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章別会話
信念よ力となれ†
信念よ力となれ†
オープニング†
- [ニイメ]
- ふむ、どうやら片付いたようだね。▼
- [シャロン]
- みなさん、お怪我はありませんか!?▼
- [イドゥン]
- ええ…大丈夫です。▼
- [ヒュウ]
- いやー、ばあちゃんの古代魔法。
久しぶりに見たけどやっぱすげえわ。▼
もう、ばあちゃん一人で
アスク王国の危機を
救えんじゃねえの?▼
- [ニイメ]
- なにバカなことを言ってるんだい。
手を抜こうったって、そうはいかないよ。
あんたも本気でやりな。このアホ孫。▼
- [ヒュウ]
- ばあちゃん、異界に来てまで
アホ呼ばわりは勘弁してくれよ。
実の孫だぜ~。▼
- [キャス]
- うーん…▼
- [ヒュウ]
- ん? どうした。
眉間にシワなんて寄せて。▼
- [キャス]
- ねえ、ヒュウ。ちょっといい?
イドゥンのことなんだけど
なんか変だと思わない?▼
- [ヒュウ]
- 変? 左右の目の色が違って
綺麗だなーとは思うけどな。▼
- [キャス]
- そういうことじゃなくってさ!
噂で聞いていたイドゥンって
もっとこう、恐怖の化身というか…▼
たった一人でエレブ大陸を
滅ぼしちゃいそうというかさ…▼
よくわかんないけど、あの人
すごい力を持ってるんでしょ?▼
おっそろしい竜とかを
いっぱい生み出せるとか聞いたよ?▼
- [ヒュウ]
- うーん、言われてみれば
今のイドゥンは聞いてた噂とは違うな。▼
ベルンの王様に従っていたときは
暗闇の巫女と呼ばれていたらしいけど
全然そんな感じ、しないよな?▼
- [キャス]
- もしかしてイドゥン…
本気で戦ってないんじゃないの?▼
すごい力を持っているはずなのに。
どうして全力で戦おうとしないんだろ。▼
- [ヒュウ]
- 噂どおりの力を持っているなら
戦争なんてすぐに
終わらせられそうなもんだけどな。▼
- [キャス]
- あたし、理由を聞いてみる!▼
- [ヒュウ]
- お、おい、キャス…!▼
- (暗転)
- [キャス]
- で、あたしは思ったんだ。
もしかしてイドゥンって
本気を出してないんじゃないかって。▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [キャス]
- たくさんの竜を生み出して
従えることができるって噂も
聞いたことあるんだよ。▼
- [イドゥン]
- ごめんなさい。
あの力は…もう使えない…▼
いえ…使わないの。▼
- [キャス]
- あっ、ちょっと…!▼
- [ヒュウ]
- 行っちまったな…▼
- [キャス]
- うーん、なんだろう。
あの悲しそうな顔、気になるなー。▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [キャス]
- やっぱり納得いかない!▼
イドゥン、やっぱり変だよ。
力があるのに使わないのはどうして?
おかしいよね?▼
- [ヒュウ]
- そうだなあ。
力の持ち腐れってのは
どうにももったいない話だ。▼
- [キャス]
- あたしは、力がないせいで
大切なものを犠牲にしてきた
人たちをいっぱい見てきた。▼
それにあたしも
炎に包まれる自分の村を見て…▼
力のない人間は自分たちの生き方も
選べないのかなって…
痛感したんだ。▼
- [ヒュウ]
- イドゥンは古文書にも
出てくるような強大な力を持つ竜…
魔竜だったんだろ。▼
世界を滅ぼせるくらいの
力を持ってるなら、その力で
世界を守ればいいとも思うけど。▼
- [ニイメ]
- 力をどう使うかで
その意味は変わるのさ▼
- [ヒュウ]
- ばあちゃん、聞いてたのかよ。▼
- [ニイメ]
- 世界を滅ぼす力。
世界を守る力。
どちらも強大な力には変わりない。▼
- [キャス]
- 使い方次第だってことでしょ?
それならためらうことなく
使えばいいじゃない。▼
だってアスク王国は大ピンチなんでしょ?
迷うことないよ!▼
- [ニイメ]
- 力には代償が伴うものじゃ。▼
古代魔法を使う者が深い闇と
向き合わねばならないようにね…▼
- [ヒュウ]
- うまい料理を食うには
大金が必要となるように、か。▼
- [ニイメ]
- 大事な話をしているときに
どうでもいい例えをするんじゃないよ。
このバカ孫!▼
あの子は…
イドゥンはね…▼
魔竜として
強大な力を与えられた代償に
心を失ったのさ。▼
- [キャス]
- ……!▼
- [ニイメ]
- あんたたちは、もう一度それを
あの子に強いる気かい?▼
- [ニイメ]
- 人竜戦役、名前くらいはアホ孫も
聞いたことがあるじゃろ。▼
- [ヒュウ]
- オレだって古代魔法を学んだ身だ。
それくらいは知っているぜ。▼
- [キャス]
- あたしも、昔話で聞かされたよ。
エレブ大陸の支配者の座をかけて
千年前、人と竜が戦った戦争…だっけ。▼
- [ニイメ]
- 人と竜の戦いは熾烈を極めた。
けど、数と闘争心に勝る人は
徐々に竜を圧倒する…▼
追い詰められた竜が選んだのは
おそるべき力を持つ
魔竜を生み出すこと。▼
そこで犠牲となったのが神竜…
あのイドゥンさ。▼
- [キャス]
- …………▼
- [ニイメ]
- 伝え聞いた話だと
イドゥンが魔竜にされたとき
その心を抜き取られ…▼
戦うための竜を生み出すだけの
存在になってしまったそうだね。▼
心を失い、ただ、来る日も来る日も。
人を滅ぼすため、竜を生み出す日々を
あの子は強いられ続けたのさ。▼
- [ヒュウ]
- ひでえ…。
なんだよそれ▼
- [ニイメ]
- でもね、
今のイドゥンは魔竜としての
生き方から解放されている。▼
アスク王国で話してわかったよ。
あの子は、人と竜が共存できる
世界を目指していると。▼
- [ヒュウ]
- ……▼
- [ニイメ]
- かつて、戦うための竜を生み出し
人々を恐怖に陥れた力…▼
その力を要求するということは
彼女に魔竜に戻れと言うのと
同じことさ。▼
やっと、心を
取り戻しかけているあの子を…▼
犠牲にして守る平和に
なんの意味があるっていうんだい?▼
- [ヒュウ]
- …だよな。心を差し出してまで
彼女に全力で戦えとか言えないよな。▼
なにを指して平和な世界っていうのかは
わからねえけどよ…。▼
ガキが笑っていられる世界。
みんなが笑っていられる世界が
いいに決まってる。▼
- [キャス]
- あたし、イドゥンに謝ってくる。
誰かを犠牲にするような戦いなんて
そんなの、あたしだって嫌だよ。▼
- [ヒュウ]
- お、おい。待てキャス…!
オレも一緒にいくぜ。▼
- [キャス]
- ホントにごめん!
あたし、勝手なこと言っちゃって!▼
どうして全力出さないのとか
傷つけちゃうことを言って…
あーもう、あたしのバカ、バカ!▼
- [ヒュウ]
- オレも、あんたの事情を知らずに
無責任なこと言っちまって
ばあちゃんの言うとおり、オレはアホだ。▼
- [イドゥン]
- 謝らなくても大丈夫よ。▼
私には、
あなたたちのような人の心は
ないけれど…▼
でも…伝わってくる…
あなたたちの気持ち。
私を案じてくれているのね。▼
- [キャス]
- イドゥン…▼
- [イドゥン]
- 闇の中にいたときには
わからなかった。▼
でも今は感じ取ることができる。
人の心の温かさを。▼
- [キャス]
- 誰だって大切な宝を
差し出せと言われたら怒るし
悲しいよね。▼
イドゥンが取り戻したその心も
大切な宝なんだ。
かけがえのない、宝なんだよね。▼
- [イドゥン]
- ええ。たくさんの人たちの想いが
私に温かさを与えてくれた。▼
今の私には戦うための
竜を生み出すことはできないけれど…▼
ですが、今はともに支え合う
仲間がいる…▼
誰かの笑顔や明日を守りたい。
その気持ちが、私の背中を
強く押してくれる…▼
- [ニイメ]
- あなたはもう、二度と
暗闇に戻る必要はないよ。▼
闇の力、古代魔法の使い手である
わたしが言うのもなんだがね…▼
あんたは自分の中で響いている
温かな声に従って歩いていきな。
迷わずに、まっすぐにね。▼
- [イドゥン]
- はい…▼
私の中に芽生えた何か…
今も胸の中にある
この温かさに…▼
- [ニイメ]
- 怒りや憎しみを根源とする力を
用いれば、いずれ自分の心が
憎しみや悲しみに飲まれていく。▼
強い武器や魔道書があれば
いいってもんじゃない。▼
前向きな信念こそが
一番の力になるのさ。
アホ孫たちもよく覚えておきな。▼
- [ヒュウ]
- 前向きさならオレも自信があるぜ!▼
- [キャス]
- それならあたしも!▼
イドゥン、これからも
一緒に頑張ろうよ!
みんなの夢、叶えるためにさ。▼
- [イドゥン]
- ええ…。
幾千、幾万の昼と夜を越えて
私は今、ここにいる。▼
過ぎ去りし想いたちが
叶えられなかった願いを
私は追い求めるでしょう。▼
温もりに満ちた仲間たちとともに。▼
世長けた魔道士 ヒュウ†
- [ヒュウ]
- 自分で言うのもなんだが
お買い得だと思うぜ?
きっと役に立ってみせるからさ。▼
- [アンナ]
- でも、契約金だけで
10000ゴールドは
さすがに高いわね。▼
- [ヒュウ]
- わかった! じゃあ飛んでる
飛竜の背中から飛び降りる覚悟で
5000ゴールドでどうだ!?▼
- [ファリナ]
- …5000ゴールド…▼
…勝った!▼
- [ヒュウ]
- ん? 気のせいか?
妙な視線を感じるんだが…▼
なあ、頼むよ。
ヴァイス・ブレイヴから支給される
支度金だけじゃ、まかなえないんだ。▼
オレ、金がないとばあちゃんに…▼
- [アンナ]
- あら? おばあさまは
ご病気かなにかなの?▼
- [ヒュウ]
- うっ…まあ、似たようなもんだ。
そのために金がいるんだ、頼むっ!▼
- [アンナ]
- でも、確かヒュウのおばあさまって
一緒にアスク王国に召喚された…▼
- [ニイメ]
- わたしがどうかしたのかい?▼
- [ヒュウ]
- げっ! ばあちゃん!?
なんでここに!?▼
- [ニイメ]
- なんでもかんでもあるかい。
この店は古代魔法の研究に使える
薬草が豊富でね。世話になってんのさ。▼
- [アンナ]
- ニイメさん、いらっしゃい。
頼まれていた薬草、揃ってるわよ。▼
- [ヒュウ]
- じゃ、じゃあ、オレは訓練があるから
このへんで。コソコソ…▼
- [ニイメ]
- 待ちなバカ孫!
あんた、アスク王国に来てまで
人様に迷惑かけてないだろうね?▼
- [ヒュウ]
- め、めめ、めっそうもない!
アスク王国の平和に尽力するため
今日も訓練に励む次第です!▼
- [ニイメ]
- そうそう、おまえに貸した
リザイアの魔道書、早く返しな。▼
- [ヒュウ]
- えーと、そのー、前にも話した通り
事情があって手元にないというか…
親切にした子どもに盗まれたというか。▼
- [ニイメ]
- このアホ孫!
そんな言い訳が通ると思うかい!
あれは高価なシロモノなんだよ!▼
- [アンナ]
- …ははあ、なるほど…
ヒュウが困っている理由はこれか…▼
- [ヒュウ]
- そ、そのうち買って返すから!
あと10年ほど待ってくれ!▼
- [ニイメ]
- そんなに待てるかい!
ちっ、逃げ足だけは速いね…▼
- [ニイメ]
- アホ孫。訓練はどうした。
こんなところで油を売るなんて
いいご身分だね。▼
- [ヒュウ]
- 油を売ってるわけじゃないさ。
瞑想して心を落ち着かせているんだ。
心の乱れは理魔法に影響するからさ。▼
- [ニイメ]
- やれやれ…おまえときたら
古代魔法の修行に出したつもりが
理魔法使いになって帰ってくるとは…▼
- [ヒュウ]
- だって仕方ないだろ。
オレも最初は古代魔法の修行をしてたさ。
でも、才能がなかったんだよ。▼
なぜか、理魔法の才能は
あったみたいだけどさ…▼
- [ニイメ]
- なっちまったもんはしょうがない。
ならば、理魔法の腕を磨いたらどうだい?▼
この国には、いろいろな異界の
英知を収めた大図書館がある。
おまえも足を運んでみな。▼
- [ヒュウ]
- アスク王国の大図書館か…
でもよ、あそこには
親父がこもってるって聞いたぜ。▼
なんていうかその…
気まずいんだよ、親父と会うのがさ。▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [ヒュウ]
- 幼い頃に死に別れた親父のこと
オレはほとんど覚えていないけど…▼
親父は覚えているかもしれないだろ?
オレのことをさ。だから、その…▼
- [ニイメ]
- なにが言いたいんだい。▼
- [ヒュウ]
- 親父…がっかりしないかな。
オレに古代魔法の才能がなくて
理魔法に転向したなんて知ったら。▼
- [ニイメ]
- そんなことを
気にしてたのかい。▼
わたしは、息子をそんな
度量の狭い人間に育てた覚えはないよ。
とにかく、顔くらい見せてやりな。▼
- [ヒュウ]
- ……▼
- [ヒュウ]
- ここに足を運ぶつもりは
なかったんだよなあ。▼
まあ、オレ様にもあったんだな。
ちゃんと修業して、ばあちゃんを
安心させたいっていう気持ちがさ。▼
- [カナス]
- ……▼
- [ヒュウ]
- あれが親父か…
なんかオレの記憶より若いな。▼
- [カナス]
- ……▼
- [ヒュウ]
- あんなに目を輝かせてページをめくって。
親父は本当に学ぶことが好きなんだな。▼
- [リュート]
- お前、ここで
なにをしている?▼
- [ヒュウ]
- わっ!?▼
シッ、シーッ! 怪しいモンじゃねえ。
オレはヒュウ。
アスク王国に来たばかりの魔道士だ。▼
- [リュート]
- カナスになにか用なのか?▼
- [ヒュウ]
- えーと、実はオレ。
あの人の…息子なんだ。▼
- [リュート]
- 息子?▼
カナスは結婚などに目もくれず
研究に励んでいそうだったのに。
本当に家族がいたとは…▼
- [ヒュウ]
- あ、あのさ、親父って
どんなやつ?▼
- [リュート]
- 俺の友達になってくれた。
いいやつだと思う。▼
闇魔法の使い手だとは思えないほどに
朗らかな性格だな。▼
- [ヒュウ]
- そ、そうか。じゃあ
もしかしてオレの明るい性格は
親父譲りなのかな。▼
- [リュート]
- ……。
そんなに気になるなら
自分で確かめてはどうだ。▼
- [ヒュウ]
- ……!? お、おいっ!
背中を押すなって!▼
- [カナス]
- ん? 誰です?
そこにいるのは…▼
- [カナス]
- 君は…ヒュウ!?
ヒュウなんだね!▼
ああ、こんなに大きくなって!
信じられない…▼
- [ヒュウ]
- え、えーと…ヒュウです。
ひ、久しぶり? いや、違うな?
なんつっていいか、その…▼
- [カナス]
- なにも言わなくていいよ。
こうして顔を見せてくれただけでも
僕はうれしいよ。▼
- [ヒュウ]
- な、なんだ。
こんなに喜んでくれるのなら
もっと早く会えばよかった…▼
…あ、あのさ、親父。
再会の喜びに水を差すみたいで
悪いんだけどさ。▼
オレ、古代魔法…
闇魔法の使い手じゃなく
理魔法の使い手になっちまったんだ。▼
ごめんな。
ばあちゃんや親父の才能を
継ぐことができなくてさ。▼
- [カナス]
- 理魔法の使い手…そうか、
じゃあ、ヒュウ、君の才能は母さん譲りだよ。
よかった、本当によかった。▼
- [ヒュウ]
- え? 親父はオレが
闇魔法を受け継がなくて
残念じゃないのか?▼
- [カナス]
- ヒュウが生きていける才能…
それを残せたことが
僕たち夫婦の一番の喜びだよ。▼
君は理魔法の使い手として
アスク王国に召喚される
立派な英雄に成長した。▼
こんなうれしいことはないよ。
頑張ったね、ヒュウ。▼
- [ヒュウ]
- へへ。オレ、はじめてかもな。
理魔法の使い手になって
誰かに褒められたの。▼
- [リュート]
- 家族とは…いいものだな。▼
- [ヒュウ]
- 親父、これからはアスク王国のために
ともに戦う仲間として
ひとつよろしく頼むぜ。▼
- [カナス]
- はい、僕のほうこそ。▼
- [ヒュウ]
- で、ものは相談なんだけどさぁ。
お金貸してくれないかな、親父。
今、ちょっと入り用で…▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [ヒュウ]
- こ、この気配…げっ!?
ばあちゃん、いつの間に?▼
- [ニイメ]
- 気になって様子を見に来れば…
このアホ孫! 性根から鍛え直して
やったほうがよさそうだね!▼
- [ヒュウ]
- い、いや、これはそのっ!
た、助けてくれ、親父っ!▼
- [カナス]
- 母さんに鍛えてもらえば
魔道の腕も上がるよ。
よかったね、ヒュウ。▼
- [ヒュウ]
- よかねえよ!
ぎゃーっ!▼
- [リュート]
- ……。
家族とは、いいもの…だな?▼
山の隠者 ニイメ†
- [パント]
- お待ちください、ニイメ殿!▼
- [アゼル]
- あれっ…!?
い、いない。
消えてしまった?▼
- [ラインハルト]
- 確かにこちらの角を
曲がられたはずなのですが…▼
- [クリフ]
- ニイメとかいうおばあさん。
みんなで血眼になって探すほど
そんなにすごいの?▼
- [パント]
- エレブ大陸の魔道士なら
その名を知らぬ者はいないほどの
偉大なお方でね。▼
【山の隠者】と呼ばれ
生ける伝説とも言える存在なんだ。▼
ニイメ殿が記された書物にも
値段がつかないほどの
希少価値があるんだよ。▼
- [クリフ]
- ふーん。でも、そのおばあさんの本は
アスク王国の図書館にないよね?▼
- [エルク]
- だから、パント様は予想されていたんだ。
いずれ、ニイメ様本人がアスク王国に来て
自ら書をしたためられるのでは…と。▼
- [ヒューベルト]
- 興味がありますな。
それほどまでに卓越した力を有する賢者…
主のためにも、ぜひ教えを請いたいもの。▼
- [クリフ]
- 僕もちょっとだけ興味が湧いてきたかも。▼
- (暗転)
- [ニイメ]
- ふぅ、まったくやかましいね。
わたしは【隠者】なんだよ。
騒々しいのは嫌いさ。▼
悪いね、フィヨルム王女。
匿ってもらって。▼
- [フィヨルム]
- い、いえ! 人生の先達には
常に敬意をもって接しなさいと
母に教わっておりましたから!▼
- [ニイメ]
- ご母堂は王女にいい財産を
遺してくれているようだね。▼
そういやアスク王国の図書館にある
古文書で読んだんだけどね…▼
王女の国、ニフルは
竜が作ったってのは本当かい?▼
- [フィヨルム]
- はい。氷の神であり
氷竜としても崇められるニフル様が
建国に関わっていると聞きました。▼
で、でも、私もニフル様と
不思議な場所でお会いしたのですが
今でもあまり現実感がなくて…▼
- [ニイメ]
- ん? なにか言ったかい?▼
- [フィヨルム]
- い、いえ! 独り言のようなものです!▼
- [ニイメ]
- 人間たちの国を興すために手を貸す…
ふむ、人に友好的な竜と考えるべきかね。▼
- [フィヨルム]
- え…?▼
- [ニイメ]
- わたしはね、昔からずっと調べているのさ。
人間にとって竜とは
どういう存在なのかってことをね。▼
- [ニイメ]
- わたしは古代魔法…
王女には闇魔法のほうが
通りがいいかね。▼
その研究のかたわら
竜について長年調べていたのさ。▼
- [フィヨルム]
- ニイメ様は確かエレブ大陸のご出身。
不思議ですね、どの異界でも
人と竜が関係しているなんて。▼
- [ニイメ]
- わたしが生まれる千年ほど前にね。
エレブ大陸の覇権を巡って
人と竜は熾烈な戦いを繰り広げたのさ。▼
- [フィヨルム]
- エレブ大陸の英雄の方々に
教えてもらいました。たしか…
人竜戦役という戦い、ですよね?▼
- [ニイメ]
- 王女は勉強熱心だね。
常日頃、学ぶことを忘れてはならないよ。
知と武は成長するための両輪だからね。▼
話を戻そうか。
人竜戦役以降、エレブ大陸では
人と竜は相容れぬ関係になった。▼
人にとって竜は恐怖の対象。
世界を滅ぼす存在とも
目されていたんだよ。▼
- [フィヨルム]
- 世界を滅ぼす存在…
竜の立場や人との関わり方は
ずいぶん違うんですね…▼
私が育ったニフル王国だけではなく
アスク王国も竜によって建国され
人に託されたと聞きます。▼
私にとっては竜とは
人に力を貸してくださる
大いなる存在に思えるのです。▼
- [ニイメ]
- ……▼
- [フィヨルム]
- あっ! す、すみません!
これは私個人の考えといいますか
そのっ…!▼
- [ニイメ]
- いいさ。人の数だけ価値観があるんだから
世界は面白いんだよ。▼
かくいうわたしもね。
とある出会いをきっかけに
考えが変わってきてるのさ。▼
竜とはいったいなんなのか。
そいつを、自分なりに
探している最中さね…▼
- [ニイメ]
- 竜とは、いったいなんなのか。
人間に破滅をもたらすものであり
一方では力を与えるもの。▼
アスク王国の大図書館には
おあつらえ向きに
異界の竜に関する書物もあってね。▼
わたしの竜に関する知識も
何倍にも膨れ上がったよ。▼
- [フィヨルム]
- この国の大図書館には
いろんな本がありますものね。▼
- [ニイメ]
- うれしいねえ、この歳になっても
まだまだ多くのことを
学べるっていうのはさ。▼
もっとも、そのせいで
うるさい連中に追い回される
はめになっちまったけどね。▼
- [フィヨルム]
- ふふっ。みなさん、それだけ
ニイメ様に教えを授けてもらいたいと
思っているのでしょうね。▼
- [ニイメ]
- こっちは竜のことを
調べるので手一杯さね。まったく…▼
しかし、調べれば調べるほど
異界ごとに竜のあり方が違って
実に面白いよ。▼
アカネイア大陸やユグドラル大陸では
人々に力を貸し
信仰の対象として敬われている。▼
その一方で、邪竜や暗黒竜として
人々に破滅をもたらす恐怖の
対象にもなっている。▼
- [フィヨルム]
- ふたつの側面を持っている
ということでしょうか。▼
- [ニイメ]
- 竜は創造と破壊、相反する特性を
持っていることが多いのも
面白いところだね。▼
フォドラの神話では
竜は世界を成した神祖に従い
世の発展に尽くしたらしい。▼
反対に、透魔王国の竜は
獣の衝動に蝕まれ
世界に災厄をもたらした…▼
バレンシア大陸を創造したと言われる
竜もまた、永き時を生きた果てに
狂気に支配されたそうな。▼
- [フィヨルム]
- すごい力を持っているにも関わらず
自分を保てなくなってしまうなんて…▼
- [ニイメ]
- 人知を超えた力を有していても
竜は全知全能の存在ではないようだね。▼
むしろ、精神的に脆い。
ある意味、人に近い存在と
言えるかもしれないね。▼
- [ファ]
- あっ!▼
- [ニイメ]
- ……!▼
- [ファ]
- ニイメおばーちゃん!
ニイメおばーちゃんだ!▼
- [ファ]
- ニイメおばーちゃんも
アスクにきてくれたんだね!
わーいわーい!▼
- [ニイメ]
- ファ。相変わらず元気だね。▼
- [フィヨルム]
- お二人はお知り合いなんですね。▼
- [ニイメ]
- ああ、そうだね。
この子も、わたしにとって
孫のようなものさ。▼
- [ファ]
- ニイメおばーちゃん!
ファね、アスクにきて
おともだちがいっぱいできたよ!▼
- [ノノ]
- ノノだよ! ファのおともだち!▼
- [ンン]
- その方が、ファが前に言っていた
ニイメおばーちゃんなのですか。▼
- [ファ]
- そう! おもちゃをくれたりする
やさしーおばーちゃん!▼
- [ミルラ]
- ファがこんなに懐くなんて
きっと、いい人なのでしょうね。▼
- [ノノ]
- ノノもおもちゃほしいな!
だめ?▼
- [ニイメ]
- ダメなんてことはないさ。
ほら、この球をごらん?
キラキラ光っていて綺麗だろ?▼
- [ノノ]
- うわっ! すごーい、なにこれ!?
ンンも見て見て!▼
- [ンン]
- お母さん、興奮しすぎですよ。
どれどれ…。うわっ、綺麗なのです!▼
- [ミルラ]
- 魔力がこめられた球でしょうか。
見ていて心がやすらぎます。▼
- [フィヨルム]
- ふふっ、みんな大喜びですね。▼
- [ニイメ]
- わたしはね。ファに出会うまで
竜は感情を持ち合わせていない
人の宿敵だと思ってたよ。▼
得体の知れない力を持つ
魔物のような存在だってね。▼
けどね、ごらんよ。
この子たちの笑顔をさ。▼
- [ファ]
- えへへ。ニイメおばーちゃんの
あたまなでなで、すきー。▼
- [ニイメ]
- すまないねえ。
人の世界の平和だの安定だのって話で
あんたたちを戦いに巻き込んじまって。▼
- [ンン]
- いいえ、それは人だけの問題では
ないのです。▼
- [ミルラ]
- 竜も人もみんなが
笑って過ごせる世界…
私たちもそれを望んでます…▼
- [ニイメ]
- みんなが笑える世界…か。
あのアホ孫も同じようなことを
言っていたねえ。▼
フィヨルム王女。
竜とは「力」なのかもしれないね。
人知を超えた理を持つ純粋な力。▼
途方もなく大きな力かもしれないが
付き合い方さえ間違わなけりゃ
きっと人と共存していけるはずさ。▼
- [フィヨルム]
- 人と竜の共存ですか。
はい、私もそう思います。▼
- [ニイメ]
- 力と、どう向き合うか。
力に飲まれず、支配されず。
適切な距離を保ち、己の糧とする。▼
ただ頼るだけではなく
竜と同じ世界で暮らしていけるように
わたしらも知恵を出し合わないと。▼
- [ファ]
- ニイメおばーちゃん!
おしろをあんないしてあげる!▼
- [ニイメ]
- おお、ありがとう。
それじゃ、頼むとするかね。▼
…この子たちの笑顔が未来に続けば
きっと人と竜は、ともに手を携えて
歩いていけるはずだよ…▼
怪盗 キャス†
- [キャス]
- お・た・か・ら・が
あ・た・し・を呼んでいるっと!▼
アスク王国っていろんな異界と
交流があるって聞いたけど…▼
見たこともないお宝が
たくさん眠ってそうよね!
でしょ? 子分その1!▼
- [チャド]
- あのなあ。なんども言うけど
あんたの子分になった覚えはない。▼
- [キャス]
- でね、あたし思ったの。
ヴァイス・ブレイヴって盗賊を
なりわいにしている英雄多くない?▼
- [チャド]
- オレの話は無視かよ…▼
そうだな。
オレやお前以外にも
盗賊の英雄がいて正直驚いた。▼
どこの世界にもいるんだな。
盗賊をなりわいにしなきゃ
生きていけない連中が。▼
- [キャス]
- でもさ、これって
チャンスじゃない!?▼
骨のありそうな盗賊連中に声をかけて
子分を増やせばキャス怪盗団を
結成できるじゃない!▼
- [チャド]
- は? お、おい…
お前はなにを言っているんだ?▼
余計なことはするんじゃない!
ロイ…いやロイ様に
迷惑がかかるだろ!▼
- [キャス]
- 余計なことじゃないって!
世直しのために必要なことだよ!▼
よーし、見込みのありそうな盗賊に
片っ端から声をかけて
キャス怪盗団を結成しよう!▼
アスク王国でも悪党を懲らしめて
困っている人たちを
助けちゃうんだから!▼
- [チャド]
- お、おい! 待て!
話を聞けって…!▼
- [キャス]
- 同業者ってのは気配でわかるのよね。
独特の雰囲気があるっていうか。▼
- [ゼロ]
- ……▼
- [キャス]
- あっ! あの人もたぶん盗賊だね。
足音を立てずに歩いてる…
こりゃタダモノじゃないね!▼
どうもどうも~、あたしはキャス!
こないだ、アスク王国に
召喚されてきた怪盗だよ。▼
- [ゼロ]
- 俺に、ナニか用か?▼
- [キャス]
- あんた、なかなかスジがよさそうじゃん。
ね、キャス怪盗団に入らない!?▼
- [ゼロ]
- スジ…? ふっ、スジときたか。
ああ、俺のスジは
いろいろとスゴいぜ…?▼
- [キャス]
- ……?
えーと、それは腕前に
自信ありってことでいいのかな?▼
と、とりあえず、あたしは今
怪盗団の団員を集めているの!
世直しのためにね!▼
どう? 入ってみない?
あたしたちのやり方で
肥え太った悪党たちを懲らしめるの!▼
- [ゼロ]
- 懲らしめる…ふふっ、イイね。
我が世の春を満喫しているヤツらに
豚のような悲鳴を上げさせるのは最高だ。▼
- [キャス]
- じゃあ、入ってくれるんだ!
キャス怪盗団に!▼
- [ゼロ]
- そんな簡単に…俺をイれちまっても
いいのかい?▼
一度、俺をイれちまったら
もう後戻りはできないぜ?
ぶっ壊れるまでな…▼
- [キャス]
- ……??
気のせいか、なーんか
会話が噛み合ってない気がする。▼
- [チャド]
- あっ! さっそく勧誘してやがる!
おい、キャス!▼
- [キャス]
- げっ、もう追いかけて来た!?
次行こ、次!▼
じゃあね! 怪盗団加入のこと
考えといてね!▼
- [キャス]
- 自分でもすっかり忘れていたけど
あたしの得意技といえば
やっぱり色仕掛けなわけよ。▼
- [ユーリス]
- ……▼
- [キャス]
- あの身のこなし。
素人じゃ気づかないでしょうけど
あたしにはわかる!▼
ありゃあ、かなりの修羅場を
くぐって来た同業者ね。▼
今度こそ、あたしの得意技で
勧誘を成功させる。▼
ねぇ~話があるの。
ちょっと聞いてくれな~い?▼
- [ユーリス]
- ん? しがない美少年の俺に
なにか用か?▼
- [キャス]
- ぎゃーっ! ヤ、ヤバイ!
なにこいつ!?
正面から見たらすごい目力!▼
し、しかもなんて美肌なの!?
輝いてキラキラしてるし!▼
- [ユーリス]
- どうした? 声をかけてきて
勝手に腰を抜かすとは面白いやつだな。▼
- [キャス]
- 美肌がまぶしすぎる…!
こ、これは色仕掛けどころじゃない。▼
ひ、人違いでした、なんでもないです!
失礼しまーす!▼
- (暗転)
- [キャス]
- あらゆる異界から
英雄が集まっているだけあって
ヴァイス・ブレイヴは曲者揃いね…▼
はぁ、こんな調子じゃ
キャス怪盗団の結成は
いつになることやら。▼
いや、あたしはあきらめない!
必ずアスクで大怪盗団を結成して…▼
- (画面が点滅する)
- [キャス]
- きゃっ!
あーごめん! 考えごとしてたら
ぶつかっちゃ…って……▼
- [???(イラスト:キャス)]
- …▼
- [キャス]
- えっ!? う、うそっ!
あたしがもう一人!?▼
も、もしかして、ほかの異界から来た
もう一人のあたしなの!?▼
- [???(イラスト:キャス)]
- キャス…お願い、私の話を聞いて!
怪盗団を結成するなんて
無茶なことはやめようよ?▼
- [キャス]
- ……▼
ちょっとビックリしたけど
あんた、偽物ね。
誰? 正体見せなさいよ!▼
- [???(イラスト:キャス)]
- ……▼
- (画面が白く光る)
- [チェイニー]
- なんだ、もうバレちゃったのか。
なかなか勘が鋭いな。▼
- [キャス]
- う、うわっ!? 変身した?
あんたがあたしに化けていたの!▼
- [チェイニー]
- ああ、そうさ。
俺は他人に変身する力を
持ってるんだ。▼
- [キャス]
- す、すごい…
他人に変身できるなんて
怪盗団向きじゃない!▼
どう? あんたも
キャス怪盗団に入らない!?▼
- [チャド]
- 無駄な勧誘はそこまでだ。
やっと捕まえたぜ…▼
- [キャス]
- 子分その1…!?
いつの間に。▼
- [チャド]
- ったく、なんて逃げ足の速さだ。
お前を仲間に誘ったときの
ロイ様も苦労したんだろうな…▼
- [チェイニー]
- 実はチャドに頼まれたのさ。
お前を捕まえるために
協力してくれってな。▼
ま、イタズラとしても面白そうだったし
暇つぶしに協力したってわけだ。▼
- [キャス]
- なによ。子分その1の差し金だったの?
あたしはスカウトで忙しいのに。▼
- [チャド]
- だから、それが無駄だってんだよ。
オレたちがなんのためにアスク王国に
呼ばれたのか、よく考えろよ。▼
- [キャス]
- そっちこそ、よく考えなよ!
私腹を肥やす悪徳商人や腐れ貴族を
懲らしめなきゃいけないでしょ!▼
- [チャド]
- だから…いないんだよ、この国には。
そんな悪党連中はさ。▼
- [キャス]
- へ…?
そ、それ、どういうこと?▼
- [チェイニー]
- この国の民は勤勉で
お互いを支え合い、助け合い…
王家を信頼して生きてる。▼
- [キャス]
- それじゃあキャス怪盗団は?
義賊なんて必要ないじゃん!▼
- [チャド]
- だから、そう説明しようとしたら
お前が暴走したんだろ?▼
けど、ヴァイス・ブレイヴには
オレたち盗賊の仕事はごまんとある。▼
偵察や陽動、破壊工作や伝令など
人手はいくらでも足りないくらいだ。▼
- [キャス]
- はぁ、なーんだ。
あたしが先走ったってわけか。▼
悪い奴がいないんじゃ
しょうがないわね。▼
なら、アスク王国を狙う
悪い連中を成敗しよっかな。▼
よーし! あたし、がんばって
ヴァイス・ブレイヴで
一旗上げることにするわ!▼
これからもよろしくね
子分その1とその2!▼
- [チェイニー]
- ん? 子分その2とかいうのは
もしかして俺のことか?▼
- [キャス]
- あ、ごめん、子分その2は
エクラだったわ。▼
頑張ろうね。
子分その1とその3!▼
- [チャド]
- だ~か~ら~!
オレも子分その1になった覚えはねえよ!▼
神と魔の間で イドゥン†
- [イドゥン]
- こうしてあなたに
礼を言える日が来るとは
思っていませんでした。▼
私の命をつないでくれて…
ありがとう。▼
- [ロイ]
- 戦いのあと、あなたは
ナバタの隠れ里で穏やかに
暮らしていると聞いていたんだ。▼
よかった。元気そうで。
こうしてアスク王国で再会できたのも
なにかの縁だろうね。▼
- [イドゥン]
- 私は今、夢から覚めたような…
そんな日々を送っています。▼
吹く風の心地よさ。
咲き誇る花の美しさ。▼
どれもみな知らなかった…
いえ、忘れていただけかもしれません。▼
- [ロイ]
- だけど、ぼくたちはまたあなたを
戦いの渦中に連れ出そうとしている。▼
アスク王国の明日を守るためには
あなたの力が必要なんだ。
心苦しいけど…▼
- [イドゥン]
- 案じてくれて…ありがとう。
ファから聞いていた通り
あなたは強く、優しい人ですね。▼
しかしこれは、生き残った私が
歩まなくてはいけない道。▼
私も、私にできることを
やってみようと思います。
この国の…人たちのために。▼
- [ロイ]
- ありがとう。
あなたの決意は必ず多くの
未来をつないでくれると思うよ。▼
- [イドゥン]
- 私がこの国にやって来たのは
おそらく、運命の導き…▼
私が再び歩き出す前に
会わなくてはいけない人がいるのです。
この…アスク王国に。▼
- [ロイ]
- なにか困ったことがあれば
いつでも言ってほしい。▼
先ほどあなたは
アスクの民に手を貸すことが
自らの歩む道だと言ったけど…▼
その道は一人で歩むものではないよ。
どうか、ぼくたちとともに手を携え
ともに未来へ歩んでほしい。▼
- [イドゥン]
- ありがとう…▼
- [イドゥン]
- ギネヴィア…王女ですね。
私は…。▼
- [ギネヴィア]
- ……!
その瞳、あなたは…
暗闇の巫女…イドゥン!?▼
ですが、その雰囲気…
それではまるで…▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ギネヴィア]
- そうなのですね。あなたは…
私が知るエレブ大陸より
未来からやってきた。▼
- [イドゥン]
- はい。▼
- [ギネヴィア]
- あなたは…救われたのですね。
もう暗闇の巫女ではない…
今のあなたからは闇を感じません。▼
- [イドゥン]
- エレブ大陸における戦いは
終わりました。▼
ロイが振るった…いえ
ロイとその仲間たちが振るった
封印の剣によって。▼
- [ギネヴィア]
- 封印の剣が…▼
私がベルン王家から持ち出した
ファイアーエムブレムは…
正しくその力を発揮したのですね。▼
- [イドゥン]
- ……▼
私は…アスク王国にあなたがいると知り
会うべきかどうか悩みました。▼
それは、あなたに望まぬ未来を
伝えてしまうことに
なるかもしれない…から。▼
- [ギネヴィア]
- ……▼
- [イドゥン]
- 陛下をお救いすることができず
ごめんなさい…▼
- [イドゥン]
- 私は多くの過ちを犯してしまった。▼
終末の冬を…引き起こし
封印から目覚めたあとも
多くの未来ある命を奪ってしまった。▼
そして、陛下の命も…▼
- [ギネヴィア]
- ……▼
戦乱を広げてしまったのは
兄と和解に至れなかった
私も同じです。▼
血が流れぬ道にたどり着くことが
できなかったのは
私に力が足りなかったから…▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ギネヴィア]
- 国を裏切り、ベルンの至宝
ファイアーエムブレムを持ち出し…▼
ロイ様に託すことで
戦争を終わらせようとしたのです。▼
本当なら
ベルンの王族である私自身が
決着をつけねばならなかったのに。▼
- [イドゥン]
- あなたも…苦しんでいたのですね。
悩み続け、自分の心を責め続け
辛い日々を送っていた。▼
今の私には聞こえます。
あなたの心の音…▼
- [ギネヴィア]
- イドゥン、あなたはもう
魔竜ではないのですね。▼
他者の痛みがわかるということは
自らの心を重ねられるということ。▼
あなたはおそらく最後まで
兄に寄り添っていてくれたのですね。▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ギネヴィア]
- ベルンの王女としてではなく
兄の…たった一人の妹として
あなたに伝えます。▼
最後まで兄のそばにいてくれて
ありがとう。▼
- [イドゥン]
- 私を…責めないのですか?
陛下を救えなかった私を。▼
- [ギネヴィア]
- あなたの責任ではありません。
それぞれの正義が不幸な形でぶつかり
血が流れてしまった。▼
戦争というものは
関わってしまったすべての人間が
加害者であり被害者なのかもしれません。▼
- [イドゥン]
- ……。
陛下が歩もうとされた道は
正しい道ではなかったのかもしれない。▼
だけど、その出発点は…▼
世界を悲しみの連鎖から
解き放とうとした
優しい心だったように思えます。▼
- [ギネヴィア]
- 兄は…優しすぎたのです。▼
それゆえに、自分の目に映る
世界の歪みを許容することができずに
力で歪みを正そうとしてしまった。▼
イドゥン、あなたたち竜族は
永遠に近い時を生きると聞きます。▼
- [イドゥン]
- ……▼
- [ギネヴィア]
- 私たち、人間の一生など
あなたたちにとっては
一瞬なのかもしれませんが…▼
どうか、兄の中にあった優しさも
未来に連れていってあげてください。▼
- [イドゥン]
- ええ。約束…します。▼
- [ギネヴィア]
- 戦争というものは
関わるすべての人間が
加害者であり被害者と言いました。▼
ですが、そこには
一方的に虐げられる人間も
存在するのです。▼
命をひとつでも多く守り抜き
犠牲者をなくすこと…
それが私たちの使命だと思います。▼
- [イドゥン]
- きっと私はそのために…
今、この地にいるのでしょう。▼
命は、いつか終わります。
それは私たち、竜族も例外ではない。▼
ですが、想いは永遠。▼
私を暗闇から連れ出そうとしてくれた
あの優しい灯火を…▼
心の中で、いつまでも
灯し続けようと思います。▼
この手に残る
ぬくもりとともに…▼
コメント†
Last-modified: 2024-04-06 (土) 21:43:57