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章別会話

天上に星を抱く者

天上に星を抱く者

オープニング

[タニス]
なにをへばっている!
槍を持つ手が下がっているぞ!
もっと気合いを入れろ!▼
[マーシャ]
は、はいっ!
やぁっ! はぁっ!▼
[タニス]
それが終わったら腕立てを200回だ!
ベグニオン聖天馬騎士団の
意地を見せてみろ!▼
今度は「やめます」の紙切れ一枚で
行方をくらますなど、許さんからな!▼
[マーシャ]
は、はひぃぃっ!
はぁっ、はひぃっ…!▼
[シャロン]
うわー。タニスさんの指導
すごく熱が入っていますね!▼
[ステラ]
タニス様はベグニオン騎士団でも
優れた人材が揃う聖天馬騎士団の要。▼
サナキ様をお守りするために選抜された
神使親衛隊の副長を務められるお方です。▼
[シャロン]
あっ! 知ってますよ!
シグルーンさんが隊長を務められている
親衛隊ですよね。▼
[ステラ]
ここ、アスクにおいても
厳しさを以て自らの使命を
果たそうとされているのでしょう。▼
私も見習いたいものです…▼
(暗転)
[マーシャ]
はぁ、はぁっ…
や、やっと終わりました…▼
まさか、異界に来て早々
副長と再会してしまうなんて…▼
[シャロン]
お疲れ様です、マーシャさん!▼
[マーシャ]
あ、シャロン王女にステラさん。
もしかしてさっきの訓練、見ていました?
お恥ずかしい姿を…▼
[ステラ]
ご苦労様です。さすがは噂に名高い
ベグニオン天馬騎士団の訓練…▼
強さの理由を垣間見た気がいたします。
私も身が引き締まりました。▼
[マーシャ]
そ、それなら私の代わりに
訓練に出てくれてもいいんですよ?
もう私はヘロヘロです…▼
[シャロン]
そういえば、近々
わたしたちが出撃する
賊の討伐任務があるようです。▼
頑張りましょうねっ!
マーシャさん、ステラさん!▼
[マーシャ]
は、はい、こちらこそ
よろしくお願いします…▼
今日はもう体力の限界なので
部屋に戻らせていただきますね…▼
[ステラ]
私はもう少し訓練していきます。
シャロン王女、マーシャさん
また後日…▼
(暗転)
[ステラ]
はっ! せいっ…!▼
私は騎士としては駆け出しの身、
実戦経験が心もとない分、
訓練で補わないと…▼
あら? これは…?
なにかが落ちていますね。▼
手帳のようですが
いったい誰のでしょうか?▼
(暗転)
[タニス]
……!?
な、ない!? どこにもない!
今朝も確認したはずなのに…!▼
まさか落としてしまったというのか。
あれが誰かの手に渡ってしまうと
私は……▼

C

[タニス]
失礼する…▼
[アンナ]
いらっしゃい。
イーリス聖王国アンナ商会
アスク支店へようこそ。▼
武器の用意やお仕事の斡旋
まじないの道具や変わった薬草まで
なんでも用意するわよ~。▼
[タニス]
【火消し】を頼みたい…▼
[アンナ]
……。
【火消し】ね。わかったわ。
それじゃ、明日また店に来て。▼
[タニス]
明日では遅い!
ことは一刻を争うのだ!▼
[フォルカ]
ずいぶんと余裕がない様子だな。▼
[アンナ]
うわっ!
フォルカ、いつの間に…▼
[フォルカ]
話を聞こうか。
ベグニオン帝国神使親衛隊副長殿。▼
[タニス]
……。▼
(暗転)
[フォルカ]
失せ物を探してほしい、か。▼
[タニス]
いかにも。
それが他人の手に渡る前に
迅速に回収してもらいたい。▼
[フォルカ]
確かに俺は金さえもらえれば
なんでもこなす便利屋だが…▼
得意なのは、やっかいごとを闇に葬る
【火消し】のほうでな。▼
失せ物探しなら
もっと鼻の利く連中に
頼むという手もある。▼
[タニス]
事と次第によっては
火の手があがってしまうような
やっかいな事案なのだ。▼
[フォルカ]
……▼
[タニス]
我らは、アスク王国に
来てまだ日が浅い。▼
しかし、貴殿なら1週間もあれば
この国のあらゆる情報を
探ることが可能だろう?▼
[フォルカ]
1週間?
舐められたものだな…
3日もあれば十分だ。▼
[タニス]
失礼した…。
やはり、この案件を頼めるのは
貴殿しかいないようだ。▼
伏して乞おう。
どうだ、頼めるだろうか?▼
[フォルカ]
わかった。依頼を受けよう。
代価は10万だ。▼
[タニス]
なっ…!
10万ゴールドだと!?▼
[ファリナ]
……!? 今どこからか
10万ゴールドって聞こえた!?
私の2万ゴールドより上!?▼
[アンナ]
あのね、ファリナ。
大事なお話をしているみたいだから
ちょっと静かにしててね…▼
[タニス]
……。
背に腹は変えられない。
10万ゴールド、必ず払おう。▼
失せ物はこれくらいの大きさの手帳だ。
見つけた場合、決して中身は見るな。
これも契約に含ませてもらう。▼
[フォルカ]
わかった。契約は成立だ。
それがいかに大切なものなのか
あんたの覚悟も見ることができた。▼
依頼は必ず果たす。
吉報を待っているんだな。▼

B

[マーシャ]
はぁ、はぁ…もうダメ。
実践の前に訓練で命が尽きそう…▼
[ステラ]
今日も訓練、お疲れ様です。
大丈夫ですか?
足元が覚束ないようですけれど…▼
[マーシャ]
うう、しんどいです…。
兄さんならやる前に
音をあげるかな、きっと…▼
[ステラ]
お兄さんがいらっしゃるんですね。
きっとマーシャさんに似て
頑張り屋で凛々しい方なのでしょう。▼
[マーシャ]
いやぁ、なんというか
その、説明しづらいというか…▼
[ステラ]
ああ、うっかり忘れるところでした。
先日、こちらの手帳を
拾ったのですが…▼
[マーシャ]
わあ、素敵な手帳ですね!▼
[ステラ]
タニス様とマーシャさんが
訓練されていた場所で
拾ったものなのです。▼
[マーシャ]
私には見覚えがないですね。▼
[ステラ]
では、もしかするとタニス様の?▼
[マーシャ]
タニス副長はしっかりしている方なので
ちゃんと名前を書いてそうですよね。▼
それに使うなら、もう少し
質実剛健な手帳を使ってそうな気も…▼
[ステラ]
そうですか…。▼
[マーシャ]
それより、明日はいよいよ出撃です。
賊の討伐といえども立派な実践。
頑張りましょう!▼
[ステラ]
はい。足を引っ張らぬように
力添えをさせていただきます。▼
(暗転)
[フォルカ]
タニスの行動範囲は
城の周辺に限定されている。▼
自室と訓練場、そして
食堂との往復がほとんどか。
洗うとしたらこの周辺…ん?▼
[ミスト]
あっ!
あなたは…▼
[フォルカ]
お前はグレイル殿の…
そうか、傭兵団の連中の多くが
アスク王国に来ていたのだったな。▼
ずいぶんな大荷物だな。
洗濯の途中か?▼
[ミスト]
わたしにもできることで
お兄ちゃんたちを支えられたらって。
お洗濯とか、お城の食堂のお手伝いも…▼
[フォルカ]
城の食堂に出入りしている、か。
ミスト。最近誰かが
拾得物の話をしていなかったか?▼
(暗転)
[タニス]
手帳を拾った者が分かっただと!?▼
[フォルカ]
ああ。俺たちと同じ時期に
アスク王国に召喚された…▼
ディアメル伯爵家の娘、ステラ。
どうやら彼女が
あんたの手帳を拾ったらしい。▼
[タニス]
そ、それでステラは今どこに…▼
[フォルカ]
それがな…▼
先ほど、シャロン王女たちと
賊の討伐に向かったと…
天馬騎士のマーシャも一緒だ。▼
[タニス]
マーシャも一緒だと!?
そ、それはまずい…!▼
[フォルカ]
お、おい!? タニス!▼

A

[マーシャ]
せいっ! たぁぁぁっ!
大丈夫ですか、シャロン王女!▼
[シャロン]
なんとか持ちこたえています!
ですが、予想以上に賊が多いですね!▼
[ステラ]
せっかく歩みはじめた新しい運命…
こんなところで、くじけるわけには!▼
[タニス]
マーシャ、なにをやっている!?
シャロン王女、ご無事ですか!▼
[マーシャ]
タニス副長、どうしてここに!?▼
[タニス]
話はあとだ!
賊を一掃する。
私に続け…!▼
(暗転)
[シャロン]
すごいですっ!
あれだけの賊が
あっという間に…▼
[マーシャ]
はぁっ、はぁぁっ…
た、助かりましたぁ。▼
[タニス]
ステラ、話がある…
こちらに来てもらおう。▼
[ステラ]
私に…ですか。
なんでしょう?▼
[タニス]
そ、その…なんだ…
手帳を拾ったと聞いたのだが。▼
[ステラ]
はい、拾ったのはこの手帳ですわ。▼
[タニス]
そ、それだ!
私が落とした手帳!▼
も、もしかして…
中身も…見たのか?▼
[ステラ]
は、はい。
持ち主の名前が
書いてないかと思いまして…▼
素敵な詩ですね。
もしかして、タニス様が
綴られたのですか?▼
[タニス]
くっ…!
み、見たのか!
み、見てしまったのかっ!?▼
[ステラ]
特に「鳥と天上に輝く星」を詠んだ詩が
素晴らしかったです。▼
あまねく世界を照らす光…
羽ばたけば届きそうなのに
決して届かない…▼
[タニス]
ああああ…
ろ、朗読は勘弁してくれ…
恥ずかしさで卒倒してしまう…!▼
と、ともかく!▼
鬼の副長と呼ばれている私が
このような詩を書いていると知れたら
部下に示しがつかん。▼
このことはくれぐれも…
他言無用で頼むぞ。▼
[ステラ]
は、はい…
そういうことでしたら。▼
[マーシャ]
あっ! その手帳って
タニス副長のものだったのですか?
なにが書いてあるんでしょうか。▼
[タニス]
そ、それを知る必要はない!
そんなことよりも貴様
先ほどのあの戦いぶりはなんだ?▼
[マーシャ]
ひっ! す、すみませんっ!▼
[タニス]
そんなことでベグニオン天馬騎士団の
誇りを貫き通せるか!
帰ったらまたしごいてやる!▼
[マーシャ]
う、うう…
目をかけていただき
ありがとうございます…▼

神出鬼没の情報屋 フォルカ

C

[フォルカ]
アンナ隊長から聞いて安心した。
この世界でもグレイル傭兵団は
健在だとな…▼
[アイク]
ああ。
いつかはあんたとも
ここで会える気がしていた。▼
[フォルカ]
だからか。俺の姿を見ても
まったく驚かなかったしな。
それで、この世界にグレイル殿は…▼
[アイク]
いる…
しかし、いないとも言える。▼
親父と会ったのは祭りの間だけだ。
団のことは…
俺に任せると言っていた。▼
[フォルカ]
そうか。ではここでは
アイクがグレイル傭兵団を
率いていると考えていいんだな。▼
[アイク]
ああ。そのつもりだ。
ところで以前、あんたと結んだ契約は
まだ活きているのか?▼
[フォルカ]
もちろんだ。
一度受けた契約はやり通す。
だが、今は少々問題がある…▼
[アイク]
問題?▼
[フォルカ]
お前も知っての通り
俺はこの世界に来たばかりだ。▼
テリウス大陸には精通していたが
この世界では最低限の情報しか
持ち合わせていない。▼
情報屋としても暗殺者としても…
この世界を立ち回るには
まだ知らないことが多すぎる…▼
[アイク]
あんたの戦いの腕は信用している。
心配は無用だと思うが…▼
[フォルカ]
…3日、時間をくれ。
この世界について
俺なりに調べたい。▼
[アイク]
わかった。
では、3日後にまた会おう。▼

B

[マシュー]
……▼
誰だ? そこにいるんだろ?
おれをつけているみたいだが
なにか用かい?▼
[フォルカ]
鋭いな。
やはり、俺と同業のようだ。▼
俺の名はフォルカ。
先日、この世界に呼ばれた者だ。▼
[マシュー]
……。
あんたが味方でよかったぜ。
敵に回すと面倒臭そうだ。▼
[フォルカ]
マシュー、お前が持つ情報を買いたい。▼
むろん、見合った報酬は払う。
情報屋にとって、活きのいい情報は
なにより価値があるものだからな。▼
[マシュー]
ん? 今のおれたちは
一応、仲間なんだろ?
金なんて払わずとも教えてやるよ。▼
[フォルカ]
俺は仲間として得られる情報…
それ以上のものが欲しいのさ。▼
[マシュー]
…なんとも食えねえおっさんだな。▼
いいぜ。おれとレイラになにかあったとき
せっかく集めた情報が
水の泡になるのももったいないしな。▼
ただし、若様やエリウッド様については
伏せさせてもらうぜ。▼
[フォルカ]
ああ、それで構わない。▼
[マシュー]
金はいらないが、情報を教える条件として
おれたちが困ったときは手を貸してくれ。
お互い様ってやつだ。▼
[フォルカ]
いいだろう。そのときは
格安で話を聞く。▼
[マシュー]
…そっちは金を取るのかよ。▼

A

[フォルカ]
……。
むっ…!?▼
俺の名はフォルカ。
(画面が光る)
[フォルカ]
これは…白夜王国の暗器。
手裏剣という武器か?▼
[サイゾウ]
ふん、避けたか。
貴様…ここ数日、なにを嗅ぎ回っている?。▼
[フォルカ]
俺は情報屋。
情報を集めているだけだ。▼
[サイゾウ]
貴様が何者かは知らんが
リョウマ様たちの障害となるなら
俺はためらわずに討つ。▼
[フォルカ]
過度の忠誠心というのは
時として弱点になることがある。▼
現に俺は今、労せずして
あんたが命をかけて
守ろうとするものを知った。▼
[サイゾウ]
…貴様っ!▼
[フォルカ]
白夜王国第一王子の忍、
第五代目サイゾウ。
弟の名はスズカゼ。▼
言葉数少なく強面だが
義に厚く、信頼できる人間…▼
[サイゾウ]
……▼
[フォルカ]
余談だが、甘いものが苦手…
そうだろ?▼
[サイゾウ]
貴様…わずかの間に
そこまで調べあげたというのか?▼
[フォルカ]
言っただろ。俺は
情報を集めているだけで、他意はない。
そして、あんたに敵対するつもりもな。▼
[サイゾウ]
……▼
[フォルカ]
あんたがリョウマ王子を守るために
俺の力を必要とするなら力を貸す。
ただし、金は頂くがね。▼
[サイゾウ]
お前がなにか不審な動きをすれば
それ相応の措置を取る。▼
肝に命じて、おかしな考えは
起こさぬことだ。▼
[フォルカ]
手裏剣ってのは刺さると痛そうだな。
気をつけるよ。▼
[サイゾウ]
……。
【火消し】のフォルカか。
一筋縄では行かない、くせ者と見た…▼

S

[フォルカ]
アイク、今日が約束の日だ。▼
[アイク]
……▼
[フォルカ]
面白いな、アスク王国は。
そしてここに集まる連中も。▼
…知りたかったことは十分だ。
これからは
お前との契約を果たそう。▼
[アイク]
わかった。
これからもあんたの力を借りたい。▼
それで…あんたの目から見て
この国はどう映る?▼
[フォルカ]
いい国だな…
王族もそうだが、この地で暮らす民も
気持ちのいい連中ばかりだ。▼
それぞれのやり方で国を支え
日々を懸命に生きている。▼
だからこそ、英雄たちも力を貸すことを
惜しまないのだろうな。▼
[アイク]
あんたにもそのことが
伝わってよかった。▼
それにしても3日間でよく
そこまで調べたな。▼
[フォルカ]
なあに。この国の同業者や
おしゃべり好きな情報通から
ネタを仕入れたのさ。▼
[アイク]
おしゃべり好きな情報通…?▼
(暗転)
[門番]
ぶぇ…ぶえっくしょんっ!▼
うう、フォドラと同じくらいに
アスク王国の冬も冷えますな…。▼
にしても、今日はあのおじさん
なかなか姿を現しませんね。▼
聞き上手なせいか、ついつい
あれこれ話してしまうのですが。▼
はっ! いかんいかん!
今日もヴァイス・ブレイヴの守りを
しっかり固めるであります!▼

帝国の白刃 タニス

C

[タニス]
ベグニオン帝国聖天馬騎士
神使親衛隊副長タニス。▼
遅れ馳せながら
ただ今参上しました。▼
[サナキ]
うむ、大義である!▼
そなたの力添えがあれば
ヴァイス・ブレイヴも
さらに戦力を増すであろう。▼
[タニス]
私のあずかり知らぬところで
神使様がアスク王国のために
尽力されておられたとは。▼
私ももっと早く
馳せ参じていれば…▼
[サナキ]
気にするでない。
おぬしの一存では
どうにもならぬことじゃからな。▼
[タニス]
もったいないお言葉…
痛み入ります。▼
また、マントの裾を踏まれて
転がっておいでではないかと
心配で心配で…▼
[サナキ]
そ、それはもうよいのじゃ!▼
[シグルーン]
タニス。
力を合わせて神使様を盛り立て
アスク王国の平和のために戦いましょう。▼
[タニス]
はっ! この世界でも
隊長とともに戦えること
うれしく思います。▼
[シグルーン]
その前に…あなたに
話しておくことがあります。▼
[タニス]
なんでしょうか…?▼
[シグルーン]
実はあなたがこの世界に来る前に
別の異界のあなたが召喚され
神使様をお守りしていました。▼
[タニス]
違う世界の私…ですか?▼
[シグルーン]
そう。といっても、
その魂の在り方はあなたと同じ。▼
神使様をよく守り
神使親衛隊の名に恥じぬ
働きをしてくれました。▼
おや? ちょうどいいところに
彼女…もうひとりのあなたが
任務から戻ってきたようですね。▼
[タニス]
…異界の…私。▼
[タニス(花嫁)]
神使親衛隊副長、タニス。
ただいま戻りました。▼
[タニス]
……!?
……!?!?▼

B

[タニス(花嫁)]

隊長、そこにいるのは…
もしかして、異界の私でしょうか。▼
[シグルーン]
ええ。あなたが任務に出ている間に
新たに召喚されてきたの▼
[タニス]
……▼
[タニス(花嫁)]
なるほど…。
同じ副長同士、よろしく頼む。▼
[タニス]
こ、こ、こ、こ…。▼
[シグルーン]
あら? どうしたの?
異界の自分を見て驚いたのかしら?▼
[タニス]
こ、こ、こ、こ…
これはいったいどういうことだ!?▼
[タニス(花嫁)]
どういうことだ、とは?▼
[タニス]
ど、どどど、どうして私が
このような浮ついた衣装に
袖を通しているのだ!?▼
見たところ、それは
花嫁が着る衣装だろう!▼
[タニス(花嫁)]
おちつけ、異界の私。
これには深い事情があってだな…▼
[タニス]
落ち着いてなどいられるか!
このような格好では隊の風紀も
保てぬではないか!▼
なんということだ。
なんということだ…!▼
[シグルーン]
あっ、タニス!
どこに行くのですか!▼
[タニス(花嫁)]
行ってしまったか…
気持ちはわからないでもない。
だが…▼

A

[タニス]
異界から来た私が
あのような衣装でこの国を
闊歩していたとは…。▼
あんな姿をマーシャたちに
見られたら示しがつかぬ!▼
[タニス(花嫁)]
…ここにいたか。▼
[タニス]
くっ!▼
[タニス(花嫁)]
そう構えるな。
まずは私の話を聞いてくれ。▼
[タニス]
そうだな…。
詳しく聞かせてもらおう!▼
[タニス(花嫁)]
私がこのような
格好をしているのは理由がある。▼
異界には、花嫁の祭りと呼ばれる
神聖なる祝祭がある。
これはその衣装なのだ。▼
[タニス]
そ、そうか…。
それは祭りの衣装だったのか。▼
[タニス(花嫁)]
祭りに参加する英雄は
この衣装をまとうことで
力を最大限に発揮することができる。▼
祭りの成功は民の英気を養い
アスク王国をひとつにする。
ひいてはこの国の平和に繋がるのだ。▼
[タニス]
……▼
[タニス(花嫁)]
そしてもうひとつ。
花嫁の祭りには
神使様も参加されていた。▼
[タニス]
なっ!
サナキ様が花嫁…!?
結婚だと!?▼
[タニス(花嫁)]
落ちつけ、異界の私。
あくまでも祭りの余興だ。▼
私も花嫁衣装をまとってはいるが
実際に結婚する予定もなければ
相手もいない。▼
[タニス]
それは知っている。▼
[タニス(花嫁)]
……▼
自分のことは自分が一番
知っているとはいえ、そうきっぱり
断言されるのは釈然としないな…▼
[タニス]
なるほど。サナキ様も
余興に参加されていたのか…▼
[タニス(花嫁)]
花嫁衣装をまとわれた神使様を
つかず離れずお守りするために
私はこの衣装を受け入れたのだ。▼
そう、この衣装をまとうことは…
神使様に対する忠義の表れ!▼
[タニス]
神使様に対する忠義か。
個人的に袖を通してみたかったとか
浮ついた理由ではないのだな?▼
[タニス(花嫁)]
あ、当たり前だ…!
神使親衛隊としての務め
片時も忘れたことなどない!▼
[タニス]
見た目など関係ない…
大切なのは、いついかなるときも
忠義の心を持ち続けること、か。▼
すまなかったな、異界の私。
よく神使様を支えてくれた。
礼を言う。▼
[タニス(花嫁)]
なに、もし立場が逆なら
きっと同じことをしただろう。▼
これからは同じ神使親衛隊として
ともにアスク王国の空を駆けよう。▼

S

[タニス]
先ほどは一人で取り乱してしまい
隊長にも迷惑をかけてしまった…▼
ことの次第を知ったことを報告し
取り乱したことを詫びねばならないな。▼
失礼します…!
隊長、先ほどは見苦しいところを
お見せしてしまい…!?▼
[シグルーン(花嫁)]
あら、タニス。
戻ったのですね。▼
[タニス]
そ、その格好…!
ま、まさか隊長も…!?▼
[シグルーン(花嫁)]
この衣装はとても素敵ですね。
花嫁姿の神使様をお守りするに
ふさわしい装いといえるでしょう。▼
[タニス]
それはあくまでも
神使様を守るために…ですよね?▼
[シグルーン(花嫁)]
ええ、もちろんですよ。▼
あなたも一度、異界の自分に
衣装を借りてみてはどうかしら?
いい気分転換になるわよ。▼
[タニス]
い、いえ、自分には
なすべきことがありますから。
……。▼
(暗転)
[タニス]
頼む…!
どうしても任務を遂行するために
必要なのだ!▼
[フォルカ]
確かに俺は
あらゆる依頼を受けるが…▼
いきなり花嫁装束を
用意してくれというのは
なかなかの大仕事だな。▼
[タニス]
結婚する予定もなければ
個人的な興味からでもない。▼
忠義の心を示すためにも
私にはそれが必要なのだ!▼
[フォルカ]
事情があるようだな。
希望の品は用意しよう…▼
[タニス]
このタニス、世界が変わろうが
忠義の心はまったく揺るがぬ。▼
我らの頭上にまばたく星…
すべては神使様のために!▼

覚悟の伯爵家令嬢 ステラ

C

[エイル]
……。▼
[ステラ]
誰…です?▼
……!?
あなたはエイル…王女。▼
[エイル]
珍しいわね。こんな夜更けに
この丘に人がいるなんて。▼
[ステラ]
私はステラと申します。▼
エクラ様の
求めに応じ
この世界にやってきました。▼
[エイル]
聞いてもよいかしら。
ここでなにを?▼
[ステラ]
星を…見ておりました。▼
この丘なら星がはっきりと
見えるかと思いまして。▼
この国の空に輝く星の配置は
テリウス大陸とは
まったく違うのですね。▼
ですが、星の光の美しさは
全く変わりません。▼
[エイル]
いつも星を見ているの?▼
[ステラ]
……。
夜、眠るのが怖いのです。
私は…弱い人間なので。▼
[エイル]
……▼
[ステラ]
考えてしまうのです…。
眠っている間に
敵の襲撃があるかもしれない。▼
眠っている間に命を落とし
二度と目が覚めないかもしれない。▼
そして、逃げ出したはずの運命に
引き戻されてしまうかもしれない…▼
そうした不安が折り重なって
つい、星空を見上げてしまうのです。▼
申し訳ありません、エイル王女。
出会ったばかりでこんな話を…▼
[エイル]
謝る必要はないわ…▼
今日の夜空は澄み渡っているわ。
星の光がまっすぐに届く。
いい夜だわ。▼
[ステラ]
……はい。
私もそう、感じます。▼

B

[エイル]
……▼
[ステラ]
こんばんは、エイル王女。
また…お会いしましたね。▼
[エイル]
こんばんは、ステラ。▼
今日も星を見ていたのかしら。▼
[ステラ]
は、はい…。
今夜もなんだか眠れなくて。▼
あの…エイル王女も
星を眺めるのがお好きなのですか?▼
[エイル]
……。▼
死者の時間は永遠に動かない…
私が暮らしていた死の国では、
時が経とうと何も変わらない。▼
でも、夜空を見上げると
星が動いているのがわかる。▼
それは…この世界が
生きているということを
私に実感させてくれるの。▼
[ステラ]
死の国…
アンナ隊長から話は伺いました。
生者を拒絶する厳しい世界だったと…▼
[エイル]
……。▼
[ステラ]
死者の時間は永遠に動かない…
そうおっしゃいましたね?▼
[エイル]
ええ。死は生者から
すべての時間を奪う。
そして永久に…
前に歩むことを許されない。
後ろに退くことも許されない。▼
[ステラ]
……▼
私は、自分の運命を
受け入れることができずに
戦いに身を置くことを選びました。▼
でも、ときどき思うのです。
運命から逃げ出しただけではないか、と。▼
私は本当に前に進んでいるのか…
自分の生き方もまた
動いていないのかもしれません…▼
[エイル]
……。」▼
眠るには、まだ少し早い時間ね。
ステラ、よければ
あなたの話を聞かせてもらえる?▼
[ステラ]
は、はい…。
お耳汚しにならなければ
よいのですが…▼

A

[ステラ]
私は貴族の家に生まれ
親からあらゆるものを与えられ
裕福な毎日を送ってきました。▼
ですが、たったひとつ
与えられないものがありました。
それは、自由でした…▼
[エイル]
……▼
[ステラ]
成長した私を待っていたのは
決められた人生。▼
私は、親が定めた許嫁と
結婚することになっていたのです。
そこに自分の意思はありませんでした。▼
[エイル]
親の意に抗おうとしても
目を合わせると、その決意は霧散する。
私にも覚えがあるわ。▼
[ステラ]
なに不自由なく生きてきたはずが
実はすべての運命を決められていた。
私は…生ける屍だったのかもしれません。▼
そんな生き方を変えたくて
親の制止を振り切るようにして
ベグニオン騎士団に入団しました。▼
運命に抗いたい。
そう必死になってあがいたものの…▼
結果として得たのは
自分が弱い人間だという自覚だけでした。▼
[エイル]
……。
以前、あなたは眠るのが怖いと
私に教えてくれた。▼
[ステラ]
は、はい。
確かに、そう言いました。▼
[エイル]
恐れるということは…
行きたいという意思の表れでもある。▼
あなたの中には
前に進もうという意思がある。
少なくとも…生ける屍ではないわ。▼
[ステラ]
エイル王女…▼
[エイル]
生きている限り
人は自分という存在から
決して逃げられない。▼
自分の弱さを知ったうえで
どこに向かって歩くのか。▼
人間というものは…
死ぬまでそのことに
向き合わなければいけないのかもね。▼
[ステラ]
…そうですね。▼
弱いことは罪ではない。
歩みを止めることが罪…
そういうことなのでしょうか。▼

S

[ステラ]
こんばんは、エイル王女。▼
[エイル]
こんばんは、ステラ。▼
[ステラ]
今日の夜空は雲が少ないので
もしかしたら、エイル王女も
ここにいらっしゃるかと思って…▼
[エイル]
ええ、
頭上に広がるのは満天の星空。
星を見るには理想的ね。▼
[ステラ]
星の輝きはそれぞれ違いますよね。
一際まぶしく輝く星もあれば
小さな星が集まって輝く一帯もある。▼
自分はせめて
小さな輝きのひとつになりたい。▼
誰かの近くで誰かと一緒に
誰かのために輝ければいいなと。▼
[エイル]
その考えは素敵だと思うわ…▼
ヴァイス・ブレイヴには
無二の友や一生の伴侶を得て
輝きはじめた英雄も大勢いる。▼
[ステラ]
いつか巡り会えたらいいですね。
ともに輝くことができる
まばゆい星のような人に…▼

嘆きの天馬騎士 マーシャ

C

[バルタザール]
うぉぉぉ! また負けた!
なんで勝てねえんだ!▼
[ヒルダ]
バル兄、もうやめときなよー。
軍資金だってもうないんでしょー?▼
[バルタザール]
そりゃそうだけどよ…
だが、賭けに負けたままって
わけにはいかねえんだ。▼
次こそは勝つ!
勝てる気がする!▼
[ヒルダ]
気のせいか、あたし…
ここしばらく、そのセリフを
何度も聞いている気がするんだけど。▼
(暗転)
[マーシャ]
……。▼
ヴァイス・ブレイヴにも
博打が好きな英雄がいるんだ…▼
博打かぁ…。
あーあー、兄さん
今頃どこにいるんだろ。▼
結局、兄さんを見つけ出す前に
アスク王国に来ちゃったけど…。
心配だなあ、いろんな意味で。▼
[フィヨルム]
マーシャさん、どうしました?
なにか悩みごとでしょうか。
連日の訓練でお疲れとか…▼
[マーシャ]
フィ、フィヨルム王女!?▼
確かにタニス副長は厳しいこと
このうえないですが
訓練に問題はありません!▼
今、考えていたのは
悩みごとといいますか
その…身内の問題なのです…▼

B

[フィヨルム]
…そうだったのですか。
バルタザールさんとヒルダさんを見て
お兄様を思い出していたのですね。▼
ですが、あのお二人は兄妹ではなく
幼なじみだそうですよ。▼
[マーシャ]
お、幼なじみ…。
私と兄のやりとりにそっくりだったので
てっきり兄妹だと…▼
[フィヨルム]
やりとりがそっくり?
それはもしかして…▼
[マーシャ]
私の兄も、三度の飯よりも
博打が大好きなんです。▼
勝てもしない博打に
お金をつぎ込んでは借金を重ねて…▼
挙句の果てに、私の宿舎にまで
借金取りが押しかけてくるように。▼
[フィヨルム]
マーシャさんは確か…
ベグニオン聖天馬騎士団の
一員でしたね?▼
[マーシャ]
それは昔の話ですね…。
結局、借金取りに耐えきれず
私は騎士団を退団してしまいました…▼
[フィヨルム]
そ、そうだったのですね…▼
[マーシャ]
それから私は
行方知れずの兄を探す旅に出て
アイクさんたちに出会ったんです。▼
[フィヨルム]
借金を作って行方不明…
お兄様はその…なんというか…
とても自由な方なのですね。▼
[マーシャ]
フィヨルム王女…
お言葉を選ばせてしまい
恐縮というか面目ないです。▼
[フィヨルム]
い、いえ、そんなつもりは!
私にも兄がいるのですが
いろいろな兄妹の形があるものですね。▼
[マーシャ]
えっ、フィヨルム王女にも
お兄様がいらっしゃるのですか。
どんな方なのでしょう?▼

A

[フィヨルム]
フリーズ兄様は
いつも妹の私たちを
気にかけてくれる優しい方…▼
そして、我が身を顧みず
民のために戦うことができる
強い方でもあります。▼
[マーシャ]
素敵なお兄様ですね。
私の兄にわずかでも
見習わせたいです…▼
[フィヨルム]
今は、兄様は
ニフル王国復興のため、
尽力されておられます。▼
[マーシャ]
……。
お兄様と離れていて
寂しくはないのですか?▼
[フィヨルム]
フリーズ兄様はときどき
手紙を送ってくださいます。▼
それに…離れていても兄様と
私たちの絆は繋がっています。▼
兄様が務めを果たすまで
私もヴァイス・ブレイヴで頑張ろうと。
そう、思うのです。▼
[マーシャ]
なんという尊い関係…▼
それに比べてうちの兄ときたら
傭兵のくせにまともに働きもせずに
ぐうたらで他力本願で…▼
一刻も早く見つけ出して
今度こそ根性を
叩き直さなくちゃいけないんです!▼
[フィヨルム]
な、なるほど…
そういう理由でお兄様を
探されているのですね。▼
[マーシャ]
でも、いろいろと
問題のある兄ですけど
悪人というわけではないんです…▼

S

[マーシャ]
博打好きでだらしない人間でも
私には、たった一人の大切な兄です。▼
振る舞いには腹も立ちますが
それよりも…。▼
元気かな? お腹すかしてないかな?
危ない目にあってないかなって
どうしても心配になるんです。▼
[フィヨルム]
それが兄妹というものだと思います。▼
きっとお兄様も遠い空の下で
マーシャさんのことを
心配されているのではないでしょうか。▼
[マーシャ]
そうだと…いいんですけど。▼
フィヨルム王女、温かいお言葉…
ありがとうございました。
私は訓練に戻りますね!▼
[フィヨルム]
はい。頑張ってくださいね!▼
(暗転)
[マーシャ]
フィヨルム王女ー!▼
[フィヨルム]
あれ、マーシャさん。
どうかされましたか?▼
[マーシャ]
私、思いついたんです!▼
私が兄を探すよりも
エクラさんに
兄を召喚してもらえれば解決するって。▼
そうすれば、この国で
兄の根性を叩き直せますよね!▼
[フィヨルム]
な、なるほど…▼
[マーシャ]
そうと決まれば、
兄を立派な人間に更生できるように
今から準備しておかないと!▼
兄はすぐ逃げようとしますからね。
今度という今度はもう…
積もり積もった憤りを…▼
[フィヨルム]
お、お手柔らかに…▼
これも、兄妹の絆の形…
でしょうか…?▼

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Last-modified: 2021-12-11 (土) 23:47:18
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