自領に戻ったマリアンヌは、フォドラの危機を救った英雄として領民から熱烈に迎えられた。
義父も彼女の才能を認めて次期領主として再教育。
武器よりも言葉こそが力となる、という義父の薫陶を受けた彼女は、フォドラ屈指の弁論家へと変貌を遂げることになる。
(称号なし)
ガルグ=マクの戦いののち、馬一頭と共に消息を絶つ。約束の日の合流は叶わなかった。
ベレトは、フォドラ統一王国の初代王座に就くと同時に、マリアンヌとの婚約を発表した。
いったん自領に戻ったマリアンヌは婚礼に向けた準備を進める一方、やり手の義父から領内経営や交渉術を積極的に学び、埋もれていた才能を開花させていく。
翌年、大樹の節を待ってマリアンヌが王宮に戻ると、盛大な婚礼の儀が催された。
以後、復興を遂げたフォドラは目覚ましい発展を遂げていくことになるが、稀代の名君と称される王の陰で、やり手の王妃が辣腕を振るっていたことは、あまり知られていない。
ベレトとマリアンヌの婚儀が和やかに催されたのも束の間、アドラステア帝国軍と共に再び“闇に蠢く者”との戦いが始まる。
フォドラに真の平和をもたらすために二人は戦い抜き、やがて戦乱は収束した。
帝国軍を離れた彼らは、エドマンド辺境伯領にて正式に婚姻。
やり手のエドマンド辺境伯の熱血指導を受け、二人は一流の為政者へと成長する。
皇帝の許しを得てデアドラを含む旧リーガン領の一部を併呑すると、新たに国交を開いた国々との貿易を拡大。
彼らの活躍は、帝国の経済再建に大いに寄与した。
ベレトは、セイロス聖教会の大司教の座に就くと同時に、マリアンヌとの婚約を発表した。いったん自領に戻ったマリアンヌは婚礼に向けた準備を進める一方、やり手の義父から領内経営や交渉術を積極的に学び、埋もれていた才能を開花させていく。
翌年、大樹の節を待ってマリアンヌが大修道院に戻ると、盛大な婚儀が催された。以後、教団は王国と連携してフォドラの復興と発展に寄与していくことになるが、多大な功績を残した大司教の陰で、やり手の妻が辣腕を振るっていたことは、あまり知られていない。
共に戦った仲間に後事を託すと、クロードは故郷へと旅立った。
フォドラでは一貴族に過ぎなかった彼も、故郷パルミラに戻れば一国の王子である。
数年後、パルミラ国王が引退を表明し、クロードが王位を継承。
フォドラとの交易路を開拓しようと目論む彼は、その足掛かりとしてエドマンド辺境伯に交渉を申し入れたが、その過程でマリアンヌと再会を果たす。
美しく聡明な女性に成長していた彼女は、クロードへの協力を快諾。
以後、両国の正式な国交樹立のため奔走した二人には、自ずと愛が育まれ、結ばれることとなった。
グロスタール家の新たな当主となったローレンツは、しばらく自領の復興に注力した後、フォドラ全土の統治にも携わるようになった。
優秀な政治家としての評価を得た彼は、突如自身の婚姻を発表する。
その相手とは、エドマンド辺境伯の養女マリアンヌ。
やり手の義父から領内経営を学んでいた彼女は、ローレンツとの婚姻に伴いフォドラ全土の内政にも参画。
特に酪農の振興で大きな成果を挙げたことから、二人は“牛馬の父母”と讃えられた。
なお、ローレンツはその名で呼ばれることを喜んでいなかったともいう。
ラファエルは、地元の領主に騎士として仕えた後、宿場を開いて働いていた。
鳥と食事ができたら楽しいだろうと思いついた彼は、宿場の横にエサ台を設置して“鳥の食堂”の看板を掲げると、これが評判となり遠方からも客が訪れるようになった。
そんなある日、鳥と楽しそうに話す女性が現れる。
歩み寄るラファエルに笑顔を向けたのは、やはりマリアンヌだった。
鳥の食堂の噂を聞き、どうしても見たくなったのだという。
ラファエルに請われて宿場に留まった彼女は、鳥と話せる女将として、宿場を繁盛させることとなる。
自領に戻ったマリアンヌは、義父から才能を認められ、次期領主として再教育を受けていた。
一方、イグナーツは父と兄を説得し、画家として身を立てるべく修行の旅へ。
各地で美しい風景や人々の暮らしを描き続けていた彼は、旅先のエドマンド辺境伯領でマリアンヌと運命的に再会。
独自の境地に達しようとしていたイグナーツの絵に魅入られたマリアンヌは、彼の画家としての活動を精力的に支援する。
やがて二人は結ばれ、領主と画家という異色の夫婦が誕生。彼らの逸話は後世に戯曲として描かれ、多くの民衆に愛された。
ヒルダとマリアンヌは実家に戻っても頻繁に手紙を交わし、友情を深めていた。
装飾品作りに熱中するヒルダが職人養成学校の創設に着手すると、マリアンヌはその活動を支援。
エドマンド辺境伯家の潤沢な財源が注がれ、フォドラ各地にも同様の学校が建てられるほどになる。
数多の優秀な職人が育っていったフォドラでは、品質の高い装飾品が大量に生産され出し、重要な交易品としてフォドラに富みをもたらす結果ともなった。
なお、当時ヒルダがマリアンヌに贈った装飾品は、フォドラの至宝として後世に受け継がれている。
フェルディナントは正式にエーギル公爵位を継ぐと、マリアンヌとの婚姻を発表。同時に領内の改革に着手した。一方、自領に戻ったマリアンヌは花嫁修業と称し、辣腕と名高い義父から再教育を受ける。やがてその才能を認められると、すぐに彼女はフェルディナントの元へ向かい、無事に婚姻を結んだ。 エーギル公爵領は復興の途を辿っていたが、彼女が内政に加わると更に好転。フォドラで最も発展した領地の一つとなる。フェルディナントは妻を称えて銅像を造らせたが、妻自身の願いで永久にお蔵入りとなったという。
フェルディナントはエーギル公爵位を取り戻すと、マリアンヌとの婚姻を発表。
エドマンド辺境伯家の支援を受けて領内の改革に着手した。
二人は決して義父のエドマンド辺境伯に頼りきりにはならず、彼ら自身にできることを少しずつ進め、エーギル公爵領は徐々に復興していく。
特にマリアンヌの活躍目覚ましく、領民もフェルディナントも彼女の笑顔を見るために一体となって尽力した。
のちにフェルディナントは妻の事績を称えて銅像を造らせたが、妻自身の願いで永久にお蔵入りとなったという。
自領に戻ったマリアンヌは、義父から才能を認められ、次期領主として再教育を受けていた。
一方、リンハルトは身辺整理を済ませると、エドマンド辺境伯領に移り住み、紋章の研究を再開。
彼の非凡さを気に入ったエドマンド辺境伯はマリアンヌとの婚姻を認め、研究の支援を約束した。
のちに彼はリンハルトに家を継がせようともしたが、激しく拒絶されたため、マリアンヌが爵位を継承。
リンハルトが生み出す様々な研究成果はマリアンヌによって領内のあらゆる産業に還元され、人々の暮らしを豊かにしたという。
戴冠を受けて正式に王位を継承したディミトリは、統一王としてフォドラの統治と改革に心血を注ぐ。
そして即位から数年、彼は心を寄せていたマリアンヌを王妃として迎えた。
彼はさまざまな事績を成したが、そこには義父エドマンド辺境伯の薫陶を受けたマリアンヌによる多くの助言があったとされている。
のちに病を経て倒れたディミトリは、最期まで妻を残し世を去るのを惜しんだという。
「彼と共に過ごした時間は、何にも代えがたい幸福だった」。
後年発見された王妃の手記には、震える文字でそう記されている。
アッシュは騎士に叙され、ガスパール家の相続を認められる。
だが、若く経験の浅い城主を認めぬ民も多く、統治は難航していた。
そんなある日、アッシュの元を訪れたのはマリアンヌだった。
彼女は義父より学んだ知識を活かし、彼の統治を盤石のものとしてみせる。
これを契機に、ガスパール家とエドマンド家は強い信頼で結ばれることとなった。
アッシュはある時、なぜ見返りもなく助けてくれたのかとマリアンヌに尋ねた。
すると彼女は微笑み、アッシュを支えることが今の自分の夢なのだ、と語ったという。
戦後、マリアンヌは実家に戻ったが、ハンネマンとは頻繁に手紙をかわして親交を深めていた。
紋章学の研究を続けていたハンネマンが資金難に陥ると、マリアンヌは彼を養父と引き合わせて研究活動を支援した。
やがて彼の研究は実を結び、紋章を持たずとも同等の力を使える「魔道具」を発明。エドマンド辺境伯の財力によって量産され、フォドラの発展に大きく貢献した。
更にハンネマンは、戦闘以外で紋章の力を生かすための平和的紋章学を創始。その研究成果をもって後年、爵位を継いだマリアンヌを支えた。