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章別会話

命が刻むもの

命が刻むもの

オープニング

[フュリー]
姉様…! マーニャ姉様!
本当に…マーニャ姉様なのですね!▼
[マーニャ]
フュリー…ああ…
まさかもう一度、貴方と
言葉を交わすことができるなんて。▼
姿こそ、私が最後に会ったときと
さほど変わっていませんけれど
その目から強い意志の力を感じます。▼
成長…したのですね。
うれしいですよ、フュリー。▼
[フュリー]
はい…! もう私は
昔の泣き虫フュリーではありません。▼
シレジアの天馬騎士としての誇りを胸に
マーニャ姉様に少しでも
近づけるように……ううっ。▼
ま、まだまだ精進が足りませんね。
もう泣かないと誓ったのに…
涙が…止まりません。▼
[シャロン]
ううっ、よかったですね!
マーニャさんとフュリーさんの
姉妹の絆をひしひしと感じます!▼
そういえば、
アゼルさんとレックスさんも
親友同士なんですよね?▼
[レックス]
ま、俺とアゼルは一緒に行軍してる
最中にここへ呼ばれたから、
感動の再会ってわけじゃないがな。▼
[マーニャ]
私が最後に覚えているのは…
シレジアの血に降り積もった
冷たい雪の感触。▼
それ以降、私の記憶はありません。
まるで、深く静かな水の中で
ずっとたゆたい続けていたような…。▼
[フュリー]
マーニャ姉様…。▼
[レックス]
ま、アスク王国でこうして再会できたのも
なにかの縁だったことだろう。
俺たちも力を貸すぜ、シャロン王女。▼
[マーニャ]
ええ。
英雄として再びこの剣を振るえるなら…
民の支えとなれるならば、喜んで。▼
[フュリー]
姉様とくつわを並べて戦えるなら
私も異存はありません。▼
アスク王国のため、
この槍を捧げましょう。▼
[シャロン]
みなさん、ありがとうございます…!
その力、頼りにさせてもらいますね!▼

C

[アゼル]
…………▼
[レックス]
どうした、考えごとか?▼
考えごとの中身を当ててやろうか?
どうせエーディン公女のことを
考えていたんだろ?▼
[アゼル]
確かにそうだけど…
それだけじゃないよ。▼
ぼくが飛び出してきた
ヴェルトマー公爵家や
グランベル王国の未来のこと…▼
考えることはいっぱいあるよ。▼
[レックス]
けど今、ユグドラル大陸のことを
悩んでも仕方がないだろ。▼
今はアスク王国に迫る
危機をなんとかしないと。
それが、目下の問題だ。▼
[アゼル]
そうだね。一刻も早く
この国の窮状を打開して…▼
[レックス]
どうした、まだなにか悩み事か?
お前の親友を何年やっていると思ってる。
なにか気になることでもあるのか?▼
[アゼル]
…マーニャさんのことなんだ。▼
彼女の最後の記憶は
シレジアの冷たい雪の感触って
言っていたよね。▼
[レックス]
ああ。おそらくマーニャは…
戦いの最中、志半ばで
倒れたんだろうな。▼
[アゼル]
このアスク王国での戦いがすべて終われば
英雄たちは元の世界…
召喚された場所に戻るんだろうか…?▼
でも、その時、
命を落としているマーニャさんは
いったい、どこに戻るのかな?▼
[レックス]
どこに戻るって、そりゃあ…
どこに戻るんだろうな?▼
[アゼル]
ぼく、フュリーさんに話してくるよ、
マーニャさんのこと。▼
もしかしたら、フュリーさん…
それにマーニャさんも
気づいているかもしれないけど。▼

B

[アルフォンス]
やあ、フュリー。
アスク王国での暮らしには
もう慣れたかい?▼
[フュリー]
はい。最初は戸惑いましたが
ヴァイス・ブレイヴの皆さんとも
ようやく打ち解けてきたところです。▼
…アルフォンス王子。
お伺いしたいことがあるのですが
よろしいでしょうか。▼
[アルフォンス]
なんだい、改まって。
僕に答えられることならいいけど。▼
[フュリー]
英雄がアスク王国での戦いを終えて…
元の世界へ帰還した時…
その存在はどうなるのでしょうか?▼
[アルフォンス]
そうだね。
僕も詳しいことは知らないけれど…▼
元の世界の元の場所…
召喚された時へ戻るのかもしれない…
そういう説の書を読んだことがあるよ。▼
[フュリー]
もしそうだとして、すでに命を落としていた
英雄が元の世界へ帰還した場合
その魂は、どうなるのでしょう?▼
[アルフォンス]
それは…僕にもわからないな。
すまない、フュリー。
力になれなくて。▼
[フュリー]
いえ、こちらこそ申し訳ありません。
アルフォンス王子を困らせるつもりは
なかったのですが…。▼
でも、これでひとつだけ
はっきりしました。▼
命を落としてしまった英雄が
元の世界へ帰還した場合
魂の行き先ははっきりしませんけれど…▼
アスク王国に留まり続ける限り
英雄として存在し続けることが
できるんですよね?▼
[アルフォンス]
確かに…その理屈は
あっているかもしれないね。
でも…。▼
[フュリー]
アスク王国に留まれば
私は姉様とずっと
同じ時間を刻むことができる…▼
アルフォンス王子…
私とマーニャ姉様をアスク王国に
このまま居させてもらえませんか?▼
マーニャ姉様がアスク王国で
生きているなら、私もこの地に残ります。
もう、離れ離れになりたくありません!▼
[マーニャ]
フュリー。ありがとう…
その気持ちはうれしいわ。▼
[フュリー]
マーニャ姉様…▼
[マーニャ]
でも、あなたには成すべきことがある。
英雄として、それを成し遂げるためにも
いつかはシレジアに戻らなくては。▼

A

[フュリー]
マーニャ姉様…!
ですが、私がシレジアに戻れば
姉様とは…もう…。▼
[マーニャ]
聞きなさい、フュリー。▼
本来ならば…戦いで倒れた私が
あなたと再会し、ともに戦うことは
叶うはずもない夢だったの。▼
でも…こうしてあなたと言葉を交わし
ともに戦うことができるなんて
奇跡以外のなにものでもない。▼
アスク王国で過ごしている時間は
私たちにとって、神様がくれた
特別な時間なのかもしれないわ。▼
[フュリー]
マーニャ…姉様…。▼
[マーニャ]
フュリー、あなたがこの地に呼ばれたのは
英雄だからなの。私の妹という理由で
導かれたわけではないの。▼
だから…務めを立派に果たしたあとは
英雄として、胸を張って…
元の世界に帰ってほしいの。▼
[アゼル]
ぼくも…マーニャさんの
言うとおりだと思うよ。▼
元の世界で成すべきことがあるのは
ヴァイス・ブレイヴにいる
多くの英雄たちも同じだよ。▼
アスク王国の危機を救ったあとは
それぞれの運命に立ち向かわなくては
いけないんだと思う…▼
[レックス]
そうだな…
俺も…果たすべき役目が
故郷に残っている…▼
[マーニャ]
もしアスク王国に平和が訪れたなら
フュリー…あなたもシレジアに戻り
成すべき使命を果たしてほしいの。▼
あなたの戦いは、アスク王国が
平和になったあとも続いていくのだから。▼
[フュリー]
マーニャ姉様、わかりました…
私…立派に務めを果たしてみせます。▼
それが、姉様の想いを受け継ぎ
姉様が生きた証を…
刻むことにもなるんですよね。▼
[マーニャ]
ありがとう、フュリー。
あなたがシレジアで生き続ける限り
あなたの中で私の命も続いていく。▼
[アルフォンス]
そうだね、命が刻んだものは
次の時代、次の英雄へと受け継がれ
絶えることなく続く…。▼
歴史はそうやって
前に進んでいくのかもしれないね。▼
[フュリー]
ですが…アスク王国にいる間は
シレジア天馬騎士マーニャ姉様の妹として
隣で戦わせてください。▼
マーニャ姉様と同じ時を精一杯生きたい。
姉様の想いを受け継げるように
英雄として成長してみせますから…!▼

若き炎 アゼル

C

[レックス]
そうか…
やはり、ヴァイス・ブレイヴに
アルヴィス卿もおられたのか。▼
[アゼル]
うん…シャロン王女に聞いたら
兄もヴァイス・ブレイヴに
力を貸しているって。▼
[レックス]
アルヴィス卿は傑出した英雄。
エクラが
頼るのも無理はないか。▼
[アゼル]
ヴァイス・ブレイヴにいる兄が
ぼくの世界にいた兄と
同じとは限らないけれど…▼
話を聞く限り、ぼくの知る兄と
同じ道を歩み同じ境遇にいた英雄と
考えて間違いないね。▼
[レックス]
ということは…
アゼルがヴェルトマー家を
飛び出したこともご存じ、ということか。▼
[アゼル]
エーディン様を助けるために
ぼくは家を飛び出し
シグルド公子と行動をともにした…▼
きっと兄は、そのことを
快く思っていないだろうね。▼
…ぼくにとって、兄は尊敬すべき人。
兄としてだけではなく
まるで父のようにぼくを導いてくれた。▼
でも、兄と接しているとき
ぼくは言いようのない
不安に駆られていたんだ。▼
それは…恐怖という言葉に
置き換えてもいいかもしれない。▼
だけど…いつまでも
逃げ回っているわけにはいかないね。▼
[レックス]
アルヴィス卿に会うのか?
それなら、俺も同行しよう。▼
[アゼル]
ありがとう、レックス。
でも、これはぼく個人の問題。
ぼくひとりで会いに行くよ。▼

B

[アゼル]
兄上…お久しぶりです。
挨拶が遅れたこと
申し訳ありません。▼
[アルヴィス]
アゼル、お前も召喚に応じ
アスク王国に来たのだな。▼
この国は災禍に晒され続けている。
民の命を守るため
お前も力を貸してやれ。▼
[アゼル]
兄上は…ぼくが知っている時代よりも
少し先の未来からいらしたのですね。▼
シャロン王女から伺いました。
シグルド公子と雌雄を決したと。▼
[アルヴィス]
…そうだ。すべては
我が理想を叶え
大陸に悠久の平和を築くため…▼
[アゼル]
やっぱり…兄上はすごい方だ。
ぼくなんか足元にも及びません。▼
……。
あの、兄上。
ぼくを責めないのですか?▼
ぼくはヴェルトマー家の一員として
務めを果たすこともなく
個人的な理由で家を出ました。▼
まるで…
兄上から逃げ出すように。▼
[アルヴィス]
……。▼
[アゼル]
エーディン様を救いたい一心で
家を飛び出したことは事実です。
でもそれは、正当な理由にはなりません。▼
ぼくは…咎められるべきだと思うのです。
そして兄上には…
ぼくを咎める権利がある。▼
[アルヴィス]
アゼルよ。
お前は勘違いをしているな。▼
[アゼル]
え? 勘違い…ですか?▼

A

[アルヴィス]
アゼルよ、私が戦った理由は
差別のない、誰もが住みやすい
世界を作るため…▼
そのために多くの犠牲を払い
理想を形にするために邁進した。▼
[アゼル]
……▼
[アルヴィス]
人それぞれに信ずるものがあり
人それぞれに掲げる信念がある。▼
それは他人に否定されるものではなく
他人に無理強いされるものでもない。▼
思想や信条に関わらず
誰もが差別を受けずに暮らせる世界。
それが私の目指す世界だ。▼
[アゼル]
兄上の目指す世界…▼
[アルヴィス]
アゼルよ。信じる者のために
お前が道を選んだとするなら
それはお前の自由だ。▼
その選択が咎められる
世界になってはならぬ。
ゆえに私はお前を責めはしない。▼
[アゼル]
兄上…。▼
[アルヴィス]
だが、覚えておけ。
選択には責任も伴うということを。▼
その選択によって、なにを失うのか。
そして、なにを得るのか。▼
それはすべて、お前の責任だ。
誰のせいにすることもできぬ。▼
[アゼル]
はい…。
ぼくは…ぼくの選んだ道を
責任をもって歩むつもりです。▼
[アルヴィス]
ならば、
自分の信じる道を歩むがいい。▼
後悔のないように、な。▼

S

[レックス]
…なるほどな。
それがアルヴィス卿のお考えか。▼
[アゼル]
実際に会ってみると
ぼくが知っている兄よりも
さらに凄みを感じたよ。▼
[レックス]
やはりアルヴィス卿は不思議な人だ。
その手段に賛同はしかねるが…▼
胸中に宿す信念には
揺るがぬ強さ、気高さを感じる。▼
きっと…己が進むべき未来が
明確に見えているのだろうな。▼
[アゼル]
未来が見えている…か。
そうだね。やっぱり兄はすごい人だ。▼
[レックス]
でも、勝手に家を飛び出したことを
𠮟責されずに済んでよかったな。▼
[アゼル]
そのことなんだけど…
怒ってくれたほうが
まだ傷は浅く済んだ気がするんだ。▼
[レックス]
どういうことだ?▼
[アゼル]
兄は、ぼくの選択を尊重し
自分の選択に責任を持てと言った。▼
それはつまり、この先
兄と対立することになっても
もう容赦はしないということだと思う。▼
[レックス]
なるほど。アルヴィス卿は
そう言いたかったわけか。
そいつは厄介だな。▼
[アゼル]
でもぼくは…
すでに選択してしまった。
レックスも巻き込む形で…▼
[レックス]
それを言うなら
お前についていくことを選んだ俺にも
選択した責任があるってことさ。▼
お前が気にする必要はないぜ。▼
[アゼル]
ありがとう、レックス。
アスク王国に召喚されたのが
一緒で本当によかったよ。▼
この先、兄と対立することになっても
ぼくはぼくが信じた道を進もうと思う。▼
誰にも泣き言は言えないし
誰のせいにもできない。
すべて、ぼくの責任だ。▼
でもその先には…
目指すべき未来がきっとあると思うんだ。
そう信じて、ぼくの道を行くよ。▼
[レックス]
ああ、それでいい。
心細くなったら、俺を頼ってくれ。
責任を持って面倒見てやるぜ。▼
[アゼル]
ふふっ、なるべく
迷惑をかけないように頑張ってみるよ。
この世界で…さらに成長できるようにね。▼

護国の天馬騎士 マーニャ

C

[レヴィン]
マーニャ…!
本当に…マーニャなのか?▼
[マーニャ]
レヴィン様…▼
シレジア天馬騎士のマーニャ。
エクラ様の
召喚に応じ、アスク王国に馳せ参じました。▼
レヴィン様は以前よりこの地で
ヴァイス・ブレイブの一員として
活躍されていたと聞いております。▼
[レヴィン]
ああ、その通りだ。
一難去ってまた一難。
この国は次々と災厄に見舞われている。▼
風まかせで生きてきた
一介の吟遊詩人にとって
ここはなかなか厳しい土地だよ。▼
[マーニャ]
またそんなことをおっしゃって。
一介の吟遊詩人にしては
背負われているものが大きすぎますよ。▼
[レヴィン]
……▼
マーニャ、すまない。
もし再び会えることがあったら
心から謝りたいと、そう思っていた。▼
俺は…シレジアを襲った嵐から
母上やあんたを守ることができなかった。▼
[マーニャ]
……▼
[レヴィン]
責任から逃れた代償は
あまりにも大きかった。
取り返しのつかないほどに…な。▼
守るべきものは見えていたはずなのに
俺は…成すべきことを成せなかった。▼
[マーニャ]
レヴィン様、お顔を上げてください。▼
フュリーたちから聞きました。
私が倒れたあとも
レヴィン様たちの戦いが続いたことを。▼
そして、平和な夜を願う想いは
次の世代へと受け継がれたということも。▼
私たちの戦いは無駄ではなかった。
それを知ることができて…
私は救われました。▼
[レヴィン]
マーニャ…▼
[マーニャ]
ですからレヴィン様
気になさらないでください。▼
これからはアスク王国を守る騎士として
レヴィン様のおそばで戦う所存です。▼

B

[アンナ]
マーニャ。
アスク王国にはもう慣れたかしら?▼
[マーニャ]
ええ、おかげさまで。
見知った顔もいますし
訓練にもすぐに慣れました。▼
シレジアでもアスク王国でも
私がやることは変わりません。▼
戦いの中に身を置き
守るべきもののために剣を振るうことが
騎士の務めですから。▼
[アンナ]
マーニャは真面目なのね。
気を抜くすぐに訓練をサボろうとする
英雄だっているのよ?▼
マーニャの爪の垢を煎じて
飲ませてあげたいわね!▼
でも、せっかくアスク王国に来たことだし
これまでとは違う生き方をしてみるのも
いいかもしれないわね。▼
[マーニャ]
これまでとは違う生き方…ですか?▼
[アンナ]
アスク王国を守るために
英雄たちの力を借りているけど
それだけでいいとは思えないの。▼
召喚に応じてくれた英雄には
この国での出会いを通じて
新たな可能性を見つけてほしいのよ。▼
[マーニャ]
ですが、アスク王国に危機が迫る中
そのような気の緩みを見せるわけには…▼
[アンナ]
それ! それなのよ!
その考え方から変えていきましょう!▼
マーニャも英雄である前に
ひとりの人間。それもお年頃の!
日常生活も充実させてしかるべきよ!▼
[マーニャ]
ア、アンナ隊長。
わ、わかりましたから!
顔が…近いです…!▼
[アンナ]
ヴァイス・ブレイブのいいところは
しがらみに縛られず
誰もが自由に振る舞えることよ。▼
これを機会に
マーニャも戦うこと以外の
新しいことに挑戦してみるといいわ。▼
[マーニャ]
戦うことしかできなかった私に
新しいことが…できるのでしょうか?▼

A

[アンナ]
聞いたわよ、マーニャ。
編み物をはじめたんですって?▼
[マーニャ]
これは…アンナ隊長。
ええ、編み物を
教えてもらっているんです。▼
[フォレオ]
マーニャさん、すごく筋がいいんですよ。
元々、手先が器用なんでしょうか?
飲み込みもすごく早いし。▼
[マーニャ]
まだ不慣れではありますが
戦いや訓練の間に練習しているんです。▼
[アンナ]
って、私より全然上手じゃない!
ひょっとして才能あるんじゃないの?▼
[マーニャ]
今まで、こういうことは
やったことがなかったのですが…▼
編み目と指先に意識を向けていると
集中力が養われていくのを感じます。
これは戦いにも活かせそうですね。▼
[フォレオ]
だめですよ、マーニャさん。
今は戦いのことは忘れて
可愛いショールを完成させましょう!▼
[マーニャ]
そうでしたね。
私としたことが、ついうっかり…▼
[アンナ]
ま、まあ、染み付いた生き方は
そう簡単には変えられないわよね。▼
[フォレオ]
でも、マーニャさん。
昨日はフレデリクさんと
キノコ狩りに行ったんですよね?▼
その前の日は、リネアさんに
ダンスを習っていたとか。▼
[マーニャ]
はい。ヴァイス・ブレイヴの方々は
とてもいい人たちばかりです。▼
どれも今まで私が
体験したことないものばかりで…
おかげで、充実した日々を送っています。▼
[フォレオ]
アスク王国の平和を守ることも大事だけど
自分の可能性を広げることも大切だと
僕は思いますよ。▼
次の訓練までまだ時間がありますから
このショール、完成させましょう。
妹さんに贈るんですよね?▼
[マーニャ]
ええ、そのつもりです。
フュリー、喜んでくれるといいけど。▼
[フォレオ]
きっと喜んでくれますよ。
心のこもった贈り物を喜ばない人は
この世にはいませんからね!▼

S

[マーニャ]
あの、レヴィン様。
少しよろしいでしょうか?
[レヴィン]
ん…?
その手に持っている包みは?
[マーニャ]
あの、これ…レヴィン様に
差し上げようと思って。▼
[レヴィン]
これは…見事なターバンだな。
マーニャが編んだのか?▼
[マーニャ]
はい。不出来ですが
心だけは一生懸命込めたつもりです。▼
[レヴィン]
いや、見事な仕上がりだ。
ありがたくもらっておこう。▼
[マーニャ]
そ、そう言っていただけますと
私も頑張った甲斐がありました。▼
[レヴィン]
気のせいか、以前よりも
活き活きしているように見えるな。▼
いや、気のせいじゃない。
マーニャのまわりに…
よい風を感じる…▼
[マーニャ]
レヴィン様…。
私はこれまでシレジアの騎士として
戦いの中に身を置き続けてきました。▼
そういう生き方しかできない…
そう自分でも思っていました。▼
ですが、アスク王国に来て
私はいろいろな可能性を知りました。
戦い以外の日常を。▼
[レヴィン]
なるほどな。
それがマーニャをよい方向へと
変化させたのだな。▼
[マーニャ]
なんでもない日常。
でもそれは、守るべき大切な時間。▼
戦い以外の時間を過ごすことで
私は真に守るべきものを
理解できたような気がします。▼
[レヴィン]
なんでもない日常。
戦火に巻きこまれることなく続いていく
日々の営みか…。▼
それこそが…世界の宝だ。
いにしえの聖騎士たちも
それを守るために命をかけたはずだ。▼
[マーニャ]
はい。わたしもそう思います。▼
ユグドラル大陸での私は
騎士として生き、騎士として
その人生を終えたのでしょう。▼
[レヴィン]
……。▼
[マーニャ]
ですが、アスク王国での日々は
もしかすると…私が歩めたかもしれない
ほかの可能性のような気がするのです。▼
これから、いろいろなことに挑戦して
自分の可能性を広げていければ…
今ではそんなことも考えているんですよ。▼
[レヴィン]
ああ、きっとできるさ。
この世界でなら。▼
[マーニャ]
はい。民を守り、日常を守り
そして、大切な人々を守る。▼
この国に平和が訪れるその日まで
さまざまな可能性に挑戦してみます。▼

若き戦刃 レックス

C

[レックス]
アスク王国に来ても…
俺のやるべきことは変わらない。▼
この湖畔は人もいないし
訓練にもってこいの場所だな。
では…はじめるか!▼

(暗転)
[レックス]
せいっ! はぁっ…!
くっ!?▼
しまった!
鉄の斧を湖に落としてしまった!▼
な、なんだ…?
湖が渦を巻いて…
なにかが出てくる…!?▼
[バアトル]
ガハハッ わしの名はバアトル!▼
おぬしが落としたのは
この豪斧トマホークか?
それともハロルドの雄斧か!?▼
[レックス]
い、いや…俺が落としたのは
そんなたいそうな名がついた斧じゃない。
ただの訓練用の鉄の斧さ。▼
[バアトル]
むうッ! なんという正直者!
おぬし、見込みがあるな!▼
その素質を見込んで
斧使いの英雄で構成された
【斧の会】に迎えてやろうではないか!▼
[レックス]
お、斧の会…?
それはともかくとして…
あんたは湖でなにやってたんだよ。▼
[バアトル]
ガハハッ! ちと水練をな!
向こうには斧の会のメンバーも
泳いでいるぞ。▼
斧使いは水辺での戦いも強い、と
昔からの伝統があってな!
ゆえに水練は欠かせぬのだ!▼
[レックス]
そ、そういうものなのか…▼
[バアトル]
お主も斧の腕をさらに磨きたいのなら
いつでも斧の会の門を叩くがいい。
喜んで迎えようぞ!▼
では、わしは水練の続きがあるからな!
また会おう、ガハハハハッ!▼
[レックス]
お、おい! 待てっ…!
すごい勢いで泳いでいっちまった…▼
斧の会とかいうのはいいとして…
俺の鉄の斧はどうなったんだよ。▼

B

[レックス]
よし、今日も斧の訓練に勤しむか。
先日は妙な邪魔が入ったが
今日は大丈夫だろう。▼
アンナ隊長に頼んで
新しい鉄の斧も用意してもらったし
気合を入れて訓練再開だ!▼

(暗転)
[レックス]
せいっ! はぁっ…!
くっ!?▼
しまった!
鉄の斧を湖に落としてしまった!▼
むっ…? な、なんだ、この歌声は?
この世のものとは思えぬ美しさ…
どこから聞こえてくるんだ!?▼
……!▼
誰だ、そこにいるのは…!?▼
[アクア]
私はアクア。
ここで…歌の練習をしていたの。▼
さきほどあなたが湖に落としたのは…
このウルズ?
それとも、アイムールかしら?▼
[レックス]
い、いや、俺が落としたのは
そんなたいそうな斧じゃない。
ただの訓練用の鉄の斧だ。▼
[アクア]
あなたは正直者ね。▼
私は…私たちは【見えざる斧の会】。
秘めやかに密やかに、品位を持って
斧の価値を世の中に浸透させる集まり。▼
[エーデルガルト]
斧は自らの決意、そして信念を映し
理想を形にしていく崇高な武器よ。▼
[レックス]
うわっ、増えた!?▼
[エーデルガルト]
斧は力任せに振るっても
結果は出せない…▼
大切なのは
どのような苦難を前にしても
怯まぬ心を養っていくこと。▼
斧を手にする英雄としての覚悟を示し
妥協なく切磋琢磨するために
私たちはこの会を作ったの。▼
[フレデリク]
主を守り抜くため
あらゆる障害を破砕できるのは
数多の武器においても斧だけです。▼
声高に喧伝せずとも
誠意を持って穏やかに説けば
その素晴らしさは万民に伝わりましょう。▼
[レックス]
…斧はいい武器だとは思うが…
…それを万民に伝える必要はあるのか…?▼
[アクア]
あなたの心の内からも…
強くなりたいという意思を感じる。▼
その意思が泡と消えてしまう前に
私たち、見えざる斧の会に
加わってくれることを願うわ。▼
[エーデルガルト]
次に会うときは
あなたの意思を聞かせてほしい。
それじゃ、失礼するわ。▼
[レックス]
お、おい! 待ってくれ…!
連中、歌いながらいっちまった…▼
見えざる斧の会…
この前、勧誘された奴らとは
また違う集団なのか?▼
というか、俺の鉄の斧は
また戻ってこないのかよ…▼

A

[アゼル]
斧の会に
見えざる斧の会か…▼
ヴァイス・ブレイヴには
面白い互助組織があるんだね。▼
[レックス]
なんとなくだが
どちらも胡散臭かったけどな。▼
[アゼル]
レックスはそれらの会に
入るつもりはないの?▼
[レックス]
んんー、今のところ
よくわからないというのが
正直な気持ちだな。▼
[アゼル]
ぼくの細い腕じゃ斧を
振るうなんてことはできないけど…▼
アスク王国では
そんなにも斧が愛されているんだ。▼
国が変われば風習も変わる…
なるほど、勉強になるね。▼
[レックス]
いや、アスク王国だからという
理由じゃなさそうだったけどな。
連中の口ぶりを聞いていると。▼
[アゼル]
でも、英雄同士で切磋琢磨できるのなら
どちらかにお世話になっても
いいんじゃないかな。▼
斧戦士ネールの血を引く
レックスはまだまだ
強くなれると思うしね。▼
[レックス]
血を引いているというだけで
強くなれれば世話はないが
強くなりたいと思うのは確かだな。▼
[アゼル]
いいきっかけかもしれないね。
もしかすると英雄として
一回り大きくなれるかもしれないよ。▼
[レックス]
まあ、アスク王国に召喚されて
あいつらと出会ったのもなにかの縁だ。
考えてみても…いいかもしれないな。▼

S

[アゼル]
えっ! 結局どちらの会にも
入らなかったのかい!?▼
[レックス]
ああ、さっき断ってきた。
ヴァイス・ブレイヴの斧使いが皆
加入しているわけではなさそうだしな。▼
[アゼル]
もったいない…
今までとは違う鍛え方で
強くなれたかもしれないのに。▼
[レックス]
問題ないさ。
俺は俺のやり方で強くなってみせる。▼
訓練はひとりで打ち込むことができるし
実戦で成長する機会もある。▼
なにより…
アゼルのそばにいないと
なにかあったとき、助けてやれないしな。▼
[アゼル]
し、心配しすぎだよ…!▼
でも、ありがとう。
ぼくの身を案じてくれて
やっぱりレックスは頼りになるね。▼
[レックス]
さてと、今日も訓練に行ってくるか。▼
おっと、その前に…
アンナ隊長のところに行って
訓練用の斧を受け取ってこないとな。▼

(暗転)
[アクア]
レックスを勧誘することはできなかったわ。
有望な人材なのに、残念ね。▼
[???]
まだまだ異界には
たくさんの斧使いがいるわ。
焦らず、次の機会を待ちましょう。▼
[アクア]
ええ、そうするわ。
見えざる斧の会は
力押しの集団に負けたりはしない。▼
私たちのやり方でアスク王国に
斧の優美さを響かせてみせる。
ユラリ…ユルレリ…。▼

(暗転)
[アンナ]
フフフフ…
斧の会と見えざる斧の会…
いい具合に競合してきたわね。▼
ふたつの組織が競い合えば
彼らの勢力はさらに力をつけるはず。▼
さあ、もっと互いに切磋琢磨するのよ!
斧使いの地位向上となにより…
斧の需要増加のために!▼
[レックス]
アンナ隊長…
ずいぶんとうれしそうだけど
なにかいいことでもあったのか?▼
[アンナ]
ぎゃぁぁぁーっ!
レ、レックス。いつの間に!?
って、どうしてここに!?▼
[レックス]
いや、湖に鉄の斧を落としちまったんで
新しい斧を用意してもらおうかなって。▼
それよりアンナ隊長
さっきの話は…▼
[アンナ]
な、なんのことかしら!?
さっきのはただのひとり言よ!
おほほ、おほほほほほ…!▼
[レックス]
……。
…アゼル…どうやら俺の選択は
間違ってなかったみたいだぞ…▼

真面目な天馬騎士 フュリー

C

[セティ]
母上!
母上ではないですか…!▼
[フュリー]
ははうえ? え? 誰のことかしら?
ここには私しかいない気が…▼
[セティ]
ええ。この世界で
母上にお会いできるとは…
私はセティ、あなたの息子です。▼
[フュリー]
ちょ、ちょっと待ってくださいっ…!
私の!? 私の子…!?
いったいどういうことなのですか!?▼
それにあなた、さっき自分の名前を
セティって名乗りましたよね?▼
[セティ]
はい…。私の名前はセティです。
両親からもらった誇らしい名前です。▼
[フュリー]
も、もし私があなたの母親だとしても
風の聖戦士と同じ名前をつけるだなんて
なんと恐れ多い……▼
はっ…! 私の息子ということは
ち、父親も…
そ、存在しているわけですよね!?▼
[セティ]
はい。父の名前は…▼
[フュリー]
ま、待って! だ、だめ、だめです!
言ってはいけません!
それを聞いてはいけない気がします!▼
[セティ]
あ、あの、母上、落ち着いて…。▼
[フュリー]
いきなり自分の息子を名乗る英雄と出会って
落ち着いてなんかいられませんよ!
し、失礼しますっ!▼

B

[フィヨルム]
え…? フュリーさんの息子と名乗る
英雄に会ったのですか?▼
[フュリー]
そうなんです…。
驚いて心臓が飛び出るかと思いました。▼
じ、自分にはその…
まだ決まった人もいないのに…
息子に出会ってしまうなんて…▼
[フィヨルム]
この世界にはいろいろな異界…
いろいろな時代から英雄が召喚されます。▼
自分の親の若い頃に出会うとか
まだ生まれていない子どもに出会う…
こういう出来事もよくあるようです。▼
[フュリー]
そうなのですね…▼
あっ…! もしかして
フィヨルム王女のご子息やご息女も
ヴァイス・ブレイヴにいらっしゃるとか?▼
[フィヨルム]
わ、わたしの、こ、ここ、子ども…!?▼
……▼
…………▼
[フュリー]
た、大変…!
フィヨルム王女が息をしていない!?▼
[フィヨルム]
…はぁ、はぁ! だ、大丈夫です。
突然の質問にびっくりして
息が止まってしまいました。▼
[フュリー]
わかっていただけましたでしょうか。
それほどの衝撃なのです…▼
[フィヨルム]
イーリス聖王国や白夜王国、
それに暗夜王国のみなさんは元の世界でも
自分の子どもと出会ったそうですが…▼
自分の身に置き換えて考えると
その衝撃はやっぱり大きいですよね。▼
[フュリー]
もし、セティが本当に私の息子だとしたら
一体父親は誰なのか…▼
知りたいような気もしますが
知ってしまうと自分の運命が
定まってしまうようで怖いのです。▼
申し訳ありません、フィヨルム王女。
こんなことを相談してしまって…▼
[フィヨルム]
い、いえ、私こそ力になれず…
こういった方面の話題には疎いので…▼
父親ですか。確かに気になりますね。
今のフュリーさんが
ご存知の方でしょうか。▼
[フュリー]
あーっ! だ、だめですっ!
そのことを考えるだけでも
槍を持つ手から力が抜けてしまいます!!▼
わ、私にはシレジアを守り
ラーナ様をお支えするという使命が…
こ、子供なんてまだ早すぎますっ!▼
[フィヨルム]
フュリーさん、とりあえず
この紅茶を飲んで落ち着いて!▼
[フュリー]
め、面目ありません、うぅ…。▼
戦いは慣れてきたと思っていたのに
こんなことでマーニャ姉様に
心配かけるわけにはいきません。▼
ぐす…心がどんどんかき乱されて
このままでは昔の泣き虫フュリーに
戻ってしまいそうです…▼
[フィヨルム]
フュリーさん…▼
特務機関にはいろいろな英雄がいます。
こういった悩みの相談に乗ってくれる方も
いるかもしれませんよ。▼
[フュリー]
こういった悩み…ですか。
そうだ、ひとり…いました!
彼女もこの地に召喚されていたはずです。▼
踊り子のシルヴィア…
彼女なら私の話を
聞いてくれるかもしれません!▼

A

[シルヴィア]
どうしてあたしがあなたの相談に
乗らなきゃなんないのよ!▼
あたし、レヴィン*1
付き合おうかなってあなたに話した時
「気品がないとだめ」って言われたのよ!▼
[フュリー]
い、いや、そのっ…あれは…
つい口をついて出た言葉で…▼
[シルヴィア]
ふん。常日頃そう思ってないと
あんな言葉は出ないわよ。
失礼しちゃうわ!▼
[フュリー]
ほ、本当にごめんなさい…
でも、こんなことを相談できるのは
あなたしかいないの。▼
[シルヴィア]
いっそセティに聞けばいいじゃない。
「あなたの父親の名前を教えて」って。
それだけでスッキリするわよ。▼
[フュリー]
そ、それができないから
こうして相談しているのよっ!▼
[シルヴィア]
怖いのね。セティの口から
貴方が思い浮かべている人とは違う
名前が出ることを。▼
[フュリー]
……
ええ…その通りよ。▼
うっ、ぐすっ…ごめんなさい。
あなた以外に思いつかなくて…▼
あなただって…
辛い思いをしているかも…
しれないのに…▼
[シルヴィア]
……▼

S

[シルヴィア]
……。
ねぇ。父親は誰か、なんて
別に気にしなくていいんじゃない?▼
[フュリー]
え? き、気にすることはないって
それは…どういう…▼
[シルヴィア]
ヴァイス・ブレイヴにいるセティが
あなたと同じ世界から来たとは
限らないでしょ。▼
あなたとは違う世界の英雄かもしれない…
いくつも存在する未来…
その可能性のひとつってこと。▼
[フュリー]
可能性の…ひとつ…。▼
[シルヴィア]
いい?
だから未来は決まってないってこと。▼
ヴァイス・ブレイヴにいる
セティが、あなたと…レヴィンの
息子だったとしても…▼
あたしは絶対にレヴィンを諦めないわよ。
だってあたしの未来は
決まってないんだから!▼
[フュリー]
……。
ありがとう、シルヴィア。
おかげで心が少し楽になったわ。▼
セティには、父親が誰かは
聞かないことにする。▼
これから先、自分が誰を愛し
誰に想いを伝えるかは自分で決める。▼
望む未来に進むためにも…
自分の想いを信じてみるわ。▼

コメント



*1 当初は「レヴィン様」と様付けになっていたが、原作での呼び方に合わせて呼び捨てに変更された

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Last-modified: 2021-11-29 (月) 07:34:05
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