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会話集/支援会話
主人公(男性)の支援会話†
ディミトリ†
支援C†
- (王国兵たちが話しているところに通りがかるシェズ)
- [王国兵(男性)]
- そういえば、聞いたか?
 クレイマン家の残党が討伐されたって話。▼
 
- [王国兵(女性)]
- ええ……あの一件で、近くの村落にも
 相当な被害が出たんでしょう?▼
 もちろん挙兵した者たちも愚かだけれど……
 陛下も陛下よね。あんな犠牲を出すなんて。▼
 
- [シェズ]
- ………………。▼
 
- [ラルヴァ]
- おや、思うところがあるようだね。
 異論があるなら、ぶつけてみればいい。▼
 
- [シェズ]
- ……いや。俺も、ディミトリの奴が何を
 考えているのか、理解できてるわけじゃない。▼
 あいつは俺たちと、一線を引いてるしな。
 自分の伯父を殺してから、ずっと。▼
 
- (暗転)
- (画面が明るくなる。ディミトリと向き合うシェズ)
- [ディミトリ]
- シェズ、悪いが数日の間、
 ギュスタヴと共に留守を頼めるだろうか。▼
 
- [シェズ]
- 出掛けるのか? 珍しいな、ドゥドゥーも
 ロドリグさんも一緒じゃないなんて。▼
 
- [ディミトリ]
- 二人なら、丁度ダスカーに向かった。
 彼らにも彼らの仕事があるからな。▼
 
- [シェズ]
- それなら、俺が同行するぞ。
 ちょうど休暇で、暇だったんだ。▼
 
- [ディミトリ]
- シェズ、折角の休暇に働くなど
 あまり褒められたことではないぞ。▼
 
- [シェズ]
- いや、お前にだけは
 それを言われたくないんだが……。▼
 
- [ディミトリ]
- ……そうだな、では頼む。あまり愉快な
 行き先ではないが、人手は必要だからな。▼
 
- (暗転)
- (画面が明るくなる。村。)
- [シェズ]
- ……どこに行くのかと思ったら、
 この前の討伐戦で被害を受けた村だとは。▼
 しかも自分で死者を弔ってやるなんて、
 王様の仕事じゃないだろ?▼
 
- [ディミトリ]
- たとえ王の仕事ではなかったとしても、
 俺は俺にできることをしなければならない。▼
 ……誰一人、巻き込みたくなかったんだ。
 こんな形で命を奪うつもりなど、なかった。▼
 だがこうして村の者たちを殺したのは
 他の誰でもない、この作戦を採った俺だ。▼
 
- [シェズ]
- 散々考えて選んだ方法だろ。
 ロドリグさんたちとも話し合ったし……▼
 
- [ディミトリ]
- 過程など、結果の前には無意味だ。
 死んだ者の命は戻らないのだから。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- ……確かに、積み重ねた努力が必ずしも
 結果に繋がるとは限らないか。▼
 
- [シェズ]
- いや、これ以上の手は取れなかっただろ。
 最善は尽くした。悔いるべきじゃない。▼
 
- [ディミトリ]
- お前は、親を、友を失った者を前にして、
 これが最善の手だったと胸を張れるのか。▼
 
 《共通》
- [ディミトリ]
- 己の所業の残忍さから、
 目を背けるべきではない。▼
 だがこの戦いを、この犠牲を、
 正義だと謳わなければ兵は従えられない。▼
 いつまで、こんなことを
 続ければいいのだろうな……。▼
 
- [シェズ]
- ……ディミトリ。▼
 今日の顛末を話せば、少しは皆にもお前の
 考えを理解してもらえると思うが。▼
 
- [ディミトリ]
- いや……その必要はない。
 これはあくまで、俺の問題だからな。▼
 
支援B†
- (暗転)
- [ディミトリ]
- …………。▼
 
- [シェズ]
- ああ、起きたか、ディミトリ。
 大丈夫だ。まだ半日しか経ってない。▼
 
- (画面が明るくなる)
- [ディミトリ]
- 俺は……確か、訓練の途中で……▼
 
- [シェズ]
- 魔法の誤射を食らったんだ。
 あれはしっかり効いただろうな。▼
 
- [ディミトリ]
- ああ……そういえば、そうだった……。
 俺としたことが、失態だな。▼
 
- [シェズ]
- 疲れてたんじゃないのか?
 普段のお前なら、軽く避けられただろ。▼
 皆心配したんだぞ。特に、ドゥドゥーと
 フェリクスの慌てぶりと言ったらなかった。▼
 まあ、こうして半日寝てたわけだし、
 ある意味良い休息にはなったかもな。▼
 
- [ディミトリ]
- 心配をかけたな。もう大丈夫だ。
 こんな時間まで付き添わせて、すまない。▼
 
- [シェズ]
- おい、俺が戻ったらまた働くつもりだろ。
 ディミトリ、とりあえず周りを見てみろ。▼
 
- [ディミトリ]
- ……なるほど。妙に部屋が片づいていると
 思ったが、お前たちの仕業か。▼
 
- [シェズ]
- もちろん、お前の判断や確認が
 必要な仕事には手をつけてない。▼
 だが、俺たちでも何とかなりそうな
 雑事くらいは、片づけたっていいだろ。▼
 これは、皆で相談して決めたことだ。
 たまにはお前に休んでてもらおうってな。▼
 
- [ディミトリ]
- それはありがたいが……自分の
 仕事の合間を縫ってまで、そんな真似をしたのか?▼
 
- [シェズ]
- 皆で分担してな。調練は、フェリクスと
 ドゥドゥーと、3人で終わらせといたぞ。▼
 書類仕事はロドリグさんとシルヴァンが
 片づけてくれた。目を通しといてくれ。▼
 馬の世話はイングリットが、書物の整理は
 アネットとアッシュが2人でやってくれた。▼
 後は……メルセデスの焼いた菓子がある。
 後で食べてみてくれ。すごく美味いぞ。▼
 それから兵士たちの中には、近くの村の
 慰問に行ってくれた連中もいる。▼
 
- [ディミトリ]
- ……そうか。驚いたな……。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- あれだけ一人で背負うなって言ったのに、
 お前、結局仕事を引き受けてばかりだろ。▼
 
- [ディミトリ]
- 最近は……お前たちにも頼っていただろう。
 それに何より、これは俺の望んだことだ。▼
 
- [シェズ]
- まだまだ頼り足りないって言ってるんだ。
 そろそろ、俺たちを信頼してくれ。▼
 
- [シェズ]
- どうだ、ディミトリ。
 “青獅子の学級”の総力を結集した作戦は。▼
 俺たちがこれだけやれるってわかれば、
 お前も少しは信頼できるだろ。▼
 
 《共通》
- [ディミトリ]
- 違う。決して、お前たちを
 信頼していないというわけではない。▼
 
- [シェズ]
- ……ならどうして、わざわざ村の奴らを
 弔ってやった話を、誰にもしないんだ?▼
 兵士も騎士も皆、驚いてたぞ。
 そういう話はちゃんと教えてくれって。▼
 
- [ディミトリ]
- それは……すまなかった。▼
 
- [シェズ]
- わかればいい。さ、二度寝でもしとけ。
 眠れないから仕事を、なんて言い出すなよ。▼
 
- [ディミトリ]
- はは、参ったな。久しぶりに夢も見ずに
 眠ったから、しばらくは眠れそうにないぞ。▼
 
- [シェズ]
- なら、俺が暇潰しに付き合おう。
 この時間は訓練場も空いてるはずだ。▼
 
- [ディミトリ]
- 世話をかけるな、シェズ……。▼
 
支援A†
- [ディミトリ]
- …………。▼
 
- [シェズ]
- ディミトリ、今日は折角の休暇だろ?
 何でそんな浮かない顔なんだ。▼
 
- [ディミトリ]
- いや……落ち着かなくてな。▼
 皆が忙しく働いているというのに、
 何もしないのはひどく歯痒い……。▼
 
- [シェズ]
- 別に、何日も休もうって話じゃない。
 たまにはゆっくり過ごせばいいだろ。▼
 お前の悪い癖だな。
 どうしてそんなに働きたがるんだ。▼
 
- [ディミトリ]
- それが、俺の義務……いや。俺が、
 そういうふうにしか生きられないからだ。▼
 王の子としてフォドラに生を受けた以上、
 この命は最初から、俺のものではないし……▼
 ……あの惨劇を生き残った俺にしか
 背負えない使命があるとも、思っている。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- まあ、気持ちは理解できなくもない。▼
 俺も、傭兵団が壊滅した時には多少なりとも
 思うところはあったしな。だが……▼
 
- [シェズ]
- わからないな。だからと言って、何で
 お前が一人で背負わなきゃいけない?▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 周りの連中に負担をかけないようにして、
 結局何もかもが上手くいかなかったら……▼
 お前は、それに満足できるのか?▼
 
- [ディミトリ]
- ……俺は、皆を少しでも幸せにしたい。
 あの日の死者も、今を生きる人々もだ。▼
 そんな理想を何の犠牲も払わずに
 遂げられるとは、俺も思っていない。▼
 だが、俺の理想などに巻き込まれたせいで、
 他の誰かが苦しむのは、認められない。▼
 一人で背負える重荷なら、背負ってしまった
 ほうがずっと楽なんだ。俺にとってはな。▼
 
- [シェズ]
- 皆を幸せにしたいなんて言うが、
 お前の幸せはどこにあるんだ?▼
 自分を大事にできない奴が、
 周りの奴を大事にできるわけないだろ。▼
 
- [ディミトリ]
- そう言われてしまうと、返す言葉もない。
 だが、俺の幸せと言われても……困るな。▼
 そんなこと、ついぞ考えてこなかった。
 幸せ。幸せ……か。何だろうな。▼
 
- [シェズ]
- 何でわからないんだ。
 お前が嬉しいと感じるのはどういう時だ?▼
 倒せなかった相手を倒した時とか、
 勝って生き延びた後の宴とか、あるだろ。▼
 
- [ディミトリ]
- ………………。▼
 俺にそんな幸せを享受する権利などないと
 思うが、もし許されるなら……▼
 人々が安穏と暮らしていける国を築き、
 彼らの笑顔を見ながら死にたいな。俺は。▼
 
- [シェズ]
- お前……前からずっと思ってたんだが、
 すごい辛気臭い性格してるよな?▼
 何で幸せを考えてて出てくるのが、
 よりによって死の間際なんだよ。▼
 
- [ディミトリ]
- 辛気臭い……そうだろうか。
 だが他に幸せと言われても、難しいな。▼
 
- [シェズ]
- もっと他にないのか? 例えば、早く
 戦争を終わらせて、皆で戦勝を祝うとか。▼
 ドゥドゥーたちに言えば、
 きっと喜んでご馳走を作ってくれるだろ。▼
 
- [ディミトリ]
- ……いや。俺にはそんなもの、勿体ないよ。▼
 だが、お前たちの喜ぶ顔が見られるのなら、
 それもいいのかもしれないな。▼
 
- [シェズ]
- ……はあ。確かにお前は、
 「民想いの優しい王様」にはなったな。▼
 そこはいい。変えられない性分というか、
 お前が一生背負い続けるものなんだろ。▼
 だったら俺たちが、お前の分まで
 勝手にあなたを大事にするぞ。いいな?▼
 手始めに休暇を満喫させてやる。
 まずは遠乗りだ、ディミトリ!▼
 
- [ディミトリ]
- ……ありがとう、シェズ。▼
 
ドゥドゥー†
支援C†
- [ドゥドゥー]
- ………………。▼
 
- [シェズ]
- どうしたんだ、ドゥドゥー。
 俺に何か用か?▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……いや。
 お前こそ、何をしていた。▼
 
- [シェズ]
- 何って言われてもな……。
 見てのとおり、武器の手入れだが。▼
 昨日は激戦だっただろ? 壊れちまったのを
 まとめて修理しようと思ってな。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……そう、か。▼
 
- [シェズ]
- どうした、夜中に武器を持ち出したことが
 気になったか? 信用ならないって顔だが。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……陛下がお前を信じると決めた以上、
 おれは、お前を害さない。▼
 だが……お前がいつ、何をするかは、
 もう少し、見極めさせてもらいたい。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 2年間一緒にいて、
 まだ信用してくれてないのか?▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……裏切る者は、たとえ
 何年共に過ごそうと裏切る。▼
 
- [シェズ]
- まあ、そうか。そうだよな……。
 王都でもいろいろあっただろうし。▼
 
- [シェズ]
- 無理もないか。俺は新参だし、他の
 奴らと違って素性もあやふやだ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……すまん。▼
 
- [シェズ]
- いえ、当たり前の話だろ。
 気にするなって。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 雇い主に何かあったら困るのは俺も同じだ。
 好きに警戒してくれ。▼
 実際、ディミトリの警戒心は薄すぎるよな。
 俺みたいなのをここまで重用したりとか。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……そういうお方だからこそ、慕われる。▼
 それに陛下としても、お前を側に
 置いておいたほうが都合がいいのだろう。▼
 
- [シェズ]
- なるほど、俺の行動を見張れるからか。▼
 ま、俺はあいつに雇われた人間として、
 最大限の成果を上げるだけだ。▼
 もし俺が怪しい行動をしていたら、
 その場で斬り捨ててくれて構わないぞ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……傭兵らしい割り切り方だな。▼
 
- [シェズ]
- そうだ、俺は傭兵なんだ。今は私兵団の
 長なんて大層な肩書きがついてはいるが。▼
 堅実に成果を積み上げていれば、
 信用や信頼が集まってくる。▼
 それが、俺の古巣……
 ベルラン傭兵団の教えでな。▼
 いつかお前からも信じてもらえるように、
 地道に成果を積み重ねていくだけさ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- そうか。……武器の手入れには、
 時間がかかるだろう。手伝おう。▼
 
- [シェズ]
- はは、見張りの一環か?
 まあ、助かるが。▼
 
支援B†
- [シェズ]
- 今日の調練は随分とごたついてたな。
 どうしたんだ?▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……よくあることだ。兵士の中には、
 おれの存在を面白く思わん者も多い。▼
 
- [シェズ]
- 面白く思わない……?▼
 
- [ドゥドゥー]
- お前も知ってのとおり、
 おれはダスカーの生まれだ。▼
 陛下が即位されてから、ダスカーとの
 関係も変わりつつあるとはいえ……▼
 同じ部隊で共に戦うに当たって、
 わだかまりが無いと言えば嘘になるだろう。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 俺は気にしないが、
 気にする奴がいるのも確かだろうな。▼
 特にダスカーで身近な人が死んじまった
 連中なんかは、複雑な心境だろ。▼
 
- [シェズ]
- そういうもんか?
 俺にはよくわからないが……。▼
 
- [ドゥドゥー]
- 王国にとって、“ダスカーの悲劇”は
 それだけ大きな事件だった。▼
 
 《共通》
- [ドゥドゥー]
- ……加えて、俺は近衛の兵を預かっている。
 彼らの中には、国内諸侯の子弟も多い。▼
 貴族でも騎士でもないおれが、陛下に
 重用されているのが気に食わん者もいる。▼
 
- [シェズ]
- ああ、そういう連中もいるな、確かに。
 俺も陰でいろいろ言われてるようだ。▼
 一介の傭兵に過ぎなかった俺が、
 たまたまディミトリと出会って……▼
 士官学校で机を並べ、幸運にも重用された。
 ずるいと思う奴がいるのも仕方ないだろ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……そうだな。▼
 おれもお前も、偶然陛下と出会い、
 拾っていただいたに過ぎない。▼
 貴族の子弟として生まれ育ち、
 王に仕えよと教導されながら……▼
 偶然の機会を得られなかった者からすれば、
 それは、とても残酷なことだ。▼
 
- [シェズ]
- ディミトリも苦労してる部分だろうな。
 下手な真似すれば争いになりかねないし。▼
 だが、解決方法は単純明快だろ?▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……?▼
 
- [シェズ]
- 俺やドゥドゥーが、皆の信頼に値する
 将なんだって示せばいいだけの話だ。▼
 前に話したよな。成果を上げれば自然と
 信用が、そして信頼がついてくる……▼
 たとえどんなに胡散臭い奴でも、きっちり
 成果を上げる将には、皆ついていくんだ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- 傭兵団で学んだのか。▼
 
- [シェズ]
- 俺がいた傭兵団にも、賊上がりの奴がいた。
 皆も最初は信用してなかったがど……▼
 文句も言わず真面目に働き続けて、
 気づいたら団長や皆とも打ち解けてたさ。▼
 1年も経てば、俺も自然と軽口を叩ける
 ような仲になってたな。▼
 
- [ドゥドゥー]
- その者は、お前たちの
 信頼を勝ち取ったのだな。▼
 
- [シェズ]
- ああ、そうだ。ただもちろん、そういう奴が
 絶対に裏切らないって保証はないから……▼
 お前みたいに、周囲に目を光らせる奴も
 必要不可欠だとは思うぞ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……なるほど。▼
 
- [シェズ]
- はは、今日は喋り過ぎたな。▼
 
- [ドゥドゥー]
- いや、参考になった。
 ……今後に生かすとしよう。▼
 
支援A†
- (王国兵とドゥドゥーが会話するのを眺めるシェズ)
- [王国兵(男性)]
- ドゥドゥー殿、先程の件について
 意見を頂きたいのですが……。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……カロン伯との会談についてだな。
 ギュスタヴ殿とも話し合ったが……▼
 
- [シェズ]
- …………。
- (暗転)
- (画面が明るくなる。二人になるドゥドゥーとシェズ)
- [シェズ]
- 順調そうだな、ドゥドゥー。見ないうちに
 部隊の連中ともかなり打ち解けたようだが。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……ああ。▼
 先ほどおれと話していた兵は、
 騎士だった母を、ダスカーで亡くしている。▼
 当然、おれにも複雑な思いを抱いていた。
 ……何度か、言い争いもした。▼
 
- [シェズ]
- ドゥドゥーが言い争い?
 正直、想像つかないぞ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ただ雑言を受け入れるだけでは、
 何も始まらんと思った。▼
 ……そう考えられる日が来るとは、
 おれも想像していなかったがな。▼
 共に戦い、共に悩み、
 共に多くの死線をくぐり抜けてきた。▼
 少しは、力を示せたのだろう。
 近頃は……ああして、頼りにしてくれる。▼
 
- [シェズ]
- 良いことじゃないか。
 お前は、そいつの信頼を勝ち取ったんだ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- おれの話だというのに、嬉しそうだな。
 ……おかしな奴だ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 仲間が喜んでるんだ。
 嬉しくないわけがないだろ?▼
 
- [ドゥドゥー]
- そういう……ものだろうか。▼
 
- [シェズ]
- 嬉しいって言うと、少し違うな。
 張り合いが出てきたと思っただけだ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ふ……そうか。張り合い、か。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- こうやって地道に、信じてくれる人を
 増やしていくしかないんだろうな……。▼
 俺もお前も、言ってしまえばきっと
 ディミトリだって、それは同じなんだろ。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……そうだな。▼
 
- [シェズ]
- 俺も今まで以上に成果を上げて、いつか
 お前に信頼してるって言わせてみせるぞ。▼
 
- [シェズ]
- 次の戦場は期待してろよ、ドゥドゥー。▼
 
- [ドゥドゥー]
- ……ふ。▼
 
- [シェズ]
- 何だよ。何か変なこと言ったか?▼
 
- [ドゥドゥー]
- いや。お前の活躍には期待しているが……▼
 お前がどんな出自の、どんな者であろうと、
 おれはお前を、信じたいと思っている。▼
 
 《ザラスの闇クリア前》
- [シェズ]
- いいのか? 突然俺が裏切って、
 ディミトリに剣を向けるかもしれないぞ。▼
 得体の知れない力も持ってる。
 そんな奴を信頼できると?▼
 
 《共通》
- [ドゥドゥー]
- その力は、確かに警戒すべきものだろう。
 だが……お前自身は、別だ。▼
 そう容易く、おれや陛下を
 裏切るような人間ではないと、思う。▼
 だが万一、陛下に害を為した時には……
 おれは、迷わずにお前を斬る。▼
 お前ならば、理解してくれるだろう。
 おれが……そういう人間であると。▼
 
- [シェズ]
- それが、お前の「信頼」の形ってわけか。
 いいだろう、光栄だ。▼
 
フェリクス†
支援C†
- [シェズ]
- なあ、フェリクス、ずっと思ってたが……
 ……いや、言わないほうがいいか。▼
 
- [フェリクス]
- はあ? 煮え切らん態度だな。
 何か言いたいのならさっさと言え。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- ……いや、やっぱりやめとく。
 聞かなかったことにしてくれ。▼
 
- [フェリクス]
- 後ろめたい事情でもあるのか?
 ないなら早く言え。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- いや……お前って何だかんだ言いながら、
 ディミトリたちが好きだよなと思って。▼
 
- [フェリクス]
- ………………!▼
 
- [シェズ]
- お、おい……大丈夫か?
 何もむせることないだろ。▼
 
- [フェリクス]
- はあ……貴様があまりにも、
 馬鹿げたことを言い出すからだ。▼
 
- [シェズ]
- 言わせたのはお前じゃないか。
 だが、事実だろ? やっぱり。▼
 
- [フェリクス]
- チッ、何を根拠にそう言い切る。▼
 
- [シェズ]
- あいつらと一緒に戦ってる時は、普段の
 何倍も動きが良くなってるからな。▼
 
- [フェリクス]
- ……フン。無駄に付き合いが長いから、
 相手がどう動くかわかるというだけの話だ。▼
 例えば、猪はすぐ敵陣に突っ込みたがる。
 最初から俺が援護に回ったほうがいい。▼
 確かに突破力で奴に勝る者はいないが、
 自分の傷を顧みないから危なっかしい。▼
 連携も何も、奴が好きに暴れられるよう、
 場を整えてやっているに過ぎん。▼
 
 《イングリットが生存》
- [シェズ]
- へえ……逆に、イングリットと組んだ時は
 いつもよりどんどん斬り込んでいくよな。▼
 
- [フェリクス]
- 天馬は弓兵に射落とされかねんからな。
 先に斬り込んで脅威を排除したほうがいい。▼
 まあ奴の腕ならば、矢の一本や二本程度なら
 避けられるのかもしれんが……▼
 奴は熱くなれば視野が狭くなる。突出して
 矢の雨を降らされれば、ひとたまりもない。▼
 
 《シルヴァンが生存》
- [シェズ]
- だったらいつも、お前と一緒に戦ってる
 シルヴァンが、敵に群がられてるのも……▼
 
- [フェリクス]
- ……あれは毎回、奴がくだらん見栄を張って
 「ここは俺に任せろ」などと言うからだ。▼
 まあ、奴ならばどんな窮地だろうと
 切り抜けるだろうとは思っているがな。▼
 
- [シェズ]
- はは、意図した連携じゃないのかよ。だが、
 信頼がないとできない芸当には違いない。▼
 
 《共通》
- [フェリクス]
- ……フン。この程度、当然のことだ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- お前たちの連携はいつも見事だ。
 俺も見習っていかないとな。▼
 俺が、もっと皆の性格を熟知すれば、
 上手く連携できるようになるか?▼
 
- [フェリクス]
- 知らん。勝手に試してみればいい。▼
 
- [シェズ]
- 羨ましいな。昔馴染みっていうのは、
 皆そういうもんなのか?▼
 
- [フェリクス]
- 知るか、俺に聞くな。この程度、
 少し相手を観察していればわかる。▼
 
 《共通》
- [フェリクス]
- 俺をそこまで執拗に観察しているお前なら、
 他の連中を観察するのも容易いだろうよ。▼
 話はもう終わりだな。まったく、
 お前と話していると無駄に疲れる……。▼
 
支援B†
- [フェリクス]
- おい、どうした。
 いつもよりも踏み込みが浅いな。▼
 
- [シェズ]
- お前には、そんな違いもお見通しか。
 いや、いろいろ思うところがあってな……。▼
 考え事をしてたらお前の剣が迫ってて、
 つい中途半端な一撃になっちまった。▼
 
- [フェリクス]
- 訓練中に余計なことを考えるな。
 剣が鈍れば、相手をするこちらも迷惑だ。▼
 お前は度々、本当に何の兆しもなく、
 集中を途切れさせる時がある。▼
 味方相手の訓練中だからいいが、
 戦場でやろうものなら命取りだぞ。▼
 
- [シェズ]
- …………。▼
 
- [フェリクス]
- おい、前にも言ったはずだ。
 何か言いたいのならさっさと言えと。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- いや、フェリクスは俺のことも
 よく観察してくれてると思ってな。▼
 
- [フェリクス]
- この程度ならば、剣を交わせばわかる。▼
 それに……少しくらい意趣返しを
 されただけで、つべこべ抜かすな。▼
 
- [シェズ]
- はは、文句を言ってるわけじゃないさ。▼
 
- [シェズ]
- いや。この間と違って言いたいことが
 あったわけじゃないんだ。本当に。▼
 
 《共通》
- [フェリクス]
- フン……まあいい。▼
 しかし、一つわからんことがある。
 お前の……その剣だ。誰に学んだ?▼
 騎士の剣術でないのは間違いないが、
 傭兵の剣術にしても珍しい型だ。▼
 
- [シェズ]
- 特に誰か師匠がいるわけじゃない。
 まあ……独学と言ってもいいと思う。▼
 もちろん、あちこちの傭兵団で
 剣の得意な奴に教えてもらいはしたが。▼
 
- [フェリクス]
- ……なるほど、腑に落ちた。
 道理で読みにくい動きなわけだ。▼
 剣術には、定石というものがある。
 それは騎士の剣でも、傭兵の剣でも同じだ。▼
 だが、貴様の動きはそれに縛られていない。
 そのおかしな剣のせいかもしれんがな。▼
 
- [シェズ]
- 確かに、剣を抜く必要がないからな。
 必然的に普通の剣術とは違う動きになる。▼
 そう考えると、下手に誰かに師事するより
 独学で剣を学んできてよかったのかもな。▼
 
- [フェリクス]
- 我流の剣術、か。興味深い……。
 シェズ、それを教えろ。▼
 
- [シェズ]
- だが、俺の剣は俺にしか使えないし、
 同じ動きができるとは限らないぞ。▼
 
- [フェリクス]
- そこは俺が考えるからいい。「独学で」な。
 戦い方は、いくつ覚えても困らん。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- わかった。
 自信はないが、俺なりに精一杯教えるさ。▼
 代わりに、俺にも教えてくれ。
 戦い方は幾つ覚えても困らないだろ?▼
 
- [シェズ]
- やめたほうがいいぞ。他人に
 教えられるような立派な剣じゃない。▼
 
- [フェリクス]
- チッ、だったらお前はそのまま
 俺の稽古の相手になっていればいい。▼
 教える気がないのなら、
 勝手に技を盗ませてもらうまでだ。▼
 
- [シェズ]
- まあ、勝手に盗む分にはいいが……
 俺だってお前の技を盗んでやるからな。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- お前の剣は騎士の剣に見える。
 なのに騎士らしくない。良い意味でな。▼
 上手く言葉で表現できないんだが、
 状況に応じて柔軟に動けてるというか……▼
 俺たちの剣が組み合わされば、
 きっと、もっと強くなれると思うんだ。▼
 
- [フェリクス]
- ……そうかもしれんな。▼
 
支援A†
- (暗転)
- [シェズ]
- ……行ったぞ、フェリクス!
 逃がすな!▼
 
- [フェリクス]
- ああ、当たり前だ……!
 そちらは任せたぞ!▼
 
- (画面が明るくなる。)
- [シェズ]
- ……お疲れさん。やっぱり、
 お前と一緒だと安心して戦えるな。▼
 
- [フェリクス]
- こちらの台詞だ。その剣を理解したら、
 お前の動きもだいぶ読めるようになった。▼
 
- [シェズ]
- 嬉しい言葉だな。
 俺を理解してくれたか?▼
 
- [フェリクス]
- フン、お前の「剣は」な。▼
 
- [シェズ]
- またまた……。俺はお前の考えも
 掴めるようになってきたぞ。▼
 お前は「自分の役割」を定めて、
 それを果たすことに徹してるんだな。▼
 戦況や連携相手が変われば、役割も変わる。
 役割が変われば、剣にも盾にもなれる……。▼
 まさしく変幻自在の剣だ。▼
 
- [フェリクス]
- そう褒められるようなものでもない。
 ただそうあれと教えられてきただけだ。▼
 
- [シェズ]
- そうあれ、か。
 誰に教わったんだ?▼
 
 《ロドリグが生存》
- [フェリクス]
- ……父だ。あの男は槍や魔法を使うが、
 剣の腕も立たないわけではないからな。▼
 
- [シェズ]
- なるほど、ロドリグさんか。▼
 得物こそ違うが、あの人も周りに合わせて
 上手く戦い方を変えてくれるからな。▼
 
 《ロドリグが死亡》
- [フェリクス]
- ……父だ。奴は檜や魔法を使っていたが
 剣の腕も立たないわけではなかったからな。▼
 
- [シェズ]
- なるほど、ロドリグさんか。▼
 得物こそ違ったが、あの人も周りに合わせて
 上手く戦い方を変えてくれたからな。▼
 
 《共通》
- [フェリクス]
- 奴だけがそういう戦いをするわけではない。
 フラルダリウス家の当主は皆、ああだ。▼
 フラルダリウスは、ルーグの盟友であった
 キーフォンの時代から王の槍であり、盾……▼
 時には王の敵を討つ槍として敵に斬り込み、
 時には王を守護する盾として守りに徹する。▼
 ……くだらん教えではあるが、
 そうして仕込まれた剣も役には立つ。▼
 
- [シェズ]
- なるほど。そういう教えによって、
 お前はその剣を身につけたわけか。▼
 ディミトリにとっても俺たちにとっても、
 この上なく心強い剣で、盾なんだな。▼
 
- [フェリクス]
- ハッ。俺が剣で盾だというなら、
 お前は飛び道具だな。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 褒めるならもう少しわかりやすく言えよ。
 敵の意表を突くような存在ってことか?▼
 
- [フェリクス]
- ああ。そう受け取ってくれて構わん。
 少なくともお前はこの軍で無二の存在だ。▼
 
- [シェズ]
- 待て。それは褒めてるのか?
 飛び道具って、どういう意味だ。▼
 
- [フェリクス]
- 褒めている。お前の存在は、敵にとって
 想定の埒外から現れる暗器のようなものだ。▼
 
 《共通》
- [フェリクス]
- その奇妙な剣術といい、
 姿を変えるよくわからん術といい……▼
 お前の力を危険視する者はいるが、敵に
 とっても脅威になる代物だと思っている。▼
 
- [シェズ]
- そうか。そこまで言われちまうと、
 少しくすぐったいな……。▼
 
- [フェリクス]
- だが、お前の欠点はやはり、
 集中が途切れがちなところだな。▼
 まるで戦いの最中、誰かに話しかけられて
 いるかのような……おい。何を笑っている。▼
 
- [シェズ]
- え? ああ、すまない。
 これも愛情の裏返しかと思うと嬉しくてな。▼
 歯に衣着せず言ってくれる仲間ってのは
 いいもんだ。ありがとう、フェリクス。▼
 
- [フェリクス]
- ……チッ、勝手に言っていろ。
 もう助言などしてやらんぞ。▼
 
- [シェズ]
- 今の 怒ってないよな?
 わかりづらい奴め……。▼
 
アッシュ†
支援C†
- [シェズ]
- ………………。▼
 
- [アッシュ]
- ……あれ、シェズ。
 何してるの?▼
 
- [シェズ]
- アッシュ? いや、ちょっと本をな……。
 お前はこの指南書、読んだことあるか?▼
 
- [アッシュ]
- あ、その本か。あるよ。何年か前に、
 レスターで流行った戦術の指南書だよね。▼
 大修道院にいた頃に読んだけど、難しい
 言い回しが多くて、読むのは大変だったな。▼
 
- [シェズ]
- 確かに小難しい本だが、
 参考になる部分もあると思ってな。▼
 
- [アッシュ]
- ……君、コーデリア領の山奥の村で
 生まれ育ったって話だったよね?▼
 
- [シェズ]
- うん? ああ、そうだが……。▼
 
- [アッシュ]
- 士官学校時代から気になっていたんだけど
 よく、こんなに難解な文章を読めるよね。▼
 貴族や、裕福な家の出だったら
 読めるのも当然なのかも知れないけど……▼
 いったい誰に教わったんだろうと思って。
 ……あっ、気を悪くしたらごめんね。▼
 
- [シェズ]
- いや、気にしなくていい。俺に読み書きを
 教えてくれたのは、育ての母だ。▼
 今思えば、あんな山奥で暮らしているのが
 不思議なくらい、博識な人だったぞ。▼
 
- [アッシュ]
- へえ……もしかしたら、
 何か事情があったのかもしれないね。▼
 
- [シェズ]
- 母さんは昔の話をしたがらなかったからな。
 過去については、全然知らないんだ。▼
 
- [アッシュ]
- だけど、すごく教養がある人だったって
 いうのは、君を見ていればわかるよ。▼
 読み書きだけじゃなく、計算や
 地図の見方だって知っていたでしょ?▼
 お城で育った貴族や騎士の人たちと、
 そう変わらないんじゃないかと思うよ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- そこまで言われると、少し照れちまう。▼
 それだけ気合いを入れて育ててくれた
 母さんに感謝だな。▼
 
- [アッシュ]
- うん。君のお母さんは、間違いなく
 凄い人だったんだと思うよ。▼
 
- [シェズ]
- うーん、そういうもんなのか?
 たいしたことじゃないと思うんだが。▼
 
- [アッシュ]
- たいしたことだよ。少なくとも平民で、
 ここまで読み書きが達者な人は少ない。▼
 そもそも、難しい書物なんて読めなくても
 ただ暮らしていく分には支障がないからね。▼
 
《共通》
- [アッシュ]
- 僕もロナート様に出会うまでは、
 本なんて読んだこともなかった。▼
 
- [シェズ]
- ……確かに、傭兵団で読み書きができたのは
 団長と俺と、あと数人だったかもしれない。▼
 母さんは、いったいどこで
 そんな知識を身につけたんだろう。▼
 といっても、母さんが死んだ今、
 過去を知る方法なんてないからな。▼
 
- [アッシュ]
- シェズ……。▼
 
支援B†
- [アッシュ]
- シェズ。
 どうしたの? 考え事?▼
 
- [シェズ]
- ああ、少しな。
 前に俺の母さんの話をしただろ?▼
 考えれば考えるほど、
 不思議な人のような気がしちまって。▼
 
- [アッシュ]
- ……どういうこと?▼
 
- [シェズ]
- どういうことも何も、
 言葉どおりだ。▼
 何か事情があったんだろう、くらいに
 俺は今までは考えてたんだが……▼
 物凄く珍しいことなんだろ?
 読み書きの達者っぷりも、教養の豊かさも。▼
 魔法をいろいろ使えたのだってな。▼
 
- [アッシュ]
- 過去の話をしない人だったにしても、
 何か手掛かりになりそうな話はないの?▼
 例えば、古い知り合いがいたとか……
 何か特徴的な物を持っていたとか。▼
 
- [シェズ]
- さあな。
 母さんが死んだのはかなり前だ。▼
 そういった心当たりはないし……
 遺品と呼べるようなものも持ってない。▼
 
- [アッシュ]
- ………………。▼
 ……だったらさ、調べてみようよ。
 僕も手伝うからさ。▼
 
- [シェズ]
- 調べるって、母さんについてか?
 いきなりだな……。▼
 
- [アッシュ]
- 僕の両親は、僕や弟たちが小さい頃に
 二人とも流行り病で亡くなったんだ。▼
 家族での思い出や、作ってくれた料理の
 ことは、今でも思い出せるんだけど……▼
 両親について知っているのは、それだけだ。
 調べてみても、ほとんどわからなかった。▼
 それが僕にとってはすごく寂しくて。
 君を見ていると、自分と重なっちゃってさ。▼
 
- [シェズ]
- ……そうか。▼
 
- [アッシュ]
- あはは、要するに僕の自己満足ってこと。
 嫌だったら、断ってくれていいよ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 折角だし、頼むか。
 俺も母さんについては知りたい。▼
 
- [シェズ]
- 母さんについて知りたいのは山々だが、
 お前をわざわざ巻き込むのもな。▼
 
- [アッシュ]
- 遠慮しているだけなら、気にしないでよ。
 僕も、君についてもっと知りたいしね。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- でも、どうやって調べるつもりだ?▼
 
- [アッシュ]
- とりあえずは、君のお母さんを
 知る人に尋ねてみるとか……かな。▼
 
- [シェズ]
- 村の人との交流もほとんどなかったんだ。
 誰も知らないと思うがな。▼
 
- [アッシュ]
- 山奥とはいえ村で暮らしていて、誰とも
 関わらない人なんて普通いないよ。▼
 村人の中には、事情を知る人もいたと思う。
 例えば、村長とか……。▼
 
- [シェズ]
- 村長……いるかもしれないが、
 もう死んでる可能性も結構あるだろ。▼
 
- [アッシュ]
- それを確かめるためにも、まず村に
 手紙でも書いてみたらいいかもね。▼
 もし誰も文字を読めなかったら……その時は
 自分の足で向かうしかなさそうだけど。▼
 
- [シェズ]
- ……やってみる価値はあるか。▼
 遠くまで人を遺るってのも申し訳ないが、
 ひとまずそれで試してみよう。▼
 
- [アッシュ]
- よし。それじゃあ、そうと決まれば
 早速、手紙の用意をしようか!▼
 
支援A†
- [アッシュ]
- あれからしばらく経ったけど、
 手紙……戻ってこないね。▼
 
- [シェズ]
- そうだな。
 手紙を持ってってくれた兵士の話じゃ……▼
 村長は読み書きができたんだろ?
 ってことは、読んではいるはずだ。▼
 
- [アッシュ]
- それなのに返事がないっていうのは、
 どうしてなんだろう。▼
 
- [シェズ]
- さあね。関わり合いになりたくないのか、
 母さんや俺のことを忘れちまったのか。▼
 あるいは……誰にも言わないと、母さんと
 約束してたのかもしれない。▼
 今ふと思っただけで、
 何の根拠もない話だがな。▼
 
- [アッシュ]
- シェズ……▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 正直、残念だ。返事は貰えないと
 わかったのが、収穫と捉えるべきか……。▼
 これ以上は調べようもなさそうだし、
 もう仕方ないと割り切るしかないな。▼
 
- [シェズ]
- 正直、俺は落ち込んでない。返事が
 貰えないとわかったのも、一つの収穫だ。▼
 
- [アッシュ]
- そういうものかなあ。君は、本当にそれでいいの?▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 母さんの過去は気になってはいたが、
 わからないならわからないでいいさ。▼
 お前だって同じように、自分の両親に
 ついては割り切ってるんだろ?▼
 
- [アッシュ]
- それは、そうだけど……。▼
 
- [シェズ]
- どんな過去があったって、
 母さんは母さんだし、俺は俺だ。▼
 俺は、あの人に育てられた。
 その事実以外は、どうだっていいだろ?▼
 
- [アッシュ]
- ……そうだね。どんな過去があろうと
 君のお母さんは、君のお母さんだ。▼
 
- [シェズ]
- ああ、わかってくれたか?▼
 それに、過去がわからないっていうのも
 それはそれで想像のし甲斐があるぞ。▼
 
- [アッシュ]
- 想像……例えば、実は君のお母さんは
 大貴族の生まれだった、みたいな?▼
 
- [シェズ]
- 悪くないが、発想が平凡じゃないか? 世に
 名を轟かせた凄腕の流浪騎士だったとか……▼
 あるいは、フォドラの外から来た、
 冒険者だった、なんてのはどうだ?▼
 
- [アッシュ]
- あはは、もし本当にそうだったら凄いね。
 お母さんが博識だったのも頷けるかも。▼
 でも……今回は、僕が空回ってばかりで
 何の役にも立てなかったよね。ごめん。▼
 
- [シェズ]
- そんなことはないさ。▼
 お前が言い出したから、俺は改めて
 母さんと向き合おうと思ったんだ。▼
 たとえ何も掴めなかったとしても、
 今回の一件は無駄じゃなかったぞ。▼
 
- [アッシュ]
- ……うん。
- [シェズ]
- それじゃ、俺は行くぞ。
 用を思い出したんでな。▼
 
- (シェズが去る)
- (王国兵が現われる)
- [王国兵(男性)]
- シェズさん? ……あれ、
 さっきまでいらっしゃいましたよね。▼
 
- [アッシュ]
- あっ、はい。ちょっと用事があったようで。
 用件があるなら、僕が聞きますよ。▼
 
- [王国兵(男性)]
- それでは、これを……▼
 
シルヴァン†
支援C†
- [シルヴァン]
- おっと、ちょうどいい時に来たな。
 シェズ、頼みがあるんだが……。▼
 お前、戦いの時にもう一本剣を使うだろ?
 ちょっとばかりその剣を見せてほしいんだ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 構わないが……正直、意外だ。
 お前が、あの剣に興味があったなんてな。▼
 
- [シェズ]
- あまり他人に見せびらかすような
 代物じゃないと思ってるんだが。▼
 
- [シルヴァン]
- 悪いが、そこを何とか頼むよ。
 どうしても気になることがあってさ。▼
 
- [シェズ]
- 仕方ないな。……だが正直、意外だ。
 お前が、あの剣に興味があったとは。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- ディミトリやフェリクスのような、武器に
 目がない奴らならまだわかるんだが。▼
 
- [シルヴァン]
- 俺も一応ゴーティエ家の嫡子だ。子供の
 頃から、武具の類いには慣れ親しんでる。▼
 
- [シェズ]
- しかしお前は、よく訓練も手を抜いて……
 まあいい。ほら、これでいいか?▼
 
- [シルヴァン]
- 助かる。こうして見ると不思議な剣だな。
 材質は何だ? 鉄や鋼……じゃあないよな。▼
 
- [シェズ]
- 悪いが、わからん。
 俺に聞かれても困るぞ。▼
 
- [シルヴァン]
- だったら、その現れたり消えたりするのは
 どういう理屈なんだ? 何かの魔法か?▼
 
- [シェズ]
- 魔法じゃないだろ。何というか……
 俺が求めると、それに応えてくれるんだ。▼
 
- [シルヴァン]
- 要領を得ないな。だったらもう一つ質問だ。
 その剣……俺たちにも使えるのか?▼
 
- [シェズ]
- たぶん無理だな。
 俺が手放したら、消えちまうさ。▼
 なあ、シルヴァン。何でまた、
 そんなに俺の剣について知りたがるんだ?▼
 
- [シルヴァン]
- 何でも何も、この手の強力な武器は
 世の中にいくつあっても困らないだろ?▼
 "英雄の遺産"は一振りで数百、使い手に
 よっては数千の兵にも匹敵する代物だが……▼
 使い手が死んじまえばそこで終わりだし、
 何より、紋章を持ってなきゃ使えない。▼
 その剣のように便利な代物を、
 みんなが使えたら、と思ったんだが……。▼
 
- [シェズ]
- 難しいだろうな。何しろ俺自身、
 この剣の正体はわかってないんだ。▼
 
- [シルヴァン]
- だよなあ……。似たようなものを作ると
 言ったって、そう簡単にはいかなそうだ。▼
 
- [シェズ]
- 似たようなものを作る、ね……。お前も
 お前なりにいろいろ考えてるんだな。▼
 
- [シルヴァン]
- これでも王国貴族の後継ぎなんだぜ、俺は。
 それなりのことは考えるさ、何しろ……▼
 みんなが遺産に頼らず戦えるようになれば、
 俺たち貴族の責任も、多少は減るはずだ。▼
 そうしたら俺も士官学校の頃みたいに
 毎日気楽に遊んでいられるだろ? ははは!▼
 
 《イングリットが生存》
- [シェズ]
- いや、流石にそれはやめたほうが。
 今の言葉、イングリットに伝えとくな。▼
 
 《イングリットが死亡》
- [シェズ]
- いや、流石にそれはやめたほうが。
 今の言葉、ディミトリたちに伝えとくな。▼
 
 《共通》
- [シルヴァン]
- げっ、勘弁してくれ。人の心がないのか!
 ……ほら! もう少し剣を見せてくれよ!▼
 
支援B†
- [シェズ]
- 珍しいな、お前が部屋に籠もりっ放しとはて。
 魔道の本を読み漁ってるって聞いたが。▼
 
- [シルヴァン]
- 俺にも本を読みたくなる時くらいあるさ。
 ……実は、ちょっと悪巧みを思いついてね。▼
 
- [シェズ]
- 悪巧み? ……その図面は?▼
 
- [シルヴァン]
- おっと、よくぞ聞いてくれたな!
 こいつは新しい魔道砲台の設計図だ。▼
 
- [シェズ]
- へえ、魔道砲台か……にしては、
 だいぶ小さいように見えるが。▼
 
- [シルヴァン]
- おう。小型化も一つの課題だからな。
 騎士が手軽に持ち運べる大きさが理想的だ。▼
 
- [シェズ]
- 騎士が持ち運ぶのか? 魔道砲台を?
 持ち運べたところで、使いこなせないだろ。▼
 
- [シルヴァン]
- そうだな。お前の言うとおり、魔道砲台は
 特別な知識と技能がないと使えないが……▼
 そいつを上手く改良して、誰でも
 使えるようにするってのが一番の課題だな。▼
 ほら、こいつを騎士や剣士が使いこなせれば
 いろいろと悪いことができそうじゃないか?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- なるほど。良い考えだな、シルヴァン。
 何か、面白い戦術を編み出せそうだ。▼
 
- [シルヴァン]
- そうだろ、そうだろ? お前なら
 絶対にわかってくれると思ってたぜ。▼
 
- [シェズ]
- それ、 役に立つのか? 騎士や剣士は、
 得物で戦ったほうが手っ取り早いと思うが。▼
 
- [シルヴァン]
- ……俺たちの身近にいるのがそういう連中
 ばかりだから、そう思っちまうだけだって。▼
 
 《共通》
- [シルヴァン]
- とはいえ、まだまだ完成は遠そうだがな。
 日の目を見られるのはいつになるやら。▼
 
- [シェズ]
- ははは、その頃には、戦争なんて
 終わちまってるかもしれないぞ。▼
 
- [シルヴァン]
- 戦場以外でも役に立つさ。身を守る術のない
 人が、自分の身を守れるようになるとかな。▼
 
- [シェズ]
- へえ。そういえば、前にも俺の剣に
 興味を持ってたよな。▼
 ゴーティエにスレンっていう積年の敵が
 いるからか? そういうこと考えるのって。▼
 
- [シルヴァン]
- まあ……そんなところさ。連中には、
 辛酸を舐めさせられっぱなしだしな。▼
 父上の前妻……兄上の母親も、
 スレンの襲撃で亡くなったと聞いている。▼
 ここ100年くらいは、遺産のおかげで
 領土の境界が揺らぐことはなかったが……▼
 連中は懲りずに襲ってくるからなあ。
 あの執念にはむしろ敬服しちまうくらいだ。▼
 
- [シェズ]
- ゴーティエ辺境伯も、スレンの襲撃には
 慣れっこって感じだもんな。▼
 
- [シルヴァン]
- ……父上も、きっと
 慣れたくて慣れたわけじゃないさ。▼
 俺も家督を継いだら、手は尽くすつもりだが
 やっぱり牽制のための兵力は必要になる。▼
 例えば、国王軍……常備軍を新設して、
 王権の元に強力な軍を作る手もあるが……▼
 先王陛下はその方向に舵を切ろうとして、
 反発する諸侯から恨みを買った。▼
 
- [シェズ]
- 王様が強くなれば、相対的に諸侯の力が
 弱まっちまうもんな。受け入れ難いか。▼
 
- [シルヴァン]
- 国が乱れるのは、俺も勘弁願いたい。
 穏便に、堅実に、改革を進めたいわけだ。▼
 そのためにこそ今、遺産にも諸侯にも頼らず
 戦力を底上げする方法が欲しいんだよ。▼
 
- [シェズ]
- 変わったな、シルヴァン。すっかり、
 ゴーティエ家の御曹司らしくなった。▼
 昔は女の子に鼻の下を伸ばしてばっかり
 だったのに……。▼
 
- [シルヴァン]
- 下手すりゃ自分の家が滅びかねないんだぜ?
 どんな怠け者だって、少しは頭を使うさ。▼
 王国は寒くてつまらない土地ではあるが、
 俺にとっては、唯一無二の故郷なんだしな。▼
 
- [シェズ]
- ……故郷、か。▼
 
支援A†
- [シェズ]
- ふう……今日の鍛錬はいま一つだった。
 もっと鍛錬しないと駄目だな……。▼
 
- [シルヴァン]
- お前は本当に直向きだよな。
 見てると申し訳なくなってくるよ。▼
 
- [シェズ]
- 何でお前が申し訳なくなるんだ。
 俺が未熟だって話だろ。▼
 見てろよ、シルヴァン。次の戦いじゃ、
 今回の倍は活躍してやる。▼
 
- [シルヴァン]
- そういう話をしてるわけじゃない。
 巻き込んじまった、と思ってさ。▼
 俺たちにとってこの戦争は、
 自分の家が滅ぶか否かの戦いだ。▼
 負ければ家も家族も、生まれ育ってきた
 故郷さえも、何もかもを失うことになる。▼
 けど、お前は俺たちとは違うだろ?
 お前は、好きな場所で生きられる人間だ。▼
 
- [シェズ]
- そうだな。
 確かに俺は根無し草だ。▼
 
- [シルヴァン]
- お前には、「故郷」と呼べるような場所はないのか?▼
 
- [シェズ]
- 一応あるにはあるが……▼
 あの山奥の村を、故郷と呼んでいいのかは
 正直なところ俺にもよくわからない。▼
 
- [シルヴァン]
- ………………。
- [シェズ]
- きっと、俺は一生理解できないんだ。
 お前たちの、故郷に懸ける想いはさ。▼
 
- [シルヴァン]
- ならお前は、陛下から貰う金のためだけに
 これだけ真摯に働いてくれてるってことか?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 金を貰ったら、その分働くのは当然だろ。
 まあ仲間を守りたいって気持ちも当然あるが。▼
 
- [シルヴァン]
- あっはは、お前らしい割り切り方だな。
 まあそういうのも嫌いじゃないが……。▼
 
- [シェズ]
- 俺が真面目に働くのは、今度こそ仲間を
 守りたいからだ。もちろん金も大事だが。▼
 
- [シルヴァン]
- ……ふ。なるほどな。なかなか
 気障なこと言ってくれるじゃないか。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 今の俺にとっちゃ、仲間がいるこの国こそが
 故郷みたいなもんなんだろ。▼
 
- [シルヴァン]
- はは。こんな暮らしにくい国を、
 故郷みたいなものだなんて、よく言うぜ。▼
 寒いし、貧しいし、何より娯楽が少ない!
 おまけにスレンなんて敵まで抱えてる。▼
 
- [シェズ]
- それはまあ、否めないが……それでも、
 お前らにとっては大事な故郷なんだろ?▼
 
- [シルヴァン]
- ああ……そうだな。それは間違いない。▼
 そんなつまらない故郷を住みよい土地に
 変えるのも、俺たちの仕事なんだろうさ。▼
 
- [シェズ]
- 戦争が終わった後はともかく、
 今は、俺も全力でお前たちを手伝おう。▼
 
- [シルヴァン]
- ……あ、そうだ。それで思い出したんだが、
 少し前に図面を見せた魔道砲台の件……▼
 後で実験に付き合ってくれないか?
 さっき試したら、だいぶ悲しい威力でなあ!▼
 
- [シェズ]
- ああ、いいぞ。
 ……やっぱり、完成はだいぶ遠そうだな?▼
 
- [シルヴァン]
- おいおい、一応いろいろ試してるんだぜ。
 魔道学院に声かけたりもしたし。▼
 
- [シェズ]
- はは、そう慌てなくても、
 そのうち成功するだろ。▼
 俺は知ってるんだ。お前がやる気を出した
 時は、必ず結果がついてくるってな。▼
 
メルセデス†
支援C†
- [王国兵(女性)]
- メルセデスちゃん、ごめんね!
 この後、彼の手当ても手伝ってくれる?▼
 
- [王国兵(男性)]
- メルセデス殿、こちらの荷は
 どちらに置いておきましょうか!▼
 
- [メルセデス]
- は、は~い!
 ちょっと待ってくださいね~!▼
 
- [シェズ]
- メルセデス、大忙しだな。
 何か手伝える仕事はあるか?▼
 
- [メルセデス]
- あらあら……すごくありがたい
 申し出だけれど、流石に悪いわよ~。▼
 
- [シェズ]
- いや、戦いの後は無事な奴が
 やれる仕事をやらないと。▼
 怪我人の手当はともかく、
 物資の整理や荷運びくらいはできるぞ。▼
 
- [メルセデス]
- だけど、あなただって戦場から
 戻ってきたばかりで、疲れているでしょう?▼
 
 《選択》
- 疲れていないと否定する
- それはメルセデスもだと反論する
- [シェズ]
- そこまで疲れてなさ。俺たちの部隊は
 最前線で戦っていたわけじゃないし……▼
 他の奴らと違って、戦後の事務処理に
 追われてもいないんだ。▼
 
- [メルセデス]
- う~ん……だったら少しだけ、
 手伝ってもらっちゃおうかしら。▼
 
- [シェズ]
- それはお前もだろ? お前だって、
 俺たちと一緒に戦ってたじゃないか。▼
 
- [メルセデス]
- う~ん、それはそうだけれど……。
 本当に手伝ってもらっちゃっていいの?▼
 
- [シェズ]
- ああ、もちろんだ。
 俺は何をすればいい?▼
 
 《共通》
- [メルセデス]
- それじゃあ、訓練所のほうに置いてある
 物資を取ってきてもらえるかしら。▼
 包帯やお薬が入っているから、
 中を確かめてもらえばすぐにわかるわ。▼
 
- [シェズ]
- 了解だ。急いで取ってこよう。▼
 
- [メルセデス]
- ……あら? シェズ、
 ちょっと待ってちょうだい。▼
 
- [シェズ]
- うん? どうした?▼
 
- [メルセデス]
- 右の手を出して……▼
 
- [シェズ]
- あ、ああ……。▼
 
- (暗転)
- [メルセデス]
- もう、やっぱり怪我をしていたのね~。
 これくらいだったら、私の魔法で……▼
 
- [シェズ]
- おお、傷が……。
 流石だな、メルセデス。▼
 
- (画面が明るくなる。)
- [メルセデス]
- こういうのを黙っているのは良くないわ。
 あなたって、結構自分に無頓着なのね~。▼
 
- [シェズ]
- 無頓着? いや、それを言うなら
 お前こそ……まあいいか。▼
 とにかく、これで何の気兼ねもなく
 荷物を運んでこられる。ありがとな。▼
 
- [メルセデス]
- ふふ、悪いけれど、よろしくね~。
 あんまり急がなくても大丈夫よ~。▼
 
支援B†
- [メルセデス]
- ……ふう。これで、物資の整理も
 一段落ってところかしら~。▼
 
- [シェズ]
- ああ、そろそろ休憩するか。
 結構な重労働だったしな。▼
 一緒にご飯でも食べに行かないか?
 たまには街に出るのも悪くないだろ?▼
 
- [メルセデス]
- う~ん、だけどお腹はそこまで
 空いてないのよね。……あ、そうだわ!▼
 良かったら、お茶会にしない?
 お菓子をご馳走するわよ~。▼
 
- [シェズ]
- お茶会? まあ、それでもいいが。
 どういう風の吹き回しだ?▼
 
- [メルセデス]
- 実はね、この間手当てをした兵士さんが
 お礼に……ってお砂糖をくれたのよ~。▼
 だから、それを使ってお菓子を焼いたの。
 あなたにも食べてもらいたくって。▼
 
- [シェズ]
- そういうことか。ま、飯代わりに
 菓子も、たまには悪くはないかもな。▼
 
- [メルセデス]
- 決まりね。じゃあ、私はお菓子とお茶を
 用意してくるわ~。待っててちょうだい。▼
 
- (暗転)
- (画面が明るくなる。天幕の中)
- [シェズ]
- ……あら、これも美味いな! 初めて
 食べるけど、なかなかいけるぞ。▼
 
- [メルセデス]
- ふふっ、褒めてもらえて嬉しいわ~。
 そのお菓子はね、私の自信作なの。▼
 
- [シェズ]
- へえ、何となく懐かしい味がするよ。昔、
 母さんが作ってくれたお菓子を思い出す。▼
 
- [メルセデス]
- まあ、あなたのお母様が?▼
 
- [シェズ]
- そうだ。俺は山奥の村で育ったんだが……▼
 母さんが山に生ってる木の実を採ってきて、
 菓子を作ってくれたことがあるんだ。▼
 
- [メルセデス]
- あら! 木の実を使ったお菓子、
 とっても美味しいわよね。私も大好きよ。▼
 生地に練り込んで焼くのもよし、
 蜂蜜に漬けて食べるのもよし、だわ~。▼
 
- [シェズ]
- まあ、母さんの菓子はお前のほど
 凝った代物じゃなかったさ。▼
 そう何度も食べたわけじゃないが……
 不思議と味は覚えてる。美味かったな。▼
 
- [メルセデス]
- こうして、その時の味を
 今でも覚えているなんて、素敵だわ。▼
 お母様との暮らしは、あなたにとって
 大事な思い出なのね~。▼
 
- [シェズ]
- ああ、もう随分薄れちまったがな。▼
 
- [メルセデス]
- ……ねえ、シェズ。
 昔に戻りたいって思うことは、ある?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 戻れるものなら戻ってみたいさ。
 今の俺なら母さんとも、もっと話ができる。▼
 だが、昔は昔だ。母さんも死んだ。
 違うか?▼
 
- [シェズ]
- いや、それはないな。
 だいたい昔に戻る方法なんてないだろ?▼
 
 《共通》
- [メルセデス]
- そう……よね。▼
 
- [シェズ]
- どうしたんだ?急に浮かない顔して。▼
 
- [メルセデス]
- えっ? あ……ごめんなさい。
 私ったら、ちょっと上の空だったわ。▼
 
- [メルセデス]
- それよりこっちのお菓子も食べて~。
 お茶に合うように、甘めに作ったのよ。▼
 
- [シェズ]
- あ、ああ……。
 それじゃ、ありがたく。▼
 
支援A†
- (見習いたちを見ているメルセデス)
- [騎士見習い(女性)]
- 今日の訓練、疲れたなあ……。
 もう足がクタクタだよ。▼
 
- [騎士見習い(男性)]
- しゃんとしろよ。いつ僕たちが戦いに
 駆り出されるかもわからないんだぞ。▼
 
- [騎士見習い(女性)]
- そ、そうだったね。
 ちゃんと気を引き締めないと……。▼
 
- [メルセデス]
- ………………。▼
 
- (シェズが現れる)
- [シェズ]
- どうした? また上の空だったのか?
 近頃、様子がおかしいぞ、メルセデス。▼
 
- [メルセデス]
- あら、そうかしら~……?
 元気がないってわけじゃないわよ。▼
 
- [シェズ]
- そうか? 前に菓子を振る舞ってもらった時も
 だが、何となく……寂しそうというか。▼
 
- [メルセデス]
- ………………。……ふふっ。
 やっぱり、あなたにはわかっちゃうのね~。▼
 お友達と一緒にお菓子を食べたり……
 見習いの子たちの頑張る姿を見たり……▼
 ふとした瞬間に、この戦争が
 始まる前を思い出してしまうのよね。▼
 
- [シェズ]
- 始まる前って……士官学校の思い出か?▼
 
- [メルセデス]
- そうね。それから、弟とお母様と
 家族三人で暮らしていた頃のこと……▼
 王都の魔道学院で、お友達と机を並べて
 一緒にお勉強していた頃のことなんかも。▼
 あの頃もいろいろと大変だったけれど、
 戻れるのなら、戻りたいと思ってしまうの。▼
 
- [シェズ]
- そこまで感傷的なお前は、珍しいな。▼
 
- [メルセデス]
- ええ。私自身も、ちょっと意外だわ~。
 ずっと、流されるまま生きてきて……▼
 私は、何一つ自分の思いどおりになった
 試しなんてない、って思ってた。▼
 けれど……思い返してみれば、あの日々が
 どれだけ幸せだったか、思い知らされるの。▼
 こうやって昔を懐かしんでばかりでは、
 いけないとわかっているのだけれど……。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- そうだな。昔には戻れない。
 なら、今に一生懸命なほうがずっといい。▼
 確かに戦争なんてもんが起こっちゃいるが、
 それでもこの日々が幸せなものだったと……▼
 未来の自分に誇れるような時間を、
 積み重ねてけばいいじゃないか。▼
 
- [メルセデス]
- ……ありがとう、シェズ。
 あなたはとっても、強い人ね~。▼
 
- [シェズ]
- そんなことはないだろ。感傷に浸るな、
 なんて決まりがあるわけでもない。▼
 思い出の一つや二つ、懐かしんだって
 誰も怒らないさ。▼
 
- [メルセデス]
- ……ありがとう、シェズ。
 あなたはとっても、優しい人ね~。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- とりあえず、そんな気持ちを独りで
 抱えるのをやめたらいいんじゃないか?▼
 平和だった頃に戻りたい、ってのは
 簡単には叶わない夢だろうが……▼
 一緒に飯を食って、お前の弱音を
 聞くくらいなら俺にもできる。▼
 
- [メルセデス]
- 本当? とっても嬉しいわ。
 じゃあ……早速、お茶会をしましょうか。▼
 
- [シェズ]
- あ、ああ、構わないが……またか?▼
 
- [メルセデス]
- ええ! この間、お給金を貰ったから
 またお菓子の材料を買ってきたのよ~。▼
 前にあなたとお菓子の話をしたでしょう?
 私も、木の実のお菓子を作りたくなって。▼
 
- [シェズ]
- はは……なるほど、そいつはいい。
 どんなお菓子が出てくるか、楽しみだな。▼
 
アネット†
支援C†
- [シェズ]
- ふう……今日も良い天気だな。
 絶好の鍛錬日和……▼
 
- [アネット]
- い……いたーっ!
 探したんだからね、シェズ!▼
 
- [シェズ]
- おう、アネット。
 朝っぱらから元気だな……どうした?▼
 
- [アネット]
- もうっ、どうしたもこうしたもないって!
 大変なことになっちゃってるんだよ!▼
 
- [シェズ]
- 大変なこと……?
 俺に関係がある話か?▼
 
- [アネット]
- シェズ、あたしの歌、
 傭兵の人たちの前で歌ったでしょ!▼
 
- [シェズ]
- お前の歌……?▼
 ……ああ、もしかしてあれか。
 人面の馬がどうのこうのってやつ。▼
 
- [アネット]
- 違う! いや、違わないんだけど!
 人面の馬なんかじゃないもん!▼
- [シェズ]
- そうか? 体の8割が馬、とか、
 そんな歌詞だっただろ。▼
 気になって口ずさんでたら、傭兵の奴らに
 聞かれて……教えてやった気もするな。▼
 
- [アネット]
- 宿営地を歩いていたら、どこからか
 あの歌が聞こえてきて驚いちゃったよ。▼
 あの歌は、あなたにしか
 聞かれてなかったはずなのに……。▼
 
- [シェズ]
- 悪いな、教えちゃまずかったか?
 面白い歌詞だと思ったんだが。▼
 
- [アネット]
- ……そう言ってもらえるのは嬉しいけど、
 あの歌詞はまだ完成してなかったの。▼
 あたし、自分で納得のいってる歌なら
 人前で歌っても恥ずかしくないんだけど……▼
 未完成の歌とか、納得のいってない歌を
 聞かれるのは恥ずかしいんだよ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 確かに、中途半端なものを
 見られたくはないよな。▼
 俺も、練習中の剣技は誰にも見せたくない。
 実際にはそうもいかないが。▼
 
- [アネット]
- ……そういうこと。だけど、
 もう広まっちゃったものは仕方ないし……▼
 
- [シェズ]
- そういうもんか?
 何事にも途中の段階はあるだろ。▼
 むしろ他人が歌ってるのを聴いて、
 客観的に見直す機会にできるんじゃ。▼
 
- [アネット]
- それでもあたしは嫌なんだよ……はあ。
 けど、広まっちゃったものは仕方ないし……▼
 
 《共通》
- [アネット]
- おとなしく、みんなが忘れてくれるのを
 待つしかないかー……。▼
 
- [シェズ]
- 何か……悪かったな。今からでも
 忘れるように、皆に言い聞かせてやろうか。▼
 
- [アネット]
- だ、駄目だよ! そんなことしたら
 余計に不審がられるじゃない!▼
 
- [シェズ]
- だったら、あの歌をちゃんと完成させて、
 改めて広めるとか、どうだ?▼
 お前は納得いってないのかもしれないが、
 広まるってことは良い歌なんだろ。▼
 
- [アネット]
- ……確かに、あなたの言うとおりかも。
 歌詞を完成させちゃえばいいんだよね。▼
 
- [シェズ]
- そうそう。
 俺は、今のままでも十分好きだがな。▼
 
支援B†
- (会話する二人の傭兵)
- [傭兵(女性)]
- ねえ、あの曲の歌詞……何だったかしら?
 鷲獅子が天を駆ける、みたいな感じの……▼
 
- [傭兵(男性)]
- 鷲獅子? 何となく曲の見当はつくが、
 うーん……俺が知ってるのとは少し違うな。▼
 何か、人面の馬が並んで、緑の草原を
 駆けていく……みたいな歌詞だったぞ。▼
 
- [傭兵(女性)]
- あら? 確かに言われてみれば
 そんな歌詞だったような気もするわね……。▼
 何だか不思議な歌詞だけれど、
 いったい誰が作った歌なのかしら。▼
 
- (傭兵たちを見ているアネットとシェズ)
- [アネット]
- ……はあ。▼
 
- [シェズ]
- ……なかなか上手くいかないもんだな。▼
 
- [アネット]
- そうだね……。▼
 ちゃんと歌詞を作り直したはいいけど、
 新しいほうは全然広まらないんだもの……。▼
 
- [シェズ]
- 近頃じゃ、人面の馬は何かの暗喩だ、
 なんて考え出す連中もいるしな。▼
 人面の馬は知恵と野生の融合を表し、両方を
 備えた勇士の戦勝を祈念している、とか……▼
 あるいは、あの馬は女神の遣いか何かで、
 罪深き者を裁くために降り立った、とか。▼
 
- [アネット]
- 何でこんなことに……そんな難解な意味を
 込めて歌ってたわけじゃないのになあ。▼
 あたしはただ、騎士の人たちが
 草原を駆ける姿を歌にしたくって……▼
 そこに、ドゥドゥーから教わった
 ダスカーの言い伝えを絡めただけなんだよ。▼
 
- [シェズ]
- それがどうして人面馬の歌になったのか、
 俺にはさっぱりわからないがな。▼
 
- [アネット]
- だからあれは人面馬じゃなくて、
 言い伝えの中に出てくる戦士なんだってば。▼
 
- [シェズ]
- わかった、わかった。だが、皆すっかり
 古いほうの歌を気に入ってるんだし……▼
 これでいいんじゃないか?▼
 歌なんて、他人に聴かせたその時から、
 お前の手を離れて広がってくものだ。▼
 
- [アネット]
- ……適当なこと言って誤魔化そうと
 してるでしょ、シェズ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- それは……否定できないな。すまない。
 でも、どうしようもないのは事実だろ。▼
 また新しい歌詞を作って皆に聴かせても、
 都合よく広まるかはわからない。▼
 
- [アネット]
- そうかもしれないけど……。▼
 
- [シェズ]
- 誤魔化してるつもりはないぞ。
 俺は本気でそう思ってる。▼
 同じような葛藤を、今までの偉大な
 芸術家たちだって抱いてきたはずだ。▼
 
- [アネット]
- 他の人がどうって問題じゃないんだよ……。
 もうどうしようもないんだろうけど……。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- なあ、アネット。歌っていいもんだよな。
 いざって時に歌うと、力が湧いてくる。▼
 もしかするとお前の歌も、戦場のどこかで
 戦ってる奴の支えになってるかもしれない。▼
 
- [アネット]
- そうかなあ……。▼
 
- [傭兵(女性)]
- そういえば人面の馬って、何なのかしら。
 もしかしてそういう魔物か何か?▼
 
- [傭兵(男性)]
- そんな魔物の話は聞いたことがないな……。
 ……地底から這い出した怪物とか。▼
 
- [傭兵(女性)]
- ちょっと、怖いことを言うのは
 やめてもらえる? 折角楽しい歌なのに。▼
 
- [アネット]
- はあ……。▼
 
支援A†
- [シェズ]
- アネット、こんな遅くまで何かの研究か?▼
 
- [アネット]
- ううん、研究じゃないの。
 ちょっと、これを書いてたんだよね。▼
 
- (楽譜)
- [シェズ]
- 何だ、この黒い小虫が飛び回ってるような
 絵……。▼
 
- [アネット]
- 絵じゃなくて楽譜だよ!
 虫はないでしょ、虫は。▼
 
- [シェズ]
- 悪い、悪い。……これが楽譜か。
 もしかして、また新しい歌を……?▼
 
- [アネット]
- そうだよ。良い曲が思い浮かんだから、
 忘れないうちに書き留めておきたくて!▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 良かったら、聴かせてくれないか?
 どんな曲なのか気になるぞ。▼
 
- [アネット]
- 駄目です。まだ歌詞が固まってないもの。
 方向性は何となく決まってるんだけどね。▼
 
- [シェズ]
- どんな曲なんだ? 楽譜は読めないから、
 まったく見当がつかなくてな。▼
 
- [アネット]
- 楽しい感じにしようとは思ってるよ。
 まだ歌詞のほうは固まってないけど。▼
 
 《共通》
- [アネット]
- みんなの心の支えになるような……
 歌うだけで元気が出るような歌にしたいの。▼
 
- [シェズ]
- 心の支えになる、か。
 完成が楽しみだな。▼
 
- [アネット]
- ……ねえ、シェズ。
 あの騎士の歌のこと、覚えてる?▼
 
- [シェズ]
- 騎士? ああ、あの人面馬……ごほん。
 騎士の歌だな。もちろん覚えてるぞ。▼
 
- [アネット]
- あたしね、またあの歌を聞いたの。▼
 
- [シェズ]
- アネット……もう諦めろって?
 元凶の俺が言えた話じゃないが……。▼
 
- [アネット]
- 違うの。諦めるとかじゃなくって……
 傭兵の人がね。死に際に歌ってたんだ。▼
 全身傷だらけで、息も絶え絶えなのに、
 その歌を口ずさんで、楽しそうに笑ってた。▼
 すごく苦しいはずのに、どうして
 そんな顔ができるんだろうと思って。▼
 
- [シェズ]
- きっと、仲間と楽しく飲んで歌ってた時の
 ことでも思い出してたんだろ。▼
 戦いが終わった後の宴はいつもそうだ。
 傭兵も騎士も入り交じり、歌って騒いで。▼
 
- [アネット]
- そう……かもね。その人を弔いながら、
 ずっと考えてたの。▼
 あの歌詞が広まったのは不本意だったし、
 正直なところまだ納得いってないけど……▼
 あの人が最期に寂しい思いをせずに
 済んだなら、それでよかったのかもって。▼
 
- [シェズ]
- 言っただろ? アネットの歌は、
 誰かの支えになってるかもしれないって。▼
 きっとその傭兵の他にも、お前の歌に
 救われた奴はたくさんいるはずだ。▼
 かく言う俺も、つらい時はお前の面白い
 歌を思い出して、元気を取り戻してるからな。▼
 
- [アネット]
- それ、要するに歌詞……
 ……まあ、いっか。素直に喜んでおくよ。▼
 よしっ。だったらこれからも、
 いろんな歌を作らないとだね!▼
 
- [シェズ]
- その意気よ、アネット。……それで、その
 曲の歌詞はどんなものになる予定なんだ?▼
 
- [アネット]
- 今のところ、仲間や友達と一緒に
 お料理を囲む歌にしようと思ってるんだ。▼
 美味しそうなお料理が次々出てきて、
 それをみんなで楽しく食べるの。▼
 
- [シェズ]
- 聴いてるだけで腹が減ってくるような、
 楽しい歌になりそうだな。▼
 
- [アネット]
- そうでしょ?その後は、おかわりを
 作るために、食材を狩りに行くんだけど……▼
 
- [シェズ]
- ……ん?▼
 
- [アネット]
- びっくりするほど大きな熊と出会って、
 仲間と一緒に死闘を繰り広げるの。▼
 
- [シェズ]
- 熊との死闘……?
 楽しい飯はどこへ……?▼
 
- [シェズ]
- ……まあ完成を待つか。
 出来上がったら、一番に聴かせてくれよ?▼
 
- [アネット]
- うん、約束するよ!▼
 
イングリット†
支援C†
- [シェズ]
- ……なるほど? ならイヴァン家は、
 ブレーダッド家の分家にあたるわけか。▼
 
- [イングリット]
- ええ。とは言っても、どの貴族も血統を
 辿れば大方親戚同士ではあるのですが。▼
 公爵はカロンの紋章を有しておられますし、
 先々代はフラルダリウスの小紋章を……▼
 そしてそのまた先代が、王家に連なり、
 ブレーダッドの紋章を持つ方だったとか。▼
 
- [シェズ]
- 何でもいいから紋章があれば、
 家を継げるってことか?▼
 
- [イングリット]
- まあ、そうですね。昔は種類にも
 こだわっていたのでしょうが……。▼
 今や血は薄まり、他家との混血も進んだ。
 種類に拘泥している余裕もないのです。▼
 ただ、紋章は家に伝わる"英雄の遺産"を
 扱うために重要視されるものですから……▼
 保有する遺産に合った紋章を持つ者のほうが
 家督の継承順位は上になりますね。▼
 
- [シェズ]
- なるほど? お前もガラテア家の嫡子だが、
 持ってる紋章は別の家のもんだよな……?▼
 
- [イングリット]
- ファーガスのガラテア家は、レスターの
 ダフネル家から分かれる形で生まれました。▼
 ですので他家と比べて特殊というか……。
 そもそも、紋章持ちが家を継がない例も……▼
 
- [シェズ]
- ややこしすぎるな、まったく!
 何で貴族の慣習ってのはいつも難しいんだ。▼
 
- [イングリット]
- 難しくても、きちんと覚えなくては。
 あなたは陛下の側に控える将なのですから。▼
 教養を身に着けないと、あなたの部下は
 見くびられ、陛下の評判にも傷がつきます。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- すまん、そうだった。だからこそお前に
 「教えてくれ」って頼んだんだったな。▼
 
- [シェズ]
- 仕方ないだろ。
 俺はしがない傭兵なんだから。▼
 
- [イングリット]
- 今のあなたは責任ある立場だろう?
 その言い訳は通用しませんよ。まったく。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- ……ええと、それで何の話だっけ。
 イングリットの紋章の話だったか?▼
 嫡子で紋章も持ってるんだし、
 お前はゆくゆく家を継ぐんだよな。▼
 でも、騎士に憧れてたって話はどうなった?
 当主をしながら騎士になるってことか?▼
 
- [イングリット]
- それはできませんよ。確かに、騎士として
 王を守るのは、幼い頃からの夢でしたが。▼
 
- [シェズ]
- お前の兄弟は紋章を持ってないんだっけ。
 誰かに継いでもらえないのか?▼
 
- [イングリット]
- 上の兄は、いざとなったら自分が家督を
 継いでもいいと言ってくれてはいます。▼
 結局は、本人の意志と家の裁量ですからね。
 紋章を持つ子が家を継ぐのが普通ですが……▼
 例外も皆無ではありません。……とはいえ、
 遺産を手に人々を守るのが王国貴族の本懐。▼
 それに、父だけでなくガラテア領の人々も、
 当然、私が家を継ぐのを期待しています。▼
 
- [シェズ]
- 俺は王国の生まれじゃないから、正直よく
 わからんが……そういうものなのか。▼
 領主って立場からでも、王を守るために
 できることはあると思うけどな。▼
 
- [イングリット]
- ……どういうことでしょうか?▼
 
- [シェズ]
- いや、ある傭兵のことを思い出してな。
 今度教えてやるよ。▼
 
支援B†
- [シェズ]
- イングリット、良いところにいたな。
 “トビアス傭兵団”って知ってるか?▼
 
- [イングリット]
- 何です、藪から棒に。
 トビアス…………どこかで聞いたような気もしますが。▼
 
- [シェズ]
- あれ、知らないか。ベルラン団長の
 話も、あんまり信用ならないもんだな。▼
 俺が昔いた傭兵団の団長が、まだガキの頃に
 身を置いていた一団らしいんだが……▼
 そこの団長は、とある領主に忠誠を尽くし、
 領主からも重臣として扱われたというんだ。▼
 
- [イングリット]
- 珍しいですね。傭兵と雇用種とは、普通
 金銭で結ばれた関係に留まるものですが。▼
 
- [シェズ]
- どうやらそいつらは戦いだけじゃなく、
 城下の発展にも尽力したらしくてな。▼
 例えば、剣や弓を置いて鍬を持ち、
 荒れた貧しい土地を必死で開墾したとか……▼
 財政難で苦しむ貴族のためにと、
 街で店を開いて商売を始めたとか。▼
 
- [イングリット]
- 最早、傭兵の域を超えているような……。
 それとも、傭兵としては普通なのですか?▼
 
- [シェズ]
- まさか。戦いが生業の傭兵に
 そんな仕事を頼んでくる奴はいない。▼
 仕事を頼んだその領主も、受けた傭兵も
 どちらも型破りだったってことだ。▼
 
- [イングリット]
- 流石にそうですよね。開墾や商売をする
 傭兵団なんて、前代未聞だと思います。▼
 
- [シェズ]
- 結局、その団長は領主と固い絆で結ばれ、
 “片腕”とまで呼ばれるようになった。▼
 ようは「傭兵」とか「領主」とか、
 肩書きに縛られる必要はないってことだ。▼
 傭兵だって、雇い主のためにと
 武器を置いて農民まがいの仕事をした。▼
 領主がどんな仕事をしたって、
 俺はそこまでおかしいとは思わないな。▼
 
- [イングリット]
- ……ふふ、なるほど。そうして、
 先日の話に繋がるというわけですね。▼
 ありがとうございます、シェズ。
 自分なりに、考えてみようと思います。▼
 
《選択》
- [シェズ]
- ああ。答えを探すのは大変だろうが、
 俺でよければ相談にも乗ろう。▼
 
- [シェズ]
- ああ。お前がどんな答えを出すか、
 期待して待ってるさ。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 何はともあれ、団長の昔話なんかが
 イングリットの役に立ったなら良かった。▼
 俺もトビアス傭兵団の話を聞いた時は、
 そんな話があるのかと思ったもんだ。▼
 
- [イングリット]
- え、本当に……。トビアス、トビアス……
 やはりどこかで聞いたような……。▼
 ……そうだ! その領主というのは、
 もしや祖母のことではありませんか?▼
 
- [シェズ]
- お前のお祖母さん? というとたぶん、
 先代のガラテア伯……だよな?▼
 
- [イングリット]
- はい。よく覚えてはいませんが、
 祖母の友人がそんな名前だったような。▼
 あのご老人が傭兵団長だったなんて、
 にわかには信じがたい話ですが。▼
 
- [シェズ]
- もしそうだったなら、やっぱり
 よっぽど重用されてたんだろ。▼
 こんな形で話が繋がるとは、
 不思議な縁を感じるな。▼
 
- [イングリット]
- ふふ……そうですね。▼
 
支援A†
- [シェズ]
- イングリット、
 街中をふらついてるなんて珍しいな。▼
 
- [イングリット]
- ……! ……い、いえ、少し視察を。
 あなたこそ、買い物か何かですか?▼
 
- [シェズ]
- ああ、さっきドゥドゥーに
 食材の買い出しを頼まれたんだ。▼
 
- [イングリット]
- そ、そうでしたか。食材を買うなら、
 川の向こうの通りが良いと思いますよ。▼
 
- [シェズ]
- ……何だよ、慌てて。
 隠れて何かやってたのか?▼
 
- [イングリット]
- い、いえ! 本当に何も!
 こ、この街なら何でも揃いそうですよね。▼
 
- [シェズ]
- ああえ。この辺は、王国の中でも
 栄えてるほうだよな。▼
 
- [イングリット]
- はい。あまり豊かな土地でないのは、
 ガラテア領とも変わりないのですが……▼
 美しく整備された街並みといい、人々の
 活気といい、まるで別の国に来たようです。▼
 鍛冶屋が軒を連ねる通りは壮観でしたよ。
 それに、露店からは美味しそうな香りが……▼
 ……ではなくて。
 本当に、活気に溢れた良い街だと感じます。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- そうだよな、俺も同感だ。
 街の活気の割に治安も良いようだしな。▼
 
- [イングリット]
- ふふ、私もガラテアの次期当主として、
 参考にすべきことがたくさんありそうです。▼
 
- [シェズ]
- 露店に行ってみるか? 食べ歩きを
 したところで、誰も何も言わないって。▼
 肉の串焼きもあったし、今の季節だと
 果物や魚なんかも美味いんじゃないか?▼
 
- [イングリット]
- まあ、本当ですか!
 それは是非とも食べてみたいもの……▼
 あ……いえ。これでも一応、
 ガラテア家の次期当主ですので……。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- ガラテア家の次期当主、ね。
 前にした話、答えは見つかったのか?▼
 
- [イングリット]
- いえ、まだ。私が今日ここへ来たのも、
 その答えを探すためです。▼
 ……騎士として、陛下を側でお守りするのが
 私の夢……私の大事な人の、職務でした。▼
 彼と同じ騎士になれなくとも、
 彼のように陛下を守ることはできるはず。▼
 例えば、家を挙げて農業を学び……
 兵士たちと、王領の耕作に出向くとか。▼
 
- [シェズ]
- おお、それは面白そうだ。
 領主自ら、他家の領地を耕しに行くのか。▼
 確かに、そうして王領が豊かになったら、
 王家に不満を持つ人たちも減るだろうし……▼
 結果的には、王を守ることに
 繋がってくのかもしれないな。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 何にせよ、お前が自分で選んだ道なら、
 俺は友として全力で応援するだけさ。▼
 
- [イングリット]
- では折角ですし、私が家督を継いだ暁には
 あなたにも手伝ってもらいましょうか。▼
 私の祖母が、傭兵団の者たちに
 さまざまな仕事を頼んでいたように。▼
 
- [シェズ]
- 何でそうなるんだ。領主様に代わって、
 毎日美味しい串焼きを買えってか?▼
 
- [イングリット]
- も、もうっ、何を言っているんですか!▼
 
- [シェズ]
- 冗談だって。でも、応援したい気持ちは
 本物だ。頑張ってくれよ、イングリット。▼
 
- [シェズ]
- それなら、もしイングリットが
 ガラテア伯爵の位を継いだ暁には……▼
 俺も雇ってもらおうかな。
 前に話した、トビアス傭兵団みたいに。▼
 
- [イングリット]
- あら、その時には私の片腕として、
 いろいろと働いてもらいますよ?▼
 私の祖母が、傭兵団の者たちに
 さまざまな仕事を頼んでいたように。▼
 
- [シェズ]
- 任せとけって。何なら領主様に代わって、
 毎日美味しい串焼きを買ってきてやるぞ。▼
 
- [イングリット]
- も、もうっ、何を言っているんですか!▼
 ……けれど、ありがとうございます。
 ふふ。その言葉、覚えておいてくださいね。▼
 
ロドリグ†
支援C†
- [ロドリグ]
- これはこれは、シェズ殿。
 王国での生活には、もう慣れましたかな。▼
 
- [シェズ]
- それなりには。元々、傭兵の仕事で
 ファーガスに来たこともあったし。▼
 でも、王都ほど北のほうで生活したのは
 初めてだから、戸惑うことは多かったな。▼
 外は毎日吹雪いてるし、部屋は寒いし、
 雪が積もれば外にも出られないし……▼
 一晩寝てる間に積もった雪で、部屋の扉が
 開かなくなった時には死ぬかと思ったぞ。▼
 
- [ロドリグ]
- 言葉にすれば笑い話のようですが、真冬の
 ファーガスは危険と隣り合わせですからな。▼
 シェズ殿、どうですか。
 冬や雪が嫌いになりましたかね。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 好きか嫌いかと言われれば、好きだぞ。確かに
 雪は厄介者に違いないんだろうが……▼
 雪の積もった街並みは本当に綺麗だった。
 他の国では見られない眺めだよな。▼
 
- [ロドリグ]
- はは、私も子供の頃はそう思ったものです。
 年を食うと億劫な気持ちが勝っていけない。▼
 
- [シェズ]
- 嫌いだな。
 あんなに雪が降ったら、皆大変だろ。▼
 昔は綺麗だと思うこともあったが、
 あれは物珍しさのせいだったみたいだな。▼
 
- [ロドリグ]
- 私も正直、雪は好きではありません。
 冬の寒さは多くの命を奪っていきますしね。▼
 
 《共通》
- [ロドリグ]
- ですが、そんな雪深い土地でも
 我々にとっては無二の故郷ですから……▼
 最大限の工夫をし、折り合いをつけて、
 楽しみながら生きていくべきなのでしょう。▼
 
- [シェズ]
- 工夫……冬場は伝令が馬じゃなく天馬に
 乗ってるのなんかも、その一つなんだよな。▼
 
- [ロドリグ]
- ええ。冬の空を駆ける天馬の姿は、
 ファーガス特有のものだと思いますよ。▼
 天馬はいくら雪が積もっていても、
 足を取られずに飛べますからね。▼
 うちの倅は小さい頃、あの天馬を追いかけ、
 あろうことか陛下を連れて冬の山に入り……▼
 危うく遭難しかけたのです。
 ……あの時は心臓が止まるかと思いました。▼
 
- [シェズ]
- あのフェリクスも、子供の頃は
 そんな無邪気な奴だったんだな。▼
 
- [ロドリグ]
- くく、危なっかしさは昔のままですよ。
 今でこそあんなひねくれた性格ですがね。▼
 若いうちから公爵位なんぞに就いて、
 あれこれと気苦労が絶えないことでしょう。▼
 
- [シェズ]
- けどまあ、そこまで心配しなくても、
 あいつもあいつなりに頑張っていくだろ。▼
 
- [ロドリグ]
- そうですね。いやあ……私のほうが
 子離れできていないだけかもしれません。▼
 ……今冬のファーガスは寒さだけでなく、
 戦禍にも見舞われることになります。▼
 冬の間、北部での調練は困難を極めますし
 スレンへの対処を怠るわけにもいきません。▼
 領地の経営も厳しくなるはず。あれが、
 上手く乗り切ってくれればよいのですがね。▼
 
- [シェズ]
- 次の冬……か。その頃には、
 この戦争も終わっているといいな……。▼
 
支援B†
- [シェズ]
- なあ ロドリグさん。
 聞いてくれ?▼
 
- [ロドリグ]
- どうしたのです、シェズ殿。
 そんな真剣な顔をして……。▼
 
- [シェズ]
- 結局、今年の冬は戦いに
 明け暮れることになっちまった。▼
 だが、もしも戦いが次の冬までに
 一段落して、北に帰れてたら……▼
 
- [ロドリグ]
- ……帰れていたら?▼
 
- [シェズ]
- 雪玉をぶつけ合って、遊んでみたい。▼
 ディミトリから聞いたが、ファーガスの
 子供たちは、冬の間そうやって遊ぶんだろ。▼
 実を言うと、まだやったことがないんだ。
 折角王国にいるんだからやってみたくてな。▼
 
- [ロドリグ]
- ……ははは! なるほど、良いですね!
 あれはなかなか奥の深い遊びですよ。▼
 いくつかの陣営に分かれて戦えば、
 戦術の重要性が増し、面白くなるんです。▼
 
- [シェズ]
- 戦術……雪玉をぶつけ合うだけなのに、
 相当本気でやってたんだな……。▼
 
- [ロドリグ]
- 私がまだ幼い頃、私と先王陛下、辺境伯の
 3人で、 腕を競ったことがありました。▼
 同じ年頃の従士たちをそれぞれに
 引き連れて冬の山に入り、戦ったのですよ。▼
 
- [シェズ]
- へえ……楽しそうだな。
 戦いの行方はどうなったんだ?▼
 
- [ロドリグ]
- まず、最初に餌食になったのは私でした。
 静かに敵の出方を窺っていたのですが……▼
 先王陛下は、従士たちを適当に戦わせ、
 一人で敵将……私に奇襲をかけてきました。▼
 結局誰もあいつを仕留めることはできず、
 当たり前のように敗北を喫しましたね。▼
 
- [シェズ]
- 流石はディミトリの父さんというか、
 一人で斬り込みたがるのは同じなんだな……。▼
 
- [ロドリグ]
- はは、あそこまで行くと、もう悔しいとか
 そういう気持ちも湧いてこないものです。▼
 問題は辺境伯……マティアスのほうです。
 彼は昔から非常に性格の悪い男でして……▼
 森の中の至るところに伏兵を仕掛け、
 先王陛下を待ち構えていました。▼
 
 《シルヴァンが生存》
- [シェズ]
- 雪遊びで伏兵? ……シルヴァンが
 悪知恵の働く奴なのも頷けるな。▼
 
 《シルヴァンが死亡》
- [シェズ]
- それで、どうなったんだ?▼
 
 《共通》
- [ロドリグ]
- マティアスの性格は皆知っていましたから、
 先王陛下も伏兵を避けて進んだそうです。▼
 そしてとうとう、 大将同士が
 相見えたはいいものの……。▼
 私たちよりだいぶ年長のグンナル……
 今のガラテア伯が、やってきたのです……!▼
 私たち3人は彼に首根っこを掴まれ、
 雪山は危ないと連れ戻されましてねえ。▼
 
 《イングリットが生存》
- [シェズ]
- ははは。流石はイングリットの父さんだ。
 結局、決着はつかなかったってことだな。▼
 
 《イングリットが死亡》
- [シェズ]
- それは3人ともがっくりきただろうな。
 はは、しっかりオチまでついちまって。▼
 
 《共通》
- [ロドリグ]
- もう何十年も昔の話ですが、
 今でも忘れがたい思い出ですよ。▼
 今冬、もし雪山へ遊びに行くのなら、
 その時は是非、私にも見学させてください。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- ええ、その時には絶対に声をかけるさ。
 まあ戦争が終わってるのが一番なんだが。▼
 
- [ロドリグ]
- ははは、戦争が終わっていたならいたで、
 その時は羽を伸ばして遊び倒すべきですよ。▼
 
- [シェズ]
- アンタは参加しなくていいのか?
 ディミトリや辺境伯に話を通しておけば……▼
 まったく同じ相手とはいかないが、
 昔の雪辱を果たせるかもしれないぞ。▼
 
- [ロドリグ]
- む……なるほど、確かにそれはそうですね。
 では、その時には是非参加させてください。▼
 
 《共通》
- [ロドリグ]
- 冬を迎えるのは気が重かったのですが
 少しばかり、楽しみになってきましたよ。▼
 
支援A†
- [シェズ]
- ロドリグさん、本を探してるのか?▼
 
- [ロドリグ]
- ええ。『キッホル用兵総論』をね。
 ちょっと参考にしたいと思いまして。▼
 
- [シェズ]
- 『キッホル用兵総論』……確か士官学校に
 いた頃、チラッと読んだ気もするが。▼
 もしかして、次の作戦の準備か?▼
 
- [ロドリグ]
- ええ、まあ……少しね。▼
 
- [シェズ]
- 何だよ、ロドリグさん。アンタにしては
 珍しく、歯切れの悪い返事だな。▼
 
- [ロドリグ]
- シェズ殿、ジェラルト傭兵団と
 戦った時のことを覚えていますか?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- あんなに激しい戦いだったんだ。
 忘れられるわけないだろ?▼
 
- [ロドリグ]
- そうですね。あの戦いがあったからこそ、
 傭兵団の人々も加わってくれたわけですし。▼
 
- [シェズ]
- 正直、戦いの間は無我夢中だったから、
 詳しいことは覚えてないんだよな。▼
 
- [ロドリグ]
- 激しい戦いでしたし、無理からぬことです。
 あの戦場で生き延びただけでも立派ですよ。▼
 
 《共通》
- [ロドリグ]
- 何とか戦いの主導権を握れましたが、
 一つ間違えれば容易に大敗したでしょう。▼
 もしそうなれば、本陣を預かっていた私も
 命を落としていたかもしれません。▼
 
- [シェズ]
- ……確かに、危ない戦いではあった。
 常に綱渡りを強いられてた感じだ。▼
 
- [ロドリグ]
- 一応は兵を率いていた身ですから、
 ああも巧みな用兵を見ると悔しくてね。▼
 もっと大局を見て敵の動きを読まねばと、
 偉大な先達の知恵を借りていたのですよ。▼
 
- [シェズ]
- 真面目なんだな、ロドリグさんは。
 もう十分経験豊富なのに、向上心もあって。▼
 
- [ロドリグ]
- ただ負けず嫌いなだけですよ。
 私には辺境伯のような悪辣さはなく……▼
 先王陛下のように、たった一人で
 戦況を覆す出鱈目な武勇もない。▼
 だから一つでも多くの定石を学ぶのです。
 知恵者にも武辺者にも、勝てるようにね。▼
 
- [シェズ]
- 前にアンタは、自分とフェリクスは
 そこまで似てないって言っていたが……▼
 そうして自分を高める努力を怠らない
 ところは、フェリクスと瓜二つだ。▼
 
 《シルヴァンが生存》
- [シェズ]
- 子は親に似るってのは本当かもな。
 ディミトリもシルヴァンも、フェリクスも。▼
 
 《シルヴァンが死亡》
- [シェズ]
- 子は親に似るってのは本当かもな。
 ディミトリも、フェリクスも。▼
 
- [シェズ]
- そうして時間をかけて積み上げてきた
 努力が、アンタの強さの理由なんだろう。▼
 
- [ロドリグ]
- はは。ここは謙遜せず、素直に受け取って
 おきましょう。ありがとうございます。▼
 
- [シェズ]
- もしかして今のアンタなら、辺境伯や
 先王と戦っても、勝てるかもしれないぞ。▼
 
- [ロドリグ]
- いや、それはどうだか。昔の私にとって、
 彼らの背中は遠かったですからねえ……。▼
 そして辺境伯はともかく、少なくとも
 先王陛下の背中は永遠に遠いままです。▼
 
- [シェズ]
- ……死んじゃまった奴を追い越すことは、
 できないからな。▼
 
- [ロドリグ]
- けれど……だからこそ、学び続けるのです。
 永遠に届かない者の背中を目指して、ね。▼
 
- [シェズ]
- ……よし。だったら今度は俺が、
 アンタの背中を追わせてもらおうか。▼
 いつか必ず追いついてやるから、
 それまで死なないでくれよ、ロドリグさん。▼
 
- [ロドリグ]
- おっと、ならば簡単に追いつかれないよう
 私も努力を重ねねばなりませんね。▼
 
- [シェズ]
- ……さて、『キッホル用兵総論』だったな?
 ちょっと詳しそうな奴に聞いてくる。▼
 
- (シェズが去る)
- [ロドリグ]
- ……次の冬には、故郷に帰れるだろうか。▼
 
セテス†
支援C†
- [セテス]
- ……シェズ。
 君の活躍は耳にしている。▼
 
- [シェズ]
- そいつは、どうも。▼
 
- [セテス]
- まだ若いのに大したものだ。士官学校で
 学び続けられなかったことが惜しまれる。▼
 級友たちと共に切磋琢磨し、幅広い知識と
 経験を身につけることができていれば……▼
 君は、フォドラの未来を左右するほどの
 重要な人材に成長していたかもしれんな。▼
 
- [シェズ]
- ………………。▼
 
- [セテス]
- どうした、押し黙って。
 何か思うところでもあるのか?▼
 
- [シェズ]
- ……アンタたちは、正直なところ
 俺をどう思っているんだ?▼
 俺が不思議な力を持ってるのは、これまで
 一緒に戦ってきてわかってるだろ。▼
 アンタもレアさんも、俺が怪しい奴じゃ
 ないか、疑ってるんじゃないか?▼
 
- [セテス]
- ……そうだな、まだ君のことを
 心から信頼するには至っていない。▼
 君の力は、紋章の力とは性質を異にする。
 言い方は悪いが、得体の知れない力だ。▼
 君自身に危険な思想がなかったとしても、
 トマシュのような者に操られたとしたら?▼
 
- [シェズ]
- そんな仮定の話をされてもな。だが、急に
 誰かを傷つける可能性は否定できないさ。▼
 
 《フレンが生存》
- [セテス]
- そうだろう。そしてその対象が、大司教や、
 我が妹のフレンになるかもしれない。▼
 
 《フレンが死亡》
- [セテス]
- そうだろう。そしてその対象が、
 大司教になるかもしれない。▼
 
 《共通》
- [セテス]
- たとえ僅かでも、そういう可能性があれば、
 私は君を警戒しなくてはならない。▼
 帝国は、教団が人々を欺き、私腹を
 肥やしていたなどと喧伝しているが……▼
 大司教がフォドラの平穏を守るために、
 ずっと心を砕いてきたのは事実だ。▼
 このフォドラに住まう多くの民は、
 大司教を心の支えとして生きている。▼
 万に一つも、あの方を失うようなことが
 あってはならないのだ……。▼
 
- [シェズ]
- アンタの言うことがすべて真実だとして、
 俺に、どうしてほしいんだ?▼
 ここを出てけと言うなら無理だぞ。
 ディミトリや仲間に迷惑がかかっちまう。▼
 
- [セテス]
- 君は国王の信頼も厚いようだからな。
 もちろん、出ていけと言うつもりはない。▼
 ただ……大司教には、
 近づかないでもらいたい。▼
 
 《フレンが生存》
- [セテス]
- フレンとは同じ軍で活動している以上、
 難しいだろうが……なるべく距離を。▼
 
 《共通》
- [セテス]
- 君にとっては不愉快な話だと思うが……
 承知してもらえないだろうか?▼
 
 《選択》
- 承知する
- 保留する
 《フレンが生存時のみ選択可能》
- 大司教は可能だがフレンは無理と言う
- [シェズ]
- わかった。大司教には近づかないし、
 フレンについても気をつけるよ。▼
 
 《フレンが死亡》
- [シェズ]
- わかった、大司教には近づかないって。▼
 
- [セテス]
- すまない……。▼
 
- [シェズ]
- 話はわかったが、約束はできないぞ。
 なるべく気をつけるがな。▼
 
- [セテス]
- すまない……。▼
 
 《フレンが生存時のみ選択可能》
- [シェズ]
- 大司教については気をつけるが、フレンは
 無理だろ……。過保護すぎないか?▼
 
- [セテス]
- いや、そうは言ってもだな。
 フレンの兄としても、妹の身は守らねば……▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- まあいいさ。俺自身、俺の力の正体が
 何なのかわかってないんだ。▼
 この先、俺の身に何が起こるのかは、
 自分でも皆目見当がつかないからな。▼
 
- [セテス]
- ……いつか、君の力の正体が
 わかるといいな。▼
 
- [セテス]
- 私に協力できることがあれば、
 何なりと言ってくれ。▼
 
- [シェズ]
- ああ、ありがとな。▼
 
支援B†
(※支援会話なし)
支援A†
- [セテス]
- ………………。▼
 
- (シェズが歩いてくる)
- [シェズ]
- セテスさん、遠い目をしてどうしたんだ?▼
 
- [セテス]
- ん? ああ、君か……。ガルグ=マク
 大修道院のことを考えていたんだ。▼
 
- [シェズ]
- そうか、ちょうどこの方角だよな、
 大修道院があるのは。▼
 
- [セテス]
- ああ、距離はそう遠くないというのに、
 手の届かない場所になってしまった。▼
 
- [シェズ]
- よくは知らないが、あそこはセイロス教に
 とって大事な場所だったんだろうな。▼
 
- [セテス]
- 我々の活動の拠点であるばかりでなく、
 多くの聖人たちがあの場所で眠っている。▼
 ガルグ=マク大修道院は、
 かけがえのない聖地なのだよ。▼
 それに……私やフレンにとっても、
 大切な場所だった。▼
 
 《フレンが生存》
- [シェズ]
- アンタたち、兄妹にとっても?▼
 
 《フレンが死亡》
- [シェズ]
- フレンが生きてるうちに、
 奪還は叶わなかったってことか……。▼
 
- [セテス]
- ああ、そうだ。私にとって、
 ただ一人の家族だった。▼
 
 《共通》
- [セテス]
- 訳あって、フレンとは長らく二人で、
 フォドラ各地を転々として暮らしていた。▼
 その後、大司教から誘いを受けたことで、
 ようやく安住の地を得たはずだった。▼
 それが、いとも容易く奪われるとは……
 私たち兄妹にとって、痛恨の極みだよ。▼
 
 《フレンが生存》
- [シェズ]
- そうか。いつか取り戻せあるといいな。
 俺も力を尽くすぞ。▼
 
 《フレンが死亡》
- [セテス]
- それが、いとも容易く奪われ、そして……。▼
 
- [シェズ]
- だとしても、いつか取り戻せるといいな。
 俺も力を尽くすさ。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- あ……もちろん、大司教には、
 近づかないようにするが……。▼
 
- [セテス]
- ……申し訳ない。あの時は、私も立場上、
 ああ言うほかなかった。▼
 だが、個人的な見解で言うならば、
 君の心に邪なところはないと思っている。▼
 君の力の正体が何であれ、強く清廉な心で
 その力を御してくれると信じているよ。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- とうとう俺を信頼してくれるってことか?
 嬉しい話だな。▼
 
- [シェズ]
- へえ、前とは随分、態度が違うな。▼
 ようやく俺を信頼してくれるように
 なったってわけか?▼
 
 《共通》
- [セテス]
- ああ。君が味方でいてくれてよかったと
 心から思っている。▼
 君を疑っておいてこんなことを言うのも
 憚られるが……君の力が必要なのだ。▼
 これからも我々に力を貸してほしい。
 教団と、フォドラの未来のために。▼
 
- [シェズ]
- ああ、任せてくれよ。▼
 
フレン†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [フレン]
- あら、シェズさん。
 今日も素敵なお召し物ですのね。▼
 
- [シェズ]
- いや、いつもと変わらないし、むしろ
 薄汚れていて恥ずかしいくらいだぞ……。▼
 
- [フレン]
- ま、ご謙遜。その埃っぽいところが、
 野性的でとってもお似合いですわよ?▼
 
- [シェズ]
- 埃っぽい……。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 似合ってるなら、まあ喜んでおくか。
 少し汗臭くなってきたが……▼
 
- [シェズ]
- はは……部屋に戻って着替えるか。
 臭くなる前に、これは洗濯しないと……。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- ……あれ? 変わった匂いがするな。
 フレン、何かつけてるのか?▼
 
- [フレン]
- おわかりになって? 今、巷で流行りの
 香料を、お友達に頂いたんですのよ。▼
 
- [シェズ]
- へえ、こんな殺伐としたご時世に、
 香料なんてものが流行っているのか。▼
 
- [フレン]
- こんなご時世だからこそ、ですわ!
 心まで殺伐に呑まれたら負けですわよ?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 負け……ってのは、よくわからないが、
 悪くないとは思うぞ。そういうの。▼
 戦場じゃ気が滅入ることも多いし。
 普段は少しでも気分良く過ごしたいよな。▼
 
- [シェズ]
- そうだな! 俺にも分けてくれるか?
 流行りに乗ってみるのも悪くない。▼
 戦場じゃ気が滅入ることも多いし、
 俺も気分転換してみたくてな。▼
 
- [フレン]
- いいですわよ。後で、お持ちしますわね。
 少しでも気分良くお過ごしになって。▼
 
 《共通》
- [フレン]
- それに、巷の流行りものを持っていると、
 お友達との会話も弾みますのよ?▼
 そうですわ! これからわたくしと一緒に
 街へ出て流行りものを探しませんこと?▼
 今日はもうご予定はありませんでしょ?
 さあさ、行きましょ、行きましょ!▼
 
- (暗転)
- (画面が明るくなる。街)
- [フレン]
- さ、次は……あ、あそこの露店にも
 可愛いものがありそうですわね!▼
 
 《セテスが生存》
- [シェズ]
- おいおい、まだ見るのか?
 そろそろ帰らないと、セテスさんが……。▼
 
- [フレン]
- 大丈夫、お兄様はお仕事中ですもの。
 今日は特に忙しいんですって。▼
 実は、こうして街に出てお買い物をするの、
 すっごくすっごく久しぶりなんですのよ。▼
 
- [シェズ]
- セテスさんが許してくれないのか?
 あの人、フレンに厳しそうだもんな。▼
 
- [フレン]
- そうなんですの。わたくしのことが
 心配で心配で仕方ないみたい。▼
 ましてや殿方と二人きりでお出かけなんて、
 知られたら大変なことになりますわね。▼
 
 《セテスが死亡》
- [フレン]
- もしお兄様がご存命であれば、殿方と二人
 なんて……許してくださらなかったかも。▼
 内緒で出かけて後で知られたら、
 きっと大変なことになったでしょうね。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 大変なこと……?▼
 
- [フレン]
- そんなことより、お買い物を続けましょ?
 流行りもの、まだまだあるはずですわよ。▼
 
 《セテスが生存》
- [シェズ]
- 大丈夫なのか? 俺と二人で街にいるのが
 セテスさんの耳に入ったら……。▼
 
- [フレン]
- わざわざお兄様に告げ口する人なんて、
 たぶんいないと思いますわよ?▼
 お兄様は怖い人だと思われているらしくて、
 気軽に話せる人はほとんどいませんもの。▼
 
- [シェズ]
- なるほど……
 じゃあ、もう少しフレンに付き合うか。▼
 
 《セテスが死亡》
- [シェズ]
- わかった。セテスさんの分も、
 フレンに付き合うよ。▼
 
 《共通》
- [フレン]
- ま! わたくしがシェズさんに
 付き合って差し上げているのではなくって?▼
 
- [シェズ]
- え? そうだったの?▼
 
- [フレン]
- 流行りものを身に付けて、滅入った気分を
 明るくしたいって仰ったでしょう?▼
 
- [シェズ]
- そうだったか……?▼
 
- [フレン]
- そうでしたわよ?
 さあさ、次はあちらへ参りましょう!▼
 
- (フレンがどこかに行く)
- [シェズ]
- ……楽しそうなとこに水を差すのも悪いし、
 まあいいか。▼
 
支援A†
- (会話するフレンとセテス)
- [フレン]
- ……どうしても駄目ですの?▼
 
- [セテス]
- 私を困らせないでくれ、フレン。
 お前のためを思って言っているのだ。▼
 
- [フレン]
- …………。▼
 
- (暗転)
- (シェズがフレンのところにやってくる)
- [シェズ]
- ん? フレン、どうしたんだ?
 浮かない顔をしてるが。▼
 
- [フレン]
- お兄様に、もう外を出歩いては駄目だと
 念押しされてしまいましたの。▼
 
- [シェズ]
- それは前々から言われてたことだろ。
 気づかれなきゃいいんじゃないのか?▼
 
- [フレン]
- いえ、お兄様は本当にわたくしのことを
 心配してくれているので、もう……。▼
 
- [シェズ]
- そうか……今の教団は敵も多いし、
 仕方ないかもしれないな。▼
 
- [フレン]
- ……わたくしね、ずっと人里離れた場所で、
 お兄様と二人きりで暮らしてたんですの。▼
 その後、ガルグ=マク大修道院に来て……
 そこには、たくさんの人がいて……▼
 たくさんお友達を作って、外の世界のお話も
 たくさん聞けると、期待してたんですのよ?▼
 それなのに……士官学校の皆さんとも
 あまり親しくなれないうちに……▼
 
- [シェズ]
- いろいろ事件が起こって、
 すぐに学校は休止になったもんな。▼
 
- [フレン]
- ……以前、シェズさんと、街へ
 流行りものを探しに行きましたでしょ?▼
 わたくしね、あの時、すっごくすっごく
 楽しかったんですのよ。▼
 だからまた一緒にお買い物に行ける日を、
 楽しみにしていたんですの。それなのに…▼
 ……もう、諦めたほうが
 良いのかもしれませんわね。▼
 
- [シェズ]
- フレン……。▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 簡単に諦めるなよ。
 たかだか外を出歩くってだけの話だろ?▼
 
- [フレン]
- その、たかだかな事が、
 わたくしにはとても難しいのですわ。▼
 
- [シェズ]
- 教団の敵対勢力がどこに潜んでいるかも
 わからない。今は諦めたほうがいいな。▼
 
- [フレン]
- やっぱり、そうですわよね……。▼
 
 《共通》
- [フレン]
- お兄様も、教団がこんなことになって、
 毎日心労が絶えないはずですもの。▼
 その上、わたくしのことなんかで
 心配を増やすわけにはいきませんわ。▼
 
- [シェズ]
- 優しいな、フレンは。
 だが、いずれ状況は変わるぞ。▼
 
- [フレン]
- そうでしょうか?▼
 
- [シェズ]
- そりゃそうさ。
 永遠に続く戦争なんてありえないだろ?▼
 戦争が終わって、フォドラが平和になれば、
 外を出歩くくらい何でもなくなる。▼
 
- [フレン]
- それなら、もしそういう日が来たら、
 また一緒に街へ出かけていただけますか?▼
 
- [シェズ]
- もちろん、喜んで付き合うぞ。
 いや、付き合ってもらう、だったか?▼
 
- [フレン]
- ふふ、いつかそういう日が来るなら、少し
 我慢するくらい、何でもありませんわね!▼
 
- [フレン]
- ただ……▼
 
- [シェズ]
- ただ?▼
 
- [フレン]
- 戦争が終わろうと、殿方と出歩くことを
 お兄様が許してくれるかしら……って。▼
 
- [シェズ]
- もし黙って二人で出かけて
 後でそれが知られちまったら……▼
 
- [フレン]
- 大変なことになりますわね。
 その覚悟は、おありになって?▼
 
《選択》
- [シェズ]
- 仕方ない、腹をくくるさ。
 今から怖がっても仕方ないしな。▼
 
- [シェズ]
- いや、正直自信はないな。
 戦争が終わるまでに、何とか覚悟を決めとくさ。▼
 
- [シェズ]
- 無茶を言うな。
 あのセテスさんだぞ?▼
 
- (フレンがうつむく)
- [シェズ]
- ああ、いや、そんなガッカリすんな。
 考えとくから。な?▼
 
カトリーヌ†
支援C†
- [カトリーヌ]
- はあ……困ったもんだ。▼
 
- [シェズ]
- カトリーヌ、どうした?
 カロン伯の後ろ姿が見えたが。▼
 
- [カトリーヌ]
- ああ。ちょっと父様と、今後の話をな。▼
 教団の兵を借りたいって言われたが、
 アタシの独断じゃどうにもならなくてね。▼
 レア様かディミトリに言えば済む話なのに、
 何でわざわざアタシに相談するかな。▼
 
- [シェズ]
- ちょっと待ってくれ。父様?
 カロン伯がか?▼
 
- [カトリーヌ]
- そうだよ。あれ?
 アンタは知らなかったっけ……。▼
 もう隠しても仕方ないからはっきり言うが、
 アタシは、ファーガスのカロン伯の娘だ。▼
 
- [シェズ]
- そうだったのか。言われてみりゃ、
 アンタはカロンの紋章を持ってたな……。▼
 
- [カトリーヌ]
- いろいろと複雑な事情があってね。
 一応、カロン家からは距離を置いてる。▼
 今のアタシは家も王国も関係ない、
 セイロス騎士団のカトリーヌさ。▼
 
- [シェズ]
- なるほど、だからアンタの所属は
 ずっと教団のままなのか。▼
 ……もし王国と教団が袂を分かったら
 どうするんだ?▼
 
- [カトリーヌ]
- ハッ、愚問だね。
 アタシはレア様につくさ。▼
 王国や教団がどうとかいう問題じゃない。
 この剣は、レア様のためにあるんだよ。▼
 もちろん、故郷の家族や友人とだって
 争いたくはないから……▼
 教団と王国が末永く仲良くしてくれるなら、
 それに越したことはないんだがな。▼
 
- [シェズ]
- 大司教個人のため、か。
 言葉以上に、重たい剣だな……。▼
 
- [カトリーヌ]
- ……そういうアンタは、何のために
 ここで戦ってるんだ?▼
 まさか流されるまま気づいたら……
 なんて話はないよな?▼
 
 《選択》
- 仲間のためと答える
- 金のためと答える
 《ベレト/ベレスが敵対かつ生存時のみ選択可能》
- “灰色の悪魔”を倒すためと答える
- [シェズ]
- 仲間のためだ。王国の皆の力になって
 やりたいと思ってる。▼
 
- [カトリーヌ]
- そんな答えが返ってくるとは意外だよ。
 傭兵上がりにしては義理堅いんだな。▼
 
- [シェズ]
- 正直に話すなら、金のためだな。
 ディミトリは俺を重用してくれるし……▼
 立場に見合うだけの報酬も払ってくれる。
 傭兵としちゃこれ以上ない仕事だろ。▼
 
- [カトリーヌ]
- 傭兵上がりらしい割り切りだな。
 誰かさんを思い出すよ。▼
 
 《ベレト/ベレスが敵対かつ生存時のみ選択可能》
- [シェズ]
- ……倒したい奴がいるんだ。ここにいれば、
 また戦う機会が巡ってくると思ってる。▼
 
- [カトリーヌ]
- へえ?アンタがそんな顔をするんだ、
 よほど腕の立つ相手なんだろうな。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- でも、ファーガスに来たこと自体は
 成り行きだったのかもしれない。▼
 士官学校に入ってすぐに王都で内乱が
 起こって、それが鎮まる頃には……▼
 学校の休止が決まってた。そこで
 ディミトリから大役を任されちまってな。▼
 
- [カトリーヌ]
- アンタも大変だったな。けど、今では
 一端の将なんだろ? 凄いじゃないか。▼
 過去の自分に恥じない今があるなら、
 それで十分だろうさ。▼
 
- [シェズ]
- 過去の自分に恥じない今、か……。▼
 
- [カトリーヌ]
- 難しそうに聞こえるが、
 頑張ってやろうとか思うもんじゃない。▼
 ちゃんと自分に向き合って生きてりゃ
 自ずとそうなるよ。▼
 
支援B†
(※支援会話なし)
支援A†
- [カトリーヌ]
- ……お、シェズ。訓練帰りか?
 こんな夜遅くまで頑張るじゃないか。▼
 
- [シェズ]
- まあな。時間があるなら、
 少しでも訓練を積んでおきたいんだ。▼
 戦いの中で皆も強くなってる。
 俺も気を抜くわけにはいかないだろ。▼
 
- [カトリーヌ]
- 今日はもう遅いが、明日で良ければ、
 アタシも付き合おう。▼
 
- [シェズ]
- 本当か? 助かるな。▼
 
- [カトリーヌ]
- 強さに貪欲な奴は、嫌いじゃないんでね。▼
 そうだ、折角だし聞いてもいいか?
 アンタが強さを求める理由……いや……▼
 アンタが最初に傭兵って
 職を選んだ理由はなんだ?▼
 
 《選択》
- [シェズ]
- 話すほどのことでもないが……
 まあ、それこそ成り行きってやつだ。▼
 
- [シェズ]
- 話すほどのことでもない。
 たいした理由はない、とだけ言っとくぞ。▼
 
- [カトリーヌ]
- おい、そう言われたら余計気になるだろ。
 言いたくないなら聞かないが……。▼
 
- [シェズ]
- 別に何か、夢や目標があったわけじゃない。
 それこそ……成り行きってやつだ。▼
 
 《共通》
- [シェズ]
- 母さんが死んで村の外へ出たはいいが、
 その先を何も考えてなくてな。▼
 路銀が尽きたところで傭兵団に拾われて、
 雑用から戦いから、がむしゃらにやったさ。▼
 
- [カトリーヌ]
- へえ……物語の導入としちゃよくある話だ。
 どうだった、成り行きの傭兵生活は。▼
 
- [シェズ]
- 最初は酷かったが……気のいい連中と
 出会ってからの旅は、悪くはなかったな。▼
 あのまま傭兵として名を上げ、仲間と共に
 戦い、死んでいく……と思ってた。▼
 それが気づけば王様の私兵団を任され、
 部下を率いて戦ってる。不思議なもんだ。▼
 
- [カトリーヌ]
- 人生ってのは、
 何が起こるかわからないもんだ。▼
 アタシもガキの頃は、セイロス騎士団で
 遺産を振り回してるなんて想像しなかった。▼
 当然、父様の跡を継いでカロン伯に……
 なってると思ってたよ。▼
 
 《外伝・恩讐の行方クリア》
- [シェズ]
- ロナートの件があったんだもんな……。▼
 
 《外伝・恩讐の行方未クリア》
- [シェズ]
- ……いろいろあったんだろ?
 お尋ね者になっちまったとも聞いたが。▼
 
- [カトリーヌ]
- まあな。親友が道を踏み外すのを
 止められなかったことや……▼
 そいつを死なせちまったこと。
 それが元で、故郷にいられなくなったこと。▼
 
 《共通》
- [カトリーヌ]
- 悲しみも苦しみもあったが……それでも
 アタシは自分の生き方に悔いはないよ。▼
 
- [シェズ]
- 言い切ったな。
 過去の自分に恥じない今があるからか?▼
 
- [カトリーヌ]
- ああどんな過去だって、
 今のアタシに繋がってるんだ。▼
 たとえ、更なる苦難がこの先に待っていたと
 しても……アタシは進み続ける。▼
 
- [シェズ]
- 強いな、カトリーヌは。
 俺も見習わなきゃならない。▼
 アンタの話を聞いて、いろいろ考えたんだ。
 自分に恥じない生き方って何だ、ってさ。▼
 どう生きてようと、難しい選択をしなきゃ
 いけない場面は回ってくるだろ?▼
 その時、ひたすらに生きてきた過去の俺に、
 失望されない選択ができるんだろうか。▼
 
- [カトリーヌ]
- 問題は、何を選ぶかじゃない。
 選んだ後に何をするか、じゃないのか?▼
 大事なのは自分の選択を、どうやって
 「正しい」ものにしていけるか、だ。▼
 
- [シェズ]
- アンタは簡単そうに言ってのけるが、
 考えれば考えるほど難しそうだぞ、それは。▼
 
- [カトリーヌ]
- なら小難しいことなんて考えなきゃいい。
 どんな時でも、ただ最善を尽くしな。▼
 そうやって一歩ずつ歩いていけば
 振り返った時には、立派な道ができてる。▼
 
- [シェズ]
- そういうもんか?▼
 
- [カトリーヌ]
- そういうもんさ。少しでも心に響いたなら、
 今、この時からでも実践してみることだ。▼
 アンタが拓いていくのがどんな道か
 楽しみにしてるよ、シェズ。▼
 
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Last-modified: 2024-01-06 (土) 12:41:37