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章別会話

ふたりの魔女

ふたりの魔女

オープニング

[インバース]
ふふ、エクラと
今日も親交を深めようかしら。
念入りに…ね。▼
[ロキ]
あら、エクラの
姿が見えないわ。私の目の届かない
ところに行くなんて、いけない子ねえ?▼
[クリフ]
ねぇ、インバースとロキって
ひょっとして姉妹かなにか?
血のつながりがあったりするの?▼
[インバース]
坊や…その目は飾りかしら?
この女とこの私…
似ても似つかないでしょ?▼
[クリフ]
だって雰囲気が似てるっていうか…
性格もそっくりだし。▼
[ロキ]
あらん、そう?
でも、二人には
とっても大きな違いがあるの。▼
だって、エクラの
本当のお気に入りは
一人だけ…だもの、ねえ?▼
[インバース]
あら…?
それは、自分の方が上だって
言いたいのかしらぁ?▼
[ロキ]
エクラに
ふさわしいのは私…
そこは譲れないところよねえ。▼
だって、強くて魅力的な相手の方が
エクラにとっても
良いことよねえ?▼
[インバース]
ふぅん…
じゃあ、どちらが強いか…
試してみるのはどうかしら?▼
[ロキ]
あらん。
それは、エクラを
あなたと奪い合うということ?▼
残念、ねえ。
あなたを殺さないと
いけないみたい…▼
[ウード]
ま、待て待て!
味方同士で殺し合おうとするな!▼
その荒んだ精神に反応し
怨恨の邪霊たちが顕現してしまう!▼
[ロキ]
??
ちょっと何言ってるか
わからないけれど…▼
[インバース]
ウード、あなたも召喚されてたのね。
この世界に来てもその痛々しい性格は
変わらないのね…▼
[ウード]
選ばれし勇者に
痛々しいとか言うのは
やめてもらおうか!▼
ともかく! 俺たちは同じ旗のもとに
集う仲間。互いを傷つけ合うような
愚かしい真似はやめるんだ!▼
仲間同士が競うなら
エクラのために
戦場で武功を立てればいい!▼
[ロキ]
ふふ、戦場で武功を競う
勝負というわけ…?
面白そうな遊び、ねえ?▼
[インバース]
もちろん、
私も受けて立つわよ。▼
[ウード]
決まりだな! どちらが活躍できるか
闇の戦士の俺と光の村人のクリフが
判定してやろう!▼
[クリフ]
は? なんで僕まで…
関わりたくないんだけど。
っていうか、光の村人ってなに?▼
[ウード]
光の村人は
神に選ばれし村人の称号だ。
ありがたく拝命するがいい。▼
今回そもそも、ふたりが張り合う
原因を作ったのはお前だろう?
責任をもって付き合ってもらうぞ。▼
[クリフ]
ええー…▼

C

[インバース]
ふん、そんな単純な陣形で
攻め入るなんて、倒してくださいって
言ってるのかしらぁ?▼
[ロキ]
さあ、次の敵はどこかしら。
一人残らず、
可愛がってあげないと、ねえ…?▼
[アンナ]
す、すごいわね、あのふたり。
まるで張り合うようにして
敵を蹴散らしてるけど。▼
[アルフォンス]
それが…
戦場でどちらが活躍できるか
競っているらしく…▼
[シャロン]
なんでも勝った方が
エクラさんの想いを
手に入れられるらしいです!▼
[アンナ]
な、なによそれ…!?
いつの間にそんな話に…▼
でも、まあ…
あれだけの力を持つ英雄が
やる気になってくれるのは良いわね。▼
いいわ!
エクラには内緒で
このままどんどん行きましょ!▼
[アルフォンス]
ただ、敵軍の動きには
不可解な点があります。
警戒を怠らないようにしましょう。▼
[アンナ]
確かに、油断は禁物ね。
警戒を怠らずに
どんどん行くわよ!▼

(場面転換)

[クリフ]
…ウードはどうしてこんな
面倒くさいことをやらせるの?▼
別に、お互い気に食わないっていうなら
好きにさせればいいのに。▼
[ウード]
ふっ…彼女たちの
闘争心をうまく活かせば
荒れ狂う力となって敵を蹂躙する…▼
負けたくないという気持ちが
平時よりも苛烈な力を引き出し
活火山のごとき相乗効果を生むのだ!▼
このような闇の策略は
漆黒のウードならではのもの!▼
[クリフ]
でもいいの?
エクラのこと
賞品みたいにしちゃって。▼
[ウード]
戦いには犠牲がつきもの…
エクラも
覚悟しているはず。問題ない!▼
[クリフ]
いや、あるでしょ。
本当にうまくいくのかな…?▼

B

[ロキ]
さてと…
これでだいたいの敵は
倒し終わったようねえ?▼
[インバース]
そろそろ、どちらが上なのか
判定してもらえるかしらぁ?▼
[ウード]
いやぁ…
えーと、そのぉ…▼
ぐっ…邪悪な黒き霧が
俺の頭を覆い、
思考を妨害している…!▼
い、今の俺には公正な判断を
下すことができない…光の村人クリフよ!
お前にすべての審判を託そう…▼
[クリフ]
ええ!? どうして僕が…▼
[インバース]
さぁ、早く聞かせてちょうだい。
考えるまでもないでしょう?▼
[ロキ]
そうねえ、あなたが感じている
ありのままを伝えて…
わかるでしょう…ねえ?▼
[クリフ]
ちょ、ちょっと、ふたりとも
そんなに寄らないでよ…!▼
[シャロン]
みなさん、大変ですっ!
一大事ですっ!▼
[ロキ]
あらん。
こっちも今
取り込み中なのだけれど…▼
[シャロン]
エクラさんが…
敵にさらわれてしまいました!▼
[インバース]
な、なんですって…!?▼
[シャロン]
いま、アンナ隊長とお兄様が
エクラさんを乗せた
馬車を追っているところです。▼
敵の動きが妙だと思っていたら
エクラさんを
狙っていたなんて…▼
[ロキ]
あらん、大変。
じゃあすぐに追いかけましょう。▼
[インバース]
待って。私たちが追うことも
敵の想定のうちのはず…
うかつに動くのは危険よ。▼
この付近の地図はあるかしら?▼
[シャロン]
は、はい。
これです!▼
[インバース]
…なるほどね。この地形…
山岳地帯を突っ切れば
少人数でも追いつけるわね。▼
[ロキ]
…それってもしかして、
あなたの策だと、ここで
私の力が必要になるのかしら…?▼
[インバース]
ええ、そのとおりよ。
ウード、クリフ、
あなたたちも来なさい。▼
[ウード]
あ、ああ。
この漆黒のウードの力
存分に使うがいい!▼
[クリフ]
しょうがないな…
で、何すればいいの?▼

A

[ロキ]
追いついた…あの馬車ねえ。
あなたの読んだ
進路どおりだったわねえ?▼
[インバース]
じゃあ、馬車を止めるわよ。
あなたの力、
存分に発揮してもらうわ。▼
[ロキ]
ええ、見てて…こうして、
エクラの姿を
思い浮かべて、形を重ねると…▼

(白く明滅する)

[インバース]
ふふ、上出来じゃない。
うまく化けたわね。
それじゃあ…行くわよ!▼

(場面転換)

[クリフ]
…! あれがロキの変身…?
エクラに
そっくりなんだけど…▼
[ウード]
見ろ! エクラが
ふたり現れたせいで
敵も混乱している…!▼
[クリフ]
自分たちがさらった
エクラが
偽物だと思ってるのかな?▼
[ウード]
敵の動きが止まっている…!
よし、作戦どおりだ。
この隙をつくぞ!▼

(場面転換)

[アンナ]
ふぅ…
一時はどうなることかと思ったけど
なんとか事態を収拾できたようね。▼
[ウード]
エクラも
助け出せたし敵軍も壊滅したし
終わりよければすべてよしだ!▼
[クリフ]
でもさ…力を合わせて戦う
インバースとロキ、すごかったよ。▼
そんなに
エクラが大切なら
最初からそうすればいいのに。▼
[ウード]
そうだぞ、想いに貴賤なし…!▼
同じエクラの
召喚に応じた闇の同胞二人が
心を重ねし時、それこそが真の…▼
[ロキ]
そうねえ。
ちょっと何言ってるか
わからないけれど…▼
でも、インバース。
あなたのことは認めてあげたく
なっちゃったわ…ねえ?▼
[インバース]
それは、光栄ですこと。
ロキ…私も同じ気持ちよ。▼
偉大なるギムレー様には及ばないけれど…
あなたのことは、認めるしかないわ。▼
[ロキ]
ふふ。エクラなら、
お気に入りが二人いても
別に構わないわよ、ねえ?▼
[アルフォンス]
…相変わらず、
エクラの話を聞かずに
話が進んでいるようだけれど…▼
[シャロン]
あ、待ってください!
わたしも三人目になりたいです!▼
[アンナ]
ちょ、ちょっとシャロン、
また話がややこしいことに…▼
さ、さあ、任務はまだ途中よ!
エクラの想いが
欲しい人は最後までがんばって!▼

悪戯好き ロキ

C

[ロキ]
ふふっ……
今思い出しても笑いがこみ上げて
きちゃうわ…ねえ?▼
エクラに
召喚された私を見た時の
アルフォンス王子たちの驚いた顔。▼
でも、あなたと…
ここに集った多くの英雄たちは
私を受け入れてくれた。▼
それどころか
仲間として信頼してくれている。
ふふっ、本当に面白い人たちねえ。▼
こう見えても、私は義理堅い性格なの。
あなたから寄せられた気持ちには
応えてあげるわ。▼
ふふっ…毎日が楽しくて仕方がないわ。
私を召喚してくれてありがとう、
エクラ…▼
こんな素敵な世界に
私を召喚してくれるなんてね…
ふふふ……▼

B

[ロキ]
あらん。
不思議そうな顔をするのね
エクラ。▼
私がどうしてそんなに
楽しそうにしているのか…
知りたいの?▼
ふふっ…だって、今のアスク王国…
いえ、この世界が置かれた状況って
なかなか楽しそうじゃない?▼
これだけの英雄がいるのに
なおも戦乱は広がり
世界は混乱を深めていく…▼
気を抜くと、すぐにやってくる破滅。
まったく先の見えない未来。
ふふ…最高じゃない。▼
あらん、エクラ。
そんな心配そうな顔をしないでぇ。▼
私が目指す場所は
あなたが目指す場所。▼
あなたが戦いを終わらせたい…
そう願うなら、全身全霊をもって
力になってあげるわよ。▼
だって、私の身も心も、
あなたのものだもの…
ふふふ…▼

A

[ロキ]
私ね、この世界で
楽しみにしていることがあるのよ。▼
それは、
この世界にいるロキ…
もうひとりの自分と戦うこと。▼
前から一度、
自分自身と戦ってみたかったのよ。
ふふふっ…▼
よく言うわよねえ?
自分と向き合うことや修行することを
『自分との戦い』って。▼
でもそれはあくまで、ものの例え。
実際に命のやりとりをする
勝負じゃないわよ…ねえ?▼
でもこの世界なら
私は正真正銘、『自分との戦い』を
楽しむことができるの。▼
力が同等な自分と戦って
敗北した方は死ぬ…
ふふ、面白そうねえ?▼
でもね、負ける気はしないの。
私にはエクラが
ついているから…▼
この世界のロキに勝つことは
きっとあなたの望む
平和な世界にも繋がる…▼
私は私に勝つわ。そして
必ずあなたの願いを叶えてあげる。
ふふふ…▼

S

[ロキ]
ここはまさに
私が望んでいた世界…▼
次々と現れる争いごと…
どっちが勝つかわからない戦い…▼
それに
エクラという
素敵なご主人様もいるんですもの。▼
私を召喚してくれて
本当に感謝しているわ、
エクラ。▼
私はあなたに会うために
長い旅をしてきたのかも…▼
私の身体と心はあなたのもの。
あなたが望むなら
なんだってしてあげる。▼
これから私にどんな世界を
見せてくれるのかしら。
ふふっ…楽しみねえ。▼

暗闇の遊女 インバース

C

[インバース]
エクラ、
あなたは本当に面白い人ねぇ。▼
虫も殺さないような優しい顔を
していると思ったら、戦場では
容赦ない采配を振るう…▼
森羅万象すべてを知っているような
素振りをすることもあれば、なにも
知らないような純粋さも見せる…▼
そしてなにより…
あなたは私を信頼してくれている。
そこが一番、興味深いわぁ。▼
この世界では元いた世界で
敵だった英雄たちもいるわ。
なのに、私を受け入れてくれている。▼
それはきっと、あなたが私を
信頼してくれているからねぇ。▼
私ったら、この世界に来てから
どんどんあなたに魅せられている…▼
んふふっ、この気持ちは
どこから来るのかしらぁ…?▼
私の心の奥底にあるもの?
それとも…▼

B

[インバース]
なにか心配事でもあるのかって?
ずいぶん面白い質問をするのねぇ。▼
ふふっ、大丈夫よぉ。
いつもどおり、あなたのために
思いっきり力を振るえるわ。▼
でも、あなたって本当に優しいのねぇ。
私の些細な変化を見逃さないように
いつも気にしてくれている。▼
もしかして…
私が裏切るかもしれないから
目を光らせているのかしらぁ?▼
…冗談よ。あなたが私に
信頼を寄せてくれているのは
その目を見ればわかるわ。▼
気づかってくれてありがとう。
本当に心配事ができたら
あなたに相談することにするわ。▼
この世界で…
私が一番信頼できるのは
あなたなのだから。▼

A

[インバース]
エクラ、
少し話を聞いてくれるかしら…▼
私はこの世界に来る前に
記憶を操られ…言われるがままに
戦乱を引き起こしてしまったの。▼
そのときの自分は
偽りの記憶を真実と思い込んで
取り返しのつかないことをした…▼
だから、今もときどき不安になるの。
自分の中にある想いや記憶が
誰かに作られたものじゃないかって。▼
この世界に召喚されてから
私はあなたに魅せられているわ。▼
でも、その気持ちも
作られたものだとしたら…▼
…………▼
優しいのね、エクラ。
まるで自分のことのように
一緒に悩んでくれるなんて。▼
それでも…▼
あなたが悪い人だなんて、
絶対にあるはずがないと
わかっていても…▼
忘れられないあの出来事が
私をひどく不安にさせるのよ。
今も、ね…▼

S

[インバース]
エクラ、
心配かけたわね。
私はもう大丈夫よ。▼
私、気付いたの。
あなたに召喚されたけど
なにかを強要されたことはないって。▼
あなたはどんなときでも
私の心を尊重してくれた。▼
そんなあなたの態度を見て
私は力を貸そうと決めたの。
そして、惹かれていったのよ。▼
あなたは私が悩んでいるときに
励ましてくれた…▼
私の心は私のものだって。
すべては自分が決めていいんだって。▼
だから私は、自分の意志で決めるわ。
ほかの誰にも強要されず
どんな力にも従わず。▼
あなたとともに歩み
あなたを支えていきたい。
これが私の嘘いつわりない心よ。▼
んふふっ…あなたがどこに行こうが
ずっとそばにいるわ。
私の意思で、ね。▼

力を封印せし者 ウード

C

[ウード]
た、大変です!
エクラさん!▼
さっき城を歩いていたら
俺と瓜二つの英雄がいたんだ!▼
名前はオーディンだとか?
顔も姿もそっくりだけど
あれはまさしく別人…▼
も、もしかして俺は
もう一人の闇の自分というやつを
見てしまったのか!?▼
えっ? 安心していい?
そ、そうですか…▼
…しかし、あの英雄も俺も、
エクラさんの
神器で呼ばれたんですよね?▼
その神器…
ブレイザブリクには
二つ名はないんですか?▼
すごい力を秘めた神器だし
二つ名は絶対にあった方がいいです!
なんだったらこの漆黒のウードが考えますよ。▼
いや、遠慮しなくていいですって!
これは完全に我が得意分野!▼
汝の神器…
その真名は我が制定する!
フッ…震えて待つがいい!▼

B

[ウード]
エクラさん、
考えてきましたよ!
ブレイザブリクの二つ名!▼
あまりのかっこよさに
自分でも気を失いそうになりました。
腰を…抜かさないでくださいよ!▼
まずはひとつ目は…
『超絶覇天ブレイザブリク』!▼
…えっ、なんですか?
その微妙そうな顔は…
ならば、次の神託を…!▼
『静謐を破りし堕天の号砲』!
魂を揺さぶるこの響き…
もうこれで決まりでしょう!▼
ついでに言うと、
武器だけでなく必殺技にも
名前を付けるのがオススメです。▼
見たいか、数多ある
俺の必殺技のひとつ…行くぜ!
聖魔剣・ホーリーデビルソ-ド!▼
せやっ! そして返す刀で
蒼炎剣・ブルーフレイムソード!
くぉぉ! 燃え盛れ俺の魂!▼
ってあれ?
エクラさん、
どこに行くんですかー!▼

A

[ウード]
どうして俺が名前にこだわるのか…
その秘められし謎を
ついに明かしましょう。▼
俺が使っているこの剣…
切れ味はそのへんにある
鋼の剣と変わりません。▼
ですが、名を冠することで、
世界に一本だけの…
選ばれし剣となる!▼
要は気分が上がるってことです。▼
あなたは正真正銘の選ばれし者
機関の英霊使い、ブレイヴマスター…▼
ならば使っている神器にも
格好いい二つ名が
あるべきだと思いませんか?▼
まぁ、要は選ばれし者だけの
高揚感を味わってほしかったんです。▼
しかし、人にはそれぞれ
定められた運命がある…▼
それをねじ曲げる力は
今の俺にはありません。▼
エクラさんが
二つ名が必要ないと言うなら
俺はその選択を尊重しましょう…▼

S

[ウード]
はっ!?
そ…そうか…
そういうこと…だったのか…▼
ブレイザブリクには
秘められし二つ名が
確かに存在していた…!▼
だが、禁忌の言葉ゆえ
その名を口にすれば
世界に歪みが生じてしまう…!▼
くぅぅっ!
だから、俺の前では二つ名を
明かさなかったのか…!▼
いい、実にいい…!
この設定、いやこの秘密は
格好良いじゃないですか!▼
さすが俺のマスターとなるべき
希代の召喚師!
天よ、この巡り合わせに感謝しよう!▼
ほらほら、
エクラさんも
ポーズを決めてくださいよ!▼
この漆黒のウード、
これからも主のもとで力を振るい
ともに伝説を築くことを誓おう!▼
[アンナ]
…………▼
[アルフォンス]
…………▼
ブレイザブリクに
そんな伝承…ありました?▼
[アンナ]
ううん…たぶんないと思う。
いや、絶対ないと思うわ…▼

目覚めた好奇心 クリフ

C

[クリフ]
あ、エクラ…
どうしたの、こんなところで。▼
へー、見回りなんてしてるんだ。
真面目だね。▼
僕? 僕は…
戦いや訓練がないときは
こうしてみんなを観察してるんだ。▼
だって、これってすごいことだよね?
違う世界や異なる文明で育った英雄が
こうして集まってるなんて。▼
僕ら平民が口もきけないような王族や
絵物語に出てくるような伝説級の英雄も
ここには大勢いる…▼
こんな風景、ほかじゃまず見られないよ。
きっと元の世界に帰っても
誰も信じてくれないだろうね。▼
でも、本当にすごいのは…
彼らを召喚してひとつにまとめた
エクラの力かもね。▼
そんなに謙遜しなくてもいいんじゃない?
エクラのすごさは
みんなが認めてるし。▼
でも、わからないなあ…
こんなに英雄たちが揃っているのに
どうして僕まで召喚したの?▼
あ、いや…なんでもない。
気にしないで。▼
…別に、深い意味はないよ。
ちょっとそう思っただけ。▼

B

[クリフ]
僕はさ。ラムの村っていう
小さい村で育った、まあ、
ただの村人だよ。▼
解放軍に参加したのも
退屈な村の暮らしに
うんざりしてたってだけ。▼
それまで貴族や王族なんかとは
無縁だったよ。
村人だから当然だよね。▼
僕には伝説の武器もなければ
課せられた使命や宿命もない。
勇者の血を引いてる訳でもない。▼
僕には何もないんだ。
ま、僕に限らず世の中大半の人が
普通そんなもんじゃない?▼
そんな僕が何で
異世界に呼ばれたのか
ちょっとわからないんだよね。▼
そう…エクラは
身分なんかに
こだわるなって言うんだ。▼
でもそれはさ。
高いところにいる人間だから
言えるんじゃないの?▼
僕ら平民が口にしたって
鼻で笑われるのが関の山だよ。▼
…別に君に文句がある訳じゃないよ。
僕がモヤモヤしてるだけさ。▼
……▼

A

[クリフ]
僕、何でモヤモヤしてたか
わかった気がする。▼
ここにいる英雄のみんなは
たとえ王族や貴族でも
僕を下に見たりしない。▼
…まあ、たまに例外はいるけど。▼
大抵の人は
僕をひとりの英雄として
分け隔てなく接してくる。▼
だから、身分の違いというより
器の違いを感じちゃったんだよ。▼
何だか
そんなことを気にしてた
僕がバカみたいじゃない?▼
まあ正直、
異世界を救うなんて大仕事…▼
ただの平民の僕が
何でやらなきゃいけないんだとは
今でも思ってるよ。▼
でも、エクラは
身分で召喚する
英雄を選んでるわけじゃないし。▼
ただの偶然とか
縁っていうやつなんだろうけど。▼
だからって手ぶらで帰るのも
なんか悔しいよね。▼
英雄として僕に何ができるのか。
何をなすべきなのか…▼
エクラに
召喚されたその理由…
少しは考えてもいいかもね。▼

S

[クリフ]
ああ、エクラ。
調子はどうだって?▼
別に普通だよ。
よくも悪くもないけど。▼
…え?
よさそうに見える?
気のせいじゃない。▼
いや…うーん。
調子がいいって訳じゃないけど
ちょっと気分はいいかな。▼
この間少し話したでしょ。
どうせ召喚されたんなら
何か持って帰らないと損だって。▼
だからこの環境を
利用させてもらおうと
思ってさ。▼
伝説の英雄たちから
技や知識を盗む
またとない機会だもんね。▼
それに…ふふ。
気づいたんだけど。▼
僕は勇者の血を引いてもいないし
伝説の剣もすごい魔道書も持ってない。
だけど僕には未来がある。▼
学び、世界を知り、
成長できる伸びしろがある。
もしかしたら僕も…▼
後の世には英雄なんて
呼ばれるようになるのかも
しれないって。▼
ひょっとして
エクラは
そこに目をつけたんじゃない?▼
…いや、きっとその通りだって…
信じないでよ。
冗談なんだからさ。▼
でも…エクラが言うと
ちょっと信じられる気がするよ。
ほんのちょっとだけどね。▼
ま、せいぜい期待してよ。
僕は王様でも
伝説の勇者でもないけど…▼
最強の村人には
なれるかもしれないからさ。
ふふっ…▼

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Last-modified: 2020-09-24 (木) 18:40:30
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