リンハルトは爵位の継承権を放棄し、領地を出てガルグ=マク大修道院に居着くと、紋章学の研究を進めたり、釣りをしたり、悠々自適の生活を送った。
彼の部屋には紋章学上の途轍もない大発見が埋もれていたが、彼の存命中に世に出ることは、ついになかった。
(称号なし)
ガルグ=マクの戦いののち、帝国を出奔して姿を消す。約束の日の合流は叶わなかった。
ベレトとリンハルトはフォドラを覆った戦乱の終焉を喜んだが、彼らに昼寝の時間は与えられなかった。
すぐに“闇に蠢く者”との戦いが始まり、領地を出奔したリンハルトは愛する者と二人でフォドラに真の平和をもたらすべく転戦する。
彼は昼寝をして暮らせる世の実現のため、望まぬ戦いと血の日々に身を置いた。
二人でくだらない話をしていれば、どんな苦境も乗り越えられると信じて。
すべてが決着したのち表舞台から姿を消した二人が、どれほど幸せな時間を送ったかは語るまでもないだろう。
ベレトは、セイロス聖教会の大司教の座に就くと同時に、リンハルトを伴侶にすると発表した。
彼は爵位の継承権を放棄し、大司教の教団運営への協力に専念……することもなく、紋章学の研究を進めたり、釣りをしたりと、悠々自適の生活を送る。
しかし大司教が彼の部屋に埋もれていた紋章学の途轍もない大発見を見つけたのを機に彼は歴史の表舞台に引っ張り出され、聖教会の知恵袋として働かされるようになる。
彼がその対価として要求したのは、大司教と二人きりでの長い昼寝の時間だったという。
ベレトは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、リンハルトを伴侶にすると発表した。
彼は新王の配偶者として、献身的にフォドラの復興と発展を支え……ることもなく、紋章学の研究を進めたり、釣りをしたりと、悠々自適の生活を送る。
しかし新王が彼の部屋に埋もれていた紋章学の途轍もない大発見を見つけたのを機に、彼は歴史の表舞台に引っ張り出され、統一王国の知恵袋として働かされるようになる。
彼がその対価として要求したのは、新王と二人きりでの長い昼寝の時間だったという。
ベレスとリンハルトはフォドラを覆った戦乱の終焉を喜んだが、彼らに昼寝の時間は与えられなかった。
すぐに“闇に蠢く者”との戦いが始まり、領地を出奔したリンハルトは愛する者と二人でフォドラに真の平和をもたらすべく転戦する。
彼は昼寝をして暮らせる世の実現のため、望まぬ戦いと血の日々に身を置いた。
二人でくだらない話をしていれば、どんな苦境も乗り越えられると信じて。
すべてが決着したのち表舞台から姿を消した二人が、どれほど幸せな時間を送ったかは語るまでもないだろう。
ベレスは、セイロス聖教会の大司教の座に就くと同時に、リンハルトを伴侶にすると発表した。
彼は爵位の継承権を放棄し、大司教の教団運営への協力に専念……することもなく、紋章学の研究を進めたり、釣りをしたりと、悠々自適の生活を送る。
しかし大司教が彼の部屋に埋もれていた紋章学の途轍もない大発見を見つけたのを機に彼は歴史の表舞台に引っ張り出され、聖教会の知恵袋として働かされるようになる。
彼がその対価として要求したのは、大司教と二人きりでの長い昼寝の時間だったという。
ベレスは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、リンハルトを伴侶にすると発表した。
彼は新王の配偶者として、献身的にフォドラの復興と発展を支え……ることもなく、紋章学の研究を進めたり、釣りをしたりと、悠々自適の生活を送る。
しかし新王が彼の部屋に埋もれていた紋章学の途轍もない大発見を見つけたのを機に彼は歴史の表舞台に引っ張り出され、統一王国の知恵袋として働かされるようになる。
彼がその対価として要求したのは、新王と二人きりでの長い昼寝の時間だったという。
エーデルガルトは新生アドラステア帝国の皇帝として、生涯をフォドラの統治に捧げた。
身分制度を変革し、人々が自立した社会を実現するため、骨身を惜しまず働く彼女だったが、時折どこへと言わず姿を消した。
行き先は紋章学の第一人者となったリンハルトの研究施設であったという。
爵位と領地を返上した彼は、悠々自適な生活を送りながら研究を進めていた。
エーデルガルトはその成果を確認し、束の間の余暇を楽しむ。
それは多忙を極める彼女にとってはかけがえのない時間であり、彼にとっても至福の時であった。
爵位の継承権を放棄したリンハルトと、家を身一つで飛び出したカスパル。
二人は戦後、気ままな放浪の旅に出る。
フォドラ各地を巡り、時にはフォドラの外へも足を延ばした。
カスパルが行く先々で事件に首を突っ込んでは問題を起こして回り、その後始末をリンハルトが面倒臭がりながらする。
そんな二人の冒険と笑いと眠気に満ちた道中の記録は、誰が書いたのか「千路七海旅行記」として世に出ることになる。
千の道を行き、七つの海を越えた彼らが終の住処をどこに定めたのか、それだけは記されていない。
戦後、リンハルトとベルナデッタは共に爵位の継承権を放棄。二人して領地を出奔する。
事実上の駆け落ちとなったこの出来事は、世間にささやかな騒ぎを巻き起こしたが、当事者たちはどこ吹く風、ガルグ=マク大修道院に居着いて、悠々自適な生活を送っていた。
帝国の管理下で教団の変革と再建が進むと、大修道院でも士官学校が再開。奇妙奇天烈な夫婦の教師が教鞭を執ることになる。
片方は眠りながら歩き、食べ、本を読む教師で、もう片方は講義以外の場には一切姿を見せない引き籠もり教師だったという。
戦後、リンハルトとベルナデッタは共に爵位の継承権を放棄。二人して領地を出奔する。
事実上の駆け落ちとなったこの出来事は、世間にささやかな騒ぎを巻き起こしたが、当事者たちはどこ吹く風、ガルグ=マク大修道院に居着いて、誰にも邪魔されない悠々自適な生活を、二人きりで送っていた。
大修道院の再建が進み、士官学校が再開されると、奇妙奇天烈な夫婦の教師の存在が明らかになる。
片方は眠りながら歩き、食べ、本を読む教師で、もう片方は講義以外では一切姿を見せない引き籠もり教師だったという。
リンハルトは戦後、へヴリング伯爵位の継承を決意。
今まで一切触れてこなかった領内の把握に努め、領地経営を学び出した。
そして数年後、ドロテアを妻に迎えると同時に爵位を継ぐことになる。
リンハルトはどうにか領主の役目を果たしながらも、様々な研究を進め、何やらよくわからない研究成果は、
ドロテアの手によって庶民の役に立つ技術や発明に生まれ変わった。
彼ら夫婦のやり方は、今までの貴族の手法とはまったく異なるものだったが、二人は笑って言ったという。
「過去は関係ない」と。
故郷のブリギット諸島に戻ったペトラは、祖父から王位を継ぐと、フォドラへの従属状態の解消を宣言。
フォドラを手本とした産業の導入と、優れた外交策で一気に国力を増していく。
その急速な発展はフォドラの指導者たちを驚かせたが、その理由を調査させたところ、意外な事実が判明する。
それは、元帝国貴族のリンハルトが女王ペトラの婿となり、ブリギットの統治に知恵を貸しているというものだった。
二人の相性は極めて良かったようで、夫婦としても多くの子をなし、幸せな家庭を築いたという。
戦後、閉校していた士官学校が再開されると爵位の継承権を放棄したリンハルトと、その妻アネットは、共に教師として働き始めた。
精力的に生徒たちの指導にあたるアネットに対して、リンハルトは紋章学の研究に日夜没頭し、講義の最中に眠ってしまうことも一度や二度の話ではなかったという。
初めこそアネットは夫の生活習慣を正そうと奮闘するが、次第に、眠っているリンハルトを起こすこと自体に楽しみを見出し始める。
そしてリンハルトもまた、彼女と送る騒がしくも愉快な日々を楽しんでいたようだ。
リンハルトは、リシテアの短命を救うべく宿した紋章を消し去る研究を続けていたが、確かな結論を出せぬまま戦争は終結を迎えた。
リシテアは父母の待つコーデリア家に戻らねばならず、リンハルトにこれまでの感謝と別れを告げて大修道院を退去する。
しかし諦めるつもりのないリンハルトは身辺整理を済ませると、コーデリア家に押しかけて研究続行を宣言。
数年を費やして、ついにリシテアの体から紋章を消すことに成功する。
これを契機に二人はようやく結婚、共に爵位を返上して平民となり、幸せな家庭を築いたという。
自領に戻ったマリアンヌは、義父から才能を認められ、次期領主として再教育を受けていた。
一方、リンハルトは身辺整理を済ませると、エドマンド辺境伯領に移り住み、紋章の研究を再開。
彼の非凡さを気に入ったエドマンド辺境伯はマリアンヌとの婚姻を認め、研究の支援を約束した。
のちに彼はリンハルトに家を継がせようともしたが、激しく拒絶されたため、マリアンヌが爵位を継承。
リンハルトが生み出す様々な研究成果はマリアンヌによって領内のあらゆる産業に還元され、人々の暮らしを豊かにしたという。
戦後まもなくフレンはガルグ=マクから姿を消し、同時期にリンハルトもヘヴリング伯爵位の継承権を放棄して領地を出奔した。
二人の行方はようとして知れなかったが、それから十数年後、再建された士官学校に一人の少女が入学する。
いつも眠そうで、どこか古風な装いの彼女は、セスリーンの大紋章を宿していた。
そして次の年も、そのまた次の年も、セスリーンの大紋章を宿す少年少女が続々と入学。
姉妹兄弟であろう彼らの存在は紋章学者たちの注目を集めたが、彼らの素性が公表されることはなかったようである。
カトリーヌはセイロス騎士を辞めると、レアが大司教の座を降りて隠棲するのに付き従った。それはレアを守るためだったが、今の彼女にはもう一つ、生涯の目的があった。夫となったリンハルトの面倒を見ることである。
二人がレアと共に赤き谷で暮らすようになると、リンハルトの研究は、カトリーヌに尻に叩かれながらではあるが、思いもよらない速度で進み、とうとう完成に至る。紋章と英雄の遺産に関する彼の研究が、研究者の名が伏せられたまま世に出ると、紋章学の分野で劇的な変革が起こったという。
セイロス騎士を辞めたカトリーヌは、愛剣の“雷霆”のみを携えて、気ままな旅に出る。
行く先々で弱者を守り、悪を成敗して回った彼女は、やがて“自由騎士”の称号を贈られた。そんな彼女には奇妙な連れ合いがいた。爵位の継承権を放棄して、彼女についてきたリンハルトである。
剣を振るい強敵を打ち倒すカトリーヌと、余計な茶々を入れては惰眠を貪り、ごく稀に冴えた助言をするリンハルト。凸凹な二人の珍道中は、のちに民に愛される物語となるが、彼らが夫婦となったのかは永遠の謎である。
戦後、爵位を返上したリンハルトを伴って、ハピは聖ティモテの隠れ里に戻る。そこには彼女が里を出る前と変わらぬ景色が広がっていた。突然の来訪者に里は一時騒然となったが、ハピだとわかると平穏を取り戻した。
リンハルトはガルグ=マクの地下深くで発見した文献と、里にあった聖ティモテ自身が遺したらしき手記から、ハピの持つ力の解明に挑む。里の住人は彼を警戒したが、どこ吹く風で研究を続け、あっさりと成功。その速さに仰天したハピではあったが、残りの一生をリンハルトと共に気ままに過ごしたという。