戦後すぐにミッテルフランク歌劇団に復帰したドロテアは、その再興に尽力した。
やがて歌劇団が活気を取り戻すと、彼女は再び歌姫の座を後進に譲り、表舞台から姿を消してしまう。
名もなき愛しき人と出会い、ひっそりと穏やかに暮らしたのだという。
(称号なし)
ガルグ=マクの戦いののち、歌劇団と共に遠方へ疎開。約束の日の合流は叶わなかった。
ベレトとドロテアのささやかな婚儀が開催されたのも束の間、再び“闇に蠢く者”との戦いが始まる。
しかしドロテアは自ら戦場に立って武器を振るうようなことはせず、フォドラに真の平和をもたらすべく転戦する伴侶の心の支えとなり、家庭を守ってその帰りを待ったという。
のちに発見された彼らの日記には、多くの子を育み、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
ベレトは、セイロス聖教会の大司教の座に就くと同時に、ドロテアを伴侶にすると発表した。
以降ドロテアが公的な場に姿を現すことはなかったが、フォドラの復興と教団の再建に尽力する大司教の家庭を守り、時に孤児という出自ならではの視点で、貴重な助言を伴侶に送ったという。
のちに発見された彼らの日記には、多くの子を育み、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
ベレトは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、ドロテアを伴侶にすると発表した。
以降ドロテアが公的な場に姿を現すことはなかったが、フォドラ全土の復興に尽力する新王の家庭を守り、時に孤児という出自ならではの視点で、貴重な助言を伴侶に送ったという。
のちに発見された彼らの日記には、多くの子を育み、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
ベレスとドロテアのささやかな婚儀が開催されたのも束の間、再び“闇に蠢く者”との戦いが始まる。
しかしドロテアは自ら戦場に立って武器を振るうようなことはせず、フォドラに真の平和をもたらすべく転戦する伴侶の心の支えとなり、家庭を守ってその帰りを待ったという。
のちに発見された彼らの日記には、多くの子を引き取り、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
ベレスは、セイロス聖教会の大司教の座に就くと同時に、ドロテアを伴侶にすると発表した。 以降ドロテアが公的な場に姿を現すことはなかったが、フォドラの復興と教団の再建に尽力する大司教の家庭を守り、時に孤児という出自ならではの視点で、貴重な助言を伴侶に送ったという。 のちに発見された彼らの日記には、多くの子を引き取り、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
ベレスは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、ドロテアを伴侶にすると発表した。
以降ドロテアが公的な場に姿を現すことはなかったが、フォドラ全土の復興に尽力する新王の家庭を守り、時に孤児という出自ならではの視点で、貴重な助言を伴侶に送ったという。
のちに発見された彼らの日記には、多くの子を引き取り、最期まで幸せに暮らした二人の様子が記されていたほか、互いに贈り合ったと思われる愛の詩がたくさん残されており、それらは詩集として世に出ることになった。
新生アドラステア帝国の皇帝エーデルガルトの本格的な知性の到来と共に、アンヴァルにある歌劇場で、一つの歌劇が幕を開けた。
皇帝として生涯をフォドラの統治に捧げるであろう彼女と、彼女を支えた元士官学校の教師や仲間らを描いた熱き戦争劇である。
主演はミッテルフランク歌劇団の歌姫に返り咲いたドロテア。
当初エーデルガルトによって上演禁止が言い渡されたが、周囲の説得でどうにか勅命は撤回された。
以降、ドロテアは愛しき皇帝のために熱演し、エーデルガルトは政務の間を縫って劇場に通ったという。
ヒューベルトは皇帝エーデルガルトの懐刀として、帝国のために辣腕を振るった。
そんな彼は戦後、足繁く通うようになった場所がある。ドロテアが歌姫として復帰したミッテルフランク歌劇団の上演であった。
歌劇団は、戦災からの復興や慰安のためフォドラの各地で活動し、収益の大半を援助に費やした。
彼らは民に歓迎され、その名声は以前よりも遥かに高まったが、歌劇団がヒューベルトとドロテアの協力により、
帝国を裏から支える諜報機関を兼ねていたことが明らかになるのは、遠い未来のことである。
フェルディナントは正式にエーギル公爵位を継ぐと、領内の改革に着手。
平民に寄り添ったその政治手法により、エーギル公爵領は瞬く間に復興を遂げる。
その裏には、平民から公爵夫人となった美しき元歌姫、ドロテアの多大な活躍があったという。
その功績をもって宰相の地位に上ったフェルディナントは、皇帝エーデルガルトの右腕として帝国全土の改革にも駆り出されるが、仕事に追われながらも、家族との時間を大事にしたという。
ドロテアとの間に子を育み、彼らの家庭には常に明るい歌声が響いた。
フェルディナントはエーギル公爵位を取り戻すと、領内の改革に着手。平民に寄り添ったその政治手法により、エーギル公爵領は瞬く間に復興を遂げる。その裏には、平民から公爵夫人となった美しき元歌姫、ドロテアの多大な活躍があったという。
その功績によりフォドラ全土の統治に携わることになったフェルディナントだが、仕事に追われながらも、家族との時間を大事にしたという。ドロテアとの間に子を育み、彼らの家庭には常に明るい歌声が響いた。
リンハルトは戦後、へヴリング伯爵位の継承を決意。
今まで一切触れてこなかった領内の把握に努め、領地経営を学び出した。
そして数年後、ドロテアを妻に迎えると同時に爵位を継ぐことになる。
リンハルトはどうにか領主の役目を果たしながらも、様々な研究を進め、何やらよくわからない研究成果は、
ドロテアの手によって庶民の役に立つ技術や発明に生まれ変わった。
彼ら夫婦のやり方は、今までの貴族の手法とはまったく異なるものだったが、二人は笑って言ったという。
「過去は関係ない」と。
カスパルは戦争での功績が認められ、新生アドラステア帝国の軍務卿となる。
軍の全権を委任された彼は、度々暴走しながらも、よく軍をまとめ、数々の難事件を解決に導いた。
そんな彼が、遠征後から戻るたびに必ず向かう場所があった。
ドロテアの家である。
ドロテアは戦後すぐにミッテルフランク歌劇団に復帰し、その再建に尽力していた。
やがて歌劇団が活気を取り戻すと、彼女は歌姫の座を後進に譲り、再び表舞台から姿を消す。
以後、二人は命が尽きるその時まで共に暮らしたというが、それを示す証は何もない。
カスパルは戦後、身一つで放浪の旅に出た。フォドラ各地を巡り、時にはフォドラの外へも足を延ばした。
行く先々で数々の笑い話を残した彼であったが、旅が終わると必ずアンヴァルに戻り、そこに住むドロテアの家を訪ねたという。
ドロテアは戦後すぐにミッテルフランク歌劇団に復帰し、その再建に尽力していた。
やがて歌劇団が活気を取り戻すと、彼女は歌姫の座を後進に譲り、再び表舞台から姿を消す。
以後、二人は命が尽きるその時まで共に暮らしたというが、それを示す証は何もない。
故郷のブリギット諸島に戻ったペトラは、祖父から王位を継ぐと、フォドラへの従属状態の解消を宣言。フォドラと友好的に交流すべく、動き出す。その架け橋となったのが、ペトラに付いてブリギットに渡っていたドロテアであった。
彼女は歌劇団の頃の伝手を活かして、嫌悪する貴族との渉外も厭わず、身を粉にして働いた。すべてはペトラただ一人のためであったが、彼女はやがてブリギットの人々に受け入れられ、ペトラの最も愛しい人として知られるようになったという。
フェリクスは、亡父ロドリグの跡を継いでフラルダリウス公爵位に叙されると、ドロテアと結婚。二人は共に暮らし始める。
フラルダリウス領が復興を遂げた後も、フェリクスは王の腹心として、西へ東へ各地を奔走した。ドロテアは、そんなフェリクスの行く先へ共に赴き、時には剣を手に、夫と並び立って戦うこともあったという。
そうして二人が打ち立てた武勇伝の数々は、後の世に歌劇として残った。その曲を作り、詩を書いたのは、他でもないドロテア自身であったと伝わっている。
終戦後もフォドラ各地では小競り合いが続いていた。戦いの場が残っていると知ったフェリクスは、貴族の身分を捨て、剣一本で身を立てる道を選ぶ。
それから数年、各地を転戦していたフェリクスは、ふらりと立ち寄ったアンヴァルで、歌劇団の歌姫として復帰していたドロテアとの再会を果たした。
それからというもの、フェリクスは流れの傭兵として旅を続けながらも、度々彼女の公演に顔を出すようになった。
ドロテアもまた、フェリクスの姿を客席に見れば、ただ一人彼のために歌ったという。
士官学校時代から数えて数十度目の求婚にして、シルヴァンはついにドロテアと結婚。
その後、シルヴァンはゴーティエ辺境伯として、スレン族との関係改善に着手。
遺産や紋章を必要としない平和な時代を、その弁舌のみで築き、名領主として後世に名を残す。
そしてドロテアは、夫の理想を現実のものとすべく、陰日向に彼を支えた。
「年老いて死ぬまで、一緒にいてほしい」
結婚を申し込む際、シルヴァンはそう言ったという。
そしてその言葉のとおり、彼らは最期の日まで共に笑い、共に生きた。
グロスタール家の新たな当主となったローレンツは、しばらく自領の復興に注力した後、フォドラ全土の統治にも精力的に携わるようになった。
優秀な政治家としての評価を得た彼は、突如自身の婚姻を発表する。
その相手とは、ミッテルフランク歌劇団の歌姫として復帰していたドロテアだった。
今を時めく二人の結婚は、たちまち人々の話題をさらい、フォドラ中が祝福と憧憬の渦に呑まれた。
特にドロテアの美しさは歌姫時代から更に磨きがかかったと噂され、フォドラ中の若い女性の憧れとなったという。
フォドラの形が変わっても、ハンネマンのやるべきことは変わらなかった。紋章の仕組みを解明し、紋章による社会の不平等を解消する。やがて彼の研究は実を結び、紋章を持たずとも同等の力を使える「魔道具」を発明。紋章学の父は、魔道具の父になった。
ハンネマンは本来の意味でも父になったが、彼が歌姫のドロテアと結ばれ、多くの子をもうけて温かな家庭を築いたことは、驚くほど知られていない。それは、彼が研究に集中できることを願い、世間に波風を立てないよう彼女が努力した結果なのかもしれない。
存続の危機に合ったミッテルフランク歌劇団は、マヌエラとドロテア、二人の歌姫を擁して瞬く間に再建された。
彼らは戦後の復興に立ち上がると、フォドラ各地の街を巡りながら、歌劇で人々を慰撫すると共に、その収益を使って復興事業を支援する。
時には陣頭に立って作業を手伝うこともあったという。
やがて戦争の爪痕が薄らいでくると、立役者となった二人は歌劇団から姿を消した。
一緒の舞台に立つという夢を叶えた彼らは、残る人生を互いのためだけに紡いでいく。
その生は、きっと輝いていたことだろう。
終戦後の混沌とする世に、ある新たな歌劇団が産声を上げた。元歌姫・ドロテアを旗頭に立ち上げられた、小さな歌劇団である。
貧しい者からも富める者からも平等に、才ある団員を募ったその歌劇団は、着実に実力を世間に示し、十数年後にはミッテルフランク歌劇団に比肩するまでに成長を遂げた。演目の中で最も高い人気を誇ったのは、歌劇団の草創期を描いた『ドロテアとユーリス』である。夢を失った歌姫と、大望を抱いた青年が出会い、恋に落ち、共に再起を果たす物語は人々に長く愛されることとなった。