カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、レアが大司教の座を降りて隠棲するのに付き従った。
レアを守る、ただそれだけのために生きた。
“雷霆”を手放すことはなかったが、彼女の古い異名は失われ、新たにこう呼ばれるようになる……“赤き谷の守り手”と。
カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、“雷霆”を携えてフォドラを旅するようになる。
各地で弱者を守り、悪を成敗して回った彼女は、やがて“自由騎士”の称号を贈られる。
人々に愛され、讃えられる自由な剣が、そこにはあった。
(称号なし)
ガルグ=マクの戦いののち、レアの行方を探索。帝都へと潜入後、敵に発見されて戦死。
ベレトは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、カトリーヌとの婚姻を発表した。国王がフォドラ全土の復興と発展に尽力する一方、カトリーヌはその護衛として働き、武力が必要になった時には軍を率いて戦場に向かった。向かうところ敵なしの二人の活躍で、各地の賊や不穏分子は掃討され、真に平和な時代が訪れたという。
フォドラに次のような言葉が残されている。「フォドラの初代国王に2本の剣あり。1本は王の敵を討った天帝の剣であり、もう1本は王の身を守った王妃自身である」
ベレトは、レアから大司教の座を譲られると同時に、カトリーヌとの婚姻を発表した。大司教がフォドラの復興と教団の再建に尽力する一方、カトリーヌはその護衛として働き、武力が必要になった時には騎士団を率いて戦場に向かった。向かうところ敵なしの二人の活躍で、各地の賊や不穏分子は掃討され、真に平和な時代が訪れたという。
フォドラに次のような言葉が残されている。「フォドラのとある大司教に2本の剣あり。1本は彼の敵を討った天帝の剣であり、もう1本は彼の身を守った伴侶自身である」
レアが大司教の職務に復帰すると、セテスは補佐役として、カトリーヌは騎士として彼女を支え、教団の再建に心血を注いだ。
やがて教団の運営が軌道に乗り始めた頃、セテスは想いを寄せていたカトリーヌに求婚する。
生涯、ただレアのためだけに生きるつもりでいたカトリーヌは、セテスへの返事を躊躇うが、そんな彼女の背中を押したのは、他でもない大司教レアだった。
二人は皆の祝福を受けながら賑やかな婚儀を催すと、良き夫婦として新たな時代を歩んでいったという。
戦後、セテスは想いを寄せていたカトリーヌに求婚したが、カトリーヌは隠棲するレアに付き従うことを理由に拒絶、大修道院を去っていった。その後もセテスは、忙しい職務の合間にカトリーヌに手紙を送り続けたが、彼女からの返信はいつも「レアの側を離れる気はない」というものだったようである。
やがて教団の再建に目処がつくと、セテスは職務を辞して赤き谷に移り住む。そこはレアの隠棲先だった。拒否する理由のなくなったカトリーヌは、ついに結婚を承諾。レアの祝福を受けて幸せに暮らしたという。
戦後、セテスは想いを寄せていたカトリーヌに求婚したが、カトリーヌはレア不在の教団に留まることを拒みに、大修道院を去っていった。その後もセテスは、忙しい職務の合間にカトリーヌに手紙を送り続けたが、彼女からの返信はいつも「大修道院に戻る気はない」というものだったようである。
やがて教団の再建に目処がつくと、セテスは職務を辞してカトリーヌの元を訪ねた。拒否する理由のなくなったカトリーヌは、ついに結婚を承諾。レアのいない新しい時代を二人で歩むことを誓ったのだった。
アロイスは正式にセイロス騎士団の団長に就任する。
カトリーヌもまた、セイロス騎士団の一員として、アロイスと共に各地の戦場で“雷霆”を振るった。
アロイスは、大らかな性格で多くの者たちに慕われたが、その人の善さゆえに彼を陥れようとする者も少なくなかった。
状況を見かねたカトリーヌは、団長補佐を買って出ると、常にアロイスの傍らに控えて、彼を騙そうとする輩に目を光らせ、時に成敗した。
優しすぎる団長と怖すぎる団長補佐の二人はその後も騎士団を大いに盛り立てたという。
セイロス騎士団を辞めたカトリーヌとシャミアは、改めて互いを生涯の相棒と定める。
そして二人だけの気ままな旅に出たが、彼らは二人で一つであり、二人が道を違えることは二度となかった。
彼らはフォドラ各地を渡り歩き、海を越えてシャミアの故郷ダグザまで到達した。
その途上では様々な困難が立ちはだかり、あるいは自ら事件に首を突っ込んで人助けをすることもあった。
だが、カトリーヌの“雷霆”が振るわれ、シャミアの矢が放たれた後に、立っていられる敵などいなかったという。
カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、レアが大司教の座を降りて隠棲するのに付き従った。それはレアを守るためだったが、今の彼女にはもう一つ、生涯の目的があった。夫となったリンハルトの面倒を見ることである。
二人がレアと共に赤き谷で暮らすようになると、リンハルトの研究は、カトリーヌに尻に叩かれながらではあるが、思いもよらない速度で進み、とうとう完成に至る。紋章と英雄の遺産に関する彼の研究が、研究者の名が伏せられたまま世に出ると、紋章学の分野で劇的な変革が起こったという。
セイロス騎士を辞めたカトリーヌは、愛剣の“雷霆”のみを携えて、気ままな旅に出る。
行く先々で弱者を守り、悪を成敗して回った彼女は、やがて“自由騎士”の称号を贈られた。そんな彼女には奇妙な連れ合いがいた。爵位の継承権を放棄して、彼女についてきたリンハルトである。
剣を振るい強敵を打ち倒すカトリーヌと、余計な茶々を入れては惰眠を貪り、ごく稀に冴えた助言をするリンハルト。凸凹な二人の珍道中は、のちに民に愛される物語となるが、彼らが夫婦となったのかは永遠の謎である。
カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、レアが大司教の座を降りて隠棲するのに付き従った。
それはレアを守るためだったが、彼女の横には志を同じくするもう一人の戦士の姿があった。
彼女の夫となったカスパルである。
二人は赤き谷に暮らしながら、農耕や狩猟に精を出し、のどかな生活を送ったというが、その一方で更なる強さを求めて切磋琢磨し、武器を手にしない日はないほどだった。
谷には毎日のように剣の交わる音が響き、カスパルの熱い叫び声がこだましていたという。
カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、カスパルと二人、フォドラを旅するようになる。
各地で弱者を守り、悪を成敗して回った彼らは、やがて“自由騎士”の称号を贈られるまでになった。
“雷霆のカトリーヌ”と“灼熱のカスパル”の名は人々の間に広く知れ渡り、二人の生涯は、のちに民に愛される物語となる。
「この雷霆が目に入らねえかあ!」 「アンタのじゃないだろ」という、物語で繰り返されるお決まりのやり取りは、遥か後世の時代にまで残り続けるのであった。
ファーガス神聖王国の王位に就いたディミトリが、カトリーヌとの婚約を発表したのは、戦争の終結から2年後のことだった。
婚約に至るまでの過程には諸説あり、ディミトリがカトリーヌを2年かけて口説き落とした、はたまたディミトリがカトリーヌを剣の試合で打ち負かし婚約を勝ち取った、などと言われているが、真偽は定かではない。
結婚後、二人は手を携えてファーガスの復興と発展に尽くした。だが、政務に追われる多忙な日々の中にあっても、王城には二人の剣を交わす音が、高らかに響いていたという。
アッシュは騎士の位に叙され、ガスパール家の家督相続を認められた。一方でカトリーヌはセイロス騎士を辞し、大司教の座を退いたレアと共に、赤き谷で暮らすようになる。
ある若く賢明な城主の噂がカトリーヌの耳に届き始めた頃、一人の青年が彼女を尋ねて赤き谷に現れる。今や立派なガスパール城主へと成長したアッシュであった。彼はカトリーヌの前に跪き、結婚を申し込んだ。
カトリーヌは躊躇するが、他ならぬレアの後押しもあって結婚を承諾。赤き谷を旅立ち、アッシュと共に歩み始める。
戦後、アッシュは騎士の位に叙され、後継者のいなかったガスパール家の家督相続を認められた。彼はセイロス騎士団を辞したカトリーヌに結婚を申し込むが、彼女は領民の心情を思えばこそ無理な相談だと拒絶する。
アッシュはカトリーヌへの想いを捨てきれず執念とも呼べる情熱を傾け、セイロス聖教会の協力を得て西方教会の陰謀と真実を暴く。
彼の情熱に根負けし、カトリーヌはとうとうアッシュと結婚。ガスパール領の民は初めこそ戸惑ったが、カトリーヌの気さくな人柄を見て、徐々に彼女を受け入れていった。
ローレンツは、グロスタール家の新たな当主として自領の復興に尽力、その功績をもってフォドラ全土の統治にも携わるようになり、特に平民に配慮した政策で大いに功績を上げた。政治家としての名声を得たローレンツは突如、自身の婚姻を発表。その相手とは、元セイロス騎士団の聖騎士カトリーヌだった。
カトリーヌは、レアの隠棲先である赤き谷で静かに暮らしていたが、ローレンツの熱烈な求婚を受けて根負け。レアの後押しもあり、グロスタール夫人となったが、レアを気に掛ける姿勢は生涯変わらなかったという。
ローレンツは、グロスタール家の新たな当主として自領の復興に尽力、その功績をもってフォドラ全土の統治にも携わるようになり、特に平民に配慮した政策で大いに功績を上げた。政治家としての名声を得たローレンツは突如、自身の婚姻を発表。その相手とは、元セイロス騎士団の聖騎士カトリーヌだった。
カトリーヌは、ガルグ=マクを出て自由を謳歌していたが、ローレンツの熱烈な求婚を受けて根負け。グロスタール夫人として貴族の身分に復帰したが、飾らない姿勢は生涯変わらず、社交界よりも街の酒場を愛したという。