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会話集/支援会話
ディミトリの支援会話†
ドゥドゥー†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [ドゥドゥー]
- ……陛下、そろそろお休みください。
それ以上はお体に障ります。▼
- [ディミトリ]
- そう言われても、戦いの後だからか
妙に目が冴えてしまってな。▼
ドゥドゥー、お前は先に床に就いていろ。
心配せずとも、きりの良いところで休む。▼
- [ドゥドゥー]
- 先日もそう仰って、
結局空が白むまで働いておられたでしょう。▼
- [ディミトリ]
- ……昔から、こういう時のお前は
何を言おうと絶対に譲らないんだよな。▼
では、少しばかり手伝ってくれるか。
この書簡に誤記がないかを確認してくれ。▼
- (書簡)
- [ドゥドゥー]
- これは、ダスカーの言葉……
族長への書簡、ですか。▼
- [ディミトリ]
- ああ。”ダスカーの悲劇”について、
彼らにもいろいろと調査を頼んでいてな。▼
先日、幾つか途中報告が入ったから……
それは返礼と、別件の調査の依頼だ。▼
- [ドゥドゥー]
- ……そうでしたか。▼
ですが、火急の仕事は昼のうちに済んで
いるはずです、そう焦らずともよいのでは。▼
- [ディミトリ]
- そうも言っていられないだろ。明日には俺も
戦場に倒れているかもしれないんだぞ。▼
俺は、この命のあるうちに
一歩でも前に進まなければならない。▼
……必ずやあの事件のすべてを暴き、
死んでいった者たちの復讐を果たす。▼
時間を無駄にはできない。仇を皆殺しにして
済むような、単純な話でもなさそうだしな。▼
- [ドゥドゥー]
- ならば尚更、早くお休みになって
英気を養われるべきかと。▼
- [ディミトリ]
- 机の上の書類を片付けたら、だ。それから
西部の査問記録にも目を通しておきたい。▼
あとは机仕事ばかりでは体も鈍るし
眠る前に槍の稽古を少し……▼
- [ドゥドゥー]
- まだ、あの日の夢をご覧になるのですか。▼
- [ディミトリ]
- ……もう何年も前に話したきりのことを、
よくもまあ覚えているものだ、お前は。▼
あの頃は王城の者たちから遠ざけるという
名目で、お前を俺の部屋に呼んでは……▼
話し疲れて眠りに落ちるまで、
くだらない話に付き合ってもらったっけ。▼
- [ドゥドゥー]
- ……あの時のご配慮には、感謝しています。▼
- [ディミトリ]
- 配慮などではない。あれはあくまでも、
俺の勝手な都合でやったことなのだから。▼
- [ドゥドゥー]
- ……眠れないのであれば、
いつでも話し相手になりますが。▼
- [ディミトリ]
- それではお前が疲れるだけだろう。
明日も早いんだ、おとなしく休んでおけ。▼
無理をするなとお前は言うが、自分の
体のことは自分が一番よくわかっている。▼
- [ドゥドゥー]
- ですが……ならばせめて、後ほどお茶を
お持ちします。少しは体も休まるかと。▼
- [ディミトリ]
- そうだな……ありがとう、ドゥドゥー。
いつも世話をかけるな。▼
支援A†
- (暗転)
- [ドゥドゥー]
- ……陛下。机で眠られては、
お風邪を召してしまいます。▼
- [ディミトリ]
- ………………。
……ドゥドゥー、か。▼
- (画面が明るくなる)
- [ディミトリ]
- またやってしまった……首が痛い。
起こしてくれて助かった、ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- いえ……ひどくうなされていましたので、▼
- [ディミトリ]
- ……そうだったか。
昔の夢を、見ていたんだ。▼
- [ドゥドゥー]
- やはり、ダスカーの……。▼
- [ディミトリ]
- ……いや。別の夢だ。
ダスカーから、王都に帰ってきた後の……。▼
なあ、お前は覚えているか。
父上の葬儀の後、俺を罵った子供のこと。▼
- [ドゥドゥー]
- は。……ダスカーで死んだ騎士の、
息子だったそうですね。▼
- [ディミトリ]
- ダスカーの民に復讐するどころか
従者にするなどあってはならない……▼
今ここで従者を殺してみせろ、と言われて
俺は、ただ立ち去ることしかできなかった。▼
あの日の死者も、残された正者でさえも、
皆、望むのは復讐だ。……復讐なんだ。▼
- [ドゥドゥー]
- ……陛下。▼
- [ディミトリ]
- 俺は、俺の義務を粛々と果たすだけだ。
苦しいと思ったことはない。だが……▼
……ドゥドゥー。もし俺が戦場に倒れ、
末期に復讐を望んだら、お前はどうする?▼
- [ドゥドゥー]
- 果たします。たとえ四肢をもがれようとも。▼
- [ディミトリ]
- では、俺のことなど一切忘れて
幸せに生きろと言い残したら。▼
- [ドゥドゥー]
- ……それは、果たせません。おれにとっての
幸せは、陛下と共に在ることだけですから。▼
おれはあなたのためではなく
おれ自身のために、復讐を果たすでしょう。▼
- [ディミトリ]
- お前自身のために……か。やはり、
俺が何を言おうと譲らないのだろうな。▼
- [ドゥドゥー]
- 陛下は……陛下自身のために、
生きるつもりはないのですか。▼
- [ディミトリ]
- そもそも俺の命は、俺のものではない。
国のもの、死者のもの、そして民のものだ。▼
だが……そうだな。もしも俺が、
違う運命の下に生を享けていたならば……▼
お前とフォドラの外を旅して傭兵に、いや、
土を耕して生きるのも悪くなかったかもな。▼
- [ドゥドゥー]
- それは、叶わぬ夢なのでしょうか。
もしも陛下が望まれるのであれば……▼
- [ディミトリ]
- 待て待て、冗談をそう真に受けるな。
適当に思いついたことを口にしただけだ。▼
俺にも、譲れないものがある。
……わかってくれるな、ドゥドゥー。▼
- [ドゥドゥー]
- ……ならばせめて、
今日はもうお休みください。▼
仕事が残っているのなら、お手伝いします。
眠れないのなら、話にも付き合いましょう。▼
……机上に伏せっておられるのを見るたび、
どうしようもない不安に駆られるのです。▼
もしや倒れられたのではないかと……
息をしていないのではないか、と。▼
- [ディミトリ]
- 馬鹿、本当に心配性だな。大丈夫だよ。
お前が気遣ってくれるおかげでな。▼
- [ドゥドゥー]
- ですが……▼
- [ディミトリ]
- ……だが、万一お前を置いて
死ぬ羽目になったら……後が大変そうだ。▼
今日ぐらいは、ありがたく
お前の厚意に甘えておこうかな。▼
- [ドゥドゥー]
- ……はい!▼
フェリクス†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [ディミトリ]
- ………………。▼
- [フェリクス]
- ……おい、考え事なら後にしろ。
食事の時くらい、食事に集中したらどうだ。▼
- [ディミトリ]
- ああ……そうだな。すまない。▼
- [フェリクス]
- フン、どうせ教団の兵力をどう動かそうだの
今冬をどう凌ごうだの考えていたのだろう。▼
その手の問題を一人で解決しようとするな。
臣下に考えさせるのも王の務めのはずだ。▼
- [ディミトリ]
- そういうお前はどうなんだ。領内の統治は
叔父君に委任していると聞いたが。▼
- [フェリクス]
- 無論、当地の方針について何かあれば、都度
自領に戻って話し合うようにはしている。▼
- [ディミトリ]
- 母君は息災か。家中の揉め事を一手に
引き受けてくださっているそうだな。▼
- [フェリクス]
- 元々その手の仕事が得意な方だ。むしろ、
自分の出番だと活き活きしているだろうよ。▼
《ロドリグが死亡》
- [ディミトリ]
- 今ばかりは、彼女も忙しく働いていたほうが
落ち着くのだろうが……気に掛けてやれ。▼
《共通》
- [フェリクス]
- チッ……他人の心配ばかりしていないで
たまには自分のことでも考えたらどうだ。▼
- [ディミトリ]
- 自分のことと言われてもな……ああ、
そういえば騎士団が合同訓練をしたいと……▼
- [フェリクス]
- はあ……いや、まあいい。
昔からお前はそういう男だったな……。▼
どうせ、そう思い詰め過ぎるな……
などと言っても聞かんのだろう、貴様は。▼
- [ディミトリ]
- ……この戦いに負けは許されないからな。
王国を守るためにも……復讐のためにも。▼
事件の糸を引いていた者たちに、
一歩一歩近づいている感覚はある。▼
謀を知りながら何もしなかった者や
下手人と結託した者たちを罰しもした……▼
だが、それではまだ足りない。
俺は……殺すべきを殺さなければならない。▼
- [フェリクス]
- ……もはや口癖だな。
復讐を果たして、お前はどうする。▼
- [ディミトリ]
- ……わからない。彼らの嘆きが止み、
恨みが晴れれば、俺はそれでいい。▼
- [フェリクス]
- ………………。▼
- [ディミトリ]
- なあ……フェリクス。
お前も、俺を恨んでいるか?▼
あの日、グレンは俺の目の前で死んだ。
助けられなかった……殺したのと同義だ。▼
《ロドリグが死亡》
- [ディミトリ]
- ロドリグも……俺が“灰色の悪魔”を
あらかじめ討ってさえいたら……。▼
《共通》
- [フェリクス]
- だからと言ってお前を恨むのは筋が違う
お前が殺したわけではないだろうが。▼
皆、お前のために死んでやったのではない。
意志を貫いて死んだんだ。思い上がるな。▼
- [ディミトリ]
- 命を捨ててまで、貫くべき意志などない。
そうまでして守られる価値など、俺には……▼
- [フェリクス]
- もういい、食事が冷める。余計な事を
考える暇があったらさっさと食べてしまえ。▼
- [ディミトリ]
- ……そうだな。▼
支援A†
- (暗転)
- [ディミトリ]
- ……すまない。必ず復讐は果たす。
だから、もう少し待っていてくれ。▼
お前たちを死に追いやった者を暴き……
どんな形であれ、必ず果たす。だから……▼
- [フェリクス]
- おい。▼
- (画面が明るくなる)
- [ディミトリ]
- グレ……いや、フェリクスか。
……見苦しいところを見せたな。▼
- [フェリクス]
- もう20年も付き合ってきた相手に、
今更、見苦しいも何もあるものか。▼
皆もすっかり寝静まった頃だというのに
一人で礼拝堂に籠って何をしていた。▼
お前の声が聞こえて何事かと思ったが、
白昼夢でも見ていたのか。▼
- [ディミトリ]
- ……お前には、隠したところで無駄か。▼
白昼夢……のようなものだ。あの日死んだ
者たちが、昼夜を問わず立ち現れてくる。▼
もしあの事件に帝国が関わっていたのなら、
皇帝がそれを黙認していたのなら……▼
……あの日の死者と同じ最期を与えろと
叫んでいる。胸をえぐり、首をはねて……。▼
- [フェリクス]
- いつからだ。
そんなものを見るようになったのは。▼
- [ディミトリ]
- 6年前から……だが、
声を聞いたのは4年前……初陣の時だ。▼
敵軍の将の顔を、俺は知っていた。
……ダスカーで見た顔だった。▼
奴の首を落とした時、皆が、声を上げて
笑ったんだ。泣いて苦しんでいた者たちが。▼
- [フェリクス]
- ……納得はできんが、
まあいろいろと腑には落ちた。▼
だがな、兄上も先王陛下も、他の者たちも
そうしてお前を責め苛んだりするものか。▼
お前が安穏と生きていくのを
許していないのは、他でもないお前自身だ。▼
- [ディミトリ]
- ……誰が俺を許すと言おうと、
俺は死ぬまで自分を許すつもりはない。▼
- [フェリクス]
- 安心しろ、お前にそんな器用な芸当が
できるなど、俺は毛ほども期待していない。▼
だが、お前は皆を導く国王だ。
お前が惑えば、皆も行くべき道を失う。▼
その苛烈な復讐心は、胸にしまっておけ
それは俺だけが知っていればいいものだ。▼
- [ディミトリ]
- ……要するに、弱音を吐くなら、
お前の前だけにしろ、ということか?▼
- [フェリクス]
- フン……。▼
- [ディミトリ]
- ……俺が畜生に堕さずにいられるのは、
こうしてお前が受け止めてくれるからだ。▼
ルーグにとってのキーフォンが、父上に
とってのロドリグがそうだったように……▼
これからも俺の右腕として
側にいてくれ、フェリクス。▼
- [フェリクス]
- ……右腕、か。
まあ、悪くない響きだ。ならば……▼
- (暗転、鎧の音)
- [ディミトリ]
- ……!
おいフェリクス、いきなり何を……▼
- (鎧を引きずる音)
- [フェリクス]
- 右腕としての責を果たさせてもらう。まず、
休み方を知らん王を寝台に放り込まねばな。▼
- [ディミトリ]
- なあ……俺を背負って運ぶつもりか?
無茶はするな。足が床についたまま……▼
- [フェリクス]
- 黙れ、貴様が馬鹿でかく育ったせいだ!
この筋肉の塊め、運びにくいにも程がある。▼
- [ディミトリ]
- ……昔もこんなことがあったな。
あの時は足を挫いたお前を、俺が運んだ。▼
- [フェリクス]
- ああ、あれは良い訓練になっただろう?
今度は俺の訓練に付き合え、ディミトリ。▼
- [ディミトリ]
- くく……ああ、そうだな。▼
アッシュ†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [ディミトリ]
- 早いものだな、アッシュ。
お前を騎士に任じて、もう1年半か。▼
慣れない土地で働くのは、何かと
大変だろう。困っていることはないか?▼
- [アッシュ]
- いえ、そんな。王都の皆さんは、
みんな親切にしてくれますし……▼
強いて言うなら、僕なんかに騎士が、
務まるのか、まだ不安だってぐらいで。▼
- [ディミトリ]
- 今、ブレーダッド家に仕えている騎士は
俺の代になって城に入った者がほとんどだ。▼
即位以前から俺と共に戦ってくれたお前が
今更、引け目を感じる必要はないだろう。▼
- [アッシュ]
- は、はい……でも、僕は貴族の生まれでも、
紋章持ちでもないですし……。▼
そんな僕を取り立てていただいたご恩は、
この命を懸けてお返しするつもりです。▼
- [ディミトリ]
- ………………。
時にアッシュ、騎士とは何だと思う?▼
- [アッシュ]
- えっ? 民や王、ひいては国を守るために
命を懸けて戦う者……でしょうか。▼
- [ディミトリ]
- そうだな……。確かに、それこそが
騎士のあるべき姿だと皆は言うが……。▼
現実は、そう美しいものではない
突き詰めれば、騎士とは人を殺める者だ。▼
騎士道が忠義を説くのは、騎士を統制し
主君に背かぬようにするために過ぎない。▼
- [アッシュ]
- それは……確かに、
そうなのかもしれませんが……。▼
- [ディミトリ]
- 騎士道を奉じるのは構わないが、
命を懸けてまでそれを貫く必要はないな。▼
- [アッシュ]
- ………………。▼
- [ディミトリ]
- 俺の親友は、王家に仕える騎士だった。
歳が近くてな。良い奴だったよ。▼
だが、俺の目の前で死んだ。逃げることなく
果敢に戦って、当然のように殺された。▼
- [アッシュ]
- ロドリグさんから聞いた事があります。
フェリクスの、お兄さんの話ですよね……。▼
- [ディミトリ]
- ……ああ。今でも俺の耳には、
あいつの死に際に声が聞こえる。▼
忠誠か、己の命かを選ばされる日が、
お前にもいつか訪れるかもしれない。▼
その時には、己の命を選んでほしい。
身勝手な願いだとはわかっているがな。▼
- [アッシュ]
- でもそれで、万が一僕が陛下に
弓を引くようなことがあったら……?▼
- [ディミトリ]
- 俺を討てないのなら、黙って戦場を離れろ。
……そんな日が来ないよう祈っているがな。▼
- [アッシュ]
- わかり……ました。……でも一つだけ、
失礼を承知で申し上げます。▼
きっと、あなたを守ったその人は、
騎士だから命を投げ出したんじゃない。▼
たとえ何を犠牲にしても、親友のあなたを
守りたかったんだと思います。▼
- [ディミトリ]
- 生きてさえいれば訪れたはずの、
あらゆる未来を閉ざしても……か?▼
- [アッシュ]
- ……僕にも、その人の行いが
正しかったのかはわかりません。▼
だからこそ僕も、陛下が望まれるのなら
決して命を捨てないと約束します。▼
だけど、大事な人のために戦いたいって思い
自体は……間違ってないと思うんです。▼
- [ディミトリ]
- ……そうか。
そうなのかもしれないな……。▼
……さて、そろそろ俺は調練に行くよ。
兵を待たせるわけにはいかないし……▼
お前たちの忠誠に値する主君で在れるよう、
努めねばならないからな。▼
- (ディミトリ、立ち去る)
- [アッシュ]
- ……務めるも何も、最初から陛下は
僕たちにとって、自慢の王様なのになあ。▼
シルヴァン†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [ディミトリ]
- おいシルヴァン、いるな。先刻の
会議について、お前の意見を聞きたい。▼
- [シルヴァン]
- 構いませんけど……ゴーティエ家の意向なら
さっき父上から聞いたんじゃありませんか?▼
- [ディミトリ]
- ゴーティエとしての意見ではなく、
お前の意見を聞かせてもらいたい。▼
- [シルヴァン]
- 確か、平民への叙爵の是非、でしたっけ。
結局認める方向で進みましたけど。▼
- [ディミトリ]
- ああ。論点になったのは、紋章を持たない
者を貴族に取り立ててもよいか、だな。▼
- [シルヴァン]
- そりゃもちろん、取り立てていいなら
取り立てるべきだと思いますけどねえ……▼
あんたが兄上を取り立てたみたいに
有能な奴には地位を与えて働かせるべきだ。▼
- [ディミトリ]
- シェズやアッシュも、
立派に成果を残してくれているからな。▼
- [シルヴァン]
- ただ、どんどんやれとは言えませんね。
やり過ぎるつもりなら俺は賛成できません。▼
王国から紋章の力が失われたら、どうなるか
わからない陛下じゃありませんよね。▼
- [ディミトリ]
- ……無論だ。それに、今ではどの国でも
紋章の力を持った血が薄れつつある。▼
フェリクスのように大紋章を持って生まれる
例もあるとはいえ、非常に稀な話だ。▼
- [シルヴァン]
- だったら今、俺たちファーガスの人間が
生き残っていくために取れる選択肢は2つ。▼
紋章を継ぐ血を細々と繋いでいる間に、
国を富ませて軍備を一気に増強するか……▼
紋章を継ぐ血が淘汰される危険を承知で、
遺産に頼らない体制の確立を優先するか。▼
どちらにしろ延命処置ではありますけど、
俺としては前者の方が望ましいかなあと。▼
- [ディミトリ]
- 軍備の増強、と言葉にするのは容易いが
そう簡単にできる事ではないからな。▼
痩せた土地ばかりの王国が、肥沃な国と
張り合っていくには時間がかかるだろう。▼
- [シルヴァン]
- ただ、いつだったか兄上の登用について
相談された時にも話しましたけど……▼
今は戦争の真っ最中ですし、切れる札は
切っていかなきゃいけないわけで。▼
俺としては現状のあんたの方針にも
異存はない、ってのが正直なところです。▼
- [ディミトリ]
- ……やはり、お前と話をすると
頭の中が整理されていいな。助かる。▼
- [シルヴァン]
- はは、そう言ってもらえるとは光栄です。
柄にもなく真面目な話をしちまいましたね。▼
- [ディミトリ]
- 柄にもなく……というわけでもないだろう。
俺の知るお前は、いつだって真摯だった。▼
俺やフェリクスたち以外の前では、
欠片もそういう素振りを見せないがな。▼
……いや、違うか。士官学校時代までの
お前の態度は真摯とは程遠いものだった。▼
- [シルヴァン]
- あっはは、ぐうの音も出ませんねえ。
これでも馬鹿だったと思ってるんですよ?▼
- [ディミトリ]
- そう思うなら今、働いて取り返すことだ。
それとも何だ、小言でも言ってほしいのか。▼
- [シルヴァン]
- あーいや、遠慮しておきます。
陛下のお小言は始まったが最後ですから……▼
- [ディミトリ]
- まったく……なあ、シルヴァン、
俺は、お前を頼りにしているんだ。▼
お前は、俺にない多くのものを持っている。
父親譲りの怜悧さや、頭の回転の速さ……▼
- [シルヴァン]
- そう言うあんたの剛毅さを、俺はガキの
頃から羨ましいと思ってましたけどね。▼
- [ディミトリ]
- ……完璧な人間などいないということだ。
お互い、ないものねだりは程々にしよう。▼
……手間を取らせて悪かったな、シルヴァン。
また相談に乗ってくれると助かる。▼
- [シルヴァン]
- ええ、喜んで。……あんたの前では、
俺も自分を偽らずにいられますしね。▼
メルセデス†
支援C†
- [ディミトリ]
- む……メルセデス、出かけていたのか。▼
- [メルセデス]
- ええ。今日はね、カムロスの街に行って
教団のお手伝いをしてきたの~。▼
- [ディミトリ]
- そうか。街の様子はどうだった?▼
- [メルセデス]
- 街の人たちはみんな元気そうだったけれど、
教団の方々は忙しそうだったわね~……。▼
ほら、戦争が始まった時にたくさんの人が
ファーガスに避難してきたでしょう?▼
他の街でもたくさん人を受け入れたけれど、
やっぱりカムロスの街は特別忙しいみたい。▼
- [ディミトリ]
- 王都からも人や物資を送るべきかな……。
今度、レア様に確認してみよう。▼
- [メルセデス]
- ありがとう、ディミトリ。
教団の方々も、きっと喜ぶと思うわ~。▼
私もね、教団を受け入れてくれた
あなたには、本当に感謝しているのよ。▼
あなたのおかげで、たくさんの人が
帰る場所を失わずに済んだわ。▼
- [ディミトリ]
- ……そう言えばお前も、幼い頃に
帝国から王国へと逃げてきたのだったな。▼
- [メルセデス]
- ええ。あの時は本当に大変だったわ。
食べるものも、雨風を凌ぐ場所もなくて……▼
もし司祭様が助けてくださらなかったら、
どうなっていたかわからないかも。▼
- [ディミトリ]
- ………………。▼
- [メルセデス]
- ……あら? どうしたの~?
ちょっと浮かない顔だけれど……。▼
- [ディミトリ]
- ああ……いや。メルセデス、
悪いが少し、弱音を吐いてもいいだろうか。▼
- [メルセデス]
- あらあら。弱音を吐くのに、いちいち
許可なんていらないわよ~。話してみて?▼
- [ディミトリ]
- 本当に中央教会を受け入れて良かったのか、
俺はずっと……迷っているんだ。▼
彼らを受け入れたせいで、
帝国に侵略の口実を与えてしまった。▼
- [メルセデス]
- だけどあなたは、受け入れるべきだと
思ったから、受け入れたんでしょう?▼
- [ディミトリ]
- ……ああ。セイロス教は王国の歴史、
そして王国の政治と深く結びついている。▼
王権は教会によって認められるものだし、
村落の統治にも一役買ってくれている……▼
それを排除したら、上へ下への大騒ぎだ。
国は再び割れて、混乱を極めるだろう。▼
- [メルセデス]
- う~ん、難しいわね……。何を選んでも、
戦いは起こってしまうってことかしら……。▼
少なくとも街の人たちは、あなたに
感謝していると思うわ。だけど……▼
そう単純な話じゃないのよね、きっと。
ごめんなさい、何も言ってあげられなくて。▼
- [ディミトリ]
- ああいや……謝るのは俺のほうだ。
つまらない話を聞かせて、すまなかったな。▼
- [メルセデス]
- 気にしないでちょうだい。
少しでも気が楽になったなら嬉しいけれど。▼
- [ディミトリ]
- 話をしたら、だいぶ胸が軽くなった。
ありがとう、メルセデス。▼
お前こそ、もし何かあったら
俺を頼りにしてほしい。▼
支援B†
(※支援会話なし)
支援A†
- (暗転)
- [ディミトリ]
- ……もう少しかかりそうか、メルセデス。
そろそろ休憩してもいいと思うが……。▼
- [メルセデス]
- 大丈夫よ~、もうすぐ見えてくるわ。
ほら、あの丘の向こう……▼
- (画面が明るくなる、村)
- [ディミトリ]
- こんなところに、村があったのだな……。▼
- [メルセデス]
- ええ、昔、私が暮らしていた村よ~。
遠くに見えるのが、私のいた教会。▼
- [ディミトリ]
- そうか。静かで、綺麗なところだな。
知らない場所なのに、懐かしい感じがする。▼
- [村人]
- ……メルセデスちゃんかい!
久しぶりねえ、お母様に会いに来たの?▼
- [メルセデス]
- まあ! お久しぶりです、おばさま。
今日はお友達にここを案内しようと思って。▼
- [村人]
- お友達……あら、立派な騎士様だこと。
もしかして、セイロス騎士団の方?▼
- [ディミトリ]
- え? あ、いえ。
私はファーガスの……王国軍の者です。▼
- [村人]
- おや、そうだったのかい。だったら、
メルセデスちゃんの仲間ってことかねえ。▼
時間があるなら、教会に顔を出しておあげ。
司祭様も子供たちも喜ぶからさ。▼
- [メルセデス]
- そうですね~。せっかく立ち寄ったんですし、
母にも挨拶していこうと思います。▼
- (村人、立ち去る)
- [ディミトリ]
- ……友人の知己と顔を合わせるのは、
何だか妙に緊張してしまうな。▼
- [メルセデス]
- ふふ。あの人も、教会で働いていてね
私やお母様にとっては恩人なのよ~。▼
教会には、昔の私やお母様と同じような
境遇の人たちもたくさんいるわ。▼
司祭様はどんな人が相手でも、
邪険にしないで受け入れてくださるから~。▼
- [ディミトリ]
- 懐の深い土地なのだな、ここは。
それもセイロス教の教え……なのかな。▼
- [メルセデス]
- でも……中央教会を受け入れていなければ
この村の形も変わっていたかもしれないわ。▼
- [ディミトリ]
- 南方教会には良い噂を聞かないし、各地の
村をどう治めるかはわからないからな……▼
- [メルセデス]
- 私には、難しい政治や戦争のことは
あなたほどよくわからないけれど……▼
あなたが守ってくれた人や景色を、
どうしても見てもらいたかったの。▼
- [ディミトリ]
- ……なるほど、その話をするために、
俺をここへ連れてきてくれたのだな。▼
正直な話、戦況が……フォドラが、
これからどう変わっていくかはわからない。▼
だが、俺はできる限りの力を尽くして、
この景色を守っていくつもりだ。▼
- [メルセデス]
- ……ありがとう、ディミトリ。▼
さあ、教会のほうに行ってみましょう。
途中には見晴らしのいい場所もあるのよ~。▼
お花畑に、綺麗な小川……他にもたくさん、
あなたに見せたい景色があるんだから~。▼
あっ、そうそう、教会にも顔を出して、
お母様や司祭様にも挨拶をしていかないと。▼
- [ディミトリ]
- ……お前の命を預かっている以上
俺も軍の長として挨拶をすべきだよな。▼
- [メルセデス]
- あら、そんなに緊張しなくてもいいわよ~。▼
あなたのことは、私から紹介するから。
私にとって、すごく大事な人ですって。▼
- [ディミトリ]
- ……待て、メルセデス。
それは余計な誤解を招くと思うんだが……。▼
- [メルセデス]
- うふふ。ごめんなさい、冗談よ~。
あなたをからかうつもりはなかったの。▼
でも私、いつもの険しい顔をした
あなたより、今のあなたの方が好きよ。▼
- [ディミトリ]
- ……お前と話していると調子が狂うよ。▼
アネット†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- (暗転、爆発音)
- [アネット]
- きゃーーーーっ!?▼
- [ディミトリ]
- しまった……下がれアネット!▼
- (水をかける音、明るくなる)
- [アネット]
- はあ……あ、危なかったですね、陛下……。
水、用意しておいてよかったです……。▼
- [ディミトリ]
- ああ、すまない……俺のせいで……。
やはりなれない事をするべきではないな。▼
- [アネット]
- いえ、魔法で適当に火をおこしておいて
ください、なんてあたしが言ったから……▼
- [ディミトリ]
- 仕方あるまい……お前も、俺の腕前が
ここまで酷いとは思っていなかっただろう。▼
小さな爆発だけで済んだからよかったが
燃え広がっていたら大惨事だったな……。▼
- [アネット]
- 無事に消化できたんですし、
そう気に病む必要なんてありませんよ。▼
- [ディミトリ]
- そう言ってもらえるとありがたいが……。
お前に怪我がなくて本当に良かったよ。▼
昔から魔法はてんで駄目でな。父も祖父も
そうだったようだし、当然かもしれないが。▼
- [アネット]
- あはは、正直な話、陛下は魔法で戦うより、
剣や槍で戦った方が早そうですしね。▼
- [ディミトリ]
- だが、子供の頃は魔道を習ってみたいと
思ったこともなかったわけではないんだぞ。▼
昔の友人が、よく魔法を見せてくれて……
俺はそんな彼女が、ずっと羨ましくてな。▼
- [アネット]
- 折角王都には魔道学院もあったんですし、
通ってみればよかったのに。▼
- [ディミトリ]
- そう簡単に通えるものではないだろう。
あれは、才ある者たちの学び舎だからな。▼
王都で学院の生徒たちを見かけるたび、
俺にも魔道の才があればと思ったものだ。▼
- [アネット]
- そうだったんですね……。だったら、
今からあたしがお教えしましょうか。▼
- [ディミトリ]
- 今から……?▼
- [アネット]
- はい! あたし、王都に戻ってきた後は
学院のお手伝いもしてたんですけど……▼
そこでいろんな人と話すうち、誰かに魔法を
教えてみたいなあっておもうようになって。▼
魔法があまり得意じゃない人にこそ、
魔法との付き合い方を教えたいんです。▼
- [ディミトリ]
- なるほど、それは良い考えだな。
ぜひ俺をお前の、最初の生徒にしてほしい。▼
先ほどの俺のように、魔法が暴発して
事故に繋がった話もたまに耳にするし……▼
お前の夢は、きっと多くの人を救うはずだ。▼
- [アネット]
- えへへ……そこまで言われると、
何だかちょっと照れちゃいますね。▼
だけど、自分で選んだ道に、
自信が持てたような気がします。▼
……よし! 陛下、早速、さっき使った
炎の魔法で練習してみましょうか!▼
- [ディミトリ]
- もう一度あの魔法を使うのか?
躊躇われるが、大丈夫だろうか……。▼
- (暗転)
- [アネット]
- 炎の魔法は、一番基本的な魔法です。
魔力を圧縮してぶつけるような感じですね!▼
まずは両手に魔力を集中させて……▼
- [ディミトリ]
- 集中……? なるほど、こうか……?▼
- [アネット]
- えっと……あんまり遠慮しなくても
大丈夫ですよ? 水も汲んできましたし……▼
- [ディミトリ]
- いや、遠慮しているつもりはないが……
ならばもう少し魔力を……っ!?▼
- (爆発音)
- [アネット]
- きゃーーーーっ!?
へ、陛下!? 大丈夫ですか!?▼
- (水をかける音)
- [ディミトリ]
- くっ……すまないアネット、
どうやら先は長いようだ……▼
イングリット†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- (ディミトリ、ダスカー戦士長と話している最中にイングリットが入ってくる)
- [イングリット]
- 陛下、明日の調練について……あっ。
……申し訳ありません、話の最中に。▼
- (ディミトリ、ダスカー戦士長との話を切り上げ、戦士長が立ち去る)
- [ディミトリ]
- いや、気にしなくてもいい。
ちょうど終わったところだった。▼
- [イングリット]
- 今のは……ダスカーの戦士長ですよね。
何の話をされていたのですか?▼
- [ディミトリ]
- 今後の作戦と陣形について、
彼らにもいろいろと確認していたんだ。▼
ファーガスの騎士とは動かし方も異なるし、
配置にも……気を遣わなければならない。▼
- [イングリット]
- 確かに宿営地でも、
度々揉め事は起こりますからね……。▼
- [ディミトリ]
- 互いに、割り切れない部分も多いのだろう。
あれは簡単に解決できる問題ではない。▼
お前はどうだ、イングリット。
まだ、ダスカーの民が憎いか。▼
- [イングリット]
- いえ……今、彼らを憎む理由はありません。
事件に関与した者もいたようですが……▼
彼らだけではなく、多くの者の思惑が
絡んだ末の悲劇だと理解はしています。▼
ただ、それゆえに申し訳ないというか、
ある意味で、話をするのが怖いというか。▼
……私は、ずっと彼らに
見当違いの憎悪を向けてきたのですから。▼
- [ディミトリ]
- いや、それは、6年前にお前と
話をしておかなかった俺の責任だ。▼
事件の全容もよくわかっていないのに、
皆を混乱させるべきではないと躊躇って……▼
……それで、こうしてお前につらい
思いをさせては、本末転倒だというのにな。▼
- [イングリット]
- 6年前は多くの騎士が城を追われ、
荒れた王都に望んで出向く者はいなかった。▼
例外は、ロドリグ殿ぐらいでしょう。
私も父にとめられていましたし……。▼
- [ディミトリ]
- だが、話す機会ならば作れたはずだ。
それこそ、士官学校にいた頃にでも。▼
- [イングリット]
- ……もし話していただいていたとしても、
私には受け入れられなかったと思います。▼
救いようのない悪者がいて、グレンは
彼らから陛下を守って死んだのだと……▼
そう思っていないと、あの頃の私は
きっと正気ではいられなかった。▼
- [ディミトリ]
- ……そうか、俺と、同じだな。▼
だが蓋を開けてみれば、自分の身内をはじめ
多くの人間が関わっていたのだから……▼
結局、現実と折り合いをつけて
生きていかねばならないのだと思ったよ。
- [イングリット]
- 仰るとおりですね。
私も、目の前の現実を受け入れなくては。▼
ダスカーの民は今や、共に戦う仲間です。
いつまでも距離を取ってはいられません。▼
- [ディミトリ]
- ……助けになるかはわからないが、
お前を連れていきたいところがある。▼
先ほど俺が話していた戦士長の父君が、
昨年、この近くで宿場を開いてな。▼
どの料理も……手が込んでいて上等だ。
もしよければ、一緒に行ってみないか。▼
もちろん、まだ気が引けるというのなら
無理にとは言わないが……▼
- [イングリット]
- ……いえ!
ぜひ、同行させてください。▼
情けない話ですが、私一人ではきっと
足を向けるのも躊躇っていたと思います。▼
けれどあなたとならば……恐れずに、
一歩を踏み出せるような気がするのです。▼
- [ディミトリ]
- そうか。よし、では善は急げだ。
今日は俺におごらせてくれ、イングリット。▼
ロドリグ†
支援C†
(※支援会話なし)
支援B†
- [ロドリグ]
- 陛下……おや、武器の手入れですか。
邪魔をしてしまいましたかな。▼
- [ディミトリ]
- いや、先ほど一段落したところだ。
何か用か、ロドリグ?▼
- [ロドリグ]
- ええ、先日ゴーティエ領に赴いた際、
マティアスの奴からこれを預かりまして。▼
- (剣)
- [ディミトリ]
- 辺境伯から? この剣は……。▼
- [ロドリグ]
- ランベールに借りたまま、
すっかり忘れていたそうで。▼
30年も前に借りた剣を、子供の代になって
返すとは、あいつもとんだ無精者ですよ。▼
- [ディミトリ]
- 30年前というと、お前たちが士官学校に
いた頃か。どんな経緯があったんだ。▼
- [ロドリグ]
- あれは私たち3人を含めた学級の皆で、
賊討伐の課題に赴いた時……▼
私がうっかり突出してしまい、仲間と
敵陣に取り残されたことがありましてね。▼
救援に行くか否かを巡って、あの2人は
戦場で掴み合いの喧嘩を始めたそうです。▼
- [ディミトリ]
- ……少し意外だな。
父上はともかく、あの辺境伯までか。▼
- [ロドリグ]
- あいつも昔は血の気の多い男でしたし、
何より引き下がれなかったのでしょう。▼
物資が尽きかけているのだから、
教団の救援を待てというマティアスと……▼
独りでも救援に向かおうとするランベールの
喧嘩がどうなったかは、私も知りません。▼
ただ結局、ランベールとマティアスは2人で
敵陣を突破し、我々のところに現れました。▼
- [ディミトリ]
- 父上も猪突猛進というか何というか……
若い頃だけあって、青かったのだな。▼
- [ロドリグ]
- 戦いの最中、槍を折られたマティアスに
ランベールが貸してやった剣がこれだとか。▼
何となく返す気を失ったまま30年も
経ってしまうとは、と笑っていましたよ。▼
- [ディミトリ]
- いや、辺境伯のことだ。本当に、
30年も忘れていたわけではないだろう。▼
- [ロドリグ]
- ……かもしれませんね。
これはあくまで私の想像ですが……▼
陛下が王位について国が回り出し、
ようやくあいつの死を過去にできた、とか。▼
- [ディミトリ]
- ……なるほどな。とにかく、辺境伯には
確かに受け取ったと伝えておこう。▼
しかし話を聞くに、昔から父上は仲間を
失うのが我慢ならない性質だたのだな。▼
……仲間が傷つくのを承知で戦いを始めた
俺を、父上は愚かだと笑うだろうか。▼
- [ロドリグ]
- それは難しい質問ですね。
仲間想いな方だったのは確かですが……▼
民を見守り続けてくれた教団を見捨てるのも
きっと躊躇ったと思いますよ。▼
- [ディミトリ]
- ……ロドリグ、父をよく知るお前に。
改めて頼みたい。▼
もし俺が、父上に恥じねばならないような
行いをした時には……▼
- [ロドリグ]
- 命を懸けて、お止めしますよ。
それはあいつとの約束でもありますから。▼
- [ディミトリ]
- ……ありがとう。▼
支援A†
- [ディミトリ]
- ……ロドリグ、少しいいだろうか。
お前にききたいことがあってな。▼
- [ロドリグ]
- もちろん、陛下のご要望とあらば。
聞きたい事というのは?▼
- [ディミトリ]
- 俺は……お前の話が聞きたい。▼
- [ロドリグ]
- 私の話、ですか。▼
- [ディミトリ]
- ずっと聞けなかったが……聞かせてほしい。
お前は父上が死んだ時、どう思った?▼
- [ロドリグ]
- ランベールが死んだ時、ですか。
まあ、にわかには信じられませんでしたね。▼
時間が経てば経つほど、あいつの死が
現実なのだと思い知らされたものです。▼
ですが私には「約束」がありましたから。
それを粛々と果たそう、と思いましたよ。▼
- [ディミトリ]
- ならば仮に俺がダスカーで、父上やグレンと
諸共に死んでいたら、お前はどうした?▼
- [ロドリグ]
- ………………。▼
- [ディミトリ]
- お前が父上を懐かしむ顔を見る度、
どうしても脳裏を過る考えがあるんだ。▼
お前は父上と共に生き、
共に死にたかったのではないか、と。▼
- [ロドリグ]
- ……ふふ、考え過ぎですよ、陛下。
私はこう見えて結構強かな人間なのです。▼
陛下が亡くなられていたとしても、
死にたいとまでは思わなかったでしょう。▼
ただ……あいつとの約束のために死ぬなら、
満足だろうなと思うことはありますね。▼
- [ディミトリ]
- それは、俺が許さない。お前を、
そんな約束のために奪われてたまるか。▼
お前を失うのは、俺にとってもう一度
自分の父親を失うようなものだし……▼
……もしも自分のせいでお前が死んだら、
俺は、きっと冷静なままではいられない。▼
- [ロドリグ]
- そんなことを仰いながら、陛下こそ
ご自分の命を顧みないじゃありませんか。▼
臣下は、主君に倣って生きるものです。
陛下がご自分の命を大事にすべきかと。▼
- [ディミトリ]
- ……道理だな。返す言葉もない。▼
- [ロドリグ]
- くく……いや、すみません。少しばかり
意地の悪い説教をしてしまいましたな。▼
陛下があまりにも、ランベールと
同じようなことを仰るから、つい……▼
……ずっとあいつにぶつけたかった言葉を、
息子のあなたにぶつけてしまいました。▼
ははは、これではマティアスの奴を
無精者だと笑えませんなあ。▼
- [ディミトリ]
- 父上と同じこと……?▼
- [ロドリグ]
- ほら、以前、私が馬鹿をやって
窮地に陥った時の話をしたでしょう?▼
あいつは敵陣を突破してきて開口一番、
「自分の命を粗末にするな」と言った。▼
全身に傷を作った男にそう言われても、
説得力がないにもほどがあるでしょう?▼
- [ディミトリ]
- ……ふふ、確かにそうだ。▼
お前たちは本当に、良い友人同士
だったのだな。父上が羨ましいくらいだ。▼
- [ロドリグ]
- はは、そんな事を言ってはうちの倅が
悔しがりますよ。俺は貴様の何だ、ってね。▼
……さて、私の話はこれまでにしましょう。
次はマティアスの昔話でもどうです?▼
《シルヴァンが生存》
- [ディミトリ]
- それは楽しそうだな。折角の機会だ、
シルヴァンたちにも声をかけてくるよ。▼
《シルヴァンが死亡》
- [ディミトリ]
- それは楽しそうだな。
ぜひとも聞かせてくれ、ロドリグ。▼
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Last-modified: 2024-01-06 (土) 12:48:34