[広告]

章別会話
目覚めし新星たち†
目覚めし新星たち†
オープニング†
- [シャロン]
- そうそう! みなさんのお父さまも
ヴァイス・ブレイヴのメンバーとして
アスク王国を助けてくれているんですよ!▼
戦いはもちろん、王国のお祭りとかにも
積極的に協力くださっています!▼
- [マトイ]
- はい、父さんからも
そのように聞いてます。▼
- [シャロン]
- おや? マトイさんって近くで見ると
ツバキさんによく似てらっしゃいますね。
凛々しいところなんて特に!▼
- [マトイ]
- そ、そんな…まだまだです。
あたしは父さんの背中を追って
精進している最中ですから。▼
- [シャロン]
- キサラギさんは弓を引く姿が
タクミ王子にそっくりですよ!▼
- [キサラギ]
- シャロン王女にはそう見えるの?
僕も父上みたいになりたいから
なんだかうれしいよ。▼
- [シャロン]
- ディーアさんの淹れてくれた珈琲も
とっても美味しかったです!
淹れ方はジョーカーさん譲りですか?▼
- [ディーア]
- シャロン王女、ひとつ教えておくよ…
父さんに執事の技術は叩き込まれたけど
珈琲を淹れる腕前は俺が上だよ、確実に…▼
- [シャロン]
- 覚えておきます、ディーアさん!
ところで、オフェリアさんの
装束と魔道書も気になりますね。▼
お父さまのオーディンさん風に言うと
「秘められし力を感じる…」
ってやつでしょうか?▼
- [オフェリア]
- ………………▼
- [シャロン]
- あ、あれ? オフェリアさん?
ごめんなさい。わたし一人で
しゃべり過ぎちゃいましたよね?▼
- [オフェリア]
- わかった。
わかりすぎてしまった…
今、私は完全に理解したわ。▼
なぜ私の手に強大な力を秘めし
魔道書が握られていたのか…。▼
なぜ終わらぬ戦乱の歴史を紡ぎ続ける
アスク王国に降臨したのかを!▼
- [キサラギ]
- えーっとマトイ。
オフェリアはどうしちゃったの?▼
- [マトイ]
- なにを言っているのかわからない…
ということだけはわかるわ。▼
- [ディーア]
- アスク王国に来るときに
頭でもぶつけたんじゃね…?▼
- [オフェリア]
- シャロン王女の話を聞いて
私は確信したわ…▼
英雄たちと仲良しごっこをしている
ヴァイス・ブレイヴに世界は救えない!▼
- [シャロン]
- え? え? オフェリアさん
それはどういう意味でしょうか?▼
- [オフェリア]
- 言葉のとおりよ。
開かれし王国の王女…。▼
迫りくる存亡の危機を目の前にして
やれ祭りだ、海だ、山だ、行楽だの…
そのような行事にかまけている場合?▼
- [シャロン]
- たしかにお祭りは多いかもしれませんけど
海とか山とか行楽の話までは…▼
いえ、みんな必死に頑張っていますよ!▼
- [オフェリア]
- 口ではなんとでも言えるわ。▼
だが、時は待ってくれない。
このままでは滅びのあぎとが
無慈悲にアスク王国を飲み込むわ。▼
- [キサラギ]
- それをなんとかするために
僕たちが呼ばれたんじゃないの?▼
- [オフェリア]
- たしかに私たちの使命は
この世界を救済すること…。▼
だが、惰弱なヴァイス・ブレイヴには
それは叶わぬ夢!▼
- [マトイ]
- ……▼
- [オフェリア]
- 私はここに宣言するわ。
もうこの世界に
ヴァイス・ブレイヴは必要ない!▼
この世界は宵闇のオフェリア…
いいえ、新たなる力を得た
超新星のオフェリアが導くのだから!▼
- [キサラギ]
- もうこの世界に
ヴァイス・ブレイヴは必要ない!
超新星のオフェリアが導くのだから!▼
えーっと、オフェリアの身振りは
左手がこうで右手はこうだったっけ…▼
- [ディーア]
- いちいちポーズまで
再現しなくてもいいだろ…▼
- [マトイ]
- オフェリアが姿を消してもう1週間…
いったいどこにいったのかしら。▼
- [キサラギ]
- ヴァイス・ブレイヴの人たち…
僕は頑張ってると思うんだけどなあ。▼
- [ディーア]
- 俺たちにそう見えても
オフェリアには不満があるんじゃね…?▼
- [マトイ]
- だからと言ってオフェリアを
放っておくことはできないわよ。▼
- [ディーア]
- ……▼
- [マトイ]
- ねえ、ディーア。
今、目をそらしたでしょう?▼
- [ディーア]
- 別に…▼
- [キサラギ]
- オフェリアのこと、なにか知ってるの?▼
- [ディーア]
- 城の門番に聞いたんだよ。▼
北の山を超えたあたり…
そこらへんを根城にする盗賊たちが
助けを求めて次々と投降しているって…▼
- [マトイ]
- 助けを求めて?▼
- [ディーア]
- なんでも派手な魔道を使うやつが
片っ端から盗賊を成敗してるって…▼
- [キサラギ]
- それ絶対、オフェリアだよ!
どうして黙っていたの!▼
- [ディーア]
- 言えば面倒になるだろ…▼
- [マトイ]
- だけどディーアは
一人で調べてくれていたのよね?
オフェリアの動向を。▼
- [ディーア]
- たまたま聞いただけだ。
言っただろ。面倒はごめんだって。▼
- [キサラギ]
- とにかく行ってみようよ!
オフェリアを探しに。▼
(暗転)
- [オフェリア]
- 味わいなさい、この禁忌の力。
必殺! ブリリアント・ノヴァ!▼
堕落せし者たちよ、命までは取らないわ。
これに懲りたら真っ当に生きることね!▼
フフッ、この力も馴染んできたわ。
やはり私は星に選ばれた運命の戦士。
特別な宿命を背負う者なのね!▼
うふっ、うふふふっ! 慣れてきたら
もっとキラっとしてドカーンって感じに
大活躍できるかも!▼
- [キサラギ]
- あっ! いた!
やっぱりオフェリアだ!▼
- [オフェリア]
- キサラギ!? マトイたちまで。▼
こほんっ、どうしたの?
そんなに血相を変えて。▼
- [マトイ]
- どうしたもこうしたもないわよ。
あなたを探していたのよ。
1週間もなにをしていたの?▼
- [オフェリア]
- 知れたこと。魔道書の力を
完全に自分のものにするために
修行を重ねていたのよ。▼
- [ディーア]
- 盗賊退治も兼ねてってことか…▼
- [キサラギ]
- ねえ、オフェリア。
城に戻って一緒に戦おうよ。
僕はそれが一番だと思うけど。▼
- [オフェリア]
- 残念だけど答えは…否よ。
なぜなら世界を導く存在は
ひとつでいいから。▼
- [マトイ]
- それならなおのこと
ヴァイス・ブレイヴと力を合わせて…▼
- [オフェリア]
- 勘違いしないでもらえるかしら。
惰弱なヴァイス・ブレイヴに
世界は任せておけない。▼
ならば、やるべきことはひとつ…
ヴァイス・ブレイヴを壊滅させる!
この私が世界の導き手となるの。▼
- [キサラギ]
- え、ええーっ!?▼
- [オフェリア]
- 時を同じくして導かれた
宿命の星の下に集う者たちよ…
私に力を貸しなさい!▼
- [キサラギ]
- ヴァイス・ブレイヴを壊滅させるって
なんてこと言うの、オフェリア!▼
いくら一緒に召喚された仲だって
そんなことに手は貸せないよ!▼
- [ディーア]
- ……。▼
- [キサラギ]
- ディーアも黙ってないで
なにか言ってよ!▼
- [ディーア]
- いいぜ…。手を貸しても…▼
- [キサラギ]
- うんうんそうだね。
…って、ええーっ!?
ディーアまでどうしちゃったの?▼
- [ディーア]
- 父さんたちに任せてたんじゃ
いつまでたっても埒が明かない…▼
決めてやろうじゃん。
俺たちの手で世界の命運をさ…▼
- [マトイ]
- ヴァイス・ブレイヴと戦う。
それは父さんたちと戦うと言うこと…▼
あたしの力がどこまで通用するか
試してみたい気持ちは確かにあるわ。▼
- [キサラギ]
- マトイまで、なにを言い出すの!?▼
- [オフェリア]
- フフッ、さすがは
宿命の星の下に集う選ばれし輝きたち。
道理を理解しているようね。▼
よし、我々は
ヴァイス・ブレイヴの拠点を強襲する!▼
裁きの時は来た。
皆、私に続くがいいわ!▼
- [キサラギ]
- ちょ、ちょっとオフェリア!▼
- [ディーア]
- キサラギ、耳を貸せ…。
いいからマトイもだ…▼
- [キサラギ]
- え? うん…▼
- [ディーア]
- オフェリアはおそらく
妙な力を得て舞い上がってるだけだ…。
自分に酔っているみたいな…▼
- [キサラギ]
- そ、そうなの?
言われてみればそんな感じかも。▼
- [ディーア]
- 話を合わせて満足させれば
そのうち正気に戻るだろう…▼
- [キサラギ]
- 話を合わせる…。
だから味方のフリをしたんだね!▼
- [マトイ]
- え? ヴァイス・ブレイヴと
本当に戦うつもりじゃなかったの?▼
- [ディーア]
- 真顔で言われても困るんだけど…▼
- [マトイ]
- ……▼
- [オフェリア]
- 早く行くわよ。
荒野を走る疾風の如く!▼
- [キサラギ]
- だ、大丈夫かな。
まさか本当にヴァイス・ブレイヴを
攻撃しちゃったりして…▼
- [ディーア]
- 心配すんな…
まあ、なんとかなるんじゃね…?▼
- [オフェリア]
- 待ってなさい、ヴァイス・ブレイヴ。
アスク王国の歴史は
超新星の輝きで大きく動くのよ!▼
- [オフェリア]
- ヴァイス・ブレイヴの主力は
訓練場に集まっているようね。
この機を逃さないわ!▼
宵闇のオフェリア改め…
超新星のオフェリアとその仲間たち。
ここに参上!▼
- [シャロン]
- オフェリアさん!
帰ってきてくれたんですね。▼
- [アルフォンス]
- しばらく姿を見なかったから
心配していたんだ。無事ならよかった。▼
- [オフェリア]
- ……。▼
- [アンナ]
- 帰ってきて早々に訓練場に
顔を出すとはいい心がけじゃない。▼
- [オフェリア]
- フッ、なにか勘違いしているようね。
あなたたちと足並みを揃えるつもりはない。▼
これより私はヴァイス・ブレイヴを
壊滅させるのだから!▼
- [シャロン]
- えーっ!?
じょ、冗談ですよねっ?▼
- [オフェリア]
- 冗談かどうかは己の魂に聞くがいい。
死にたくなければ運命に抗ってみせなさい!▼
はぁぁぁ…っ!
必殺! ブリリアント・ノヴァ!▼
- [アルフォンス]
- オフェリア、これはいったい?
どうして僕たちを攻撃するんだ!▼
- [オフェリア]
- 問答無用!
手加減は一切しないわよ!▼
- [キサラギ]
- わ、わわわっ!
本当に始めちゃった…▼
- [マトイ]
- ど、どうするの!?
このまま本当に父さんたちと
戦うことになったら…▼
ディーアの姿が見えないけど
大変なときにどこにいったのよ!▼
- [キサラギ]
- 用事があるってどこかに…▼
- [アンナ]
- うわっ! ちょっとやめなさい!
オフェリア! 私たちは味方でしょ!?▼
- [オフェリア]
- 馴れ合うつもりはない!
マトイとキサラギも本気でかかりなさい!▼
- [キサラギ]
- ど、どど、どうしよう!▼
- [マトイ]
- くっ、ここは全力で
オフェリアを止めるべきか!▼
- [オフェリア]
- ククク…いいわよ、力を感じる!
超新星の波動が身体を駆け巡って
今の私なら城ごと吹き飛ばせるわ!▼
ステラ・ノヴァ・グローリアスの輝きよ
今ここに集え…。▼
- [アルフォンス]
- 空気が震えている!?
こ、これは…。▼
- [アンナ]
- ダメよ! その一撃を放っては!▼
- [オフェリア]
- もう遅い! 食らいなさい!
はぁぁぁぁーっ!▼
- [オーディン]
- オフェリア! いい加減にしないか!▼
- [オフェリア]
- ……!?
父さん、どうしてここに!▼
って、わ、わわっ!
集めた魔力が行き場を失って…
きゃぁぁぁぁーっ!▼
- [アンナ]
- じ、自爆した!?▼
- [キサラギ]
- オフェリア! だ、大丈夫!?▼
- [マトイ]
- しっかりして!
今すぐ手当てを…▼
- [ディーア]
- 手当てなら俺の杖を使う…
大丈夫じゃね? これくらいの傷なら…▼
- [キサラギ]
- ディーア! どこに行ってたの?▼
- [ディーア]
- 呼びに行ったんだよ…
オフェリアの父さんを…▼
- [オーディン]
- オフェリア!
ヴァイス・ブレイヴを滅ぼすなど、
なぜそんなことを!▼
- [オフェリア]
- 父さん…。▼
私はヴァイス・ブレイヴの
壁に…なりたかったの。
彼らの前に立ちはだかる強大な壁に。▼
そして、困難を乗り越えた
ヴァイス・ブレイヴはより強固な存在に
なるはず…なの…くぅっ!▼
- [キサラギ]
- オフェリア!
それが本心だったの!?▼
- [マトイ]
- でも、どうしてあなたが
自分を犠牲にしてそんな役目を?▼
- [オフェリア]
- こういうダークな…役回り…
一度やって…みたかったの…▼
現実じゃ無理だけど
夢の世界ならできると思って…▼
- [オーディン]
- ここは夢の世界じゃなくて異界だ。
つまり、現実だぞ?▼
- [オフェリア]
- え?▼
- [オーディン]
- 現実。リアルワールドだ、娘よ。▼
- [オフェリア]
- えええーっ!?
ここって夢の世界じゃないの!?▼
- [シャロン]
- えーと、アスク王国の近くには
本物の夢の国もあるんですけど…▼
- [アンナ]
- この世界は間違いなく現実よ。
物語でも夢の中でもなく、ね。▼
- [オフェリア]
- あわ、あわわわ…
ど、どうりで長い夢だと思ったら
ま、まま、まさか…▼
- [ディーア]
- 正真正銘、現実らしいぞ…▼
- [オフェリア]
- ど、どど、どどど、どうしよう!
私、ヴァイス・ブレイヴを
壊滅させるとか言っちゃって!▼
- [マトイ]
- 超新星の輝きで
歴史が動くとも言っていたわね。▼
- [キサラギ]
- 城ごと吹き飛ばすって言っていたよ。▼
- [オフェリア]
- ひぃっ!?▼
- [オーディン]
- 我が娘ながらなんと闇が深い…▼
- [オフェリア]
- と、取り返しのつかないことを…
このまま死なせてぇぇぇっ!▼
- [ディーア]
- そうはいくか。バッチリ治してやる…
キリキリ働いてもらうぞ、超新星…▼
- [オフェリア]
- 調子にのってごめんなさい!
ご迷惑をおかけしたぶん
真面目に頑張りますから!▼
伝説になるどころか
シュンとしてガクーンな感じになるなんて
とほほ…!▼
選ばれし星の乙女 オフェリア†
- [オフェリア]
- ここがアスク王国…。▼
さすがさまざまな異界が交わる
開かれし王国ね。
感じるわ、眠りし神器の存在を!▼
あら、お店があるわ。
どれどれ…▼
わっ! あの石、とっても不思議!
わわっ! あの織物、すっごいきれい!
どっちも絶対に映えそう!▼
はっ!? つい宵闇の加護が外れて
秘匿すべき魂が漏れ出てしまった…。▼
誰が見ているかわからないから
気を抜いてはダメよ、オフェリア。
って、ん? 子供が泣いてる…▼
迷子かな?
それとも転んで泣いただけかな?▼
ともあれ放っとけないわね。
ちょっとあなた…。▼
- [リズ]
- 大丈夫?
大ケガなら杖で治してあげるけど
こんなのツバつけとけば治るよ!▼
そんな痛み、しゃきーんとすれば
どこかにぴゅーん! だよ!▼
- [オフェリア]
- ……!?▼
- [リズ]
- いい子いい子。
ちゃんと前を見て走るんだよ。▼
- [オフェリア]
- しゃきーんとすればどこかにぴゅーん…。
こ、このワードセンス!▼
- [リズ]
- じゃあね。ケガしたところは
お水で洗っとくといいよ!▼
- [オフェリア]
- ちょっと待って!
あなたの名前を…。▼
うう、人が多くて通れな…いっ!
あれ? 見失っちゃった…。▼
あの女の子は何者なんだろう。
アスク王国の民にしては
変わった雰囲気の子だったけど…▼
- [オフェリア]
- しゃきーんとすればどこかにぴゅーん。
あの卓越したワードセンス…
間違いなく我が一族の血を感じる。▼
でも、どうして?
アスクの民と我が一族になにか関係が…。▼
- [リズ]
- よーし、カエルも捕まえたし
誰にイタズラしようかな〜。▼
- [オフェリア]
- あーっ! あなたはっ!▼
- [リズ]
- うひゃっ!? な、なに!
イタズラしようとしてたのバレた?▼
- [オフェリア]
- ヴァイス・ブレイヴの一員だったのね。
アスクの民っぽくないとは思ったけれど…▼
- [リズ]
- えーと、あなたは?
わたしはイーリス聖王国のリズだよ。▼
- [オフェリア]
- じゃあ私も名乗らせてもらうわ。
幾星霜の時を超えて
連綿と受け継がれてきた奇跡の血統…▼
ロイヤルブラッドとも称されるその血は
星々の祝福を受け、なお煌めきを増し…▼
- [リズ]
- 長くなりそうなら
名前聞くの今度でいい?▼
- [オフェリア]
- オ、オフェリアです!
暗夜王国から来ました!▼
- [リズ]
- よろしくね、オフェリア。▼
- [オフェリア]
- 城下町で転んだ子どもを助けた
あなたを見て…▼
- [リズ]
- この間の…あなたもいたんだ?
あの子、泣いてたけど
大したケガじゃなくてよかったね。▼
- [オフェリア]
- この魔眼が一部始終を見届けたわ。
てっきりアスクの民かと思ったら
ヴァイス・ブレイヴだったのね。▼
む…よく見ると、リズのオーラは
なんだかぴかーっとして
きゅっと凝縮されているような…▼
ぴかーっとしてきゅっ?
なんだかわかる気がする!▼
- [オフェリア]
- 私の魂の言葉に反応するとは
あなたは間違いなく
我が一族の血を汲む者!▼
私の奥底でざわめく狂気の深淵、
マッド・アビスが同胞との邂逅に
ざわめいているわ!▼
- [リズ]
- マ、マッド? ど、同胞?
言われてみれば、わたしたち
髪の毛の感じとか似てるかも?▼
- [オフェリア]
- あなたが我が一族の血統なら
星に選ばれし証があるはず!▼
身体のどこかに聖なる文様…
ロイヤルブラッディ・マークはない?▼
- [リズ]
- うーん、わたしにはその
ロイヤルなんとかマークはないかなあ▼
だって、わたしのいたイーリス聖王国と
オフェリアのいた世界は違うんでしょ?▼
- [オフェリア]
- そ、そうね。言われてみれば…。▼
でも、あなたとは不思議な運命を感じる。
これからも絆を紡ぎましょう。
よろしくね。▼
- [リズ]
- こっちこそよろしくー!
それじゃあ、お近づきの印に
さっき捕まえたカエルをあげる。▼
- [オフェリア]
- えっ…
きゃああああぁぁーっ!!▼
(暗転)
- [リズ]
- お兄ちゃん!
今日、面白い子に会ったよー!▼
- [クロム]
- ほう、どんな子だ?▼
- [リズ]
- 変わった話し方をするんだけど
髪の毛の感じとか、わたしに似てるんだー。▼
- [クロム]
- リズに似ている…
その子はイーリス聖王国から来た
新しい英雄なのか?▼
- [リズ]
- ううん、暗夜王国って言ってたよ。
身体のどこかにロイヤルなんとか…
聖なる文様がないかって聞かれたよ。▼
- [クロム]
- 聖なる文様…
それは俺や姉さんにある聖痕?▼
いや、暗夜王国の者なら
イーリス王家とは関係ないか…。▼
- [リズ]
- オフェリアって言うの、その子!
どんなマークか気になるから
今度見せてもらおうかな!▼
- [オフェリア]
- 父さん、ここにいたのね。▼
- [オーディン]
- オフェリアか。
お前が召喚されたときに
携えてきた力について調べていたんだ。▼
- [オフェリア]
- 携えてきた力…
この魔道書のこと?▼
- [オーディン]
- どうやら、その魔道書は
暗夜竜に由来するようだが…▼
なぜお前がその力を携えて
この世界に召喚されてきたのか
それがわからなくてな。▼
- [オフェリア]
- 星に選ばれた存在だから…で
説明がつかない?▼
- [オーディン]
- そんな羨ましい設定、父さんが許さない!
…いや、悪い影響が出ないか心配なんだ。▼
- [オフェリア]
- 大丈夫よ。私はこの力を使いこなし
アスク王国の役に立ってみせるわ。▼
…ところでね。
今日変わった英雄に出会ったの。▼
- [オーディン]
- 変わった英雄…
お前がそう評するくらいだから
よっぽどの変わり者なんだろうな?▼
- [オフェリア]
- ワードセンスがすっごく似ていて
我が一族の血統かと思ったの!▼
名前はえーと
リズとか言ったかしら?▼
- [オーディン]
- は、話したのか?
その…母さ…いや、リズという娘と。▼
- [オフェリア]
- とっても優しい子だったわ。
髪の毛の感じもちょっと似てたし!▼
- [オーディン]
- ……。
オフェリア、今はとある事情で
お前に真実を話すことはできない。▼
しかし、いつかちゃんと話すからな。
それまで待っていてくれ。▼
- [オフェリア]
- それって、なにかの封印が
解かれる日が来るってことよね?
フフッ、それなら私も待つとするわ。▼
己の内よりあふれ出るオーラを
ぴかーっとしてしゃきーんと
輝かせながら…▼
無気力な杖使い ディーア†
- [ジョーカー]
- 失礼します、シャロン王女。▼
- [シャロン]
- ジョーカーさん、こんにちは!▼
- [ジョーカー]
- 先日、私の息子がアスク王国に
召喚されたと聞いたのですが…。▼
- [シャロン]
- ディーアさんですね?▼
今日はマトイさんやキサラギさんと
訓練に行くって仰ってたのに
姿を見ませんねー。▼
- [ジョーカー]
- ……。
ディーアめ、またどこか
ほっつき歩いているのではあるまいな?▼
(暗転)
- [ディーア]
- はぁ、訓練なんて疲れるだけじゃん…。
珈琲でも飲んで平和にいこうぜ…▼
- [フィヨルム]
- おや、ディーアさん。
これから訓練ですか?▼
- [ディーア]
- フィヨルム王女…。▼
訓練っていうかサボれる…
いや、精神統一できるような
静かな場所を探してたんだ…▼
- [フィヨルム]
- 強くなるためには
心を鍛えることも必要ですものね!▼
そういうことでしたら
西の森がおすすめですよ。▼
そこはとても静かなところで
たくさんの動物たちがいるんです。▼
私もときどき動物たちと戯れて
癒してもらっているんですよ!▼
- [ディーア]
- 動物はいなくてもいいんだけど…。
まあ、静かでひと気がないっていうなら
サボれ…精神統一できるじゃん…。▼
いい場所を教えてくれて助かったよ…
ありがとう、フィヨルム王女。▼
- [フィヨルム]
- お力になれて幸いです。
心の鍛錬、頑張ってくださいね!▼
- [ディーア]
- ……。
ああも素直に応援されると
ちょっとだけ罪悪感あるじゃん…▼
- [ディーア]
- ここが西の森…。
フィヨルム王女の言うとおり
静かでいい場所じゃん…▼
ん? なんかサボってくれと
言わんばかりの小屋があるな…
失礼しますよっと…。▼
- [パイソン]
- なんだ? フォルスか?▼
- [ディーア]
- 先客がいたのか…。▼
- [パイソン]
- 誰あんた。見ない顔だな。▼
- [ディーア]
- アスク王国に召喚されたばかりだし
見ない顔なのは当然じゃん…。
俺はディーア。一応よろしく…。▼
- [パイソン]
- パイソンだ。
名前は覚えても忘れてくれても
どっちでもいいぜ。▼
- [ディーア]
- ところで、ここでなにを…
いや聞くだけ野暮ってやつか…。▼
- [パイソン]
- 見てのとおり、俺の武器は弓だ。▼
弓ってのはツルを張り続けると
すぐダメになっちまう…。
適度に緩めることが大切なのよ。▼
- [ディーア]
- で、今のあんたは
次の戦いに備えて緩んだ状態だと…?▼
- [パイソン]
- そういうこと。▼
- [ディーア]
- いや、いい感じのたとえ話を
出されたけどさ…。
要するにサボりじゃん…。▼
別に俺はサボってるあんたを
責めるつもりはないんだけど…。▼
- [パイソン]
- ははっ、ヴァイス・ブレイヴが
あんたみたいな連中ばかりなら
楽でいいのになあ。▼
んじゃ、俺は寝直すから。▼
- [ディーア]
- どうぞご自由に…▼
- [パイソン]
- そうそう…フォルスっていう
カタッ苦しい騎士が俺を捜してたら
知らないふりしといて。▼
- [ディーア]
- ……▼
- [ルピナス]
- むにゃ…くーくー。
くーくー…▼
- [ディーア]
- ……▼
背中に羽…妖精か…?
アスク王国は人間以外にも
いろんな種族がいるんだな…。▼
- [ルピナス]
- むにゃ…アスク王国を守るため…
ヴァイス・ブレイヴは…負けませんよぉ…
たぶん…ぐぅ…▼
- [ディーア]
- ヴァイス・ブレイヴの一員なのか…?
起こすと面倒になりそうじゃん…。
別の場所を探すとするか…。▼
(暗転)
- [ディーア]
- ずいぶんとデカい木だな…。
登ってみるとするか。よっと…▼
うわっ…! ここにも
寝ているやつがいるじゃねえか…!
- [ハール]
- なんだ? 騒がしいな…▼
- [ディーア]
- 悪かったな…。起こしてしまって。
先客がいるとは思わなくてさ…。▼
- [ハール]
- 先客ってことは、おまえも
昼寝する場所を探してたってことか。▼
- [ディーア]
- それにしても、すげえ器用じゃん…。
木の上で熟睡できるなんてさ…。▼
- [ハール]
- 木の上だろうと飛竜の上だろうと
俺はどこでも眠れるんだ。▼
- [ディーア]
- その出で立ち…、あんたも
ヴァイス・ブレイヴの一員か…?▼
- [ハール]
- 食っていくために傭兵の真似事や
運び屋みたいなこともやっているが
どうやら一員ってことらしい。▼
まあ、仕事がないときは
こうして好きに寝ているってわけだ。▼
- [ディーア]
- ずいぶんと規律が緩いみたいだけど…
大丈夫なのか、ヴァイス・ブレイヴは…▼
- [ハール]
- さあな。俺みたいなやつを
遊ばせとく余裕ぐらいはあるんだろ?▼
- [ディーア]
- ……。▼
- [ハール]
- そうそう…髪の毛を後ろで結んだ
赤い鎧の女竜騎士が俺を探してたら…。▼
- [ディーア]
- 知らないふりをしろって言うんだろ…?
はいはい、わかったよ…。▼
俺一人ぐらいサボっても…と思いきや
どいつもこいつもサボってばかりじゃん…
アスク王国、大丈夫なのか…?▼
- [ジョーカー]
- ディーア、探したぞ!
訓練もせずどこに行っていた?▼
- [ディーア]
- 訓練ならこれからやるよ…。
言われなくてもさ…。▼
- [ジョーカー]
- ほう、自分からやる気を見せるとは。
面倒臭がりのお前もようやく
英雄の自覚に芽生えたか。▼
- [ディーア]
- ……。▼
なあ、父さん…。
ヴァイス・ブレイヴって
その…大丈夫、なのか…?▼
- [ジョーカー]
- 意図を計りかねる質問だな。▼
お前が危惧しているのは
ヴァイス・ブレイヴの戦力か?
それとも組織のあり方か?▼
- [ディーア]
- ……。▼
- [ジョーカー]
- 大丈夫だ。心配はいらない。
戦力はもちろん
組織としても信用するに値する。▼
さまざまな異界を代表する英雄が集い
カムイ様も力を貸されている。
それがなによりの答えだろう?▼
- [ディーア]
- ま、俺は楽できればそれでいいんだけど…
なんかそうもいかないっぽいんだよな…。▼
- [シャロン]
- ディーアさん!
今日は訓練に参加されるのですね!▼
- [ディーア]
- まあ一応…▼
- [シャロン]
- 訓練が終わったら
また珈琲をお願いできませんか?▼
先日、振る舞っていただいた一杯
とっても美味しかったです!▼
- [ジョーカー]
- む…
シャロン王女、私ならもっと
美味しい珈琲をお出しできますよ?▼
次の機会ではぜひお申し付けください。
ディーアではなく、このジョーカーに!▼
- [ディーア]
- 父さん、アスク王国でも
俺と張り合うつもりかよ…▼
はぁ、また面倒臭いところに来たな…
楽させてくれそうにないじゃん。
このアスク王国ってところは…▼
前向きな弓使い キサラギ†
- [キサラギ]
- へー。それじゃキヌは
だいぶ前にアスク王国に来てたんだ!▼
- [キヌ]
- うん! アタシは父さんやベロアたちと
アスク王国に召喚されたんだ。▼
- [キサラギ]
- じゃあ、ここではキヌが先輩だね。
僕は右も左もわからないから
いろいろと教えてほしいな!▼
- [キヌ]
- 任せて! アタシが教えてあげる!
城の近くのとっておきの狩り場とか!▼
- [キサラギ]
- お城の近くに狩り場があるの?
今度行ってみたいな。▼
- [キヌ]
- いいよ! 案内してあげる!
キサラギと狩りするのアタシも楽しみ!▼
(暗転)
- [キヌ]
- とうちゃーく!
ここがオススメの狩り場だよ!▼
- [キサラギ]
- へー、緑が深い場所だね。
果実がなっているのも見えるし
獲物の気配もたくさん感じるよ!▼
- [キヌ]
- なんだか秘境を思い出すんだよねー。
アスク王国の狩り場って。▼
- [キサラギ]
- じゃあ、久しぶりに競争する?
どちらが先に獲物を仕留められるか。▼
- [キヌ]
- いいよー! やろうやろう!
ここではアタシが先輩だけど
手は抜かないからねー!▼
- [キサラギ]
- いつでもはじめられるよ。▼
それじゃあ位置について…。▼
- [キヌ]
- キサラギ、ちょっと待って!
向こうの木の陰になにかいるよ!▼
- [キサラギ]
- 本当だ。誰か人がいるみたいだね。▼
- [キヌ]
- この匂いは…
アタシの知ってる人だー!▼
- [キサラギ]
- ちょっと、キヌ!
いきなり走ると危ないよ!▼
- [キヌ]
- やっほー! こんにちは!▼
- [ネイミー]
- ひゃぁぁぁっ! だ、誰っ!?▼
- [キヌ]
- やっぱりネイミーだった!
キヌだよー!▼
- [ネイミー]
- び、びっくりした…。
怖い獣が出たのかと…ぐすっ。▼
- [キサラギ]
- ご、ごめんなさい!
脅かすつもりはなかったんです!▼
- [キサラギ]
- はじめまして!
僕は白夜王国のキサラギです。▼
- [ネイミー]
- は、はじめまして、ネイミーです。
こめんなさい。
さっきは悲鳴を上げちゃって。▼
- [キヌ]
- ネイミーも狩りをするんだよ!
ときどき一緒に狩りしてるんだー。▼
- [キサラギ]
- じゃあ、僕たちはみんな
狩り仲間ってやつだね。▼
- [ネイミー]
- わ、私は狩りの腕前なんかまだまだで
いつもキヌに助けてもらってて…ぐすっ…。▼
- [キヌ]
- 大丈夫だよ! ネイミー、頑張ってるもん!
弓の腕前だってぐんぐん上達してるし!▼
- [キサラギ]
- ネイミーも弓を使うんだね。
同じ弓使い同士、よろしくね!▼
- [ネイミー]
- こ、こちらこそ
よろしくお願いします。▼
- [キサラギ]
- ところで手持ちの矢が少ないみたいだけど
もう帰るところだった?▼
- [ネイミー]
- え、ええと、私は狩りに行くとき
あまり矢を持っていかないから…。▼
- [キヌ]
- ネイミーのおじいちゃん、すごいんだよ!
狩りにはいつも矢を一本しか
持っていかないんだって!▼
- [キサラギ]
- 一本だけ?
外したらどうするの?▼
- [ネイミー]
- 外さなかったみたいです。
一本で必ず獲物を仕留めていた、と。▼
- [キサラギ]
- それはすごいね。
集中するためにあえて一本しか
持っていかなかったのかな?▼
- [ネイミー]
- はい。おじいちゃんは
【一本矢のゼルヅァ】という
二つ名で呼ばれていたそうです。▼
- [キサラギ]
- ネイミーにはそんなすごい
おじいちゃんがいたんだね!▼
- [ネイミー]
- 私もヴァイス・ブレイヴの力になりたくて
こうして弓を練習しているんですけど…。▼
さすがに一本だけじゃ難しいから
少しずつ矢の数を減らして
狩りをしているの。▼
- [キサラギ]
- 手持ちの矢が少ないのは
そういう理由があったんだね。▼
いろいろな狩りのやり方があるんだ。
勉強になるなあ…。▼
- [キサラギ]
- ロナン、あの大きな木の陰!
さっきのイノシシがいるよ!▼
- [ロナン]
- ここからじゃ距離があるな。
もう少し近寄ってみよう。
ここからなら…せいっ!▼
- [キサラギ]
- やった! 命中した!
大物を仕留めたよ!▼
(暗転)
- [ロナン]
- すごいよ、キサラギ。
あんなに離れている場所から
獲物を見つけるなんて。▼
- [キサラギ]
- えへへ。目には自信があるんだ。▼
ロナンだってすごいよ!
草むらから獣道を見つけて
着実に獲物を追い詰めるんだもん。▼
- [ロナン]
- 小さい頃から猟師として
野山を駆けた経験があるだけだよ。
じゃあ、今日はここらで引き上げようか。▼
- [キサラギ]
- え? まだ時間もあるし
矢や罠も余っているよ?▼
- [ロナン]
- みんなで食べるぶんは獲れたからね。
生き物を必要以上に殺めるのは
よくないと思うんだ。▼
- [キサラギ]
- そっか。これだけ大きな獲物なら
しばらく食べるのには困らないよね。▼
- [ロナン]
- うん。僕たちは生き物の
命をもらうことで生きている。▼
だけど、生きるために必要な数だけ
もらえばいいんだ。▼
- [キサラギ]
- 生きるために必要な数だけ…。▼
- [ロナン]
- 僕たちは自然とともに生き
自然に生かされているんだ。
その感謝を忘れないようにしないとね。▼
- [キサラギ]
- ロナンの言うとおりだよ!
キヌに友だちを紹介してもらってよかった。
えへへっ、学ぶことがいっぱいだ!▼
- [キサラギ]
- キヌ、そっちにいったよ!▼
- [キヌ]
- やっちゃうよー! たぁぁっ!▼
- [キサラギ]
- よしっ、仕留めた!
やったねキヌ。ケガはない?▼
- [キヌ]
- 大丈夫だよ、ふふっ!
キサラギとする狩りは楽しいなー!▼
- [キサラギ]
- キヌは白夜王国にいた頃より
狩りが上手になったね!▼
- [キヌ]
- キサラギも上手になっているよ!
獲物を見つけるのも早くなってるし。▼
- [キサラギ]
- ネイミーやロナンに教えてもらった
知識が役に立ってるんじゃないかな。
じゃあ、今日がもう引き上げようか。▼
- [キヌ]
- 生きるために必要な獲物は獲れたしねー。▼
- [キサラギ]
- ……。▼
- [キヌ]
- どうしたの、キサラギ。
なんか気になることでもあるの?▼
- [キサラギ]
- アスク王国っていいところだね。
緑も豊かだし、動物もたくさんいて
みんな自然に感謝して暮らしている。▼
- [キヌ]
- うん、アタシもアスク王国が大好きだよ。
妖狐でも怖がらずに遊んでくれるもん。▼
- [キサラギ]
- 僕はこの素晴らしい国が
戦いで失われるのイヤだな。▼
だから父上たちと一緒に
この国を守らなきゃって思うんだ。▼
- [キヌ]
- うん! アタシも頑張る!
みんなと力を合わせて!▼
- [キサラギ]
- よーし、もっともっと修行するぞー!▼
- [キヌ]
- じゃあ、どっちが先に強くなれるか
アタシと競争だー!▼
- [キサラギ]
- うん。父上のように風神弓を使いこなして
皆を守れる英雄になってみせるよ。
絶対にねっ!▼
完璧を追う翼 マトイ†
- [マトイ]
- はっ! せいっ!
はぁぁぁっ!▼
ダメだ。足りないわ…
こんなことじゃ、完璧な父さんに
追いつくことなんて夢のまた夢。▼
ただでさえヴァイス・ブレイヴは
異界の英雄たちが集う特務機関。▼
ひよっこのあたしが力になるには
修行を重ねるしかない!
せいっ! やぁっ!▼
- [ティアモ]
- あの、少しいいかしら?▼
- [マトイ]
- はい、なんでしょうか?
って、ええっ!?▼
- [ティアモ]
- 驚いた…。本当に似ているわね。
あたしはイーリス聖王国の
天馬騎士団に所属しているティアモよ。▼
- [マトイ]
- はじめまして。
白夜王国のマトイと申します。▼
- [ティアモ]
- ヴァイス・ブレイヴで噂になってたの。
あたしにそっくりな子が召喚されたって。▼
異界のあたしかと思ったら
まったくの別人だって言うから
気になっていたのよ。▼
- [マトイ]
- あ、あたしも驚いています。
かおだけでなく…その…
体型まで似ているというか。▼
- [ティアモ]
- 訓練中だったかしらね。
悪いわね、邪魔をしちゃって。▼
- [マトイ]
- いえ、お気になさらず。
ヴァイス・ブレイヴの力になるため
修練を重ねる身ですから。▼
- [ティアモ]
- あら。それならあたしに
手伝いをさせてもらえないかしら。▼
- [マトイ]
- え? よろしいのですか?▼
- [ティアモ]
- これもなにかの縁。
修行ぐらいならつけられるわよ。▼
- [マトイ]
- あたしには完璧な父さんに
追いつくという目標があります…。▼
そのための努力はいとわぬつもりです。
ご指導よろしくお願いします!▼
- [ティアモ]
- 今日の訓練は
これくらいにしましょうか。▼
- [マトイ]
- ありがとうございました…。
ううん。ありがとうティアモ。▼
- [ティアモ]
- そうそう、それでいいの。
アスク王国じゃ先輩かもしれないけど…。▼
歳だってそう変わらないんだし
敬語で話す必要はないわよ。▼
- [マトイ]
- うん。それにしてもさすがね。
イーリス聖王国天馬騎士団はじまって
以来の天才と呼ばれるだけあって。▼
ヴァイス・ブレイヴのみんなも
ティアモの腕前を高く評価しているし。▼
- [ティアモ]
- それ、ほんとかしら?
「使っている手槍がダサい」って誰か
悪口でも言ってたんじゃないの?▼
- [マトイ]
- そういう話は聞いてないけど…
でも、天才の名に偽りなしってことは
修行をつけてもらって実感したわ。▼
- [ティアモ]
- そんなに持ち上げないでよ。
ここには強者がたくさんいるわ。▼
あなたのお父さん、
ツバキだって指折りの英雄よ。▼
- [マトイ]
- ……。
実はさっき、ティアモに
父さんの姿を重ねてしまっていたの。▼
ティアモを天才と称するなら
父さんは完璧な人。▼
父親としても天馬武者としても
すべてにおいて非の打ちどころのない
完璧な存在なの。▼
- [ティアモ]
- そ、そうなんだ。
なんでも器用にこなせるけど
マイペースな人とばかり思ってた…▼
でも、娘のあなたがそう言うなら
きっとそうなのでしょうね。▼
- [マトイ]
- 父さんに比べると
あたしはすべて中途半端。▼
槍の腕前も兵法も天馬の扱いも
遠く及ばないわ。▼
- [ティアモ]
- ……。▼
- [マトイ]
- 持って生まれた才だけでは
追いつくことは叶わない。▼
凡人のあたしが
一人前の天馬武者になるには
修練を重ねる以外、道はないのよ。▼
- [ティアモ]
- あたしにはマトイも十分
才能があるように見えるけど。
むしろ才能の塊に思えるわ。▼
- [マトイ]
- え? そうなの?▼
- [ティアモ]
- 自分に厳しすぎるというか
イメージする目標が大きすぎて
自己評価が低いだけかも。▼
- [マトイ]
- ……。▼
- [ティアモ]
- お父さんに追いつきたい…
その目標は立派だと思うわ。▼
でも才能にあふれる、あなたなら
まったく違う可能性もあると思うの。▼
- [マトイ]
- それは…どういう意味?▼
- [ティアモ]
- お父さんに追いつくのは難しいから
別の道を勧めるって話ではないのよ。▼
そうね、ヴァイス・ブレイヴには
いろいろな才能を持った
英雄がいるじゃない?▼
- [マトイ]
- それはあたしも感じたわ。
異界の広さを知ったというか…。▼
- [ティアモ]
- 幾多の戦場を潜り抜けてきた英雄たちに
見習うべきところはたくさんあるわ。▼
戦場で役に立つ技能だけじゃない。
人としてのあり方や
信念を曲げない生き方…。▼
それらを学ぶことで
あたしたちは成長できると思うの。▼
- [マトイ]
- 異界の英雄たちを見習うことが
成長のきっかけになる…そういうこと?▼
- [ティアモ]
- そうね。マトイも視野を広くして
ツバキ以外の英雄たちから
なにか吸収してみてはどうかしら。▼
きっと今まで知らなかった
戦いの技術や修行の方法を
習得できるかもしれないわ。▼
- [マトイ]
- 視野を広くする…
あたしにできるのかしら?▼
- [ティアモ]
- あなたは間違いなく努力の天才よ。
持ち上げるつもりはないけれど。▼
- [マトイ]
- できるできないを論じるぐらいなら
行動してみるのが吉か…。
ティアモの言うとおり試してみるわ。▼
- [マトイ]
- ティアモ!▼
- [ティアモ]
- マトイ、聞いたわよ。
ずいぶん活躍しているそうじゃない?▼
- [マトイ]
- まだまだ、この程度じゃ
完璧な天馬武者にはなれないわ。▼
- [ティアモ]
- あいかわらず自分に厳しいのね。
ほんと完璧主義なんだから。▼
- [マトイ]
- ティアモに言われたとおり
いろんな英雄たちと交流を深めてみたの。▼
彼らと比べて、はっきりしたのは
やっぱり自分は未熟だってこと。▼
- [ティアモ]
- ……。▼
- [マトイ]
- でも未熟ってことは、言い換えれば
伸び代があるってことなのよね。▼
自分にはまだまだ可能性があるって思えて
少し気持ちが楽になったのよ。▼
- [ティアモ]
- そう思えたならよかった。
目標はひとつでなくてもいいわ。▼
それに予想もしない才能に
目覚める可能性だってあるんだしね。▼
- [マトイ]
- でも、どうしてティアモはあたしに
ここまで親身になってくれるの?▼
ただ、見た目が似ているからって
話でもないでしょう?▼
- [ティアモ]
- ……。▼
見た目の話ではないんだけれど
マトイと似ている子が近くにいるのよ。▼
特別な才能があるのに真っ直ぐ過ぎて
ひとつのことに気を取られている子がね。
だからマトイをほっとけなかったのよ。▼
(暗転)
- [セレナ]
- くしゅん!!
また誰か、あたしのこと噂してる…。
どうせ、ひねくれ者とか言ってるんでしょ!▼
(暗転)
- [マトイ]
- 予想もしない才能に
目覚める可能性、か。▼
あたしの目標は
完璧な父さんに追いつくこと。
だけど、妥協せずに試してみるわ。▼
父さんを超えた先にいる
あたしの想像を超えた
あたしに出会えるように!▼
コメント†
Last-modified: 2023-08-17 (木) 17:11:57