- [ヘンリエッテ]
- そういうわけにはいかないわ。
ここから先には行かせません。▼
- [ルミエル]
- どうして…邪魔をするの…?
私はあの子に会いたいだけ。
もう一度、言葉を交わしたいだけなのに。▼
一緒に話して、お散歩をして、
ご飯を食べて、
それから…ああ、それから……!▼
- [ヘンリエッテ]
- なんて強さなの…
こうやって攻撃を
しのぐだけでも精一杯…!▼
- [アシュ]
- このままではアルフォンス王子たちが
到着される前に、街は灰燼に帰すことを
免れ得ないものかと…▼
- [ルミエル]
- 早くそこをどいて…
死にたくなければ立ち去りなさい…
この先に感じるの…あの子の…▼
リュールの気配を…!▼
- [アシュ]
- リュール…?▼
もしや、リュール様に会うために、
ルミエル様はこのような破壊を
行っておいでなのでしょうか?▼
- [ヘンリエッテ]
- 詳しい事情はわからないけど
それが目的みたいね。▼
でも、それなら…
こんな無秩序な破壊を行わずに
会いに行けばいいのに。▼
- [ルミエル]
- 何故…通してくれないの…?▼
ああ、わかったわ…
あなたたちがリュールを隠したのね?▼
私がリュールに会えないように、
あの子を閉じ込めたのね…!?▼
- [アシュ]
- なっ!?
それは誤解であります。
我々は、そのようなことは決して…▼
- [ルミエル]
- そうであれば仕方がないわ…▼
紋章士の力が使えないのが
残念だけれど……
邪魔者は全て、燃やしてしまいましょう…!▼
- [ヘンリエッテ]
- もうやめなさい!▼
これ以上の破壊を行えば…
あなたの子が悲しみます!▼
- [ルミエル]
- リュールが…悲しむ…?▼
- [ヘンリエッテ]
- ええ。
英雄リュールは優しい心の持ち主です。▼
愛する母親が自分に会うために
街を燃やしたと知れば…悲しみ、
自責の念に駆られるのではないですか?▼
あなたは子の幸せを願っている筈。▼
我が子を悲しませることは、
本意ではない筈です。▼
- [ルミエル]
- リュールを隠しておいて、偉そうに…!
あの子の家族は、私だけなの。
傍にいてあげないといけないのに…!▼
あなたに…
私とリュールの何がわかるというの!▼
- [ヘンリエッテ]
- わかります。
私も母親ですから。▼
一人の親として…
子を守りたい気持ちは
痛いほどわかるつもりです。▼
- [アシュ]
- ヘンリエッテ様……▼
- [ヘンリエッテ]
- …神竜王ルミエル。
私たちは誓って、あなたの子を
隠したりはしていません。▼
どうかこれ以上の破壊はおやめください。
あなたたち親子の、幸せのためにも。▼
- [ルミエル]
- 幸せの…ため…?▼
違うわ…全部嘘よ、
同じ母親だからといって…
あなたと私は違う……!▼
でも、わ、私は…母親として……
あの子の幸せを……▼
う、ううう……!▼
- [ルミエル]
- う、ううっ……!
私は…何をしているの……▼
あの子に会いたいだけなのに、
家族として過ごしたいだけなのに…
どうして、街を燃やして……▼
こんなことをすれば、リュールが悲しむ…
そうね…あなたたちの…
言う通りだわ……▼
- [アシュ]
- ! ルミエル様…!▼
- [ヘンリエッテ]
- 言葉が届いたのね…!
さあ、ルミエル様。こちらに…!▼
- [ルミエル]
- くっ…! 違う…違うわ!▼
うあああああ!▼
- (白く光る)
- [ヘンリエッテ]
- !?▼
- [ルミエル]
- 騙そうとしたって無駄よ…
こうしている間に、リュールをどこか遠くに
隠してしまうつもりね…?▼
なら…ここにいる意味はないわ。
待っていて、リュール…
母さん、必ずあなたを見つけるから…!▼
- [アシュ]
- …行ってしまわれました。▼
一時はヘンリエッテ様の説得に応じ、
正気を取り戻されそうに見えたのですが
何故このようなことに…▼
- [ヘンリエッテ]
- ルミエルを蘇らせた者の力が、
それ程までに強大だということよ。▼
安寧の中に戻ることはできず、
あったはずの純粋な愛情が歪められ…
全てを破壊するよう仕向けられているわ。▼
- [アシュ]
- リュール様に会い、本懐を果たせば
元に戻るという可能性も…▼
- [ヘンリエッテ]
- そうね、そうであればいいけれど。
歪められてしまった魂は、死する時まで…
元の形には戻らないのかもしれない。▼
- [アシュ]
- そんな……▼
- [ヘンリエッテ]
- 行きましょう。
ひとまずこの地の脅威は去ったわ。▼
アルフォンスが到着するまでの間、
火の手を消して、民たちの救出を。▼
- [アシュ]
- は、はいっ!
承知しました。▼
- [ヘンリエッテ]
- 神竜王ルミエル…
あなたの魂にどうか、
救いがありますように…▼
- (暗転)
- [ルミエル]
- ふふ、ふふふ……
つまらない寄り道をしてしまったわね…▼
ああ、リュール…
大丈夫、きっともうすぐ会えるわ…
また会うって、ゆびきりしたもの。▼
真っ白な…綺麗な場所で、
あの敵地で…あなたと……▼
…あら?
これはいつの記憶だったかしら…?
あなたが目覚めた日…? それとも…▼
ふふふ…
次に会ったら教えてね…
ほら…約束…▼
かあさんと、ゆびきりしましょ…
これからも…ずっとそばにいるわ。▼
いつか、指輪を……
朝起きたら…おしゃべりを一緒に……▼
ね、リュール……▼
邪竜の後継者 ヴェイル†
- [ヴェイル]
- …ここがアスク王国ですか。
長く戦争を続けていると聞いて
楽しみにしていたのですが…。▼
思っていたよりも平和な国ですね。
正直、期待外れです。▼
この呑気で退屈な風景は、
フィレネ王国の風車村と
似ているでしょうか。▼
……。▼
風車村…。▼
私の中にいる、もう一人のわたしが
リュールに出会った場所。▼
幸いにも、もう一人のわたしは
この地では表に出てこないようですが…。▼
神竜リュール。
あの忌々しい存在は、
思い出しただけで不快です。▼
偉大なるお父様の血を継ぎながら
神竜ルミエルに絆された、
哀れで醜い存在め…。▼
…そういえば、アスク王国には
さまざまな異界の英雄が
召喚されていると聞きました。▼
もしもリュールが私の前に
現れるようなことがあれば、
すぐに殺してしまいましょう。▼
指輪を持っていたら好都合です。
リュールの首と、紋章士の指輪…ふふ。
お父様もお喜びになるでしょうね…!▼
- [リリス]
- ずいぶんと楽しそうですね?▼
- [ヴェイル]
- …誰です?▼
- [リリス]
- 私はリリス。
透魔竜ハイドラ様の娘にして
その忠実なる、しもべです。▼
- [ヴェイル]
- 透魔竜ハイドラの…
忠実なるしもべ?
娘でありながら下僕とは滑稽ですね。▼
いいでしょう。
こちらも名乗って差し上げます。▼
私はヴェイル。
偉大なる竜、ソンブルの娘にして
邪竜族の第一王女です。▼
- [リリス]
- …あなたにひとつ、
伝えておくことがあります。▼
命が惜しいのなら
今すぐアスク王国から
立ち去りなさい。▼
- [ヴェイル]
- へえ…?▼
- [ヴェイル]
- リリス…と言いましたか。
なぜ、この私がアスク王国から
立ち去る必要があるのです?▼
- [リリス]
- アスク王国には既にハイドラ様が
手をかけておられます。▼
ハイドラ様の力が満ちさえすれば、
この世界は瞬く間に滅びるでしょう。▼
あなたが求める英雄たち…
「紋章士」とやらの力を借りても
ハイドラ様を止めることは叶いません。▼
- [ヴェイル]
- 随分自信があるようですが、
質問の答えにはなっていませんね。
…何が言いたいのです?▼
- [リリス]
- 逃げるなら今のうちだと
忠告しているのです。▼
- [ヴェイル]
- あはは!
そうでしたか、ご親切にどうも。▼
ですが、逃げも隠れもしませんよ。
この世界がどうなろうと、
私の知ったことではありませんので。▼
私が欲しいのは『紋章士の指輪』…
阻む者は誰だろうと許さない。▼
ただ…それだけです!▼
- (白く光る)
- [リリス]
- ……!?▼
- [ヴェイル]
- 嫌いなんですよねえ…
私に忠告してくる人。
消えるのはあなたの方ですよ、リリス。▼
- [リリス]
- 愚かな選択を…。▼
- [ヴェイル]
- ふふっ。
この世界でも、私の力は
十分に使えるようですね。▼
次は本気を出しますよ。
命乞いをするなら今のうちです。▼
- [リリス]
- 身の程知らずですね…
この世界に手を出したこと、
後悔するといいでしょう。▼
- [ヴェイル]
- はあっ!▼
- (白く光る)
- [リリス]
- せいっ!▼
- (白く光る)
- [ヴェイル]
- 中々やりますね。
この私に楯突くだけのことは
あるようです。▼
ですが…
紋章士の力もなしに、
私に勝つことなどできません!▼
- (白く光る)
- [リリス]
- そのようなもの持たずとも、
私だけの力で…じゅうぶんです!▼
- [ヴェイル]
- 小賢しい…!
これでどうです!?▼
- (白く光る)
- [リリス]
- 当たりませんよ。▼
- [ヴェイル]
- ちっ…!
この程度の相手に、私が翻弄されるなど…
あってはならないのに。▼
私は…私は…
邪竜として「欠陥品」ではないと
証明しなければならないのです。▼
でなければ…お父様に…▼
お父様に処分されてしまう…!▼
- [リリス]
- 処分……?▼
……。▼
- [ヴェイル]
- ……?
どうしたんです。
急に抵抗をやめるなんて。▼
- [リリス]
- あなたは、私と同じです。▼
- [ヴェイル]
- は?▼
- [リリス]
- あなたは私に、
娘でありながら下僕とは滑稽だと、
そう言いましたね。▼
ですが、あなたはそうではないと
言い切れるのですか?▼
- [ヴェイル]
- 何を…。▼
- [リリス]
- あなたが命を賭けて戦い、
命を落としたとして…。▼
あなたのお父様は、
涙のひとつでも
流してくれるのですか?▼
- [ヴェイル]
- …当然です。
私はお父様の唯一の御子。
悲しまれるに決まっています。▼
- [リリス]
- そうですか。
でも…▼
その言葉が本当であれば、
どうして私の目を見ないのです?▼
- [ヴェイル]
- …………。▼
- [ヴェイル]
- 私は…お父様の力を継ぐ、
たった一人の御子です。
愛されていないわけがありません。▼
いえ、たとえ愛されていなかったとしても、
お父様のために戦います。
それが…▼
それが、御子として当然のこと。
欠陥品たるもう一人のわたしや、
愚かなリュールとは違う!▼
お前のような下僕とは違うのです!▼
- [リリス]
- 言いたいことはそれだけですか?▼
- [ヴェイル]
- …………。▼
…興が削がれました。▼
ここで殺そうと思っていましたが、
見逃してあげます。▼
- [リリス]
- その台詞、そのままお返しします。▼
あなたのことを脅威に感じて、
釘を刺しに来たつもりでしたが…▼
この程度の力であれば、
見逃しても問題なさそうですね。▼
- [ヴェイル]
- この程度?▼
- [リリス]
- 取るに足らない相手、ということです。▼
己の力を過信し、
愛されているという希望を捨てきれず、
父の名を耳にしただけで狼狽える。▼
まるで…▼
まるで、私自身のようで、弱くて、
可哀想で、相手になりません。▼
- [ヴェイル]
- どういう意味ですか。▼
- [リリス]
- さあ。どう取っていただいても構いません。
私たちは、意外と気が合うと
言っているのかも。▼
- [ヴェイル]
- 冗談を…!▼
- [リリス]
- ふふ…
これ以上の問答は無意味ですね。▼
先にこの地に来た先輩として、
私の方が引いて差し上げましょう。▼
一足先に戻ります。
さようなら。
ソンブル唯一の御子、ヴェイル。▼
願わくばもう二度と、
顔を合わせないことを祈りますよ。▼
- [ヴェイル]
- ふん…。▼
不愉快な女。
こちらだって二度と会いたくありません。▼
…私は、あの者とは違います。▼
あんな、実の父親に愛されず、
下僕として扱われていることを
隠しもしない者などとは。▼
…………。▼
お父様…。▼
お父様も、早くこの世界に来てください。
こんな心細い思いから、
私を助けに来てください。▼
そうして、私の傍で…
私だけが唯一の御子だと、
愛していると言ってください。▼
ねえ、お父様。
私…ずっと待っていますから…。▼
ここで、ずうっと……。▼
理想郷を捨てし者 ネルガル†
- [リムステラ]
- ネルガル様…
よくおいでくださいました。▼
- [ネルガル]
- リムステラ…
まずは状況を聞かせよ。▼
- [リムステラ]
- アスク王国は
さまざまな異界から英雄を召喚し
戦力を増強…。▼
英雄たちは特務機関である
ヴァイス・ブレイヴに所属し
そこを拠点に活動しております。▼
- [ネルガル]
- ヴァイス・ブレイヴ…
それは【エーギル】収集に
おあつらえ向きだな。▼
- [リムステラ]
- はい。英雄が集うのであれば
良質な【エーギル】の持ち主を
探す手間も省けるというものです。▼
- [ネルガル]
- くっくっく…
さっそく【エーギル】収集に
取りかかれ。▼
- [リムステラ]
- 御意。▼
- (暗転)
- [ネルガル]
- さて、そこのネズミどもは
いつまで隠れているつもりだ?▼
- [ニニアン]
- この邪な気配…
あなただったのですね、
ネルガル……。▼
- [ニルス]
- ニニアン!
不用意に近づいちゃダメだ!
城に戻ろう!▼
- [ニニアン]
- いいえ。
わたしたちがここで
止めなくては…▼
- [ネルガル]
- ほう…でも、どうする?▼
先んじてアスク王国に
送り込んだ配下たちが
【エーギル】収集を始めている。▼
そもそも…
貴様らごときの力で
我が闇の魔道にかなうわけもない。▼
- [ニニアン]
- なぜあなたは…
平和に暮らす人々から
【エーギル】を奪い取るのです…。▼
エレブ大陸と同じように
このアスク王国でも悲しみを
広げようというのですか……?▼
- [ネルガル]
- くだらぬ話よ。
すべての人間は私に
【エーギル】を捧げるための存在。▼
私であれば
その【エーギル】を使って
有能なモルフを創り出せるのだ。▼
- [ニニアン]
- 犠牲を積み上げた先に
なにがあるというのですか…?▼
- [ネルガル]
- 話にならぬな。
世界は力のあるものが
支配するが道理。▼
阻む者はすべて
我が魔道で消してやる!▼
光栄に思うがよい。
おまえたち姉弟の【エーギル】も
我がモルフの糧となるのだからな。▼
- [ニルス]
- あきらめよう、ニニアン!
早く逃げるんだ!▼
- [ニニアン]
- ダメよ、ニルス…。
わたしたちの背後には
アスク王国の人々がいる…▼
彼らは
異界の英雄のわたしたちを信じ
運命を託してくれたのよ。▼
- [ネルガル]
- 情に流され命を捨てるか。
それもよかろう。
その望み叶えてくれる!▼
- (白く光る)
- [ニニアン]
- きゃぁぁっ…!▼
- [ニルス]
- しっかりして、ニニアン!▼
- [ニニアン]
- う…だ、大丈夫…▼
- [ネルガル]
- まだ心は折れてはおらぬか。
だが、次で終わりだ。
消えよ…!▼
- [ニニアン]
- ……!▼
- [ニルス]
- ニニアン! 逃げて!▼
- (白く光る)
- [ニルス]
- …え?
ネルガルの魔道が…
打ち消された?▼
- [ドーマ]
- ……▼
- [ネルガル]
- 貴様、その気配…
人間のものではないな?▼
- [ドーマ]
- 我が名はドーマ。
力を司る者…▼
- [ネルガル]
- ほう、神竜…
それも邪神か?▼
- [ニルス]
- ニニアン、肩を貸すよ!
今のうちに逃げるんだ。▼
- [ニニアン]
- ありがとう、ニルス…▼
わたしの力だけでは
あの人を止められないの……?▼
- [ドーマ]
- この世界に、強大な力が
流れ込んでくるのを感じた。▼
我はその力の正体を
見極めにきただけだ…。▼
- [ネルガル]
- 邪神が人助けとは片腹痛い。
よほど暇を持て余しているようだな。▼
- [ドーマ]
- 人助けとは、先の姉弟のことか?
我は人に手を差し伸べぬ。▼
あやつらは偶然手にした
機会を利用しただけのこと。▼
- [ネルガル]
- 我が魔道を打ち消しておいて
よく言えたものだ。▼
- [ドーマ]
- 人に必要なのは救いの手ではない。
神に頼ったその先にあるのは
堕落がはびこる世界…。▼
- [ネルガル]
- ……。▼
- [ドーマ]
- 人が成長するには
自らの力で困難を
乗り越える必要がある。▼
神が人に与えるべきものが
あるとすれば…それは試練だ。▼
- [ネルガル]
- 邪神に堕ちたとしても元は神竜。
結局は、人の未来を見据えて
動いているということか。▼
だが…私が与えるのは
試練などという
生ぬるいものではない。▼
私が人間に与えるのは破滅のみ。
私はそのために力を求め
そのために力を振るうのだ。▼
- [ドーマ]
- 己のためだけに力を求める姿勢…
それもよかろう。▼
力とたくましさは
生きるうえで必要なものだ。
私もそうして、国を作り上げた。▼
しかしお前は力のみに
執着しているように見える。
なにを成さんと力を欲す?▼
- [ネルガル]
- 邪神がよくしゃべるものよ。▼
力がなくては
なしえぬ大望があるからこそ
私はこの地に立っているのだ。▼
- [ドーマ]
- ……。▼
- [ネルガル]
- 私の望みは強く、芸術的な
モルフを大量に創り出すこと。▼
- [ドーマ]
- モルフ…お前に作られた
偽りの生を持つ者か。▼
- [ネルガル]
- だが、モルフを創るためには
【エーギル】を集めなければならぬ。
優秀なモルフであればなおのことだ。▼
ゆえに下等な人間たちから
【エーギル】を奪う。
理想のモルフを生み続けるために!▼
- [ドーマ]
- そのモルフで…
地を埋め尽くしてなんとする?▼
その先にお前が見ているのは
どのような光景だ?▼
- [ネルガル]
- …なんだと?▼
- [ドーマ]
- お前の望みは力を求めること…
それ自体が目的のように見える。▼
望みが叶った先に
いったいなにがあると言う。▼
お前がやろうとしていることは
砂漠に水を吸わせるようなもの。
いつまで経っても満たされはせぬ。▼
- [ネルガル]
- 知ったような口をきくな。
その顔、不愉快だ。▼
- (白く光る)
- [ドーマ]
- …なるほど、たいした魔道の力だ。
自惚れるのも無理はない。▼
だが…最後に
ひとつ教えておいてやろう。▼
お前は、このアスク王国で
身をもって思い知ることになる。▼
お前が下等と断じた
人間たちの力とたくましさをな。▼
- (白く光る)
- [ネルガル]
- ……。
ふん…消えたか。▼
人間のたくましさだと?
くだらぬ。実にくだらぬ。
邪神の眼力も底が知れるわ。▼
だが、これは好機よ。
どうやらアスク王国には
神々も召喚されているようだな。▼
ならば神々からも【エーギル】を奪い
我が糧としてくれよう!▼
さぞ良質な【エーギル】を
持っているのであろうな。
胸が躍るわ、ハハハハハ!▼
闇に舞う蒼鴉 ウルスラ†
- [ウルスラ]
- ああ、ソーニャ様…
このウルスラ、異界の地でも
お仕えできて光栄です。▼
- [ソーニャ]
- お前は私のお気に入り…
このアスク王国でも
しっかりと働いてもらうわ。▼
- [ウルスラ]
- はっ、ソーニャ様は
ネルガル様に選ばれた完璧な人間。▼
お仕えさせていただくからには
完璧な活躍をお約束いたします。▼
- [ソーニャ]
- 人間にはふたつの種類があるわ。
上に立つ者と奉仕するだけのクズ…
お前はどうすべきか、わかっているわね?▼
- [ウルスラ]
- 無論、心得ております。▼
- [ソーニャ]
- 偉大なるネルガル様は
人間の【エーギル】を欲しておられるわ。▼
優れた人間である私たちは
下等な人間から【エーギル】を
搾り取らなければならない。▼
それはエレブ大陸でも
このアスク王国でも変わりはないわ。▼
- [ウルスラ]
- おっしゃるとおりです。
クズどもに、それ以外の
存在価値はありません。▼
- [ソーニャ]
- この【エーギル】収集計画は
ネルガル様の意向…。
失敗は許されない。▼
念には念を入れて
懸念材料を潰す必要があるわ。▼
- [ウルスラ]
- 下等な人間の中に
分をわきまえぬ者がいると?▼
- [ソーニャ]
- ええ。私たちと同じく
エレブ大陸から召喚された人間…▼
特にリキア同盟の
エリウッドたちの
存在は目障りだわ。▼
私はお前の
暗殺の腕前を評価しているの。
やるべきことは…わかるわね?▼
- [ウルスラ]
- 承知しました。
すぐにアスク王城に向かい
始末して参ります。▼
- [ソーニャ]
- 私は役立たずが大嫌いよ。
期待しているわね、ウルスラ。▼
- [ウルスラ]
- アスク王城…ふふ。
拍子抜けするほど
簡単に侵入できたわね。▼
あとは標的を探し出し
その寝首をかくだけ…▼
- [レギン]
- そこまでなの!
ここから先に入ることは許さないの!▼
- [フィヨルム]
- ヴァイス・ブレイヴに
所属する英雄ではありませんね?
目的は何ですか?▼
- [ウルスラ]
- あら…
泳がされていたというわけね。▼
面倒なことになるまえに
まとめて相手してあげる。▼
姿を見られたからには容赦しない。
すぐに片付けてあげる。▼
- (白く光る)
- [フィヨルム]
- っ…なんて強い魔道の力!?
二人がかりでも押されるなんて!▼
- [ウルスラ]
- ネルガル様に賜ったこの力…
存分に味わわせてあげる。▼
- (白く光る)
- [レギン]
- は、速い!?
人間離れした力なの!▼
- [ウルスラ]
- 私にかなうわけがないでしょう?
理由は簡単よ。▼
優れた人間の私と
クズのあなたたちでは
勝負になるわけがない!▼
- [フィヨルム]
- くっ…!
そんなことはありません!▼
- [レギン]
- どうして私たちがクズなの?▼
- [ウルスラ]
- 氷の国ニフルのフィヨルム王女。
小人の国ニザヴェリルのレギン王女。
あなたたちのことはすでに調べている…▼
たとえクズを相手するにも
任務のために準備は怠らないの。▼
- [レギン]
- 任務…?
いったいなにが目的なの!?▼
- [ウルスラ]
- 価値のない人間が
知ったところで無意味だわ。▼
クズはおとなしく
優れた人間の役に立ちなさい。▼
- [フィヨルム]
- お断りします!
そのような曲がった考えに
従う道理はありません!▼
- [ウルスラ]
- …あなたたちは
戦争で大切な人間を
守れなかった負け犬。▼
負け犬がなんと吠えようが
虚しく響くだけよ?▼
- [フィヨルム]
- ど、どうしてそのような
ひどいことを言えるのですか…!▼
- [ウルスラ]
- 私はただ、事実を
口にしているだけよ。▼
価値のない人間に
存在する意味はないわ。
消してあげるから感謝しなさい。▼
- [フィヨルム]
- 価値のない人間には
存在する意味がない…。▼
だから消えるべきだと
あなたは仰るのですね?▼
- [ウルスラ]
- ええ。それこそが
世のことわりだから。▼
- [フィヨルム]
- たしかに私は…
ムスペル王国との争いで
スリーズ姉様を失いました。▼
- [レギン]
- 私もニザヴェリルの内乱で
お兄ちゃんたちを亡くした。
それは動かせない事実なの。▼
- [ウルスラ]
- そうね。あなたたちが
無能な負け犬である事実は
歴史に刻まれているわ。▼
- [レギン]
- 私は大切な人を守れなかった。
それはたしかなの!▼
だけど今は…大切な人たちが
託してくれたものを守るために
私は生きてるの!▼
それを負け犬呼ばわりするなんて
許せないの!▼
- [ウルスラ]
- 馬鹿馬鹿しい…。
あなたたちが価値のない
クズであることは事実なのに。▼
- [フィヨルム]
- 価値があるかどうかを決めるのは
あなたではありません。▼
そしてそれは……
私たちでもない。▼
私たちができるのは、
亡くなった人たちの分まで
精一杯生きること。▼
大切な人たちが守ろうとした世界を
後世に繋いでいくことは
決して無駄ではないのですから。▼
- [ウルスラ]
- 耳障りな詭弁ね。
おしゃべりの時間はおしまい。
私の魔道で消えてなくなりなさい。▼
はぁっ…!▼
- [???]
- そこまでよっ!▼
- (白く光る)
- [ウルスラ]
- くっ!?
この矢はいったいどこから…。▼
- [リン]
- ちょっと距離はあったけど
牽制には十分だったみたいね!▼
- [ヘクトル]
- やるじゃねえか、リン。▼
どうやら見知った顔が
この世界でも悪さしているようだな。
俺も暴れさせてもらうぜ!▼
- [エリウッド]
- フィヨルム王女、レギン王女!
お二人ともご無事ですか?
我々も加勢いたします!▼
- [フィヨルム]
- 皆さん…!
助かりました! 感謝します!▼
- [ウルスラ]
- 標的が首を揃えて
出てきてくれるとはね…。▼
けど、これでは分が悪い。
またの機会に仕留めるわ。▼
- [レギン]
- ああっ、待ちなさいなの!▼
…あっという間に
暗がりに消えちゃったの。▼
- [リン]
- あいつら【黒い牙】は闇に紛れるのよ。
まんまと逃げられちゃったわね。▼
- [ヘクトル]
- ちっ。あいつら
この世界でも迷惑かける気かよ。▼
- [エリウッド]
- みんなが無事でよかった。
アンナ隊長に、城の警備を
固めるように言っておこうか。▼
- [フィヨルム]
- 価値があるかないか…
そんな基準でしか
人を見られないなんて…。▼
彼女も可哀想な人なのかも
しれません…。▼
- [ソーニャ]
- 暗殺に失敗した、ですって?
手ぶらでよく戻ったものね。▼
- [ウルスラ]
- 申し訳ございません、ソーニャ様。
次こそは必ず仕留めて参ります。▼
- [ソーニャ]
- 次…? そんな機会が
与えられるとでも思っているの?▼
私は自分のまわりに
役立たずを置きたくないわ。▼
- [ウルスラ]
- ……。▼
- [ソーニャ]
- けれど…
特別にもう一度だけ、
あなたに機会をあげてもいい。▼
次こそは
任務を果たせるわよね?▼
- [ウルスラ]
- もちろんです。
ソーニャ様のために…▼
そして、私が価値のある
人間だと証明するために…▼
- [ソーニャ]
- そう…。私は部屋に戻るわ。
よい報告だけを持ってきなさい。▼
- [ウルスラ]
- ああ、お優しいソーニャ様…。
ソーニャ様は私を必要としてくれている。
なんとしてもお役に立たなければ…▼
完璧であるソーニャ様に仕える私が
負け犬であってはならないのだから…。▼
- (暗転)
- [ソーニャ]
- ウルスラ…
モルフになればもう少し
使えるかと思っていたのに…▼
あれは失敗作みたいね。
役立たずは視界に入れたくないわ。▼
使えないなら捨ててしまえばいい。
負け犬になんの価値もないのだから…。▼
コメント
- こいつら(闇ルミエル、闇ヴェイル)、人の心とかないんか --
- あと、モルフウルスラ(キャラ崩壊)とネルガルとソーニャと闇リリスは人の心とかないんか --
Last-modified: 2024-05-30 (木) 12:33:14