[広告]

章別会話
動乱の渦に抗う者†
動乱の渦に抗う者†
オープニング†
- [ヌイババ]
- 言ったでしょう。
私はエクラの
思い通りになるつもりはない。▼
この場は退かせていただくわ。
おほほほほ…!▼
- [アルム]
- 逃がさないぞ、ヌイババ!
セリカを…セリカを返せ!▼
- [ノーマ]
- 待つのじゃ、アルム。
深追いしてはならぬ!▼
- [ジェシー]
- あらー…
アルムだけでいっちゃったよ。
仕方ない、俺が追いかけるよ。▼
- [ノーマ]
- さすがに、わしの足では
追いつけそうにないからのう。
すまぬが任せたぞ。▼
- (暗転)
- [ノーマ]
- おお、戻ったかジェシー。
しかし、その様子では
アルムを連れ戻せなんだか。▼
- [ジェシー]
- 面目ない。
途中で姿を見失っちまった。▼
いったんノーマと合流しておこうと
引き返して来たんだけど…。▼
その前に…
そこで覗き見しているのは誰かな?▼
- [ノーマ]
- 草むらに人の気配、か。
おとなしく出て来たほうがよいぞ。▼
こう見えてもこやつは
腕の立つ傭兵じゃからのう…
あやしい輩は剣で真っ二つじゃ。▼
- [ラタトスク]
- はわわわわ!
あああやしくないです!▼
- [ノーマ]
- ほっほっほ。
お前さんのことは城で見かけたの…
【癒し手】のラタトスクじゃったか?▼
- [ラタトスク]
- は、はいっ、ラタトスクです!▼
二人が困ってるみたいだったから
様子を見てたのですが…
そそその、なにかあったんですか?▼
- [ジェシー]
- いやあ…それがな。
ヌイババって魔女に
セリカが捕まっちゃったんだよね。▼
- [ラタトスク]
- セリカ王女が!?▼
- [ジェシー]
- で、それを追いかけて
アルムが飛び出しちゃってさあ。
俺らが追いかけてるところなんだ。▼
- [ラタトスク]
- たた大変じゃないですか!
あたしも協力しますから
すぐ助けにいきましょう!▼
- [ノーマ]
- おお、それは心強いのう。
じゃが、どこへ向かえばよいものか…。▼
- [ジェシー]
- そいつはご心配なく。
だいたいの方角は見当ついてる。
さあ、急ぐとしよう!▼
- (暗転)
- [アルム]
- ここまでだ、ヌイババ。
セリカは返してもらう!▼
- [ヌイババ]
- ふふ、ずいぶんとご執心ね。
この娘を大切に想うのはわかるけど
それがあなたの首を絞めるのよ?▼
さあ、アルム。
ここで終わりにしましょう…。▼
- [アルム]
- 無駄なことはやめるんだ、ヌイババ。
ここで争う意味はない。▼
お前だって聞いただろう?
アスク王国に召喚された英雄は
お互い傷つけ合えないんだ。▼
無駄な騒動を
アスク王国に持ち込むんじゃない!▼
- [ヌイババ]
- ふふ、威勢がいいわね。
自分の言っていることは
絶対に正しいと疑わない傲慢さ…。▼
それも見納めかと思うと残念だわ。▼
- [アルム]
- なんだって…?
僕があきらめるとでも
思っているのか!▼
- [ヌイババ]
- ええ、きっとそうなるわ。
あなたもそう思うでしょ、セリカ。▼
- [セリカ]
- ……。▼
- [アルム]
- セリカ! 無事だったのか!?▼
- [セリカ]
- ……。▼
- [アルム]
- もう大丈夫だよ。
すぐに助けて…あげ…る…。▼
く…ううっ…なんだ…?
身体の力が抜けて…
いしき…が…。▼
……。▼
- [ヌイババ]
- ふふっ、おほほほほ!
うまくいったようね!▼
教えてあげるわ、アルム。
私はセリカをさらってなどいないの。
このセリカは私の術による幻影よ!▼
聖痕を持つアルムの魂を取り込んで
不老不死を手に入れる…
それが私の目的。▼
あら、ごめんなさいアルム。
幻影に意識を奪われたあなたに
私の声が届くはずなかったわね。▼
- [アルム]
- ……。▼
- [ヌイババ]
- アスク王国で互いに戦えないのなら
魂だけを支配下に置いておけばいい。▼
その続きは、バレンシア大陸に戻ってから
ゆっくりと仕上げてあげるわ。
うふふふ!▼
- [アルム]
- ……。▼
- [ヌイババ]
- さて、今のうちに呪いをかけて
アルムを私の支配下に
置いてしまいましょう。▼
- (白く光る)
- [ヌイババ]
- この気配は…何者!?▼
- [ジェシー]
- おーっと、そこまでにしてもらえるかな?
アルムになにかあったら
セリカが悲しむんだよね。▼
- [ヌイババ]
- ふん。いいところで
邪魔をしてくれたわね。▼
- [ラタトスク]
- 無事ですか、アルムさん!?▼
- [アルム]
- ……。▼
- [ノーマ]
- これは…なにか怪しげな術を
掛けられているようじゃな。▼
- [ジェシー]
- エクラとの
契約で、あんたとは
剣を交えることはできないからさ。▼
とっととアルムを
元に戻してくれないかな?▼
- [ヌイババ]
- それはできない相談ね。
あなたたちにも
幻影を見てもらうとしましょう。▼
- (白く光る)
- [ノーマ]
- ぐううっ…!▼
- [ラタトスク]
- あわわ…ノーマ様っ!!▼
- [セリカ]
- ……。▼
- [ジェシー]
- な、なんだ…?
突然、セリカが現れたぞ…?▼
- [ヌイババ]
- へえ、あなたから生まれた幻影も
セリカなのね。▼
私の術は、心に抱く
もっとも大切な人間を
幻影として見せるのよ。▼
そして…戦う意欲を消し去り
やがては意識そのものを奪う。▼
さあ、セリカ。
アルムと同じように
ノーマの意識も奪いなさい。▼
- [ボーイ]
- ……。▼
- [ヌイババ]
- なっ…?▼
- [ラタトスク]
- わわわ!?
ボーイさんも出てきちゃった!▼
- [メイ]
- ……。▼
- [ジェニー]
- ……。▼
- [ジェシー]
- メイとジェニーまで…そうか!?▼
たしかボーイたちは
ノーヴァ島の修道院で
ノーマに育てられたと言ってたな。▼
- [ラタトスク]
- あっ! まだまだたくさんの
子どもたちが出てきたよ!▼
- [ジェシー]
- この子たちはみんな…
ノーマが育てた子どもたちか!▼
- [ヌイババ]
- くっ…この…っ!
ええい、こんなに大勢出てきては
収拾がつかないわ!▼
- [ノーマ]
- く、ううっ…
危ないところじゃった。▼
どうやら複数の幻影を
同時に操ることはできぬようじゃな。▼
- [ヌイババ]
- おのれ…なぜこんなことに!▼
- [ノーマ]
- わしには妻も子もおらぬ。
ミラさまの教えに
生涯をささげてきたからのう。▼
では、大切な人間がおらぬのかといえば
そうではない。▼
わしが修道院で育てた子どもたちは
皆、大切な存在なんじゃよ。
どの子も変わらず、一番大切じゃ。▼
- [ラタトスク]
- わわわかります!
あたしも家族が大好きだから!▼
- [ヌイババ]
- そう…なら老いぼれは後回しよ。
そこの傭兵から抜け殻にしてあげるわ!
幻影よ、姿を現しなさい!▼
- [ジェシー]
- ぐわあっ!▼
- (白く光る)
- [セリカ]
- ……。▼
- [ヌイババ]
- またセリカなの? まあいいわ。
その傭兵の意識を奪い去りなさい…。▼
- [ラタトスク]
- ジェ、ジェシーさん!
しっかり!▼
- [ジェシー]
- ぐっ! ううっ!
俺の…大切な…存在…。▼
- [メイ]
- ……。▼
- [ジェニー]
- ……。▼
- [ラタトスク]
- あれ、あれあれ…?▼
- [パオラ]
- ……。▼
- [カチュア]
- ……。▼
- [エスト]
- ……。▼
- [シルク]
- ……。▼
- [ラタトスク]
- セリカ王女だけじゃなく
たくさんの英雄さんが
出てきちゃった!?▼
- [ヌイババ]
- こ、これはどういうことだい!?▼
- [ジェシー]
- はぁ、はぁっ、ふぅぅ…
危なかったぜ。▼
なあに、簡単なことさ。
俺と出会った女性たちは
例外なく大切な存在だからねえ。▼
みんなが揃って出てくることは、
当然の結果といえるかな。▼
- [ヌイババ]
- こ、この節操なし…っ!▼
- [ノーマ]
- ほっほっほ。さしもの魔女も
困惑しておるようじゃな。▼
ラタトスク、今が好機じゃ。
アルムを癒せるかの?▼
- [ラタトスク]
- わ、わかりました!
やってみます!▼
アルムさん…
目を覚ましてください。
大事な人のためにも!▼
- [アルム]
- う、ううっ…。
ぼ、僕は…なにを…。▼
- [ラタトスク]
- よかった!
アルムさんの意識が
戻ってきました!▼
- [ヌイババ]
- バカな!? すでに魂は
抜けかかっていたのに!▼
- [アルム]
- はぁ、はぁっ…。
ヌイババ…そこまでだ。
お前のことを僕は決して許さない!▼
- [ヌイババ]
- いいわよ…
いつでも私の館へいらっしゃい。▼
そのときこそ、
聖痕を持つ者の魂を
手に入れてみせるわ。▼
- [アルム]
- ヌイババ、お前は知らないのか?
大切な存在がどれほど心の支えに
なるのかということを…。▼
- [ヌイババ]
- ふん、異界に来てまで
お説教なんて聞きたくないわ。▼
興が醒めたわね。
その顔、しばらくは見たくないわ。▼
- (白く光る)
- [ラタトスク]
- き、消えちゃいました!▼
- [ノーマ]
- ふむ、アルムも無事戻ってきたし
ひとまずは片付いたのう。▼
- [ジェシー]
- まさか異界で、恐山の魔女と
事を構えるとは思わなかったね。▼
- [ラタトスク]
- だけど、もったいないな。
あの力があれば人の心を癒すことだって
できると思うんだけど…。▼
- [アルム]
- そうだね…使い方を間違えた力は
人々に牙をむくことだってある。▼
ラタトスク…だったよね?
助けてくれてありがとう。
この恩は、必ず返すよ。▼
- [ラタトスク]
- い、いえいえ【癒し手】として
当然のことをしたまでですっ!▼
- [アルム]
- 力には責任が伴う。▼
力が正しく使われるように、
使い方を誤らないように…
僕たちも頑張らないとね。▼
気楽な傭兵 ジェシー†
- [ジェシー]
- やあ、セーバー!
あんたもアスク王国に
来てたんだな。▼
- [セーバー]
- 誰かと思えばジェシーか。
にぎやかになってきたな、ここも。▼
- [ジェシー]
- あんたはこのアスク王国でも
あいかわらずの傭兵暮らしかい?▼
- [セーバー]
- ああ。
雇い主はヴァイス・ブレイヴだ。
なにせ、ほかの生き方を知らんからな。▼
- [ジェシー]
- ははっ、その余裕綽綽な顔を見ると
なぜか安心するよ。▼
今日からまた仲間ってわけだ。
よろしく頼むぜ!▼
- [セーバー]
- フッ…お前も変わらんな。
今も「傭兵の国を作る」なんて
息巻いているのか?▼
- [ジェシー]
- 当然さ。
夢はあきらめていないよ。▼
- [セーバー]
- だったらこのアスク王国は
情報集めにうってつけかもしれんな。▼
ここにはさまざまな異界から
多くの英雄たちが集まっている。
傭兵を生業とする者も多い。▼
- [ジェシー]
- 同業者がわんさかいるってわけだ。
なんだかワクワクするな!
よければ紹介しておくれよ。▼
- [セーバー]
- タダ働きは面白くないが
まあ、貸しにしといてやるよ。▼
- [ジェシー]
- ありがたいねえ!
さてさて、どんな英雄に会えるやら。
可愛い女の子だったら嬉しいんだけど…。▼
- [ジスト]
- あんたがジェシーか?
セーバーから話は聞いている。▼
俺はジャハナ王国のジスト。
傭兵の国を作りたいんだってな。▼
- [ジェシー]
- 【砂漠の虎】の異名を持つ凄腕の傭兵…
セーバーからはそう聞いたよ。▼
- [ジスト]
- 噂好きの連中が面白おかしく
そう呼んでいるだけさ。▼
それはさておき、
俺の故郷の話を聞きたいのか?▼
- [ジェシー]
- 傭兵国家というジャハナ王国が
どんな場所なのか知りたいんだ。
あとで一杯奢らせてもらうからさ。▼
- [ジスト]
- いいだろう。とは言っても
あまり面白い話じゃないがな…▼
ジャハナ王国の国土の多くは
草木も生えない砂漠だ。▼
で、ジャハナの民は
傭兵稼業で食うことにしたのさ。▼
要するに戦うこと以外に
売るものがないってわけだ。▼
- [ジェシー]
- ジャハナ王国の人間は
ほとんどが傭兵なのかい?▼
- [ジスト]
- すべてが…ってわけじゃないが
戦える者は傭兵になることが多いな。▼
- [ジェシー]
- 王様はどういう人なんだい?
やっぱり傭兵出身なのか?▼
- [ジスト]
- 傭兵ではないが凄腕の剣士だな。
マギ・ヴァル大陸中を探しても
彼女を上回る剣士はそういないだろう。▼
- [ジェシー]
- えっ? 国を治めているのは
王様じゃなくて女王なのか?▼
- [ジスト]
- ああ、【白沙の女王】と呼ばれ
大陸ではイシュメア女王の美貌と
その名を知らぬものはいない。▼
- [ジェシー]
- 凄腕の剣士で、おまけに美女!
一度会ってみたいもんだなあ。▼
よし! エクラに
今すぐイシュメア女王を
アスク王国に召喚してもらおう!▼
- [ジスト]
- おいおい…
傭兵の国の話はどうなったんだよ。▼
- [セーバー]
- うーん…
こいつは困ったな。▼
- [ジェシー]
- どうしたんだ、セーバー。
今日もヴァイス・ブレイヴの傭兵を
紹介してくれるんじゃなかったのか?▼
- [セーバー]
- その肝心の相手なんだが
見当たらねえんだ。▼
- [ジェシー]
- そうかあ。残念だけど
またあらためて出直そう。▼
- [ティト]
- あの…ゼロット将軍に
なにかご用ですか?▼
将軍は緊急任務で不在です。
ご用件があれば承りますが。▼
- [ジェシー]
- おお、なんと可憐な!▼
- [ティト]
- あなたは?▼
- [セーバー]
- こいつはジェシー。
俺と同じバレンシア大陸の出身だ。▼
傭兵の国を作りたいと言っててな。
イリアの傭兵騎士団の話を聞こうと思って
ゼロットに会いに来たんだ。▼
- [ティト]
- なるほど…。
はじめまして、ジェシーさん。
私はイリア天馬騎士団のティトです。▼
- [ジェシー]
- ティト! いい名前だね。
君の雰囲気にピッタリだ。▼
- [ティト]
- イリア天馬騎士団も
イリア傭兵騎士団の一員です。▼
傭兵騎士団の話を聞きたいのなら
私からお話ししましょうか?▼
- [ジェシー]
- ぜひぜひ! というか
君から聞かせてほしいんだ。▼
- [ティト]
- ……。▼
- [セーバー]
- 呆れるのも仕方ないが
悪いやつじゃない。頼むぜ。▼
- [ティト]
- わかりました…▼
私たちの故郷、イリア地方は
エレブ大陸の北にあります。
農作物が育ちにくい土地です。▼
それゆえに傭兵として
身を立てる者が多いのです。▼
イリアすべての傭兵騎士団には
厳しい誓いがあります。▼
たとえ親兄弟が
敵方に雇われたとしても
全力で戦わねばならないのです…。▼
- [ジェシー]
- ……。▼
- [ティト]
- 他国の人間は、お金のために
身内や仲間と殺し合う我々のことを
血も涙もない連中だと蔑みます。▼
死肉をあさるカラスと同じ。
イリアは死を売って生きている、と…。▼
- [ジェシー]
- 傭兵として生きるイリアの民の厳しさ…
十分伝わってきたよ。▼
- [ジェシー]
- うーん…。
なるほどなあ。そうなるよなあ…。▼
- [セーバー]
- どうしたんだ?
珍しく真剣な顔をして。▼
- [ジェシー]
- セーバーに紹介してもらって
いろんな傭兵に話を聞いただろ?▼
過酷な国の状況や、
傭兵にならざるを得なかった理由…。▼
全員が全員、権を握りたくて
握っているわけでもないってことを
あらためて知った。▼
それで思ったんだよ。
もし将来、俺が傭兵の国を作ったところで
みんなを幸せに出来るんだろうかって…。▼
- [セーバー]
- 厳しい現実を知ったってわけだ。
詰まるところ、傭兵がいない
平和な世界が一番だしな。▼
で、どうする?
夢をあきらめるのか?▼
- [ジェシー]
- とんでもない!
逆にやる気が湧いてきたよ。▼
傭兵は過酷で危険な仕事だ。
無念の死を遂げる者も多い。▼
みんなが幸せに…なんて
夢物語は到底無理だけど、▼
行き場のない傭兵たちが
「この国があってよかった」と
思えるような国になれば上出来じゃないか。▼
- [セーバー]
- 道のりは険しいぞ?▼
- [ジェシー]
- 承知の上さ。そのために
もっと英雄たちの話を聞いて参考にしたい。▼
- [セーバー]
- そうか…
やれるだけやってみな。▼
- [ジェシー]
- ところで、だ。▼
傭兵の話を聞きに行った先々で
なぜか美女の話を聞いたり
出会ったりしたんだよな。▼
もしかして傭兵と美女は
切っても切れない関係かもしれないぞ。▼
というわけで
次の傭兵を紹介してくれ!▼
- [セーバー]
- なにを言い出すかと思えば…。
まったくお前というやつは…。▼
力を振るう決意 アルム†
- [セリカ]
- アルム!
あなたもアスク王国に
来てくれたのね!▼
- [アルム]
- セリカ、久しぶりだね!
離ればなれが続いて
なかなか一緒にいられなかったけど…。▼
まさか異界で再会できるなんて
思ってもみなかったよ。▼
- [セリカ]
- 私も不思議な気持ちだわ。▼
どうして自分が英雄として
この世界に喚ばれたのか
まだ実感が湧かないの。▼
- [アルム]
- 僕だってそうだよ。
リゲル帝国からソフィア王国を救いたい。
僕にあったのは、その想いだけ。▼
自分が英雄だなんて思えないし
仲間たちに助けられてばかりさ。▼
- [セリカ]
- アルムやラムの村のみんなが
戦ってると聞いて
不安でいっぱいだったわ。▼
あなたと幼馴染みのみんなに
なにかあったらどうしよう。
そう考えると胸が張り裂けそうで…。▼
- [アルム]
- セリカ…。▼
- [セリカ]
- アルムは困っている人や
間違っていることを
見過ごせない性格だから…。▼
ラムの村のみんなも
そんなあなたを信じて
戦いに身を投じたのでしょう?▼
- [アルム]
- 助けてくれたラムの村のみんなには
感謝の言葉もないよ。▼
だけど、僕はまだまだ未熟だ。
もっと強くならないと…。▼
今もみんなに助けれられてばかりで
英雄と名乗るのはまだまだ
おこがましい気がするよ。▼
幸いこの国…アスク王国には
異界の一騎当千の英雄たちが
たくさんいるみたいだ。▼
彼らの近くで学び
ともに鍛錬を積めば
もっともっと強くなれるはずさ。▼
- [セリカ]
- 強くなりたい気持ちはわかるけど
あまり無理はしないでね。▼
身体を壊してしまうと
心にも響いてしまうから…。▼
- [アルム]
- 大丈夫だよ、セリカ。
僕が頑丈だってことは
君も知っているだろ?▼
強くなれるまたとない機会なんだ。
セリカ、またゆっくり話そう!▼
- [セリカ]
- あっ、アルム!
なんだか浮ついた感じだけど
あの調子で大丈夫かしら…。▼
- [アルム]
- やあっ! せいっ!▼
- (白く光る)
- [アルム]
- よし、このあたりの
敵は片付いたみたいだな。▼
- [ピアニー]
- お疲れさま、アルムさん。
力を貸してくれてありがとう。▼
苦戦したけれど
アルムさんが来てくれたおかげで
なんとかなったわ。▼
- [アルム]
- 礼はいらないよ。
ヴァイス・ブレイヴの仲間を
助けるのは当然のことだしね。▼
- [ピアニー]
- じゃあ、今日は城に戻って
ゆっくり休みましょう。
アルムさんも疲れたんじゃない?▼
- [アルム]
- いや、休んでる暇はないよ。
まだまだ体力は残ってるし
僕はもっと強くなりたいんだ。▼
城に戻る前に鍛錬して帰るよ。▼
- (暗転)
- [アルム]
- はっ! ふんっ! せいっ!▼
- [セリカ]
- アルム…
まだ訓練を続けていたの?▼
- [アルム]
- セリカ!
今日はまだまだ身体が動くから
もっと鍛えておきたいんだ。▼
- [セリカ]
- そろそろ城に戻りましょう。
身体を休めることも
私たちの大事な務めよ?▼
- [アルム]
- でもまだ、足りないんだよ。
ヴァイス・ブレイヴの英雄たちといると
自分の未熟さがよくわかる。▼
彼らに追いつき、追い越すためには
もっと力が必要なんだ。▼
もう少し走りこんでくる。
城には戻るから心配しないで。▼
- [セリカ]
- アルム…。▼
- [ピアニー]
- アルムさん、まだ訓練してたんだ。▼
- [セリカ]
- ピアニーもいたのね?▼
- [ピアニー]
- アルムさんのことが気になってたの。
あれだけ激しい戦いのあと
まだ訓練するなんて言ってたから。▼
- [セリカ]
- ……。▼
- [ピアニー]
- セリカさんも
アルムさんが心配なのね?▼
- [セリカ]
- 強くなりたいっていう
気持ちはわかるのだけど…。▼
そのことばかりに囚われると
まわりが見えなくなりそうだから。▼
- [ピアニー]
- 心配ね、アルムさんのこと。▼
- [アルム]
- せいっ! はっ!▼
- [ピアニー]
- こんにちは、アルムさん。▼
- [アルム]
- やあ。ピアニー。
君も訓練かい?▼
このあと僕は
出撃を志願してるんだ。▼
実践に出れば訓練とは違う
経験が得られるからね。▼
- [ピアニー]
- うーん、セリカさんが
不安になるのも無理ないかも。▼
- [アルム]
- セリカが心配してくれるのは
知ってるよ。▼
でも、僕はもっと強くなりたい。
強くならなければいけないんだ。▼
- [ピアニー]
- 理由があるのね。
よかったら聞かせてくれる?▼
- [アルム]
- 僕は大勢の仲間たちに助けられて
これまで戦ってきた。▼
これからは僕が仲間を助けたい。
そのための力が必要なんだ。▼
- [ピアニー]
- ……。▼
- [アルム]
- 僕を信じてくれる
セリカの笑顔だって守りたい。
そのためならどんな苦労も関係ないよ。▼
- [ピアニー]
- セリカさんの笑顔を守りたい…
それがアルムさんの夢?▼
- [アルム]
- うん。アスク王国に来ても
その想いは変わらないよ。▼
- [ピアニー]
- でも、今のセリカさんは
笑顔が消えてる気がする…▼
- [アルム]
- えっ!?▼
- [ピアニー]
- アルムさんのことが心配で
セリカさんはここしばらく
笑ってないんじゃないかな?▼
- [アルム]
- セリカ、そういえば笑ってないかも。
会うたびに僕のことを
心配そうに見ていたな…。▼
- [ピアニー]
- アルムさんは自分だけの力で
セリカさんを守りたいって思っていても
彼女はそうじゃないのかも。▼
セリカさんはきっと、
アルムさんと力を合わせて
前に進んでいきたいと思ってるのよ。▼
- [アルム]
- ……。▼
僕はアスク王国へ来て
舞い上がっていたみたいだ…。▼
異界の英雄たちに憧れて
セリカの言葉を
ちゃんと受け止めていなかった…。▼
力があれば願いは叶う…
そう思い込んでいたのかもしれない。▼
- [ピアニー]
- 大切なものを守りたくても
力がないから守れない…
その悲しさは私も知っているわ。▼
でも、一人一人の力は弱くても
手を携えれば何倍も強くなれる。
そのことも私はよく知っているの。▼
- [アルム]
- ……。▼
僕はセリカと…
一緒に前へ進んでいきたい。▼
互いを気遣い、力を合わせて…
それを成しえてこそ
夢が叶えられる気がするよ。▼
- [ピアニー]
- 私はアルムさんの夢が大好き。
セリカさんの笑顔を守るために
強くなりたいっていう素敵な夢。▼
その夢を叶えるために
私も協力したいな。▼
ううん、私だけじゃない。
きっとヴァイス・ブレイヴのみんなも
協力してくれるはず。▼
- [アルム]
- ありがとう、ピアニー。
みんなの力も借りれば
僕の夢はきっと叶うと思う。▼
だけどその前に…
僕にはやることがある。▼
- [ピアニー]
- やること?
これから出撃するってこと?▼
- [アルム]
- それはやめておくよ。
まずは心配をかけてしまった
セリカに謝ってこなくちゃね。▼
- [ピアニー]
- ふふっ、それがいいと思う。
夢を叶えるための大事な一歩ね!▼
ミラ教団最高司祭 ノーマ†
- [ノーマ]
- ふむ。ここは大広間じゃったか。
ということは、この先が食堂で…。▼
いや、この通路は
図書館へ向かうときに
歩いたような気がするのう。▼
ううむ、仕方がない。
一度、来た道を戻るとするか。▼
- [フィヨルム]
- ノーマさん!
どうかされましたか?
なにかお探しのようですが…。▼
- [ノーマ]
- おお、フィヨルム王女!
なに、ちょいと城を
散策しておったところじゃ。▼
- [フィヨルム]
- ふふ、そうでしたか。
もしかして道に迷われているのかなと
余計な心配をしてしまいました。▼
- [ノーマ]
- ふむ。散策しているとは言ったが
歩けども歩けども
目指す場所に着かぬ次第でな…。▼
おぼろげな記憶を頼りに
このあたりを右往左往しておった。▼
- [フィヨルム]
- ええとつまり…
それって迷子になっているって
ことですよね!?▼
- [ノーマ]
- ほっほっほ。
考えようによっては
そうかもしれんのう。▼
- [フィヨルム]
- まあ…ご冗談がお好きなのですね。
セリカ王女にお伺いした通りです。▼
- [ノーマ]
- ここにはノーヴァ島の修道院育ちの
皆も世話になっておるそうじゃのう。
とても感謝しておる。▼
- [フィヨルム]
- セリカ王女をはじめ
みなさんにお力添えいただき
私のほうこそ感謝しています。▼
それより、ずいぶんと
お歩きになられたご様子…
少し休んでいかれますか?▼
- [ノーマ]
- 心配には及ばぬよ。
このノーマ
まだまだ若い者には負けぬ。▼
エクラも
そう思って喚んでくれたのじゃろう。
期待には応えぬと…ぐぅっ!?▼
- (白く光る)
- [フィヨルム]
- ノーマさん…?▼
- [ノーマ]
- す、すまぬが
腰をやってしまったようじゃ。
一歩も…動くことが…できぬ…。▼
- [フィヨルム]
- あの…
セリカ王女に伺ったのですが…▼
ノーマさんはなにかにつけて
体が痛いふりをなされると…▼
- [ノーマ]
- …ぐっ…うぅ……。▼
- [フィヨルム]
- あっ! 本当に痛めて
しまわれたのですね!?
失礼しました…!▼
- [ノーマ]
- 先日はフィヨルム王女に
不甲斐ない姿を見せてしまったのう。▼
動けるようにはなったものの
腰の痛みがなかなか引けぬな…。▼
じゃが、戦場に出てきた以上は
泣き言ばかり言ってもおれぬ。▼
ここはひとつ、わしの魔道で
勝利を手繰り寄せることとしよう。▼
- (暗転)
- [ノーマ]
- はぁ、はぁ、ふぅ…。▼
なんとしたことじゃ。
腰の痛みもさることながら
こうも身体がついてこないとは。▼
若い者と歩調が合わぬのは仕方ない。
じゃが、あそこにいる者たちは…。▼
- (暗転)
- [ガトー]
- 老体と侮るでないぞ。
はあっ!▼
- (白く光る)
- [ニイメ]
- ふん、その程度かい。
そおれっ!▼
- (白く光る)
- [マリナス]
- まだ敵が残っております。
お支えしますぞぉぉ!▼
- (白く光る)
- [ノーマ]
- ううむ、年格好はわしと
そう変わらぬように見えるな。
わしも負けてはおれぬ。▼
ええい、もうひと踏ん張りじゃ。
どれ、今度こそわしの魔道で…。▼
- (白く光る)
- [ノーマ]
- うぬぬっ…こ、腰が…!?▼
- [???]
- あまり無理をするな。▼
- [ノーマ]
- お、おお、すまぬな。
肩を貸してくれるとは…。▼
- [マイセン]
- 老体には老体なりの
立ち居振る舞いがあるであろう。
久しいな、ノーマよ。▼
- [ノーマ]
- な、なんと…
誰かと思えばマイセンか!?▼
- [マイセン]
- まさかこうして異界の地で
お前と再会することになるとはな。
なにが起こるかわからぬものだ。▼
- [ノーマ]
- ほっほっほ、まったくだの。
しかし、お前は変わらぬのう…。▼
その様子じゃと、今も前線で
槍を振るっていると見える。▼
- [マイセン]
- お前も魔道の腕は衰えていまい。
老体の技は戦場でも
大きな働きを見せると思うが?▼
- [ノーマ]
- そう思ってはいたのじゃが
まるで足手まといじゃよ。
皆にまったくついていけぬ。▼
- [マイセン]
- なるほど…
腰を痛めているのか?▼
- [ノーマ]
- そうじゃ。まったく情けない…。▼
- [マイセン]
- ならば無理をすることはない。
ここはお前がいるべき
場所ではないということだ。▼
- [ノーマ]
- マイセン、お前…
わしを役立たず扱いするのか。▼
- [マイセン]
- そうではない。すべての英雄が
戦場で輝く必要はないのだ。▼
活躍の場を戦場に求めず
別に移せばよいと言っている。▼
- [ノーマ]
- 別の場所とな…?▼
- [マイセン]
- お前はこれまでミラ教の司祭として
迷える者や親を亡くした子どもたちに
寄り添ってきたではないか。▼
ノーヴァ島ではセリカをはじめ
引き取った孤児たちを立派に育てた。▼
- [ノーマ]
- うむ。子どもたちに寄り添えたことは
わしの生涯において最も誇らしく
かけがえのない時間であった。▼
- [マイセン]
- お前が積み上げてきたものは
アスク王国でも必要とされるはず。▼
お前の経験が活きる場所が
この世界にも必ずあるのだ。▼
- [ノーマ]
- ふむ…。▼
- [マイセン]
- 戦いのない日のアスク王国は
実の朗らかでよい国です…。▼
フィヨルム王女、
急なお誘いに応じて頂き
ありがとうございます。▼
- [フィヨルム]
- いえ、お散歩するには
とてもいい日だと思います。それで…
どちらへ行かれるのですか?▼
- [マイセン]
- この先にある建物は
フィヨルム王女もご存じでしょう。
さあ、着きました。▼
- [フィヨルム]
- ここは…孤児院ですね。▼
おや? ずいぶんと
にぎやかなようですけど…。▼
- (暗転)
- [ノーマ]
- なぜにわしらは人々を助け
子どもたちに手を差し伸べるか。
一度は胸に問うたこともあるじゃろう。▼
- [レナ]
- それは…
わたしたちが神の教えを説く
シスターだからでしょうか?▼
- [ノーマ]
- 立場の上ではな。
だが、我々は助け合って
生きていくことを選んだ命なのじゃ。▼
強い者についていけぬ弱き者が
打ち捨てられる世界では
獣と変わらぬ。▼
我々はそうではない。
互いが互いを支え合い
手を携え、前に進んでいくのじゃ。▼
- [サフィ]
- 見捨てていい命などひとつもない。
だから私たちは手を取り合うのですね。▼
- [ノーマ]
- そういうことじゃな。
実に単純なことなんじゃよ。▼
神の教えを説く人間でなくとも
助け合うことはできる。
ほんの少しの思いやりがあればな。▼
- [ナターシャ]
- そのための一歩を踏み出す勇気…
これからも大切にしたいと思います。▼
- [シルク]
- おや、孤児院の中が
なんだか騒がしいような…。▼
- [ジュリアン]
- あっ! 待てって、お前たち。
まだ大事な話の途中なんだから!▼
すまねえ、レナさん!
子どもたちがそっちへ行っちまった!▼
- [レナ]
- すみません、ノーマ様。
まだお話の途中なのに。▼
- [ノーマ]
- ほっほっほ、構わんよ。
なんじゃ、頭を撫でてほしいのか?▼
みんな、甘えん坊じゃのう。
どれ、順番じゃよ。▼
- (暗転)
- [フィヨルム]
- 子どもたちに囲まれたノーマさん…
本当に幸せそうですね。▼
それに、教義は違えど
シスターの皆さんも熱心に
ノーマさんの言葉に耳を傾けていました。▼
- [マイセン]
- 人を助けたいという想いは
教義や異界を越えて
皆に伝わるのでしょう。▼
戦場で存在感を示すことだけが
英雄のあり方ではない…。▼
アスク王国の未来を担う
子どもたちを支え
異界の英雄たちの心を繋ぐこと。▼
それもまたこの世界で
彼に託された役目だと
私は思うのです。▼
- [フィヨルム]
- 素晴らしい役目だと思います。
ノーマさん! 私にもなにか
お手伝いさせてください!▼
- [ノーマ]
- おや? フィヨルム王女。
それにマイセンまで。▼
ほっほっほっ。
手伝ってほしいことは
山ほどありますぞ。▼
アスク王国の未来の宝…
ともに導きましょうぞ。
手と手を取り合って!▼
恐山の主 ヌイババ†
- [ヌイババ]
- やれやれ…。いきなり
見ず知らずの異界に召喚されて
驚いたけど…。▼
このアスク王国は
私の願いを叶えるには
もってこいの場所だわ。▼
うふふ…
若く精強な魂を持つ英雄たちが
あちらにもこちらにも。▼
あの者たちの魂を手に入れれば
不老不死も夢ではないわ。▼
- [ウルスラ]
- 見つけたわ。ここにいたのね。
少しお話ししてもいいかしら?▼
- [ヌイババ]
- あら、可愛らしいお嬢さん。
この私が誰かと知って
声をかけているのかしら?▼
- [ウルスラ]
- ええ、もちろんよ。
恐山の魔女、ヌイババ。
あなたに話があるの。▼
- [ヌイババ]
- 私に話? うふふ…なにかしら?
あなたからは強い魔力を感じるわね。▼
- [ウルスラ]
- 私はウルスラ。
【黒い牙】の【四牙】、
ソーニャ様にお仕えする魔道士よ。▼
バレンシア大陸でも
その名をとどろかせた魔女ヌイババ。
あなたの力を見込んで提案があるの。▼
あなた…
永遠の命が欲しくないかしら?▼
- [ヌイババ]
- 永遠の…命?▼
- [ウルスラ]
- 知っているのよ?
あなたが老いることがない
永遠の命を追い求めていること。▼
そのために価値ある魂を我がものとし
命の糧に変えていることを。▼
- [ヌイババ]
- ふん…。▼
- [ウルスラ]
- でも、これからは
無用な努力はいらないわ。▼
私たちの仲間になりなさい。
それだけであなたの目的は叶えられる。▼
永遠の若さ、衰えぬ美を
手に入れられるの…。▼
- [ヌイババ]
- ……。▼
- [ヌイババ]
- (怪しいわね…)▼
- [ウルスラ]
- 信用できないのも無理はないわ。
でも、私が言っていることに
嘘はないの。▼
ソーニャ様のもとに行けば
永遠の命が手に入るのよ。▼
すべての苦痛から解放され
老いに怯えることなく生きていけるの。▼
- [ヌイババ]
- (この女は信用できない。
だがその話には興味はある…)▼
- [ウルスラ]
- 興味が出てきたようね。
話だけでも聞いてみない?▼
- [ヌイババ]
- (悩ましい…だけど、
この女の輝くような肌を見ていると
完全に嘘ではない気もする…)▼
- [ウルスラ]
- ふふ、私の存在そのものが
ソーニャ様のお力を示す
証拠になっているでしょう?▼
どうするの? 私と一緒に来る?▼
- [ヌイババ]
- …話だけでも聞いてみようかしら。▼
- [クロニエ]
- ちょっと待ったぁー!!▼
- [ヌイババ]
- 何者?▼
- [コルネリア]
- 突然のお声がけ、失礼いたします。
私はコルネリア。▼
フォドラから来た
しがない魔道士でございます。▼
- [クロニエ]
- キャハハ! クロニエだよ!
よろしくね、お・ね・え・さ・ん♪▼
- [コルネリア]
- 恐山の魔女、ヌイババ様…
立ち聞きしてしまい
申し訳ありません。▼
ですが、ご忠告いたします。
その女、ウルスラの
口車に乗ってはいけませんわ。▼
- [ウルスラ]
- 面倒なやつらが出てきたわね…。▼
- [ヌイババ]
- コルネリア、と言ったかしら。
この女…ウルスラが
嘘を言っているというの?▼
- [コルネリア]
- まったくの噓…
というわけではございません。
しかし、大事な部分が抜けています。▼
- [ヌイババ]
- 大事な部分?▼
- [コルネリア]
- その女についていけば
たしかに永遠の命が手に入るでしょう。
ただし、それは人ではなく人形として。▼
- [ヌイババ]
- 人形ですって…?▼
- [コルネリア]
- ええ、そうですとも!▼
ウルスラの言う組織
【黒い牙】には…。▼
人間をモルフという
意志を持たぬ人形に変える
おぞましい秘術があるのです。▼
- [ウルスラ]
- ……。▼
- [コルネリア]
- 不老不死という願いは
たしかに叶いましょう。▼
しかし、それはしもべとして
意志を持たぬまま
永遠に操り人形になるだけですわ。▼
- [ヌイババ]
- …私を騙そうとしたの?
命知らずね。▼
- [ウルスラ]
- …余計なことをしてくれたわね。
この借りはいずれ返すわ。▼
- [クロニエ]
- あ、逃げたよ!
追いかけて皮でも剥いでやろうよ!▼
- [コルネリア]
- 捨ておきなさいな、クロニエ。
あんな羽虫は放っておけばいいのよ。▼
- [ヌイババ]
- あなたたちのおかげで助かったわ。▼
- [コルネリア]
- いえいえ、礼には及びません。
【救済者】として
当然のことをしたまでですわ。▼
- [ヌイババ]
- 【救済者】?▼
- [コルネリア]
- 私たちは悩める人々を
救うことを使命としているのです。▼
さて、ヌイババ様。
ここでお会いしたのもなにかの縁です。
私の話を聞いていただけませんか?▼
- [ヌイババ]
- 構わないけど、今度はどんな話?▼
- [コルネリア]
- あなたに私たちの仲間になって
いただきたいのです。▼
- [ヌイババ]
- 私に【救済者】とやらになれと?
せっかくだけど、お断りするわ。▼
- [コルネリア]
- あら残念。仲間になっていただければ
永遠の命と若さを
ご提供できましたのに…。▼
- [ヌイババ]
- …今度こそ本当なのかしら?▼
- [コルネリア]
- 私たちの方法であれば
自我を失うことなく数千年もの時を
生きることができるのですが…。▼
- [クロニエ]
- 力もずっと強くなるんだよ!
獣どもを皆殺しに出来るくらいの。▼
- [ヌイババ]
- …獣?▼
- [コルネリア]
- おほほ…なんのことでしょうねえ…。
(余計なこと言うんじゃねえ!)▼
こほん。ご興味ありませんか?
永遠の命について。▼
- [ヌイババ]
- 今度こそ本当なんでしょうね?
その【救済者】の仲間になれば
永遠の命と若さが手に入る…。▼
- [コルネリア]
- ええ、ええ!
もちろんですとも!
誓って嘘は申しませんわ!▼
- [ヌイババ]
- もう少し詳しい話を
聞かせてもらえるかしら?▼
- [コルネリア]
- うふふ、前向きに
ご検討いただけるということですね?▼
では…。▼
- [エーデルガルト]
- コルネリア! クロニエ!
そこでなにをしているの!▼
- [クロニエ]
- やばっ!▼
- [コルネリア]
- チッ!
面倒なやつが出てきやがった!
クロニエ、ここは退くぞ。▼
- [クロニエ]
- そうだね、逃げよう!
じゃあね、お・ば・さ・ん♪
ばいばーい!▼
- [ヌイババ]
- 礼儀知らずな小娘だこと。
まあいいわ。今に目にものを見せてあげる…▼
- [エーデルガルト]
- そこの貴方!
あいつらになにかされた?▼
- [ヌイババ]
- いえ、なにも。
ただ、仲間になれと言われて…。▼
- [エーデルガルト]
- そう…。
まだなにもされていないのね。
間に合って幸いだったわ。▼
- [ヌイババ]
- それよりもあの人たちは…
いったい何者?▼
- [エーデルガルト]
- あれは【闇に蠢く者】…。
世界への復讐のため、禍々しい手法で
長い年月を生き続ける集団よ。▼
彼らは地上のあらゆる人間を
信用していない。
獣として見下しているわ。▼
仲間というのも、嘘でしょうね。
せいぜい使い捨ての駒として
いいように利用されるだけよ。▼
- [ヌイババ]
- そう…。
危ないところだったわ。▼
- [エーデルガルト]
- ここに来て日が浅いようだから
ひとつ忠告しておくわ。▼
アスク王国は
自分たちの生き方が試される場所よ。▼
よこしまな欲望を抱えていると
足をすくわれて自分の身を滅ぼすわ。▼
- [ヌイババ]
- よこしまな欲望だなんて、
いったいなんのことやら…。▼
- [エーデルガルト]
- 忠告はしたわよ、それじゃ。▼
- [ヌイババ]
- ……。▼
ふう…、なんだか疲れたわ。▼
この恐山の魔女が
怪しいやつらに振り回され
あげく小娘に説教される…。▼
ふふっ、面白いじゃないの。
このアスク王国とやら気に入ったわ。▼
人の心に付け入り
目的のためなら手段を選ばない。
他人とは思えないわねぇ…。▼
この世界には
強き魂を持つものが大勢いる。▼
そのような者たちの
魂を奪うことができれば
きっと私の願いも叶う。▼
ふふふ…
私を騙そうとした愚か者もろとも
まとめて私が支配してあげる。▼
ふふ、ふふふ!
ふはははは!▼
コメント
Last-modified: 2025-03-22 (土) 10:34:56