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章別会話

信頼という名の絆

信頼という名の絆

オープニング

[ファリナ]
アルフォンス王子、パント様。
ただいま戻りました。
偵察は無事に完了…!▼
でも、報告よりも賊の数が多いみたい。
もうっ、全然話が違うじゃない!▼
[アルフォンス]
ご苦労さま、ファリナ。
エルク、さっき預けた地図を
見せてもらえるかな。▼
[エルク]
現在地は…
さきほど野営した盆地から
少し西に移動したところですね。▼
[パント]
ファリナ、君が見てきた
賊の一団が展開していたのは…
川沿いのこのあたりかな?▼
[ファリナ]
はい。ここと、ここと…ああ、
こっちの森の中にも!
聞いてた数の3倍はいたかも。▼
[ルイーズ]
このまま進むと…
私たちは囲まれてしまう
恐れがありますね。▼
[パント]
……。
アルフォンス王子
私に、ひとつ考えがあります。▼
私とエルクは、魔力を十分に残しています。
最も効果的な局面で、
これを用いましょう。▼
[エルク]
……。▼
[パント]
まず、こちらから囮を出して敵を誘導。
我々は敵の背後に回り込み
初撃にて致命的な一打を与えます。▼
ルイーズ、囮の役目を頼めるかい?▼
[ルイーズ]
はい、喜んでお引き受けいたします。▼
[ファリナ]
え?
囮役なら私のほうが
向いてるんじゃ?▼
[パント]
天馬で空を翔けるファリナでは
地上の賊たちは追いつけないよ。▼
自分たちの武器が届く相手でないと
敵は必死に追ってこないからね。▼
[アルフォンス]
では、その作戦でいこう。
ルイーズ、くれぐれも気をつけて。
無理はしないようにね。▼
[ルイーズ]
はい、お任せください。
必ずご期待に応えてみせますわ。▼
[ファリナ]
……。▼

C

[エルク]
パント先生の作戦を成功させるには
一瞬で勝負を決める必要がある。▼
失敗すればルイーズ様にも
アルフォンス王子にも危険が及ぶ。
絶対に成功させないと…。▼
[ファリナ]
おっ、何だか気合入ってるじゃない。
感心感心。▼
この作戦のキモは
エルクとパント様なんだから。
しっかり頼むね。▼
[エルク]
ええ、そのつもりです。▼
[ファリナ]
でもさ…囮役を奥さんに頼むなんて
パント様はルイーズ様のことが
心配じゃないわけ?▼
[エルク]
もちろん、心配に決まっていますよ。▼
でも、パント先生はルイーズ様を
深く信用されているからこそ
大事な役目を頼まれたのだと思います。▼
[ファリナ]
ふーん、なるほどねえ。▼
夫婦って言っても
元はと言えば血の繋がりがない
他人同士じゃない?▼
さっきは、夫婦ってそんなもんなの?
なーんて思っちゃった。
でも、違ったんだ。なるほどね。▼
[エルク]
本来なら、
今回のルイーズ様のお役目は
僕が担うべきものだった。▼
だけど、僕はまだ未熟で
パント先生の期待に応えられる
力量がない…▼
だから、囮役を任せるだけの
信頼を得られなかったのでしょう。▼
[ファリナ]
ふーん…ま、いいか。
もうすぐ進軍がはじまるから
首尾のほう、よろしくね!▼

B

[アルフォンス]
よし、ルイーズが
敵を誘い出してくれた。
ここから一転、攻勢をかけよう!▼
[ファリナ]
任せて! ここからは
私たちの出番ね…!▼
[エルク]
あの、パント先生…▼
[パント]
どうしたんだエルク?
私たちも配置につこう。▼
[エルク]
本当は僕が囮役をやるべきなのに
ルイーズ様にお役目を
任せてしまいました。▼
次は僕が囮役をやれるように
もっと力をつけてみせます。▼
[パント]
エルクは実力が足りないゆえに
囮役を任されなかったと
思っているのかい?▼
[エルク]
そ、そうではないのですか…?
僕の実力は、まだまだ
パント先生に信頼されていないのかと。▼
[パント]
エルク、それは違うよ。▼
ルイーズに囮役を頼んだのは
彼女は弓兵としての高い技能を持ち、
優れた視力と観察眼があるからだよ。▼
今回の囮役を任せるのに
適任なのがルイーズだった。
だから、お願いしたんだ。▼
[エルク]
な、なるほど…
そういう理由があったのですね。▼
[パント]
そしてエルクにも、ルイーズ同様に
大事な使命がある。▼
今回の作戦、勝利を収めるためには
私とエルク、二人の魔道士が
攻撃を集中させる必要があるんだ。▼
私一人だけでは難しい。
エルクの魔道を信用しているからこそ
今回の作戦を立案したんだ。▼
[エルク]
パント先生…!▼
[パント]
さあ、まもなくルイーズも戻ってくる。
機を逃さず一気に勝負をかけよう。▼
[エルク]
はい…!
必ずやご期待に応えてみせます…!▼

A

[ファリナ]
近くに敵の姿はなし。
賊は総崩れで敗走したみたい…
私たちの勝利ね!▼
[パント]
うまくいったようだね。
ルイーズ、危険な任務にも関わらず
よくやってくれたね。▼
[ルイーズ]
パント様とエルクが敵に大打撃を与え
アルフォンス王子やファリナが
素早く動いてくれたおかげです。▼
今回の勝利はそれぞれの役目を
しっかりと果たせたから、でしょうね。▼
[ファリナ]
パント様が、ルイーズ様を
信頼しているのはやっぱり
夫婦だから…ですか?▼
[パント]
もちろん、
夫として妻のことは
とても信頼しているよ。▼
けれど、それだけではないんだ。
私は一人の人間としても
ルイーズに信頼を置いている。▼
[ルイーズ]
パント様…。▼
[パント]
言うまでもなく
アルフォンス王子やファリナたちにも
しっかりと信頼を寄せているよ。▼
英雄でなくとも、王子でなくとも
傭兵でなくとも…あなたがたは
一人の人間として信頼に値する。▼
[アルフォンス]
それは、肩書きや立場に左右されず
人柄、才能そのものを信じる…
そういう意味なのかな?▼
[パント]
妻だから信じたい。弟子だから信じたい。
それは願望でもあり、一生をかけて
築いていきたい繋がりでもある。▼
しかし、関係にとらわれることなく
一人の人間として
互いに信を置き、命を預けあう。▼
信頼という名の絆を紡いでいくことも
私は大切だと思っているんだ。▼
そして今回は、みんなが私の信頼に
十二分に応えてくれた。これでまた
一層絆が強まった気がするよ。▼
[エルク]
パント先生…!▼
僕は、もっと修行を重ねます。
弟子としてだけではなく
一人の人間として成長できるように。▼
パント先生とルイーズ様が
僕に注いでくれた信頼に…
必ず応えてみせますから…!▼

英知の魔道士 エルク

C

[クレイン]
…では、ぼくたちはこれで。▼
[クラリーネ]
よろしくお願いいたしますわね。
それでは。▼
[エルク]
……。▼
[ピアニー]
? どうしたの?
ぽかんとした顔して。▼
[エルク]
あ…ああ、すまない。
あまりの驚きに心がついてこなくて。▼
あの二人は…
パント先生とルイーズ様の
ご子息とご息女らしいじゃないか…!▼
まさか、あんな立派に成長した
お姿に出会えるなんて。
なんとも驚きだよ…。▼
[ピアニー]
未来の人間に出会えるなんて
アスク王国って夢の国みたいね。▼
ふふっ、エルクさん、そのうち
未来のエルクさんと
出会っちゃったりして。▼
[ギネヴィア]
あの…
もしや、あなたは
あのエルク様でしょうか?▼
[エルク]
え…? エルク様?
ま、まさか僕のことですか?
僕を知っているのですか?▼
[ギネヴィア]
私はベルン王女ギネヴィアと申します。
あなたの御高名は、
ベルンにも届いておりました。▼
エトルリア魔道軍将にと
皆に望まれながらも
それを固辞し…▼
優れた魔道研究を成し遂げられた
英知の魔道士エルク様…
お会いできて光栄です。▼
[エルク]
!?
…ぼ、僕が…ですか?▼

B

[エルク]
ちょ、ちょっと待ってくれませんか。
あなたは未来の僕のことを
知っているようですが…。▼
皆が僕を魔道軍将に
推薦したというのですか…?
なぜ?▼
[ギネヴィア]
それはもちろん、エルク様が
魔道軍将にふさわしい
お方だからでしょう。▼
[エルク]
!? 魔道軍将といえば
エトルリアの魔道士の要!
あのパント先生と同じ地位ですよ!▼
し、しかもそれを断ったんですか?
なぜ?
なぜ僕は断ったりしたんです?▼
[ギネヴィア]
すみません、私は存じません…
エルク様のお気持ちは
エルク様ご自身にしか…▼
[エルク]
……。▼
[ピアニー]
きゃっ、良かったね、エルクさん。
未来のエルクさんはきっと
すごい魔道士になるんだわ。▼
[エルク]
し、信じられない…。
未来の僕が、そんな…。▼
[ピアニー]
あ、エルクさんったら、
またぽかんとした顔してる。▼
[エルク]
驚きの連続で、
どう反応していいのか…。▼

A

[プリシラ]
エルク…大丈夫でしたか?▼
[セーラ]
もー、全然ダメ!
部屋にこもりっきりで
全然外に出てくる様子ナシ!▼
部屋にこもってばかりいると
根暗がもっと根暗になっちゃうわよ!
…って言っても反応ないし。▼
んもー! せっかく久々に
アスク王国で再会できたって言うのに
いったい何をやっているんだか…!▼
[プリシラ]
エルク…心配ですね。
無理をしていないといいのですが。▼

(暗転)
[エルク]
……。▼
セーラの言うとおりにするのは
すこしシャクだけど…
たまには外で気分転換も必要だな。▼
でも、今のままでは全然ダメだ。
もしも本当に魔道軍将にと
請われるほどの存在になるなら…▼
僕は、もっともっと成長しないと。▼
[ピアニー]
あら? エルクさん。
お散歩?▼
[エルク]
あ…。
やあ、ピアニー。▼
[ピアニー]
わっ! 目の下にすごいクマ!
ちゃんと眠ってないんじゃない?▼
[エルク]
そうだね…。
勉強することがありすぎて
寝る間も惜しいというか…。▼
[ピアニー]
ダメ!
眠ることはとっても大事なんだから。▼
勉強だけじゃなく
よく食べて、よく寝て
心も身体も成長させないとね!▼
もしかして、前に聞いた話が
気になってるの?▼
[エルク]
……。▼
パント先生の次の魔道軍将に…
それはもしかしたら、パント先生が
望んでくださったことなのかもしれない。▼
そんな恐れ多いこと…今の僕には
申し訳なさ過ぎて耐えられない。
だから、僕はもっと自分を…▼
[ピアニー]
なるほどー。だから
必死になって頑張っていたのね。▼
でも、今ここにいるエルクさんは、
エルクさんのままで
いいんじゃないかな?▼
[エルク]
僕のままで良い…?
それはどういう…こと?▼

S

[エルク]
僕のままでいいって…
でも、ギネヴィア王女の話が本当なら…▼
僕は将来、
魔道軍将に推されるような
存在になるべきじゃ…▼
[ピアニー]
だって、今のギネヴィアさんが
エルクさんと同じ異界の
ギネヴィアさんとは限らないでしょ?▼
二人は別々の異界から来ていて…
今、私の目の前にいるエルクさんは
別の道を歩むかもしれないんだから。▼
[エルク]
それは…異界ごとに違う自分がいて
異なる未来が待っている
可能性があるということかい?▼
[ピアニー]
エクラさんも
そんなこと言っていた気がするの。
未来は、異界の数だけあるって。▼
エルクさんは
ほんとうにすごい魔道士に
なるのかもしれないし…▼
誰かと結婚して、
二人で幸せに
暮らすのかもしれない…▼
要するに、まだ未来は
決まってないってこと!▼
[エルク]
そうか。そういうことなのか…。▼
僕は未来が決められたもので
その通りに生きなければならないと…
そう、思い込んでいたんだね。▼
ありがとう、ピアニー。
この世界には、いろいろな可能性が
存在しているということを知ったよ。▼
一人で焦って、セーラやプリシラ様にも
ご迷惑をかけてしまったな…
あとで謝っておかないと。▼
ともあれ、やるべきことは見えたよ。
僕は僕の歩幅で…これからも
努力していこうと思う。▼
[ピアニー]
うんうん、それが一番だね。
良く学んで、よく食べて、よく眠る!▼
人間たちが未来を夢見てくれる…
それは、夢の国の妖精たちにとっても
幸せなことなの。▼
だからこれからも、
夢に向かって歩きましょ。
えいえい、おー!▼

金紫の貴婦人 ルイーズ

C

[イグレーヌ]
お久しぶりです…ルイーズ様!▼
[ルイーズ]
まあ、あの小さな
イグレーヌちゃんが
こんなに大きくなって!▼
ホークアイ様…
お父さんにも見せてあげたいわ。
きっとお喜びに…▼
あ、もしかして
先に召喚されていた異界の私も
同じことを言っていたかしら。▼
[イグレーヌ]
え、ええ。▼
[ルイーズ]
でも、そうね…イグレーヌちゃんが
こんなに大きくなったんじゃ
もうちゃん付けでは呼べないわね。▼
[イグレーヌ]
い、いえ、ルイーズ様の
お好きなようにお呼びください!▼
これからもともに戦えること
うれしく思います。
では、のちほど訓練場で…!▼
[ルイーズ]
それにしても驚いたわ。
あの小さかったイグレーヌが
あんな素敵な女性に…▼
[???]
…今なら話を聞けるんじゃない?▼
[???]
そ、そうね。チャンスかも…。▼
[ルイーズ]
あら…?
誰かいらっしゃるのですか?▼

B

[ルイーズ]
あら? あなたたちは…?▼
[ノルン]
あ、あたしはアリティアの義勇兵
ノルンと言いますっ!▼
[エフィ]
ラムの村のエフィです。
今日は、ルイーズさんに
聞きたいことがあって。▼
[ルイーズ]
私に聞きたいこと?
なにかしら?▼
[ノルン]
ルイーズさんには
パントさんという素敵な
旦那様がいらっしゃいますよね?▼
どうやって旦那様を射止めたのか
教えてほしいんです。
同じ弓使いとして…!▼
[エフィ]
私も…
参考になればいいなって。▼
[ノルン]
お願いします!
なにとぞ、なにとぞっ!▼
[ルイーズ]
別に構いませんが…
何から話せばいいのかしら?▼
[ノルン]
そ、そうですね…お二人が
お付き合いされるようになった
馴れ初めとかは…!?▼
[エフィ]
あ、それいいかも…。▼
[ルイーズ]
馴れ初め、ですか。
参考になるかはわかりませんが…。▼
そちらの木の陰に隠れている方
よろしければ、あなたもこちらに。▼
[タニア]
……!? べ、べ、別に
隠れていたわけじゃないよ!
たまたま通りかかったっていうか…!▼
[エフィ]
ふーん…たまたまなんだ。▼
[ノルン]
せっかくだから
たまたま通りかかったタニアも
お話聞いていこうよ。▼
[タニア]
しょ、しょうがないね。
ルイーズ様、あたしも
ご一緒させていただいても…?▼
[ルイーズ]
ええ、もちろんどうぞ。
私の話が参考になれば良いのですが…。▼

A

[ルイーズ]
パント様は、エトルリアの名門
リグレ公爵家の嫡男で、若い頃から
その才を広く知られていました。▼
私も幼い頃からパント様を存じており
その人柄や努力を怠らぬ勤勉さを伝え聞き
尊敬していたのです。▼
[ノルン]
幼馴染みではなかったんですか?▼
[ルイーズ]
はじめてパント様にお会いしたのは
私が14歳のとき…
パント様の婚約者を決める席でした。▼
そこには、エトルリア貴族の令嬢二十人が
集められており、私もその一人でした。▼
もっとも私の家は、そこまで名門では
なかったのですけど…▼
[タニア]
でも、二十人もいたら選ぶの大変じゃない?
どうやって婚約者を決めたんですか?▼
[ルイーズ]
候補者はエトルリア貴族の美姫ばかり。
どの令嬢も輝くばかりの
美しさを誇っていました。▼
その場で美姫たちはそれぞれ
パント様の前で自分の特技を
披露することになったのです。▼
歌や踊り、楽器の演奏、詩の朗読…
みなが令嬢の嗜む特技を
次々と披露していきました。▼
でも、私は…そのどれもが
得意ではなかったのです。▼
[ノルン]
ええっ!? そ、それじゃあ
どうしてルイーズさんが
選ばれたんですか?▼
[ルイーズ]
私は…包み隠さず、自分の本心と
これまで積み重ねてきた生き方を
パント様にお伝えしたのです。▼
「私は弓が一番得意です」
「パント様をお守りしますので
どうか、お嫁さんにしてください」と。▼
[エフィ]
わあ、ストレート。▼
[ルイーズ]
私が顔を真っ赤にしながら
言い終わったとき
部屋中から笑い声が響きました。▼
令嬢も、その従者のみなさんも…
みんな私のことを笑っていました。▼
そんな中、たった一人笑うことなく
微笑んでくれている人がいたの。
それが、パント様だった。▼
「あなたのように
素直な女性ははじめてだ」
そう、私の手を握ってくださったの。▼
あのときの天に昇るような気持ちと
パント様の手の温かさ…
今でもしっかりと覚えています。▼
[タニア]
ぐすっ! あたしは感動したよ!
いい話じゃない…!▼
[ルイーズ]
パント様はありのままの私を
見てくれました。▼
ありのままの自分を見せられるように
努力すること…それが
恋を叶える近道かもしれませんね。▼

S

[レベッカ]
ルイーズさん、ルイーズさん!▼
[ルイーズ]
まあ、レベッカ。
あなたもここへ来ていたのですね。
お元気そうで何よりです。▼
[レベッカ]
ルイーズさんこそ、お変わりなく…!
アスク王国の生活には
もう慣れましたか?▼
[ルイーズ]
ええ。そうだわ…。先日、
ノルンやエフィ、タニアたちに
パント様との馴れ初めを話したのです。▼
以前、あなたにも
お話したことがありましたね。▼
[レベッカ]
覚えています…!
あの素敵なお話…。▼
ああっ、なるほど!
だからですね!▼
[ルイーズ]
……?
なにかおかしなことでも
あったのですか?▼
[レベッカ]
実はここ数日…
ノルンやエフィ、タニアたちが
猛烈に弓の訓練をしていたんです。▼
「恋も戦いもモノをいうのは弓の腕ね!」
と息巻いていたのは、もしかして…。▼
[ルイーズ]
あらあら。
私が伝えたかったのは
そういう意味ではなかったのですが…。▼
[レベッカ]
で、ですよね…。▼
[ルイーズ]
でも、あの子たちはとても素直で
前向きでした。▼
きっと…いい恋ができると思います。
もちろん、レベッカも。▼
[レベッカ]
は、はいっ!
ルイーズさんにそう言ってもらえると
励みになります!▼
わたしも、素敵な殿方と
運命をともにできるように頑張ります!▼
[ルイーズ]
ふふっ、応援しているわ。▼

銀の魔道軍将 パント

C

[フィヨルム]
つきました。
ここがアスク王国の
大図書館です。▼
[パント]
これは素晴らしい…!
何という数の秘本…
まさしくここは智の宝庫、宝の山だ!▼
[カナス]
パント様…!
お久しぶりです!▼
[パント]
君は…カナスじゃないか!
そうか、君もアスク王国に
召喚されていたんだね。▼
[カナス]
はい、どういうわけか
パント様よりも先に
お世話になっております。▼
ああ、フィヨルム王女も一緒なのですね。
この間、お渡しした
薬草の効果はいかがでした?▼
[フィヨルム]
みなさんから頂いた
あの薬草、寝る前に煎じて飲むと
よく眠れるようになった気がします。▼
私のために尽力していただき…
感謝の言葉もありません。▼
[カナス]
それはよかった…!
僕たちはこれからも研究を続けるので
また成果があれば、お伝えしますね。▼
それと…パント様
こちらにおいでください。▼
パント様が興味を持たれそうな
自然魔法にまつわる書物を
こちらに集めておきました。▼
[パント]
これは…幻の秘本?
なぜこのようなものがアスク王国に…。▼
こちらは…エトルリアの魔道院から
消えたはずの断章によく似ている。
すごいな…よく集めてくれたね!▼
[カナス]
実はアスク王国には
異界から召喚された、もうひとりの
パント様がいらっしゃるのです。▼
[パント]
ああ、フィヨルム王女からも伺ったよ。
なんでも花嫁姿のルイーズも一緒らしいね。▼
[カナス]
そのパント様はお祭りぐらいでしか
お姿を見せないのですが…▼
『もし異界から私が来たら
この本を預けてほしい』と頼まれまして。▼
[パント]
いい判断だ、異界の私…!
もし出会ったときは
礼を言わねばならないね。▼
フィヨルム王女、アスク王国に来て
早々で申し訳ないが…。▼
有事のとき以外は
私はこの図書館に籠もろうと思う。
アンナ隊長にも、そうお伝え願えればと。▼
[フィヨルム]
は、はい、わかりました。
ルイーズさんにも伝えておきますね。▼

B

[パント]
これを見てくれカナス。この一文…
前にカナスに見せてもらった
ニイメ殿の本にあった一節と似ている。▼
[カナス]
確かに…そのようですね。▼
[パント]
さすが【山の隠者】ニイメ殿だ。
彼女がとなえた説は、
異界を超えた事象として証明されている!▼
[クリフ]
……。すごいね…あの人。
この図書館に来て、あんなに
喜んでいる英雄ははじめて見たよ。▼
[リシテア]
エトルリアの魔道軍将、
リグレ公パント殿。▼
エレブ大陸出身の魔道士の間では
その名を知らぬ者はいない秀才とか。▼
あの様子だとこの図書館に
住み着いてしまうでしょう。▼
[クリフ]
ふーん。
ま、ぼくの読書の邪魔にならないなら
なんでもいいけど。▼

(暗転)
[エルク]
パント先生、ルイーズ様からの
差し入れをお持ちしました。▼
[パント]
ありがとう、エルク。
そこに置いておいてもらえるかな。▼
[エルク]
高く積まれた本の数々。
これをすべて読まれるおつもりですか?▼
[パント]
ああ、それはもう読破済みだ。
あとで本棚に戻しにいかないとね。▼
[エルク]
こ、これを全部読まれたのですか?
さすがパント先生…僕なら数か月
いや、半年はかかってしまいそうです。▼
[パント]
今の私は
一介の学徒だよ。▼
いやあ…実に久しぶりだね、
こんなに探究心が燃え盛るのは。▼
[エルク]
差し出がましいようですが
お身体に差し障りがないように
ご自愛ください、パント先生…。▼
[パント]
ああ、わかってるよ。
ルイーズにも礼を言っておいてくれ。▼
しかし、この問題だけは妙に引っかかる。
アスク王国、この国はいったい…。▼

A

[フィヨルム]
おはようございます。
今日も読書に勤しまれているのですね。▼
[パント]
ああ、これはフィヨルム王女。
寝る間も惜しいほど良い書物ばかり、
それに…▼
今、私が調べている問題は
時間をかけて考える価値がありそうだ。▼
[フィヨルム]
問題…?
なにか気になることでも?▼
[パント]
アスク王国…
どうしてこの国だけが
幾度も危機に直面するのか?▼
絶え間なく異界からの
干渉を受けているのはなぜなのか?▼
[フィヨルム]
た、確かにそういわれてみれば…。▼
[パント]
アスク王国だけにあって
他の異界にないものは何か…?▼
異界の扉に関しては
イーリス大陸や白夜王国、暗夜王国などにも
その存在を示す記述が残っている…▼
異界からの侵略を受ける
アスク王国だけの
特異な点…▼
それは、
召喚師殿の存在…▼

S

[フィヨルム]
そ、そんな…!
エクラ様の存在が
異界からの侵略の原因だというのですか?▼
そんなはずはありません。
エクラ様は
この国を、皆様を守ってくださる方です!▼
[パント]
ええ。フィヨルム王女のおっしゃる通り、
召喚師殿が特異な点だとしても
それは侵略を受ける理由ではなく…▼
私たちがまだ知らない敵が存在し…
その敵に抗するために召喚師殿は
この世界に呼ばれたのではないか…▼
[フィヨルム]
そ、そういうことですか…
び、びっくりしました…▼
その敵が何者かはわかりませんが、
それを取り除くまで
私たちの戦いは続くのでしょうね。▼
[パント]
ええ。
…もしも私の考えが正しければ、
激しい戦いを心しておかなければ。▼
まだ見ぬ敵は
召喚師殿でなければ
対抗できないほどの強大な存在…▼
それはまさしく、
全能の神のような…▼

すご腕の天馬騎士 ファリナ

C

[ジョージ]
毎度! アンナさんはいるかい?▼
[アンナ]
あら、ジョージ。
何か名産品でも仕入れてきたの?
掘り出し物があれば買い取るわよ。▼
[ジョージ]
それが…ちょっと変わった話でね。
アンナ商会に顔を繋いでくれないかって
とある英雄から相談されたんだ。▼
[ファリナ]
たのもうっ!
ここがアンナ商会ね!▼
[アンナ]
正確にはイーリス聖王国アンナ商会
アスク王国支店だけど…あなたは?▼
[ファリナ]
私はイリア天馬騎士団のファリナ!
すご腕の傭兵よ!▼
アンナ商会はさまざまな商品を
買い取ってくれるって
ジョージから聞いたの。▼
で、今回買い取ってもらいたいのは
ズバリ、私の労働力よ!▼
[アンナ]
労働力?▼
[ファリナ]
戦いや訓練の合間を縫って
私をアンナ商会で使ってほしいのよ。▼
要人警護や見回り、商品の輸送など
なんでもやるわよ!▼
[アンナ]
ははぁ、要するにアンナ商会で
働き口を世話してくれと。
そういうことね。▼
[ファリナ]
可憐なペガサスナイトと
高貴なペガサスが力を貸すのよ?▼
契約金の自己評価額は…そうね。
エレブ大陸の時価で2万ゴールドだけど
1万9千ゴールドで手をうつわ!▼
[アンナ]
さて、来週までに用意する
弓矢の手配は…と。▼
[ジョージ]
じゃ、俺も仕入れに戻るわ。▼
[ファリナ]
ちょ…! ちょっとちょっとぉ!
なに自然に通常業務に戻っているわけ!?▼
純白のペガサスに騎乗する
可憐な女性騎士が
力を貸すって言ってるのよ!?▼
ペガサスに乗れるのは女の子だけ!
いろいろと使い道があると思わない!?▼
[アンナ]
えーと、うちも人手不足だから
雇いたいのはやまやまだけど…
ちょっと契約金が高すぎるって言うか。▼
それに、アスク王国では
ペガサスも珍しくないんじゃない?
男性だって乗ってたりするし。▼
[ファリナ]
な、なんですってぇ!?
男はペガサスに乗れないはずなのに!
誰よ、人の商品価値を落とすのは!?▼
[ジョージ]
あ、それなら俺もみたことあるな。
確か名前は…。▼

B

[ツバキ]
よし…今日はこれくらいにしておこうかな。
我ながら完璧な鍛錬だったよー。▼
しかし、晴れた日のアスクの空は
飛びやすいなー。
どこまでも飛んでいけそうだよ。▼
ん? あれは…?
天馬がすごい勢いで
こっちに飛んでくるけど…。▼
[ファリナ]
……!?
ど、どういうことよコレ!?
ほ、本当に男がペガサスに乗ってるぅ!?▼
髪もサラサラで、服にシワひとつない!
なんなの、この妙に高貴な感じは!?▼
[ツバキ]
えーと、俺は白夜王国のサクラ様の臣下
天馬武者のツバキだよー。
君はいったい…?▼
[ファリナ]
私はイリア天馬騎士団のファリナ!
2万ゴールドの女として
その名を轟かせたすご腕の傭兵よ!▼
[ツバキ]
イリア天馬騎士団?
ああ、もしかしてフィオーラさんや…▼
[ファリナ]
フィオーラは姉貴
フロリーナは妹よ!▼
[ツバキ]
顔立ちは似てるけど
雰囲気は全然似てないねー。▼
[ファリナ]
う、うっさいわね!▼
そんなことはどうでもよくて
問題はどうして男のアンタが
ペガサスに乗っているのかってことよ!▼
そもそもペガサスは乙女しか乗れないの!
可愛い女の子が空飛ぶ白馬に乗る…
そういうところに価値があるのよ!▼
[ツバキ]
ああ、ペガサスと天馬は違うんだよー。
白夜の天馬は男を嫌わないから…▼
[ファリナ]
可憐な乙女! 真っ白なペガサス!
このふたつが揃っているのが
ポイントなの!▼
それなのに、それなのにぃ…!▼
[エイル]
……。▼
[ツバキ]
あれ?
あちらにいるのはエイル王女だ。
エイル王女、王女も訓練中ですかー?▼

A

[エイル]
…今日はとても良い風ね。
穏やかで優しくて、
まるで生きているような…▼
[ツバキ]
ファリナ、
こちらはエイル王女だよー。▼
[ファリナ]
は、はじめまして。
私はイリア天馬騎士団のファリナ…。▼
え!? ええええっ!?
ど、どういうこと!?
ペ、ペガサスが黒い!?▼
ペガサスは純白のはずなのに
どうしてエイル王女のペガサスは
黒毛なのっ!?▼
[エイル]
どうして、と言われても…▼
[ファリナ]
そ、それにエイル王女と
黒いペガサスの組み合わせも
なんだかいい雰囲気…!▼
こ、これは希少価値が半端ないわ!
いったい何万ゴールドになるというの!?▼
[エイル]
黒いペガサスは、珍しくないそうよ。
聞くところによるとフォドラにも
生息しているとか…。▼
[ファリナ]
あわ、あわわわ…。▼
女の子だけが乗れるという利点も
ペガサスは白いから素敵という
アピールポイントまでも…。▼
まずいっ! このままじゃ
2万ゴールドの価値がどんどん
目減りしているような気がするわ!▼
[エイル]
さっきから…ファリナは
何を言っているのかしら?▼
[ツバキ]
さあ? 俺もよくわかって
いないんですよねー。▼
[ファリナ]
ちょ、ちょっと待って。
追い打ちをかけるように
あっちから飛んでくるあの子は…誰?▼
[ツバキ]
あ、あれはつばさだねー。
フォルトナエンタテイメントという
芸能集団に所属しているアイドルで…。▼
[ファリナ]
……………………。▼
[エイル]
…待って。
ファリナが…
気を失っているようよ…▼
[ファリナ]
鉄の…ペガサスが…
空を…飛んで… … …▼

S

[ファリナ]
はぁぁっ! せいっ! せいっ!
たあっ!▼
[フロリーナ]
どうしちゃったんだろう
ファリナお姉ちゃん…。
最近、ずっと厳しい訓練ばかり。▼
[フィオーラ]
ファリナ、あまり訓練で
根を詰めすぎると身体に悪いわよ。▼
そもそもあなた…
「アンナ商会で雇ってもらって一攫千金!」
なんて言ってなかった?▼
[ファリナ]
アスク王国は危機に瀕しているんでしょ?
ならば今はお金を稼ぐよりも
己を鍛えてこの国を救わないと…!▼
[フロリーナ]
「1ゴールドの妥協が死を招く」とか
言っていたお姉ちゃんが…。▼
うう、本当は思いやりにあふれた
優しい魂の持ち主だったんだね。
ほろり…。▼
[フィオーラ]
ええ、私にはわかっていたわ。
ファリナは真面目で優しい子。▼
こうして三姉妹揃ったんですもの。
イリア天馬騎士団の誇りにかけて
アスク王国の力になりましょう…!▼
[フロリーナ]
うんっ! 私も頑張る!▼
[ファリナ]
……。…くぅぅぅっ!
なんでこの国には
こんなに商売敵が多いのよ!▼
見てなさい…もっともっと強くなって
私だけの価値を高めてみせる…!▼
強くなったあかつきには
うんと高値で売りこんでやるんだから!▼

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Last-modified: 2022-03-17 (木) 17:01:13
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