[広告]

章別会話

外伝86 ないものねだりの夏

1節 念願の夏休み

オープニング

[エイリーク]
兄上、こちらです!
早く早く!▼
[エフラム]
わかった、わかったから…
そう急がせるな、エイリーク。▼
[エイリーク]
だって、どうしても兄上にも
この海をお見せしたかったのです。
砂浜や夕日の美しさも…▼
[ラーチェル]
…こほん。
エイリーク、わたくしもおりましてよ。▼
この夏の日差しに輝く
極彩色(ごくさいしき)の美王女、ラーチェルが!▼
[エイリーク]
あ、すみません。
ラーチェル、あなたのことも
忘れていた訳ではなく…▼
[ラーチェル]
ええ、ええ。わかっています。
このわたくしを忘れることなんて
できっこありませんもの。▼
さあ、海辺に案内して
くださらないかしら?▼
[エイリーク]
ええ、もちろん。
一緒に行きましょう。
あ…! あれを見てください。▼
あの屋台にはいろいろなものを
売っていて、中でも
氷菓子がおいしいんです。▼
[エフラム]
ほお。それは食べてみたいな。
寄っていくか。▼
[エイリーク]
はい、ぜひ!
いろいろな味が選べるんですよ。▼
私は果物の味のものが一番おいしいと…▼
[エフラム]
ああなるほど。▼
エイリーク、お前
俺に奢らせるために
屋台の事を教えたな?▼
[エイリーク]
そ、そんなつもりはありません!
もう、兄上ったら!▼
[エフラム]
はは、構わない。
これくらい買ってやるさ。
ラーチェルも好きなものを…ん?▼
[エイリーク]
あら? ラーチェル…?
どこに行ったんでしょう…▼
(場面転換。戦闘マップへ)
[ラーチェル]
まったく、仲のいい兄妹ですこと!▼
わたくしは美しいだけでなく
空気の読める、できる王女ですから
兄妹水入らずにして差し上げますわ。▼
まあ、氷菓子はちょっと
食べてみたかったですけど。▼
しかし、ひとりで浜遊びというのも
退屈ですわね。誰かいないかしら…
あら?▼
[シェズ(女)]
慣れない海での戦闘の訓練に
もってこいだわ。
まずは遠泳で競争しない?▼
[シェズ(男)]
いいぜ、乗った!▼
[ラーチェル]
似たような顔がふたつ…
こちらの方々も
双子の兄妹かしら?▼

クリア後

[シェズ(女)]
…ぷはっ!
よし、私の勝ちね。▼
[シェズ(男)]
くそっ、もう一回だ!▼
[ラーチェル]
こちらも仲がよろしいこと…
やはり兄妹というのは
特別なものなのですわね。▼
…別に、うらやましくなんて
ありませんけど。▼

2節 ひと時の休暇

オープニング

[カトリーヌ]
おっ! うまいな、この飲み物。
シャミア、アンタのも一口くれよ。▼
[シャミア]
断る。
飲みたければ自分で買え。▼
[エフラム]
すまない。こちらで
女を見なかったか?▼
緑色の髪で、こう、
なんというか…
浮世離れしたというか…▼

クリア後

[シャミア]
緑色の髪の浮世離れした女?▼
[カトリーヌ]
悪いけど見てないねえ。▼
[エフラム]
そうか…
ありがとう。▼

3節 欲しいものは

オープニング

[ラーチェル]
えい。
えいえいえいえい。▼
[カトリーヌ]
アンタ…
何してるんだい?▼
[ラーチェル]
見てわかりませんの?
訓練ですわ。▼
もしこの海に魔物が現れたら
この日傘でぼこぼこにするのですわ。▼
[カトリーヌ]
緑色の髪の浮世離れした…▼
[シャミア]
間違いなさそうだな。▼
[シェズ(男)]
…よしっ!
今度こそ俺の勝ちだ!▼
[シェズ(女)]
いいえ。浜についたのは
あなたが先だったけど、▼
目印の岩に触れるときに
指一本分私が早かったわ。▼
[シェズ(男)]
何だと? そんなはずは…
くそっ、もう一回だ!
そこの人! 審判を頼む。▼
[エフラム]
え? いや俺は今、
人を捜しているんだが…▼

クリア後

(場面転換。会話シーンへ)
[ラーチェル]
えいえいえいえい。
えいえいえいえいえい。▼
[エフラム]
ラーチェル…
こんなところにいたのか。
捜したぞ。▼
[ラーチェル]
わたくしのことはお構いなく。
どうぞ、兄妹水入らずで
お楽しみあそばせ。▼
[エフラム]
なんだ?
拗ねているのか?▼
[ラーチェル]
まあ失礼な!
拗ねてなんかいませんわ。▼
…ただ、ちょっと。▼
あなたたちを見ていると
ないものねだりをしてしまいそうで
自分が嫌なのです。▼
[エフラム]
ないものねだり?▼
[ラーチェル]
わたくしの両親は早くに亡くなりました。
それは仕方のないことだと
納得しておりますわ。▼
でも、幼い頃は…
時折、考えていました。▼
兄妹がいてくれたら…
この寂しい気持ちを分かち合い、
支え合って生きていけたのにと。▼
[エフラム]
…そうか。そうだな。
確かに俺もエイリークがいて
どれだけ救われたかわからない。▼
[ラーチェル]
そうでしょうね…
うらやましい…▼
ああ嫌ですわ!▼
完璧な美王女のわたくしが
他人をうらやむなど、
あってはならないことですのに!▼
[エフラム]
その通りだ。
ラーチェル、君が俺たちを
うらやむ必要などない。▼
[ラーチェル]
え?
どういう意味ですの?▼
[エフラム]
君には苦しみや悲しみを分かち合い、
支え合って生きていける人間が
周囲にたくさんいる。▼
あの従者たちもそうだし、
教皇様もそうだ。
それに、俺たちも。▼
[ラーチェル]
あ…▼
[エフラム]
血のつながった兄妹は
特別な存在かもしれないが、▼
そうでなければ
分かり合えないなどということはない。▼
寂しさも苦しみも
いつでも言えばいい。
俺にも、エイリークにも。▼
[エイリーク]
そうですよ、ラーチェル。▼
[ラーチェル]
エイリーク!? いつからそこに…▼
[エイリーク]
木の陰でずっと聞いてました。
ラーチェル、あなたに寂しい思いを
させてしまったならすみません。▼
でも、あなたがひとりだなんて
決して思わないでください。▼
私でよければ、ラーチェルの
お姉さんでも妹でも、
何にでもなりますから。▼
[ラーチェル]
ええ?
ふっ…ふふふ…
エイリークったら。▼
ありがとうございます。
お気持ちだけ受け取りますわ。▼
まったく…
エフラムの言う通りですわね。▼
わたくし、今でも十分すぎるほど
持っていますのに、
これ以上望んだら 罰があたりますわ。▼
高貴な血筋、神に愛された美貌、
冴えわたる知性、溢れる魔道の才能…▼
[エフラム]
調子が戻ってきたな。▼
[エイリーク]
ふふ…
それでこそラーチェルです。▼
さあ、今度こそ一緒に
泳ぎにいきましょう。▼
[ラーチェル]
ええ。
…それに、素敵な仲間たちも。▼
[エフラム]
ん? 何か言ったか?▼
[ラーチェル]
いいえ、なーんにも。▼

コメント



トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2023-08-31 (木) 08:29:44
[広告] Amazon.co.jp