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章別会話
団欒と混沌の学級†
団欒と混沌の学級†
オープニング†
- [アネット]
- ねえベルナデッター!
軍議、始まっちゃうよー!▼
- [リシテア]
- まったく…いい加減に観念して、
出てきたらどうですか。▼
- [アルフォンス]
- …ん? あれは…▼
君たち、どうしたんだい?
何か困ってるようだけど。▼
- [リシテア]
- あら、こんにちは、アルフォンス王子。
実はベルナデッタが
部屋に閉じ籠もって出てこないんです。▼
- [ベルナデッタ]
- これ以上、ベルに構わないでください!
ベルは、ベルは引き籠もって、この部屋を
生涯の友にするって決めたんですうううう!▼
- [アネット]
- …というわけで、途方に暮れてたんです。
アルフォンス王子、
何か良い策はありませんか…?▼
- [アルフォンス]
- 彼女を部屋から連れ出す方法、か。
付き合いの長い君たちに思いつかないなら、
僕にも思いつきそうにないけれど…▼
例えば、士官学校の先生や級長たちなら
どんな風にこの状況を打開するのか
考えてみる…というのはどうだろう。▼
- [フェルディナント]
- 級長か…それならば容易な話だな!
ここは私に任せてくれたまえ!▼
なぜなら、私はエーデルガルトが何を感じ、
どう行動するか……常に考えているからね。
彼女を上回る私の叡智、刮目したまえよ!▼
- [アネット]
- …えっと、変な方向に
やる気出ちゃってない?▼
- [リシテア]
- 暴走しそうな予感がしますね。
…ま、いいんじゃないですか。
真っ当な手段じゃ駄目みたいですし。▼
ということでベルナデッタ、
早めに観念したほうがいいですよ?▼
- [ベルナデッタ]
- ま、負けるもんですかああ!
あたしの叡智…はないけど、あたしの聖地、
守ってやりますもん!!▼
- [シャロン]
- …あら?
必死に逃げるベルナデッタさんと…
追うフェルディナントさん?▼
- [フェルディナント]
- …ああ、シャロン王女!
すまない、そのまま回り込んで
彼女を捕まえてくれないか!▼
- [シャロン]
- え? つ、捕まえる?▼
- [ベルナデッタ]
- ひいいいい!
許してくださいいぃ!▼
- [シャロン]
- ベ、ベルナデッタさんが
すごい速さで走り去ってしまいました!
ま、待ってくださーい!▼
(暗転)
- [シャロン]
- …………。
…はあ、はあ。結局、
お城じゅうを巻き込んだ追いかけっこに…▼
ベルナデッタさんには
逃げられてしまいましたけど…
これは、いったい何だったんですか…?▼
- [アネット]
- ベルナデッタを部屋から連れ出したくて…
それぞれの級長ならどうするか、とか
いろいろ考えて作戦を立てたんです。▼
- [リシテア]
- で、アネットが作ったお菓子を扉の外に
置いて誘い出し、彼女が出てきたところを
わたしが魔法を使って扉を封じたわけです。▼
- [シャロン]
- よく考えられた作戦ですね…▼
- [フェルディナント]
- そして彼女の逃げ道を塞ぎ、
貴族の義務を切々と説いたのだが…▼
- [シャロン]
- あはは…逃げられちゃったんですね。▼
- [フェルディナント]
- …くっ、だがこの程度で諦める私ではない。
エーギル家の名に懸けて、
必ずや彼女を正道に立ち返らせてみせよう!▼
- [アネット]
- うんうん、諦めないで頑張ろう!
あたし、もう少し作戦練ってみるよ。
次こそ絶対捕まえてみせるんだから!▼
- [シャロン]
- えっと…
皆さん、怪我だけはしないでくださいね…?▼
- [フェルディナント]
- …さて、ベルナデッタを部屋から出す
次なる案は何かないかね。
私の知恵は…正直、絞り尽くしてしまった。▼
- [リシテア]
- 部屋を煙で燻したらどうですか。
そうしたら、流石に引き籠もっては
いられないでしょう?▼
- [アネット]
- でも、煤で汚れちゃわない?
臭いもついて…って、この臭い、何だろう?
ベルナデッタの部屋が焦げ臭く…▼
- [シャロン]
- ぎゃーっ!
煙です! まさか火事!?
ベルナデッタさんが燃えてしまいます!▼
- [アンナ]
- 火の元なんてないはずなのに…
って、今はそれどころじゃないわね。
急いで消さないと!▼
- [フェルディナント]
- ベルナデッタ! 早く出てくるんだ!
引き籠もっている場合ではない!▼
- [アネット]
- ベルナデッタ!
寝てるの!? 死んじゃうよ!▼
- [ベルナデッタ]
- ええ!? ベル、死んじゃうんですか!?
な、な、なぜでしょおおおお!
まさかみんなの恨みつらみでえええ!?▼
- [リシテア]
- そうじゃなくて、あんたの部屋から
煙が出てるんです!
火事だったら、あんた、燃え…▼
…?
ベルナデッタ!?▼
- [ベルナデッタ]
- はい、ベルです。
…あたしが何か?▼
はっ、もしかしてお腹が空いたから部屋で
お肉をこっそり燻製にしてたのが
見つかっちゃったんですか!?▼
- [フェルディナント]
- 燻製…だと…!?▼
- [ベルナデッタ]
- そしたら部屋が煙くなったので
外で時間を潰してたんですよ?
あれ? みんな揃ってここで何を?▼
- [アネット]
- …そっかー、良かったあ。
火事になって、ベルナデッタが
逃げ遅れちゃったのかと思ったよー。▼
- [アンナ]
- 人騒がせねー、まったく。
でも、ベルナデッタが外に出ているから
結果的には良かったのかしら。▼
- [ベルナデッタ]
- し、しまった…!?
今日のところは勘弁してやりますううう!▼
- [ベルナデッタ]
- ふんふんふふーん♪
この国にも、見たことないお花が
いろいろ咲いてるなあ。▼
…ひえっ!?
エクラさん!?▼
え、外にいるのが珍しいって?
そんなことないですよ。
用があれば出歩きますし。▼
知らない人に会わず、
誰も話しかけてこなければ…
平気なんですけどね。▼
- [フェルディナント]
- そこでだ!
君のために妙案を思いついたぞ、
ベルナデッタ!▼
- [ベルナデッタ]
- …はぎゃああ!?
きき聞いてたんですかああ!
というか妙案って何いいい!?▼
- [リシテア]
- 発想の転換です。
あんたが部屋から出られないなら、
わたしたちがあんたの部屋に入るんです。▼
- [アネット]
- うんうん、ベルナデッタの部屋で
軍議をやれば、みんな困らないよね?▼
- [ベルナデッタ]
- えっ…それって…?▼
- [シャロン]
- そういうわけで、ベルナデッタさんの
部屋にこれからお邪魔するんですよ。
軍議の時間です!▼
- [ベルナデッタ]
- そ、そんなああああ…▼
(暗転)
- [アンナ]
- みんな、大変よ!
ベルナデッタが、自室の隣の部屋に
引き籠もっちゃったわ!▼
- [アネット]
- あちゃー…。
ちょっとだけそんな気はしてたけど…。▼
- [リシテア]
- むしろ、数日耐えられたのが
奇跡みたいなもんでしょう。▼
- [フェルディナント]
- くっ…ベルナデッタ!
だが、私は諦めないぞ。
次こそ、彼女が部屋から脱せるよう尽力し…▼
- [リシテア]
- もういいんじゃないですか?
このところ軍議が全然進んでないですし。
戦術について意見を聞きたいんですけど。▼
- [アネット]
- あはは…あたしもリシテアに賛成かなあ。
そうだ! 焼いてきたお菓子を食べない?
お腹が満たされれば気分も落ち着くかも。▼
- [アルフォンス]
- ……。 こんな混沌、
異界の扉が開いて以来はじめてだ…
収拾はつくんだろうか…?▼
貴族の中の貴族 フェルディナント†
- [フェルディナント]
- エクラか。
ここはなかなか面白いところだね。
様々な世界の貴族と顔を合わせられる。▼
しかも、その誰もが
英雄の資質を持った貴族だ。
まさに貴族の中の貴族と言えよう。▼
なに?
私も貴族の中の貴族なのでは、と?▼
…そうだな。
そうありたいと思っている。▼
だが、実態が伴わないのだ。
今の私は、貴族の嫡子に過ぎないし、
未来の宰相の地位を約されているのみ。▼
領民も、領地も、あるいは権力も、
いまだ父が握っている。▼
私はいまだなにも成し遂げていないし、
いまだ何に挑める立場にもない。
ただの士官学校の、いち生徒なのだ。▼
そうだ!
君はこの世界で、いろいろな貴族と
出会い、親交を深めているはずだ。▼
ならば、私に紹介してくれ!
私が真に貴族の中の貴族となるための、
またとない機会であろう?▼
これは楽しくなってきた。
頼んだぞ、エクラ!
はーっはっはっはっは!▼
- [フェルディナント]
- 公女…。
うーむ、公女か…。▼
おお、エクラ。
この前は貴族の紹介、感謝するよ。
なかなかに強烈な…貴族だったな。▼
…いや、貴族であったのか?
確かに侯爵家の令嬢だと聞いた。
そこに嘘はないだろう。▼
だが、彼女の作法、武術や馬術、
どれを取っても貴族のものではない。
そうではないか?▼
まるで猟師のように弓を扱い、
遥か東方の草原の民のように馬を駆り、
恥ずかしげもなく足を晒して剣を振るう。▼
い、いや、決して見とれていたわけでは…。
このフェルディナント、貴族同士の
付き合いに不埒な心は持ち込まないぞ!▼
ただ…強いて言うのであれば、
風が舞い踊るような素晴らしい剣技や体技、
武骨ながらも力強く美しい武具。▼
そういったものに目を奪われたのは事実だ。
私は蒐集家として珍しい武具に目がないし、
異界の武芸にも興味があるのでね。▼
ふむ…貴族かはいささか疑問ではあるが、
良き出会いであったのは間違いない。
鍛錬を共にする約束もできたしな。▼
思えばエーデルガルトも斧を振り回すが、
武器の扱いは貴族のそれであったな…。
彼女のほうが稀有な存在ということか…。▼
次なる貴族との出会いが楽しみだな。
はーっはーっはっは!
頼んだぞ、エクラ。▼
- [フェルディナント]
- エクラ…
あの男は駄目だ。
いや、彼が悪いのではない。▼
私が苦手なのだ。
父にそっくりではないか!
あれほど似た男が他の異界にいたとは…!▼
髭は…微妙に違うか。
髪形は、昔の父と同じだが、今は違う。
後は…▼
瓜二つだ! 瓜二つなのだぞ!!
初め、父も英雄として呼ばれたのかと思って
あごが外れんばかりに驚いた…。▼
ううむ、すまない。
あまりの衝撃に興奮がまだ冷めないな…。▼
…落ち着いて、ゆっくりと思い出せば、
趣味は少し違うかもしれん。▼
我が父は金銀や布の装飾は好きだったが、
宝石の類には興味がなかった。
あまり身につけている記憶がない。▼
それに、言葉遣いも…
美を誇ることはなかったように思う。
父が誇ったのは財力と権力だ。▼
財と権勢を兼ね備えた偉大なる
この私を呼ぶといい!
ルートヴィヒ=フォン=エーギルと!▼
今のは父の真似だが…
いや、やはり似ているのではないか?
双子と見紛うばかりなのでは?▼
…駄目だ。
今日は眠れそうにない。
すまないが、私はもう行く。▼
- [フェルディナント]
- …おや、エクラか。
ちょうどいいところに来たな。
私の話を聞いてくれ!▼
君のおかげで、私は多くの知己を得た。
異界の貴族たちから様々な話を聞けたのだ。▼
中には、領民と領地を失い、
日々の生活にも困窮しているというのに、
貴族然として、立派な従者も持つ者。▼
お喋りが好きだというのに、
話が少し複雑になると途端に飽きて
貴族にあるまじき態度を取る者。▼
闘技場に籠もって斧を振り回す者など、
フォドラではあまり見かけない
貴族もいたが…。▼
ほとんどの貴族は、
確かに気族であると思えたよ。▼
その国の、その土地の…
歴史、文化、環境など…多く違いはあれど、
そこには変わらぬものがあったのだ。▼
貴族の心、人の上に立つ者の自負や覚悟、
力と知恵への探求心、思想を磨く精神、
民を想う慈悲、国を動かす責任と誇り…▼
それらはすべて、まさに私の信ずる
貴族の中の貴族のものだった!▼
ふふ…さて、忙しくなるぞ。
貴族としてさらなる成長を遂げるためにも、
皆から吸収すべき事柄は多い。▼
そしてそれを成し遂げた暁には…
エクラ、君は
真なる貴族の中の貴族を目にするだろう。▼
このフェルディナント=フォン=エーギルの
誇り高き姿をな!▼
年下の優等生 リシテア†
- [リシテア]
- ふむふむ…なるほど…▼
- [アルフォンス]
- リシテア、何をしてるんだい?▼
- [リシテア]
- フォドラにも似たような兵種はあるし…
うん、これなら実戦で応用できるかも…。▼
- [アルフォンス]
- リシテア? …リシテア!▼
- [リシテア]
- ひゃっ! …アルフォンス王子?
何をしてるんですか?▼
- [アルフォンス]
- その質問をさっき君にしたんだけど…。
耳に入らないくらい集中してたようだね。
…何を読んでいたんだい?▼
- [リシテア]
- 戦術書ですよ。
アンナ隊長が貸してくれたので、
パラパラと眺めていたんですけど…▼
今まで知らなかった面白い戦術が、
いろいろと載っているのが興味深くて。
ついつい夢中になってしまいました。▼
- [アルフォンス]
- そうか。君たちの世界と僕らの世界では
兵学の成り立ちから違うわけだし、
見たことのない戦術も多いだろうね。▼
…それにしても意外だな。
君のような子供が戦術に興味を持つなんて。▼
- [リシテア]
- …は? 誰が子供ですって?▼
- [アルフォンス]
- 一緒に士官学校から来た英雄たちより
リシテアは、だいぶ年下なんだろう?
本当に感心するよ。▼
- [リシテア]
- …あんたとはもう話したくありません。
自室に戻りますので、失礼します。
はい、そこ邪魔です。どいてどいて。▼
- [アルフォンス]
- あれ…。
急に不機嫌になって、どうしたんだろう?
僕、何か悪いこと言ってしまったかな…。▼
- [リシテア]
- ふわぁああ…。▼
- [アルフォンス]
- リシテア、おはよう。▼
- [リシテア]
- あら、アルフォンス王子。
おはようございます。▼
- [アルフォンス]
- 良かった…。
まだ怒っているのかと。▼
- [リシテア]
- この前の事ですか。大丈夫ですよ。
わたし、引きずらない女なので。
大人げない態度をとってすみませんでした。▼
- [アルフォンス]
- 大人げ…。あ、いや、こちらこそごめん。
ところで、何だか眠そうだね。▼
- [リシテア]
- ええ、例の本を参考に
新しい戦術を考えていたら、
つい夜更かしを…。▼
- [アルフォンス]
- そんなに夢中になるなんて、
君は本当に兵学が好きなんだね。▼
- [リシテア]
- 別に好きじゃありませんけど。
この世界にいる限り学校には行けませんし、
何か学ばないと時間が持ったいないでしょ。▼
- [アルフォンス]
- もったいない、か…。努力家なんだね。
だけど、少し頑張り過ぎじゃないかい?
もっと肩の力を抜いてもいいと思うけれど。▼
- [リシテア]
- 怠けたい人は怠ければいいんです。
わたしには、そんな余裕はありません。
残された時間が、他の人より短いので。▼
- [アルフォンス]
- え、それはどういう…?▼
- [リシテア]
- あ、えーと…あんたと違って
いつ元の世界に戻されるか
わからないでしょ?ってことです。▼
- [アルフォンス]
- そうか…でも夜はちゃんと寝たほうが
いいと思うな。成長期の子供にとって
睡眠はすごく大事な…▼
- [リシテア]
- …は? これ以上話したくありません。
ごきげんよう、さようなら。▼
- [アルフォンス]
- あれ…子供扱いされるのが嫌いなのかな。
次に話す時は気をつけよう…。▼
- [アルフォンス]
- こんにちは、リシテア。▼
- [リシテア]
- 何か用ですか、アルフォンス王子?
この間のことなら、もういいですよ。
わたし、根に持たない女なので。▼
- [アルフォンス]
- ありがとう。
そういうのを大人の対応と言うんだろうね。▼
- [リシテア]
- 大人の対応…!
ええ、そうです。そうですとも。▼
- [アルフォンス]
- これからまた戦術の研究かい?▼
- [リシテア]
- いえ、天気がいいのでお散歩です。
この間、あなたに言われたでしょう?
肩の力を抜けって。▼
余裕がないように見えているなら
周りの人にも気を遣わせてしまうだろうし、
たまにはのんびりしようかな、と。▼
- [アルフォンス]
- うん、それがいいよ。
焦らず急がず、休む時は休む。
そういうのを大人の余裕と言うんだろうね。▼
- [リシテア]
- 大人の余裕…!
ええ、そうです。そうですとも。▼
- [アルフォンス]
- ところで、気になっている事があるんだ。
君のその…時間がないって話。
この前はなんとなく誤魔化されたけれど。▼
- [リシテア]
- あ…それは…その…▼
- [アルフォンス]
- いや、無理に話さなくてもいいんだ。
だけど、もし力になれることがあれば
何でも言ってほしい。▼
特務機関には、
いろいろな分野に秀でた人がいるし、
文献だってたくさんある。それから…▼
- [リシテア]
- ありがとう、アルフォンス王子。
でもわたしが抱える問題は、わたしの世界の
歪んだ事情から生じた問題ですから…。▼
あんたの気持ちだけ、受け取っておきます。
それじゃ。▼
- [アルフォンス]
- 結局、また行っちゃったか。
彼女は、子供っぽいところもあるけれど、
芯の部分は大人びているんだな…。▼
- [リシテア]
- アルフォンス王子、
ちょっといいですか。▼
- [アルフォンス]
- やあ、リシテア。
君から話しかけてくれるなんて珍しいね。▼
- [リシテア]
- あら、嫌味かしら。
…なーんてことは言いません。
大人の対応?▼
- [アルフォンス]
- あはは…それで何か僕に用かな。▼
- [リシテア]
- あんた、わたしの力になってくれるって
言いましたよね。
それを思い出して…▼
- [アルフォンス]
- 僕にできることなら喜んで協力するとも。
で、何だろう?▼
- [リシテア]
- あの…美味しいお紅茶を飲みたくて。
ちょっと休憩しようかな、と。
大人の余裕?▼
- [アルフォンス]
- 紅茶か…それなら広間にいる給仕に頼めば
すぐに淹れてくれるよ。▼
- [リシテア]
- あそこで出してくれるお紅茶は、
その…ちょっと苦くて…。
わたし、お砂糖たっぷりが好みなので。▼
- [アルフォンス]
- それなら、砂糖多めで注文すれば
ちゃんと甘く作ってくれると思うよ。▼
- [リシテア]
- お砂糖たっぷりで!なんて言ったら、
お子様っぽいじゃないですか。▼
- [アルフォンス]
- じゃあ、僕が代わりに頼んであげるよ。
他に欲しいものはある?
確か菓子もあったはずだけど…。▼
- [リシテア]
- お菓子! お菓子もお願いします!
ついでですし、折角なので、
どちらでもいいんですけど!▼
- [アルフォンス]
- わかった、紅茶と一緒にもらって来るよ。
…この前は大人びてると思ったけど、
やっぱり子供なんだなあ。▼
…っと、いけない。
リシテア、今のは冗談で…▼
- [リシテア]
- お菓子、お菓子♪
…ん? どうしたんですか?
早く行ってきてください。▼
- [アルフォンス]
- 聞こえてなかったか…良かった。▼
永遠の引き籠もり ベルナデッタ†
- [ベルナデッタ]
- …だ、誰もいないよね?
よーし、今のうちに…▼
- [シャロン]
- あれは…ベルナデッタさん?
こんな夜更けにどうしたんでしょう。▼
おーい!
ベルナデッタさーん!▼
- [ベルナデッタ]
- ぎゃああああああああ!
出たあああああああ!!▼
- [シャロン]
- うわあああ!?
な、何ですか!?▼
- [ベルナデッタ]
- ごめんなさいごめんなさい!
ベルは何も悪事など働いては…
処刑だけは! 処刑だけはやめてえええ!!▼
- [シャロン]
- ちょっと、ベルナデッタさん!
落ち着いて! 落ち着いてくださいー!▼
- [ベルナデッタ]
- いいいやああああ…あああ…ああ…あれ?
シャロンさん?▼
- [シャロン]
- ええ、そうです。
あなたのシャロンですよ!▼
- [ベルナデッタ]
- 何だあ、シャロンさんかあ…・。
えっ、シャロンさん?
こんな真夜中に何を?▼
まさかベルをつけ狙って、
この機会に亡き者にせんとおおお…▼
- [シャロン]
- 何でそうなっちゃうんですか。
ベルナデッタさんを見かけて、
何をしているのかと思っただけです。▼
- [ベルナデッタ]
- 本当ですか? 信じますからね?
それじゃあ言いますけど、
何をしてたかっていうと…▼
引き籠もって作業してたせいで、
ご飯を食べ損ねちゃったんです。
なので、こっそり厨房に行くつもりで…▼
- [シャロン]
- なるほど、そういうことだったんですね1
それならわたしが案内しますよ?▼
- [ベルナデッタ]
- シャロンさん…! 嬉しいですううう!
地獄で女神に出会えたみたいですううう!▼
- [ベルナデッタ]
- そーっと…そーっと…。
よし、誰もいな…▼
- [シャロン]
- ベルナデッタさん!
またお腹が空いたんですか?▼
- [ベルナデッタ]
- はんぎゃあああああ!?
なになにだれだれ何なのおおおおっ!?▼
- [シャロン]
- わわっ、落ち着いてくださいね、
ベルナデッタさん。
またシャロンですよ!▼
- [ベルナデッタ]
- シャロンさん?
もう、何度もやめてくださいよおお…。
ベルの寿命が半減だよお。▼
- [シャロン]
- ごめんなさい、驚かすつもりはなくて。
ただ、今日もご飯を
食べ損ねていたでしょう?▼
それで、お腹が空いてるんじゃないかと
思って持ってきたんです。
ほら、焼き菓子ですよ。▼
- [ベルナデッタ]
- え? いいんですか?
どうしてそんな親切に…はっ、まさかベルに
何度も借りを背負わせる作戦ですか!?▼
そうしてベルの心を縛っておいて、
何か酷いことで借りを返させようと
するんですねえええ!?▼
- [シャロン]
- だから、どうしてそうなっちゃうんですか!
ただの好意ですよ、好意!▼
- [ベルナデッタ]
- だって、信じられませんもん!
あたしに優しくしたって、
何も良いことないですしいいい!▼
- [シャロン]
- そういうことじゃないのに…
困ったなあ。▼
- [シャロン]
- ベルナデッタさん、少しいいですか?▼
- [ベルナデッタ]
- よくないです!
あっ? えっと、いや、いいですよ!
な、何でしょうか?▼
- [シャロン]
- たいしたことではないんですが…
いつも部屋で何をしているのかな、と。
作業がどうとか、言ってませんでした?▼
- [ベルナデッタ]
- 部屋で、ですか?
えーっと、今日は編み物をしてますよ?▼
- [シャロン]
- 編み物…すごいですね!
何を編んでいるんです?▼
- [ベルナデッタ]
- ひ、秘密です。
秘密でお願いします。▼
- [シャロン]
- 秘密?
そ、そんな、何か隠すような
ものなんですか?▼
- [ベルナデッタ]
- だって、言ったら絶対、笑いますし…
そんなことベルには耐えられません!
うえええええん!▼
- [シャロン]
- 落ち着いてくださいー!
笑いませんから…約束です!▼
- [ベルナデッタ]
- …じゃ、じゃあ言いますけど。
帽子です。
でも、ただの帽子じゃなくて。▼
こう頭からかぶって、あごまで顔を覆って
目のところだけ穴が二つ開いてて、
かぶったままでも目は見えるっていう…▼
そしたら、知らない人いっぱいのとこ
出歩いても、そんなに怖くないかなって。▼
…………。
…シャロンさん?▼
- [シャロン]
- …………。
…ぷぷっ、いや、その光景を…うぷぷっ、
想像したら、笑いが…ふふふふ…!▼
- [ベルナデッタ]
- やっぱり笑うじゃないですかあああああ!
もう引き籠もってやるうううう!!▼
- [シャロン]
- ベ、ベルナデッタさん!
ごめんなさーい!▼
- [シャロン]
- うう…この前はごめんなさい。
絶対に笑わない自信があったんですが…。▼
- [ベルナデッタ]
- いいんです。
だからあたしは引き籠もってるんですから。
笑われたって平気ですもん!▼
- [シャロン]
- すごいです、ベルナデッタさん!
でも、笑ってしまったことは
申し訳ないですし…▼
何かお詫び、できませんか?
欲しいものとか、してほしいこととか…。▼
- [ベルナデッタ]
- えっ、いいんですか?
…う、うーん。
えーと、じゃあ、お願いがあるんですけど。▼
- [シャロン]
- はい、何でしょう!
何でも言ってくださいね!▼
- [ベルナデッタ]
- ベルと、お友達になってほしいかなって。
い、いや、やっぱ迷惑ですよね!
やめます!▼
- [シャロン]
- 迷惑なんかじゃありません!
嬉しいです! やったー!
わたしたちはこれから、お友達ですよ!▼
- [ベルナデッタ]
- ほ、ほ、ホントですか!?
シャロンさあああああん!
ベルも感激だよおおおおお!▼
…えっと、それじゃ、
これからよろしくね。▼
- [シャロン]
- はい、よろしくお願いします!▼
- [ベルナデッタ]
- あ、でも、ベルのお部屋に入るのは
もう少し仲良くなってからじゃなきゃ
ダメですからね?▼
- [シャロン]
- は、はい?
わかりましたけど…▼
- [ベルナデッタ]
- あとあと、一緒にご飯…
…はギリギリ大丈夫かな。
お散歩するときは、距離をこんくらい…▼
- [シャロン]
- ベ、ベルナデッタさん!?
お友達になると、そんなにいろいろ
約束があるんですかーーっ!?▼
頑張り中毒 アネット†
- [アネット]
- はあ…あたしって、
どうしていつもこうなんだろう…▼
- [アンナ]
- あら、そんなに暗い顔をしていたら
折角の食事も美味しくなくなっちゃうわよ。
いったい何があったの、アネット?▼
- [アネット]
- えっと…実はですね。
お料理の時に、ちょっと失敗しちゃって。▼
- [アンナ]
- 料理の時に…?
そういえば、今日の料理は
あなたが作ったものだったわね。▼
十分美味しいし、特に何か
失敗しているようには見えないけれど…?▼
- [アネット]
- あ、あはは…
褒めてもらえるのは嬉しいんですけど…▼
あたし、最初はこういうお料理じゃなくて
食後のお菓子を作るつもりだったんです…。▼
- [アンナ]
- …えっと?
それは…どういうこと?▼
- [アネット]
- お菓子を作ろうと思って、
果物を煮込んでたんですけど…気づいたら
果物で風味をつけた煮込み料理に…▼
- [アンナ]
- …ちょっと待ってちょうだい。
何がどうして、果物のお菓子が
煮込み料理になっちゃったのかしら…?▼
- [アネット]
- フォドラでは見たこともないような食材が
市場にたくさん並んでるのを見て、
美味しそうだなあって思って…▼
つい、あれもこれもって
お鍋に入れるうちに…▼
- [アンナ]
- …と、とにかくっ、失敗したって、
出来上がったお料理が美味しいなら
何も問題ないじゃない。▼
- [アネット]
- そ、そうですよねっ。
はああ…よしっ、切り替えようっと!▼
- [アンナ]
- それにしても、
アネットは料理が上手よねえ。
掃除や洗濯も、かなり手馴れているし。▼
貴族の家の出身だって聞いていたから、
ちょっと意外な感じだわ。▼
- [アネット]
- あはは、貴族って言っても、
いろんな人がいますからね。
あたしみたいなのも珍しくはないですよ。▼
確かにあたしの伯父さんは、
お城で暮らしてる貴族なんですけど…▼
あたしはそこで育ったわけじゃなくて、
元々は父さんや母さんと一緒に
王都の小さいお屋敷で暮らしてたんです。▼
お手伝いの人を雇うほどでもないし、って
家の中のことは自分たちでやってましたから
料理や洗濯にも、抵抗がないというか。▼
- [アンナ]
- なるほど。だからアネットは、
そんなにしっかりしてるのね。▼
- [アネット]
- うーん…しっかりして、ますかね?
いつも、誰にもわかってもらえないような
変な失敗してばっかりですよ、あたし。▼
ついさっきも、
お鍋を火にかけてたら、
いきなり底が抜けちゃって…▼
- [アンナ]
- 底が、抜ける…!?
なかなか斬新な失敗ね…?
いったい何の料理を作っていたの?▼
- [アネット]
- あ、お料理をしていたわけじゃなくて
使った布巾を煮洗いしてたんです。
食べ物が無駄にならなかったのが救いかな…▼
- [アンナ]
- う、うーん…?
布巾を煮洗いしているだけなのに
何がどうして底が抜けるのかしら…▼
でもま、そういうこともあるわよね。
あんまり気に病まないでいきましょ!▼
- [アネット]
- アンナ隊長…!
…はいっ! あたし、もっと頑張ります!▼
- [アンナ]
- あら?
厨房からいい匂いが…▼
- [アネット]
- …あっ、アンナ隊長、こんにちは!
今、お料理の最中だったんですよ。▼
- [アンナ]
- へえ、料理の…
そうだ、よかったら手伝うわよ。
ちょうど仕事も片付いたところだったし。▼
- [アネット]
- わあっ、助かります!
それじゃ、ちょっとだけ
お願いしてもいいですか?▼
- [アンナ]
- ええ、任せてちょうだい!
これでも料理には自信があるのよね。
存分に腕前を披露してあげるわよ!▼
って、ちょっと待ってアネット。
今、鍋に何を入れようとしているの?▼
- [アネット]
- えっ? 蜂蜜ですけど…
ほら、食材との相性も良さそうですし、
隠し味にはちょうどいいかなって。▼
- [アンナ]
- 隠し味にしては、
入れる量が多すぎないかしら…?
今度は、お料理がお菓子になっちゃうわよ。▼
- [アネット]
- あっ…。た、確かに…。
助かります、アンナ隊長。
前と同じ失敗を繰り返すところでした。▼
- [アンナ]
- ふふっ、この私が厨房に入ったからには
もうアネットに失敗なんてさせないわ!▼
さ、二人で
とびきり美味しい料理を作っちゃいましょ!▼
- [アネット]
- はい! アンナ隊長と一緒なら、
なんだか変な失敗をしなくても
済みそうな気がします!▼
- [アネット]
- アンナ隊長、
この間はありがとうございました。
お料理、みんなに大好評でしたね!▼
- [アンナ]
- 私たちが力を合わせたんだもの、
あれくらい当然よ。▼
- [アネット]
- …そのですね、あたし、気づいたんです。
ちょっと肩に力が入り過ぎてたかなって。▼
お料理でもお掃除でも、戦いでも…
何でも一人で頑張らなきゃって思って
ずっと空回ってたっていうか。▼
だからこそ、いつも変な失敗ばかりして…
ほら、アンナ隊長と一緒に料理した時は、
いつもの失敗をせずに済んだでしょう?▼
- [アンナ]
- 何だって、一人で頑張るより、みんなで
協力したほうが、良い結果に繋がるものよ。
誰にだって得手不得手があるんだもの。▼
だからこれからも、何かあったら
遠慮なく私たちをあてにしてちょうだい。
私たちは、特務機関の仲間なんだから。▼
- [アネット]
- 仲間…▼
- [アンナ]
- あなたが何か失敗した時には、
私たちが手助けするし…▼
別の誰かが苦労している時には、
あなたにも手を貸してもらえると嬉しいわ。▼
- [アネット]
- …はいっ! もちろんですっ。
それが仲間、ですもんね!▼
- [アンナ]
- うんうん、よろしい。
…で、さっそくアネットに、
手伝ってもらいたいことがあるんだけど。▼
…実は、帳簿の計算が合わないのよー!
機関の財政を預かる者として失格だわ…!
お願いアネット、力を貸してちょうだい!▼
- [アネット]
- 帳簿の計算…
…はい、任せてください!
算術なら、大の得意ですからね!▼
コメント†
Last-modified: 2021-04-28 (水) 17:37:24