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章別会話
紋章士と英雄と†
紋章士と英雄と†
オープニング†
- [アンナ]
- さあ、新たな英雄様方。
準備はいいかしら?▼
この地点に敵勢力が接近中。
特務機関の一員として、
じゃんじゃん戦ってちょうだいね!▼
- [リュール]
- 任せてください、アンナ隊長。▼
- [アルフレッド]
- 腕が鳴るね、神竜様。▼
- [リュール]
- 私たちの初陣です。
特務機関の皆さんの
お役に立てると良いのですが。▼
- [アルフレッド]
- 神竜様がいれば大丈夫さ!
元いた世界と同じように、
傍にいるだけで力が漲るよ。▼
- [セリーヌ]
- ええ、エレオス大陸でわたしたちを束ねて
戦ってくださったそのお力は、
どこであろうと変わりません。▼
- [クロエ]
- この世界でも引き続き、
皆様が並び立つ姿を拝見できて
とても心強いです。▼
- [リュール]
- アルフレッド、セリーヌ、クロエ…
それはこちらの台詞です。
私は皆がいてくれるから戦えるんですよ。▼
紋章士たちも、
きっと見守っていてくれます。▼
- [アルフレッド]
- 紋章士たちは…
やはり、顕れないのかい?▼
- [リュール]
- はい。指輪はここにあるのに、
アスク王国に来てからは
呪文を唱えても顕現できないようです。▼
世界を越えたことで、
何かが干渉してるのかもしれませんね。▼
- [セリーヌ]
- 神竜様。
そのような顔をなさらないで。
焦らずとも、きっと顕れてくれますよ。▼
- [アルフレッド]
- そうさ!
今頃走ってこちらに向かっているのかも。▼
- [リュール]
- ふふ、ありがとうございます。
そうですね。
思い悩んでも仕方ありません。▼
今は紋章士たちや、
まだ来ていない仲間たちに
恥じぬ戦いを見せるのみです。▼
- [アンナ]
- 来るわよ!
総員、戦闘準備を!▼
- [リュール]
- 始まるようですね。
皆、気をつけて!▼
- [リュール]
- 何とか勝てましたね。▼
- [アルフレッド]
- だが先ほどの混戦で、
本隊とはぐれてしまったようだ。
一刻も早く合流しないと。▼
- [クロエ]
- ではわたしが空から
本隊の位置を探して参ります。▼
- [セリーヌ]
- ありがとう、クロエ。
けれど、弓兵がいないとも限らない。
あなたを危険に晒すわけにはいかないわ。▼
- [リュール]
- セリーヌの言う通りですね。
今は慎重に行きましょう。▼
…………▼
- [アルフレッド]
- 神竜様?▼
- [リュール]
- ごめんなさい。
私の力不足で、皆のことを
しっかり守ることができなくて。▼
こんな時には、やはりどうしても…
紋章士がいればと思ってしまいますね。▼
エレオス大陸でそうであったように、
呪文を唱えれば、この指輪から
姿を見せてくれることを願ってしまいます。▼
…『星炎け、始まりの紋章士』▼
なんて…▼
- [マルス]
- やっと見つけた。
ここにいたのかい。▼
- [リュール]
- マルス!?▼
- [アルフレッド]
- ど、どういうことだ。
今ので、顕現したのか?▼
- [リュール]
- マルス…!
会えて嬉しいです…でも、どうして。▼
- [マルス]
- 君たちを探していたんだ。
いいかい、ここにはもうすぐ敵軍が来る。
とどまっていては危険だ。▼
本隊までは僕が案内するから、
戦いながら、ついて来てほしい。▼
- [リュール]
- わかりました。
共にこの場を切り抜けましょう。
マルス、私とエンゲージしてください!▼
- [マルス]
- エンゲージ?▼
- [リュール]
- 行きますよ!!
エムブレム・エンゲージ!!▼
- [マルス]
- ええっ!?
ま、待ってくれ、僕は…!▼
- [リュール]
- 本当にごめんなさい!!▼
- [マルス]
- いいんだよ、リュール。
来たばかりの君たちに対して、
僕も言葉が足りなかった。▼
- [リュール]
- まさかあなたが、本来の姿の、
英雄王マルスだったなんて。▼
私の世界にいた、紋章士マルスと
勘違いしてしまいました。▼
- [アルフレッド]
- 様子がおかしいと思っていたんだ。
いつもみたいに浮遊していないし。
体調でも悪いのかと心配したよ。▼
- [セリーヌ]
- わたしからもお詫び申し上げます、
英雄王マルス。
勝てたからよいものの、先ほどの戦では…▼
兄があなたと神竜様を
何とかエンゲージさせようと奔走し、
大切なティアラやお召し物をグイグイと。▼
最後には戦場で鍛錬を提案する始末。
此度の無礼、
本当に申し訳ございません。▼
- [アルフレッド]
- 触れる事ができる時点で気づくべきだったよ。
紋章士には実体がないからね。
すまなかった、許してほしい。▼
- [マルス]
- 気にしていないよ。
違う世界の、紋章士と呼ばれる僕が
君たちの善き戦友であるなら誇らしいさ。▼
- [リュール]
- マルス…▼
ありがとうございます。
私も、紋章士としてのあなたと
共に戦えたことを誇りに思っています。▼
- [クロエ]
- 神竜様、再び敵が接近しています!▼
- [リュール]
- わかりました。
では戦闘準備を。▼
- [マルス]
- 行こうか、リュール。
皆を無事に本隊に送り届ける。▼
最後まで、君の力となろう。▼
- [リュール]
- ! その言葉…▼
ふふ。
私の知るマルスではなくとも…
やっぱり、あなたは優しいですね。▼
- [リュール]
- 皆、無事でよかったです。▼
アンナ隊長からも、
お褒めの言葉をいただきましたよ。▼
- [アルフレッド]
- それは良かった。
流石にあちこちの筋肉が痛むけれど、
この達成感が堪らないよ。▼
- [セリーヌ]
- 戦は絶えないものなのだと痛感したわ。
いつかこの地に、真の平和が訪れると
良いのだけれど。▼
- [クロエ]
- そのためにも頑張りましょう、
神竜様と共に。▼
- [リュール]
- マルス、先程の戦では助かりました。
本隊まで送り届けてくださって、
ありがとうございます。▼
- [マルス]
- 礼には及ばないよ。
勝利できたのは君たちのお陰でもある。
さすがエレオスの英雄、凄まじい活躍だった。▼
これから共に戦えることを嬉しく思うよ。
改めてよろしく、リュール。▼
- [リュール]
- こちらこそ、マルス。▼
…!▼
- [マルス]
- どうしたんだい?▼
- [リュール]
- こうして握手ができることが新鮮で。▼
マルスの手は、
こんなに温かかったんですね。▼
- [マルス]
- 紋章士には実体がないと言っていたね。
僕には想像もつかないけれど…
一目、その姿を見てみたく思うよ。▼
- [リュール]
- いつかあなたに、紋章士たちを
紹介できる日を心待ちにしています。▼
- [マルス]
- 僕も心待ちにしているよ。
君の世界で生きた僕と、
言葉を交わせることを。▼
- [リュール]
- その時は指輪を託しますので
ぜひ、紋章士マルスと
エンゲージしてください。▼
- [マルス]
- 僕自身とかい!? あはは。
それは、どうなるだろうね。▼
- [リュール]
- きっと、とても強くなりますよ。
誰も敵わないくらい。▼
神竜の王女 リュール†
- [アルフォンス]
- リュール。
頼まれていた小箱が用意できたよ。▼
- [リュール]
- ありがとうございます、
アルフォンス。
お手を煩わせてすみません。▼
この身一つで来てしまったものですから、
足りないものが色々とあって。▼
- [アルフォンス]
- 英雄はみんな同じだよ。
気にしないでほしい。▼
- [リュール]
- お陰様で、やっとこれを仕舞えます。▼
- [アルフォンス]
- 指輪?▼
- [リュール]
- 元の世界から持ってきた、
大切なものなんです。▼
これが『英雄王の指輪』、
こちらが『聖騎士の指輪』…▼
まだいくつかあるのですが、
全部を指に嵌めるわけにもいかず。
小箱を頂けて助かりました。▼
- [アルフォンス]
- どれも美しい指輪だね。
英雄王や聖騎士という名称には
聞き覚えがあるな。▼
確か、英雄マルスとシグルドが
そのように呼ばれていたような…▼
- [リュール]
- さすがはアルフォンス。
ご名答です!▼
この指輪には紋章士マルス、
そして紋章士シグルドが
宿っているんですよ。▼
- [アルフォンス]
- 紋章士…
はじめての概念だ。
そんな記述はどんな書物にもなかったな。▼
リュール、良かったらまた
話を聞かせてほしい。▼
- [リュール]
- はい、小箱のお礼に
何でもお話ししますよ。▼
- [アルフォンス]
- なるほど…▼
リュールは元いた世界で
12の指輪を集めながら旅をし、
紋章士と共に戦っていたんだね。▼
- [リュール]
- はい。▼
- [アルフォンス]
- 紋章士は実体を持たない超常の存在で、
呪文により指輪から顕現し、
エンゲージを行えば一体化して戦える…▼
聞けば聞くほどに
興味深いよ。▼
- [リュール]
- 私も、この世界に紋章士がいないというのが
興味深いです。▼
私たち英雄と呼ばれる存在が、
それに近いのかもしれませんが…▼
紋章士と違って実体がありますし、
共に戦うことはできても、
エンゲージはできませんね。▼
ああ、でも喚び出された側によって
敵味方が変化するのは
共通しているでしょうか。▼
- [アルフォンス]
- 確かに、同じ英雄でも
敵側で召喚されれば敵となる。
紋章士もそれは同じということか。▼
しかし、紋章士を顕現するというのは、
召喚師が行う英雄の召喚とは
また違うようだね。▼
- [リュール]
- 似てはいますけれど、
私にあるのは、指輪に予め宿る紋章士を
そこから喚び出す力です。▼
他の世界から、
誰かを喚び出すということまでは
できません。▼
ですから、エクラ…
召喚師の方が遥かにすごい力を
持っていると言うべきかもしれませんね。▼
- [アルフォンス]
- どちらが優れているということはないさ。
僕にとっては二人とも
強大な力を有している。▼
何にせよ、
君が敵に回らなくてよかったよ、
リュール。▼
- [リュール]
- こちらも同感です、
アルフォンス。▼
- [アルフォンス]
- 紋章士の話を沢山聞かせてくれて
ありがとう、リュール。
お陰で知識が増えたよ。▼
- [リュール]
- こちらこそ、話を聞いてくださって
ありがとうございます。▼
紋章士については、本当なら
お見せするのが一番なのですが、
今は…▼
- [アルフォンス]
- 呪文を唱えても喚び出せない。
そういうことだね。▼
- [リュール]
- はい。
残念ですが、そのようです。▼
まだ信じられません。
指輪を嵌めていれば、いつだって…
声が聴けた。傍にいられたのに。▼
このまま二度と会えないのかもしれないと
そんなことまで思ってしまいます。▼
- [アルフォンス]
- 寂しいかい?▼
- [リュール]
- 寂しくない…と言えば噓になりますが、
いつか会えると信じていますから。
平気ですよ。▼
- [アルフォンス]
- でも、随分辛そうな顔をしている。
心配だよ。▼
…リュール。
もし、紋章士と再会することがあれば
次は少し距離を取るといい。▼
- [リュール]
- え?▼
- [アルフォンス]
- 強く思い入れないようにすれば、
いつ別れても辛くない。
そんな風に悲しむこともなくなるよ。▼
- [リュール]
- でもそれでは、
共にいる喜びもなくなりませんか?
いえ、それよりも…▼
アルフォンスはもしかして、
私たちに対してそうしているんですか?▼
どれだけ仲の良い英雄を失くしても
辛い思いをせずにすむように。▼
- [アルフォンス]
- 心が痛まないわけじゃないさ。
けれど、痛みで冷静さを欠いて、
戦えなくなるよりはずっといい。▼
そう思って、過ごしてはいるよ。▼
- [リュール]
- それは少し…悲しいような気がします。▼
- [アルフォンス]
- そんな顔をさせてすまない。
君を不快にさせたいわけじゃないんだ。▼
ただ、少しだけ君が、
以前の僕に似ているような気がして。
心配になってしまってね。▼
- [リュール]
- 以前のアルフォンスに…?▼
- [アルフォンス]
- 今日はここまでにしようか。
時間を取ってくれてありがとう。
それでは、失礼するよ。▼
- [リュール]
- はい…▼
…………▼
- [リュール]
- この前はごめんなさい、アルフォンス。
あなたの事情も考えず
心無いことを言いました。▼
- [アルフォンス]
- いいんだよ、リュール。
僕も冷たいことを言ってしまった。▼
君と紋章士の関係性に、
僕が口を出すなんて烏滸がましかったよ。
許してほしい。▼
- [リュール]
- 私が以前のあなたに似ていると言うのなら、
少なくともアルフォンスにも…
会えなくなった誰かがいるということ。▼
あなたは優しい方です。
きっと私を思って言ってくれたのでしょう。▼
私にも、悲しい別れがありました。
果たされなかった約束だって…▼
だから、いなくなっても悲しくないよう
一定の距離を保ち接する。
その方が合理的だと理解はできます。▼
- [アルフォンス]
- …………▼
- [リュール]
- でもこれだけは伝えさせてください。
私は、ここに来てよかったと思います。
アルフォンスと出会えてよかった。▼
この先、例えどんな酷い別れ方になっても、
私が夢半ばで消えたとしても、
この気持ちは変わりませんよ。▼
- [アルフォンス]
- …リュール。▼
- [リュール]
- 私も、考えを変えてほしいだなんて
烏滸がましいことは言いません。▼
ただ、
私が勝手にそう思っていることを…
どうか憶えていてください。▼
- [アルフォンス]
- …………▼
ありがとう。
これでは、小箱のお礼を
貰いすぎているね。▼
君が僕の考えを尊重してくれたように、
僕も君の考えを尊重するよ。▼
これからは、別れの時には一緒に
約束をすることにしよう。
この約束は、違えないよ。▼
リュール。
明日も必ず会おう。▼
- [リュール]
- はい。
必ず、明日もまた。▼
幸福な王女 セリーヌ†
- [セリーヌ]
- あら、エクラ。
ごきげんよう。▼
見回りの途中というわけでは
なさそうだけれど…
え? わたしを探していたの?▼
力を貸してくれてありがとう…って、
まさかそれを言うためにここに?▼
ふふ、あなたは優しい方なのね。
でもわたしは、まだ礼に及ぶような
戦果を挙げていないわよ。▼
そんな勿体ない言葉を貰ったら、
まるでわたしが紋章士になったような
気持ちになってしまうわ。▼
ああ、紋章士というのは
わたしのいた世界…エレオス大陸にいる
特別な力を持った存在のことよ。▼
実体はないのだけれど、
紋章士の指輪を嵌めると、彼らの力を
この身に宿すことができるの。▼
彼らは異世界で戦い、世界を救うに至った、
歴戦の猛者たちだと聞いているわ。▼
傍にいるだけで心強かった。
もしかしたら、あなたにとっての英雄たちと
同じような感覚かもしれないわね。▼
もっと話を聞かせてほしい…?
わかったわ。▼
神竜様ほどではなくて申し訳ないけれど、
わたしの知識で良ければ喜んで
お話ししましょう。▼
今度時間のある時に、
お茶でも飲みながら如何かしら。
わたしもあなたのお話が聞きたいわ。▼
ここに喚んでくださった大英雄たる
召喚師様がどんな方なのか、
とても興味があるのだもの。▼
- [セリーヌ]
- エレオス大陸にいた12の紋章士の中でも、
わたしがいちばん印象深いのは
紋章士セリカね。▼
彼女は我が国、フィレネ王国に託された、
『慈愛の王女の指輪』に宿っている
紋章士なの。▼
神竜様が顕現してくださるまでは
その姿を見ることはなかったのだけれど…▼
わたしはその指輪からずっと、
声が聞こえるような気がしていたのよ。▼
思えばわたしは、幼い頃から
彼女に励まされ続けていたのかもしれない。▼
お父様が亡くなられた時、
お兄様が病に倒られた時、
そしてフィレネ城が襲撃に遭った時…▼
紋章士セリカの声に励まされて、
何とか前を向くことができた。
でも、今は…▼
…………▼
ごめんなさい、なんでもないの。
少し、恋しく思ってしまっただけ。▼
これまでずっと、紋章士セリカは
わたしの近くにいてくれた。
たとえ姿が見えなくても。▼
けれど、今は…ここにはいない。
会う術もないもの。▼
…誤解しないで。
アスク王国に来たこと、
召喚に応じたことに後悔はしていないわ。▼
必ずあなたの役に立ってみせる。
そのためにも、後ろばかり振り返らず
邁進しないといけないわね。▼
さあエクラ、
次はあなたのお話を聞かせてくれるかしら?▼
- [セリーヌ]
- エクラ…
わたしに会わせたい人がいるから
この場所に来るようにと言っていたけれど、▼
一体どなたなのでしょう。
少し緊張してきたわ。▼
- [セリカ]
- ええと、ここでいいのかしら。▼
- [セリーヌ]
- !!
セリカ!?▼
- [セリカ]
- え? あなたは…▼
- [セリーヌ]
- ああ、まさか…
まさか、こんな形で…
あなたに会えるだなんて…!▼
- [セリカ]
- あ、あの、ごめんなさい。
私たちどこかで会っていたかしら?▼
- [セリーヌ]
- いいえ。
あなたはわたしのことを知らないわ。
でも、わたしは…▼
- [セリカ]
- …?▼
- [セリーヌ]
- 自己紹介が遅れてすみません。
わたしはセリーヌ。
フィレネ王国第一王女セリーヌと申します。▼
信じられない話かもしれないけれど
あなたはわたしの世界で、紋章士と呼ばれる
強大な力を持つ存在として…▼
わたしたちの戦いに
力を貸してくれていたの。▼
- [セリカ]
- 紋章士…▼
- [セリーヌ]
- 紋章士セリカの宿る指輪は、
我が国に託されていた。
ずっと近くにいた。何度も助けられたわ。▼
だから、私はあなたをよく知っている。
とても恋しく思っていたの。▼
- [セリカ]
- そうだったの。
だからエクラは、
私をあなたに会わせようとしたのね。▼
なんだか不思議な話だけど、
これも何かの縁ね。
私もあなたのことを知っていきたいわ。▼
- [セリーヌ]
- 本来の姿で生きるあなたと、
こうして出会えてとても嬉しい。▼
ご迷惑でなければ、
一緒にお茶でも如何かしら。▼
- [セリカ]
- ええ、勿論。
よろしくね、セリーヌ。▼
- [セリーヌ]
- ありがとう。
わたし、とても幸せだわ。▼
- [セリーヌ]
- エクラ。
この前は素敵な時間をありがとう。▼
セリカとお茶会をして、
あんな風に語り合えるだなんて。
まるで夢のような時間だったわ。▼
紋章士は食事を必要としないから、
エレオスではどれだけ望んでも、
同じお茶を楽しむことはできなかったの。▼
私の好きな紅茶を口にして
美味しそうに笑う顔を見た時は、
涙が出るほどうれしかったわ。▼
それに、すごく励まされたの。
この世界に来て不安だったのだけれど、
セリカがいろいろ教えてくれたから。▼
全て、あなたのお陰だわ。
改めてお礼を言わせて。▼
…え?
ほかにもお茶会がしたい英雄がいるのなら
遠慮なく言ってほしい、ですって?▼
うふふ。
優しいのね、あなたは。▼
確かに、わたしの知る紋章士たちと
同じ姿の方にはとても興味があるわ。
是非お話がしてみたい。けれど…▼
わたしは今、他の誰でもなく
エクラと、
お茶がしたい気分なの。▼
あなたの事をたくさん知りたいわ。
生まれた場所、好きな食べ物に、
得意な戦い方なんかも。▼
まあ、あなたも同じ気持ちなのね。
うれしいわ。▼
いつか元の世界に戻った時、
紋章士セリカに話すお土産話が
また増えそう。▼
早速行きましょう。
エクラ。
今日はどんなお茶にしましょうか。▼
笑み護る花 アルフレッド†
- [アルフレッド]
- 朝の走り込みは気分がいいね!
このままどこまでも走れそうだ。▼^
今日も一日、強靭な肉体のために!!▼
- [シャロン]
- ま、待ってくださあああーい!
そこの…青いマントの方ーっ!▼
- [アルフレッド]
- えっ?▼
- [シャロン]
- ぜえ、はあ…
や、やっと追いつきました。
新しい英雄さん!▼
- [アルフレッド]
- 追いついたって、
ここまで走ってきたのかい?
ええと…▼
- [シャロン]
- 申し遅れました!
わたしは特務機関所属の
アスク王国第一王女、シャロンです。▼
ご挨拶をと思い追いかけて参りましたが、
走るのがとっても速くて。
呼び止めようにも、お名前を知らず…!▼
- [アルフレッド]
- それはすまなかったね。
僕はフィレネ王国第一王子、
アルフレッドという。▼
- [シャロン]
- アルフレッドさん!
なんと偶然にも、我が兄の名前と
出だしの語感が似ています!▼
わたしの兄は、
アルフォンスというんですよ。▼
- [アルフレッド]
- 確かに似た響きだね。
僕にも妹がいることだし、
もはや他人とは思えないな。▼
- [シャロン]
- なんと!
もしや妹さんのお名前って…
シャロ何とかですかっ!?▼
- [アルフレッド]
- いや、セリーヌという。▼
- [シャロン]
- 全然違いましたね。▼
- [アルフレッド]
- がっかりすることはないさ。
もし出会ったら仲良くしてやってくれ。▼
- [シャロン]
- こちらこそ、兄をよろしくお願いします。▼
…って、その前にわたしたち同士も
仲良くなりたいのですが!▼
- [アルフレッド]
- ははは、そうだね。
では友好のしるしに、
このまま走り込みと行こうか!▼
- [シャロン]
- えーっ!
まだ走るんですかぁっ!?▼
- [アルフレッド]
- さあ行こうシャロン王女!
強靭な肉体のために!▼
- [シャロン]
- アルフレッドさん、こんにちは。▼
- [アルフレッド]
- シャロン王女、待っていたよ!▼
- [シャロン]
- あら、待たれていたとは驚きです。
何かご用がありましたか?▼
- [アルフレッド]
- …この前、聞きそびれたことがあってね。
いいだろうか。▼
- [シャロン]
- ! いつになく真剣な顔です。
そこまで気になることがあるのなら、
ぜひとも答えて差し上げないと。▼
勿論です。アルフレッドさん。▼
- [アルフレッド]
- ありがとう。では早速だけれど、
アルフォンス王子は…▼
…………▼
ムキムキなのかい?▼
- [シャロン]
- はい?▼
- [アルフレッド]
- 筋肉ムキムキなのかい?▼
- [シャロン]
- き、筋肉!?
ええと…普通ぐらいでしょうか。
細身なほうではないかと!▼
- [アルフレッド]
- そうか。もしも筋肉隆々であれば
名前が似ているよしみで、
じっくりと見せてもらおうと思ったのだが。▼
- [シャロン]
- アルフレッドさんは、
筋肉がお好きなんですね。▼
- [アルフレッド]
- 好きではない。
大好きだ。▼
- [シャロン]
- そ、そうですか。▼
でも、そういうことなら
このシャロンにお任せください!▼
ヴァイス・ブレイヴにいる
筋肉隆々な英雄さんたちを集めますので、
心ゆくまで交流をされてみては?▼
- [アルフレッド]
- 本当かい?
それはうれしい申し出だ。
楽しみにしているよ、シャロン王女!▼
- [バーツ]
- くらえ!
うおおおーっ!!▼
- [リンカ]
- させるもんか!
はああーっ!!▼
- [ディーク]
- そら! 誰でもかかってきな!▼
- [アルフレッド]
- お、おおおおおお…!
なんということだ。
どこを見ても、筋肉、筋肉、筋肉…!▼
- [シャロン]
- 今日は特別鍛錬を開催し、
ヴァイス・ブレイヴ内でも随一の筋肉を
お持ちの方々にお集まりいただきました!▼
如何でしょうか、アルフレッドさん!▼
- [アルフレッド]
- ありがとう。感涙を禁じ得ない。
見ているだけで筋肉が増えそうだ。
僕は今、アスク一の幸せ者だよ…!▼
ちーん!!▼
- [シャロン]
- フェンサリルに鼻水が…
まあいいです。▼
- [アルフレッド]
- 僕の臣下たちも素晴らしい筋肉の持ち主だが
それに勝るとも劣らない。
なかなかお目にかかれない逸材ばかりだ。▼
今はひ弱な肉体でも、
ここで鍛錬を続ければいずれ
あのようになれるということだね。▼
あの猛者たちも、最初は僕のように
頼りなかったのかい?▼
- [シャロン]
- あ…いえ。
あの方たちはここに来た時から、
既に仕上がっておいででした。▼
英雄の皆さんは、~ここに来た時の姿から
大きく変わることはありません。
もちろん、戦えば強さは上がりますが…▼
見た目が変わるほどの体型変化は、
その…▼
- [アルフレッド]
- ということは…
僕は、ここでいくら鍛えても、
ムキムキになることはないと。▼
- [シャロン]
- は、はい…
おそらくは…▼
- [アルフレッド]
- …………▼
- [シャロン]
- アルフレッドさん?▼
- [アルフレッド]
- …すまない。
少し走ってくるよ。▼
- [シャロン]
- あっ!
アルフレッドさーん!!▼
- [アルフレッド]
- …………▼
はあ…▼
- [シャロン]
- アルフレッドさん。
ここにいらっしゃったんですね。▼
- [アルフレッド]
- …シャロン王女。
この間はすまなかったね。
折角、猛者たちを集めてくれたというのに。▼
だが、彼らが眩しすぎて
あのまま傍にいることはできなかった。▼
今の僕ではどれだけ努力を重ねようと
あのような筋肉は手に入らない。
それが悔しくてね。▼
- [シャロン]
- アルフレッドさん…▼
- [アルフレッド]
- 一目でいいんだ。いつか、
憧れの強靭な肉体を手に入れた姿を
この目で見ることができたら…▼
- [シャロン]
- 強靭な肉体を、手に入れた姿…▼
あ、あの。
何の慰めにもならないかもしれませんが、
見るだけなら、できる可能性があります。▼
特務機関には召喚師によって、
色々な世界から英雄が召喚されます。▼
同じ英雄さんでも、別の可能性…
別の姿が喚ばれることもあるんです。
つまり…▼
- [アルフレッド]
- いつかムキムキの僕が
どこかから召喚されるかもしれない。
そういうことかい?▼
- [シャロン]
- はい。▼
- [アルフレッド]
- …………▼
- [シャロン]
- や、やっぱり駄目ですよね。
自分自身がそうならないと…▼
- [アルフレッド]
- 素晴らしいじゃないか!!!!!!▼
- [シャロン]
- へっ!?▼
- [アルフレッド]
- そうかそうか!!
それは何よりの希望だよ!!!!
いやあ、夢があるね!▼
僕自身が成し遂げられなくとも、
成し遂げた僕の姿を見られるかもしれない。
そんな幸福が待っているとは!!▼
教えてくれてありがとうシャロン王女!
君には感謝しても足りないよ!▼
- [シャロン]
- 良かったです。
アルフレッドさんが元気になって!▼
- [アルフレッド]
- …それに、体に変化がないというのなら、
少なくともこの地で、戦以外の理由で
命を落とすということはなさそうだ。▼
- [シャロン]
- ?
それってどういう…▼
- [アルフレッド]
- いいや、何も。▼
シャロン王女、一緒に待ってくれるかい?
いつか筋肉隆々の僕がここに来る日を!▼
- [シャロン]
- 勿論です!!▼
もしかしたらその前に、
うさ耳がついたアルフレッドさんや
水着のアルフレッドさんが来るかもですが!▼
- [アルフレッド]
- なんだって?▼
- [シャロン]
- いつまでも待ちましょう!!
楽しみですね!!▼
空想を舞う翼 クロエ†
- [クロエ]
- うーん、味付けがイマイチかしら。
やっぱり見様見真似では駄目ね。▼
素材はいいけれど、調味料との
組み合わせに難がありそうだわ。▼
- [アンナ]
- クロエ、何を食べているの?▼
- [クロエ]
- アンナ隊長!
ええと、これは…▼
- [アンナ]
- ははーん。
慌てて隠すところを見るに、
盗み食いかしら?▼
- [クロエ]
- だ、断じてそのようなことは!
機関の物資には手を付けていません。▼
食べていたのは、
その辺りで捕まえた
ヤモリの黒焼きです。▼
- [アンナ]
- ヤモリ!?
そんなにお腹が空いていたの?▼
気が付かなくてごめんなさい。
食事が足りなかったのなら、
すぐに改善をするわ。▼
- [クロエ]
- その必要はありません。
嗜好品として食べているものですから。▼
わたし、エレオス大陸にいた頃から、
こういった珍味や、
屋台料理なんかに目が無くて。▼
- [アンナ]
- ならいいんだけど。
いや、ヤモリを食べるのはいいのかしら…▼
- [クロエ]
- 誤解も解けたところで、
アスク王国に造詣が深いアンナ隊長に
お願いがあるんです。▼
このヤモリに合いそうな調味料を
教えていただけませんか?▼
出来れはアスクに所縁のあるものだと
ありがたいのですけれど。▼
- [アンナ]
- 役に立てるか全くわからないけど…
探しておくわね。▼
- [クロエ]
- ありがとうございます。▼
- [アンナ]
- クロエ。
この間の調味料の話だけど。▼
機関の備蓄をひっくり返してみたけど、
あなたの舌に合いそうな
高級なものはなかったわ。▼
- [クロエ]
- 高級なもの?
どういうことでしょう。▼
- [アンナ]
- クロエは元の世界では、貴族だと聞いたわ。
きっとものすごーく高級な調味料を
ご所望なんでしょう?▼
何万ゴールドもする塩とか…▼
- [クロエ]
- いいえ。
市井で手に入るような、
普通のもので構いません。▼
- [アンナ]
- そうなの?
そんなものでいいの?▼
- [クロエ]
- そんなもの、とは心外ですね。
それこそがわたしの望むもの。
屋台料理と言っても甘くみては困ります。▼
人気の珍味を出す屋台は
常にお客さんでいっぱいで、
行列に並ぶことも珍しくありません。▼
- [アンナ]
- 行列?▼
- [クロエ]
- ええ。並ぶのが遅ければ、
完売で買えないことだってあります。▼
- [アンナ]
- …興味深いわね。
そんな原価のかからなそうな料理に、
お客さんが殺到するなんて!▼
とてつもないお金儲けの匂いがするわ!
特務機関の財政難を補って余りある、
利益の予感が止まらない!▼
クロエ!
珍味、そして屋台料理について
もっと詳しく教えてちょうだい!▼
- [クロエ]
- もちろんです。
アンナ隊長がそんなにも
興味を持ってくださってうれしいわ。▼
- [アンナ]
- クロエ。
あなたの話を聞いて、
私なりに屋台料理を考案してみたの。
- [クロエ]
- それは素晴らしいです。
拝見しても?▼
- [アンナ]
- ええ! これよ!!▼
- [クロエ]
- 茹でた野菜に、蜂蜜をかけたもの?
屋台料理と呼ぶには少し
趣が違うようにも思えますが…▼
ちなみに、
食材は何をご使用で?▼
- [アンナ]
- 遠征先の異界で大量に仕入れた草に、
同じく異界のお祭りで安かった、
変わった味の蜂蜜よ。▼
- [クロエ]
- アンナ隊長…▼
お話になりません。▼
- [アンナ]
- 一蹴!?▼
- [クロエ]
- 珍味というのは特定の地域に根ざした
食材を使用し、食べた瞬間口の中に
その土地の歴史や文化が広がる…▼
そういったものでないといけません。
何なんですか、遠征先の異界の草って。
アスク王国関係ないじゃないですか。▼
蜂蜜の発想はまあ良いですが、
草との組み合わせはときめきません。
食べ応えが皆無です。▼
やりなおしてください!▼
- [アンナ]
- す、すみません。▼
クロエったら、
温厚な英雄だと思っていたけど
珍味に関しては情熱的なのね…▼
じゃ、じゃあ、こういうのは?
昔からアスクに生息している大きなヘビ。
拠点にも出て、たまに捕まえているの。▼
味は淡白だけれど、
非常食として優秀なのよ。▼
- [クロエ]
- 良いですね。特務機関所縁の食材で
素晴らしいと思います。▼
早速試しましょう。
乗り掛かった舟ですから、
最後までお付き合いいたしますよ。▼
- [アンナ]
- ありがとう、クロエ!▼
- [アンナ]
- できた…▼
- [クロエ]
- できましたね。▼
- [アンナ]
- 特務機関『ヴァイス・ブレイヴ』の拠点に
よく出るヘビを使った
ふかふかの白焼きに、▼
- [クロエ]
- 同じく拠点周辺の花畑から採れる
蜂蜜を使ったソースを合わせた…
特務機関印の渾身の屋台料理。▼
- [アンナ]
- その名も、
ヘビの蜂蜜ヴァイス焼き!!
完成よーっ!!▼
- [クロエ]
- お味も素晴らしいです。
口にした瞬間に広がる香り。
機関で戦う皆様の姿が思い浮かぶよう。▼
これぞわたしの求めていたもの。
行列必死の傑作ですね。▼
ソースはヤモリにもとても合います。▼
- [アンナ]
- やった。やり遂げたわ。
ありがとうクロエ!
これで大儲け間違いなしだわ!▼
- [クロエ]
- 大儲け…?▼
ではたくさん作らないといけませんね。▼
- [アンナ]
- たくさん?▼
- [クロエ]
- はい。珍味は単価が安いので
高価な代金はいただけません。
それではお客さんがつきませんもの。▼
大儲けをお望みであれば、
試作の百倍ぐらいの量を
一日に売りさばく必要があるかと。▼
- [アンナ]
- そんなの無理だわ!
材料の調達、調理に、店の運営。
人手がかなり要るじゃない。▼
まさか英雄たちに交代で
店番をさせるわけにもいかないし。▼
- [クロエ]
- それはそれで売れそうですけれどね。
店番の組み合わせを想像するだけで
ワクワクします。▼
- [アンナ]
- アルフォンス辺りが許してくれないわよ!▼
はあ…クロエ。
協力してくれて悪いけど、
屋台料理で大儲けは諦めるわ。▼
- [クロエ]
- それは残念です。▼
でもこの料理は、
ぜひまた一緒に作りましょう。
わたしにとっては…▼
特務機関の隊長との、
かけがえのない
思い出の味になったのですから。▼
コメント†
Last-modified: 2024-01-06 (土) 12:04:13