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章別会話
力の在処†
力の在処†
オープニング†
- [フィヨルム]
- ここが、仄暗き森…
知られざる英雄たちが
彷徨うという場所…▼
聞いていた通り、寒い場所ですね。
ニフルの寒さとは違う、どこか…
心が凍える冷たさを感じます。▼
…!?
この殺気は…っ!▼
- [マリータ]
- カワシタ…カ…▼
- [フィヨルム]
- あ、あなたは…マリータさん!?▼
- [マリータ]
- コロス…!▼
- [フィヨルム]
- くっ!
ううっ! こ、この太刀筋…
私を本気で殺す気で…!▼
- [マリータ]
- ……!
う、ううっ…! ああっ!▼
フィヨルム…王女…
ここに来ては、ダメ…逃げ…て…▼
- [チキ]
- …何してるの?▼
- [フィヨルム]
- …! あ、あなたは…
チキ…さん?▼
- [チキ]
- ここは…チキのゆめのなか。
せいいき、なの。▼
せいいきをおかすものは…
はいに、しちゃうよ…▼
- [フィヨルム]
- チキさん!
私です、フィヨルムです!
ここで暴れては…きゃぁぁっ!▼
くっ、これは…いったい…
何が…起きて…▼
- [カムイ]
- フィヨルム王女、こちらへ…!▼
- [フィヨルム]
- カムイ王女…!? は、はいっ!
ここは一時退避したほうが
よさそうですね…!▼
(場面転換)
- [カムイ]
- ここまで来れば…大丈夫でしょう。▼
- [フィヨルム]
- はぁっ、はぁっ…あの、カムイ王女。
先ほどの二人はいったい…▼
- [カムイ]
- 彼女たちは…あなたの知っている
マリータさんやチキさんではありません。▼
そして、目の前にいる私も…
あなたの知っているカムイではありません。▼
- [フィヨルム]
- え…? そ、それは…どういう…▼
- [カムイ]
- できれば…森には
もう近付かないでください。
くっ、ううっ…▼
- [フィヨルム]
- カムイ王女!? すごい汗…!
どこか具合が悪いのですか?▼
- [カムイ]
- 私たちにかまわず…ここから
立ち去って…ください…▼
- [ベルクト]
- その女の言う通りにしたほうがいい。
この森にいる連中の中でも
そいつはとびきりの化け物なのだからな。▼
- [フィヨルム]
- ベルクト王子…!
そ、それは
どういう意味なのですか?▼
- [ベルクト]
- 忠告はしたぞ。英雄のすべてが
祝福された存在ではない。
そのことを覚えておけ…▼
- [フィヨルム]
- …………▼
- [ベルクト]
- また来たのか。興味本位で
ウロウロされると目障りだ。▼
- [フィヨルム]
- 興味本位などではありません。
あなたたちのことを…
もっと知りたいのです。▼
私が知るベルクト王子は
いつも自信に満ち、
真っ直ぐな目をされていました。▼
しかし、ここにいるあなたは
その…▼
- [ベルクト]
- ふん。あいつはまだ『運命』を知らない。
力もなく、世界の残酷さも知らない
未熟な俺だ…▼
だが、今の俺には力がある。
すべてを圧倒し、運命すら
ねじ曲げられる力がな!▼
- [フィヨルム]
- っ…!?▼
- [ベルクト]
- どうだ、この圧倒的な力は?
我が神ドーマの祝福を受けた俺を
何人たりとも阻むことはできん。▼
だが、あいつと俺…
どちらがしあわせ…かと言えば…
ぐっ、ううっ…!▼
- [フィヨルム]
- ベ、ベルクト王子!?▼
- [ベルクト]
- リネア…どこだ…返事を…
返事をしてくれ…▼
見えない…何も…かも…
ぐっ、うううっ…!▼
- [フィヨルム]
- ベルクト王子…!
行って…しまいました…▼
- [アルフォンス]
- そうだったのか。
あの森でそんなことが…▼
- [フィヨルム]
- はい…彼らは英雄の名に
ふさわしい素晴らしい力を
持っていると思います。▼
ですが、今はその力に蝕まれ…
本来の生き方、英雄としての在り方を
見失っているように…見えるのです。▼
- [アルフォンス]
- 英雄としての在り方、か…▼
どう振る舞うのが正しい在り方なのか
答えを出すのは難しいかもしれないね。▼
僕自身は、英雄は民のために戦い
その力を振るうべきだと思っている。▼
でも、大きすぎる力を持つ彼らは
その力のせいで、自分の宿命と
戦っているように見えるんだ。▼
- [フィヨルム]
- 自分の宿命と…戦う…▼
- [アルフォンス]
- 今の彼らは、その大きすぎる力を
制御できていないのかもしれない。
でも、彼らの力もこの世界に必要なんだ。▼
だからこそ、この世界に
エクラは
彼らを導いたんだと思うよ。▼
- [フィヨルム]
- …………▼
- [シャロン]
- お兄様、フィヨルム王女!
大変ですっ!
背後から敵の大軍が!▼
- [アルフォンス]
- 伏兵…?
まずい。今、近くには
他の英雄たちは…▼
- [フィヨルム]
- アルフォンス王子、シャロン王女!
ここは私が支えます。▼
あなたたちは先に逃げて、
エクラ様に
このことを…!▼
- [シャロン]
- そんな…!
フィヨルム王女を
残してはいけません!▼
- [チキ]
- ううん、にげなくていいよ。▼
わるいひとたちは…
やきつくすから…▼
- [フィヨルム]
- あなたは…!
あなたたちは…!▼
- [ベルクト]
- ふん、雑魚どもが
いくら群れをなそうが
俺の敵ではない。▼
- [マリータ]
- ミンナ…コロス…▼
- [カムイ]
- ここは…私たちに任せてください。
私が、自分を抑えられるうちに…▼
- [チキ]
- エクラから
おねがいされたの。
みんなをたすけて、って。▼
- [マリータ]
- コロス…コロス!▼
- [ベルクト]
- クリムヒルド、すべてを貫け…!▼
- [シャロン]
- す、すごいです…!
あんなにいた敵があっという間に…!▼
- [アルフォンス]
- 僕たちも続こう。
一気に突破するんだ!▼
- [フィヨルム]
- これが…英雄の力…!?
彼らが向き合う
宿命がもたらす…力…?▼
- [シャロン]
- みなさん、大丈夫ですか…!?
よかった、なんとかなりましたね!▼
- [フィヨルム]
- 本当に助かりました。
あなたたちの応援がなければ、
危ないところでした。▼
- [ベルクト]
- お前たちを助けたわけではない。
俺はただ、力を振るいたかっただけだ。▼
- [チキ]
- わるいひとは…
やきつくすだけだよ。▼
- [マリータ]
- はぁ、はぁっ…頭が…痛い…
んっ、くぅぅっ…▼
- [フィヨルム]
- マリータさん…!
大丈夫ですか?▼
- [マリータ]
- マダ…マダダ…
モット…コロス…▼
- [フィヨルム]
- 私たちを助けてくれたのは…
あなたがたの圧倒的なまでの力…
そのことには感謝しています。▼
でもその力は…
むやみに振るうべきものではない。
私はそう思います。▼
- [マリータ]
- オマエノ…
大切ナモノヲ
踏ミニジラレテモ…カ?▼
- [フィヨルム]
- そ、それは…▼
- [マリータ]
- コロス…コロサレル…
ドチラカシカ…ナイ…▼
オマエハ…ドチラダ…?▼
- [フィヨルム]
- わ、私は…!▼
- [カムイ]
- フィヨルム王女…
それ以上、踏み込んではいけません。
あなたまで力に囚われてしまう…▼
- [フィヨルム]
- カムイ王女…▼
- [カムイ]
- 今回は…あなたたちを助けるために
私たちの力を活かすことができました。▼
ですが、この力は…私たちも
望んで手に入れたものではないのです。
完全に御することはできません。▼
- [フィヨルム]
- …………▼
- [カムイ]
- だからもし私たちの力が
あなたに向けられたときは…▼
その時は、
どうか私たちを討ってください。▼
- [フィヨルム]
- そんな…!
仲間に刃を向けることなんて
できません!▼
- [カムイ]
- 覚悟はできています。それが…
この力を持つ者の定めだと思うから。▼
そして私たちが
乗り越えなくてはならない
試練なのですから。▼
- [フィヨルム]
- …………▼
あなたたちが…
エクラ様によって
この世界へ呼ばれた意味…▼
それは、あなたたちがいつか呪縛から
解き放たれ、英雄として新しい道を
歩みはじめるためなのかもしれません。▼
私はそう願っています。
どうか、あなたたちの行く先が…▼
悲しみではなく、
幸福な光が差す場所であるように…▼
魔剣に囚われし者 マリータ†
- [マリータ]
- …くっ、ううっ…
はぁっ、はぁ…っ…▼
だ、だめ…この剣を…
大切な人に…向けては…▼
私は…負けない…
私は…正しき道を歩む剣士…
フィアナのエーヴェルの娘…!▼
くっ、だめっ…おかあ…さま…
んっ! くぅぅぅっ!
だめ、だめぇぇっ…!▼
(暗転)
- [マリータ]
- はぁっ、はぁっ…
ま、また…あの夢…▼
私の中に広がる黒い衝動が…
とめどなくあふれて…▼
この剣を、大切な人に向けてしまう。
かけがえのないものを…
血で…染めてしまう…▼
私は…そんなことをするために
剣を握ったんじゃない…▼
お母様のようになりたいから…
リーフ様の力に…なりたかったから…▼
…ううっ!
あ、あああっ! アアアッ!▼
…………▼
…コロス…コロス…コロス…
コノケンデ…ミンナ…ミンナ…
ミンナコロス!!▼
- [ベルクト]
- この殺気…
姿を見せろ、下郎が。▼
- [マリータ]
- …………▼
- [ベルクト]
- 貴様如きが
ドーマ神の力を得たこの俺に挑むと?
片腹痛い…!▼
この俺に剣を向けたこと…
悔みながら死ぬがいい!▼
- [マリータ]
- コロス…!▼
- [ベルクト]
- 死ぬのは貴様だ…!
せやぁっ!▼
- [マリータ]
- コロス…ミンナ…コロス…!▼
- [ベルクト]
- 雑魚にしてはいい打ち込みだ。
だが…クリムヒルドの敵ではない!▼
- [マリータ]
- ガッ…! グゥゥッ…!▼
くっ…! う、ううっ…!
あ、あたま…が…! いた…い…▼
- [ベルクト]
- なに? 殺気が…?▼
- [マリータ]
- はぁっ、はぁぁっ…
ごめんなさ…い…
ごめんなさい…っ!▼
- [ベルクト]
- 退いたか…
あの女…魔剣に操られているのか。▼
完全に意識を
呑まれてはいないようだが…▼
クッ…クククク…
哀れなやつだ…▼
全てを手放してしまえば
楽になれるものを…▼
- [マリータ]
- はぁっ、はぁっ、はぁぁっ…▼
だ、だめだ…しっかりしなきゃ。
このままじゃ本当に
私が私でなくなって…しまう。▼
エクラさんは
私を信じて、私の力を頼ってくれた。▼
この剣で、大切な人を斬るのは…
絶対に…ぜったい…に…▼
- [チキ]
- …どうしたの?
かお、まっさおだよ。▼
- [マリータ]
- くっ、ううっ…あなた…は…▼
だ、だめ、今の私に…
近寄らない…で…▼
- [チキ]
- こわいゆめ、みたの?▼
- [マリータ]
- こわい…ゆめ?
これは…ゆめ…▼
…………▼
コロス…
コロス……▼
- [チキ]
- わたしを…ころすの…?
あなた、わるいひと…?▼
わるいひとはみんな、
やきつくす…▼
- [カムイ]
- やめてください、二人とも!▼
- [マリータ]
- チ……!▼
- [チキ]
- いなくなっちゃった…▼
- [カムイ]
- マリータさん…▼
あなたもまた、
力を抑えられずに
いるのでしょうか…▼
- [カムイ]
- 待ってください、マリータさん!▼
- [マリータ]
- オマエ…▼
- [カムイ]
- やめてください!
このままではあなたの魂は
魔剣に飲み込まれてしまう。▼
- [マリータ]
- オマエモ…コロス…!▼
- [カムイ]
- くっ! 私はあなたと
争うつもりはありません!▼
私たちは
この世界の戦乱を鎮めるために
呼ばれたのではないのですか?▼
- [マリータ]
- ミンナ…ミンナ…コロス!▼
- [カムイ]
- みんな殺したら…
この世界の命を奪い尽くしたら
あなたのその力はどこに向くのですか?▼
あなたが振るう、その力は…
いずれあなた自身を傷つけ
破滅を招いてしまうだけです…!▼
- [マリータ]
- ……!
ダマレ! ダマレ…!
コロス、コロス…!▼
ぐっ! あ、あああっ!
くぅっ! はぁぁぁっ!▼
- [カムイ]
- マリータさん!
意識が…!?▼
- [マリータ]
- ご、ごめんなさい、カムイ…王女。
心配、かけて…私は…▼
今は…まだ、魔剣の支配から
逃れることが…できません。
でもこれは…私の心が弱いから…▼
- [カムイ]
- マリータさん…▼
- [マリータ]
- で、でも…私は…負けない。
いつかきっと…この魔剣に
打ち勝つ…未来…を…▼
- [カムイ]
- マリータさん…▼
あなたも…私と同じですね。
自分の中に渦巻く力と戦い
宿命を乗り越えようと、もがいている。▼
共に…抗いましょう。
私たちがこの世界にいるのは
きっと意味が…あると思うから…▼
眠れる竜王女 チキ†
- [チキ]
- んっ…んんっ…▼
やだ…いやだよぉ…
わたしを…おいていかないで…▼
ひとりは、いやだよ…
さみしいのは…いや…▼
さむいよ…くるしい…よ…
ひとりにしないで…
わたしの手を…にぎって…▼
やだ、いかないで…みんな…
おじいちゃま…どこ…?
うっ、ううっ…▼
(暗転)
- [チキ]
- んっ…はふぅ…
ここ…は…?▼
そっか、わたし…
エクラに
この世界に…よばれて…▼
…………
やっぱりみんな…いない…
どこにいっちゃったの…▼
わたし、ひとりは…いやだよ…
みんなと…いたいよ…▼
…でも、ここは…ゆめのなか。
ゆめのなかなら、きっとみんなに…
あえるよね…▼
この世界のどこかに…
わたしと同じ…
なかまがいるはずなの…▼
- [チキ]
- 今日はたのしかった。
また、あそぼうね…▼
- [シャロン]
- はい!
また明日、ですね!▼
……▼
- [アルフォンス]
- …シャロン。
どうだい、チキの様子は。▼
- [シャロン]
- いい子なんですけど
少し様子がおかしい…
そんな気がします。▼
ぼんやりしていて、でも
ふとしたきっかけで攻撃的になったり…
どこか危うさを感じます。▼
- [アルフォンス]
- …チキは、この世界に来て
自分の仲間が見つかるはずと
強く思い込んでいるようだね。▼
今は、僕たちを『ともだち』と
認めてくれているようだけど…▼
もし、仲間が見つからなかったとき
彼女はどうなってしまうのだろう。▼
- [カムイ]
- チキさん…どうしたのですか。
こんな時間に?▼
- [チキ]
- カムイ…さん…▼
カムイさんは…
わたしの…なかまなの?▼
- [カムイ]
- え…? それは、どういう…▼
- [チキ]
- カムイさんから
わたしとおなじような
ちからをかんじるの…▼
あなたは…わたしとおなじなの?
さがしていた…なかまなの?▼
- [カムイ]
- …………▼
私の中に力は確かにあります。
でも、この力の正体は
私にもわからないのです。▼
- [チキ]
- にてるの…そのちから。
わたしが…しってるひとたちに…▼
ね? カムイさんは
わたしのなかまだよね?
わたしとおなじなんだよ…ね?▼
- [カムイ]
- ごめんなさい…
あなたの仲間かどうかも
私にはわからないのです…▼
- [チキ]
- …やっぱり…いないの…?
わたしの…なかま…▼
わたしは…ひとりぼっち……▼
- [カムイ]
- !
この力の高まりは…▼
だめです、力に身を…委ねては…!▼
- [チキ]
- きらい…こんな世界…
ぜんぶ…!▼
- [カムイ]
- っ…!
この力…私ひとりでは…!▼
- [チキ(大人)]
- …大丈夫。
カムイ王女。
私も力を貸すわ。▼
- [カムイ]
- ……!
あ、あなたは…!?▼
- [カムイ]
- あなたは…チキさん…!?▼
- [チキ(大人)]
- ええ。私もこの子と同じ魂を持つ者。
カムイ王女…力を貸して。
この子の力を押し留めましょう。▼
- [カムイ]
- はいっ…!▼
- [チキ]
- …? なぁに…これ…?
とってもやさしい
あったかい…ひかり…▼
- [チキ(大人)]
- そう…それでいいの…落ち着いて。
何も怖くないわ。
ゆっくりと、心を開いて…▼
- [チキ]
- あ、ああっ…くぅ…っ…▼
- [カムイ]
- 暴走していた力が…
収まっていく…▼
- [チキ(大人)]
- もう大丈夫よ…
落ち着いたかしら?▼
- [チキ]
- んっ、んんっ…
あなたは…だれ?
わたしの…なかま…だよね?▼
- [チキ(大人)]
- ええ、仲間よ。
でも、あなたの求める仲間じゃない…
私はあなた自身なのだから。▼
- [チキ]
- ふぁあ…なでなで…してくれるの?
あったかい…手…
おじいちゃまの手…みたい…▼
- [チキ(大人)]
- チキ…
あなたは今、夢を見ているの。
長い長い…夢をね。▼
そして私も昔、長い眠りの果てに
悪夢を見せられたことがあるわ…
望まぬ夢を。▼
- [カムイ]
- …………▼
- [チキ]
- あなたも…ゆめをみていたの?▼
- [チキ(大人)]
- ええ。けれど
私は夢から覚めることができた。
バヌトゥが助けてくれたおかげ…▼
- [チキ]
- おじいちゃまが…?▼
- [チキ(大人)]
- チキ…
ここにはあなたを大切に想う
たくさんの友だちがいるのよ。▼
アルフォンス王子、シャロン王女…
そして、ここにいるカムイ王女…▼
みんなと心を通わすことができれば
あなたもきっと夢から覚める。▼
自分の力で…望まぬ夢から、
鳥かごから出られるはずなの。▼
- [チキ]
- でも…
ゆめからさめたら…どうなるの?
わたし、こわいのは…いやだよ…▼
- [カムイ]
- 大丈夫です。私がそばにいます。
それに、みんなもそばにいてくれます。▼
- [チキ]
- ほんと…?
みんないっしょに…
いてくれる?▼
- [カムイ]
- ええ、約束します。▼
- [チキ(大人)]
- ありがとう、カムイ王女。
あなたもまた、自らの宿命を
乗り越えなければならない…▼
でも、仲間との絆が
あなたを未来に…
導いてくれるでしょう。▼
- [カムイ]
- …はい。
その言葉、心に刻んでおきます。▼
- [チキ]
- ねえ、もうひとりの…わたし。
また、あえる?▼
- [チキ(大人)]
- ええ。必ず会えるわ。
私とあなたには…
長い長い時間があるのだから…▼
禍つ魂の慟哭 カムイ†
- [カムイ]
- くっ…! ううっ!▼
はあ…はぁっ…
思い…出しました…
私は…あのとき…▼
お母様を…守れずに…
力を暴走させ…▼
町も…何もかも
めちゃくちゃに…▼
どうして…どうしてそんなことを…
私はどうやって詫びたら…▼
くっ、ううっ…身体が…熱い…
血が…沸騰して…ううっ…!
身体の奥が…燃える…!▼
(暗転)
- [カムイ]
- はあ…はぁ…!
ま、また…あのときの…
うっ、くうっ…▼
私は…何も守れなかった。
湧き上がる力に…
抗うこともできないまま…▼
もし、あのとき…
きょうだいのみんなが…
アクアさんがいなかったら、私は…▼
………
私は、恐ろしい。
自分が…怖い。▼
私の中に渦巻く、この力が…
大切な人に牙を剥いてしまったら…▼
私は自分で自分を抑えられるでしょうか…
自分を見失わずに…いられるでしょうか…▼
- [シャロン]
- カムイ王女!
今日の戦いはお疲れさまでした!▼
- [カムイ]
- シャロン王女…
あなたがこの森に来るなんて
珍しいですね。▼
- [シャロン]
- わたし、この場所も好きですよ!
なんだか背筋がゾクゾクして
独特の雰囲気がありますよね!▼
- [カムイ]
- そう…なのですか?▼
私はここにいると
力が抑えやすいような気がして…▼
きっと、この地には
不思議な力があるのかもしれません。
竜脈のような…▼
- [シャロン]
- あっ、そうそう!
そのカムイ王女の力のことで
わたし、気になったことがあって…▼
もしかして…無理、してませんか?
今日も戦っているとき
なんだか辛そうでした…▼
- [カムイ]
- ……▼
お気遣いありがとうございます。
大丈夫ですよ、シャロン王女。
無理なときは、すぐにお知らせします。▼
私の力は…自分では完全に
御することができないので…▼
- [シャロン]
- はい! 無理はしないでくださいね。
わたしたちでよければ
いつでも頼ってください!▼
- [カムイ]
- ありがとうございます。
心配をおかけして申し訳ありません
シャロン王女。▼
(場面転換)
- [ベルクト]
- …………▼
- [カムイ]
- 私が…
自分の力に怯えていると…?▼
- [ベルクト]
- そうだ。貴様は力を抑え
最低限の力しか行使していない。▼
なぜ出し惜しみする?
力は使わねば意味がない…▼
- [カムイ]
- ですが…!▼
- [ベルクト]
- 暴走するのが怖い、か?▼
ふん…力には代償が伴うものだ。
お前は対価無しで
力だけを都合良く使いたいのか?▼
- [カムイ]
- 私は…大切なものを守るために
力を使いたいのです。▼
ですが、制御できない力が
守りたいものを傷つけてしまったら
それこそ…本末…転倒です。▼
- [ベルクト]
- ならば、そのときはお前が自分で
お前の命を断てばいいだろう。
大切なものを傷つける前にな。▼
- [カムイ]
- そんな…!▼
- [ベルクト]
- お前は甘い。
覚悟が…足りないのだ。▼
その程度の覚悟ではいずれ
戦場で命を落とすだろう。
何も守れずにな…▼
- [カムイ]
- ……▼
- [ベルクト]
- その力は、お前の中に
確実に存在するものだ。
逃げても…何も変わらんぞ。▼
- [カムイ]
- …………
力から逃げても…
何も変わらない…▼
私は…▼
- [カムイ]
- ベルクト王子…▼
- [ベルクト]
- なんだ?
ようやくお前の力を
解き放つ気になったのか?▼
- [カムイ]
- …あなたに言われたことを
考えてみたのです。▼
力の暴走を恐れても
私の中からこの力が
消えるわけではありません。▼
力を使うことを躊躇したままでは
本当に守りたいものも守れずに
終わってしまうかもしれません。▼
私がなすべきことは
この力と向き合い
宿命を乗り越えることだと思います。▼
- [ベルクト]
- 口でいうのは簡単だ。
しかし、お前には
その覚悟があるのか?▼
- [カムイ]
- 向き合います。命を…懸けて。
大切なものを守る力として
必ず、自分のものにしてみせます。▼
私の力で…もう誰も
傷つけることのないように。▼
- [ベルクト]
- 命を懸ける…といったな。
ならばお前は、全身全霊をもって
自分の力と向き合え。▼
それでも力を御せずに
暴走したときは…この俺が
貴様を殺してやろう。▼
- [カムイ]
- はい。覚悟の上です。
恨みは…しません。▼
- [ベルクト]
- ふん。貴様がどこまで自分を
律することができるのか…
見極めさせてもらうぞ。▼
- [カムイ]
- …………▼
私には守るべき…
守らなければならないものがある。▼
今まで、私に愛を注いでくれた
きょうだいたち…▼
アスク王国で
私を受け入れてくれた仲間たち。
そのすべてが大切な存在なのです。▼
私に力があるのは偶然じゃなく
意味が…あるはずなのです。▼
私はその意味を見つけたい。
どうしてこの強大な力が
私に与えられたのか、その意味を…▼
もし、この力に飲み込まれ
私が私でなくなってしまったら…
覚悟を決めるしかありません。▼
それでも、私は必ず…
乗り越えてみせます。▼
自分の中にあるこの力が
未来を拓く力であることを信じて。▼
煉獄の王子 ベルクト†
- [ベルクト]
- くっ…ううっ…陛下…
なぜ私には、出陣を
お許しくださらないのです!?▼
陛下、どうかご慈悲を…
陛下…!▼
……▼
ぐぅっ、ううっ!
リネア…お前まで…▼
そうやって笑っていたのか
ルドルフやマッセナのように…▼
なにも知らぬ俺を
皇帝になれるはずはないと…
憐れんで笑っていたのか…!▼
ドーマよ…神よ…
望み通り、求めてやろう!
俺に力を…▼
すべてを壊す力を俺に…!
いかなる対価でも持っていくがいい!!▼
ぐうううっ! おおっ!
うああああああーっ!▼
(暗転)
- [ベルクト]
- くっ! ううっ…!
はぁはぁっ…く、くそっ…!▼
また同じ…夢だ。
俺は何度…繰り返す…
これも力の代償…なのか…▼
うっ! ぐぅぅっ!
あ、頭が…わ、割れ…るっ…▼
……▼
リネア…そうだ、俺はリネアを探して
ここまで来た。異界の門をくぐり
世界の…隔たりを越えて…▼
いるんだろう、リネア?
お前は…この世界に…▼
どこにいるんだ…リネア…▼
- [ベルクト]
- …………▼
…いない、ここにも…リネア…▼
- [チキ]
- なにしてるの…?
あなたも…おさんぽしてるの?▼
- [ベルクト]
- マムクートの娘か…▼
答えろ。
リネアを見なかったか…?
水色の髪の、大人しそうな娘だ…▼
- [チキ]
- しらない…▼
あなたも、たいせつなひとに
おいていかれちゃったの?▼
- [ベルクト]
- …………▼
- [チキ]
- わたしも、ひとりぼっちなの。▼
たくさんたくさん、
たいせつなひとがいたのに。
みんな…わたしをおいていっちゃった。▼
- [ベルクト]
- お前の中に…力を感じる。
それほどの力を持っていても
思い通りには生きられぬというのか…▼
- [チキ]
- わたし、この世界で…みんなにあえるかな。
チキのたいせつなひとたちに…
また、あえるのかな…▼
- [ベルクト]
- ……! そうか…
その手が…あったか…▼
いなければ、呼び寄せればいい…!▼
クク、クククク…!
リネア…! 待っていろ…!▼
- [アンナ]
- あら? ベルクト王子…▼
- [ベルクト]
- あいつは…
エクラは
どこにいる…▼
- [アンナ]
- い、いったいどうしたのよ!?
とりあえず落ち着いて!▼
エクラなら
今は城にいないわよ。
アルフォンスたちと訓練に出ているわ。▼
でも、エクラに
いったい何の用なの?▼
- [ベルクト]
- あいつに…リネアを召喚させる。▼
できるのだろう?
エクラなら…!▼
- [アンナ]
- 待って! 確かに
エクラは
異界から英雄を召喚できるけど…▼
決められた誰かを
召喚することはできないはずよ。▼
招かれるのは
アスク王国と縁の繋がった
英雄だけなの。▼
- [ベルクト]
- くっ…!▼
- [アンナ]
- それにもし…
そのリネアさんという人を
召喚できたとしても…▼
それは、あなたのいた世界とは
違う世界のリネアさんかもしれないの。▼
- [ベルクト]
- っ…! もういい!
この話は…終わりだ…▼
- [アンナ]
- あっ、ちょっと!
ベルクト王子…!▼
(場面転換)
- [ベルクト]
- 力を…手に入れて…
俺はすべてを得ることが
できると思った…▼
しかし、現実は…その逆だ…
俺は…俺はすべてを失ったのか…▼
帝国も、リネアも…そして、今まで
過ごしてきた世界も…
すべて、すべて…!▼
ぐっ、ううっ…▼
- [???]
- …さま……
…ベルクト…さま…▼
- [ベルクト]
- ……▼
この…声…俺は…
この声を…知っている…▼
- [???]
- …諦めないでください…
あなたは…すべてを失ったわけでは
ありません…▼
あなたには、まだ…未来がある。▼
あなたと同じように、悩み、苦しみ
それでも生きようとする…仲間も…▼
- [ベルクト]
- 俺に…仲間など…
俺が必要とするのは…▼
- [???]
- この世界は
あなたの力を必要としています。▼
今度こそ…あなたの望みを…
この…世界で…▼
- [ベルクト]
- ま、待て!
お前は…!▼
(暗転)
- [ベルクト]
- はっ…!
俺はいったい…▼
この世界に必要とされているだと?
誰にも、何にも必要とされなかった
この俺が…▼
俺の中に宿っている
すべてを破壊するドーマの力が…
この世界に必要だと言うのか…▼
クク、ククク…そうか、わかったぞ。
ここは地獄だ。
俺は地獄に堕ちたのだ…▼
この地で、死ぬまで…
魂がすり切れるまで
戦い抜けというのだな…?▼
いいだろう…
世界が俺の力を必要とするのなら
地獄の果てまで付き合ってやる!▼
戦って戦って、戦い抜いて…
俺が生きた証を刻んでやるぞ!▼
そして…この世界で
俺の命を使い切ったそのとき…▼
また、あいつに会えるのかもしれない…▼
コメント†
Last-modified: 2020-09-24 (木) 18:48:47